特許第6509439号(P6509439)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6509439
(24)【登録日】2019年4月12日
(45)【発行日】2019年5月8日
(54)【発明の名称】倒立型圧搾容器泡発生器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/06 20060101AFI20190422BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20190422BHJP
   B65D 47/42 20060101ALI20190422BHJP
   B65D 47/20 20060101ALI20190422BHJP
【FI】
   B65D47/06 200
   B65D83/00 J
   B65D47/42 200
   B65D47/20 111
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-526477(P2018-526477)
(86)(22)【出願日】2016年10月4日
(65)【公表番号】特表2018-525290(P2018-525290A)
(43)【公表日】2018年9月6日
(86)【国際出願番号】KR2016011077
(87)【国際公開番号】WO2017065439
(87)【国際公開日】20170420
【審査請求日】2018年2月7日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0142549
(32)【優先日】2015年10月13日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518044608
【氏名又は名称】アポロ インダストリアル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】APOLLO INDUSTRIAL CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100203091
【弁理士】
【氏名又は名称】水鳥 正裕
(74)【代理人】
【識別番号】100059225
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 璋子
(72)【発明者】
【氏名】リ,チェキョン
【審査官】 佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】 韓国登録特許第10−1517825(KR,B1)
【文献】 特表2014−514216(JP,A)
【文献】 実開昭51−018866(JP,U)
【文献】 実開昭48−072795(JP,U)
【文献】 特開2014−108802(JP,A)
【文献】 特開2013−112411(JP,A)
【文献】 特開2014−148333(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/06
B65D 47/20
B65D 47/42
B65D 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部には液体内容物が貯蔵され、下部には雄ねじが形成されたネック(110)が設けられた倒立型圧搾容器(100)と、
前記倒立型圧搾容器(100)のネック(110)に螺合方式で締結される大キャップ部(210)と、前記大キャップ部(210)の外郭に円筒形状からなる昇下降ガイド壁(220)と、前記大キャップ部(210)の下部から上端部が段差(230)を形成しながら直径が縮小された管状に突出するようになされ、下部が開放された泡排出部(240)とを備え、前記段差(230)には外部空気の流入を許容するためのエアホール(250)が穿孔された、キャップ本体(200)と、
前記キャップ本体(200)の大キャップ部(210)の内部下側に縁部(310)が嵌められて収容配置されて、前記キャップ本体(200)の段差(230)の上部と離隔し、中央部位には、凹状に窪んで液体排出口(330)が穿孔された排出案内部(320)が形成され、前記排出案内部(320)の中央上部には、液体内容物の排出を案内するための筒状の排出路(340)が突出するように設けられ、前記排出案内部(320)の縁部には、前記倒立型圧搾容器(100)の圧搾時に内部空気が前記排出案内部(320)の下側に排出されるようにするエア排出口(350)、及び前記圧搾容器(100)の復元時に外部空気が前記倒立型圧搾容器(100)の内部に流入するようにするエア流入口(360)が形成された、内容物排出ガイド(300)と、
前記内容物排出ガイド(300)の上部を覆うように嵌合されて前記エア排出口(350)及びエア流入口(360)と連通するエアルーム(410)が内部に形成され、中央部には、内容物吸入口(420)を形成して、前記内容物排出ガイド(300)の排出路(340)の内部に同軸上に嵌合され、前記倒立型圧搾容器(100)が圧搾されたか否かによって前記内容物吸入口(420)を選択的に開閉する内容物チェック弁(430)が内蔵された筒状の結合部(440)が設けられ、上面には、前記エアルーム(410)と連通するようにチューブ嵌合口(450)が突出形成された、弁ハウジング(400)と、
前記弁ハウジング(400)のチューブ嵌合口(450)に下端部が嵌合され、上端は前記倒立型圧搾容器(100)の上部に向かって延びて配置されて、空気が残留する前記倒立型圧搾容器(100)の上部空間と前記エアルーム(410)を連通させるためのエアチューブ(500)と、
弾性材質からなり、上端は前記内容物排出ガイド(300)の下面に密着し、下端は前記キャップ本体(200)の段差(230)の上部に密着して前記泡排出部(240)の内部に気液混合室(S)を形成するリング状の区画壁(610)と、前記区画壁(610)の内側から中央部に向かって上向きに延び、端部が前記内容物排出ガイド(300)の排出案内部(320)に弾性的に密着し、前記倒立型圧搾容器(100)の圧搾時に前記倒立型圧搾容器(100)の内部空気が前記エア排出口(350)を介して前記気液混合室(S)に排出されることを許容する第1チェック弁部(620)と、前記区画壁(610)の外側で外側に向かって下向きに延び、端部が前記キャップ本体(200)の段差(230)の外側に弾性的に密着して、前記倒立型圧搾容器(100)の圧搾時には前記エアホール(250)を閉鎖し、前記倒立型圧搾容器(100)の復元時には前記エアホール(250)を開放して外部から空気の流入を許容する第2チェック弁部(630)とを含む、エアチェック弁ユニット(600)と、
前記キャップ本体(200)の泡排出部(240)の内部に嵌められて収容配置され、上、下部が開放された円筒形状からなり、上面及び下面には濾過網(720)(730)が設けられて、前記気液混合室(S)で液体内容物と空気が混合されて形成された泡を均質化させながら排出案内する濾過部材(700)と、
円筒状の壁面(810)の上端が前記キャップ本体(200)の昇下降ガイド壁(220)の内側に昇下降可能に収容結合され、前記キャップ本体(200)の下部を覆う下面(820)には、前記濾過部材(700)を抜け出た泡が外部に分散して排出される複数個の泡分散孔(830)が穿孔され、下面(820)の中央には、昇下降操作によって前記泡排出部(240)を選択的に開閉する円筒状の遮断壁(840)が突出して設けられた、昇下降キャップ(800)とを備えることを特徴とする、倒立型圧搾容器泡発生器。
【請求項2】
前記内容物チェック弁(430)は、
前記弁ハウジング(400)の結合部(440)の内部で上下に摺動可能に配置され、上端部が円錐形状からなって前記内容物吸入口(420)を開閉する弁ボディー(431)と、
前記弁ボディー(431)を前記弁ハウジング(400)の結合部(440)の内部で上側方向に弾性支持する弾性部材(432)とからなることを特徴とする、請求項1に記載の倒立型圧搾容器泡発生器。
【請求項3】
前記圧搾容器泡発生器は、
前記昇下降キャップ(800)の下部に嵌装され、前記泡分散孔(830)と個別に連通するように複数個の連通口(920)が設けられたベース(910)と、
前記連通口(920)を介して排出された泡を皮膚に均一に塗るために前記ベース(910)の下面に設けられたマッサージ毛(930)とを備えた、マッサージ部材(900)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の倒立型圧搾容器泡発生器。
【請求項4】
前記昇下降ガイド壁(220)の内側には、互いに対向するように支持軸(260)が突出して形成され、
前記昇下降キャップ(800)の壁面(810)の外側には、前記支持軸(260)がそれぞれ収容される螺旋溝(850)が一定の区間にわたって対向するように形成されて、前記昇下降キャップ(800)の正逆方向回転操作によって定位置で上昇又は下降するように配置され、
前記昇下降キャップ(800)の正方向回転により前記昇下降キャップ(800)が最大に下降すると、前記円筒状の遮断壁(840)が前記泡排出部(240)を開放し、前記昇下降キャップ(800)の逆方向回転により前記昇下降キャップ(800)が最大に上昇すると、前記円筒状の遮断壁(840)が前記泡排出部(240)を閉鎖することを特徴とする、請求項1に記載の倒立型圧搾容器泡発生器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、倒立型圧搾容器泡発生器に関し、より詳細には、倒立型圧搾容器を直接圧搾すると、液状の内容物が空気と共に混合されながら泡状に排出されるようにする倒立型圧搾容器泡発生器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、泡発生器は、容器に貯蔵された液体内容物を気液混合室で空気を合流させると同時に、濾過網体を介して均一な泡液体を作って排出するもので、ボディーシャンプー、毛髪化粧料または浴室、台所、トイレ用洗浄剤などに様々な用途に使用される。
【0003】
従来の泡発生器は、液状の内容物に適切な量のガスを混合及び押出して泡を発生させる形態で使用されているが、このようなガス泡発生器が適用される製品では、容器内に圧縮ガスを充填しなければならないため、作製の面でかなりの技術的な困難があり、使用する度に振らなければならないという不便さがある。また、製品容器が傾斜した状態では、充填液を泡状態に噴出させることができず、圧縮ガスのみが噴射されるという欠点がある。
【0004】
このような欠点を解決するために、圧縮空気を充填したり、振ったりしなくても、外部空気と液体内容物を適切に混合させて泡として噴出させるフォーミングポンプアセンブリが大韓民国登録実用新案公報第20−0169773号(考案の名称:泡発生器の空気弁装置)として開示されている。
【0005】
大韓民国登録実用新案公報第20−0169773号に開示されたフォーミングポンプアセンブリは、図1に示したように、内容物(液状)が貯蔵された容器Aのネックに螺合方式で結合されるキャップ1と、このキャップ1の内部に固定され、負圧孔2bが穿孔された空気シリンダ2aを有し、この空気シリンダ2aの下部中央に内容物(液体)が進入する長い円筒状の液体シリンダー2cが一体に形成されたシリンダーボディー2と、このシリンダーボディー2の内部に一端が出入りするようにキャップ1に支持されて設置され、泡が噴射される出口3aを有するノズル3と、このノズル3の内周に上部が固定され、シリンダーボディー2の空気シリンダ2aの内周に下端外周が密着設置されて、ノズル3を押すときに空気シリンダ2aの下部を加圧し、上部を膨張させる空気ピストン4と、シリンダーボディー2の液体シリンダー2cの下部に備えられたコイルばね5と空気ピストン4との間に設置されて、ノズル3を上側に弾性支持し、圧縮された空気及び内容物を空気ピストン4の上部に誘導する液体ピストン6と、シリンダーボディー2の液体シリンダー2cの底部に位置して液体吸入口7を選択的に開閉させるボール8とが備えられている。そして、ノズル3の内部には、泡を濾過するための濾過網9が配置される。
【0006】
このような従来のフォーミングポンプアセンブリでは、ノズル3を繰り返して押すと、容器Aの内部に充填された内容物(液体)が液体シリンダー2cを介して吸入/ポンピングされると同時に、空気シリンダ2a内の空気が噴出されながら泡が発生し、続けて泡は濾過網9を通過して均一に濾過されながらノズル3の出口3aを介して外部に噴出される。
【0007】
しかし、従来のフォーミングポンプアセンブリでは、空気を加圧して排出する構造は勿論であり、吸入された液体内容物を混合して泡状に排出する構造が必要以上に複雑に構成されることによって、組立生産性が低下することは勿論であり、そのコストもまた上昇するという欠点がある。また、一方の手ではノズル3を反復的に押し、他方の手ではノズル3の出口3aを介して排出される泡を受けて使用しなければならないという不便さがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためのもので、本発明の目的は、液体内容物が貯蔵された圧搾容器を圧搾すると、内部圧力を通じて液体内容物が空気と共に混合されながら泡状に排出されるように簡単に構成することは勿論であり、圧搾容器を倒立型に適用して、使用対象に向かって直接泡を噴出させて、片手でも便利に使用することができる倒立型圧搾容器泡発生器を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、泡発生器に排出遮断機能を追加して、製品をより安定的に使用することができ、流通中にも漏液現象を防止できる倒立型圧搾容器泡発生器を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、泡発生器にマッサージ部材を付設して、手の平を使用しなくても、排出される泡を皮膚に直接均一に塗ることができる倒立型圧搾容器泡発生器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような目的を達成するための本発明は、内部には液体内容物が貯蔵され、下部には雄ねじが形成されたネックが設けられた倒立型圧搾容器と;前記倒立型圧搾容器のネックに螺合方式で締結される大キャップ部と、前記大キャップ部の外郭に円筒形状からなる昇下降ガイド壁と、前記大キャップ部の下部から上端部が段差を形成しながら直径が縮小された管状に突出するようになされ、下部が開放された泡排出部とを備え、前記段差には外部空気の流入を許容するためのエアホールが穿孔された、キャップ本体と;前記キャップ本体の大キャップ部の内部下側に縁部が嵌められて収容配置されて、前記キャップ本体の段差の上部と離隔し、中央部位には、凹状に窪んで液体排出口が穿孔された排出案内部が形成され、前記排出案内部の中央上部には、液体内容物の排出を案内するための筒状の排出路が突出するように設けられ、前記排出案内部の縁部には、前記倒立型圧搾容器の圧搾時に内部空気が前記排出案内部の下側に排出されるようにするエア排出口、及び前記圧搾容器の復元時に外部空気が前記倒立型圧搾容器の内部に流入するようにするエア流入口が形成された、内容物排出ガイドと;前記内容物排出ガイドの上部を覆うように嵌合されて前記エア排出口及びエア流入口と連通するエアルームが内部に形成され、中央部には、内容物吸入口を形成して、前記内容物排出ガイドの排出路の内部に同軸上に嵌合され、前記倒立型圧搾容器が圧搾されたか否かによって前記内容物吸入口を選択的に開閉する内容物チェック弁が内蔵された筒状の結合部が設けられ、上面には、前記エアルームと連通するようにチューブ嵌合口が突出形成された、弁ハウジングと;前記弁ハウジングのチューブ嵌合口に下端部が嵌合され、上端は前記倒立型圧搾容器の上部に向かって延びて配置されて、空気が残留する前記倒立型圧搾容器の上部空間と前記エアルームを連通させるためのエアチューブと;弾性材質からなり、上端は前記内容物排出ガイドの下面に密着し、下端は前記キャップ本体の段差の上部に密着して前記泡排出部の内部に気液混合室を形成するリング状の区画壁と、前記区画壁の内側から中央部に向かって上向きに延び、端部が前記内容物排出ガイドの排出案内部に弾性的に密着し、前記倒立型圧搾容器の圧搾時に前記倒立型圧搾容器の内部空気が前記エア排出口を介して前記気液混合室に排出されることを許容する第1チェック弁部と、前記区画壁の外側で外側に向かって下向きに延び、端部が前記キャップ本体の段差の外側に弾性的に密着して、前記倒立型圧搾容器の圧搾時には前記エアホールを閉鎖し、前記倒立型圧搾容器の復元時には前記エアホールを開放して外部から空気の流入を許容する第2チェック弁部とを含む、エアチェック弁ユニットと;前記キャップ本体の泡排出部の内部に嵌められて収容配置され、上、下部が開放された円筒形状からなり、上面及び下面には濾過網が設けられて、前記気液混合室で液体内容物と空気が混合されて形成された泡を均質化させながら排出案内する濾過部材と;円筒状の壁面の上端が前記キャップ本体の昇下降ガイド壁の内側に昇下降可能に収容結合され、前記キャップ本体の下部を覆う下面には、前記濾過部材を抜け出た泡が外部に分散して排出される複数個の泡分散孔が穿孔され、下面の中央には、昇下降操作によって前記泡排出部を選択的に開閉する円筒状の遮断壁が突出して設けられた、昇下降キャップとを;備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記内容物チェック弁が、前記弁ハウジングの結合部の内部で上下に摺動可能に配置され、上端部が円錐形状からなって前記内容物吸入口を開閉する弁ボディーと、前記弁ボディーを前記弁ハウジングの結合部の内部で上側方向に弾性支持する弾性部材とからなることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記圧搾容器泡発生器が、前記昇下降キャップの下部に嵌装され、前記泡分散孔と個別に連通するように複数個の連通口が設けられたベースと、前記連通口を介して排出された泡を皮膚に均一に塗るために前記ベースの下面に設けられたマッサージ毛とを備えた、マッサージ部材をさらに備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記昇下降ガイド壁の内側に互いに対向するように支持軸が突出して形成され;前記支持軸がそれぞれ収容される螺旋溝が前記昇下降キャップの壁面の外側に対向するように形成されて、前記昇下降キャップの正逆方向回転操作によって定位置で上昇又は下降するように配置され;前記昇下降キャップの正方向回転により前記昇下降キャップが最大に下降すると、前記円筒状の遮断壁が前記泡排出部を開放し、前記昇下降キャップの逆方向回転により前記昇下降キャップが最大に上昇すると、前記円筒状の遮断壁が前記泡排出部を閉鎖することを特徴とする。

【発明の効果】
【0015】
前記のような構成からなる本発明に係る倒立型圧搾容器泡発生器によれば、液体内容物が貯蔵された倒立型圧搾容器を直接圧搾することによって、内部圧力によって内容物チェック弁を開放させて排出された液体内容物が、気液混合室で空気と共に混合されながら泡状に直接排出される。したがって、倒立型圧搾容器を圧搾することによって液体内容物を直ちに泡状に排出させ得る機構的な構成が従来に比べて簡単に構成されることは勿論であり、製品応答性がさらに向上するという利点がある。特に、片手でも圧搾容器を直接圧搾して内容物を泡状に排出できるので、その使用の利便性をさらに向上させることができるという作用効果がある。
【0016】
また、本発明に係る倒立型圧搾容器泡発生器によれば、噴出される泡をマッサージ部材を通じて皮膚に塗ったり、皮膚を洗浄(クレンジング)したりすることができる。特に、手の平を使用しなくても、噴出される泡(内容物)をマッサージ部材を通じて直接皮膚に均一に塗りながらマッサージ効果も具現できるという利点がある。
【0017】
また、本発明に係る倒立型圧搾容器泡発生器によれば、昇下降キャップを正逆方向に操作して昇下降させることによって泡排出部を容易に開閉し得るので、製品をより安定的に使用することができ、流通中にも漏液現象を防止できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】従来の大韓民国登録実用新案公報第20−0169773号に開示された泡発生器の空気弁装置を示す図である。
【0019】
図2】本発明に係る倒立型圧搾容器泡発生器の全体的な内部構造を示す断面図である。
【0020】
図3】本発明に係る倒立型圧搾容器泡発生器において倒立型圧搾容器を除いた内部構造を抜粋して示す拡大断面図である。
【0021】
図4】本発明に係る倒立型圧搾容器泡発生器の分解断面図である。
【0022】
図5】本発明に係る倒立型圧搾容器泡発生器の分解斜視図である。
【0023】
図6】本発明に係る弁ハウジングの結合構造を抜粋して示す断面図である。
【0024】
図7】本発明に係る倒立型圧搾容器泡発生器の泡噴出過程を示す図である。
【0025】
図8】本発明に係る倒立型圧搾容器泡発生器の復元過程(外部空気吸入過程)を示す図である。
【0026】
図9】本発明に係る倒立型圧搾容器泡発生器において昇下降キャップを用いたロッキング状態を示す図である。
【0027】
【符号の説明】
【0028】
100 倒立型圧搾容器 110 ネック 200 キャップ本体
【0029】
210 大キャップ部 220 昇下降ガイド壁 230 段差
【0030】
240 泡排出部 250 エアホール 260 支持軸
【0031】
300 内容物排出ガイド 310 縁部 320 排出案内部
【0032】
330 液体排出口 340 排出路 350 エア排出口
【0033】
360 エア流入口 400 弁ハウジング 410 エアルーム
【0034】
420 内容物吸入口 430 内容物チェック弁 431 弁ボディー
【0035】
432 弾性部材 440 結合部 450 チューブ嵌合口
【0036】
500 エアチューブ 600 エアチェック弁ユニット 610 区画壁
【0037】
620 第1チェック弁部 630 第2チェック弁部 700 濾過部材
【0038】
710 ボディー 720,730 濾過網 800 昇下降キャップ
【0039】
810 壁面 820 下面 830 泡分散孔
【0040】
840 円筒状の遮断壁 850 螺旋溝 900 マッサージ部材
【0041】
910 ベース 920 連通口 930 マッサージ毛
【0042】
S 気液混合室
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明に係る一つの好ましい実施例を添付の図面を参照して詳細に説明する。添付の図面を簡略に説明すると、図2乃至図6は、本発明に係る倒立型圧搾容器泡発生器の構成を示したものであり、図7乃至図9は、本発明に係る倒立型圧搾容器泡発生器の使用状態を示したものである。
【0044】
<本発明に係る倒立型圧搾容器泡発生器の構成説明>
【0045】
本発明に係る倒立型圧搾容器泡発生器は、内容物が貯蔵された倒立型圧搾容器のネックに装着され、倒立型圧搾容器を直接圧搾することによって圧搾容器の内部圧力を通じて液状の内容物を空気と共に混合させながら泡状に排出させるためのもので、図2及び図3に示したように、液体内容物が貯蔵され、自体の弾性力で復元される倒立型圧搾容器100と、この倒立型圧搾容器100のネック110に結合されるキャップ本体200と、このキャップ本体200の内部に収容配置され、倒立型圧搾容器100の圧搾によって液体内容物及び空気の排出をガイドする内容物排出ガイド300と、内容物排出ガイド300の上部に結合され、液体内容物の排出を制御するために内容物チェック弁430が内蔵された弁ハウジング400と、倒立型圧搾容器100の圧搾及び復元動作によって空気の吸入及び排出を制御するためのエアチェック弁ユニット600と、キャップ本体200の内部に収容配置され、液体内容物と空気が混合されて形成された泡を均質化させるための濾過部材700と、キャップ本体200の下部に昇下降可能に組み立てられて泡を外部に噴出させるための昇下降キャップ800と、昇下降キャップ800の下部に装着されたマッサージ部材900とを備えている。本発明に係る倒立型圧搾容器泡発生器をなす各構成要素の詳細な構造は、次の通りである。
【0046】
まず、倒立型圧搾容器100は、液体内容物が貯蔵されるもので、図2に示したように、使用者が手で圧搾させることができ、圧搾力が除去されると、自体の弾性力で復元される軟質合成樹脂で作製され、逆さまに使用される倒立型圧搾容器100のネック110は、外壁が雄ねじからなっている。このようなネック110は、使用状態を基準として倒立型圧搾容器100の下部に形成される。
【0047】
そして、キャップ本体200は、硬質合成樹脂で成形されるもので、図3乃至図5に示したように、倒立型圧搾容器100のネック110に螺合方式で締結される大キャップ部210、及びこの大キャップ部210の下部から上端部が段差230を形成しながら直径が縮小された管状に突出するようになされ、下部が開放された泡排出部240で定義される。また、キャップ本体200の段差230には、外部空気の流入を許容するためのエアホール250が穿孔されている。エアホール250は、倒立型圧搾容器100の弾性復元時に外部空気が倒立型圧搾容器100の内部に流入するようにするためである。また、大キャップ部210の外郭には円筒状の昇下降ガイド壁220が一体となっている。この昇下降ガイド壁220は、昇下降キャップ800の昇下降移動を支持するためのもので、その内側には、互いに対向するように支持軸260が突出して形成されている。
【0048】
内容物排出ガイド300もまた、硬質合成樹脂で成形されるもので、図3乃至図5に示したように、キャップ本体200の大キャップ部210の下端内部に縁部310が嵌められて収容配置されて、キャップ本体200の段差230の上部と一定間隔離隔して空間を形成するようになる。このような内容物排出ガイド300は、中央に凹状に窪んで液体排出口330が穿孔された排出案内部320、及びこの排出案内部320の中央上部に突出して設けられ、液体内容物の排出を案内するための筒状の排出路340で定義される。また、排出案内部320の外側には、倒立型圧搾容器100の圧搾時に内部空気が排出案内部320の下側に排出され得るエア排出口350、及び倒立型圧搾容器100の復元時にエアホール250を介して流入した外部空気が倒立型圧搾容器100の内部に流入し得るエア流入口360が形成されている。本発明の実施例では、エア流入口360を排出案内部320の最外側に6個形成して倒立型圧搾容器100の復元が直ちに行われるようにし、エア排出口350は、180°対向するように2個形成して、倒立型圧搾容器100の圧搾時に、エアが後述する気液混合室Sに速やかに排出されるようにした。また、排出案内部320の液体排出口330は、液体内容物が分散しながら気液混合室Sで空気と円滑に混合されるように、排出案内部320の中央から半径方向に向かって複数個(本発明の実施例では、180°対向するように2個)に分岐して形成した。
【0049】
弁ハウジング400は、図3乃至図6に示したように、内容物排出ガイド300の上部を覆うように嵌合されてエア排出口350及びエア流入口360と連通するエアルーム410が内部に形成され、中央部には、内容物吸入口420を形成して、内容物排出ガイド300の排出路340の内部に同軸上に嵌合される筒状の結合部440が設けられている。弁ハウジング400の結合部440には、倒立型圧搾容器100が圧搾されたか否かによって内容物吸入口420を選択的に開閉する内容物チェック弁430が収容配置されている。内容物チェック弁430は、弁ハウジング400の結合部440の内部に上下に摺動可能に配置され、上端部が円錐形状からなって内容物吸入口420を開閉する弁ボディー431、及びこの弁ボディー431を結合部440の内部で上側方向に弾性支持する弾性部材432(本発明の実施例ではコイルばね)からなっている。したがって、倒立型圧搾容器100を圧搾すると、内部圧力が弾性部材432の弾性支持力に勝って弁ボディー431を下側に押し付けるようになり、これによって、液体内容物が内容物排出ガイド300の排出案内部320側に排出される。また、弁ハウジング400の上面には、エアルーム410と連通するようにチューブ嵌合口450が突出形成されている。このチューブ嵌合口450にはエアチューブ500が嵌合される。すなわち、エアチューブ500の下端部は、チューブ嵌合口450に嵌合され、その上端部は、倒立型圧搾容器100の上部に向かって延びて配置される。したがって、エアチューブ500を介して、空気が残留する倒立型圧搾容器100の上部空間とエアルーム410が連通する。
【0050】
エアチェック弁ユニット600は、弾性ゴム材質(シリコン又はNBRなど)からなり、図3乃至図5に示したように、上端が内容物排出ガイド300の底下面に密着し、下端はキャップ本体200の段差230の上部に密着して泡排出部240の内部に気液混合室Sを形成するリング状の区画壁610と、この区画壁610の内側から中央部に向かって上向きに延び、端部が内容物排出ガイド300の排出案内部320に弾性的に密着し、倒立型圧搾容器100の圧搾時にエア排出口350を介して排出された倒立型圧搾容器100の内部空気が気液混合室Sに排出されることを許容する第1チェック弁部620と、区画壁610の外側で外側に向かって下向きに延び、端部がキャップ本体200の段差230の外側に弾性的に密着して、倒立型圧搾容器100の圧搾時にはエアホール250を閉鎖し、倒立型圧搾容器100の復元時にはエアホール250を開放して外部から空気の流入を許容する第2チェック弁部630とで定義される。
【0051】
濾過部材700は、図3乃至図5に示したように、キャップ本体200の泡排出部240の内部(気液混合室:S)に嵌められて収容配置され、上、下部が開放された円筒状のボディー710、及びこのボディー710の上面及び下面を覆うように設けられたメッシュ(MESH)形状の濾過網720,730からなっている。これによって、濾過部材700は、気液混合室Sで液体内容物と空気が混合されて形成された泡を均質化させながら下側に排出案内するようになる。
【0052】
そして、昇下降キャップ800は、図3乃至図5に示したように、本発明に係る倒立型圧搾容器泡発生器において泡を外部に排出案内することは勿論であり、ロッキングの役割を果たし得るもので、上端部がキャップ本体200の昇下降ガイド壁220に収容結合されて昇下降が可能な円筒状の壁面810と、キャップ本体200の下部を覆うようになされ、濾過部材700を抜け出た泡が外部に分散して排出されるように複数個の泡分散孔830が穿孔された下面820とで定義される。また、昇下降キャップ800の下面820の中央には、昇下降操作によって泡排出部240を選択的に開閉して泡排出部240と泡分散孔830との連通を許容又は遮断する円筒状の遮断壁840が設けられている。
【0053】
このような昇下降キャップ800の昇下降は、その正逆方向回転操作によって行われるように構成されている。すなわち、昇下降キャップ800の壁面810の外側には、支持軸260がそれぞれ収容され、下から上向きに傾斜した螺旋溝850が一定の区間(本発明では90°区間)にわたって対向するように形成されているため、昇下降キャップ800の正逆方向回転操作によって定位置で下降又は昇降するようになる。したがって、昇下降キャップ800の正方向回転により(図5の矢印A方向)最大に下降すると、円筒状の遮断壁840が泡排出部240の上部から離隔し、これにより、泡排出部240と泡分散孔830とが連通して泡が排出され得るようになる。反面、昇下降キャップ800の逆方向回転により(図5の矢印B方向)最大に昇降すると、円筒状の遮断壁840が泡排出部240の下部を完全に閉鎖して、泡が排出されなくなる(図9参照)。
【0054】
一方、マッサージ部材900は、図3乃至図5に示したように、昇下降キャップ800の下部を覆うように嵌装され、泡分散孔830と個別に連通するように複数個の連通口920が設けられたベース910、及びこのベース910の下面の全域にわたって植えられたマッサージ毛930で定義される。マッサージ毛930は、皮膚に弾力的に接しながら、連通口920を介して排出された泡を皮膚に均一に塗るためのものである。
【0055】
<本発明に係る倒立型圧搾容器泡発生器の作動及び効果の説明>
【0056】
以下では、本発明に係る倒立型圧搾容器泡発生器の作動及びこれによる作用効果を、図2、及び図7乃至図9を参照して説明する。
【0057】
まず、図2に示したように、本発明に係る倒立型圧搾容器泡発生器の初期状態では、液体内容物と共に空気が充填された倒立型圧搾容器100が元の状態に維持され、内容物チェック弁430は、内容物吸入口420を閉鎖した状態に維持される。そして、エアチェック弁ユニット600の第1チェック弁部620は、それ自体の弾性復元力で内容物排出ガイド300の排出案内部320に密着し、エアチェック弁ユニット600の第2チェック弁部630もまた、それ自体の弾性復元力でキャップ本体200の段差230の外側に密着してエアホール250を閉鎖した状態に維持される。
【0058】
そして、図7に示したように、昇下降キャップ800が下降した状態で使用者が倒立型圧搾容器100を押して圧搾させると(図7の矢印方向参照)、内部圧力が発生し、これにより倒立型圧搾容器100の内部空気及び液体内容物が加圧される。
【0059】
したがって、倒立型圧搾容器100に貯蔵された液体内容物の一部は、内容物チェック弁430を開放させながら液体排出口330を介して気液混合室Sに排出される(図7の実線矢印方向参照)。なお、倒立型圧搾容器100の内部にあった一部の空気は、加圧されながらエアチューブ500を介して弁ハウジング400のエアルーム410に流入し、次いで第2チェック弁部630を閉鎖し、第1チェック弁部620は開放させて気液混合室Sに排出される(図7の点線矢印方向参照)。
【0060】
次いで、気液混合室Sでは、加圧空気と液体内容物が混合されながら泡が形成され、液体内容物は、複数個の液体排出口330を介して分散して排出されるので、空気との混合がさらに円滑に行われて、直ちに泡に変わるようになる。このような泡は、濾過部材700を通過しながら均質化され、均質化された泡は、昇下降キャップ800の泡分散孔830及びマッサージ部材900の連通口920を経由して外部に排出される。
【0061】
そして、図8に示したように、倒立型圧搾容器100に加えた人為的な力を除去すると、倒立型圧搾容器100自体の弾性復元力によって元の状態に復元されながら、内部には負圧が形成される。すなわち、潰れた倒立型圧搾容器100が復元されながら内部に負圧が形成されると、エアチェック弁ユニット600の第2チェック弁部630が瞬間開放されて、外部空気がエアホール250及びエア流入口360を介して弁ハウジング400のエアルーム410に流入する。次いで、エアルーム410に流入した空気は、エアチューブ500を介して倒立型圧搾容器100の内部に流入する。すなわち、液体内容物の一部が排出された倒立型圧搾容器100には、エアホール250及びエア流入口360を通じてその体積だけの外部空気が入ってきて充填されて、倒立型圧搾容器100が初期状態に維持される。倒立型圧搾容器100の復元過程で、エアチェック弁ユニット600の第1チェック弁部620は排出案内部320に密着してエア排出口350を閉鎖する。
【0062】
このような一連の過程を繰り返すことによって、倒立型圧搾容器100に入っている液体内容物を泡状に噴出させて使用することができる。すなわち、本発明に係る倒立型圧搾容器泡発生器では、内容物が貯蔵された倒立型圧搾容器100を直接圧搾することによって、内部圧力を通じて液体内容物が空気と共に混合されながら泡状に直接排出される。また、片手で倒立型圧搾容器100を直接圧搾しても内容物が泡状に排出されることによって、その使用の利便性を向上させることができる。そして、外部に排出された泡は、マッサージ部材900を通じて、手を利用しなくても皮膚に均一に塗ったり、皮膚を洗浄(クレンジング)したりすることができる。特に、使用者は、マッサージ部材900のマッサージ毛930を通じて、皮膚をマッサージするように押しながら泡を均一に塗ることができる。
【0063】
一方、図9に示したように、昇下降キャップ800を逆方向に90°回転させると(図9の矢印B方向)、昇下降キャップ800が昇降しながら円筒状の遮断壁840が泡排出部240に収容/密着されてこれを閉鎖する。{昇下降キャップ800は、上述したように、それぞれの螺旋溝850にそれぞれ支持軸260が収容結合されているため、正逆方向回転操作によって定位置でのみ昇下降移動するようになる。}このように、昇下降キャップ800が昇降して泡排出部240を閉鎖した状態では、倒立型圧搾容器100を押して圧搾しても泡(内容物及びエア)が排出されないため、ロッキング状態に維持される。すなわち、回転/昇下降方式で締結された昇下降キャップ800を通じて、泡排出の案内は勿論であり、ロッキング機能も併行し得るため、製品をさらに安定的に使用することができ、流通中にも漏液現象を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、倒立型圧搾容器を直接圧搾して内容物を空気と共に混合しながら泡状に排出させ得る倒立型圧搾容器泡発生器の分野に広範囲に利用することができる。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9