特許第6509502号(P6509502)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ルミカの特許一覧

特許6509502化学発光体構造物および化学発光体の製造方法
<>
  • 特許6509502-化学発光体構造物および化学発光体の製造方法 図000002
  • 特許6509502-化学発光体構造物および化学発光体の製造方法 図000003
  • 特許6509502-化学発光体構造物および化学発光体の製造方法 図000004
  • 特許6509502-化学発光体構造物および化学発光体の製造方法 図000005
  • 特許6509502-化学発光体構造物および化学発光体の製造方法 図000006
  • 特許6509502-化学発光体構造物および化学発光体の製造方法 図000007
  • 特許6509502-化学発光体構造物および化学発光体の製造方法 図000008
  • 特許6509502-化学発光体構造物および化学発光体の製造方法 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6509502
(24)【登録日】2019年4月12日
(45)【発行日】2019年5月8日
(54)【発明の名称】化学発光体構造物および化学発光体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   F21K 2/06 20060101AFI20190422BHJP
【FI】
   F21K2/06
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-122611(P2014-122611)
(22)【出願日】2014年6月13日
(65)【公開番号】特開2016-4624(P2016-4624A)
(43)【公開日】2016年1月12日
【審査請求日】2017年4月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000230630
【氏名又は名称】株式会社ルミカ
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(72)【発明者】
【氏名】長野 智一
(72)【発明者】
【氏名】平田 伸次
(72)【発明者】
【氏名】権田 健一
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3001788(JP,U)
【文献】 米国特許第03863380(US,A)
【文献】 特開平09−223401(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3125325(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 2/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2種の化学組成物がそれぞれ封入される内筒と外筒とを有し、前記2種の化学組成物を混合することで化学発光を生じさせる化学発光体であって、
前記内筒が、前記2種の化学組成物の一方の化学組成物を内部に含む破割性アンプルであり、
前記外筒が、前記2種の化学組成物の他方の化学組成物を、外筒の内部でありかつ外筒に内包される前記内筒の外部に含む樹脂製容器であり、
前記外筒が、螺合部である連結部を有する化学発光体と、
前記化学発光体の連結部と連結する被連結部を有する握部とを結合してなる化学発光体構造物。
【請求項2】
2種の化学組成物がそれぞれ封入される内筒と外筒とを有し、前記2種の化学組成物を混合することで化学発光を生じさせる化学発光体であって、
前記内筒が、前記2種の化学組成物の一方の化学組成物を内部に含む破割性アンプルであり、
前記外筒が、前記2種の化学組成物の他方の化学組成物を、外筒の内部でありかつ外筒に内包される前記内筒の外部に含む樹脂製容器であり、
前記外筒が、螺合部である連結部を有する化学発光体と、
前記化学発光体の連結部と連結する被連結部を有する据え置き型の台とを結合してなる化学発光体構造物。
【請求項3】
2種の化学組成物がそれぞれ封入される内筒と外筒とを有し、前記2種の化学組成物を混合することで化学発光を生じさせる化学発光体であって、
前記内筒が、前記2種の化学組成物の一方の化学組成物を内部に含む破割性アンプルであり、
前記外筒が、前記2種の化学組成物の他方の化学組成物を、外筒の内部でありかつ外筒に内包される前記内筒の外部に含む樹脂製容器であり、
前記外筒が、螺合部である被連結部を有する化学発光体と、
前記化学発光体が少なくとも二つ以上連結する連結部を有する継手部とを有し、前記継手部に前記化学発光体が少なくとも二つ以上連結された化学発光体構造物。
【請求項4】
2種の化学組成物がそれぞれ封入される内筒と外筒とを有し、前記2種の化学組成物を混合することで化学発光を生じさせる化学発光体の製造方法であって、
前記2種の化学組成物の一方の化学組成物を内部に含む破割性アンプルである前記内筒と、前記2種の化学組成物の他方の化学組成物とを、外筒用容器に加えた後、前記外側容器に対して凹型の蓋部であり雌螺子の螺合部である連結部を有する蓋部により密し、前記蓋部と、前記外筒容器の端部とを平面で熱溶着することを特徴とする化学発光体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化学発光体およびその製造方法に関する。特に、コンサートライト等のイベント用ライトや防災用として用いられる手持ち型発光体に関し、化学発光体に設けられる連結部により、使用態様に併せて自由な変更ができる化学発光体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンサートライトのようにイベント時に用いられるライトや防災用ライト等の手持ち型ライト、夜間の釣り用に使用される浮き、セレモニー会場の装飾等のように、化学発光用蛍光液と化学発光用酸化液の組み合わせのような2種類の液体や固体を混合させることで化学発光を生じさせる化学発光体が広く用いられている(特許文献1、特許文献2)。
【0003】
これらの化学発光体は、前述の特許文献1や特許文献3、4に示されるように、筒状容器内(外筒内)に、さらにガラスアンプル等の内筒を設け、一方の液(または固体)をこの内筒内に充填し、その内筒の外側でありかつ外筒内に他方の液を充填し、保管時においては2種の液が内筒(ガラスアンプルの場合、ガラス)によって分離されるものの、使用時には化学発光体を折り曲げることで内筒が破割し、2種の液(または液と固体)が混合し筒状容器内で化学発光が生じる構成として提案され利用されている。
【0004】
これらの化学発光体が手持ち型ライト等の場合、その化学発光体用容器の外筒は、成型加工性に優れることから把持部が一体成型された円筒状の容器とされることが多かった。
【0005】
この化学発光体を同時に複数持つことができるような保持具として、特許文献5には、複数の長尺状発光体の一端部を同時に保持し得る開閉式の保持部を備えた発光体保持具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許4044934号公報
【特許文献2】特開2011−137134号公報
【特許文献3】特開平8−280421号公報
【特許文献4】特許3773244号公報
【特許文献5】実用新案登録第3125325号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の握部が一体成型された円筒状の容器は、その一体成型された形状で把持や保持される必要があり、例えば複数の化学発光体を同時に手に持ったり、所定の場所に置く等の当初から成形されている握部に併せた用途以外では使いにくい場合があった。また、化学発光体は一定時間が経過すると発光が停止し、一体成型された化学発光体全体として廃棄物となる。複数の化学発光体を同時に手に持つための保持具としては、前述の特許文献5が開示されている。しかし、これは、従来型の握部が一体成型された円筒状の容器を開閉可能な基体を通して保持しようとするものであり、取り換える為には握部を開閉させる必要があり取り換えの自由度が低いものだった。
【0008】
また、握部が一体成型された化学発光体の製造にあたっては、比較的複雑な形状である握部が一体成型された開放状態の外筒容器に、化学組成物や内筒等の内容物を入れ、その後、略円柱状等の蓋部を発光部側の端部に取り付ける方法で密閉されていた。この蓋部側の取り付けを行うにあたっては熱溶着時の十分な空間を設けたほうが取り付けやすく、その空間は化学組成物が充てんされず発光しない大きなデッドスペースとなり発光部側の端部に生じていた。しかしながら、従来の製造方法による発光体よりも、端部側の発光部が広くより明るく見える形状とすることが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
【0010】
本発明は、2種の化学組成物がそれぞれ封入される内筒と外筒とを有し、前記2種の化学組成物を混合することで化学発光を生じさせる化学発光体であって、前記内筒が、前記2種の化学組成物の一方の化学組成物を内部に含む破割性アンプルであり、前記外筒が、前記2種の化学組成物の他方の化学組成物を、外筒の内部でありかつ外筒に内包される前記内筒の外部に含む樹脂製容器であり、前記外筒が、連結部を有することを特徴とする化学発光体である。このような構成とすることで、外筒に設けられた連結部により様々な保持具等の構成部品に自由に取り付け可能となるため、幅広い用途で本発明の化学発光体を使用することができる。
【0011】
本発明は、2種の化学組成物を混合することで化学発光を生じさせる化学発光体に関する。ここで、混合することで化学発光を生じさせる2種の化学組成物とは、例えば、化学発光用蛍光液(シュウ酸エステルと色素、溶媒等)と化学発光用酸化液(過酸化水素水のような酸化剤と触媒成分、溶媒等)のような液状のものが一般的であるが、一方にこれらの液と同様に混合することで化学発光を生じさせる粉体状や粒状の固体状のものを用いてもよい。この化学組成物は双方が液状の場合、混合性に優れており全体で均一な発光を速やかに生じさせやすく好ましい。また、一方が固体状の場合、破割性アンプルを他方の液が通過し浸透しながら発光が生じる為、比較的緩やかな反応となる。なお、ここで混合することで化学発光を生じさせるものは、一般的にそれぞれを複数の化合物等の組成物として調製されるが、本発明においては単独の物質で用いることができるようなものも含めて化学組成物と表記する。
【0012】
本発明の化学発光体は、外筒と、この外筒に内包される内筒とを有する。ここで、本発明において、この内筒は前記2種の化学組成物の一方の化学組成物を内部に含む破割性のアンプルである。また、もう一方の外筒は、前記2種の化学組成物の他方の化学組成物を、外筒の内部であり、かつ、外筒に内包される前記内筒の外部に含む。本発明の化学発光体は、非使用時(保管時等)は、2種の化学組成物が混合されないように化学発光体内の内筒によって分離されることが求められる。この分離と混合を行うために、化学発光体内に設けられる内筒は破割性アンプルとして設けられる。使用時においては、化学発光体を折り曲げることで、内筒である破割性アンプルが割れ、その内部の化学組成物がアンプル外部の化学組成物と混合されることで発光が生じる。
【0013】
内筒に用いられる破割性アンプルは、化学発光体に折り曲げの力が加わった時に、外筒内で割れるアンプルであればよく、一般的にはガラス製のアンプルが用いられる。ガラス製とすることで、非使用時には外部の液と内部の液の混合を遮断することができ、さらに、化学発光体の折り曲げによりかかる負荷によって、適度に割れやすいものとすることができる為である。なお、本発明において、化学発光体の折り曲げは、破割性アンプルが破割する程度の折り曲げであれば足り、特にガラス製の破割性アンプルとする場合、その折り曲げは緩やかなカーブを描く程度の折り曲げでよい。
【0014】
本発明の化学発光体は、前記外筒が前記2種の化学組成物の他方の化学組成物を、外筒の内部でありかつ外筒に内包される前記内筒の外部に含む樹脂製容器を用いたものであり、前記外筒が、連結部を有することを特徴とする。本発明の化学発光体の外筒は、樹脂製容器が一般的であり、この容器は樹脂を用いて射出成型等の樹脂成形法で成形される。この樹脂としては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等を主とするものが一般的に用いられる。例えば、ポリプロピレンの場合、添加剤が加えられたポリプロピレン樹脂組成物が市販されており、このような樹脂組成物により製造される容器は樹脂としてポリプロピレンを採用した樹脂組成物製の化学発光体の外筒となる。また、使用時に化学発光体内部の化学発光による光の分散性を向上させるために、樹脂組成物に適宜光分散剤を加えたり、色調を変えるために着色剤を混合して外筒を製造してもよい。また、製造条件の制御によって結晶化度をコントロールする等して、白濁状態の光分散性が高い容器としてもよい。
【0015】
本発明は、外筒が、連結部を有することを特徴とする。この連結部とは、対応する被連結部を有する部品との連結のための部位を指す。この連結部を外筒に設けておくことで、握部等の取り付け対象に高い自由度で取り付けできる。この連結部は、その連結部と連結する被連結部を有する構成部品や継手部と連結するときの差し込み方向に対する引掛部を有する化学発光体とすることが好ましい。この差し込み方向は、化学発光体と、構成部品とを取り外そうとするときには、その抜き取り方向にあたる。この差し込み方向(抜き取り方向)に引掛部を設けることで、抜き取り方向への抵抗が生じるため、使用時に容易に取り外れないものとなる。この引掛部は、同一化学発光体に複数設けてあることでより外れにくいものとなる。また、この連結部は、螺合部であることが好ましい。外筒に設けられる螺合部は雄螺子、雌螺子いずれの構造でもよい。螺合部による連結を行えば、螺合部が引掛部として機能し化学発光体が取り付けられた保持部品(例えばグリップ)から外れにくく、一方で取り付けも行いやすい。
【0016】
また本発明は前述した特徴を有する化学発光体の連結部と連結する被連結部を有する構成部品と結合してなる化学発光体構造物とすることができる。この構成部品としては、握部や、据え置き型の台等が挙げられる。これらの構成部品と結合することで化学発光体を取り付けた化学発光体構造物となる。なお、これらの構造部品との結合にあたっては、化学発光体の連結部と構造部品の被連結部との両方に連結可能な継手部を介して結合させても良い。または、継手部を介して複数の化学発光体を結合させる構造とすることもできる。継手部を介する構造とする利点としては、化学発光体の螺合部と直接対応しない螺合部を有するような構造部品とも連結可能なことである。
【0017】
構造部品の一例である握部は、複数の被連結部を設けて、複数の本発明の化学発光体を取り付けて使用できるようにしてもよい。このとき、構成部品は化学発光体と同一の樹脂製である必要はなく、金属や木、PEやPPよりも強度が高い樹脂等を用いて製造しても良い。この被連結部を有する構成部品は、使い捨てとする必要が無いため、化学発光体の発光が停止した後も利用することができる。一方で、握部等が一体成型されていない本発明の化学発光体は廃棄物量も低減することができる。また、JISやISO等の標準規格に対応させた螺子の連結部としておけば、様々な従来のネジに自在に取り付けることができる。これを利用し、壁や床などに取り付けて装飾方法や、演出方法、防災時の安全灯とすることもできる。
【0018】
本発明は、2種の化学組成物がそれぞれ封入される内筒と外筒とを有し、前記2種の化学組成物を混合することで化学発光を生じさせる化学発光体の製造方法であって、前記2種の化学組成物の一方の化学組成物を内部に含む破割性アンプルである前記内筒と、前記2種の化学組成物の他方の化学組成物とを、外筒用容器に加えた後、連結部を有する蓋部により密閉することを特徴とする化学発光体の製造方法とすることができる。
【0019】
本発明の外筒は、前述のように樹脂製である。ここで、外筒は、外筒用の本体容器内に、内筒(アンプル)、化学発光用の化学組成物等を加えた後、所定の方法で密閉され外筒となる。この密閉方法の代表的な方法としては、外筒用の本体容器に蓋部を取り付ける方法が挙げられ、具体的な蓋部の取り付け方として、熱溶着により蓋部を設ける方法が挙げられる。この蓋部を設けるにあたっては、その蓋部を設ける為のスペースが外筒用の本体容器にあることが必要となる。さらには、その蓋部は熱溶着等を行いやすいように、その外形が円柱状のような比較的単純な構造であることが好ましい。
【0020】
ここで、本発明においては、この蓋部を、連結部を有する蓋部とし、その蓋部により密閉する製造方法とすることができる。この蓋部を、連結部を有する蓋部とすると、連結部の反対側である端部側の発光部が、従来よりも広く明るく見える形状として製造しやすくなる。この製造方法により得られる化学発光体は、蓋部側である連結部に握部を有する構成部品と結合させた化学発光体構造物としたとき、握部の反対側である端部側にまで化学発光体がより充てんされた状態としやすいため、従来よりも発光面積が広い意匠性に優れた化学発光体構造物となる。この製造方法による利点として、熱溶着により蓋部を設けるときに製造しやすいことが挙げられる。特に、蓋部に設けられる連結部が化学発光体の外筒に対して凹型の連結部の時、この製造方法による利点が大きく、なかでも雌螺子の螺合部とすると、蓋部を溶着するときに蓋部と、外筒本体部との端部を平面で溶着する処理により簡易にかつ安定した溶着をおこなうことができる。さらには、非蓋部側の構造を従来の円筒型以外にも、特にその端部側にハート形や、球状、ブロック状等の形状の装飾を設けることができ、化学発光体自体の形状としても設計の自由度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、外筒に連結部を設けていることで、高い自由度で取り付け自在な化学発光体を得ることができる。このような構成とすることで、連結部と対応する被連結部を有する構成部品と結合することで、様々な態様の化学発光体構造物を得ることができる。さらには、化学発光体と、構成部品とを分離しやすくすることで製造に使用する原料の低減、廃棄物の低減効果もある。また、連結部を蓋部とする製造方法とすることで、連結部の反対側である端部側の発光部が、従来よりも広く明るく見える形状の化学発光体を製造しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の化学発光体の全体構成の例を示す断面図である。
図2】本発明の化学発光体構造物の外観の一例を示す図である。
図3】本発明の化学発光体を継手部により連結する一例を示す図である。
図4A】本発明の化学発光体構造物の構成部品の一例を示す図である。
図4B】本発明の化学発光体構造物の構成部品の他の例を示す図である。
図4C】本発明の化学発光体構造物の構成部品の他の例を示す図である。
図4D】本発明の化学発光体構造物の構成部品の他の例を示す図である。
図5】本発明の化学発光体の外観の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に説明する。以下に記載する実施の形態および構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の内容に限定されない。
【0024】
本発明の化学発光体の実施形態を、図1〜5を用いて説明する。図1は、内筒2を内包させた化学発光体10の構成を示しており、外筒用容器1が雌ねじ型の連結部3を有する蓋部4により密閉されることで外筒として機能する構成の化学発光体10の全体構造を示す断面図である。
【0025】
図1に示す化学発光体10は、2種の化学組成物がそれぞれ封入される内筒2と外筒用容器1を蓋部4により密閉した外筒とを有し、それぞれに封入された化学組成物を混合することで化学発光を生じさせる化学発光体である。ここで、前記内筒2は、前記2種の化学組成物の一方の化学組成物を内部に含む破割性アンプルである。また、前記外筒用容器1等からなる外筒は、前記2種の化学組成物の他方の化学組成物を、外筒の内部でありかつ外筒に内包される前記内筒2の外部に含む樹脂製容器である。ここで、外筒の連結部3は、外筒用容器1に内筒2や化学組成物等を充填した後、蓋部4を取り付けられることで設けられ、これにより連結部3を有する外筒となる。
【0026】
この図1においては、連結部3として、雌螺子の螺合部を設けた態様を示している。この雌螺子の螺合部を設けた蓋部4により外筒用容器1を密閉するとき、溶着部5を溶着することで密閉することができる。これを熱溶着で行う場合、外筒用容器1に蓋部4を嵌めて上方から溶着部5に平面的に熱をかけるができる。この連結部が雌螺子の時に採用できる溶着のための平面的な加熱は、極めて容易に溶着することができる方法である。さらには、連結部3は把持部を有するような構成部品と連結されるため、把持部から離れた方となる化学発光体10の端部側(図1においては下方)は、その発光部が、従来よりも広く明るく見える形状や、この端部の形状を変更しやすく、高い形状の自由度で広範な発光部にできる。また、上方から熱をかければ作業中に化学組成物や内筒等の内容物も漏れにくい。
【0027】
次に、図2は、化学発光体10と、化学発光体10の連結部と連結可能な被連結部を有する構成部品20とを結合してなる化学発光体構造物30を表わす図である。ここで、図2には図示していないが、図1に表すような雌螺子の連結部を有する化学発光体10と連結する場合、構成部品20は、雄螺子の被連結部を有するものとすることで簡易な取り付けで、外れにくい結合とすることができる。
【0028】
図3図1に示す化学発光体10を、継手部6を介して二つ連結する様子を示す図である。このように、図1を用いて説明したような雌螺子の螺合部を有する化学発光体10を、複数の雄螺子を有する継手部6を介して、複数連結させて化学発光体構造物とすることもできる。この図3においては、継手部6を介したことで、長い化学発光体構造物を得ることができる。
【0029】
図4A図4Dは、本発明の化学発光体の連結部と連結する被連結部を有する構成部品21〜24を示す図である。構造部品21〜24に示すように、本発明の化学発光体の連結部と結合可能な被連結部7を有する様々な態様の構成部品を設計することができ、この構成部品を代えるだけで、様々な用途で使用できる化学発光体構造物を得ることができる。
【0030】
図5は、雄螺子の連結部8を有する化学発光体11を示す図である。このように、図1等に表されるような連結部の他にも、この図5に表されるような雄螺子の連結部8を設けることもできる。この場合、構成部品等の被連結部は雌螺子型のものとすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の化学発光体はそのまま、コンサートライトや、誘導灯として用いてもよく、さらには被連結部を有する構造部品と組み合わせた化学発光体構造物として用いることもできる。
【符号の説明】
【0032】
1 外筒用容器
10、11 化学発光体
2 内筒
20、21、22、23、24 構成部品
3 連結部(雌螺子)
30 化学発光体構造物
4 蓋部
5 溶着部
6 継手部
7 被連結部
8 連結部(雄螺子)
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5