特許第6509504号(P6509504)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東芝の特許一覧 ▶ 東芝電機サービス株式会社の特許一覧

特許6509504情報作成装置、情報作成システム、情報作成プログラム及び情報作成方法
<>
  • 特許6509504-情報作成装置、情報作成システム、情報作成プログラム及び情報作成方法 図000002
  • 特許6509504-情報作成装置、情報作成システム、情報作成プログラム及び情報作成方法 図000003
  • 特許6509504-情報作成装置、情報作成システム、情報作成プログラム及び情報作成方法 図000004
  • 特許6509504-情報作成装置、情報作成システム、情報作成プログラム及び情報作成方法 図000005
  • 特許6509504-情報作成装置、情報作成システム、情報作成プログラム及び情報作成方法 図000006
  • 特許6509504-情報作成装置、情報作成システム、情報作成プログラム及び情報作成方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6509504
(24)【登録日】2019年4月12日
(45)【発行日】2019年5月8日
(54)【発明の名称】情報作成装置、情報作成システム、情報作成プログラム及び情報作成方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20190422BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20190422BHJP
   C02F 1/00 20060101ALI20190422BHJP
【FI】
   G05B23/02 301W
   G06Q50/06
   C02F1/00 V
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-132833(P2014-132833)
(22)【出願日】2014年6月27日
(65)【公開番号】特開2016-12202(P2016-12202A)
(43)【公開日】2016年1月21日
【審査請求日】2017年3月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩之
【審査官】 影山 直洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−014025(JP,A)
【文献】 特開平09−244618(JP,A)
【文献】 特開2012−137934(JP,A)
【文献】 特開2010−231486(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
C02F 1/00
G06Q 50/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水処理設備において発生した事象を表す事象情報、及び、前記水処理設備においてなされた操作を表す操作情報と、時刻情報とが対応付けられた履歴情報に、前記水処理設備の異常を表す単語として予め定められたキーワードを付与する制御部と、
前記履歴情報から、前記キーワードが付与されているという条件を満たす前記事象情報及び前記操作情報の少なくとも一方と前記時刻情報との組を抽出する抽出部と、
抽出した前記組を時系列に並べた提示用情報を作成する作成部と、
を備え
前記制御部は、前記キーワードで特定の情報が表される前記事象情報及び前記操作情報を取得し、取得された前記事象情報及び前記操作情報の前記特定の情報を表す前記キーワードを前記履歴情報に付与する、
情報作成装置。
【請求項2】
前記抽出部は、前記事象情報を表す値と閾値との大小関係に基づいて、前記事象情報と前記時刻情報との組を前記履歴情報から抽出する、請求項1に記載の情報作成装置。
【請求項3】
前記抽出部は、前記事象情報を表す値が所定時間帯における最大値である否かに基づいて、前記事象情報と前記時刻情報との組を前記履歴情報から抽出する、請求項1に記載の情報作成装置。
【請求項4】
前記事象情報は、雨量を表す情報である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報作成装置。
【請求項5】
前記事象情報は、水位を表す情報である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報作成装置。
【請求項6】
前記事象情報は、濁度を表す情報である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報作成装置。
【請求項7】
前記履歴情報から特定個所を検索した結果を表示する表示部
を更に備える、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報作成装置。
【請求項8】
水処理設備において発生した事象を表す事象情報、及び、前記水処理設備においてなされた操作を表す操作情報と、時刻情報とが対応付けられた履歴情報に、前記水処理設備の異常を表す単語として予め定められたキーワードを付与する制御部と、
前記履歴情報から、前記キーワードが付与されているという条件を満たす前記事象情報及び前記操作情報の少なくとも一方と前記時刻情報との組を抽出する抽出部と、
抽出した前記組を時系列に並べた提示用情報を作成する作成部と、
を備える情報作成装置と、
前記履歴情報を記憶するデータベースと、
を備え
前記制御部は、前記キーワードで特定の情報が表される前記事象情報及び前記操作情報を取得し、取得された前記事象情報及び前記操作情報の前記特定の情報を表す前記キーワードを前記履歴情報に付与する、
情報作成システム。
【請求項9】
コンピュータに、
水処理設備において発生した事象を表す事象情報、及び、前記水処理設備においてなされた操作を表す操作情報と、時刻情報とが対応付けられた履歴情報に、前記水処理設備の異常を表す単語として予め定められたキーワードを付与する手順と、
前記履歴情報から、前記キーワードが付与されているという条件を満たす前記事象情報及び前記操作情報の少なくとも一方と前記時刻情報との組を抽出する手順と、
抽出した前記組を時系列に並べた提示用情報を作成する手順と、
を実行させ
前記付与する手順では、前記キーワードで特定の情報が表される前記事象情報及び前記操作情報を取得し、取得された前記事象情報及び前記操作情報の前記特定の情報を表す前記キーワードを前記履歴情報に付与する、
ための情報作成プログラム。
【請求項10】
情報作成システムにおける情報作成方法であって、
水処理設備において発生した事象を表す事象情報、及び、前記水処理設備においてなされた操作を表す操作情報と、時刻情報とが対応付けられた履歴情報に、前記水処理設備の異常を表す単語として予め定められたキーワードを付与するステップと、
前記履歴情報から、前記キーワードが付与されているという条件を満たす前記事象情報及び前記操作情報の少なくとも一方と前記時刻情報との組を抽出するステップと、
抽出した前記組を時系列に並べた提示用情報を作成するステップと、
を含み、
前記付与するステップでは、前記キーワードで特定の情報が表される前記事象情報及び前記操作情報を取得し、取得された前記事象情報及び前記操作情報の前記特定の情報を表す前記キーワードを前記履歴情報に付与する、
情報作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報作成装置、情報作成システム、情報作成プログラム及び情報作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水処理設備の運転には、咄嗟の判断が必要とされる場合がある。また、水処理設備を運転する運転員は、世代交代等によって、熟練度の高い運転員から熟練度の高くない運転員に交代する場合がある。しかしながら、水処理設備の熟練度の高い運転員が有する操作情報を、次世代の運転員に継承するのは容易でない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−57186号公報
【特許文献2】特開2002−259504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、水処理設備の操作情報を含む提示用情報を作成することができる情報作成装置、情報作成システム、情報作成プログラム及び情報作成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の情報作成装置は、抽出部と、作成部とを持つ。抽出部は、水処理設備において発生した事象を表す事象情報、及び、前記水処理設備においてなされた操作を表す操作情報と、時刻情報とが対応付けられた履歴情報から、条件を満たす前記事象情報及び前記操作情報の少なくとも一方と前記時刻情報との組を抽出する。作成部は、抽出した前記組を時系列に並べた提示用情報を作成する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態における、情報作成システムの構成を示す図。
図2】第1の実施形態における、履歴情報を示す図。
図3】第1の実施形態における、提示用情報の図。
図4】第1の実施形態における、履歴情報のグラフを示す図。
図5】第1の実施形態における、情報作成システムの動作を示す図。
図6】第2の実施形態における、情報作成システムの構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の情報作成装置、情報作成システム、情報作成プログラム及び情報作成方法を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の情報作成システム1aの構成を示す図である。情報作成システム1aは、対象設備10と、制御装置20と、観測装置30と、中継装置40と、情報作成装置50と、情報端末60とを備える。情報作成装置50と情報端末60は、例えば、情報作成システム1aの中央操作室に備えられる。情報作成システム1aは、以下に説明する処理によって、マニュアル(手引書)として使用可能な提示用情報を作成する。情報作成システム1aは、対象設備10の運転員(オペレータ)などに、提示用情報を提示する。
【0008】
提示用情報は、対象設備10の事象情報及び操作情報の少なくとも一方と時刻情報との組を、時系列に並べた情報である。事象情報(トレンドデータ)は、対象設備10の敷地内や敷地外において発生した事象を表す情報である。事象は、連続値や離散値で表現されてもよい。操作情報は、対象設備10において運転員によってなされた操作を表す情報である。
【0009】
対象設備10は、情報作成装置50によって監視される対象の設備である。対象設備10は、どのような設備でもよく、特定の設備に限定されない。第1の実施形態では、対象設備10は、浄水場である。対象設備10は、取水ゲート11と、沈砂池12と、水位計13と、着水井14と、濁度計15と、ポンプP1と、フロック形成池16と、沈澱池17と、ポンプP2と、ろ過池18と、混和池19と、浄水池CWと、バルブBLとを備える。
【0010】
取水ゲート11は、開度に応じて原水を通過させることにより、沈砂池12に原水を供給する。
沈砂池12は、原水に含まれる土砂などを沈殿させて、原水から除くための池である。
水位計13は、沈砂池12の水位を測定する。水位計13は、沈砂池12の水位情報を、制御装置20に出力する。
【0011】
着水井14は、フロック形成池16に供給する水の量を調整するための池である。
濁度計15は、着水井14の水の濁度を測定する。濁度計15は、着水井14の水の濁度情報を、制御装置20に出力する。
【0012】
ポンプP1は、制御装置20による制御に応じて、着水井14の水をフロック形成池16に供給する。ポンプP1は、運転員による手動操作に応じて、着水井14の水をフロック形成池16に供給してもよい。
フロック形成池16は、注入された凝集剤によって、供給された水に含まれる土砂等から濁質の塊(フロック)を形成する。
【0013】
沈澱池17は、形成された濁質の塊を沈澱させるための池である。
ポンプP2は、制御装置20による制御に応じて、沈澱池17の水をろ過池18に供給する。ポンプP2は、運転員による手動操作に応じて、沈澱池17の水をろ過池18に供給してもよい。
【0014】
ろ過池18では、沈澱池17で形成された濁質の塊を、ろ過砂がろ過する。
混和池19では、注入された薬品が、ろ過された水を消毒する。この薬品は、例えば、塩素やオゾンである。
浄水池CWは、混和池19で消毒された水を溜める。
バルブBLは、制御装置20による制御に応じて、浄水池CWの水を対象設備10の外に供給する。バルブBLは、運転員による手動操作に応じて、浄水池CWの水を対象設備10の外に供給してもよい。
【0015】
制御装置20は、情報作成装置50から中継装置40を介して受信した操作情報に基づいて、対象設備10を制御する。制御装置20は、通信部21と、制御部22と、データベース23とを備える。通信部21と、制御部22との一部または全部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。
【0016】
通信部21は、対象設備10の事象情報を、対象設備10から取得する。対象設備10の事象情報は、例えば、対象設備10の敷地内の雨の量を表す情報、沈砂池12の水位情報、着水井14の水の濁度情報や、管渠の水の流量である。
【0017】
通信部21は、観測装置30から中継装置40を介して、観測装置30が観測した事象を表す情報を受信する。観測装置30が観測した事象を表す情報は、例えば、対象設備10の敷地内に振った雨の量を表す情報や、対象設備10の敷地外に振った雨の量を表す情報である。
【0018】
通信部21は、情報作成装置50から中継装置40を介して、操作情報を受信する。通信部21は、検索要求情報を、情報作成装置50から中継装置40を介して受信する。検索要求情報は、履歴情報を検索した結果である検索結果を要求する情報である。履歴情報は、対象設備10の事象情報及び操作情報の少なくとも一方と時刻情報との組の履歴を含む。対象設備10の事象情報は、観測装置30が観測した事象を表す情報を含んでもよい。通信部21は、制御部22から取得した検索結果を、中継装置40に送信する。
【0019】
制御部22は、情報作成装置50から中継装置40を介して受信した操作情報を、通信部21から取得する。操作情報は、凝集剤などの薬品の注入量を定める情報、紫外線の照射量を定める情報、取水ゲート11の開度を定める情報、ポンプP1の運転情報、ポンプP2の運転情報や、バルブBLの開度を定める情報等を含んでもよい。操作情報は、対象設備10の操作モードが自動又は手動のいずれであるかを表す情報等を含んでもよい。
【0020】
制御部22は、受信した操作情報に基づいて、通信部21を介して対象設備10に制御情報を出力する。制御情報は、対象設備10を制御する情報である。制御情報は、機器を駆動するための電力の電圧値や電流値を表す情報を含んでもよい。
【0021】
制御部22は、対象設備10の事象情報を、通信部21から取得する。制御部22は、対象設備10の事象情報及び操作情報の少なくとも一方と時刻情報との組に基づいて、履歴情報を作成する。制御部22は、作成された履歴情報を、データベース23に記憶させる。
【0022】
制御部22は、情報作成装置50から中継装置40を介して受信した検索要求情報を、通信部21から取得する。制御部22は、データベース23に記憶されている履歴情報を、検索要求情報に応じて検索する。制御部22は、この検索結果を、通信部21と中継装置40を介して、情報作成装置50に送信する。
【0023】
制御部22は、観測装置30が観測した事象を表す情報を、通信部21から取得する。制御部22は、大雨などの異常時では、平常時と比較して相対的に短い周期で観測装置30が観測した事象を表す情報を、相対的に短い周期で繰り返し取得してもよい。制御部22は、観測装置30が観測した事象を表す情報を時刻情報に対応付けて、履歴情報を作成してもよい。制御部22は、作成された履歴情報をデータベース23に記憶させる。
【0024】
制御部22は、データベース23の空き容量が所定容量以下になった場合、通信部21を介して、情報作成装置50と情報端末60にアラームを送信してもよい。制御部22は、データベース23の空き容量が所定容量以下になった場合、データベース23が記憶している履歴情報の少なくとも一部を、不揮発性の記憶媒体に保存してもよい。この記憶媒体は、例えば、光ディスクである。
【0025】
データベース23は、作成された履歴情報を記憶する。データベース23は、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等の不揮発性メモリ(非一時的な記憶媒体)を有してもよい。つまり、データベース23は、停電しても履歴情報を保持することができる。また、この不揮発性メモリは、制御部22がプロセッサである場合、制御部22を動作させるためのプログラムを記憶してもよい。
【0026】
図2は、第1の実施形態における、履歴情報を示す図である。制御部22は、特定個所を表す印を、履歴情報に付与する。特定個所を表す印は、例えば、キーワードで表されてもよい。キーワードは、例えば、「自動」、「手動」、「開始」、「変更」、「閾値」、「最大値」や「最小値」などである。キーワードは、対象設備10の操作情報の勘所(ポイント)を表す単語として、予め定められる。キーワードは、対象設備10の異常を表す単語として、予め定められてもよい。制御部22は、検索要求情報に応じた特定個所を表す印が付与された情報を、履歴情報から検索可能である。制御部22は、検索結果を通信部51に送信する。
【0027】
履歴情報の項目は、年月日、時刻、事象及び操作である。図2に示す履歴情報では、年月日「2014年6月1日」と、時刻「t0」と、事象「雨量は、R1[mm/h]であった。」が対応付けられている。年月日「2014年6月1日」と、時刻「t1」と、事象「雨量は、閾値R2[mm/h]であった。」が対応付けられている。年月日「2014年6月1日」と、時刻「t2」と、事象「水位計13は、沈砂池12の水位がL1であることを示した。」が対応付けられている。年月日「2014年6月1日」と、時刻「t3」と、事象「水位計13は、沈砂池12の水位が閾値L2であることを示した。」が対応付けられている。
【0028】
年月日「2014年6月1日」と、時刻「t4」と、事象「雨量は、最大値R3[mm/h]であった。運転員は、バルブBLの操作モードを、自動から手動に変更した。」が対応付けられている。年月日「2014年6月1日」と、時刻「t5」と、事象「水位計13は、沈砂池12の水位が最大値L3であることを示した。ポンプP1の操作モードは自動であった。ポンプP2の操作モードは自動であった。制御装置は、ポンプP1とポンプP2の運転を開始した。」が対応付けられている。
【0029】
年月日「2014年6月1日」と、時刻「t6」と、事象「濁度計15は、着水井14の水の濁度が閾値D1であることを示した。運転員は、取水ゲート11を閉じた。」が対応付けられている。年月日「2014年6月1日」と、時刻「t7」と、事象「水位計13は、沈砂池12の水位が閾値L2であることを示した。運転員は、バルブBLを手動で閉じた。運転員は、バルブBLの操作モードを、手動から自動に変更した。」が対応付けられている。
【0030】
観測装置30は、対象設備10の敷地外の事象を観測し、対象設備10の敷地外の事象情報を中継装置40に出力する。観測装置30は、対象設備10の敷地外で発生した事象を観測する。例えば、観測装置30は、雨量計や雨量レーダである場合、対象設備10の敷地外に振った雨の量を観測する。観測装置30は、固定周期で事象を観測してもよい。観測装置30は、大雨などの異常時では、事象を観測する周期を、平常時と比較して短くしてもよい。
【0031】
中継装置40は、対象設備10の敷地外の事象情報を、通信回線を介して観測装置30から取得する。中継装置40は、対象設備10の敷地外の事象情報を、制御装置20に転送する。
【0032】
中継装置40は、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介して、制御装置20、情報作成装置50や情報端末60との通信を実行する。中継装置40は、情報作成装置50から取得した操作情報を、制御装置20に転送する。中継装置40は、情報作成装置50から取得した検索要求情報を、制御装置20に転送する。中継装置40は、情報作成装置50から取得した提示用情報を、制御装置20に転送する。中継装置40は、情報作成装置50から取得した提示用情報を、情報端末60に転送してもよい。情報端末60については後述する。
【0033】
中継装置40は、制御装置20から取得した対象設備10の事象情報を、情報作成装置50に転送する。中継装置40は、制御装置20から取得した履歴情報を、情報作成装置50に転送する。中継装置40は、制御装置20から取得した検索結果を、情報作成装置50に転送する。
【0034】
情報作成装置50(HIS: Human Interface Station)は、提示用情報を作成する。情報作成装置50は、通信部51と、操作部52と、記憶部53と、制御部54と、表示部55とを備える。
【0035】
通信部51は、制御部54から取得した操作情報を、中継装置40に送信する。通信部51は、制御部54から取得した検索要求情報を、中継装置40に送信する。通信部51は、制御部54から取得した提示用情報を、中継装置40に送信する。通信部51は、対象設備10の敷地外の事象情報を、中継装置40から取得する。通信部51は、対象設備10の敷地外の事象情報を、中継装置40に送信する。通信部51は、対象設備10の事象情報を、中継装置40から取得する。通信部51は、対象設備10の事象情報を、制御部54に送信する。通信部51は、中継装置40から取得した履歴情報を、制御部54に送信する。
【0036】
操作部52は、運転員による操作を受け付ける。操作部52は、運転員による操作に応じた操作信号を、制御部54に出力する。運転員による操作に応じた操作信号は、例えば、時間帯情報を表す信号である。操作部52は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルである。操作部52は、タッチパネルである場合、表示部55と一体でもよい。
【0037】
記憶部53は、RAM(Random Access Memory)やレジスタ等の揮発性メモリを有する。記憶部53は、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等の不揮発性メモリ(非一時的な記憶媒体)を有してもよい。この不揮発性メモリは、CPU等のプロセッサを動作させるためのプログラムを記憶する。
【0038】
制御部54は、監視部540と、抽出部541と、作成部542とを備える。監視部540と、抽出部541と、作成部542との一部または全部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。
【0039】
監視部540は、通信部51を介して、対象設備10の事象情報を取得する。監視部540は、現在の対象設備10の事象情報を、表示部55に表示させる。これにより、運転員は、現在の対象装置10の事象情報を監視することができる。監視部540は、現在の対象設備10の事象情報を、特定の事象ごとに表示部55に表示させてもよい。これにより、運転員は、現在の対象装置10の事象情報の情報量が多い場合でも、現在の対象装置10の事象情報を、特定の事象ごとに監視することができる。特定の事象は、例えば、対象装置10に発生した異常を表す事象や、対象装置10の運転状態を表す事象である。監視部540は、通信部51から取得した検索結果を、表示部55に表示させてもよい。監視部540は、運転員による操作に応じた操作信号に基づいて、検索要求情報を通信部51に送信する。監視部540は、制御装置20のデータベース23に記憶されている履歴情報を、制御装置20の制御部22と同様に、検索要求情報に応じて検索してもよい。
【0040】
抽出部541は、時間帯情報を表す信号を、操作部52から取得する。抽出部541は、時間帯情報が示す時間帯の履歴情報を、通信部51を介して、制御装置20から取得する。抽出部541は、条件を満たす事象情報及び操作情報の少なくとも一方と時刻情報との組を、履歴情報から抽出する。この条件は、どのような条件でもよく、特定の条件に限定されない。例えば、この条件は、特定個所を表す印が付与されているという条件である。例えば、抽出部541は、特定個所を表す印としてのキーワードが付与されている事象情報及び操作情報の少なくとも一方と時刻情報との組を、履歴情報から抽出する。キーワードは、例えば、「自動」、「手動」、「開始」、「変更」、「閾値」、「最大値」や「最小値」などである。
【0041】
抽出部541は、事象情報を表す値と閾値との大小関係に基づいて、事象情報と時刻情報との組を履歴情報から抽出してもよい。抽出部541は、事象情報を表す値が所定時間帯における最大値である否かに基づいて、履歴情報から事象情報と時刻情報との組を抽出してもよい。
【0042】
作成部542は、抽出された事象情報及び操作情報の少なくとも一方と時刻情報との組に基づいて、提示用情報を作成する。例えば、作成部542は、抽出された事象情報及び操作情報の少なくとも一方と時刻情報との組を時系列に並べることにより、提示用情報を作成する。作成部542は、提示用情報を表示部55に出力する。この提示用情報は、表示部55に表示される。作成部542は、通信部51を介して、提示用情報を情報端末60に送信してもよい。この提示用情報は、情報端末60の表示部65に表示される。作成部542は、通信部51を介して、提示用情報を制御装置20に送信してもよい。この提示用情報は、制御装置20のデータベース23に記憶される。
【0043】
図3は、第1の実施形態における、提示用情報の図である。抽出部541は、キーワードが含まれる事象情報及び操作情報の少なくとも一方と時刻情報との組を、履歴情報から抽出する。キーワード「閾値」が含まれる事象情報は、時刻t1、t3及びt6に対応する各事象情報である。キーワード「自動」が含まれる事象情報は、時刻t4及びt7に対応する各事象情報である。キーワード「手動」が含まれる事象情報は、時刻t4及びt7に対応する各事象情報である。キーワード「最大値」が含まれる事象情報は、時刻t4に対応する各事象情報である。
【0044】
作成部542は、抽出された事象情報及び操作情報の少なくとも一方と時刻情報との組を時系列に並べることにより、提示用情報を作成する。作成部542は、単位時間における雨量R2と雨量R1の差分が一定の雨量以上である場合、文字列「雨量が急上昇した。」を、時刻t1に対応付けられた事象情報に含めてもよい。
【0045】
表示部55は、表示装置である。表示部55は、画面を備える。表示部55は、提示用情報を表示する。表示部55は、現在の対象設備10の事象情報を表示する。表示部55は、対象設備10の履歴情報を表示する。表示部55は、対象設備10の履歴情報のグラフを表示する。表示部55は、履歴情報から特定個所を検索した結果を表示する。
【0046】
図4は、第1の実施形態における、履歴情報のグラフを示す図である。履歴情報のグラフの横軸は、時刻を示す。履歴情報のグラフの縦軸は、事象情報及び操作情報を示す。図4に示すグラフは、図2に示す履歴情報のグラフである。図4では、上段から1段目の事象情報は、雨量情報である。上段から2段目の事象情報は、水位情報である。上段から3段目の事象情報は、水の濁度情報である。上段から4段目の操作情報は、運転状態情報である。図4では、運転状態情報は、ポンプP1の運転状態と、ポンプP2の運転状態と、取水ゲート11の運転状態(開度)と、バルブBLの運転状態(開度)とを表す。表示部55は、現在の対象設備10の事象情報及び操作情報のグラフを、履歴情報のグラフと同様に表示してもよい。
【0047】
情報端末60は、対象設備10を監視する装置である。通信部61と、操作部62と、記憶部63と、制御部64と、表示部65とを備える。通信部61は、情報作成装置50の通信部51と同じ構成を有する。操作部62は、情報作成装置50の操作部52と同じ構成を有する。記憶部63は、情報作成装置50の記憶部53と同じ構成を有する。制御部64は、情報作成装置50の制御部54と同じ構成を有する。表示部65は、情報作成装置50の表示部55と同じ構成を有する。表示部65は、情報作成装置50の表示部55が表示している事象情報とは異なる事象情報について、現在の対象装置10の事象情報を表示してもよい。
【0048】
図5は、第1の実施形態における、情報作成システム1aの動作を示す図である。
抽出部541は、時間帯情報を表す信号を、操作部52から取得する(ステップS101)。
抽出部541は、時間帯情報が示す時間帯の履歴情報を、通信部51を介して、制御装置20から取得する(ステップS102)。
抽出部541は、条件を満たす事象情報及び操作情報の少なくとも一方と時刻情報との組を、履歴情報から抽出する(ステップS103)。
作成部542は、抽出された組に基づいて、提示用情報を作成する(ステップS104)。
作成部542は、時間帯情報の時間帯について提示用情報の作成が完了したか否かを判定する(ステップS105)。提示用情報の作成が完了していない場合(ステップS105:NO)、作成部542は、ステップS102に処理を戻す。提示用情報の作成が完了した場合(ステップS105:YES)、作成部542は、作成された提示用情報を、制御装置20のデータベース23に記憶させる(ステップS106)。
【0049】
以上のように、第1の実施形態の情報作成装置50は、抽出部541と、作成部542とを持つ。抽出部541は、条件を満たす事象情報及び操作情報の少なくとも一方と時刻情報との組を、履歴情報から抽出する。作成部542は、抽出した組を時系列に並べた提示用情報を作成する。
【0050】
第1の実施形態の情報作成システム1aは、情報作成装置50と、データベース23とを持つ。情報作成装置50は、抽出部541と、作成部542とを持つ。抽出部541は、条件を満たす事象情報及び操作情報の少なくとも一方と時刻情報との組を、対象設備10の履歴情報から抽出する。作成部542は、抽出した組を時系列に並べた提示用情報を作成する。データベース23は、履歴情報を記憶する。
【0051】
第1の実施形態の情報作成プログラムは、抽出する手順と、作成する手順とを持つ。抽出する手順では、コンピュータが、条件を満たす事象情報及び操作情報の少なくとも一方と時刻情報との組を、対象設備10の履歴情報から抽出する。抽出する手順では、コンピュータが、抽出した組を時系列に並べた提示用情報を作成する。
【0052】
第1の実施形態の情報作成方法は、情報作成システム1aにおける情報作成方法であって、抽出するステップと、作成するステップとを持つ。抽出するステップでは、情報作成システム1aは、条件を満たす事象情報及び操作情報の少なくとも一方と時刻情報との組を、対象設備10の履歴情報から抽出する。作成するステップでは、情報作成システム1aは、抽出した組を時系列に並べた提示用情報を作成する。
【0053】
この構成によって、作成部542は、抽出した組を時系列に並べた提示用情報を作成する。これにより、第1の実施形態の情報作成装置50、情報作成システム1a、情報作成プログラム及び情報作成方法は、対象設備10の操作情報を含む提示用情報を作成することができる。この結果、対象設備10の運転員は、台風、豪雨や洪水が発生した場合でも、マニュアル(手引書)として使用可能な提示用情報に基づいて、対象設備10を安全に運転することができる。
【0054】
監視部540は、運転員が操作部52を操作した場合、通信部51を介して、制御装置20の制御部22に検索要求情報を送信する。制御部22は、検索要求情報に応じた特定個所を表す印が付与された情報を、履歴情報から検索する。制御部22は、検索結果を通信部51に送信する。これにより、対象設備10の運転員は、過去に発生した大雨などの異常時の履歴情報を、データベース23から容易に呼び出すことができる。
【0055】
検索結果は、例えば、
「2014年 異常時 (1)2014. 6.1−2014. 6.2
(2)2014.10.5−2014.10.6」
のように、表示部55に表示される。
【0056】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、対象施設が下水処理場である点が、第1の実施形態と相違する。第2の実施形態では、第1の実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0057】
図6は、第2の実施形態における、情報作成システム1bの構成を示す図である。情報作成システム1bは、対象設備70と、制御装置20と、観測装置30と、中継装置40と、情報作成装置50と、情報端末60とを備える。情報作成装置50と情報端末60は、例えば、情報作成システム1bの中央操作室に備えられる。情報作成システム1bは、以下に説明する処理によって、マニュアル(手引書)として使用可能な提示用情報を作成する。情報作成システム1bは、対象設備70の運転員(オペレータ)などに、提示用情報を提示する。
【0058】
提示用情報は、対象設備70の事象情報及び操作情報の少なくとも一方と時刻情報との組を、時系列に並べた情報である。事象情報(トレンドデータ)は、対象設備70の敷地内や敷地外において発生した事象を表す情報である。操作情報は、対象設備70において運転員によってなされた操作を表す情報である。
【0059】
対象設備70は、情報作成装置50によって監視される対象の設備である。対象設備70は、どのような設備でもよく、特定の設備に限定されない。第2の実施形態では、対象設備70は、下水処理場である。対象設備70は、流入ゲート71と、除塵機72と、沈砂池73と、ポンプP3と、最初沈殿池74と、反応槽75と、ブロワ76と、ポンプP4と、最終沈殿池77と、塩素接触槽78と、ポンプP5と、発電設備79とを備える。
【0060】
流入ゲート71は、開度に応じて下水を通過させることにより、除塵機72に下水を供給する。
除塵機72は、所定の大きさ以上の材木やゴミを、下水から取り除く。除塵機72は、複数でもよい。大雨の場合、全ての除塵機72が運転されてもよい。
沈砂池73は、下水に含まれる土砂類を沈殿させる。
ポンプP3は、制御装置20による制御に応じて、沈砂池73の水を最初沈殿池74に供給する。
最初沈殿池74(第一沈澱池)は、下水に含まれる汚れを沈殿させる。
【0061】
反応槽75は、微生物の作用によって、下水に含まれる汚泥を塊にする。
ブロワ76(blower)は、反応槽75の水に空気を供給する。
ポンプP4は、制御装置20による制御に応じて、反応槽75の水を最終沈殿池77に供給する。
最終沈殿池77(第二沈澱池)は、ポンプP4から供給された水を、処理済の水と汚泥とに分離する。
塩素接触槽78では、注入された塩素が水を消毒する。
発電設備79は、発電した電力を、情報作成システム1bの各部に供給する。
ポンプP5は、塩素接触槽78の水を、河川などに放流する。
【0062】
制御装置20は、情報作成装置50から中継装置40を介して受信した操作情報に基づいて、対象設備70を制御する。
表示部55は、提示用情報を表示する。表示部55は、現在の対象設備70の事象情報を表示する。表示部55は、対象設備70の履歴情報を表示する。表示部55は、対象設備70の履歴情報のグラフを表示する。
【0063】
次に、対象設備70の操作情報を含む提示用情報を説明する。
雨水の混入比(=「雨天の場合に対象設備70に流入する下水の単位時間あたりの最大量」/「晴天の場合に対象設備70に流入する下水の単位時間あたりの最大量」)が増大する場合、複数の運転員は、情報作成システム1bの中央操作室と対象設備70において、提示用情報に基づいて、対象設備70を運転する。
【0064】
1.流入ゲート71の操作情報
制御装置20は、雨水の混入比が急激に増大する前から、ポンプP3とポンプP4を運転する。制御装置20は、受信した操作情報に基づいて、流入ゲート71の開度を調整してもよい。
【0065】
(1−1)対象設備70の操作モードは、自動モードである。つまり、制御装置20は、受信した操作情報に基づいて、対象設備70を制御する。大雨の場合、全ての流入ゲート71の開度は、100[%]である。流入ゲート71の開度は、絞られてもよい。制御装置20は、受信した操作情報に基づいて、対象設備70への下水の流入量と、ポンプP3及びポンプP4の揚水量とのバランスを取るように、対象設備70を制御する。
【0066】
(1−2)大雨の場合、全ての流入ゲート71の開度は、100[%]である。流入ゲート71の開度は、絞られなくてもよい。対象設備70の運転員は、複数の観測装置30が観測した雨量情報に基づいて、雨量を判断する。観測装置30は、対象設備70に対して上流の遠隔地に設置されてもよい。対象設備70の運転員は、履歴情報に基づいて、対象設備70への雨水の到達時刻を判断することができる。対象設備70の運転員は、履歴情報に基づいて、雨量を判断することができる。
【0067】
2.反応槽75と最終沈殿池77の操作情報
ポンプP3及びポンプP4の揚水能力は、単位時間あたりの最大の揚水量を基準にして、設計されている。最終沈殿池77の容量は、1日あたりの最大の貯水量を基準にして、設計されている。ポンプP3及びポンプP4が最大揚水能力で運転を続けた場合、最終沈殿池77から、活性汚泥が無くなってしまう場合がある。
【0068】
(2−1)制御装置20は、受信した操作情報に基づいて、ブロワ76の運転を一時停止することにより、反応槽75の汚泥を沈殿させる。これにより、制御装置20は、汚泥の流出を防ぐことができる。制御装置20は、可能な限り多くの電力量をポンプP3及びポンプP4に供給するため、受信した操作情報に基づいて、ブロワ76の運転を停止してもよい。
【0069】
(2−2)制御装置20は、雨水の混入比が増大した場合、対象設備70に備えられた発電設備79を運転させてもよい。発電設備79の操作モードは、自動モードでもよいし、手動モードでもよい。
【0070】
(2−3)制御装置20は、雨水の混入比が減少した場合、受信した操作情報に基づいて、ブロワ76の運転を再開してもよい。
【0071】
3.塩素接触槽78の操作情報
制御装置20は、受信した操作情報に基づいて、塩素接触槽78に塩素を注入する。これにより、河川に放流される水は、水質基準を満たすことができる。
(3−1)制御装置20は、受信した操作情報に基づいて、塩素の注入量を増加させてもよい。
【0072】
(3−2)制御装置20は、汚泥の塊が解体された場合、受信した操作情報に基づいて、ポリ塩化アルミニウム(PAC:Poly Aluminum Chloride)を水に注入することにより、解体された汚泥を再び塊にしてもよい。
【0073】
(3−3)制御装置20は、受信した操作情報に基づいて、沈砂池73の水を塩素接触槽78に直接供給してもよい。これにより、制御装置20は、雨水の混入比が急激に増大した場合でも、反応槽75の汚泥を守ることができる。
【0074】
4.反応槽75と最終沈殿池77の操作情報
制御装置20は、受信した操作情報に基づいて、最初沈殿池74の水を最終沈殿池77に直接供給してもよい。これにより、制御装置20は、雨水の混入比が急激に増大した場合でも、反応槽75の汚泥を守ることができる。
【0075】
5.ポンプP3及びポンプP4の操作情報
制御装置20は、受信した操作情報に基づいて、雨水の混入比が増大した場合、水位情報に応じて運転してもよい。
【0076】
6.発電設備79の操作情報
対象設備70は、複数の発電設備79を備えてもよい。雨水の混入比が増大した場合、制御装置20は、受信した操作情報に基づいて、複数の発電設備79を運転する。制御装置20は、発電設備79が発電した電力で、ポンプP3及びポンプP4を駆動させてもよい。これにより、制御装置20は、消費電力量を抑えることができる。制御装置20は、商用電力の消費量のピークを削減することができる。
【0077】
7.商用電力の操作情報
商用電力の系統は、複数回線でもよい。
【0078】
8.ポンプP5の操作情報
雨水の混入比が増大した場合、制御装置20は、受信した操作情報に基づいて、ポンプP5の放流ゲートの開度を調整してもよい。
【0079】
以上のように、第2の実施形態の情報作成装置50は、抽出部541と、作成部542とを持つ。抽出部541は、対象設備70の事象情報が時刻情報に対応付けられた履歴情報から、条件を満たす事象情報及び時刻情報を抽出する。作成部542は、抽出した事象情報及び時刻情報を時系列に並べた提示用情報を作成する。
【0080】
第2の実施形態の情報作成システム1bは、情報作成装置50と、データベース23とを持つ。情報作成装置50は、抽出部541と、作成部542とを持つ。抽出部541は、条件を満たす事象情報及び操作情報の少なくとも一方と時刻情報との組を、対象設備70の履歴情報から抽出する。作成部542は、抽出した組を時系列に並べた提示用情報を作成する。データベース23は、履歴情報を記憶する。
【0081】
第2の実施形態の情報作成プログラムは、抽出する手順と、作成する手順とを持つ。抽出する手順では、コンピュータが、条件を満たす事象情報及び操作情報の少なくとも一方と時刻情報との組を、対象設備70の履歴情報から抽出する。抽出する手順では、コンピュータが、抽出した組を時系列に並べた提示用情報を作成する。
【0082】
第2の実施形態の情報作成方法は、情報作成システム1bにおける情報作成方法であって、抽出するステップと、作成するステップとを持つ。抽出するステップでは、情報作成システム1bは、条件を満たす事象情報及び操作情報の少なくとも一方と時刻情報との組を、対象設備70の履歴情報から抽出する。作成するステップでは、情報作成システム1bは、抽出した組を時系列に並べた提示用情報を作成する。
【0083】
この構成によって、作成部542は、抽出した組を時系列に並べた提示用情報を作成する。これにより、第2の実施形態の情報作成装置50、情報作成システム1b、情報作成プログラム及び情報作成方法は、対象設備70の操作情報を含む提示用情報を作成することができる。対象設備70の運転員は、台風、豪雨や洪水が発生した場合でも、提示用情報に基づいて、対象設備70を安全に運転することができる。
【0084】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、履歴情報から組を抽出する抽出部541と、抽出した組を時系列に並べた提示用情報を作成する作成部542とを持つことにより、情報作成装置50は、水処理設備の操作情報を含む提示用情報を作成することができる。
【0085】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0086】
1a…情報作成システム、1b…情報作成システム、10…対象設備、11…取水ゲート、12…沈砂池、13…水位計、14…着水井、15…濁度計、16…フロック形成池、17…沈殿池、18…ろ過池、19…混和池、CW…浄水池、20…制御装置、21…通信部、22…制御部、23…データベース、30…観測装置、40…中継装置、50…情報作成装置、51…通信部、52…操作部、53…記憶部、54…制御部、55…表示部、60…情報端末、61…通信部、62…操作部、63…記憶部、64…制御部、65…表示部、70…対象設備、71…流入ゲート、72…除塵機、73…沈砂池、74…最初沈殿池、75…反応槽、76…ブロワ、77…最終沈殿池、78…塩素接触槽、79…発電設備、540…監視部、541…抽出部、542…作成部、P1…ポンプ、P2…ポンプ、P3…ポンプ、P4…ポンプ、P5…ポンプ、BL…バルブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6