(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
はじめに、本発明の硬化性シリコーン組成物について詳細に説明する。
【0013】
(A)成分は本組成物の主剤であり、平均単位式:
(R
13SiO
1/2)
a(R
12SiO
2/2)
b(R
2SiO
3/2)
c(R
3SiO
3/2)
d
で表されるオルガノポリシロキサンである。
【0014】
式中、R
1は同じかまたは異なる、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、もしくは炭素数7〜20のアラルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ピレニル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、ナフチルエチル基、ナフチルプロピル基、アントラセニルエチル基、フェナントリルエチル基、ピレニルエチル基等のアラルキル基;およびこれらのアリール基中またはアラルキル基中の水素原子をメチル基、エチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換した基が例示される。但し、一分子中、少なくとも2個のR
1は前記アルケニル基であり、好ましくは、ビニル基である。また、式中、R
2は炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基である。具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ピレニル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、ナフチルエチル基、ナフチルプロピル基、アントラセニルエチル基、フェナントリルエチル基、ピレニルエチル基等のアラルキル基;およびこれらのアリール基中またはアラルキル基中の水素原子をメチル基、エチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換した基が例示される。また、式中、R
3は炭素数1〜12のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基が例示され、好ましくは、メチル基である。
【0015】
また、式中、a、b、c、およびdは、それぞれ、0.01≦a≦0.5、0≦b≦0.7、0.01≦c<0.7、0.1≦d<0.9、かつa+b+c+d=1を満たす数であり、好ましくは、0.05≦a≦0.45、0≦b≦0.5、0.01≦c<0.6、0.2≦d<0.9、かつa+b+c+d=1を満たす数、あるいは、0.05≦a≦0.4、0≦b≦0.4、0.02≦c<0.5、0.3≦d<0.9、かつa+b+c+d=1を満たす数である。これは、aが上記範囲の下限以上であると、硬化物にべたつきが生じ難くなるからであり、一方、上記範囲の上限以下であると、硬化物の強度が良好になるからである。また、bが上記範囲の上限以下であると、硬化物の硬度が良好となり、硬化物の機械的特性が向上するからである。また、cが上記範囲の下限以上であると、硬化物の屈折率が良好となり、ガスバリア性が良好になるからであり、一方、上記範囲の上限以下であると、硬化物の機械的特性が向上するからである。dが上記範囲の下限以上であると、硬化物の伸びが向上するからであり、上記範囲の上限以下であるとガスバリア性が向上するからである。
【0016】
(A)成分は、上記の平均単位式で表されるが、本発明の目的を損なわない範囲で、式:SiO
4/2で表されるシロキサン単位を有してもよい。また、(A)成分には、本発明の目的を損なわない範囲で、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のケイ素原子結合アルコキシ基、あるいはケイ素原子結合水酸基を有していてもよい。
【0017】
このような(A)成分を調製する方法としては、例えば、一般式:
R
2SiX
3
で表されるシラン化合物(I)、一般式:
R
3SiX
3
で表されるシラン化合物(II)、および一般式:
R
13SiOSiR
13
で表されるジシロキサン(III)および/または一般式:
R
13SiX
で表されるシラン化合物(IV)を、酸もしくはアルカリの存在下、加水分解・縮合反応させる方法が挙げられる。
【0018】
シラン化合物(I)は、オルガノポリシロキサンに、式:R
2SiO
3/2で表されるシロキサン単位を導入するための原料である。式中、R
2は炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基であり、前記と同様の基が例示され、好ましくは、フェニル基、ナフチル基である。また、式中、Xはアルコキシ基、アシロキシ基、ハロゲン原子、または水酸基である。Xのアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が例示される。また、Xのアシロキシ基としては、アセトキシ基が例示される。また、Xのハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子が例示される。
【0019】
このようなシラン化合物(I)としては、フェニルトリメトキシシラン、ナフチルトリメトキシシラン、アントラセニルトリメトキシシラン、フェナントリルトリメトキシシラン、ピレニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ナフチルトリエトキシシラン、アントラセニルトリエトキシシラン、フェナントリルトリエトキシシラン、ピレニルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン;フェニルトリアセトキシシラン、ナフチルトリアセトキシシラン、アントラセニルトリアセトキシシラン、フェナントリルトリアセトキシシラン、ピレニルトリアセトキシシラン等のアシロキシシラン;フェニルトリクロロシラン、ナフチルトリクロロシラン、アントラセニルトリクロロシラン、フェナントリルトリクロロシラン、ピレニルトリクロロシラン等のハロシラン;フェニルトリヒドロキシシラン、ナフチルトリヒドロキシシラン、アントラセニルトリヒドロキシシラン、フェナントリルトリヒドロキシシラン、ピレニルトリヒドロキシシラン等のヒドロキシシラン;およびこれらの2種以上の混合物が例示される。
【0020】
シラン化合物(II)は、オルガノポリシロキサンに、式:R
3SiO
3/2で表されるシロキサン単位を導入するための原料である。式中、R
3は炭素数1〜12のアルキル基であり、前記と同様の基が例示され、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基である。また、式中、Xはアルコキシ基、アシロキシ基、ハロゲン原子、または水酸基であり、前記と同様の基が例示される。
【0021】
このようなシラン化合物(II)としては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン;メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、プロピルトリアセトキシシラン、ブチルトリアセトキシシラン、イソブチルトリアセトキシシラン等のアシロキシシラン;メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、プロピルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、イソブチルトリクロロシラン等のハロシラン;メチルトリヒドロキシシラン、エチルトリヒドロキシシラン、プロピルトリヒドロキシシラン、ブチルトリヒドロキシシラン、イソブチルトリヒドロキシシラン等のヒドロキシシラン;およびこれらの2種以上の混合物が例示される。
【0022】
また、ジシロキサン(III)は、オルガノポリシロキサンに、式:R
13SiO
1/2で表されるシロキサン単位を導入するための原料である。式中、R
1は同じかまたは異なる、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、もしくは炭素数7〜20のアラルキル基であり、前記と同様の基が例示される。
【0023】
このようなジシロキサン(III)としては、1,1,1,3,3,3−ヘキサメシルジシロキサン、1,3−ジフェニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,3−ジフェニル−1,3−ジメチルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラビニル−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,1,3,3,3−ヘキサビニルジシロキサン;およびこれらの2種以上の混合物が例示される。
【0024】
また、シラン化合物(IV)は、ジシロキサン(III)と同様、オルガノポリシロキサンに、式:R
13SiO
1/2で表されるシロキサン単位を導入するための原料である。式中、R
1は同じかまたは異なる、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、もしくは炭素数7〜20のアラルキル基であり、前記と同様の基が例示される。また、式中、Xはアルコキシ基、アシロキシ基、ハロゲン原子、または水酸基であり、前記と同様の基が例示される。
【0025】
このようなシラン化合物(IV)としては、トリメチルメトキシシラン、ジメチルフェニルメトキシシラン、ジメチルビニルメトキシシラン、メチルフェニルビニルメトキシラン、ジエチルビニルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジエチルビニルエトキシシラン、ジビニルメチルメトキシシラン、トリビニルメトキシシラン等のアルコキシシラン;トリメチルアセトキシシラン、ジメチルフェニルアセトキシシラン、ジメチルビニルアセトキシシラン、メチルフェニルビニルアセトキシラン、ジエチルビニルアセトキシシラン、ジビニルメチルアセトキシシラン、トリビニルアセトキシシラン等のアシロキシシラン;トリメチルクロロシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルフェニルビニルクロロシラン、ジエチルビニルクロロシラン、ジビニルメチルクロロシラン、トリビニルクロロシラン等のハロシラン;トリメチルヒドロキシシラン、ジメチルフェニルヒドロキシシラン、ジメチルビニルヒドロキシシラン、メチルフェニルビニルヒドロキシシラン、ジエチルビニルヒドロキシシラン、ジビニルメチルヒドロキシシラン、トリビニルヒドロキシシラン等のヒドロキシシラン;およびこれらの2種以上の混合物が例示される。
【0026】
上記の調製方法では、必要に応じて、オルガノポリシロキサンに、式:R
12SiO
2/2で表されるシロキサン単位を導入するためのシラン化合物(V)もしくは環状シリコーン化合物(VI)、または、式:SiO
4/2で表されるシロキサン単位を導入するためのシラン化合物もしくはシランオリゴマーを反応させることができる。式中、R
1は同じかまたは異なる、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、もしくは炭素数7〜20のアラルキル基であり、前記と同様の基が例示される。
【0027】
このようなシラン化合物としては、ジメチルジメトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、テトラエトキシシラン等のアルコキシシラン;ジメチルジアセトキシシラン、メチルビニルジアセトキシシラン、メチルフェニルジアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、テトラアセトキシシラン等のアセトキシシラン;ジメチルジクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラクロロシラン等のハロシラン;ジメチルジヒドロキシシラン、メチルビニルジヒドロキシシラン、メチルフェニルジヒドロキシシラン、ジフェニルジヒドロキシシラン等のヒドロキシシランが例示される。また、このような環状シリコーン化合物としては、環状ジメチルシロキサンオリゴマー、環状メチルビニルシロキサンオリゴマー、環状フェニルメチルシロキサンオリゴマー、環状ジフェニルシロキサンオリゴマーが例示される。さらに、シランオリゴマーとしては、テトラメトキシシランの部分加水分解物、テトラエトキシシランの部分加水分解物が例示される。
【0028】
上記の調製方法では、シラン化合物(I)、シラン化合物(II)、およびジシロキサン(III)および/またはシラン化合物(IV)、さらに必要に応じて、その他のシラン化合物(V)、環状シリコーン化合物(VI)、あるいはシランオリゴマーを、酸もしくはアルカリの存在下、加水分解・縮合反応させることを特徴とする。なお、上記の調製方法ではジシロキサン(III)および/またはシラン化合物(IV)、あるいはシラン化合物(V)および/または環状シリコーン化合物(VI)として、炭素数2〜12のアルケニル基を少なくとも有するものを用いることが必要である。
【0029】
上記の酸としては、塩酸、酢酸、蟻酸、硝酸、シュウ酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、多価カルボン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、イオン交換樹脂が例示される。また、上記のアルカリとしては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機アルカリ;トリエチルアミン、ジエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アンモニア水、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、アミノ基を有するアルコキシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン等の有機塩基化合物が例示される。
【0030】
また、上記の調製方法では、有機溶剤を使用することができる。使用できる有機溶剤としては、エーテル類、ケトン類、アセテート類、芳香族あるいは脂肪族炭化水素、γ−ブチロラクトン、およびこれらの2種以上の混合物が例示される。好ましい有機溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、γ−ブチロラクトン、トルエン、キシレンが例示される。
【0031】
上記の調製方法では、上記各成分の加水分解・縮合反応を促進するため、水、あるいは水とアルコールの混合液を添加することが好ましい。このアルコールとしては、メタノール、エタノールが好ましい。この反応は、加熱により促進され、有機溶媒を使用する場合には、その還流温度で反応を行うことが好ましい。
【0032】
(A)成分は個別に調製されたオルガノポリシロキサンを混合することによって得られたものでもよい。その場合は、各オルガノポリシロキサンは上記平均単位式に対応する必要はなく、それらの混合物が上記平均単位式を満たすことができる。
【0033】
(B)成分は、本組成物を硬化して得られる硬化物に柔軟性を付与するための成分であり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基と少なくとも1個のケイ素原子結合アリール基を有する直鎖状のオルガノポリシロキサンである。(B)成分中のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペテニル基、ヘキセニル基が例示され、好ましくは、ビニル基である。また、(B)成分中のアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基が例示され、好ましくは、フェニル基である。また、(B)成分中のアルケニル基とアリール基以外のケイ素原子に結合する基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が例示され、好ましくは、メチル基である。(B)成分の粘度は限定されないが、25℃における粘度が好ましくは、10〜10,000,000mPa・sの範囲内、10〜1,000,000mPa・sの範囲内、または10〜100,000mPa・sの範囲内である。これは、(B)成分の粘度が上記範囲の下限未満であると、得られる硬化物の機械的強度が低下する傾向があるからであり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られる組成物の取扱作業性が低下する傾向があるからである。
【0034】
(B)成分の分子構造は直鎖状であり、このような(B)成分として、一般式:
【化1】
で表されるオルガノポリシロキサンが例示される。
【0035】
式中、R
1は同じかまたは異なる、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、もしくは炭素数7〜20のアラルキル基であり、前記と同様の基が例示される。但し、一分子中、少なくとも2個のR
1は前記アルケニル基である。また、式中、R
2は同じかまたは異なる、炭素数6〜20のアリール基もしくは炭素数7〜20のアラルキル基であり、前記と同様の基が例示され、好ましくは、フェニル基である。また、式中、R
3は同じかまたは異なる炭素数1〜12のアルキル基であり、前記と同様の基が例示され、好ましくは、メチル基である。
【0036】
また、式中、mは0〜800の整数、nは0〜300の整数、oは0〜300の整数であり、但し、m≧n、かつ5≦m+n+o≦1,000であり、好ましくは、mは0〜500の整数、nは0〜200の整数、oは0〜200の整数であり、但し、m≧n、かつ5≦m+n+o≦500である。これは、m、n、oが上記範囲の上限以下であると、組成物の取り扱い作業性性が向上するからである。またm+n+oが上記範囲内であると、硬化物に柔軟性を付与することができるからである。
【0037】
(B)成分は、上記の一般式で表されるが、本発明の目的を損なわない範囲で、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のケイ素原子結合アルコキシ基、あるいはケイ素原子結合水酸基を有していてもよい。
【0038】
このような(B)成分としては、次のようなオルガノポリシロキサンが例示される。なお、式中、Me、Vi、Phは、それぞれ、メチル基、ビニル基、フェニル基を示し、m'は1〜100の整数であり、n'は1〜50の整数であり、o'は1〜50の整数であり、但し、m'≧n'、かつ、m'+n'+o'≦100である。
ViMe
2SiO(Me
2SiO)
m'SiMe
2Vi
ViPhMeSiO(Me
2SiO)
m'SiMePhVi
ViPh
2SiO(Me
2SiO)
m'SiPh
2Vi
ViMe
2SiO(Me
2SiO)
m'(Ph
2SiO)
n'SiMe
2Vi
ViPhMeSiO(Me
2SiO)
m'(Ph
2SiO)
n'SiPhMeVi
ViPh
2SiO(Me
2SiO)
m'(Ph
2SiO)
n'SiPh
2Vi
ViMe
2SiO(MePhSiO)
O'SiMe
2Vi
MePhViSiO(MePhSiO)
O'SiMePhVi
Ph
2ViSiO(MePhSiO)
O'SiPh
2Vi
ViMe
2SiO(Ph
2SiO)
n'(PhMeSiO)
O'SiMe
2Vi
ViPhMeSiO(Ph
2SiO)
n'(PhMeSiO)
O'SiPhMeVi
ViPh
2SiO(Ph
2SiO)
n'(PhMeSiO)
O'SiPh
2Vi
【0039】
(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜150質量部の範囲内であり、好ましくは、1〜100質量部の範囲内であり、更に好ましくは1〜75質量部の範囲内である。これは、(B)成分の含有量が上記範囲の下限以上であると、硬化物に可撓性を付与できるからであり、一方、上記範囲の上限以下であると、硬化物の機械的特性が良好であるからである。
【0040】
(C)成分は本組成物の架橋剤であり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンである。(C)成分の分子構造としては、例えば、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状、環状、樹枝状が挙げられ、好ましくは、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、樹枝状である。(C)成分中のケイ素原子結合水素原子の結合位置は限定されず、例えば、分子鎖末端および/または分子鎖側鎖が挙げられる。また、(C)成分中の水素原子以外のケイ素原子に結合する基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基;3−グリシドキシプロピル基、4−グリシドキシプロピル基等のグリシドキシアルキル基;トリメトキシシリルエチル基、トリメトキシシリルプロピル基、トリエトキシシリルエチル基、ジメトキシメチルシリルエチル基等のアルコキシシリルアルキル基が例示され、好ましくは、メチル基、フェニル基である。また、(C)成分の粘度は限定されないが、25℃における粘度が1〜10,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に、1〜1,000mPa・sの範囲内であることが好ましい。
【0041】
このような(C)成分のオルガノポリシロキサンとしては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、1−(3−グリシドキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジ(3−グリシドキシプロピル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−(3−グリシドキシプロピル)−5−トリメトキシシリルエチル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、トリメトキシシランの加水分解縮合物、(CH
3)
2HSiO
1/2単位とSiO
4/2単位とからなる共重合体、(CH
3)
2HSiO
1/2単位とSiO
4/2単位と(C
6H
5)SiO
3/2単位とからなる共重合体、およびこれらの2種以上の混合物が例示される。
【0042】
(C)成分として、さらに次のようなオルガノシロキサンも例示される。
なお、式中、Me、Ph、Naphは、それぞれ、メチル基、フェニル基、ナフチル基を示し、e、f、g、およびhは、それぞれ、0.1≦e≦0.7、0<f≦0.5、0<g≦0.7、0.1≦h<0.9、かつ、e+f+g+h=1を満たす数を示し、pは1〜100の整数であり、qは1以上の整数であり、但し、p+qは100以下の整数である。
HMe
2SiO(Ph
2SiO)
pSiMe
2H
HMePhSiO(Ph
2SiO)
pSiMePhH
HMeNaphSiO(Ph
2SiO)
pSiMeNaphH
HMePhSiO(Ph
2SiO)
p(MePhSiO)
qSiMePhH
HMePhSiO(Ph
2SiO)
p(Me
2SiO)
qSiMePhH
(HMe
2SiO
1/2)
e(PhSiO
3/2)
h
(HMePhSiO
1/2)
e(PhSiO
3/2)
h
(HMePhSiO
1/2)
e(NaphSiO
3/2)
h
(HMe
2SiO
1/2)
e(NaphSiO
3/2)
h
(HMePhSiO
1/2)
e(HMe
2SiO
1/2)
f(PhSiO
3/2)
h
(HMe
2SiO
1/2)
e(Ph
2SiO
2/2)
g(PhSiO
3/2)
h
(HMePhSiO
1/2)
e(Ph
2SiO
2/2)
g(PhSiO
3/2)
h
(HMe
2SiO
1/2)
e(Ph
2SiO
2/2)
g(NaphSiO
3/2)
h
(HMePhSiO
1/2)
e(Ph
2SiO
2/2)
g(NaphSiO
3/2)
h
(HMePhSiO
1/2)
e(HMe
2SiO
1/2)
f(NaphSiO
3/2)
h
(HMePhSiO
1/2)
e(HMe
2SiO
1/2)
f(Ph
2SiO
2/2)
g(NaphSiO
3/2)
h
(HMePhSiO
1/2)
e(HMe
2SiO
1/2)
f(Ph
2SiO
2/2)
g(PhSiO
3/2)
h
【0043】
(C)成分の含有量は、(A)成分中および(B)成分中のアルケニル基の合計1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.1〜5モルの範囲内となる量であり、好ましくは、0.5〜2モルの範囲内となる量である。これは、(C)成分の含有量が上記範囲の下限以上であると、組成物が十分に硬化するからであり、一方、上記範囲の上限以下であると、硬化物の耐熱性が向上し、ひいては、本組成物を用いて作製した光半導体装置の信頼性が向上するからである。
【0044】
(D)成分は本組成物の硬化を促進するためのヒドロシリル化反応用触媒であり、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒が例示され、好ましくは、白金系触媒である。この白金系触媒としては、白金微粉末、白金黒、白金担持シリカ微粉末、白金担持活性炭、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体等の白金系化合物が例示される。
【0045】
(D)成分の含有量は本組成物の硬化を促進する量であり、好ましくは、本組成物に対して、この触媒中の金属原子が質量単位で0.01〜1,000ppmの範囲内となる量である。これは、(D)成分の含有量が上記範囲の下限未満であると、得られる組成物の硬化が十分に進行しなくなるおそれがあるからであり、一方、上記範囲の上限を超えても硬化が著しく促進されるものではなく、むしろ硬化物に着色等の問題を生じるおそれがあるからである。
【0046】
本組成物は上記(A)成分〜(D)成分から少なくともなるが、常温での可使時間を延長し、保存安定性を向上させるための任意の成分として、(E)ヒドロシリル化反応抑制剤を含んでもよい。このような(E)成分としては、1−エチニルシクロヘキサン−1−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、および2−フェニル−3−ブチン−2−オール等のアルキンアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、および3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物;1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、および1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン等のメチルアルケニルシロキサンオリゴマー;ジメチルビス(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)シラン、およびメチルビニルビス(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)シラン等のアルキンオキシシラン、ならびにトリアリルイソシアヌレート系化合物が例示される。
【0047】
(E)成分の含有量は限定されないが、好ましくは、上記(A)成分〜(C)成分の合計100質量部に対して0.01〜3質量部の範囲内、または0.01〜1質量部の範囲内である。これは、(E)成分の含有量が上記範囲の下限以上であると、本組成物の適度な可使時間を有し、一方、上記範囲の上限以下であると、適度な作業性を有するからである。
【0048】
また、本組成物は、硬化中に接触している基材への接着性を更に向上させるために、(F)接着促進剤を含んでもよい。このような(F)成分としては、ケイ素原子に結合したアルコキシ基を一分子中に少なくとも1個有する有機ケイ素化合物が好ましい。このアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、およびメトキシエトキシ基が例示され、特に、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。また、この有機ケイ素化合物のケイ素原子に結合するアルコキシ基以外の基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、およびハロゲン化アルキル基等の置換もしくは非置換の一価炭化水素基;3−グリシドキシプロピル基、および4−グリシドキシブチル基等のグリシドキシアルキル基;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、および3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基等のエポキシシクロヘキシルアルキル基;4−オキシラニルブチル基、および8−オキシラニルオクチル基等のオキシラニルアルキル基等のエポキシ基含有一価有機基;3−メタクリロキシプロピル基等のアクリル基含有一価有機基;イソシアネート基;イソシアヌレート基;ならびに水素原子が例示される。
【0049】
この有機ケイ素化合物は、本組成物中のケイ素原子結合アルケニル基またはケイ素原子結合水素原子と反応し得る基を有することが好ましく、具体的には、ケイ素原子結合水素原子またはケイ素原子結合アルケニル基を有することが好ましい。このケイ素化合物の分子構造としては、直鎖状、一部分枝を有する直鎖状、分枝鎖状、環状、網状が例示され、特に、直鎖状、分枝鎖状、網状であることが好ましい。このような有機ケイ素化合物としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン化合物;一分子中にケイ素原子結合アルケニル基もしくはケイ素原子結合水素原子、およびケイ素原子結合アルコキシ基をそれぞれ少なくとも1個有するシロキサン化合物、ケイ素原子結合アルコキシ基を少なくとも1個有するシラン化合物またはシロキサン化合物と一分子中にケイ素原子結合ヒドロキシ基とケイ素原子結合アルケニル基をそれぞれ少なくとも1個有するシロキサン化合物との混合物、および式:
【化2】
(式中、x、y、およびzは正数である。)
で示されるシロキサン化合物、式:
【化3】
(式中、x、y、z、およびwは正数である。)
で示されるシロキサン化合物が例示される。
【0050】
(F)成分の含有量は限定されないが、好ましくは、上記(A)成分〜(C)成分の合計100質量部に対して0.01〜10質量部の範囲内、または、0.1〜3質量部の範囲内である。これは、(F)成分の含有量が上記範囲の下限以上であると、接着性が良好であり、一方、上記範囲の上限以下であると、保存安定性が良好であるからである。
【0051】
また、本組成物には、その他任意の成分として、(G)蛍光材を含んでもよい。このような(G)成分としては、例えば、発光ダイオード(LED)に広く利用されている、酸化物系蛍光体、酸窒化物系蛍光体、窒化物系蛍光体、硫化物系蛍光体、酸硫化物系蛍光体等からなる黄色、赤色、緑色、および青色発光蛍光体が挙げられる。酸化物系蛍光体としては、セリウムイオンを包含するイットリウム、アルミニウム、ガーネット系のYAG系緑色〜黄色発光蛍光体、セリウムイオンを包含するテルビウム、アルミニウム、ガーネット系のTAG系黄色発光蛍光体、および、セリウムやユーロピウムイオンを包含するシリケート系緑色〜黄色発光蛍光体が例示される。酸窒化物系蛍光体としては、ユーロピウムイオンを包含するケイ素、アルミニウム、酸素、窒素系のサイアロン系赤色〜緑色発光蛍光体が例示される。窒化物系蛍光体としては、ユーロピウムイオンを包含するカルシウム、ストロンチウム、アルミニウム、ケイ素、窒素系のカズン系赤色発光蛍光体が例示される。硫化物系蛍光体としては、銅イオンやアルミニウムイオンを包含するZnS系緑色発色蛍光体が例示される。酸硫化物系蛍光体としては、ユーロピウムイオンを包含するY
2O
2S系赤色発光蛍光体が例示される。これらの蛍光材は、1種または2種以上の混合物を用いてもよい。
【0052】
(G)成分の平均粒子径は限定されないが、好ましくは、1〜50μmの範囲内、または、5〜20μmの範囲内である。これは、(G)成分の平均粒子径粒が上記範囲の下限以上であると、混合時の粘度上昇が抑えられ、一方、上記範囲の上限以下であると、光透過性が良好となるからである。
【0053】
(G)成分の含有量は限定されないが、好ましくは、本組成物の0.1〜70質量%の範囲内となる量である。また、取り扱い作業性の点から、本組成物の70質量%以下であることが好ましく、一方、白色への光変換性を考慮すると、本組成物の5質量%以上であることが好ましい。
【0054】
このような本発明の硬化性シリコーン組成物は、流動性、充填性が優れ、その用途により、その粘度は限定されないが、一般的には、25℃において100〜500,000mPa・sの範囲内、または、100〜100,000mPa・sの範囲内であることが好ましい。
【0055】
また、本組成物には、本発明の目的を損なわない限り、その他任意の成分として、シリカ、ガラス、アルミナ、酸化亜鉛等の無機質充填剤;ポリメタクリレート樹脂等の有機樹脂微粉末;耐熱剤、染料、顔料、難燃性付与剤、溶剤等を含有してもよい。
【0056】
任意成分として添加する成分のうち、空気中の硫黄含有ガスによる、光半導体装置における銀電極や基板の銀メッキの変色を十分に抑制するためにAl、Ag、Cu、Fe、Sb、Si、Sn、Ti、Zr、および希土類元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を表面被覆した酸化亜鉛微粉末、アルケニル基を有さない有機ケイ素化合物で表面処理した酸化亜鉛微粉末、および炭酸亜鉛の水和物微粉末からなる群より選ばれる、平均粒子径が0.1nm〜5μmである少なくとも一種の微粉末を添加することもできる。
【0057】
酸化物を表面被覆した酸化亜鉛微粉末において、希土類元素としては、イットリウム、セリウム、ユーロピウムが例示される。酸化亜鉛微粉末の表面の酸化物としては、Al
2O
3、AgO、Ag
2O、Ag
2O
3、CuO、Cu
2O、FeO、Fe
2O
3、Fe
3O
4、Sb
2O
3、SiO
2、SnO
2、Ti
2O
3、TiO
2、Ti
3O
5、ZrO
2、Y
2O
3、CeO
2、Eu
2O
3、およびこれらの酸化物の2種以上の混合物が例示される。
【0058】
有機ケイ素化合物で表面処理した酸化亜鉛微粉末において、この有機ケイ素化合物はアルケニル基を有さないものであり、オルガノシラン、オルガノシラザン、ポリメチルシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、およびオルガノシロキサンオリゴマーが例示され、具体的には、トリメチルクロロシラン、ジメチルクロロシラン、メチルトリクロロシラン等のオルガノクロロシラン;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のオルガノトリアルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のジオルガノジアルコキシシラン;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のトリオルガノアルコキシシラン;これらのオルガノアルコキシシランの部分縮合物;ヘキサメチルジシラザン等のオルガノシラザン;ポリメチルシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、シラノール基もしくはアルコキシ基を有するオルガノシロキサンオリゴマー、R
4SiO
3/2単位(式中、R
4は、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;フェニル基等のアリール基で例示されるアルケニル基を除く一価炭化水素基である。)やSiO
4/2単位からなり、シラノール基またはアルコキシ基を有するレジン状オルガノポリシロキサンが例示される。
【0059】
炭酸亜鉛の水和物微粉末は、炭酸亜鉛に水が結合した化合物であり、105℃、3時間の加熱条件における重量減少率が0.1重量%以上であるものが好ましい。
【0060】
酸化亜鉛の含有量は、本組成物に対して、質量単位で1ppm〜10%の範囲内の量であり、好ましくは、1ppm〜5%の範囲内の量である。これは、本成分の含有量が上記範囲の下限以上であると、硫黄含有ガスによる光半導体装置における銀電極や基板の銀メッキの変色を十分に抑制するからであり、一方、上記範囲の上限以下であると、得られる組成物の流動性を損なわないからである。
【0061】
また、本組成物には、空気中の硫黄含有ガスによる銀電極や基板の銀メッキの変色をさらに抑制することができることから、任意の成分として、トリアゾール系化合物を含有してもよい。このような成分としては、1H−1,2,3−トリアゾール、2H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、4H−1,2,4−トリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール、2H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、4H−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸メチル、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、クロロベンゾトリアゾール、ニトロベンゾトリアゾール、アミノベンゾトリアゾール、シクロヘキサノ[1,2−d]トリアゾール、4,5,6,7−テトラヒドロキシトリルトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、エチルベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾール、1−N,N−ビス(2−エチルヘキシル)−[(1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]アミン、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]トリルトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]カルボキシベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−アミノメチル]トリルトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−アミノメチル]カルボキシベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アミノメチル]カルボキシベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(1−ブチル)アミノメチル]カルボキシベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(1−オクチル)アミノメチル]カルボキシベンゾトリアゾール、1−(2',3'−ジ−ヒドロキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1−(2',3'−ジ−カルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール−6−カルボン酸、1−オレオイルベンゾトリアゾール、1,2,4−トリアゾール−3−オール、5−アミノ−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸、1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシアミド、4−アミノウラゾール、および1,2,4−トリアゾール−5−オンが例示される。このベンゾトリアゾール化合物の含有量は特に限定されないが、本組成物中に質量単位で0.01ppm〜3%の範囲内となる量であり、好ましくは、0.1ppm〜1%の範囲内となる量である。
【0062】
本組成物は室温もしくは加熱により硬化が進行するが、迅速に硬化させるためには加熱することが好ましい。この加熱温度としては、50〜200℃の範囲内であることが好ましい。
【0063】
次に、本発明の硬化物について詳細に説明する。
【0064】
本発明の硬化物は、上記の硬化性シリコーン組成物を硬化してなることを特徴とする。硬化物の形状は特に限定されず、例えば、シート状、フィルム状が挙げられる。硬化物は、これを単体で取り扱うこともできるが、光半導体素子等を被覆もしくは封止した状態で取り扱うことも可能である。
【0065】
次に、本発明の光半導体装置について詳細に説明する。
【0066】
本発明の光半導体装置は、上記の硬化性シリコーン組成物の硬化物により光半導体素子を封止してなることを特徴とする。このような本発明の光半導体装置としては、発光ダイオード(LED)、フォトカプラー、CCDが例示される。また、光半導体素子としては、発光ダイオード(LED)チップ、固体撮像素子が例示される。
【0067】
本発明の光半導体装置の一例である単体の表面実装型LEDの断面図を
図1に示した。
図1で示されるLEDは、光半導体素子1がリードフレーム2上にダイボンドされ、この光半導体素子1とリードフレーム3とがボンディングワイヤ4によりワイヤボンディングされている。この光半導体素子1の周囲には枠材5が設けられており、この枠材5の内側の光半導体素子1が、本発明の硬化性シリコーン組成物の硬化物6により封止されている。
【0068】
図1で示される表面実装型LEDを製造する方法としては、光半導体素子1をリードフレーム2にダイボンドし、この光半導体素子1とリードフレーム3とを金製のボンディングワイヤ4によりワイヤボンドし、次いで、光半導体素子1の周囲に設けられた枠材5の内側に本発明の硬化性シリコーン組成物を充填した後、50〜200℃で加熱することにより硬化させる方法が例示される。
【実施例】
【0069】
本発明の硬化性シリコーン組成物、その硬化物、および光半導体装置を実施例により詳細に説明する。なお、実施例中、粘度は25℃における値であり、Me、Vi、Ph、およびEpは、それぞれ、メチル基、ビニル基、フェニル基、および3−グリシドキシプロピル基を示す。また、硬化性シリコーン組成物の硬化物の特性を次のようにして測定した。
【0070】
[硬化物の屈折率]
硬化性シリコーン組成物を150℃の熱風循環式オーブン中で2時間加熱することにより硬化物を作製した。この硬化物の25℃、波長633nmにおける屈折率を屈折率計により測定した。
【0071】
[硬化物の水蒸気透過性]
硬化性シリコーン組成物をプレスを用いて150℃、2時間で硬化させ、厚み1mmのフィルム状硬化物を作製した。そのフィルム状硬化物の水蒸気透過率をシステク・イリノイ社(Systech illinois)製の水蒸気透過率測定装置(モデル7002)を用いて、温度40℃、相対湿度90%の条件で測定した。その結果、水蒸気透過率が10g/m
2・24hr以上〜15g/m
2・24hr未満である場合を”◎”、15g/m
2・24hr以上〜20g/m
2・24hr未満である場合を”○”、20g/m
2・24hr以上である場合を”×”として示した。
【0072】
[硬化物の伸び]
2mm厚のシート状硬化物を作製し、これをJIS K 6251−1993「加硫ゴムの引張試験方法」に規定のダンベル状3号形に打ち抜き、島津製作所製オートグラフを用いて破断時の伸び(%)を測定した。その結果、伸びが20%以上である場合を”◎”、10%以上、20%未満である場合を”○”、10%未満である場合を”×”として示した。
【0073】
[耐硫化性]
硬化性シリコーン組成物を用いて、
図1の光半導体装置を作製した。なお、硬化性シリコーン組成物は、150℃で2時間加熱して硬化させた。積分球を用いた全放射束測定装置を使用して、この光半導体装置の初期放射束測定を行った。次に、この光半導体装置を、硫化ナトリウム六水和物を載置したオートクレーブ中に入れ、50℃に加熱し、100時間放置した。その後、積分球を用いた全放射束測定装置を使用して放射束測定を行った。その変化率が、20%以下である場合を”◎”、20%超30%以下である場合を”○”として示した。
【0074】
[耐クラック性]
硬化性シリコーン組成物を用いて、
図1の光半導体装置を作製した。なお、硬化性シリコーン組成物は、150℃、2時間加熱して硬化させた。得られた光半導体装置を、420mAの電荷をかけ、85℃、湿度85%の条件下で点灯させながら、エージングした。500時間後に電子顕微鏡を用いて光半導体装置の外観を確認し、クラックがない場合を”◎”、クラックが発生している場合を”×”として示した。
【0075】
[全放射束変化]
硬化性シリコーン組成物を用いて、
図1に示される光半導体装置を作製した。なお、硬化性シリコーン組成物は、150℃で2時間加熱して硬化させた。積分球を用いた全放射束測定装置を使用して、この光半導体装置の初期放射束測定を行った。次に、この光半導体装置を、400mAの電荷をかけ、85℃、湿度85%の条件下で点灯させながら、エージングした。1000時間後、積分球を用いた全放射束測定装置を使用して光半導体装置の放射束測定を行った。その変化率が、5%未満である場合を”◎”、5%超10%以下である場合を”○”、10%超である場合を”△”として示した。
【0076】
[参考例1]
反応容器に、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン 14.0g(0.08mol)、トルエン137.3g、イソプロピルアルコール 50.2g、濃塩酸 78.9gを仕込み、フェニルトリメトキシラン59.5g(0.30mol)、メチルトリメトキシシラン 74.9g(0.55mol)とトルエン 65gの混合液を60℃以下で滴下した。滴下終了後、70℃で3時間攪拌した。その後、生成したメタノールを留去し、水洗を行い、系を中性にしたのち、減圧下溶剤を除去し、無色透明で、数平均分子量が1,400であり、屈折率が1.49である、平均単位式:
(Me
2ViSiO
1/2)
0.15(PhSiO
3/2)
0.30(MeSiO
3/2)
0.55
で表されるオルガノポリシロキサンレジン 57g(収率:40%)を得た。
【0077】
[参考例2]
反応容器に、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン 14.0g(0.08mol)、トルエン 137.3g、イソプロピルアルコール 50.2g、濃塩酸78.9gを仕込み、フェニルトリメトキシラン39.7g(0.20mol)、メチルトリメトキシシラン 88.5g(0.65mol)とトルエン 65gの混合液を60℃以下で滴下した。滴下終了後、70℃で3時間攪拌した。その後、生成したメタノールを留去し、水洗を行い、系を中性にしたのち、減圧下溶剤を除去し、無色透明で、数平均分子量が1,450であり、屈折率が1.48である、平均単位式:
(Me
2ViSiO
1/2)
0.15(PhSiO
3/2)
0.20(MeSiO
3/2)
0.65
で表されるオルガノポリシロキサンレジン 57g(収率:40%)を得た。
【0078】
[参考例3]
反応容器に、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン 14.0g(0.08mol)、トルエン 137.3g、イソプロピルアルコール 50.2g、濃塩酸 78.9gを仕込み、フェニルトリメトキシラン 23.8g(0.12mol)、メチルトリメトキシシラン 99.4g(0.73mol)とトルエン 65gの混合液を60℃以下で滴下した。滴下終了後、70℃で3時間攪拌した。その後、生成したメタノールを留去し、水洗を行い、系を中性にしたのち、減圧下溶剤を除去し、無色透明で、数平均分子量が1,385であり、屈折率が1.46である、平均単位式:
(Me
2ViSiO
1/2)
0.15(PhSiO
3/2)
0.12(MeSiO
3/2)
0.73
で表されるオルガノポリシロキサンレジン 57g(収率:40%)を得た。
【0079】
[参考例4]
反応容器に、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン 14.0g(0.08mol)、トルエン 137.3g、イソプロピルアルコール 50.2g、濃塩酸 78.9gを仕込み、フェニルトリメトキシラン 9.92g(0.05mol)、メチルトリメトキシシラン 109.0g(0.80mol)とトルエン 65gの混合液を60℃以下で滴下した。滴下終了後、70℃で3時間攪拌した。その後、生成したメタノールを留去し、水洗を行い、系を中性にしたのち、減圧下溶剤を除去し、無色透明で、数平均分子量が1,724であり、屈折率が1.44である、平均単位式:
(Me
2ViSiO
1/2)
0.15(PhSiO
3/2)
0.05(MeSiO
3/2)
0.80
で表されるオルガノポリシロキサンレジン 57g(収率:40%)を得た。
【0080】
[参考例5]
反応容器に、ヘキサメチルジシロキサン 37.7g(0.23mol)、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン 65.0g(0.35mol)、トリフルオロメタンスルホン酸 0.42gを仕込み、イオン交換水 187.4g(10.4mol)フェニルトリメトキシラン 202.7g(1.02mol)、メチルトリメトキシシラン 335.4g(2.45mol)を滴下した。滴下終了後、一時間還流させ、低沸点成分を除去した。次に、トルエン 267g、水酸化カリウム 0.8gを加え、共沸させ水を除去後、120℃で6時間撹拌した。その後、酢酸により中和し、塩をろ過した後、減圧下溶剤を除去し、無色透明で、数平均分子量が2,350であり、屈折率が1.47である、平均単位式:
(Me
2ViSiO
1/2)
0.15(Me
3SiO
1/2)
0.10(PhSiO
3/2)
0.22(MeSiO
3/2)
0.53
で表されるオルガノポリシロキサンレジンを得た。
【0081】
[参考例6]
反応容器に、フェニルトリメトキシシラン 280.0g(1.41mol)、メチルトリメトキシシラン 192.3g(1.41mol)、1,3−ジビニル−1,3−ジフェニル−1,3−ジメチルジシロキサン 131.0g(0.422mol)、トリフルオロメタンスルホン酸 4.87g(32.5mmol)を仕込み、イオン交換水 154.0g(8.5mol)を滴下した。滴下終了後、二時間還流させ、低沸点成分を除去した。次に、トルエン 272g、水酸化カリウム 2.67g(47.6mmol)を加え、共沸させ水を除去後、120℃で6時間撹拌した。その後、1.1g(18mmol)の酢酸により中和し、塩をろ過した後、減圧下溶剤を除去し、無色透明で、数平均分子量が2,200であり、屈折率が1.533である、平均単位式:
(MePhViSiO
1/2)
0.228(PhSiO
3/2)
0.388(MeSiO
3/2)
0.384
で表されるオルガノポリシロキサンレジン396g(収率:96%)を得た。
【0082】
[参考例7]
反応容器に、フェニルトリメトキシシラン 200.0g(1.01mol)、メチルトリメトキシシラン 58.5g(0.43mol)、1,3−ジビニル−1,3−ジフェニル−1,3−ジメチルジシロキサン 66.7g(0.215mol)、トリフルオロメタンスルホン酸 1.24g(8.3mmol)を仕込み、イオン交換水 55.0g(3mol)を滴下した。滴下終了後、二時間還流させ、低沸点成分を除去した。次に、トルエン 56.5、水酸化カリウム 0.97g(17.3mmol)を加え、共沸させ水を除去後、120℃で6時間撹拌した。その後、0.89g(15mmol)の酢酸により中和し、塩をろ過した後、減圧下溶剤を除去し、無色透明で、数平均分子量が1,700であり、屈折率が1.545である、平均単位式:
(MePhViSiO
1/2)
0.235(PhSiO
3/2)
0.539(MeSiO
3/2)
0.226
で表されるオルガノポリシロキサンレジン218g(収率:97%)を得た。
【0083】
[参考例8]
反応容器に、式:
HO(Me
2SiO)
12H
で表されるジメチルポリシロキサン 40.0g(0.045mol)、トルエン 62.0g、およびトリエチルアミン 10.9g(0.107mol)を投入し、撹拌下、ビニルジフェニルクロロシラン 22.0g(0.090mol)を投入した。室温で1時間撹拌した後、50℃に加熱し、3時間攪拌した。その後、水を投入し、水洗後、有機層から低沸物を加熱減圧留去して、粘度が36mPa・sであり、無色透明で、屈折率が1.466である、式:
Ph
2ViSiO(Me
2SiO)
12SiPh
2Vi
で表されるオルガノポリシロキサンを得た。
【0084】
[参考例9]
攪拌機、還流冷却管、温度計付きの四口フラスコに、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン 82.2g(0.44mol)、水 143g、トリフルオロメタンスルホン酸 0.38g、およびトルエン 500gを投入し、攪拌下、フェニルトリメトキシシラン 524.7g(2.65mol)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間加熱還流した。その後、冷却し、下層を分離し、トルエン溶液層を3回水洗した。水洗したトルエン溶液層に3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン 314g(1.42mol)と水 130gと水酸化カリウム 0.50gとを投入し、1時間加熱還流した。続いて、メタノールを留去し、過剰の水を共沸脱水で除いた。4時間加熱還流した後、トルエン溶液を冷却し、酢酸 0.55gで中和した後、3回水洗した。水を除去した後、トルエンを減圧下に留去して、粘度が8,500mPa・sである、平均単位式:
(Me
2ViSiO
1/2)
0.18(PhSiO
3/2)
0.53(EpMeSiO
2/2)
0.29
で表される接着付与剤を調製した。
【0085】
[実施例1〜6、比較例1]
下記の成分を用いて、表1に示した組成(質量部)で硬化性シリコーン組成物を調製した。なお、表1中、(D)成分の含有量は、質量単位における、硬化性シリコーン組成物に対する白金金属の含有量(ppm)で示した。表1中のH/Viは(A)成分及び(B)成分中の全ビニル基1モルに対する(C)成分中のケイ素原子結合水素原子のモル数を表す。
【0086】
(A)成分として、次の成分を用いた。
(A−1)成分:参考例1で調製した、平均単位式:
(Me
2ViSiO
1/2)
0.15(PhSiO
3/2)
0.30(MeSiO
3/2)
0.55
で表されるオルガノポリシロキサンレジン
(A−2)成分:参考例2で調製した、平均単位式:
(Me
2ViSiO
1/2)
0.15(PhSiO
3/2)
0.20(MeSiO
3/2)
0.65
で表されるオルガノポリシロキサンレジン
(A−3)成分:参考例3で調製した、平均単位式:
(Me
2ViSiO
1/2)
0.15(PhSiO
3/2)
0.12(MeSiO
3/2)
0.73
で表されるオルガノポリシロキサンレジン
(A−4)成分:参考例4で調製した、平均単位式:
(Me
2ViSiO
1/2)
0.15(PhSiO
3/2)
0.05(MeSiO
3/2)
0.80
で表されるオルガノポリシロキサンレジン
(A−5)成分:参考例5で調製した、平均単位式:
(Me
2ViSiO
1/2)
0.15(Me
3SiO
1/2)
0.10(PhSiO
3/2)
0.22(MeSiO
3/2)
0.53
で表されるオルガノポリシロキサンレジン
(A−6)成分:数平均分子量が1,300であり、屈折率が1.54である、平均単位式:
(Me
2ViSiO
1/2)
0.2(PhSiO
3/2)
0.8
で表されるオルガノポリシロキサンレジン
(A−7)成分:数平均分子量が1,100であり、屈折率が1.54である、平均単位式:
(Me
2ViSiO
1/2)
0.25(PhSiO
3/2)
0.75
で表されるオルガノポリシロキサンレジン
(A−8)成分:参考例6で調製した、平均単位式:
(MePhViSiO
1/2)
0.228(PhSiO
3/2)
0.388(MeSiO
3/2)
0.384
で表されるオルガノポリシロキサンレジン
(A−9)成分:参考例7で調製した、平均単位式:
(MePhViSiO
1/2)
0.235(PhSiO
3/2)
0.539(MeSiO
3/2)
0.226
で表されるオルガノポリシロキサンレジン
【0087】
(B)成分として、次の成分を用いた。
(B−1)成分:参考例8で調製した、式:
Ph
2ViSiO(Me
2SiO)
12SiPh
2Vi
で表されるオルガノポリシロキサン
(B−2)成分:粘度3,000mPa・sの式:
Me
2ViSiO(MePhSiO)
25SiMe
2Vi
で表される分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン
【0088】
(C)成分として、次の成分を用いた。
(C−1)成分:粘度が4mPa・sである、式:
HMe
2SiOPh
2SiOSiMe
2H
で表されるオルガノトリシロキサン
(C−2)成分:粘度が30mPa・sである、平均単位式:
(Me
2HSiO
1/2)
0.6(PhSiO
3/2)
0.4
で表されるシリコーンレジン
【0089】
(D)成分として、次の成分を用いた。
(D−1)成分:白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサンの溶液(白金として0.1質量%含有する溶液)
【0090】
(E)成分として、次の成分を用いた。
(E−1)成分:1−エチニルシクロヘキサノール
【0091】
(F)成分として、次の成分を用いた。
(F−1)成分:参考例9で調製した接着付与剤
(F−2)成分:25℃における粘度が30mPa・sである分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルビニルシロキサンオリゴマーと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの縮合反応物からなる接着付与剤
【0092】
(G)成分として、次の成分を用いた。
(G−1)成分:平均粒径13μmのアルミネート型緑色発光蛍光物質
(G−2)成分:平均粒径15μmの窒化物型赤色発光蛍光物質
【0093】
【表1】
【0094】
表1の結果から、実施例1〜6で調製した硬化性シリコーン組成物は、比較例1で調製した硬化性シリコーン組成物に比較して、伸びが優れ、クラックを抑制できることが確認された。
【0095】
[実施例7、8]
上記の成分を使用して表2に示す組成物(質量部)を調製した。なお、表2では、(D)成分の量は硬化性シリコーン組成物に対する白金金属の量(質量単位のppm)で表されている。表2中のH/Viは(A)成分及び(B)成分中の全ビニル基1モルに対する(C)成分中のケイ素原子結合水素原子のモル数を表す。
【0096】
【表2】