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特許6509700ICカード発行装置、ICカード発行システム、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6509700
(24)【登録日】2019年4月12日
(45)【発行日】2019年5月8日
(54)【発明の名称】ICカード発行装置、ICカード発行システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06K 17/00 20060101AFI20190422BHJP
   G06K 7/00 20060101ALI20190422BHJP
   B42D 25/305 20140101ALI20190422BHJP
【FI】
   G06K17/00 022
   G06K7/00 004
   B42D25/305 100
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-191916(P2015-191916)
(22)【出願日】2015年9月29日
(65)【公開番号】特開2017-68477(P2017-68477A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2018年3月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福岡 寛規
【審査官】 甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−078795(JP,A)
【文献】 特開2015−103213(JP,A)
【文献】 特開2002−099952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 17/00
G06K 7/00 − 7/10
B42D 25/305
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発行データに基づいて、ICカードを発行する発行処理部と、
予め指定された記憶装置に前記発行データのファイルが記憶されたか否かを監視し、前記発行データのファイルが前記記憶装置に記憶された場合に、前記記憶装置に記憶された前記発行データのファイルに含まれる前記発行データを前記発行処理部に供給して、前記発行処理部に前記発行データに基づく前記ICカードの発行を実行させるデータ供給部と
備えるICカード発行装置。
【請求項2】
前記データ供給部は、前記記憶装置に記憶された前記発行データのファイルに含まれる前記発行データを前記発行処理部に供給した後に、前記発行処理部に供給した前記発行データが含まれる前記発行データのファイルを前記記憶装置から消去する
請求項1に記載のICカード発行装置。
【請求項3】
前記データ供給部は、自装置に対応する識別情報が付与されている前記発行データのファイルが、前記記憶装置に記憶された場合に、前記識別情報が付与されている前記発行データのファイルに含まれる前記発行データを前記発行処理部に供給する
請求項1又は請求項2に記載のICカード発行装置。
【請求項4】
供給されたデータに基づいて、ICカードを発行する発行データを生成し、生成した前記発行データのファイルを予め指定された記憶装置に記憶させる発行データ生成装置と、
前記発行データ生成装置によって生成された前記発行データに基づいて、ICカードを発行する発行処理部と、前記記憶装置に前記発行データのファイルが記憶されたか否かを監視し、前記記憶装置に前記発行データのファイルが記憶された場合に、前記記憶装置に記憶された前記発行データのファイルに含まれる前記発行データを前記発行処理部に供給して、前記発行処理部に前記発行データに基づく前記ICカードの発行を実行させるデータ供給部とを備えるICカード発行装置と、
を備えるICカード発行システム。
【請求項5】
複数の前記ICカード発行装置を備え、
前記複数のICカード発行装置のそれぞれが備える前記データ供給部は、自装置に対応する識別情報が付与されている前記発行データのファイルが、前記記憶装置に記憶された場合に、前記識別情報が付与されている前記発行データのファイルに含まれる前記発行データを前記発行処理部に供給する
請求項4に記載のICカード発行システム。
【請求項6】
コンピュータに、
予め指定された記憶装置を監視し、発行データのファイルが前記記憶装置に記憶されたか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップによって前記発行データのファイルが前記記憶装置に記憶された場合に、前記記憶装置に記憶された前記発行データのファイルに含まれる前記発行データを、ICカードを発行する発行処理部に供給するデータ供給ステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ICカード発行装置、ICカード発行システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ICカードに発行データを記憶させることでICカードの発行を行うICカード発行装置が知られている。ICカードに記憶させる発行データは、例えば、個人情報や従来の磁気カード用のデータなどのカードごとに異なる個別データと、ICカードのOS(オペレーティングシステム)上で実行されるアプリケーションが必要とする共通データと、ICカードの製品ごとに異なるフォーマットデータとを統合して生成される。この発行データは、ICカード発行装置とは異なる発行データ生成アプリケーションなどにより生成される。従来のICカード発行装置では、発行データ生成アプリケーションによって生成された大量の発行データを、ICカード発行装置に移動させる必要があり、発行処理に要する作業量が膨大になる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−274242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、発行処理に要する作業量を低減することができるICカード発行装置、ICカード発行システム、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のICカード発行装置は、発行処理部と、データ供給部とを持つ。発行処理部は、発行データに基づいて、ICカードを発行する。データ供給部は、予め指定された記憶装置に前記発行データのファイルが記憶されたか否かを監視し、前記発行データのファイルが前記記憶装置に記憶された場合に、前記記憶装置に記憶された前記発行データのファイルに含まれる前記発行データを前記発行処理部に供給して、前記発行処理部に前記発行データに基づく前記ICカードの発行を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態のICカード発行システムのハードウェア構成例を示す図。
図2】第1の実施形態のICカード発行システムの機能構成例を示すブロック図。
図3】第1の実施形態のエントリ領域に記憶される発行データ例を示す図。
図4】第1の実施形態のデータ供給部の処理の一例を示すフローチャート。
図5】第2の実施形態のICカード発行システムのハードウェア構成例を示す図。
図6】第2の実施形態のICカード発行システムの機能構成例を示すブロック図。
図7】第2の実施形態のエントリ領域に記憶される発行データ例を示す図。
図8】第2の実施形態のデータ供給部の処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態のICカード発行装置、ICカード発行システム、及びプログラムを、図面を参照して説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態のICカード発行システム1のハードウェア構成例を示す図である。
図1に示すように、ICカード発行システム1は、発行データ生成装置2と、記憶装置3と、発行装置4とを備えている。なお、発行データ生成装置2と、記憶装置3と、発行装置4とは、ネットワークNW1を介して互いに接続されている。
【0009】
発行データ生成装置2は、ICカード5(図2参照)を運用可能な状態にするための発行処理に必要な発行データを生成する。なお、発行データの詳細については後述する。発行データ生成装置2は、プログラムを実行させることによりデータ処理を行うコンピュータ装置であり、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)などの端末装置である。発行データ生成装置2は、供給されたデータに基づいて、ICカード5を発行する発行データを生成し、生成した発行データを後述する記憶装置3の予め指定されたエントリ領域DA1に記憶させる。
【0010】
また、発行データ生成装置2は、入力部21と、表示部22と、NW(ネットワーク)通信部23と、CPU(Central Processing Unit)24と、RAM(Random Access Memory)25と、不揮発性メモリ26とを備えている。入力部21と、表示部22と、NW通信部23と、CPU24と、RAM25と、不揮発性メモリ26とは、例えば、システムバスSB1により互いに接続されている。
【0011】
入力部21は、例えば、キーボードやマウスなどの入力デバイスであり、作業者の操作により各種情報を受け付ける。
表示部22は、例えば、液晶ディスプレイ装置などであり、各種情報を表示する。
NW通信部23は、ネットワークNW1に接続され、ネットワークNW1を介して、例えば、記憶装置3と通信を行う。
なお、ネットワークNW1は、例えば、LAN(Local Area Network)により構築されたネットワークである。
【0012】
CPU24は、RAM25又は不揮発性メモリ26に記憶されているプログラムを実行して、発行データ生成装置2の各種処理を行う。
RAM25は、例えば、DRAM(Dynamic RAM)などの揮発性メモリであり、発行データ生成装置2の各種処理を行う際に利用されるデータを一時記憶する。また、RAM25は、CPU24が実行するプログラムを一時記憶する。
不揮発性メモリ26は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)などであり、各種プログラム、及び各種データを記憶する。
【0013】
記憶装置3は、例えば、ネットワークNW1に接続可能なHDD、SSD、又はデータサーバ(ファイルサーバ)などであり、発行データ生成装置2及び発行装置4からネットワークNW1を介してアクセス可能に構成されている。記憶装置3は、発行データを発行装置4の入力として利用するための予め指定された所定の領域(例えば、エントリ領域DA1)を有している。記憶装置3は、発行データ生成装置2によって、エントリ領域DA1に発行データが記憶される。また、記憶装置3は、発行装置4によって、エントリ領域DA1に記憶されている発行データが読み出され、さらに発行データが消去される。
【0014】
発行装置4(ICカード発行装置の一例)は、発行データに基づいて、ICカード5の発行を行う。発行装置4は、カード搬送部41と、磁気処理部42と、エンボス処理部43と、ICリーダライタ44と、NW通信部45と、CPU46と、RAM47と、不揮発性メモリ48とを備えている。カード搬送部41と、磁気処理部42と、エンボス処理部43と、ICリーダライタ44と、NW通信部45と、CPU46と、RAM47と、不揮発性メモリ48とは、例えば、システムバスSB2により互いに接続されている。
【0015】
カード搬送部41は、ICカード5の発行の際に、未発行のICカード5を格納する未発行ラック(不図示)からICカード5を取り出し、磁気処理部42、エンボス処理部43、及びICリーダライタ44の各部に搬送した後、発行済みのICカード5を格納する発行済ラック(不図示)に搬送する。
【0016】
磁気処理部42は、ICカード5が有する磁気ストライプMS1(図2参照)に、磁気カード用のデータである磁気用データを記憶させる磁気処理を実行する。
エンボス処理部43は、ICカード5にエンボス加工を行うエンボス処理を実行する。
ICリーダライタ44は、ICカード5が有するICチップ100(図2参照)に各種データを記憶させるIC書き込み処理を実行する。
なお、本実施形態において、ICカード5の発行には、上述したように、IC書き込み処理と、磁気処理と、エンボス処理とが含まれるものとする。
【0017】
NW通信部45は、ネットワークNW1に接続され、ネットワークNW1を介して、例えば、記憶装置3と通信を行う。
CPU46は、RAM47又は不揮発性メモリ48に記憶されているプログラムを実行して、発行装置4の各種処理を行う。
RAM47は、例えば、DRAMなどの揮発性メモリであり、発行装置4の各種処理を行う際に利用されるデータを一時記憶する。また、RAM47は、CPU46が実行するプログラムを一時記憶する。
不揮発性メモリ48は、例えば、HDD、又はSSDなどであり、各種プログラム、及び各種データを記憶する。
【0018】
次に、図2を参照して、本実施形態によるICカード発行システム1の機能構成について説明する。
図2は、本実施形態のICカード発行システム1の機能構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、発行データ生成装置2は、共通データD1と、個別データD2と、フォーマット情報D3とに基づいて、発行データD4を生成する。発行データ生成装置2は、発行データ生成部20を備えている。
【0019】
発行データ生成部20は、図1に示される発行データ生成装置2のハードウェア(例えば、CPU24、RAM25、及び不揮発性メモリ26など)を用いて実現される。発行データ生成部20は、例えば、CPU24(コンピュータ)に、発行データ生成アプリケーションプログラム(以下、発行データ生成アプリケーションという)を実行させることで実現される。発行データ生成部20は、例えば、入力部21などを介して取得した個別データD2と、予め不揮発性メモリ26に記憶されている共通データD1及びフォーマット情報D3とを統合して、発行データD4を生成する。発行データ生成部20は、生成した発行データD4を、NW通信部23を介して、記憶装置3のエントリ領域DA1に記憶させる。発行データ生成部20は、例えば、複数人分(複数枚分)の発行データを生成し、当該複数人分(複数枚分)の発行データを含むファイルを生成して、当該ファイルを記憶装置3のエントリ領域DA1に記憶させてもよい。
【0020】
ここで、共通データD1は、ICカード5として動作するための情報であり、発行するICカード5の仕様に応じたデータである。共通データD1は、例えば、ICカード5の運用時に使用されるアプリケーション、セキュリティデータ、及び、ICカード5の発行者(運用者)に関する情報などである。また、共通データD1には、ICカード5を初期化するデータも含まれてもよい。
【0021】
また、個別データD2は、発行されるカードごとのデータ(カードホルダーデータ)である。例えば、既存の磁気カードをICカード5に移行する場合、個別データD2は、既存の磁気カードに記憶された情報(磁気用データ)であってもよい。個別データD2は、例えば、個人情報、またはカード固有のPINコードなどのICカード5の所有者に関する情報などである。個別データD2は、カードの運用者あるいは運用用途ごとに、独自のファイル形式やデータフォーマット(以下、データ形式と称する)で構成される情報である。
また、フォーマット情報D3は、入力する個別データD2のデータ形成(ファイル形式、フォーマットなど)を判別するための情報である。
【0022】
また、図2に示すように、記憶装置3は、エントリ領域DA1を有しており、エントリ領域DA1には、発行データ生成装置2によって、発行データD4が記憶される。
エントリ領域DA1は、例えば、図3に示すように、ファイル形式のデータとして発行データが記憶される。
図3は、本実施形態のエントリ領域DA1に記憶される発行データ例を示す図である。
図3に示す例では、エントリ領域DA1には、データファイルである「ファイルA」が記憶されている。この「ファイルA」は、内部に“発行データA1”、“発行データA2”、・・・というように、複数の発行データD4を含んでいる。
【0023】
図2の説明に戻り、発行装置4は、データ供給部50と、発行処理部40と、カード搬送部41と、磁気処理部42と、エンボス処理部43と、ICリーダライタ44とを備えている。
【0024】
データ供給部50(デーモンプログラム)は、図1に示される発行装置4のハードウェア(例えば、CPU46、RAM47、及び不揮発性メモリ48など)を用いて実現される。データ供給部50は、例えば、CPU46(コンピュータ)に、デーモンプログラムを実行させることで実現される。データ供給部50を実現するデーモンプログラムは、発行装置4内のOS上に常駐して起動されているものとする。
データ供給部50は、予め指定されたエントリ領域DA1(記憶領域)を監視し、発行データD4がエントリ領域DA1に記憶された場合に、エントリ領域DA1に記憶された発行データD4を発行処理部40に供給して、発行処理部40に発行データD4に基づくICカード5の発行を実行させる。
【0025】
すなわち、データ供給部50は、例えば、ポーリングすることでエントリ領域DA1を監視し、発行データD4を含むファイル(例えば、「ファイルA」)がエントリ領域DA1に記憶されたか否かを判定する。すなわち、データ供給部50は、例えば、定期的に記憶装置3をポーリングすることで、発行データD4を含むファイル(例えば、「ファイルA」)がエントリ領域DA1に記憶されたか否かを監視する。具体的に、データ供給部50は、例えば、記憶装置3を管理するファイルシステムのコマンドを利用して、エントリ領域DA1に存在するファイルリストを取得して、発行データD4を含むファイル(例えば、「ファイルA」)がエントリ領域DA1に記憶されたか否かを監視する。
【0026】
データ供給部50は、発行データD4を含むファイルがエントリ領域DA1に記憶された場合に、エントリ領域DA1に記憶されたファイルを、ICカード5を発行する発行処理部40に供給して、発行処理部40に当該ファイルに含まれる発行データD4に基づくICカード5の発行を実行させる。また、データ供給部50は、エントリ領域DA1に記憶された発行データD4を発行処理部40に供給した後に、当該発行データD4をエントリ領域DA1から消去する。すなわち、データ供給部50は、発行データD4を含むファイル(例えば、「ファイルA」)をエントリ領域DA1から消去させる。なお、データ供給部50は、発行データD4を含むファイルを発行処理部40に供給してもよいし、ファイルに含まれる発行データD4を、発行処理部40に供給してもよい。
【0027】
発行処理部40は、図1に示される発行装置4のハードウェア(例えば、CPU46、RAM47、及び不揮発性メモリ48など)を用いて実現される。データ供給部50は、例えば、CPU46(コンピュータ)に、発行プログラムを実行させることで実現される。ここで、発行プログラムは、カード搬送部41と、磁気処理部42と、エンボス処理部43と、ICリーダライタ44とを制御し、発行データD4に基づいて、ICカード5の発行処理を実行するプログラムである。
【0028】
発行処理部40は、データ供給部50によって供給された発行データD4に基づいて、ICカード5を発行する。発行処理部40は、例えば、カード搬送部41を制御して、未発行ラックから、磁気処理部42、エンボス処理部43、及びICリーダライタ44の各部に搬送させる。発行処理部40は、磁気処理部42を制御して、発行データD4に基づく磁気用データを、ICカード5の磁気ストライプMS1に記憶させる。また、発行処理部40は、エンボス処理部43を制御して、ICカード5のカード基材PTのエンボス領域EB1に、エンボス加工を実行させる。発行処理部40は、ICリーダライタ44を制御して、発行データD4に基づくデータを、ICカード5のICチップ100に記憶させる。そして、発行処理部40は、カード搬送部41を制御して、発行が完了したICカード5を発行済みラックに格納させる。なお、発行処理部40は、データ供給部50によって、発行データD4が供給されることをトリガーにして、これらの発行処理の実行を開始する。
【0029】
ここで、発行処理部40が発行するICカード5の構成の一例について説明する。
図2に示すように、ICカード5は、ICモジュール10を備える。ICモジュール10は、コンタクト部6と、ICチップ100とを備える。ICカード5は、例えば、プラスチックのカード基材PT(カード本体の一例)に、ICモジュール10を実装して形成されている。すなわち、ICカード5は、ICモジュール10と、ICモジュール10が埋め込まれたカード基材PTとを備えている。また、カード基材PTのコンタクト部6のある表面又は裏面に、磁気用データを記憶させることが可能な磁気ストライプMS1を有している。また、カード基材PTは、エンボス加工を行う領域であるエンボス領域EB1を有している。
【0030】
また、ICカード5は、コンタクト部6を介してICリーダライタ44と通信可能である。ICカード5は、例えば、ICリーダライタ44が送信したコマンド(処理要求)を、コンタクト部6を介して受信し、受信したコマンドに応じた処理(コマンド処理)を実行する。そして、ICカード5は、コマンド処理の実行結果であるレスポンス(処理応答)をICリーダライタ44にコンタクト部6を介して送信する。ICカード5は、このようなコマンド処理が実行されることにより発行処理が実行される。
【0031】
次に、本実施形態のICカード発行システム1の動作について説明する。
図2に示すように、まず、発行データ生成装置2が、共通データD1と、個別データD2と、フォーマット情報D3とに基づいて、発行データD4を生成する。すなわち、発行データ生成装置2の発行データ生成部20は、共通データD1と、個別データD2と、フォーマット情報D3とに基づいて、発行データD4を生成する。発行データ生成部20は、例えば、生成した発行データD4を含むデータファイルを、NW通信部23を介して、記憶装置3のエントリ領域DA1に記憶させる。
【0032】
次に、発行装置4のデータ供給部50は、NW通信部45を介して、記憶装置3のエントリ領域DA1を監視しており、エントリ領域DA1に発行データD4を含むデータファイルが記憶された場合に、当該データファイルを読み出す。そして、データ供給部50は、エントリ領域DA1から読み出したデータファイルを、発行処理部40に供給して、発行処理を開始させる。また、データ供給部50は、記憶装置3に対して、NW通信部45を介して、読み出したデータファイルを、エントリ領域DA1から消去させる。
【0033】
発行処理部40は、データ供給部50から供給されたデータファイルに含まれる発行データD4に基づいて、ICカード5の発行処理を実行する。
このように、本実施形態によるICカード発行システム1では、発行データD4の生成からICカード5の発行処理までをワンストップにより実行する。
【0034】
次に、図4を参照して、本実施形態のデータ供給部50の処理の詳細について説明する。
図4は、本実施形態のデータ供給部50の処理の一例を示すフローチャートである。
図4に示すように、データ供給部50は、まず、エントリ領域DA1に発行データD4が記憶されたか否かを判定する(ステップS101)。データ供給部50は、NW通信部45を介して、記憶装置3のエントリ領域DA1を監視し、図3に示す「ファイルA」のようなデータファイルが新たに記憶されたか否かにより、エントリ領域DA1に発行データD4が記憶されたか否かを判定する。データ供給部50は、エントリ領域DA1に発行データD4(データファイル)が記憶された場合(ステップS101:YES)に、処理をステップS102に進める。また、データ供給部50は、エントリ領域DA1に発行データD4(データファイル)が記憶されていない場合(ステップS101:NO)に、処理をステップS101に戻す。
【0035】
ステップS102において、データ供給部50は、発行データD4を取得する。すなわち、データ供給部50は、NW通信部45を介して、記憶装置3のエントリ領域DA1からデータファイルを読み出して、発行データD4を取得する。
【0036】
次に、データ供給部50は、発行データD4を発行処理部40に供給して、発行処理を開始させる(ステップS103)。データ供給部50は、例えば、エントリ領域DA1から読み出したデータファイルを、発行処理部40に供給することで、発行データD4を発行処理部40に供給する。発行処理部40は、データ供給部50からデータファイル(発行データD4)が供給されることで、自動的に発行処理を開始する。
【0037】
次に、データ供給部50は、エントリ領域DA1の発行データD4を消去させる(ステップS104)。データ供給部50は、NW通信部45を介して、記憶装置3に対して、読み出し済みのデータファイルをエントリ領域DA1から消去させる。ステップS104の処理後に、データ供給部50は、処理をステップS101に戻す。
【0038】
なお、上述した図4に示すフローチャートにおいて、ステップS101が、判定ステップに対応し、ステップS102及びステップS103が、データ供給ステップに対応する。また、ステップS104が、消去ステップに対応する。
【0039】
以上説明したように、本実施形態による発行装置4(ICカード発行装置)は、発行処理部40と、データ供給部50とを備えている。発行処理部40は、発行データD4に基づいて、ICカード5を発行する。データ供給部50は、予め指定された記憶装置3(エントリ領域DA1)に発行データD4のファイルが記憶されたか否かを監視し、発行データD4のファイルが記憶装置3(エントリ領域DA1)に記憶された場合に、記憶装置3(エントリ領域DA1)に記憶された発行データD4のファイルに含まれる発行データD4を発行処理部40に供給して、発行処理部40に発行データD4に基づくICカード5の発行を実行させる。
【0040】
これにより、本実施形態による発行装置4は、発行データD4の生成からICカード5の発行処理までをワンストップにより実行することができる(自動化できる)ため、発行処理に要する作業量を低減することができる。すなわち、本実施形態による発行装置4では、記憶装置3(エントリ領域DA1)に発行データD4のファイルが記憶されることで、ICカード5の発行処理を開始させるため、例えば、大量の発行データを発行装置4に人手で移動させる必要がない。そのため、本実施形態による発行装置4は、大量の発行データを発行装置4に移動させる工数を削減することができる。よって、本実施形態による発行装置4は、発行処理に要する作業量を低減することができ、利便性を向上させることができる。
また、本実施形態による発行装置4は、人手を介さずに発行データを発行装置4に供給するため、例えば、個人情報などの機密データの漏洩する可能性を低減することができる。すなわち、本実施形態による発行装置4は、セキュリティを確保しつつ、発行処理に要する作業量を低減することができる。
【0041】
また、本実施形態では、データ供給部50は、記憶装置3(エントリ領域DA1)に記憶された発行データD4のファイルに含まれる発行データD4を発行処理部40に供給した後に、発行処理部40に供給した発行データD4が含まれるファイルを記憶装置3(エントリ領域DA1)から消去する。
これにより、本実施形態による発行装置4は、発行データD4を残さないため、例えば、個人情報などの機密データの漏洩する可能性をさらに低減することができる。
【0042】
また、本実施形態によるICカード発行システム1は、発行データ生成装置2と、上述した発行装置4とを備えている。発行データ生成装置2は、供給されたデータ(例えば、個別データD1など)に基づいて、ICカード5を発行する発行データD4を生成し、生成した発行データD4のファイルを予め指定された記憶装置3(エントリ領域DA1)に記憶させる。
これにより、本実施形態によるICカード発行システム1は、上述した発行装置4と同様に、発行データD4の生成からICカード5の発行処理までをワンストップにより実行することができるため、発行処理に要する作業量を低減することができる。
【0043】
なお、本実施形態によるICカード発行システム1は、発行データ生成装置2が生成した発行データD4を逐次エントリ領域DA1に転送できるので、大容量のデータを一度に大量に転送する必要がないという効果を奏する。
【0044】
(第2の実施形態)
次に、図面を参照して、第2の実施形態のICカード発行システム1aについて説明する。
図5は、本実施形態のICカード発行システム1aのハードウェア構成例を示す図である。
図5に示すように、ICカード発行システム1aは、発行データ生成装置2と、記憶装置3と、複数の発行装置(4−1、4−2、・・・)とを備えている。なお、発行データ生成装置2と、記憶装置3と、複数の発行装置(4−1、4−2、・・・)とは、ネットワークNW1を介して互いに接続されている。
なお、図5において、図1に示す構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0045】
発行装置(4−1、4−2、・・・)は、図1に示す発行装置4とハードウェア構成は同一であり、以下の説明において、ICカード発行システム1aが備える任意の発行装置を示す場合、又は特に区別しない場合には、発行装置4として説明する。
なお、本実施形態によるICカード発行システム1aは、複数の発行装置4を備えている点が、第1の実施形態と異なり、複数の発行装置4が存在することで、発行装置4の処理(機能構成)が第1の実施形態と異なる。
【0046】
次に、図6を参照して、本実施形態によるICカード発行システム1aの機能構成について説明する。
図6は、本実施形態のICカード発行システム1aの機能構成例を示すブロック図である。
なお、図6において、図2に示す構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0047】
本実施形態において、発行データ生成部20は、複数の発行装置(4−1、4−2、・・・)のうちの1つに発行処理を実行させるため、生成した発行データD4を含むデータファイルに発行装置4を指定するファイル名を付与して、エントリ領域DA1に記憶させる。ここで、発行装置4を指定するファイル名とは、例えば、発行装置4を指定する識別情報を付与したファイル名である。
【0048】
図7は、本実施形態のエントリ領域DA1に記憶される発行データ例を示す図である。
図7に示すように、エントリ領域DA1には、複数のデータファイルが記憶される。図7に示す例では、「ファイルA」には、“発行データA1”、“発行データA2”、・・・が含まれている。また、「ファイルA」には、ファイル名として“IS1_FILEA”が付与されている。ここで、“IS1”は、発行装置4−1を指定する識別情報である。
また、「ファイルB」には、“発行データB1”、“発行データB2”、・・・が含まれている。また、「ファイルB」には、ファイル名として“IS2_FILEA”が付与されている。ここで、“IS2”は、発行装置4−2を指定する識別情報である。
このように、発行データD4は、発行データ生成部20によって、発行装置4に対応する識別情報が付与されて、エントリ領域DA1に記憶される。
【0049】
図6の説明に戻り、発行装置(4−1、4−2、・・・)のそれぞれは、データ供給部50aと、発行処理部40と、カード搬送部41と、磁気処理部42と、エンボス処理部43と、ICリーダライタ44とを備えている。
データ供給部50aは、基本的な機能は、上述した第1の実施形態のデータ供給部50と同様であり、例えば、CPU46(コンピュータ)に、デーモンプログラムを実行させることで実現される。データ供給部50aは、例えば、自装置に対応する識別情報が付与されている発行データD4が、エントリ領域DA1に記憶された場合に、自装置に対応する識別情報が付与されている発行データD4を発行処理部40に供給する。
【0050】
すなわち、データ供給部50aは、自装置を指定する識別情報(例えば、“IS1”など)がファイル名に付与されているデータファイルが、エントリ領域DA1に記憶されているか否かを判定する。データ供給部50aは、自装置を指定する識別情報(例えば、“IS1”など)がファイル名に付与されているデータファイルが、エントリ領域DA1に記憶されている場合に、当該データファイルを発行処理部40に供給して、発行処理部40に当該ファイルに含まれる発行データD4に基づくICカード5の発行を実行させる。
【0051】
例えば、発行装置4−1のデータ供給部50aは、図7に示すエントリ領域DA1を監視し、ファイル名“IS1_FILEA”が付与されている「ファイルA」が記憶された場合に、当該「ファイルA」を読み出して、発行装置4−1の発行処理部40に供給する。
また、発行装置4−2のデータ供給部50aは、図7に示すエントリ領域DA1を監視し、ファイル名“IS2_FILEA”が付与されている「ファイルB」が記憶された場合に、当該「ファイルB」を読み出して、発行装置4−1の発行処理部40に供給する。
【0052】
なお、発行処理部40の処理は、第1の実施形態と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0053】
次に、図8を参照して、本実施形態のデータ供給部50aの処理の詳細について説明する。
図8は、本実施形態のデータ供給部50aの処理の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、データ供給部50aは、まず、エントリ領域DA1に発行データD4が記憶されたか否かを判定する(ステップS201)。データ供給部50aは、NW通信部45を介して、記憶装置3のエントリ領域DA1を監視し、例えば、図7に示す「ファイルA」のようなデータファイルが新たに記憶されたか否かにより、エントリ領域DA1に発行データD4が記憶されたか否かを判定する。データ供給部50aは、エントリ領域DA1に発行データD4(データファイル)が記憶された場合(ステップS201:YES)に、処理をステップS202に進める。また、データ供給部50aは、エントリ領域DA1に発行データD4(データファイル)が記憶されていない場合(ステップS201:NO)に、処理をステップS201に戻す。
【0054】
ステップS202において、データ供給部50aは、発行データD4に付与されている識別情報が自装置の識別情報と一致するか否かを判定する。すなわち、データ供給部50aは、ファイル名に付与されている識別情報(例えば、“IS1”など)が自装置の識別情報と一致するか否かを判定する。データ供給部50aは、発行データD4に付与されている識別情報が自装置の識別情報と一致する場合(ステップS201:YES)に、処理をステップS203に進める。また、データ供給部50aは、発行データD4に付与されている識別情報が自装置の識別情報と一致しない場合(ステップS201:NO)に、処理をステップS201に戻す。
【0055】
続くステップS203からステップS205までの処理は、図4に示すステップS102からステップS104までの処理と同様であるので、ここではその説明を省略する。
このように、本実施形態のデータ供給部50aは、自装置向けに生成された発行データD4をエントリ領域DA1から取得し、発行処理部40に供給する。
【0056】
なお、上述した図8に示すフローチャートにおいて、ステップS201及びステップS202が、判定ステップに対応し、ステップS203及びステップS204が、データ供給ステップに対応する。また、ステップS205が、消去ステップに対応する。
【0057】
以上説明したように、本実施形態では、発行データD4のファイルは、発行装置4(4−1、4−2、・・・)に対応する識別情報(例えば、ファイル名の“IS1”など)が付与されて、記憶装置3(エントリ領域DA1)に記憶されている。データ供給部50aは、自装置に対応する識別情報が付与されている発行データD4のファイルが、記憶装置3(エントリ領域DA1)に記憶された場合に、自装置に対応する識別情報が付与されている発行データD4のファイルに含まれる発行データD4を発行処理部40に供給する。
これにより、本実施形態による発行装置4(4−1、4−2、・・・)は、自装置用に生成された発行データD4を適切に取得でき、且つ、自装置用に生成された発行データD4に基づいて、ICカード5を適切に発行することができる。
【0058】
また、本実施形態によるICカード発行システム1aは、複数の発行装置4(4−1、4−2、・・・)を備えている。また、発行データD4のファイルは、発行装置4(4−1、4−2、・・・)に対応する識別情報が付与されて、記憶装置3(エントリ領域DA1)に記憶される。複数の発行装置4(4−1、4−2、・・・)のそれぞれが備えるデータ供給部50aは、自装置に対応する識別情報が付与されている発行データD4のファイルが、記憶装置3(エントリ領域DA1)に記憶された場合に、自装置に対応する識別情報が付与されている発行データD4のファイルに含まれる発行データD4を発行処理部40に供給する。
これにより、本実施形態によるICカード発行システム1aは、複数の発行装置4に分散して、適切にICカード5の発行を行うことができる。
また、本実施形態によるICカード発行システム1aは、上述した第1の実施形態と同様に、発行データD4の生成からICカード5の発行処理までをワンストップにより実行することができるため、発行処理に要する作業量を低減することができる。
【0059】
上記の各実施形態では、エントリ領域DA1に記憶されている発行データD4を、データ供給部50(50a)が消去する例を説明したが、エントリ領域DA1に発行データD4をそのまま残すようにしてもよい。この場合、データ供給部50(50a)は、発行処理が完了した発行データD4を識別する識別子(例えば、ファイル名)を、例えば、不揮発性メモリ48に記憶させて、発行処理が完了した発行データD4であるか否かを判定するようにしてもよい。また、データ供給部50(50a)は、発行処理部40から発行処理が完了した発行データD4を識別する情報を取得して、当該情報に基づいて、発行処理が完了した発行データD4であるか否かを判定するようにしてもよい。
【0060】
また、上記の各実施形態では、発行データD4をデータファイルにして、エントリ領域DA1に記憶させる例を説明したが、これに限定されるものではなく、所定のファイル内のデータとして発行データD4を記憶させるようにしてもよい。
また、上記の各実施形態では、エントリ領域DA1は、1つの記憶装置3の1つのデータ記憶領域である例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ICカード発行システム1(1a)は、複数の記憶装置3を備え、エントリ領域DA1は、1つ又は複数の記憶装置3のうちの複数のデータ記憶領域であってもよいし、複数の記憶装置3にまたがる1つのデータ記憶領域であってもよい。
【0061】
また、上記の各実施形態では、ICカード発行システム1(1a)は、発行処理において、ICチップ100及び磁気ストライプMS1にデータを記憶させる処理と、エンボス加工を行い処理とを実行する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ICカード発行システム1(1a)は、磁気ストライプMS1にデータを記憶させる処理、及びエンボス加工を行い処理のうちのいずれか一方又は両方を実行しなくてもよい。
また、ICカード発行システム1(1a)が、コンタクト部6を備える接触式のICカード5を発行する例を説明したが、コイルなどを用いたコンタクトレスインターフェースを介して通信する非接触式のICカードに対して適用してもよい。
【0062】
また、上記の各実施形態では、ICカード発行システム1(1a)は、1つの発行データ生成装置2を備える例を説明したが、複数の発行データ生成装置2を備えるようにしてもよい。
また、上記の第2の実施形態において、ファイル名を識別情報として、ICカード5を発行処理する発行装置4を切り替えて使用する例を説明したが、発行データD4に他の識別情報を付与するようにしてもよい。例えば、発行データD4と、発行装置4を指定する識別情報とを関連付けて、ファイル内のデータとして記憶させるようにしてもよい。
また、上記の第2の実施形態において、識別情報を付与する代わりに、複数のエントリ領域DA1を設けて、エントリ領域DA1ごとに発行装置4を指定するようにしてもよい。
【0063】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、発行データD4に基づいて、ICカード5を発行する発行処理部40と、予め指定された記憶装置3に発行データD4のファイルが記憶されたか否かを監視し、発行データD4のファイルが記憶装置3に記憶された場合に、記憶装置3に記憶された発行データD4のファイルに含まれる発行データD4を発行処理部40に供給して、発行処理部40に発行データD4に基づくICカード5の発行を実行させるデータ供給部50とを持つことにより、発行処理に要する作業量を低減することができる。
【0064】
上記実施形態は、以下のように表現することができる。
ICカードを動作させるための共通データと、前記ICカードに個別に記憶させる個別データとに基づき生成された発行データに基づいて、ICカードにデータを記憶させる発行処理を実行する発行処理部と、
予め指定された記憶装置をポーリングして、前記発行データのファイルが記憶されたか否かを監視し、前記発行データのファイルが前記記憶装置に記憶された場合に、前記記憶装置に記憶された前記発行データのファイルに含まれる前記発行データを前記発行処理部に供給するデータ供給部と
備えるICカード発行装置。
【0065】
なお、上述したICカード発行システム1(1a)が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述したICカード発行システム1(1a)が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述したICカード発行システム1(1a)が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0066】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後にICカード発行システム1(1a)が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0068】
1,1a…ICカード発行システム、2…発行データ生成装置、3…記憶装置、4,4−1,4−2…発行装置、5…ICカード、6…コンタクト部、10…ICモジュール、20…発行データ生成部、21…入力部、22…表示部、23,45…NW通信部、24,46…CPU、25,47…RAM、26,48…不揮発性メモリ、40…発行処理部、41…カード搬送部、42…磁気処理部、43…エンボス処理部、44…ICリーダライタ、50…データ供給部、100…ICチップ、DA1…エントリ領域、EB1…エンボス領域、MS1…磁気ストライプ、NW1…ネットワーク、SB1,SB2…システムバス、PT…カード基材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8