【文献】
Nokia Siemens Networks, Nokia Corporation,“Further consideration on virtual PHR”,3GPP TSG−RAN WG2 Meeting #71, R2−104394,2010年8月17日アップロード,P.1−4,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_71/Docs/R2−104394.zip
【文献】
MediaTek,“Further details for Rel−10 PHR”,3GPP TSG−RAN WG2 Meeting #71bis, R2−105444 ,2010年10月5日アップロード,P. 1−3,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_71bis/Docs/R2−105444.zip
【文献】
3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group Radio Access Network;Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E−UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E−UTRAN);Overall description;Stage 2(Release 10), 3GPP TS 36.300 V10.0.0, P.49,176, 2010年6月18日アップロード, URL,http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.213/36213−a10.zip
【文献】
3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group Radio Access Network;Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E−UTRA);Physical layer procedures(Release 10), 3GPP TS 36.213 V10.1.0, P.6,9−14,2011年3月30日アップロード, URL, http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.300/36300−a00.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施例をより詳細に説明する。このとき、添付された図面で同一の構成要素は、なるべく同一の符号で示していることに留意しなければならない。そして、本発明の要旨を不明確にする公知機能及び構成に対する詳細な説明は省略する。
【0014】
本発明は、複数のキャリアが集約された移動通信システムで端末がキャリア別PH情報を効率的に報告する方法及び装置に関する。
【0015】
本発明を本格的に説明するに先立ち、
図1、
図2及び
図3を通じて本発明が適用される移動通信システムについて、より詳細に説明する。このとき、本発明が適用される移動通信システムがLTEシステムの場合を仮定して説明する。
【0016】
図1は、本発明が適用される移動通信システムの構造を示す図面である。
【0017】
図1を参照すれば、移動通信システムの無線アクセスネットワークは、次世代基地局(Evolved Node B;以下、ENBまたはNode Bという)105,110,115,120とMME(Mobility Management Entity)125、及びS−GW(Serving−Gateway)130から構成される。ユーザ端末(User Equipment;以下、UEと称する)135は、ENB105,110,115,120及びS−GW130を介して外部ネットワークに接続する。
【0018】
ENB105,110,115,120は、UMTSシステムの既存ノードBに対応する。ENB105,110,115,120は、UE135と無線チャネルに連結され、既存のノードBよりも複雑な役割を遂行する。LTEシステムでインターネットプロトコルを通したVoIP(Voice over IP)のような実時間サービスをはじめとする全てのユーザトラフィックが共用チャネル(shared channel)を通じてサービスされるので、UE135の状況情報を集合してスケジューリングをする装置が必要となり、これをENB105,110,115,120が担当する。一つのENB105,110,115,120は、通常複数のセルを制御する。最大100Mbpsの送信速度を実現するために、LTEシステムは、最大20MHz帯域幅で直交周波数分割多重方式(Orthogonal Frequency Division Multiplexing;以下、OFDMという)を無線接続技術として使用する。また、端末のチャネル状態に合わせて変調方式(modulation scheme)とチャネルコーディング率(channel coding rate)を決定する適応変調コーディング(Adaptive Modulation&Coding,以下、AMCという)方式を適用する。S−GW130は、データベアラーを提供する装置であり、MME125の制御によってデータベアラーを生成または除去する。MME125は、各種制御機能を担当する装置であって、複数のENB105,110,115,120と連結される。
【0019】
図2は、本発明が適用される移動通信システムの無線プロトコル構造を示す図面である。
【0020】
図2を参照すれば、LTEシステムの無線プロトコルは、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)205,240、RLC(Radio Link Control)210,235、MAC(Medium Access Control)215,230から構成される。PDCP(Packet Data Convergence Protocol)205,240は、IPヘッダ圧縮/復元などの動作を担当する。RLC210,235は、PDCP PDU(Packet Data Unit)を適切な大きさで再構成してARQ動作などを行う。MAC215,230は、一つの端末で構成された複数のRLC階層装置と連結され、RLC PDUをMAC PDUに多重化してMAC PDUからRLC PDUを逆多重化する動作を行う。物理階層220,225は、上位階層データをチャネルコーディング及び変調し、OFDMシンボルで作って無線チャネルに送信するか、無線チャネルを通じて受信したOFDMシンボルを復調してチャネル復号化し、上位階層に伝達する動作をする。送信を基準としてプロトコルエンティティに入力されるデータをSDU(Service Data Unit)といい、出力されるデータをPDU(Protocol Data Unit)という。
【0021】
図3は、本発明が適用される移動通信システムでキャリア集約を例示した図面である。
【0022】
図3を参照すれば、一つの基地局では、一般的に互いに異なる周波数帯域に位置する複数のキャリアが送出されて受信される。例えば、ENB305で中心周波数がf1のキャリア315と、中心周波数がf3のキャリア310が送出される。キャリア集約能力を有していなければ、UE330は、前記二つのキャリア310,315のうち一つのキャリア310,315を利用してデータを送受信する。しかし、キャリア集約能力を有していれば、UE330は、同時に複数のキャリア310,315からデータを送受信することができる。基地局は、キャリア集約能力を有している端末に対しては、状況によってさらに多くのキャリアを割り当てることにより、前記端末の送信速度を高めることができる。伝統的な意味で一つの順方向キャリアと一つの逆方向キャリアが一つのセルを構成するとき、キャリア集約とは、端末が同時に複数のセルを通じてデータを送受信することと理解されることもある。これにより、従来の単一セルで成就可能であった最大送信速度は、集約されるキャリアの数に比例して増加する。集約されるキャリアは、RRCシグナリングを通じて、configureされる。LTEでは、RRC Connection Reconfigurationメッセージを利用して、集約されるキャリアを追加させるか又は除去することができる。特定キャリアがconfigureされてもデータ送信は行われない。実際に該当キャリアを使用するためには、MACシグナリングを通じてキャリアをactivateさせなければならない。LTEでは、MAC PDU内にMAC Control Element(CE)を利用してconfigureされたキャリアをactivateさせる。このようにactivateされた複数のキャリアでサービスを行うので、サービングセル(serving cell)は多数になる。
【0023】
逆方向送信は、他のセルの逆方向に干渉を招くので、逆方向送信出力は適切な水準に維持されなければならない。これのために、端末は、逆方向送信を行うに当たり、所定の関数を利用して逆方向送信出力を算出し、算出された逆方向送信出力で逆方向送信を行う。例えば、端末は、割り当てられた送信リソースの量と適用するMCS(Modulation Coding Scheme)レベルなどのスケジューリング情報と経路損失値などのチャネル状況を推定できる入力値を前記所定の関数に入力して要求逆方向送信出力値を算出し、前記計算された要求逆方向送信出力値を適用して逆方向送信を行う。端末が適用できる逆方向送信出力値は、端末の最大送信値によって制限され、計算された要求送信出力値が端末の最大送信値を超過すれば、端末は最大送信値を適用して逆方向送信を行う。この場合、十分な逆方向送信出力を適用することができないので、逆方向送信品質の劣化が発生する。基地局は、要求送信出力が最大送信出力を超過しないように、スケジューリングを行うことが好ましい。しかし、経路損失などの複数のパラメータは基地局が把握できないので、端末は、電力ヘッドルームメッセージ(Power Headroom Report;PHR)というものを送信して自身のPH値を基地局に報告する。
【0024】
電力ヘッドルームに影響を及ぼす要素としては、1)割り当てられた送信リソースの量、2)逆方向送信に適用するMCS、3)関連する順方向キャリアの経路損失(Path Loss;以下、PL)、4)出力調整命令の累積値などがある。このうち、経路損失や累積出力調整の命令値は、逆方向キャリア別に異なり得るので、一つの端末に複数の逆方向キャリアが集約されれば、逆方向キャリア別にPHR送信の有無を設定することが正しい。ところが、効率的なPHR送信のために、一つの逆方向キャリアで複数の逆方向キャリアに対するPHを全部報告することもできる。運用戦略によって、実際のPUSCH送信が起きないキャリアに対するPHが必要なこともある。したがって、このような場合に、一つの逆方向キャリアで複数の逆方向キャリアに対するPHを全部報告する方法は、さらに効率的である。これのために、既存のPHRを拡張させなければならない。一つのPHRに含まれる複数のPHは、あらかじめ決定された順序によって構成される。
【0025】
図4は、本発明が適用される移動通信システムでキャリア集約の構成の一例を示す図面である。
【0026】
図4を参照すれば、一つの端末に5個の逆方向キャリアが集約されており、逆方向キャリアのうちいずれか一つで該当5個の逆方向キャリアに対するPHを全部送信できるように設定する。例えば、一つの端末に3つの逆方向キャリア440,445,450が集約された場合、3つの逆方向キャリア440,445,450のPH値は、3つの逆方向キャリア440,445,450のうちいずれか一つのPHRを通じて送信できるように設定する。
【0027】
PHRは、通常連結された順方向キャリアの経路損失が所定の基準値以上に変更されるか、prohibit PHR timerが満了するか、或いは、PHRを生成した後所定の期間が経過すれば、トリガー(trigger)される。多数の逆方向キャリアを運用する場合には、一つのキャリアがactivateされる時にもPHRがトリガーされる。PHRがトリガーされても、端末はPHRを直ちに送信せずに、逆方向送信が可能な時点、例えば逆方向送信リソースが割り当てられる時点まで待機する。これは、PHRが非常に迅速に処理されなければならない情報ではないためである。端末は、PHRがトリガーされた後、一番目の逆方向送信に前記PHRを含ませて送信する。多数の逆方向キャリアを運用する場合に、端末は、activateされた逆方向キャリアのうち一つを選択して、生成したPHRを送信する。PHRは、MAC階層の制御情報であり、大きさは8ビットである。PHRの一番目の2ビットは、現在使用されず、残りの6ビットは−23dBから40dBまでの範囲のうち一つを指示する用途として使用され、これが端末の電力ヘッドルームを指示する。端末は、一般的に下の数式を利用してPHを算出する。
【0029】
サービングセルcでi番目のsubframeのPH(i)は、最大逆方向送信電力P
CMAX,c(i)、リソースブロックの数M
PUSCH,c(i)、MCSから誘導されるpower offsetΔ
TF,c、経路損失PL
c、f
c(i)(accumulated TPC commands)によって計算される。前記数式においてPL
cは、サービングセルcに対して経路損失を提供するように設定されているセルの経路損失である。任意のサービングセルの逆方向送信出力の決定に使用される経路損失は、該当セルの順方向チャネルの経路損失であるか、あるいは、他のセルの順方向チャネルの経路損失である。このうちどの経路損失を使用するかは、呼設定過程で基地局が選択して端末に知らせる。前記数式においてf
c(i)は、サービングセルcの送信出力調整命令(Transmission Power Control)の累積値である。P
O_PUSCH,Cは、上位階層でパラメータとして、cell−specific及びUE−specific値の和でなされる。一般的にP
O_PUSCH,Cは、semi−persistent scheduling、dynamic scheduling、random access responseなどのPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)の送信種類によって他の値が適用される。α
cは、上位階層から提供される3−bit cell−specific値で逆方向送信出力の計算時に経路損失に適用する加重値(すなわち、この値が高いほど経路損失が逆方向送信出力にさらに多くの影響を及ぼす)であり、PUSCHの送信種類によって適用できる値が制限される。j値は、PUSCHの種類を示すのに使用される。J=0である時には、semi−persistent scheduling、j=1である時には、dynamic scheduling、j=2である時には、random access responseをそれぞれ示す。前記数学式1において、仮に、特定サービングセルでPUSCHの送信がなければ、M
PUSCH andΔ
TFは、定義によって上記の式に適用することができない。
【0030】
複数のキャリアが集約された(Carrier Aggregation)移動通信システムで、実際のPUSCH送信が起きるサービングセルがあり、一定時間の区間の間、PUSCHの送信が起きないサービングセルがある。また、各サービングセルに対するPHは、他のサービングセルによって共に報告されてもよい。複数のキャリアが集約された移動通信システムで複数のサービングセルに対するPHを報告しなければならない場合、端末はこれらを一つのPHRに集めて送信する。このような方法は、各キャリア別にPHを送信することに比較してシグナルオーバーヘッドを減らすことができ、基地局で実際のPUSCH送信がないキャリアに対してもPHを得ることができる。
【0031】
図5は、本発明の実施例に係るPH報告シナリオを説明するための図面である。
【0032】
図5を参照すれば、二つのサービングセル(CC1及びCC2)で相手方のPHを共に報告するシナリオを示している。CC1がPUSCHの送信が起きており、CC2はそうではない区間505で、端末は、CC1から送信されるMAC PDU510にCC1 PHR515だけでなく、CC2 PHR520を含ませることができる。逆に、CC2がPUSCHの送信が起きており、CC1はそうではない区間525で、端末は、CC2から送信されるMAC PDU530にCC1 PHR535だけでなく、CC2 PHR540を含ませることができる。
【0033】
本発明では、PUSCHの送信有無により、各キャリアに対する端末の最大逆方向送信電力P
CMAX,cを導き出す方法を開発する。PUSCHの送信がある場合に対して、PHを計算する時、端末は最大逆方向送信電力を決定するにおいて該当TTIの全ての逆方向送信を考慮する。その反面、PUSCHの送信がない場合に対して、PHを計算する時、端末は最大逆方向送信電力を決定するにおいて該当TTIの他のセルの逆方向送信は考慮しない。
【0034】
特定のサービングセルに対してPHRがトリガーされれば、端末は、PUSCHの送信有無によって端末の最大逆方向送信電力P
CMAX,cの算出方法を決定する。該当サービングセルに対してPUSCHの送信があれば、一般的な技術のように、前記数学式1を利用してPHを算出する。このとき、適用される端末の最大逆方向送信電力P
CMAX,cは、該当TTIの全ての逆方向送信を考慮して導き出す。これは、該当セルの逆方向送信が他のセルの逆方向送信の不必要な放射などに影響を及ぼし得るので、前記不必要な放射を要求条件の以下に維持するためには、逆方向送信出力を低くする必要があり得るためである。逆方向送信を考慮することとは、スケジューリングされている他のキャリアの無線リソースの量及び位置、MCS、チャネル帯域幅、周波数帯域の影響などを反映して導き出すという意味である。例えば、特定キャリアに対する端末の最大逆方向送信電力を導き出す時、該当TTIで同時にスケジューリングされているキャリアが隣接する周波数帯域を使用しているか否かによって、特定マージン値を端末の最大逆方向送信電力の導き出し過程に適用することができる。このような端末の最大逆方向送信電力P
CMAX,cは、下のような範囲内で決定される。
【0036】
仮に、同時にスケジューリングされるキャリアが隣接する周波数帯域になければ、最大逆方向送信電力がさらに低い値に決定されるように、P
CMAX_L,c値を調整することができる。また、P
CMAX_L,c値は、P−MPRによって決定される。すなわち、P
CMAX_L,c値は、下の数式によって決定される。
【0038】
ここで、ΔT
IB,c値は、他のキャリアの逆方向送信の有無によって異なるように決定される。例えば、該当TTIで他のキャリアに逆方向送信があれば、ΔT
IB,c値は特定値に決定され、該当TTIで他のキャリアに逆方向送信がなければ、ΔT
IB,c値は0に決定されて、前記数学式3から抜けるのと同一の意味を有する。
【0039】
実際の該当サービングセルではPUSCHの送信がなければ、上記のように現在のセルの送信が他のセルの送信に影響を及ぼさないので、端末の最大逆方向送信電力P
CMAX,c(i)を決定するにおいて、他のセルの逆方向送信の有無を考慮する必要がない。したがって、該当サービングセルに逆方向送信がない場合、端末は、他のセルの逆方向送信の有無とは関係ないパラメータのみを利用して、前記サービングセルの最大送信出力を決定する。例えば、P
CMAX,c(i)は、該当セルで許容された最大送信出力のP
EMAXと端末の内在的な最大送信出力のP
powerclassとを利用して決定される。例えば、下記のように決定される。
【0041】
これは、MPR、A−MPR、P−MPR、Tcが全部0値を有することと同一の意味を有する。P
CMAXは、P
CMAX_L≦P
CMAX≦P
CMAX_Hの関係を有して決定される。このとき、MPR、A−MPR、P−MPR、Tcが全部0値を有すれば、P
CMAX_L=P
CMAX_Hになり、P
CMAX=P
CMAX_Hとなる。このとき、P
CMAX_Hは、P
PowerClassとP
EMAXのうち小さい値である。P
EMAXは、cell−specificの最大許容送信電力であり、P
PowerClassは、UE−specificの最大許容送信電力である。該当サービングセルでPUSCHの送信がなければ、割り当てられた送信リソースがないことを意味するので、M
PUSCHとΔ
TFでどの値を使用するかが明確ではないため、基地局と端末が同一のM
PUSCHとΔ
TFを使用してPHを算出、解釈することができるようにする装置が必要である。これは、例えば端末と基地局がPUSCHの送信がない場合に、PH算出のために使用する送信フォーマット(送信リソースの量とMCSレベル)を決定しておくことで解決可能である。仮に、このようなreference送信フォーマットでRB 1つと、最も低いMCSレベルを仮定すれば、M
PUSCHとΔ
TFはそれぞれ0になり、前記数学式1から抜けるのと同一の意味を有する。したがって、サービングセルでPUSCHの送信がない場合、PHは、下の数式で定義される。
【0043】
前記数学式5において、P
O_PUSCH,C、α
c、f
c(i)、PL
cにPHが送信されるサービングセルではないPHが計算される該当サービングセルの値が適用される。前記数式によって計算されたPHは、他のサービングセルで送信されるPHRに他のPHと共に基地局に報告される。基地局の立場では、各サービングセルに対する多数のPHを一つのPHRで確認することができる。問題は、基地局がPHRに含まれた各サービングセルに対するPHが実際のPUSCH送信を考慮して計算されたか、または、本発明で提示したPUSCH reference formatを利用して計算されたかが分からないことである。仮に、これが分からなければ、基地局は、報告されたPHを正しく解釈できないので効率的なスケジューリングが不可能である。これを解決するために、PHRフォーマットにこれを知らせる指示者(indicator)が必要である。したがって、本発明では、PHRでこれを区別するための一つの指示者を含むことを提案する。該当指示者はactivatedサービングセルのPHに対して追加される。該当指示者は、1bitで構成されてもよい。任意のセルのPHを報告するにおいて、前記セルのPHを計算する時、実際のPUSCH送信に基づいて、すなわち実際の送信フォーマットを使用してPHを計算したとすれば、端末は、前記ビットを所定の値(例えば0)に設定する。一方、該当セルにPUSCHの送信がなかったので、reference format(すなわちRB個数=0、Δ
TF=0)を使用してPHを計算したとすれば、端末は、前記ビットをさらに他の所定の値(例えば1)に設定する。
【0044】
図6は、本発明の実施例に係る端末のPH構成の手続を示すフローチャートである。
【0045】
図6を参照すれば、端末は、605ステップで基地局からRRCメッセージを通じて集約される複数のキャリアに対する構成情報を受信する。このとき、基地局は、順方向キャリアを設定することができ、各順方向キャリアにリンクされる逆方向キャリアを設定することができる。そして、端末は、610ステップで設定された逆方向キャリアを利用して、実際のデータを送信するために、MAC CEを利用して設定された逆方向キャリアをactivateさせる。この後、端末で逆方向キャリアの運用中に、特定の条件を満足する場合または周期的に615ステップでPHRがトリガーされる。このとき、端末は、620ステップで生成されるPHRに複数のキャリアに対するPH値が含まれ、このキャリアのうち実際のPUSCH送信がないキャリアが含まれるか否かを判断する。
【0046】
仮に、620ステップで実際のPUSCH送信がないキャリアに対するPH値が含まれなければならないと判断されれば、端末は、625ステップ及び630ステップでPUSCHの送信があるキャリアと、PUSCHの送信がないキャリアとを分離して、端末最大送信電力P
CMAX,cを導き出す。このとき、PUSCHの送信があるキャリアに対するP
CMAX,cに対して、端末は、該当TTIで全ての逆方向送信を考慮して導き出す。そして、PUSCHの送信がないキャリアに対するP
CMAX,cに対して、端末は、該当TTIの他のセルの逆方向送信を考慮せずに、例えば前記数学式5を利用して端末の最大送信電力P
CMAX,cを導き出す。一方、620ステップで実際のPUSCH送信がないキャリアのPHが含まれなければ、端末は、635ステップでPUSCHの送信があるキャリアに対してのみ該当TTIで全ての逆方向送信を考慮してP
CMAX,cを導き出す。この後、端末は640ステップで各キャリアに対して、導き出されたP
CMAX,c値を利用してPHを計算する。また、端末は、645ステップで導き出されたPH値をPHRに含ませて、基地局に報告する。
【0047】
本発明によれば、複数のキャリアが集約された移動通信システムにおいて、端末は、拡張されたPHRを通じてキャリアのPHを報告する。すなわち、端末は、キャリアのPUSCHで実際の送信有無によってキャリアそれぞれのP
CMAX,cを決定する。このとき、端末は、キャリアそれぞれに対してPUSCHで実際の送信有無を判断する。そして、PUSCHで実際の送信が行われれば、端末は、他のキャリアの逆方向送信を考慮して、該当キャリアのP
CMAX,cを決定する。一方、PUSCHで実際の送信が行われなければ、端末は、前記数学式5、すなわちあらかじめ決定された値で該当キャリアのP
CMAX,cを決定する。そして、端末は、キャリアそれぞれのP
CMAX,cを利用してキャリアのPHを計算する。また、端末は、PHに拡張されたPHRを生成してキャリアのうちいずれか一つから送信する。
【0048】
図7は、本発明の実施例に係る端末のPH構成装置を示す図面である。
【0049】
図7を参照すれば、端末装置は、送受信機705、制御部710、PH計算部715、多重化及び逆多重化装置720、制御メッセージ処理部735、及び各種上位階層装置725,730等で構成される。
【0050】
送受信機705は、順方向キャリアにデータ及び所定の制御信号を受信し、逆方向キャリアにデータ及び所定の制御信号を送信する。複数のキャリアが集約された場合、送受信機705は、前記複数のキャリアにデータの送受信及び制御信号の送受信を行う。
【0051】
制御部710は、送受信機705が提供する制御信号、例えば逆方向グラントで指示するスケジューリング情報にしたがって、多重化及び逆多重化装置720にMAC PDU構成を指示する。また、制御部710は、PHRトリガーの有無を判断する。そして、PHRがトリガーされれば、制御部710は、PHに電力ヘッドルームを計算することを指示する。PHRトリガーの有無は、制御メッセージ処理部735によって伝達したPHRパラメータを利用して判断する。また、複数のキャリアが集約された場合、制御部710は、本発明によって拡張されたPHRを通じてキャリアのPHを報告することができる。このとき、制御部710は、キャリアそれぞれに対してPUSCHで実際の送信有無を判断し、その判断結果をPH計算部715に伝達する。そして、制御部710は、キャリアのうちいずれか一つで拡張されたPHRを送信することができる。
【0052】
PH計算部715は、制御部710の制御にしたがってPHを計算し、その値を制御部710に伝達する。複数のキャリアが集約された場合、PH計算部715は、各キャリア別にPHを計算することができる。すなわちPH計算部715は、本発明によりキャリアそれぞれに対してPUSCHで実際の送信有無によって、キャリアそれぞれのP
CMAX,cを決定する。このとき、PUSCHで実際の送信が行われれば、PH計算部715は、他のキャリアの逆方向送信を考慮して該当キャリアのP
CMAX,cを決定する。一方、PUSCHで実際の送信が行われなければ、PH計算部715は、前記数学式5、すなわちあらかじめ決定された値で該当キャリアのP
CMAX,cを決定する。そして、PH計算部715は、キャリアそれぞれのP
CMAX,cを利用してキャリアのPHを計算する。
【0053】
多重化及び逆多重化装置720は、上位階層装置725,730や制御メッセージ処理部735から発生したデータを多重化するか、送受信機705で受信されたデータを逆多重化して適切な上位階層装置725,730や制御メッセージ処理部735に伝達する役割をする。
【0054】
制御メッセージ処理部735は、ネットワークが送信した制御メッセージを処理して必要な動作を取る。制御メッセージ処理部735は、例えば制御メッセージに収納されたPHRパラメータを制御部710に伝達するか、新しく活性化されるキャリアの情報を送受信機705に伝達して、前記キャリアが送受信機705で設定されるようにする。上位階層装置725,730は、サービス別に構成され、FTPやVoIPなどのようなユーザサービスで発生するデータを処理して多重化装置720に伝達するか、逆多重化装置720が伝達したデータを処理して上位階層のサービスアプリケーションに伝達する。
【0055】
一方、端末で拡張されたPHRが報告されれば、基地局で拡張されたPHRを受信して逆方向送信出力を決定するのに利用する。このような基地局は、送受信機及び制御部を含む。送受信機は、複数の活性化されたキャリアのうちいずれか一つで拡張されたPHRを受信する。そして、制御部は、拡張されたPHRでキャリアのPHを把握する。
【0056】
一方、本明細書と図面に開示された本発明の実施例は、本発明の技術内容を容易に説明し、本発明の理解を助けるために特定例を提示したものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の技術的思想に基づいた他の変形例が実施可能であることは、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に自明である。