特許第6509787号(P6509787)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6509787
(24)【登録日】2019年4月12日
(45)【発行日】2019年5月8日
(54)【発明の名称】洗浄システム及び洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   E03B 3/15 20060101AFI20190422BHJP
   E03B 3/14 20060101ALI20190422BHJP
   B08B 9/043 20060101ALI20190422BHJP
   B08B 9/032 20060101ALI20190422BHJP
【FI】
   E03B3/15
   E03B3/14
   B08B9/043 433
   B08B9/032 328
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-146466(P2016-146466)
(22)【出願日】2016年7月26日
(65)【公開番号】特開2018-16979(P2018-16979A)
(43)【公開日】2018年2月1日
【審査請求日】2018年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】511259289
【氏名又は名称】株式会社ネクスコ・メンテナンス関東
(73)【特許権者】
【識別番号】599032394
【氏名又は名称】東北ボーリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】越山 安敏
(72)【発明者】
【氏名】科野 健三
【審査官】 石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−231824(JP,A)
【文献】 特開2011−230106(JP,A)
【文献】 特開2004−011401(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0044936(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03B 3/15
E03B 3/14
B08B 9/043
B08B 9/032
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄水供給源と
横ボーリングに設置された集水管に洗浄水を供給する給水管と、
前記給水管を管内に通す外装管と、
前記外装管の一方端と連結する外装管連結部と前記横ボーリングに設置された前記集水管の排水口側端部と連結する集水管連結部とを有する連結治具と、を備え、
前記外装管は前記集水管の排水口側端部より上の所定高さに立ち上げて設置され、洗浄水供給源から前記給水管を介して前記集水管内に前記洗浄水を供給し、前記横ボーリングの内壁と前記集水管の外壁との間に設けられる集水空間、及び、前記横ボーリングの地盤側に前記洗浄水を浸透させる、
ことを特徴とする洗浄システム。
【請求項2】
請求項1に記載の洗浄システムであって、
前記外装管の所定高さまで前記洗浄水が達したときから、前記横ボーリングの地盤側に前記洗浄水が浸透したと見做すことができる所定時間を経過するまで前記洗浄水の供給をし、
前記所定時間を経過した後、前記連結治具に設けられる排水口を開放する、
ことを特徴とする洗浄システム。
【請求項3】
洗浄水を供給する給水管を管内に通す外装管の一方端と、横ボーリングに設置された集水管の排水口側端部と、を連結治具を介して連結し、
前記外装管を前記集水管の排水口側端部より上の所定高さに立ち上げて設置し、
前記洗浄水を生成する洗浄水供給源から、前記給水管を介して前記集水管に前記洗浄水を供給し、前記横ボーリングの内壁と前記集水管の外壁との間に設けられる集水空間に前記洗浄水を供給し、前記横ボーリングの内壁と前記集水管の外壁との間に設けられる集水空間、及び、前記横ボーリングの地盤側に前記洗浄水を浸透させる、
ことを特徴とする洗浄方法。
【請求項4】
請求項3に記載の洗浄システムであって、
前記外装管の所定高さまで前記洗浄水が達した時間から、前記横ボーリングの地盤側に前記洗浄水が浸透したと見做すことができる所定時間を経過するまで前記洗浄水の供給をし、
前記所定時間を経過した後、前記連結治具に設けられる排水口を開放する、
ことを特徴とする洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横ボーリングの洗浄システム及び洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集水井の横ボーリングに設けられる集水管は、定期的に洗浄しないと集水管内に、例えば、細粒土、バイオフィルム、スケールなどの閉塞物が集積して排水機能が低下する。そこで、従来は高圧洗浄により集水管内壁に集積した閉塞物を取り除いている。
【0003】
また、マイクロナノバブル洗浄に関連する技術として特許文献1、2が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−141802号公報
【特許文献2】特開2011−230106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、高圧洗浄では噴射した高圧水の衝撃力で集水管内壁に集積した閉塞物を除去しているため、例えば、塩化ビニル製などの集水管が破損する虞がある。また、閉塞物は集水管内壁だけに集積する訳ではない。集水管の側面に設けられる地下水を集水するための複数の集水孔部や、横ボーリングの内壁と集水管の外壁との間に設けられる地下水を集水するための集水空間にも、閉塞物は集積する。ところが、高圧洗浄では集水孔部及び集水空間に集積した閉塞物まで高圧水が届かないため、閉塞物を取り除くことが困難である。
【0006】
そこで、マイクロナノバブル洗浄水を適用して集水管内壁に集積した閉塞物を除去する方法が考えられる。この方法によれば、高圧水を用いないので集水管を破損する虞は削減される。しかし、この方法を適用したとしても、集水孔部及び集水空間に集積した閉塞物を取り除くことが困難である。理由は、横ボーリングは地盤を水平から斜め上方向に掘った筒形状の中空であり、集水管はその横ボーリングに設けられているため、集水管内に供給されたマイクロナノバブル洗浄水は集水管内に滞留されずに集水管内壁を伝わって集水井にすぐに排出されてしまうためである。そうすると、横ボーリングに設けられた集水管においては、集水管内壁の洗浄さえ困難となる。更に、集水管には、例えば口径5[mm]程度の円孔が集水孔部として60[mm]間隔で千鳥配置されているため、集水孔部は閉塞しやすく、集水孔部が閉塞していると集水空間までマイクロナノバブル洗浄水を十分に浸透させることが困難である。
【0007】
本発明の一側面に係る目的は、集水管周辺に集積した閉塞物の除去及び成長を抑制することができる洗浄システム及び洗浄方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る一つの形態である洗浄システムは、洗浄水供給源、給水管、外装管、連結治具を備える。
洗浄水供給源は、洗浄水を生成する。給水管は、横ボーリングに設置された集水管に洗浄水を供給する。外装管は、給水管を管内に通す。連結治具は、外装管の一方端と連結する外装管連結部と横ボーリングに設置された集水管の排水口側端部と連結する集水管連結部とを有する。
【0009】
外装管は集水管の排水口側端部より上の所定高さに立ち上げて設置され、洗浄水供給源から給水管を介して集水管内に洗浄水を供給し、横ボーリングの内壁と集水管の外壁との間に設けられる集水空間、及び、横ボーリングの地盤側に洗浄水を浸透させる。
【0010】
また、外装管の所定高さまで洗浄水が達したときから、横ボーリングの地盤側に洗浄水が浸透したと見做すことができる所定時間を経過するまで洗浄水の供給をし、所定時間を経過した後、連結治具に設けられる排水口を開放する。
【0011】
また、本発明に係る一つの形態である洗浄方法では、洗浄水を供給する給水管を管内に通す外装管の一方端と、横ボーリングに設置された集水管の排水口側端部と、を連結治具を介して連結する。続いて、外装管を集水管の排水口側端部より上の所定高さに立ち上げて設置し、洗浄水を生成する洗浄水供給源から、給水管を介して集水管に洗浄水を供給する。そして、横ボーリングの内壁と集水管の外壁との間に設けられる集水空間に洗浄水を供給し、横ボーリングの内壁と集水管の外壁との間に設けられる集水空間、及び、横ボーリングの地盤側に洗浄水を浸透させる。
【0012】
また、外装管の所定高さまで洗浄水が達した時間から、横ボーリングの内壁より外に洗浄水が浸透したと見做すことができる所定時間まで洗浄水の供給をし、所定時間を経過した後、連結治具に設けられる排水口を開放する。
【発明の効果】
【0013】
集水管周辺に集積した閉塞物の除去及び成長を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】洗浄システムの一実施例を示す構成図である。
図2】集水管とその周辺の構造を示す断面図である。
図3】連結治具の一実施例を示す断面図である。
図4】洗浄システムの動作の一実施例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下図面に基づいて実施形態について詳細を説明する。
洗浄システムは、集水井の側面に設けられた横ボーリング周辺に集積した閉塞物を、洗浄水を用いて洗浄するシステムである。ここで、洗浄水は、例えば、マイクロバブル水、マイクロナノバブル水、ナノバブル水などの浸透、剥離、溶解作用に優れた液体である。図1は、洗浄システムの一実施例を示す構成図である。図1に示す洗浄システムは、洗浄水供給源1、給水管2、外装管3、連結治具4を有する。また、図1に示す集水井の壁面には、壁面から掘られた横ボーリング5が設けられ、その横ボーリング5の内部には、集水管6とシール材7とが設けられている。
【0016】
図1図2を用いて横ボーリング5と集水管6の構造について説明をする。
図2は、集水管6とその周辺の構造を示す断面図で、図1に示す破線A1−A2と破線B1−B2で示される区間の断面図である。
【0017】
横ボーリング5は、地盤を水平から斜め上方向に掘った筒形状の中空である。
集水管6は、地下水を集水するための入水口側端部6aと、地下水を集水するための集水管6の側面に開けられた複数の集水孔部6cと、集水管6に集水された地下水を集水井に排出する排水口側端部6bとを有する。また、集水管6は、筒形状の管で、例えば、塩化ビニル管やスチールファイバ管などが考えられる。ただし、集水管6はこれらに限定されるものではない。また、集水管6は、図2に示すように、横ボーリング5の内壁5aと集水管6の外壁6dとの間に、地下水を集水するための集水空間を保持するように、横ボーリング5の内部に設置される。
【0018】
シール材7は、集水空間を保持するために横ボーリング5の内壁5aと集水管6の外壁6dとの間に設けられる。シール材7は、例えば、リング形状のゴムや膨張材などが考えられる。
【0019】
また、図1図2には、閉塞物(網掛け範囲)が、集水管6の内壁6e、集水孔部6c、集水空間、横ボーリング5の内壁5a、その外側の地盤に集積していることを示している。このように、閉塞物が集水管6周辺に集積することが排水機能を低下させる原因となっている。
【0020】
洗浄システムの構成について説明をする。
図1に示す洗浄水供給源1は、洗浄水を給水管2を介して集水管6内部に洗浄水を供給する。洗浄水供給源1から供給される洗浄水がマイクロナノバブルである場合、マイクロナノバブルの径は、例えば、10[nm]〜100[μm]程度であることが望ましい。また、洗浄水供給源1は、マイクロナノバブルの径を閉塞物の種類に応じて変更させてもよい。すなわち、閉塞物の洗浄に適した洗浄水を供給することで、集水管6周辺の閉塞物を効率よく洗浄することができる。また、マイクロナノバブルを生成する際に使用するガスを、閉塞物に適したガスに変更させてもよい。例えば、炭酸ガスを用いた場合、洗浄後に嫌気性の環境を集水管6周辺に形成することができるので、長期間にわたり閉塞物の成長を遅らせることができる。
【0021】
給水管2は、洗浄水供給源1から供給される洗浄水を、横ボーリング5内に設置された集水管6内に排出する。また、給水管2の一方の端部は洗浄水供給源1に接続され、他方の端部(先端部)には照射部8が備えられている。また、照射部8から洗浄水を照射する。給水管2は、可撓性の筒形状の表面が高分子の管で、例えば、ポリブデン管や塩化ビニル管などが考えられる。ただし、これらに限定されるものではない。
【0022】
外装管3は、管内に給水管2を通す筒形状の管である。また、外装管3は、閉塞物の洗浄を実施する場合に集水管の排水口側端部より上の所定高さに立ち上げて設置し、洗浄水の水位を所定高さにさせておくために用いる。このように、洗浄水の水位を所定高さにさせておくことで、洗浄水を集水管6に滞留させ、洗浄水を集水空間及び横ボーリング5より外の地盤に浸透させることができる。なお、閉塞物がある場合、最初は浸透し難いが洗浄水を供給し続けることで、洗浄水は地盤に浸透することとなる。
【0023】
なお、所定高さは、集水管6の排水口側端部より上から横ボーリング5の先端高さ以上である。例えば、外装管3を横ボーリング5の先端高さ以上に立ち上げて設置した場合、洗浄水を供給すると、図1に示す破線C1−C2の高さ以上の水位に洗浄水は達する。また、外装管3を横ボーリング5の中間の高さに立ち上げて設置した場合、洗浄水を供給すると、横ボーリング5の中間の高さ以上に洗浄水の水位は達する。また、外装管3の先端は、地盤への浸透を考慮し、所定高さに立ち上げたのち、所定高さより下に配置してもよい。
【0024】
また、外装管3は、可撓性の筒形状の管で、例えば、樹脂ホースや塩化ビニル管などが考えられる。ただし、これらに限定されるものではない。また、外装管3の設置は、例えば、集水井上部にされている柵あるいは集水井上部に綱を張りその綱に固定することが考えられる。また、集水井側面に固定してもよい。
【0025】
連結治具4は、外装管3と集水管6とを連結させるための治具である。図1図3を用いて連結治具4について説明をする。図3は、連結治具4の一実施例を示す断面図である。連結治具4は、外装管3の一方端と連結される外装管連結部4aと、本体部4bと、横ボーリング5に設置された集水管6の排水口側端部6bと連結される集水管連結部4cと、を有する。また、連結治具4には開閉可能な排水口4d1が設けられている。図3では、排水口4d1を栓4d2を用いて開閉可能な構成が示されているが、電磁弁などを用いてもよい。
【0026】
外装管連結部4aと外装管3の連結治具4側の端部(外装管の一方端)との連結には、図3に示すようにバンド4eなどを用いる。また、本体部4bの端部4b1と集水管連結部4cの端部4c1との連結には、図3に示すようにバンド4fなどを用いる。また、集水管連結部4cの端部4c2と集水管6の排水口側端部6bとの連結には、図3に示すようにバンド4gなどを用いる。なお、集水管連結部4cは、可撓性の筒形状の管で、例えば、樹脂ホースや塩化ビニル管などが考えられる。ただし、これらに限定されるものではない。
【0027】
洗浄手順について説明する。
図4は、洗浄システムの動作の一実施例を示すフロー図である。
ステップS1では、給水管2を外装管3、連結治具4、集水管6の順に通す。作業者は、給水管2の先端部に設けられている照射部8を、外装管3の洗浄水供給源1側の端部から連結治具4側の端部へと通し、続いて連結治具4の外装管連結部4aから端部4c2へと通し、続いて集水管6の排水口側端部6bから集水管6内部へと通す。
【0028】
ステップS2では、洗浄水供給源1が洗浄水を生成し、給水管2を介して集水管6に給水する。作業者は、洗浄水供給源1を起動させ、洗浄水供給源1から給水管2を介して集水管6内へ洗浄水の供給を開始させる。
【0029】
ステップS3では、照射部8を集水管6の入水口側端部6a周辺に挿入させ、図1に示す状態にする。
ステップS4では、連結治具4を外装管3と集水管6と連結する。作業者は、バンド4eを用いて外装管連結部4aと外装管3の連結治具4側の端部(外装管の一方端)とを連結し、バンド4fを用いて本体部4bの端部4b1と集水管連結部4cの端部4c1とを連結し、バンド4gを用いて集水管連結部4cの端部4c2と集水管6の排水口側端部6bとを連結する。
【0030】
ステップS5では、外装管3を所定高さに立ち上げて設置する。作業者は、集水管6あるいは横ボーリング5の先端高さまで外装管3を立ち上げて、集水井上部あるいは側面に固定する。
【0031】
ステップS6では、洗浄水を供給して集水管6内のある程度の閉塞物が排出させる。つまり、ステップS2において既に洗浄水は照射部8から照射されているので、集水管6の内壁6eの閉塞物がある程度取り除くことができる。また、このとき連結治具4の排水口4d1は開放されているので、排水口4d1から取り除かれた閉塞物が排出される。
【0032】
なお、ステップS4の連結治具4を外装管3と集水管6とに連結する作業、及び、ステップS5の外装管3を所定高さに立ち上げる作業は、ステップS6の後に実施してもよい。
【0033】
ステップS7では、ステップS6である程度の閉塞物が排出されたと判断したら、連結治具4の排水口4d1を栓4d2で閉塞する。
なお、ある程度の閉塞物が排出されたか否かの判断は、例えば、作業者が目視で行ってもよいし、あるいは水質計や濁度計などの計測装置を用いて行ってもよい。
【0034】
ステップS8では、外装管3内における洗浄水が所定高さになってから所定時間を経過したか否かを判断し、所定時間を経過している場合(Yes)にはステップS10に移行し、所定時間を経過していない場合(No)にはステップS9に移行し、ステップS9で洗浄水の供給をする。すなわち、洗浄水を生成する洗浄水供給源1から、給水管2を介して集水管6内に洗浄水を供給することで、横ボーリング5の内壁5aと集水管6の外壁6dとの間に設けられる集水空間、及び、横ボーリング5の内壁5aより外側の地盤に洗浄水を浸透させることができる。
【0035】
洗浄水が浸透したかの判断は、外装管3の所定位置まで洗浄水が達したときから、横ボーリング5の内壁5aより外側の地盤に洗浄水が浸透したと見做すことができる所定時間を経過するまで洗浄水を供給したか否かで判断する。洗浄水が浸透したと見做すことができる所定時間とは、図1に示す実線で示される洗浄水浸透範囲9まで洗浄水が浸透したと見做せる時間である。すなわち、所定時間を経過すれば、実線で示される洗浄水浸透範囲9まで洗浄水が浸透したと判断できるので、洗浄水の持つ剥離、溶解作用により閉塞物を除去できたものと判断できる。
【0036】
ステップS10では、所定時間を経過した場合、作業者は、排水口4d1を開放して洗浄水と閉塞物が排出させる。続いて、作業者は、外装管連結部4aと外装管3の連結治具4側の端部(外装管の一方端)とを連結しているバンド4eと、本体部4bの端部4b1と集水管連結部4cの端部4c1とを連結しているバンド4fと、集水管連結部4cの端部4c2と集水管6の排水口側端部6bとを連結しているバンド4gを取り外す。続いて、作業者は、給水管2を集水管6、連結治具4、外装管3から引き出す。その後、作業者は洗浄水供給源1を停止させる。
【0037】
上記洗浄装置及び洗浄方法によれば、洗浄水を集水管6周辺に滞留させることができるため、集水管6周辺に集積した閉塞物を除することができる。
また、集水管6周辺の閉塞物の除去及び成長を抑制ができるため、横ボーリング5の寿命を長くすることができる。
【0038】
また、洗浄水に炭酸ガスを用いて生成されたマイクロナノバブル水を供給することで、洗浄後に嫌気性の環境を集水管6周辺に形成することができ、洗浄水を長期滞留させることにより閉塞物の成長を抑制できる。
【0039】
なお、上述した実施形態では、一つの横ボーリング5に対する洗浄について説明したが、複数の横ボーリングに対して洗浄水を用いて洗浄を同時に実施してもよい。
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 洗浄水供給源
2 給水管
3 外装管
4 連結治具
4a 外装管連結部
4b 本体部
4b1 端部
4c 集水管連結部
4c1 端部
4c2 端部
4d1 排水口
4d2 栓
4e、4f、4g バンド
5 横ボーリング
5a 内壁
6 集水管
6a 入水口側端部
6b 排水口側端部
6c 集水孔部
6d 外壁
6e 内壁
7 シール材
8 照射部
9 洗浄水浸透範囲
図1
図2
図3
図4