特許第6509369号(P6509369)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6509369プライバシが保護されたリモートビューシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6509369
(24)【登録日】2019年4月12日
(45)【発行日】2019年5月8日
(54)【発明の名称】プライバシが保護されたリモートビューシステム
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/04 20060101AFI20190422BHJP
   B60R 21/00 20060101ALI20190422BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20190422BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20190422BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20190422BHJP
【FI】
   B60R11/04
   B60R21/00 340
   B60R11/02 W
   G08B25/00 510M
   G08B25/10 D
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-552922(P2017-552922)
(86)(22)【出願日】2016年4月8日
(65)【公表番号】特表2018-513804(P2018-513804A)
(43)【公表日】2018年5月31日
(86)【国際出願番号】US2016026778
(87)【国際公開番号】WO2016164820
(87)【国際公開日】20161013
【審査請求日】2017年12月6日
(31)【優先権主張番号】62/145,946
(32)【優先日】2015年4月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ スティーヴン ミラー
(72)【発明者】
【氏名】パトリック グラフ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ジョンズ
(72)【発明者】
【氏名】ベアンハート ヒリガー
【審査官】 高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−009761(JP,A)
【文献】 特開2003−306106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/02
11/04
21/00
G08B 25/00
25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プライバシが保護されたリモートビューシステムを動作させるための方法において、
電子制御ユニットを用いて、車室の1つ又は複数の画像に関するリクエストをリモートデバイスから受信することと、
前記電子制御ユニットを用いて、前記車室の前記1つ又は複数の画像を受信することと、
前記電子制御ユニットを用いて、プライバシキーが前記車室内に存在しているか否かを判定することと、
前記電子制御ユニットを用いて、一人又は複数人の乗員が前記車室内に存在しているか否かを判定することと、
前記電子制御ユニットを用いて、メモリに記憶されている前記車室のプライバシセッティングを検索することと、
前記プライバシキー及び前記一人又は複数人の乗員が前記車室内に存在していると判定したことに応答して、前記電子制御ユニットを用いて、1つ又は複数のプライバシ画像を、前記車室の前記1つ又は複数の画像及び前記プライバシセッティングに基づいて生成することと、
前記1つ又は複数のプライバシ画像を、アンテナを介して前記リモートデバイスに伝送するためにトランシーバを制御することと、
を含み、
さらに、前記電子制御ユニットを用いて、前記車室を備えている車両が事故に遭っているか否かを判定することを含み、
前記1つ又は複数の画像から、かつ、前記車室の前記プライバシセッティングに基づいて、前記1つ又は複数のプライバシ画像を生成することは、さらに、前記車両が事故に遭っていないと判定したことに応答して行われる、
方法。
【請求項2】
前記方法はさらに、前記車両が事故に遭っていると判定したことに応答して、前記電子制御ユニットを用いて、前記1つ又は複数の画像を、前記アンテナを介して前記リモートデバイスに伝送するために前記トランシーバを制御することを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記方法はさらに、前記プライバシキーが前記車室内に存在していないと判定したことに応答して、前記電子制御ユニットを用いて、前記1つ又は複数の画像を、前記アンテナを介して前記リモートデバイスに伝送するために前記トランシーバを制御することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法はさらに、前記一人又は複数人の乗員が前記車室内に存在していないと判定したことに応答して、前記電子制御ユニットを用いて、前記1つ又は複数の画像を、前記アンテナを介して前記リモートデバイスに伝送するために前記トランシーバを制御することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記車室の前記プライバシセッティングを、前記一人又は複数人の乗員のうちの少なくとも一人のアイデンティティを排除するようにセットし、
前記1つ又は複数のプライバシ画像は、当該1つ又は複数のプライバシ画像における前記一人又は複数人の乗員のうちの前記少なくとも一人の前記アイデンティティを排除する、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
プライバシが保護されたリモートビューシステムにおいて、
前記リモートビューシステムは、
車室の1つ又は複数の画像を捕捉するように構成されているカメラと、
電子制御ユニットと、
を備えており、
前記電子制御ユニットは、
第1のアンテナに電気的に接続されている第1のトランシーバと、
第2のアンテナに電気的に接続されている第2のトランシーバと、
メモリと、
前記メモリに電気的に接続されている電子プロセッサと、
を有しており、
前記電子制御ユニットは、
前記車室の前記1つ又は複数の画像に関するリクエストを、リモートデバイスから、前記第1のトランシーバ及び前記第1のアンテナを介して受信し、
前記車室の前記1つ又は複数の画像を前記カメラから受信し、
プライバシキーが前記車室内に存在しているか否かを、前記第2のトランシーバ及び前記第2のアンテナを介して判定し、
一人又は複数人の乗員が前記車室内に存在しているか否かを判定し、
前記メモリに記憶されている前記車室のプライバシセッティングを検索し、
前記プライバシキー及び前記一人又は複数人の乗員が前記車室内に存在しているという判定に応答して、前記車室の前記1つ又は複数の画像及び前記プライバシセッティングに基づいて、1つ又は複数のプライバシ画像を生成し、
前記1つ又は複数のプライバシ画像を、前記第1のアンテナを介して前記リモートデバイスに伝送するために前記第1のトランシーバを制御する、
ように構成されており、
前記電子制御ユニットは、さらに、前記車室を備えている車両が事故に遭っているか否かを判定するように構成されており、
前記電子制御ユニットは、さらに、前記1つ又は複数の画像から、かつ、前記車室の前記プライバシセッティングに基づいて、さらに、前記車両が事故に遭っていないと判定したことに応答して、前記1つ又は複数のプライバシ画像を生成するように構成されている、
リモートビューシステム。
【請求項7】
前記電子制御ユニットは、さらに、前記車両が事故に遭っているという判定に応答して、前記1つ又は複数の画像を、前記第1のアンテナを介して前記リモートデバイスに伝送するために前記第1のトランシーバを制御するように構成されている、
請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記電子制御ユニットは、さらに、前記プライバシキーが前記車室内に存在していないという判定に応答して、前記1つ又は複数の画像を、前記第1のアンテナを介して前記リモートデバイスに伝送するために前記第1のトランシーバを制御するように構成されている、
請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記電子制御ユニットは、さらに、前記一人又は複数人の乗員が前記車室内に存在していないという判定に応答して、前記1つ又は複数の画像を、前記第1のアンテナを介して前記リモートデバイスに伝送するために前記第1のトランシーバを制御するように構成されている、
請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記車室の前記プライバシセッティングを、前記一人又は複数人の乗員のうちの少なくとも一人のアイデンティティを排除するようにセットし、
前記1つ又は複数のプライバシ画像は、当該1つ又は複数のプライバシ画像における前記一人又は複数人の乗員のうちの前記少なくとも一人の前記アイデンティティを排除する、
請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年4月10日に出願された米国仮特許出願第62/145,946号明細書の利益を主張するものであり、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景技術
現行の車両には、車室を、また、場合によっては車両の乗員を見ることができる内部カメラを装備させることができる。内部カメラを、車室内の乗員の安全性、セキュリティ、快適性及び利便性に関連する多数の用途に使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
概要
しかしながら、遠隔操作により内部カメラにアクセス可能な場合には、車室内の一人又は複数人の乗員のアイデンティティは遠隔操作によりアクセス可能なものになる。従って、プライバシが保護されたリモートビューシステム、及び、プライバシが保護されたリモートビューシステムを動作させるための方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書において開示する特定の実施の形態の概要を、以下に記載する。それらの態様は、単にそれらの特定の実施の形態の簡単な概要を閲覧者に提供するために示されたものに過ぎず、本開示の範囲を限定することを意図したものではないと解されるべきである。それどころか、本開示は、以下に記載していない場合もある種々の態様を包含していると考えられる。
【0005】
1つの実施の形態においては、本発明は、プライバシが設定されるリモートビューシステムを動作させるための方法を提供する。本方法は、電子制御ユニットを用いて、車室の1つ又は複数の画像に関するリクエストをリモートデバイスから受信することを含む。本方法はまた、電子制御ユニットを用いて、車室の1つ又は複数の画像を受信することも含む。本方法はまた、電子制御ユニットを用いて、プライバシキーが車室内に存在しているか否かを判定することも含む。本方法はまた、電子制御ユニットを用いて、一人又は複数人の乗員が車室内に存在しているか否かを判定することも含む。本方法はまた、電子制御ユニットを用いて、メモリに記憶されている車室のプライバシセッティングを検索することも含む。本方法はまた、プライバシキー及び一人又は複数人の乗員が車室内に存在していると判定したことに応答して、電子制御ユニットを用いて、1つ又は複数のプライバシ画像を、車室の1つ又は複数の画像及びプライバシセッティングに基づいて生成することも含む。付加的に、本方法はまた、1つ又は複数のプライバシ画像を、アンテナを介してリモートデバイスに伝送するためにトランシーバを制御することも含む。
【0006】
1つの別の実施の形態においては、本発明は、プライバシが保護されたリモートビューシステムを提供する。このシステムは、車室の1つ又は複数の画像を捕捉するように構成されているカメラと、電子制御ユニットと、を備えており、電子制御ユニットは、第1のアンテナに電気的に接続されている第1のトランシーバと、第2のアンテナに電気的に接続されている第2のトランシーバと、メモリと、メモリに電気的に接続されている電子プロセッサと、を有している。電子制御ユニットは、車室の1つ又は複数の画像に関するリクエストを、リモートデバイスから、第1のトランシーバ及び第1のアンテナを介して受信し、車室の1つ又は複数の画像を受信し、プライバシキーが車室内に存在しているか否かを、第2のトランシーバ及び第2のアンテナを介して判定し、一人又は複数人の乗員が車室内に存在しているか否かを判定し、メモリに記憶されている車室のプライバシセッティングを検索し、プライバシキー及び一人又は複数人の乗員が車室内に存在しているという判定に応答して、車室の1つ又は複数の画像及びプライバシセッティングに基づいて、1つ又は複数のプライバシ画像を生成し、1つ又は複数のプライバシ画像を、第1のアンテナを介してリモートデバイスに伝送するために第1のトランシーバを制御する、ように構成されている。
【0007】
本発明の他の態様は、以下の詳細な説明及び添付の図面を考慮することによって明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】プライバシが保護されたリモートビューシステムが装備されている車室のブロック図を示す。
図2図1のリモートビューシステムの画像処理電子制御ユニットのブロック図を示す。
図3図1のリモートビューシステムの電子制御ユニットのブロック図を示す。
図4図1のリモートビューシステムを動作させるための方法のフローチャートを示す。
図5】プライバシが一切保護されていない車室の画像を示す。
図6】プライバシが保護された車室のプライバシ画像を示す。
図7】プライバシが保護された車室のプライバシ画像を示す。
図8】プライバシが保護された車室のプライバシ画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
本発明の任意の実施の形態を詳細に説明する前に、本発明は、その用途に関して、下記において説明する又は添付の図面に示した複数のコンポーネントの構造の詳細及びそれら複数の構成要素から成る装置に限定されるものではないと解される。本発明は、他の実施の形態を実現することができ、かつ、本発明を種々の手法で実施又は実行することができる。
【0010】
本発明を実施するために、ハードウェア及びソフトウェアをベースとする複数のデバイス、並びに、構造の異なる複数のコンポーネントを使用できることに言及しておく。さらに本発明の実施の形態が、ハードウェア、ソフトウェア、及び、電子コンポーネント又は電子モジュールを含むことができ、それらは、考察を目的として、コンポーネントの大部分がハードウェアでのみ実施されているかのように図示及び説明されている場合もあると解される。しかしながら、当業者であれば、この詳細な説明を閲覧することによって、少なくとも1つの実施の形態においては、本発明の電子ベースの態様を、1つ又は複数のプロセッサを用いて、(例えば、一時的でないコンピュータ可読媒体に記憶されている)ソフトウェアとして実施できると解される。従って、本発明を実施するために、ハードウェア及びソフトウェアをベースとする複数のデバイス、並びに、構造の異なる複数のコンポーネントを使用できることに言及しておく。例えば、本明細書において記載されている「制御ユニット」及び「制御装置」は、1つ又は複数のプロセッサ、一時的でないコンピュータ可読媒体を含む1つ又は複数のメモリモジュール、1つ又は複数の入力/出力インタフェース、及び、それらのコンポーネントを接続する種々の接続部(例えば、システムバス)を含むことができる。
【0011】
図1は、プライバシが保護されたリモートビューシステム102(「リモートビューシステム102」と記す)が装備されている車室100を表すブロック図である。リモートビューシステム102は、画像処理電子制御ユニット(ECU)110、カメラ112(例えば、魚眼レンズカメラ又は広角レンズカメラ)、オプションの(任意選択的な)カメラ114、ポイント・ツー・ポイントコネクション115A及び115B(「ポイント・ツー・ポイントコネクション115」と総称する)、車両通信インタフェース116Aから116C(「車両通信インタフェース116」と総称する)、電子制御ユニット(ECU)120、車両センサ140、プライバシキー142、リモートデバイス144、ワイヤレスネットワーク146、並びに、ワイヤレスネットワーク148を含む。ワイヤレスネットワーク146を、セルラネットワーク、Bluetooth(R)ネットワーク、ワイヤレス・ローカル・アクセス・ネットワーク(WLAN)、近距離用ワイヤレスネットワーク、遠距離用ワイヤレスネットワーク、又は、他の適切なワイヤレスネットワークのうちの一部若しくは全てにおいて実施することができる。ワイヤレスネットワーク148を、Bluetooth(R)ネットワーク、NFC(Near Field Communication)ネットワーク、近距離用ワイヤレスネットワーク、遠距離用ワイヤレスネットワーク、又は、他の適切なワイヤレスネットワークのうちの一部若しくは全てにおいて実施することができる。
【0012】
車室100は、運転席130、助手席132、左後部座席134、中央後部座席136、右後部座席138も含む。画像処理ECU110及びECU120を別個のコンポーネントとして説明し、また、図1においてそのような別個のコンポーネントとして図示したが、画像処理ECU110及びECU120を、まとめて単一の電子制御ユニットとして実施できると解される。また、画像処理ECU110及びECU120それぞれに属している機能を、画像処理ECU110又はECU120のうちの一方によって完全に実行することができるか、又は、画像処理ECU110及びECU120の両ECUの種々の組合せによって実行することができると解される。
【0013】
カメラ112は、ポイント・ツー・ポイントコネクション115Aを介して画像処理ECU110と通信を行うように接続されており、かつ、1つ又は複数の画像又はビデオストリームを画像処理ECU110に伝送する。付加的に、いくつかの実施の形態においては、オプションのカメラ114が、ポイント・ツー・ポイントコネクション115Bを介して画像処理ECU110と通信を行うように接続されており、かつ、1つ又は複数の画像又はビデオストリームを画像処理ECU110に伝送する。オプションのカメラ114は、カメラ112の位置とは異なる位置に設けられている。例えば、カメラ112が車室100の前部付近に設けられている場合、オプションのカメラ114は、車室100の後部付近に設けられている。
【0014】
画像処理ECU110は、カメラ112によって捕捉された、また、いくつかの実施の形態においては、オプションのカメラ114によって捕捉された、1つ又は複数の画像(例えば、全方位画像)を受信する。いくつかの実施の形態においては、画像処理ECU110は、所定の時間間隔で1つ又は複数の画像を処理し、かつ、1つ又は複数の画像及び関連付けられたデータを記録する。例えば、画像処理ECU110は、少なくとも部分的に、車室100が移動した距離に基づいて、1つ又は複数の画像を処理することができる。画像処理ECU110は、車両通信インタフェース116Aを介してECU120と通信を行うように接続されており、かつ、1つ又は複数の画像をECU120に伝送する。例えば、図2は、図1のリモートビューシステム102の画像処理ECU110のブロック図である。画像処理ECU110は、画像処理ECU110内及び/又はカメラ112内のコンポーネント及びモジュールに電力、動作制御及び保護を提供する、電気的及び電子的な複数のコンポーネントを含む。例えば、画像処理ECU110は、特に制御装置205(例えば、プログラマブル電子マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、他の適切な処理デバイスなど)、電源210、及び、入力/出力モジュール215を含む。いくつかの実施の形態においては、画像処理ECU110は、カメラ112と共に、単一のデバイスに統合されている。
【0015】
図2の例においては、制御装置205は、電子プロセッサ220及びメモリ225を含む。電子プロセッサ220は、メモリ225と通信を行うように接続されており(例えば、電気的に接続されており)、かつ、メモリ225に記憶することができる命令を実行する。制御装置205は、特に本明細書に記載した制御プロセス及び制御方法に関連する命令をメモリ225から検索して実行するように構成されている。また、制御装置205を、同時係属中のPCT出願PCT/US16/26747(2016年4月8日出願)に記載されている乗員検出プロセス及び乗員検出方法に関連する命令をメモリ225から検索して実行するように構成することもできる。この刊行物の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。特に、画像処理ECU110は、車室100内の一人又は複数人の乗員の数、大きさ、姿勢及び対応する位置を識別するために、乗員検出システムを使用することができる。画像処理ECU110は、一人又は複数人の乗員の情報を、車室100の1つ又は複数の画像に関連付けられたメタデータとして、ECU120に出力することができる。別の実施の形態においては、画像処理ECU110は、付加的なコンポーネント、より少ない数のコンポーネント、又は、異なるコンポーネントを含む。画像処理ECU110を、本明細書において挙げた特定の機能を実行するようにそれぞれが構成されている、独立した複数の電子制御ユニットとして実施できることに言及しておく。付加的に、画像処理ECU110は、特定のタイプのセンサデータを受信し、かつ、関連する処理を実行するサブモジュールを含むことができる。
【0016】
画像処理ECU110は、カメラ112から1つ又は複数の画像を受信して、その1つ又は複数の画像を処理するように構成されている。例えば、図2の実施の形態においては、入力/出力モジュール215が、カメラ112から1つ又は複数の画像を受信して、その1つ又は複数の画像を、画像処理のために制御装置205に送信する。続いて、制御装置205は、その1つ又は複数の画像を処理する。代替的には、画像処理ECU110の制御装置205によって実施される解析モジュールが、カメラ112から1つ又は複数の画像を受信し、その1つ又は複数の画像を適切なフォーマットに変換し、その1つ又は複数の画像内の対象物及び特徴部(例えば、車室内の一人又は複数人の乗員)を認識し、その1つ又は複数の画像内の対象物及び特徴部を追跡し、他のECU(例えば、ECU120)を制御することができるか、又は、それらの処理からのデータ出力を他のECUに送信することができる(例えば、1つ又は複数の画像及び/又はメタデータをECU120に送信することができる)。
【0017】
画像処理ECU110、画像処理ECU110のサブモジュール、及び、付加的なECU(例えば、ECU120)を、車両通信インタフェース116における1つ又は複数の通信モジュールを介してリンクさせることができる、及び/又は、画像処理ECU110の入力/出力モジュール215を介して直接的に接続することができる。いくつかの実施の形態においては、ECU120は、画像処理ECU110の入力/出力モジュール215と通信するために、J1939又はCANようなプロトコルを用いて通信を行う。別の実施の形態においては、ECU120は、特定の用途の要求に応じた他の適切なプロトコルの使用の下で、画像処理ECU110の入力/出力モジュール215と通信する。いくつかの実施の形態においては、画像処理ECU110の入力/出力モジュール215は、種々の制御装置及びセンサからの専用信号線を直接的に使用して、情報を受信する。
【0018】
再び図1を参照すると、ECU120は、画像処理ECU110から1つ又は複数の画像を受信し、ワイヤレスネットワーク146を介するリモートデバイス144からのリクエストの受信に応答して、下記においてより詳細に説明するような種々の判定に応じて、上記において説明したような1つ又は複数の画像、又は、1つ又は複数のプライバシ画像をリモートデバイス144に伝送する。例えば、ECU120は、1つ又は複数の画像、又は、1つ又は複数のプライバシ画像を、ワイヤレスネットワーク146を介してリモートデバイス144に伝送することができる。
【0019】
車室100からの画像又はビデオにアクセスして、アイテムが車室100内に設けられているか否かを判定するために、リモートデバイス144からのリクエストを、リモートデバイス144のユーザによって開始することができる。付加的又は代替的に、車室100からの画像又はビデオにアクセスして、いずれかの乗員が車室100内に存在しているか否かを判定するために、リモートデバイス144からのリクエストを、リモートデバイス144のユーザによって開始することができる。いくつかの実施の形態においては、リモートデバイス144は、スマートフォン、タブレット、サーバ、又は、他の適切な通信デバイスである。いくつかの実施の形態においては、リモートデバイス144は、車室100のユーザによって、又は、第三者のユーザ(例えば、救急隊員)によってアクセスされる。
【0020】
いくつかの実施の形態においては、車室100の画像を伝送するために、ECU120がリモートデバイス144からリクエストを受信した際に、車室100内には一人又は複数人の乗員が存在している。車室100の、1つ又は複数の画像、又は、1つ又は複数のプライバシ画像を伝送する際に、車室100内の一人又は複数人の乗員に関するプライバシ保護を実現するために、ECU120は、ECU120のメモリに記憶されているプライバシセッティングを使用する。
【0021】
ECU120は、ECU120のメモリから検索したプライバシセッティングに少なくとも部分的に基づいて、1つ又は複数の画像から1つ又は複数のプライバシ画像を生成することができる。例えば、図3は、図1のリモートビューシステム102のECU120のブロック図である。ECU120は、画像処理ECU110と同種の複数のコンポーネントを含んでおり、従って、それらのコンポーネントについてはより詳細に説明しない。ECU120は、第1のトランシーバ302、第1のアンテナ304、第2のトランシーバ306及び第2のアンテナ308を含む。いくつかの実施の形態においては、ECU120は、リモートビューシステム102に専用のものである。別の実施の形態においては、ECU120は、リモートビューシステム102を含む種々の車両システム間で共有される。いくつかの実施の形態においては、ECU120は、マルチカメラシステム(例えば、外部サラウンドビューシステム、バックアップカメラシステム、又は、他の車両カメラシステム)の一部である。
【0022】
ECU120の制御装置205は、電子プロセッサ220及びメモリ225を含む。電子プロセッサ220は、メモリ225と通信を行うように接続されており(例えば、電気的に接続されており)、かつ、メモリ225に記憶することができる命令を実行する。ECU120のメモリ225は、車室100に関連付けられたプライバシセッティングも記憶している。制御装置205は、特に本明細書に記載した制御プロセス及び制御方法に関連する命令(例えば下記においてより詳細に説明するプライバシセッティングを基礎とする制御プロセス及び制御方法)をメモリ225から検索して実行するように構成されている。別の実施の形態においては、ECU120は、付加的なコンポーネント、より少ない数のコンポーネント、又は、異なるコンポーネントを含む。ECU120を、本明細書において挙げた特定の機能を実行するようにそれぞれが構成されている、独立した複数の電子制御ユニットとして実施できることに言及しておく。付加的に、ECU120は、特定のタイプのセンサデータを受信し、かつ、関連する処理を実行するサブモジュールを含むことができる。
【0023】
ECU120の入力/出力モジュール215は、画像処理ECU110から1つ又は複数の画像を、関連付けられたメタデータ(例えば、メタデータは、乗員の数、一人の乗員又は複数人の乗員各々の姿勢、一人の乗員又は複数人の乗員各々の大きさ、一人の乗員又は複数人の乗員各々の位置、又は、他の適切なメタデータを含むことができる)と共に受信するように構成されている。制御装置205は、入力/出力モジュール215によって受信された1つ又は複数の画像又はビデオを処理するように構成されている。例えば、図3の実施の形態においては、入力/出力モジュール215が、画像処理ECU110から1つ又は複数の画像を受信して、その1つ又は複数の画像を、画像処理のために制御装置205に送信する。続いて、制御装置205は、その1つ又は複数の画像を処理する。1つ又は複数の画像を処理することによって、ECU120の制御装置205は、その1つ又は複数の画像から、1つ又は複数のプライバシ画像を生成することができる。付加的に、種々の判定に応じて、制御装置205は、1つ又は複数のプライバシ画像をリモートデバイス(例えば、リモートデバイス144)に伝送するために、第1のトランシーバ302及び第1のアンテナ304を制御することができる。代替的に、種々の判定に応じて、制御装置205は、1つ又は複数の画像を直接的に、画像処理ECU110からリモートデバイス(例えば、リモートデバイス144)に伝送するために、第1のトランシーバ302及び第1のアンテナ304を制御することができる。第1のトランシーバ302は、長距離用無線周波数(RF)トランシーバ(例えば、第2世代(2G)、第3世代(3G)、又は、第4世代ロングタームエボリューション(4G LTE)のうちの1つを介して通信を行うRFトランシーバ、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)トランシーバ、又は、他の適切な長距離用RFトランシーバ)である。
【0024】
ECU120、サブモジュール、及び、付加的なECU(例えば、画像処理ECU110)を、車両通信インタフェース116における1つ又は複数の通信モジュールを介してリンクさせることができる、及び/又は、入力/出力モジュール215を介して直接的に接続することができる。いくつかの実施の形態においては、画像処理ECU110は、入力/出力モジュール215と通信するために、J1939又はCANようなプロトコルを用いて通信を行う。別の実施の形態においては、画像処理ECU110は、特定の用途の要求に応じた他の適切なプロトコルの使用の下で、入力/出力モジュール215と通信する。いくつかの実施の形態においては、入力/出力モジュール215は、種々の制御装置及びセンサからの専用信号線を直接的に使用して、情報を受信する。
【0025】
再び図1を参照すると、いくつかの実施の形態においては、ECU120は、車室100内のプライバシキー142を、無線ネットワーク148を介して検出又は通信することもできる。図3の例においては、第2のトランシーバ306は、短距離用RFトランシーバ(例えばBluetooth(R)トランシーバ、NFCトランシーバ、又は、他の適切な短距離用RFトランシーバ)である。プライバシキー142は、スマートフォン、キーフォブ、タブレット、スマートウォッチ、若しくは、ECU120、又は、他の車両システムによって検出することができる他の適切なワイヤレスデバイスであってよい。さらに車室100のプライバシセッティングを制御するために、プライバシキー142を、ECU120によって使用することもできる。
【0026】
いくつかの実施の形態においては、プライバシセッティングは、種々の閾値を含んでおり、また、ECU120は、プライバシセッティングのそれらの種々の閾値を、車室100内のプライバシキー142の検出に基づいて変更又は調整する。例えば、ECU120は、プライバシキー142が車室100内に存在している場合には、リモートビューシステム102をディスエーブルにする(例えば、プライバシセッティングを最大プライバシ閾値にセットする)ことができる。代替的に、ECU120は、プライバシキー142が車室100内に存在していない場合には、リモートビューシステム102をイネーブルにする(例えば、プライバシセッティングをデアクティブにするか、又は、プライバシセッティングを最大プライバシ閾値から引き下げる)ことができる。さらに、プライバシセッティングの種々の閾値に応じて、ECU120は、下記においてより詳細に説明するように、一人又は複数人の乗員を含んでいる1つ又は複数の画像の1つ又は複数の部分を様々な程度で検閲して修正することによって、1つ又は複数のプライバシ画像を生成することができる。
【0027】
ECU120は、ワイヤレスネットワーク146を介するプライバシ画像のリモートデバイス144への伝送に先行して、1つ又は複数のプライバシ画像を生成する。このようにして、リモートデバイス144に伝送されるいずれのプライバシ画像も、車室100内に存在している一人又は複数人の乗員のアイデンティティを限定又は排除することができる。
【0028】
いくつかの実施の形態においては、ECU120は、デフォルトでプライバシセッティングを少なくとも車室100に関する低い閾値にセットする。図1に図示した実施の形態においては、ECU120は、車両通信インタフェース116Cを介してユーザインタフェース150に接続されており、このユーザインタフェース150によって、車室100のユーザは、デフォルト閾値セッティングを含むプライバシセッティングの種々の閾値を調整することができる。ユーザインタフェースによって、ユーザは、種々のプライバシキーを登録することができるか、又は、種々のプライバシキーをECU120とペアリングさせることもできる。付加的又は代替的に、ECU120は、他の車両システムから受信した入力又はコマンドに応答して、プライバシセッティングをアクティブ又はデアクティブにすることができる。ユーザインタフェース150は、グラフィカルユーザインタフェースを含むことができ、このグラフィカルユーザインタフェースは、タッチスクリーンディスプレイに表示され、かつ、タッチスクリーンディスプレイから入力を受信し、また、このグラフィカルユーザインタフェースは、ディスプレイに表示され、かつ、制御デバイス又は他の適切なユーザインタフェースから入力を受信する。
【0029】
車両センサ140は、車両通信インタフェース116Bを介して、ECU120と通信を行うように接続されており、かつ、車両センサ140は、車室100を備えている車両が事故に遭っているか否かを示すことができる。いくつかの実施の形態においては、車両センサ140は、ECU120が車両の位置、走行方向及び動きを判定することができる情報を伝送する。いくつかの実施の形態においては、ECU120は、車両が事故に遭っているか否かを、車両センサ140から受信した情報に基づいて判定する。ECU120は、車室100を備えている車両が事故に遭っている場合には、プライバシセッティングをデアクティブにする。プライバシセッティングのデアクティブ化によって、緊急係員又は他の救急隊員は、プライバシが保護されていない車室100の1つ又は複数の画像にアクセスして、リモートビューを行うことができる。いくつかの実施の形態においては、車両センサ140は、グローバルポジショニングシステム(GPS)、1つ又は複数のエアバッグセンサ、又は、他の適切な衝突センサを含む。
【0030】
図4は、リモートビューシステム102を動作させるための方法400のフローチャートである。方法400を、図3と関連させて説明する。しかしながら、方法400に示した機能を、複数のデバイス間に、例えば、画像処理ECU110、ECU120、及び/又は、他の車両システムに分散させることができると解される。また、方法400に示した機能は、ECU120による実行に限定されるものではなく、画像処理ECU110又は他の車両システムによっても実行することができると解される。
【0031】
図4に示したように、ECU120は、リモートデバイス(例えば、上記において説明したようなリモートデバイス144)から画像リクエストを受信する(ブロック402)。いくつかの実施の形態においては、ECU120は、第1のトランシーバ302及び第1のアンテナ304を介して、リモートサーバ(例えば、救急手配センタのコンピュータ)から画像リクエストを受信する。
【0032】
また、ECU120は、画像処理ECU110を介して、カメラ112から車室(例えば、上記において説明したような車室100)の1つ又は複数の画像を受信する(ブロック404)。いくつかの実施の形態においては、ECU120は、1つ又は複数の画像を、継続的に、又は、1つ又は複数の画像のリクエストに応じて、画像処理ECU110から受信する。別の実施の形態においては、1つ又は複数の画像は、車室内の全ての着席領域をカバーする広角レンズを備えているカメラ112からのビデオストリームである。1つ又は複数の画像は、ロー画像、処理された画像、圧縮画像、又は、非圧縮画像のうちの1つであってよい。付加的に、ECU120は、1つ又は複数の画像に関連付けられたメタデータを画像処理ECU110から受信する。
【0033】
ECU120は、プライバシキー(例えば、上記において説明したようなプライバシキー142)が、車室内に存在しているか否かを判定する(判定ブロック406)。例えば、ECU120の第2のトランシーバ306は、ワイヤレスキーフォブから第2のアンテナ308を介して信号を受信する短距離用無線周波数(RF)トランシーバである。ワイヤレスキーフォブを、ECU120のメモリ225にプライバシキーとして登録することができる。1つの別の例においては、ECU120が、スマートフォンは、ワイヤレスネットワーク(例えば、上記において説明したようなワイヤレスネットワーク148)を介してECU120に接続されているか否か、また、メモリ225にプライバシキーとして登録されているか否か、また、車室内に存在しているか否かを、判定することができる。
【0034】
ECU120は、プライバシキーから受信した位置情報(例えば、GPS情報又は他の位置ベースの情報)に基づいて、プライバシキーが車室内に存在しているか否かを判定することができる。選択的に、ECU120は、第2のトランシーバ306及び第2のアンテナ308を介して、ECU120とプライバシキーとを接続するワイヤレスネットワークの特性に基づいて、プライバシキーが車両内に存在しているか否かを判定することができる。例えば、ECU120は、ECU120のメモリ225内に記憶されている、ワイヤレスネットワークの最大距離に関する情報を有しており、また、その最大距離に基づいて、ECU120は、プライバシキーが車室内に存在しているか否かを判定することができる。換言すれば、ECU120は、ワイヤレスネットワークの最大距離が6フィートであるという、ECU120のメモリ225に記憶されている情報を有することができる。車室が6フィートの長さであり、かつ、ECU120がプライバシキーを検出しないか、又は、ワイヤレスネットワークを介してプライバシキーと接続されない場合には、ECU120は、プライバシキーが車室内に存在していないと判定することができる。
【0035】
ECU120が、プライバシキーは車室内に存在していないと判定した場合には(判定ブロック406)、ECU120は、画像処理ECU110からの1つ又は複数の画像を、ワイヤレスネットワーク(例えば、ワイヤレスネットワーク146)を介して、第1のアンテナから伝送するために、第1のトランシーバ302を制御する(ブロック408)。このようにして、プライバシキーが車室内に存在していないことに起因して、ECU120は、プライバシが保護されたいずれの画像も生成しない。例えば、図5は、プライバシが一切保護されていない車室の画像500である。この図示した実施の形態においては、画像500には二人の乗員、即ち、第1の乗員505及び第2の乗員510が含まれている。二人の乗員は、関心の対象となる対象物であり、上記において説明したように、画像処理ECU110の乗員検出システムによって検出され、また、二人の乗員に関する情報は、関連付けられたメタデータとしてECU120に供給される。図5に示したように、第1の乗員505及び第2の乗員510は、カメラ112からの画像500の一部を占有している(例えば、車室の運転席130及び右後部座席138をそれぞれ占有している)。
【0036】
ECU120が、車室内にプライバシキーは存在していると判定した場合には、ECU120は、一人又は複数人の乗員が車室内に存在しているか否かを判定する(判定ブロック410)。例えば、ECU120は、一人又は複数人の乗員が車室内に存在しているか否かを判定するために、車室の1つ又は複数の画像に関連付けられたメタデータを使用することができる。代替的に、ECU120は、他の車両センサ(例えば、上記において説明したような車両センサ140)から情報を受信し、かつ、ECU120は、他の車両センサからの情報に基づいて、車両内に一人又は複数人の乗員が存在しているか否かを判定することができる。例えば、ECU120がシートベルト着用センサからの指示又は重量センサからの指示を受信すると、ECU120は、一人又は複数人の乗員が車室内に存在していると判定することができる。
【0037】
ECU120が、車室内に乗員は存在していないと判定した場合には、ECU120は、画像処理ECU110からの1つ又は複数の画像(例えば、上記において説明したような画像500)を、ワイヤレスネットワークを介して第1のアンテナ304から伝送するために、第1のトランシーバ302を制御する(ブロック408)。このようにして、乗員が車室100内に存在していないことに起因して、ECU120は、プライバシが保護されたいずれの画像も生成しない。
【0038】
ECU120が、車室内に乗員は存在していると判定した場合には(判定ブロック410)、ECU120は、ECU120のメモリ225に記憶されているプライバシセッティングを検索し、プライバシセッティングがアクティブにされているか否かを判定する(判定ブロック412)。ECU120が、プライバシセッティングはアクティブにされていないと判定した場合には(判定ブロック412)、ECU120は、画像処理ECU110からの1つ又は複数の画像(例えば、上記において説明したような画像500)を、ワイヤレスネットワークを介して、第1のアンテナ304からリモートデバイスに伝送するために、第1のトランシーバ302を制御する(ブロック408)。このようにして、プライバシセッティングがアクティブにされていないことに起因して、ECU120は、プライバシが保護されたいずれの画像も生成しない。
【0039】
ECU120が、プライバシセッティングはアクティブにされていると判定した場合には(判定ブロック412)、ECU120は、1つ又は複数の画像から1つ又は複数のプライバシ画像を生成し、その1つ又は複数のプライバシ画像を、ワイヤレスネットワークを介して、第1のアンテナ304からリモートデバイス(例えば、リモートデバイス144)に伝送するために、第1のトランシーバ302を制御する(ブロック414)。このようにして、プライバシキー及び一人又は複数人の乗員が車室内に存在しており、かつ、プライバシセッティングがアクティブにされていると、ECU120が判定したことから、ECU120は、プライバシが保護された1つ又は複数のプライバシ画像を生成する。いくつかの実施の形態においては、プライバシキーは、ECU120のメモリに記憶されているプライバシセッティングをアクティブにする、又は、調整することができる。いくつかの実施の形態においては、プライバシセッティングは、リモートデバイスに提供される情報のタイプを判定する種々の閾値を有している。
【0040】
プライバシセッティングの最大閾値は、車室のいずれの画像又は情報にも対応していなくてよい。プライバシセッティングの最小閾値は、車室の1つ又は複数の無検閲画像に対応することができる。プライバシセッティングの高い閾値は、車室の情報(例えば、乗員の数)にのみ対応することができ、画像には対応しなくてよい。プライバシセッティングの中程度の高さの閾値は、車室の一人又は複数人の乗員を含んでいるプライバシ画像の複数の部分を検閲するプライバシ画像に対応することができる。例えば、図6は、プライバシが保護された車室のプライバシ画像600である。図示した実施の形態においては、プライバシ画像600にはプライバシ画像600の2つの部分、即ち、第1の部分605及び第2の部分610が含まれている。図6に示したように、第1の部分605及び第2の部分610は、プライバシ画像600の複数の部分(例えば、運転席130及び右後部座席138それぞれ)を完全に検閲して修正している。ここでは、ECU120が、二人の乗員(例えば、図5に示したような第1の乗員505及び第2の乗員510)の位置を、画像処理ECU110からのメタデータに基づいて特定している。
【0041】
ECU120によって生成されたプライバシ画像は、プライバシ画像600に示されているような完全に検閲されて修正された部分に限定されるものではなく、その代わりに、検閲の程度を変更できると解される。例えば、図7は、プライバシが保護された車室のプライバシ画像700である。プライバシ画像600の完全に検閲されて修正された部分の代わりに、プライバシ画像700は、二人の乗員705及び710のぼやかされた顔を含んでいる。代替的に、図8は、プライバシが保護された車室のプライバシ画像800である。プライバシ画像600の完全に検閲されて修正された部分又はプライバシ画像700のぼやかされた顔の代わりに、プライバシ画像800は、二人の乗員(例えば、乗員705及び710)の姿に対応する、検閲されて修正された部分805及び810を含んでいる。いずれにせよ、プライバシ画像600,700,800は、車室の画像500に実質的に相似する。
【0042】
任意選択的に、いくつかの実施の形態においては、ECU120は、車室を備えている車両が事故に遭っているか否かを判定することもできる(判定ブロック416)。ECU120が、車両は事故に遭っていると判定した場合には(判定ブロック416)、ECU120は、画像処理ECU110からの1つ又は複数の画像(例えば、上記において説明したような画像500)を、ワイヤレスネットワークを介して、第1のアンテナ304からリモートデバイスに伝送するために、第1のトランシーバ302を制御する(ブロック408)。このようにして、ECU120は、車両が事故に遭っていることに起因して、プライバシが保護されたいずれの画像も生成せず、また、救急隊員が、車室内の一人又は複数人の乗員についての情報を収集することが必要になると考えられる。換言すれば、事故によって、車室に関連付けられたプライバシセッティングがデアクティブにされる。
【0043】
ECU120が、車両は事故に遭っていないと判定し(判定ブロック416)、かつ、ECU120が、プライバシセッティングはアクティブにされていると判定した場合には(判定ブロック412)、ECU120は、1つ又は複数の画像から1つ又は複数のプライバシ画像を生成し、その1つ又は複数のプライバシ画像を、ワイヤレスネットワークを介して、アンテナからリモートデバイス(例えば、リモートデバイス144)に伝送する(ブロック414)。このようにして、ECU120が、プライバシキー及び一人又は複数人の乗員が車室内に存在しており、プライバシセッティングがアクティブにされており、かつ、車室を備えている車両が事故に遭っていないと判定したことに起因して、ECU120は、プライバシが保護された1つ又は複数のプライバシ画像を生成する。
【0044】
従って、本発明は特に、プライバシが保護されたリモートビューシステム、及び、プライバシが保護されたリモートビューシステムを動作させるための方法を提供する。本発明の種々の特徴及び利点は、以下の特許請求の範囲に記載されている。
図1
図2
図3
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図8