特許第6509856号(P6509856)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6509856
(24)【登録日】2019年4月12日
(45)【発行日】2019年5月8日
(54)【発明の名称】蓄電デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20190422BHJP
   H01M 2/20 20060101ALI20190422BHJP
   H01M 2/12 20060101ALI20190422BHJP
   H01M 2/02 20060101ALI20190422BHJP
   H01G 11/14 20130101ALI20190422BHJP
   H01G 11/10 20130101ALI20190422BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20190422BHJP
【FI】
   H01M2/10 A
   H01M2/20 A
   H01M2/12 101
   H01M2/10 V
   H01M2/02 F
   H01G11/14
   H01G11/10
   H01G11/78
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-534092(P2016-534092)
(86)(22)【出願日】2015年6月8日
(86)【国際出願番号】JP2015002852
(87)【国際公開番号】WO2016009586
(87)【国際公開日】20160121
【審査請求日】2018年2月5日
(31)【優先権主張番号】特願2014-144843(P2014-144843)
(32)【優先日】2014年7月15日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥田 泰之
(72)【発明者】
【氏名】大村 誠司
【審査官】 渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/137101(WO,A1)
【文献】 特開平6−333548(JP,A)
【文献】 特開平7−134976(JP,A)
【文献】 特開2009−211909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01G 11/10
H01G 11/14
H01G 11/78
H01M 2/02
H01M 2/12
H01M 2/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形のセルケースを有する複数の蓄電セルと、
前記蓄電セル同士を接続する接続部材と、
を備えた蓄電デバイスであって、
前記セルケースの底面部には、前記蓄電セルの内圧が所定圧力に達したときに開口するガス排出部が互いに離間して複数設けられており、
前記接続部材は、前記セルケースの底面部において、前記各ガス排出部に挟まれた非開口部に接合されている、蓄電デバイス。
【請求項2】
前記ガス排出部は、前記セルケースの底面部の中心を通る直線に対して線対称若しくは中心に対して回転対称となるように2つ又は3つ配置され、
前記接続部材は、前記セルケースの底面部の中心に接合されている、請求項1に記載の蓄電デバイス。
【請求項3】
前記各ガス排出部に挟まれた前記非開口部は、前記接続部材よりも幅広に形成され、
前記接続部材は、前記ガス排出部上を覆わないように配置される、請求項2に記載の蓄電デバイス。
【請求項4】
前記セルケースの底面部には、環状の溝が形成されており、
当該溝に囲まれた部分が前記ガス排出部となる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の蓄電セルが互いに接続されてなる蓄電デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
内部短絡等による発熱で蓄電セルの内圧が上昇した場合に、セルケースの破裂等を防止すべく、内圧が所定圧力に達したときに開口するガス排出部(安全弁)を備えた蓄電セルが知られている。例えば、特許文献1は、ケース底面部にガス排出部が設けられた金属製電池ケースを開示している。当該金属製電池ケースによれば、電池の内圧が所定圧力に達したときにケース底面部に大きな開口が形成される。
【0003】
ところで、複数の蓄電セル同士を接続して蓄電デバイス(例えば、組電池)を構築する場合、セルケースの底面部に接続部材が取り付けられる。特許文献1に開示されるような従来の蓄電セルでは、ガス排出部に接続部材が溶接されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−92397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
接続部材をガス排出部に溶接した場合、接続部材を介して蓄電セルに伝わる振動や外圧等によりガス排出部が開口してしまうという問題がある。例えば、接続部材の溶接強度を測定するための引張強度試験において、ガス排出部が開口する場合がある。なお、セル内圧が上昇して所定圧力に達した場合には、セルケースの底面部が大きく開口してスムーズなガス排出を可能にする必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る蓄電デバイスは、円筒形のセルケースを有する複数の蓄電セルと、蓄電セル同士を接続する接続部材と、を備えた蓄電デバイスである。セルケースの底面部には、蓄電セルの内圧が所定圧力に達したときに開口するガス排出部が互いに離間して複数設けられており、接続部材は、セルケースの底面部において、各ガス排出部に挟まれた非開口部に接合されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る蓄電デバイスによれば、接続部材を介してセルケースの底面部に力が加わった場合においても底面部が開口することを防止できる。また、本発明に係る蓄電デバイスでは、蓄電セルの内圧が上昇して所定圧力に達した場合に、セルケースの底面部が大きく開口してスムーズにガスが排出される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態の一例である組電池を示す図である。
図2図1のII-II線断面図である。
図3】本発明の実施形態の一例である組電池の底面図である。
図4】本発明の実施形態の他の一例である組電池の底面図である。
図5】本発明の実施形態の他の一例である組電池の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。
【0010】
実施形態において参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された構成要素の寸法比率などは、現物と異なる場合がある。具体的な寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
【0011】
実施形態では、蓄電セルとして単電池11を複数備えた組電池10を例示するが、蓄電デバイスはこれに限定されない。蓄電セルは、例えばキャパシタであってもよい。以下では、単電池11において、封口体22側を上、ケース本体30の底面部30b側を下とする。
【0012】
図1図3を参照しながら、実施形態の一例である組電池10について詳説する。
【0013】
図1は組電池10を模式的に示す図、図2図1のII-II線断面図である。
【0014】
図1及び図2に示すように、組電池10は、複数の単電池11と、単電池11同士を接続する接続部材12とを備える。単電池11は、円筒形の電池ケース21を有する。詳しくは後述するように、電池ケース21のキャップ27が単電池11の正極端子、電池ケース21のケース本体30が単電池11の負極端子となる。
【0015】
図1に示す例では、複数の単電池11が底面部30bを同じ方向に向けて列状に配置されており、接続部材12が隣り合う一方の単電池11のキャップ27と他方の単電池11の底面部30bとを接続している。接続部材12は、例えば細長い金属板であり、上下方向に延び、上下端部の近傍がそれぞれ反対側に折れ曲がっている。
【0016】
組電池10において、単電池11の個数や配置、接続部材12の形状や接続形態等は、特に限定されないが、いずれの場合においても、接続部材12は電池ケース21(ケース本体30)の底面部30bに接合されている。本実施形態では、接続部材12が底面部30bに溶接されるものとして説明するが、接続部材12の接合方法は溶接に限定されず、例えば半田を用いて接合してもよい。
【0017】
図2に示すように、単電池11は、電極体13と、電解質(図示せず)と、これらを収容する電池ケース21とを備える。電極体13は、正極14と負極15がセパレータ16を介して巻回されてなる巻回型構造を有する。電極体13は、正極14に取り付けられた正極リード17と、負極15に取り付けられた負極リード18とを有する。
【0018】
単電池11は、電極体13の上下に絶縁板19,20をそれぞれ備えることが好適である。即ち、電極体13は、2つの絶縁板によって上下から挟まれている。正極リード17は、絶縁板19の貫通孔を通って後述する封口体22側に延びている。負極リード18は、絶縁板20の貫通孔を通ってケース本体30の底面部30b側に延びている。
【0019】
正極14は、例えば金属箔等の正極集電体と、正極集電体上に形成された正極活物質層とで構成される。正極集電体には、アルミニウムなどの正極14の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。正極集電体は、例えば長尺状のシート形状を有し、その両面に正極活物質層が形成される。正極活物質層は、正極活物質の他に、導電材及び結着材を含むことが好適である。正極活物質は、例えばリチウム含有複合酸化物である。
【0020】
負極15は、例えば金属箔等の負極集電体と、負極集電体上に形成された負極活物質層とを備える。負極集電体には、銅やSUSなどの負極15の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。負極集電体は、例えば長尺状のシート形状を有し、その両面に負極活物質層が形成される。負極活物質層は、負極活物質の他に、結着剤を含むことが好適である。また、必要により導電材を含んでいてもよい。負極活物質は、例えば黒鉛である。
【0021】
電解質は、例えば非水溶媒と、非水溶媒に溶解したリチウム塩等の電解質塩と、を含む非水電解質である。非水電解質は、液体電解質に限定されず、ゲル状ポリマー等を用いた固体電解質であってもよい。非水溶媒には、例えばエステル類、エーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、及びこれらの2種以上の混合溶媒等を用いることができる。非水溶媒は、これら溶媒の水素をフッ素等のハロゲン原子で置換したハロゲン置換体を含有していてもよい。
【0022】
電池ケース21は、電極体13と電解質を収容する円筒形の金属製容器である。電池ケース21は、有底円筒状のケース本体30を備え、封口体22によりケース本体30の開口部が塞がれた構造を有する。本実施形態では、負極リード18がケース本体30の底面部30bの内面に溶接等で接続されており、ケース本体30が負極端子となる。正極リード17は、封口体22のフィルタ23の下面に溶接等で接続されており、フィルタ23と電気的に接続された封口体22のキャップ27が正極端子となる。封口体22とケース本体30の間には、ガスケット28が配置されている。
【0023】
封口体22は、複数の部材を重ね合わせて構成されていることが好適である。本実施形態では、下から順に、フィルタ23、下弁体24、絶縁板25、上弁体26、及びキャップ27を重ね合わせて封口体22が構成されている。封口体22を構成する各部材は、例えば円盤形状又はリング形状を有している。下弁体24及び上弁体26には、電池の内圧が上昇した時に破断する薄肉部(図示せず)が形成されている。上記のように、フィルタ23は、正極リード17が接続される部材であって、貫通孔23hを有する。キャップ27は、封口体22の最上部(最外部)に設けられる部材であって、正極端子として機能する。キャップ27には、ガス抜き孔27hが形成されている。
【0024】
封口体22を構成する各部材(絶縁板25を除く)は、互いに電気的に接続されている。具体的には、フィルタ23と下弁体24が各々の周縁部で互いに接合されており、上弁体26とキャップ27も各々の周縁部で互いに接合されている。一方、下弁体24と上弁体26は、各々の中央部で互いに接触しており、各周縁部の間には絶縁板25が介在している。例えば、下弁体24の中央部近傍が上弁体26側に膨出し、上弁体26の下面に接触している。各弁体の接触部分は、溶接等により接合されていることが好ましい。
【0025】
ケース本体30は、封口体22が載せられる支持部31を有することが好適である。支持部31は、ケース本体30の上部に形成され、ケース本体30の内面の一部が内側に突出した形状を有し、突出した部分の上面で封口体22を支持する。支持部31は、ケース本体30の周方向に沿って環状に形成されることが好ましく、例えばケース本体30の側面部を外側からプレスして形成される。
【0026】
本実施形態では、単電池11の内圧が上昇すると、下弁体24が薄肉部で破断し、これにより上弁体26がキャップ27側に膨れて下弁体24から離れることにより両者の電気的接続が遮断される。さらに内圧が上昇した場合には、上弁体26が薄肉部で破断して、電池内部で発生したガスがキャップ27のガス抜き孔27hを通って外部へ排出される。
【0027】
以下、図3をさらに参照しながら、電池ケース21の底面部30bの構造と、底面部30bに対する接続部材12の接続形態について詳説する。図3は、組電池10の底面図であって、接続部材12が溶接された底面部30bの外面を示す。
【0028】
図3に示すように、電池ケース21(ケース本体30)の底面部30bには、単電池11の内圧が所定圧力に達したときに開口するガス排出部32が互いに離間して複数設けられている。単電池11の内圧上昇時には、封口体22の安全弁機構によりガスが排出されると共に、底面部30bのガス排出部32からもガスが排出される。ガス排出部32は、4つ以上設けられてもよいが、好ましくは2つ又は3つである。
【0029】
ケース本体30の底面部30bには、例えば環状の溝33が形成され、溝33に囲まれた部分がガス排出部32となる。ガス排出部32は、底面視C字状の溝により形成することも可能であるが、内圧上昇時における破断性向上等の観点から、全周囲を環状の溝33に囲まれていることが好適である。溝33は、例えば底面部30bの外面側から形成された刻印であって、外面には凹部が、内面には凸部がそれぞれ形成される(図2参照)。図3に示す例では、底面視半円形状のガス排出部32が2つ設けられている。各ガス排出部32は、互いに同一形状、同一寸法を有する。
【0030】
各ガス排出部32は、底面部30b(外面)の中心を避け、当該中心を通る直線に対して線対称若しくは当該中心に対して回転対称に配置されていることが好適である。特に、当該中心に対して回転対称となるように配置されることが好適である。図3に示す例では、半円形状の直線部分が互いに所定間隔をあけて略平行となるように2つのガス排出部32が配置されており、底面部30bの形状はその中心に対して2回対称性を有する。複数のガス排出部32を底面部30bの中心の周囲に均等に配置することで、例えば底面部30bの片側からガスが排出して電極体13が移動し、開口部が閉塞することを防止する。
【0031】
ガス排出部32を形成する溝33は、接続部材12の溶接部35から近い部分(本実施の形態では、直線部)よりも溶接部35から遠い部分(円弧形状部)で深くすることが好適である。これにより、接続部材12の溶接時における耐久性を上げながら、ガス排出部32のスムーズな開口を可能としガス排出性能を向上させることができる。
【0032】
ガス排出部32の面積(即ち、ガス排出部32が開口したときの開口面積)は、底面部30bの面積に対して、合計で20%〜60%であることが好ましく、25%〜50%であることがより好ましい。各ガス排出部32の面積は、7%〜30%が好ましく、8%〜25%がより好ましい。ガス排出部32の面積が当該範囲内であれば、通常使用時における底面部30bの強度を損なうことなく、単電池11の内圧上昇時におけるガスの排出性が良好となる。
【0033】
接続部材12は、ケース本体30の底面部30bにおいて、各ガス排出部32に挟まれた非開口部34に溶接されている。非開口部34は、底面部30bにおいて、単電池11の内圧が上記所定圧力に達したときに開口しない部分であり、且つ各ガス排出部32に挟まれた部分である。非開口部34に接続部材12を溶接することで、接続部材12を介して底面部30bに力が加わった場合においてもガス排出部32が破断することなく底面部30bが開口することを防止できる。
【0034】
接続部材12は、底面部30bの中心に溶接されることが好適である。接続部材12は、例えば底面部30bにスポット溶接され、底面部30bの中心及びその周縁に溶接部35が形成される。ガス排出部32よりも底面部30bの外側に位置する底面部30bの周縁部も上記所定圧力で開口しない部分であるが、生産性や溶接強度確保等の観点から周縁部は接続部材12の溶接箇所とはならない。
【0035】
接続部材12が溶接される非開口部34は、接続部材12よりも幅広に形成されることが好適である。図3に示す例では、2つのガス排出部32の間に帯状の非開口部34が設けられている。当該帯状の非開口部34は、途中に溝33が形成されることなく、長手方向両端が底面部30bの周縁部とつながっている。即ち、非開口部34は、長手方向両端が周縁部につながって固定されているため撓み難く、接続部材12を引っ張る力等が非開口部34に加わっても溝33に沿って底面部30bが破断することを防止できる。非開口部34の幅は、長手方向の全長に亘って一定であり、接続部材12の幅よりも広い。
【0036】
接続部材12は、底面部30b上において、ガス排出部32上を覆わないように配置されることが好適である。図3に示す例では、非開口部34よりも幅が狭い接続部材12を用い、接続部材12を非開口部34の長手方向に沿わせて、非開口部34上から食み出さないように配置している。これにより、ガス排出部32が開口したときに、開口部が接続部材12に覆われることがなく、スムーズなガス排出が可能となる。
【0037】
上記構成を備えた組電池10によれば、接続部材の溶接強度を測定するための引張強度試験など、接続部材12を介してケース本体30の底面部30bに力が加わる場合においても底面部30bが開口することを防止できる。そして、単電池11の内圧が上昇したときには、底面部30bが大きく開口してスムーズにガスが排出される。
【0038】
なお、上記実施形態は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜設計変更できる。
【0039】
図4及び図5に設計変更の一例(変形例)を示す。
【0040】
図4に示す例では、底面部30bの外側に向かって凸となる2本の円弧状の溝33により、底面視三日月形状のガス排出部32が設けられている。ガス排出部32は、上記実施形態と同様に、互いに同一形状、同一寸法を有し、底面部30bの中心に対して回転対称となるように2つ配置されている。図4に示す例では、接続部材12が溶接される帯状の非開口部34が長手方向中央部に近づくほど幅広に形成されている。このため、溶接部35が形成し易いという利点がある。なお、非開口部34の拡幅に合わせて、非開口部34上から食み出さない範囲で接続部材12の先端部を大きくしてもよい。
【0041】
図5に示す例では、底面視楕円形状のガス排出部32が3つ設けられている。各ガス排出部32は、上記実施形態と同様に、互いに同一形状、同一寸法を有し、底面部30bの中心に対して回転対称(3回対称性を有する)となるように配置されている。図5に示す例では、3つのガス排出部32に挟まれた領域に底面視Y字形状(三つ股形状)の非開口部34が形成されている。即ち、当該Y字形状の非開口部34は、3箇所でガス排出部32を介することなく底面部30bの周縁部につながっている。このため、上記実施形態の場合よりも、さらに非開口部34が撓み難く、例えば接続部材12が強く引っ張られても底面部30bが破断しない。
【0042】
上記実施形態及び変形例では、ガス排出部32が溝33で囲まれることによって形成されているが、例えばガス排出部32は、底面部30bのガス排出部32以外の部分(例えば、非開口部34)と比較して、缶厚みが薄い薄肉部で形成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、蓄電デバイスに利用することができる。
【符号の説明】
【0044】
10 組電池
11 単電池
12 接続部材
13 電極体
14 正極
15 負極
16 セパレータ
17 正極リード
18 負極リード
19,20,25 絶縁板
21 電池ケース
22 封口体
23 フィルタ
23h 貫通孔
24 下弁体
26 上弁体
27 キャップ
27h ガス抜き孔
28 ガスケット
30 ケース本体
30b 底面部
31 支持部
32 ガス排出部
33 溝
34 非開口部
35 溶接部
図1
図2
図3
図4
図5