(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シールド部材はシースを含み、前記シースは、前記クランプアームの、前記超音波ブレードに向かう移動に反応して、前記第2位置に向かって近位方向に並進運動するように構成されており、前記シースは、前記クランプアームの、前記超音波ブレードから離れる方向への移動に反応して、前記第1位置に向かって遠位方向に並進運動するように構成されている、請求項2に記載の装置。
前記シールド部材はシースを含み、前記装置は、前記シャフトアセンブリと枢動可能に連結された、クランプアームシャンクを更に含み、前記クランプアームは、前記クランプアームシャンクの遠位端に位置付けられている、請求項2に記載の装置。
リンクを更に含み、前記リンクは、前記クランプアームシャンクと枢動可能に連結され、前記リンクは更に、前記リンクが、前記クランプアームシャンクの、前記シャフトアセンブリに対する枢動移動に反応して、前記シースを長手方向に並進運動させるように動作可能であるように、前記シースと枢動可能に連結されている、請求項4に記載の装置。
前記ビームは、前記シールド部材が前記第1位置にあるときに、前記ビームの一部を押して前記超音波ブレードと接触させるような形の屈曲を含む、請求項6に記載の装置。
前記クランプアームは、前記クランプアームの、前記超音波ブレードに向かう移動に反応して、前記ビームを外側に、したがって、前記超音波ブレードから離れる方向に駆動するように構成されたカム機構を含む、請求項6に記載の装置。
前記クランプは、前記クランプアームが前記超音波ブレードに向かって、及びここから離れるように移動する際に、第1平面に沿って移動するように構成され、前記シールド部材は、前記シールド部材が前記第1位置と前記第2位置との間で移動する際に、第2平面に沿って移動するように構成され、前記第2平面は、前記第1平面に対して横方向である、請求項1に記載の装置。
前記クランプは、前記クランプアームが前記超音波ブレードに向かって、及びここから離れるように移動する際に、第1平面に沿って移動するように構成され、前記シールド部材は、前記シールド部材が前記第1位置と前記第2位置との間で移動する際に、やはり前記第1平面に沿って移動するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
下記の本技術の特定例の記述は、本発明の範囲を制限するために使用するべきではない。本技術のその他の例、特徴、態様、実施形態及び利点は、例として、本技術を実施するために想到される最良の形態の1つである以下の説明から、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書で説明される本技術は、全て本技術から逸脱することなく、その他種々の明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明文は、制限的なものではなく、例示的な性質のものと見なすべきである。
【0011】
更に理解されることとして、本明細書に記載されている教示、表現、実施形態、実施例などのうちの任意の1つ又は2つ以上は、本明細書に記載されている他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちの任意の1つ又は2つ以上と組み合わされてもよい。したがって、以下に述べられる教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して分離して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な適当な方法が、当業者には明らかとなろう。かかる改変例及び変形例は、特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0012】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、外科用器具の人間又は、ロボットの操作者に対して本明細書で定義する。「近位」という用語は、外科用器具の人間又はロボットの操作者により近く、かつ、外科用器具の外科手術用エンドエフェクタから更に離れた要素の位置を指す。「遠位」という用語は、外科用器具の外科手術用エンドエフェクタにより近く、かつ、外科用器具の人間又はロボットの操作者から更に離れた要素の位置を指す。
【0013】
I.代表的な超音波外科用器具
図1〜6Bは、代表的な超音波外科用器具(10、100)を例示する。各器具(10、100)の少なくとも一部は、下記特許の教示の少なくとも一部に従って構築し、操作することができる:米国特許第5,322,055号、同第5,873,873号、同第5,980,510号、同第6,325,811号、同第6,773,444号、同第6,783,524号、米国特許出願公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2009/0105750号、同第2010/0069940号、同第2011/0015660号、同第2012/0112687号、同第2012/0116265号、同第2014/0005701号、同第2014/0114334号、米国特許出願第61/410,603号、及び/又は、同第14/028,717号。前述の特許、公開、及び出願のそれぞれの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。その中に記載され、以下により詳細に記載されるように、各器具(10、100)は、実質的に同時に、組織(例えば、血管など)を切開し、組織を封着し又は接合するように操作可能である。また、器具(10、100)がHARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesとの様々な構造的及び機能的な類似点を有し得ることを理解されたい。更に、器具(10、100)は、本明細書で引用され参照されることによって本明細書に援用される他の参考文献のいずれかに教示される装置と様々な構造的かつ機能的類似点を有することがある。
【0014】
本明細書に引用される参照の教示と、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示と、器具(10、100)に関する以下の教示との間に何らかの重複が存在する範囲で、本明細書の任意の記述を、認められた従来技術と見なす意図はない。本明細書のいくつかの教示は、事実、本明細書に引用した参照及びHARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示の範囲を超えるであろう。
【0015】
A.低侵襲性外科手術のための代表的な超音波外科用器具
図1は、(例えば、トロカール、又は他の直径の小さなアクセスポートなどによる)低侵襲性外科手術において使用されるように構成された、代表的な超音波外科用器具(10)を例示している。本実施例の器具(10)は、ハンドルアセンブリ(20)と、シャフトアセンブリ(30)と、エンドエフェクタ(40)と、を備えている。
図2〜3Bに示されるように、シャフトアセンブリ(30)は、外側シース(32)、外側シース(32)内に摺動自在に配置された内側チューブ(34)、及び内側チューブ(34)内に配置された導波管(38)を含む。以下により詳細に記載されるように、外側シース(32)に対する内側チューブ(34)の長手方向の並進運動により、エンドエフェクタ(40)のクランプアーム(44)の作動が生じる。ハンドルアセンブリ(20)は、ピストルグリップ(24)と、一対のボタン(26)とを含む本体(22)を備えている。ハンドルアセンブリ(20)は、ピストルグリップ(24)に向かうように及びそれから離れるように枢動可能なトリガ(28)もまた含む。しかしながら、はさみグリップ構成などが挙げられるがこれに限定されない様々な他の好適な構成を使用することができることが理解されるべきである。本実施例において、弾性部材が、トリガ(28)をピストルグリップ(24)から離れるように付勢させる。トリガ(28)は、ピストルグリップ(24)の方へと枢動可能であり、内側チューブ(34)を、外側シース(32)に対して近位方向に駆動させる。トリガ(28)がその後、ピストルグリップ(24)から離れるように解放又は駆動されると、内側チューブ(34)は外側シース(32)に対して遠位方向に駆動される。例として、トリガ(28)は、本明細書において引用される様々な参照文献の教示により、内側チューブ(34)と連結されてもよい。トリガ(28)が内側チューブ(34)と結合され得る他の好適な方式が、当業者には本明細書の教示を鑑みれば明らかとなろう。
【0016】
図2〜3Bに示されるように、エンドエフェクタ(40)は、超音波ブレード(42)と、枢動クランプアーム(44)と、を含む。クランプアーム(44)は、超音波ブレード(42)に面するクランプパッド(46)を含む。クランプアーム(44)は、ピン(33)により、超音波ブレード(42)の上で、シャフトアセンブリ(30)の外側シース(32)の遠位端と枢動可能に連結される。内側チューブ(34)の遠位端は、超音波ブレード(42)の下で、別のピン(35)により、クランプアーム(44)の近位端と枢動可能に連結される。したがって、内側チューブ(34)の、外側シース(32)に対する長手方向並進運動により、クランプアーム(44)がピン(33)を中心にして超音波ブレード(42)に向かって、又はここから離れるように、枢動し、これによって、クランプパッド(46)と超音波ブレード(42)との間の組織がクランプされて、組織が横切られる及び/又は封止される。特に、
図3A〜3Bへの遷移に見られるように、内側チューブ(34)の、外側シース(32)、及びハンドルアセンブリ(20)に対する長手方向近位への並進運動により、クランプアーム(44)が超音波ブレード(42)に向かって枢動する。内側チューブ(34)の、外側シース(32)及びハンドルアセンブリ(20)に対する長手方向遠位への並進運動により、クランプアーム(44)が超音波ブレード(42)から離れるように枢動する。したがって、ピストルグリップ(24)に向かってトリガ(28)を旋回すると、クランプアーム(44)が超音波ブレード(42)に向かって枢動すること、及びピストルグリップ(24)から離れるようにトリガ(28)を枢動すると、クランプアーム(44)が超音波ブレード(42)から離れるように枢動することが理解されるべきである。
【0017】
超音波トランスデューサアセンブリ(12)は、ハンドルアセンブリ(20)の本体(22)から近位に延在する。トランスデューサアセンブリ(12)は、ケーブル(14)を介して発電機(16)に連結される。トランスデューサアセンブリ(12)は、発電機(16)から電力を受電し、圧電原理によってその電力を超音波振動に変換する。発電機(16)は、電源、及びトランスデューサアセンブリ(12)による超音波振動の生成に特に適したトランスデューサアセンブリ(12)に電力プロファイルを提供するように構成された制御モジュールを含み得る。一例にすぎないが、発電機(16)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により販売されているGEN300を備えることができる。追加的にあるいは代替的に、発電機(16)はその開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2011年4月14日公開の「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」という名称の、米国特許出願公開2011/0087212号の教示の少なくとも一部に従って、構築され得る。また、発電機(16)の機能性の少なくとも一部をハンドルアセンブリ(20)に組み込むことができ、ハンドルアセンブリ(20)はケーブル(14)を省略するように更に電池又は他の搭載された電源を含むこともまたできると理解されたい。なお、発電機(16)が有することができる他の好適な形態、及び発電機(16)が提供することができる種々の特徴部並びに動作性は、本明細書の教示を考慮すれば、当業者には明らかとなるであろう。
【0018】
トランスデューサアセンブリ(12)によって生成される超音波振動は、シャフトアセンブリ(30)を通じて延在して超音波ブレード(42)に到達する音響導波管(38)に沿って伝達される。導波管(38)は、導波管(38)及びシャフトアセンブリ(30)を貫通するピン(図示されない)によってシャフトアセンブリ(30)内に固定される。このピンは、導波管(38)の長さに沿った、導波管(38)を通って伝達される共振超音波振動に関連するノードに対応する位置に、位置する。上で述べたように、超音波ブレード(42)が作動状態にある(すなわち、超音波により振動している)とき、超音波ブレード(42)は、特にクランプパッド(46)と超音波ブレード(42)との間に組織がクランプされている場合に、組織を効果的に切開して封着するように動作可能である。導波管(38)は、導波管(38)を通じて伝達される機械的振動を増幅するように構成することができると理解されたい。更に、導波管(38)は、縦振動の利得を導波管(38)に沿って制御するように動作可能な機構、及び/又は導波管(38)をシステムの共振周波数に同調させる機構を含み得る。
【0019】
本実施例では、組織による負荷が音響アセンブリに加えられていないとき、好ましい共振周波数f
oに合わせて音響アセンブリを同調させるために、超音波ブレード(42)の遠位端は、導波管(38)を通じて伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに対応する位置に位置する。トランスデューサアセンブリ(12)が通電されると、超音波ブレード(42)の遠位端部は、例えば55.5kHzの規定振動周波数f
oにおいて、約10〜500マイクロメートルの範囲の最大振幅で、場合によっては約20〜約200マイクロメートルの範囲で、長手方向に移動するように構成される。本実施例のトランスデューサアセンブリ(12)が作動すると、これらの機械的振動が導波管を通じて超音波ブレード(102)に伝達され、それによって共振超音波周波数の超音波ブレード(102)の振動を提供する。かくして、組織が超音波ブレード(42)とクランプパッド(46)との間に固定されるとき、超音波ブレード(42)の超音波振動が組織を切断すると同時に隣接組織細胞内のタンパク質を変性させることによって、比較的少量の熱分散による凝固効果を提供し得る。いくつかの変化形態では、組織を封止するために、超音波ブレード(42)及び/又はクランプパッド(46)を通じて更に電流を供給することができる。
【0020】
操作者は、ボタン(26)を作動させてトランスデューサアセンブリ(12)を選択的に作動させ、超音波ブレード(42)を作動させることができる。本実施例では、低電力で超音波ブレード(42)を作動させるボタンと、高電力で超音波ブレード(42)を作動させるボタンの、2つのボタン(26)が提供される。しかしながら、任意の他の好適な数のボタン及び/又は別の方法で選択可能な電力レベルが提供されてもよいことを理解されたい。例えば、トランスデューサアセンブリ(12)を選択的に作動させるために、フットペダルを提供してもよい。本実施例のボタン(26)は、操作者が片手で器具(10)を容易かつ完全に操作できるように位置付けられる。例えば、操作者は、ピストルグリップ(24)の周囲に親指を位置付け、トリガ(28)の周囲に中指、薬指、及び/又は小指を位置付け、人差し指を使ってボタン(26)を操作することができる。言うまでもなく、器具(10)をグリップする及び作動させるために、任意の他の好適な技術を用いることができ、また、ボタン(26)を任意の他の好適な位置に位置決めすることができる。
【0021】
器具(10)の前述の構成要素及び動作性はあくまで例示である。器具(10)は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう様々な他の方法で構成することができる。単なる例として、器具(10)の少なくとも一部は、その開示内容の全てが参照により本明細書に組み込まれる次の特許文献のいずれかの教示の少なくともいくつかに従って構築されてもよい及び/又は操作可能であってもよい:米国特許第5,322,055号、同第5,873,873号、同第5,980,510号、同第6,325,811号、同第6,783,524号、米国特許出願公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2010/0069940号、同第2011/0015660号、同第2012/0112687号、同第2012/0116265号、同第2014/0005701号、及び/又は同第2014/0114334号。器具(10)の追加的な単に例示としての変化形態を以下でより詳細に説明する。以下に説明する変化形態は、とりわけ、上述した器具(10)及び本明細書に引用した参照のいずれかで言及される任意の器具にそのまま適用され得ることを理解されたい。
【0022】
B.開腹外科手術のための代表的な超音波外科用器具
図4は、開腹外科手術において使用するように構成される、代表的な超音波外科用器具(100)を例示する。本実施例の器具(100)は、ハンドルアセンブリ(120)と、シャフトアセンブリ(130)と、エンドエフェクタ(140)と、を備えている。ハンドルアセンブリ(120)は、ピストルグリップ(124)と、一対のボタン(126)とを含む本体(122)を備えている。器具(100)は、本体(122)に向かって、また本体(22)から離れる方向に枢軸旋回可能なクランプアームアセンブリ(150)を更に含む。クランプアーム(150)は、親指グリップリング(154)を備えるシャンク(152)を含む。親指グリップリング(154)及び指グリップリング(124)は、一緒になって鋏グリップ型構造を提供する。しかしながら、ピストルグリップ構造を含むがこれに限定されない様々な他の好適な構造が使用可能であることを理解されたい。
【0023】
シャフトアセンブリ(130)は、本体(122)から遠位方向に延びる外側シース(132)を含む。キャップ(134)が、外部シャフト(132)の遠位端に固定されている。
図5〜6Bに示されるように、エンドエフェクタ(140)は、超音波ブレード(142)と、クランプアーム(144)と、を含む。ブレード(142)がキャップ(134)から遠位方向に延びている。クランプアーム(144)は、クランプアームアセンブリ(150)の一体型の機構である。クランプアーム(144)は、超音波ブレード(142)に面するクランプパッド(146)を含む。クランプアーム(150)は、ピン(156)にて外側シース(132)と枢動可能に連結される。クランプ(144)は、ピン(156)の遠位に位置付けられ、一方でシャンク(152)及び親指グリップリング(154)がピン(156)の近位に位置付けられる。したがって、
図6A〜6Bに示されるように、クランプアーム(144)は、親指グリップリング(154)の、ハンドルアセンブリ(120)の本体(122)に向かう、及びここから離れる枢動に基づいて、超音波ブレード(142)に向かって、及びここから離れるように枢動可能である。操作者は親指グリップリング(154)を本体(122)に向けて引き、これによりクランプパッド(146)と超音波ブレード(142)との間の組織をクランプし、組織を横切る及び/又は封止し得ることが理解されるべきである。いくつかの変化形態では、クランプアーム(144)を
図6Aに示す開放位置に付勢するために、1つ又は2つ以上の弾性部材が使用される。単なる例として、そのような弾性部材は、板ばね、ねじりばね、及び/又は任意の他の好適な種類の弾性部材を含み得る。
【0024】
図4を参照し、超音波トランスデューサアセンブリ(112)は、ハンドルアセンブリ(120)の本体(122)から近位方向に延びる。トランスデューサアセンブリ(112)は、ケーブル(114)を介して発電機(116)に連結される。トランスデューサアセンブリ(112)は、発電機(116)から電力を受電し、圧電原理によってその電力を超音波振動に変換する。発電機(116)は、電源、及びトランスデューサアセンブリ(112)による超音波振動の生成に特に適したトランスデューサアセンブリ(112)に電力プロファイルを提供するように構成された制御モジュールを含み得る。一例にすぎないが、発電機(116)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により販売されているGEN300を備えることができる。追加的にあるいは代替的に、発電機(116)はその開示内容を参照により本明細書に援用する、米国特許出願公開第2011/0087212号、発明の名称「超音波及び電気手術装置のための外科用発電機」(Surgical Generator for Ultrasonic and Electsurgical Devices)(2011年4月14日公開)の教示の少なくともいくつかに従って構築されてもよい。また、発電機(116)の機能性の少なくとも一部をハンドルアセンブリ(120)に組み込むことができ、ハンドルアセンブリ(120)はケーブル(114)を省略するように更に電池又は他の搭載された電源を含むこともまたできると理解されたい。なお、発電機(116)が有することができる他の好適な形態、及び発電機(116)が提供することができる種々の特徴部並びに動作性は、本明細書の教示を考慮すれば、当業者には明らかとなるであろう。
【0025】
トランスデューサアセンブリ(112)によって生成される超音波振動は、シャフトアセンブリ(130)を通じて延在して超音波ブレード(142)に到達する音響導波管(138)に沿って伝達される。導波管(138)は、導波管(138)及びシャフトアセンブリ(130)を貫通するピン(図示されない)によってシャフトアセンブリ(130)内に固定される。このピンは、導波管(138)の長さに沿った、導波管(138)を通って伝達される共振超音波振動に関連するノードに対応する位置に、位置する。上で述べたように、超音波ブレード(142)が作動状態にある(すなわち、超音波により振動している)とき、超音波ブレード(142)は、特にクランプパッド(146)と超音波ブレード(142)との間に組織がクランプされている場合に、組織を効果的に切開して封着するように動作可能である。導波管(138)は、導波管(138)を通じて伝達される機械的振動を増幅するように構成することができると理解されたい。更に、導波管(138)は、縦振動の利得を導波管(138)に沿って制御するように動作可能な機構、及び/又は導波管(138)をシステムの共振周波数に同調させる機構を含み得る。
【0026】
本実施例では、組織による負荷が音響アセンブリに加えられていないとき、好ましい共振周波数f
oに合わせて音響アセンブリを同調させるために、超音波ブレード(142)の遠位端は、導波管(138)を通じて伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに対応する位置に位置する。トランスデューサアセンブリ(112)が通電されると、超音波ブレード(142)の遠位端は、例えば55.5kHzの規定振動周波数f
oにおいて、約10〜500マイクロメートルの範囲の最大振幅で、場合によっては約20〜約200マイクロメートルの範囲で、長手方向に移動するように構成される。本実施例のトランスデューサアセンブリ(112)が作動すると、これらの機械的振動が導波管を通じて超音波ブレード(102)に伝達され、それによって共振超音波周波数の超音波ブレード(102)の振動を提供する。かくして、組織が超音波ブレード(142)とクランプパッド(46)との間に固定されるとき、超音波ブレード(142)の超音波振動が組織を切断すると同時に隣接組織細胞内のタンパク質を変性させることによって、比較的少量の熱分散による凝固効果を提供し得る。いくつかの変化形態では、組織を封止するために、超音波ブレード(142)及び/又はクランプパッド(146)を通じて更に電流を供給することができる。
【0027】
操作者は、ボタン(126)を作動させてトランスデューサアセンブリ(112)を選択的に作動させ、超音波ブレード(142)を作動させることができる。本実施例では、低電力で超音波ブレード(142)を作動させるボタンと、高電力で超音波ブレード(142)を作動させるボタンの、2つのボタン(126)が提供される。しかしながら、任意の他の好適な数のボタン及び/又は別の方法で選択可能な電力レベルが提供されてもよいことを理解されたい。例えば、トランスデューサアセンブリ(112)を選択的に作動させるために、フットペダルを提供してもよい。本実施例のボタン(126)は、操作者が片手で器具(100)を容易かつ完全に操作できるように位置付けられる。例えば、操作者は、ピストルグリップリング(154)に親指を位置付け、指グリップリング(124)に薬指を位置付け、中指を本体(122)の周囲に位置付け、人差し指を使ってボタン(126)を操作することができる。言うまでもなく、器具(100)をグリップする及び作動させるために、任意の他の好適な技術を用いることができ、また、ボタン(126)を任意の他の好適な位置に位置決めすることができる。
【0028】
器具(100)の前述の構成要素及び動作性はあくまで例示である。器具(100)は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう様々な他の方法で構成することができる。単なる例として、器具(100)の少なくとも一部は、その開示内容の全てが参照により本明細書に組み込まれる次の特許文献のいずれかの教示の少なくともいくつかに従って構築されてもよい及び/又は操作可能であってもよい:米国特許第5,322,055号、同第5,873,873号、同第5,980,510号、同第6,325,811号、同第6,783,524号、米国特許出願公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2010/0069940号、同第2011/0015660号、同第2012/0112687号、同第2012/0116265号、同第2014/0005701号、同第2014/0114334号、及び/又は、米国特許出願第14/031,665号。器具(100)の追加的な単に例示としての変化形態を以下でより詳細に説明する。以下に説明する変化形態は、とりわけ、上述した器具(100)及び本明細書に引用した参照のいずれかで言及される任意の器具にそのまま適用され得ることを理解されたい。
【0029】
II.超音波外科用器具において熱管理をもたらすための代表的な特徴
いくつかの場合において、外科手術中、器具(10、100)を長期にわたって操作する際に、器具(10、100)の1つ以上の区域が、加熱することがある。単に例として、ブレード(42、142)、クランプアーム(44、144)、及び/又は器具(10、100)の他の部分は、一定時間後に最終的に加熱することがある。このような加熱は、摩擦及び/又は他の要因によって生じることがある。器具(10、100)の1つの特定の構成要素(例えば、ブレード(42、142)、又はクランプアーム(44、144)など)において熱が最初に生じる限り、このような熱が、器具(10、100)の他の部分に次第に伝搬することがある。器具(10、100)の加熱された部分が加熱されるべきでない組織に接するのを防ぐために、このような加熱を最小化する、及び/又は別の方法により管理することが望ましい場合がある。例えば、操作者は、操作者がエンドエフェクタ(40、140)を使用して押し広げる鈍的解剖、及び/又は単純な組織の把持などを行うことを所望する際に、エンドエフェクタ(40、140)が比較的低音であることを所望することがある。器具(10、100)の大きさ、又は操作性を著しく増加させることなく、熱を最小化する、及び/又は別の方法で管理することが望ましい場合がある。加熱を最小化する、及び/又は別の方法で管理する方法のいくつかの例が、以下により詳細に記載されるが、本明細書に教示に鑑みれば、当業者には、他の実施例も明らかである。
【0030】
以下に記載される実施例に加えて、器具(10、100)の1つ以上の部分が、断熱材又はバリアコーティング(非常に低い熱伝導性を有する断熱材、又はバリア材料の薄いコーティング)を含む場合があることが理解されるべきである。断熱材、又はバリアコーティングの例は、アクリル樹脂懸濁液内のナノ複合材料(例えば、ヒドロ−NM−オキシド)である。このようなコーティングの例は、Naples,FloridaのIndustrial Nanotech,Inc.によるNANSULATE(登録商標)コーティングである。断熱材又はバリアコーティングの追加的な単に代表としての例には、Mason,OhioのEllison Surface Technologies,Inc.によるEST1711、Mason,OhioのEllison Surface Technologies,Inc.によるEST1732、Mason,OhioのEllison Surface Technologies,Inc.によるEST3030、Mason,OhioのEllison Surface Technologies,Inc.によるEST1711+EST3030、Dayton,OhioのTechmetals,Inc.によるOxytech V、Alumina Titania、Zirconium Oxide、Aluminum Oxide、及び/又はこれらの組合せを含む、様々な他の種類のコーティングが含まれる。
【0031】
断熱材、又はバリアコーティングは、組織、クランプアーム(44、144)、クランプパッド(46、146)、外側シース(32、132)、キャップ(134)などと接触することを意図されない、ブレード(42、142)の区域など、器具(10、100)の様々な外側表面に適用されてもよい。加えて、又は代替的に、このようなコーティングは、発電機(16、116)、トランスデューサアセンブリ(12、112)、内部電子構成要素など、器具(10、100)の様々な内面に適用されてもよい。熱バリア、又は断熱をもたらすことに加えて、このようなコーティングは、腐食バリア、防火などの機能を果たすことがある。器具(10、100)のバリエーションに追加されるか、ないしは別の方法で組み込まれる様々な構成要素を含む以下の実施例において、コーティングはまた、このような構成要素の1つ以上の区域に適用されてもよい。熱コーティングが器具(10、100)に組み込まれ得る他の好適な方法、及びそのバリエーションは、当業者には本明細書の教示を考慮すると明らかであろう。
【0032】
以下に記載される実施例のいずれかが、1つの特定の種類の器具(10、又は100)のバリエーションの関連において図示及び記載される限り、他の種類の器具(10、又は100)に同じ教示が容易に適用できることが理解されるべきである。以下に記載される各実施例はしたがって、器具(10)又は器具(100)のいずれかに対してのみ適用性を有するものとしてみなされるべきではない。更に、以下の教示は、器具(10、100)のバリエーションのみでなく、他の種類の器具にも容易に適用できることが想到される。
【0033】
以下でより詳細に記載されるように、1つ以上の遮蔽機構を使用して、器具(10、100)の高温部分と、組織(又は他の機構)との間の直接的な接触を避けることができる。器具(10、100)の高温部分からの熱と、遮蔽機構との間の連絡を避けるか、又は最小化するために、遮蔽機構と対応する器具(10、100)の高温部分との間に空隙が画定されてもよい。このような空隙は、液体、空気若しくは他の気体、固体断熱材料、及び/又はこれらの組合せを含む他の好適な種類の充填剤によって充填されてもよい。非平坦化表面、溝、窪み、突出部、突起、刻み部、ハニカム構造などを含むがこれに限定されない、様々な種類の構造的特徴が、器具(10、100)の高温部と、遮蔽機構との間に組み込まれてもよいことが理解されるべきである。このような構造的特徴は、器具(10、100)、及び遮蔽機構の高温部からの熱の伝達を最小化し得る。同様に、遮蔽機構(及び/又は器具(10、100)の高温機構)は、遮蔽機構(又は高温機構)からの、隣接する組織などへの熱の伝達を最小化するために、非平坦化表面、溝、窪み、突出部、突起、刻み部、ハニカム構造などの、外側表面機構を含んでもよい。遮蔽機構の様々な、単に例示としての実施例が、以下により詳細に記載される。本明細書の教示を考慮することで、その他好適な例が当業者に明らかになるであろう。
【0034】
以下に記載されるシールドのいずれかが、温度感受性材料を含むことが理解されるべきである。例えば、このような温度感受性材料は、温度変化に反応して、変色する、及び/又は別の方法で外観が変化するように構成され得る。このような実施例において、シールドは、シールドに隣接するブレード(42、142)の温度が上昇するに伴って変色し得る。このシールドはしたがって、ブレード(42、142)の熱状態、及び/又はエンドエフェクタ(40、140)の残部の視覚的指標を操作者にもたらすことができる。本明細書の教示を考慮することで、このような特性をもたらすために使用できる様々な好適な材料が当業者に明らかとなるであろう。単に例として、このような材料は、Huntsman RenShape 7820を含むことがある。
【0035】
いくつかの形態において、以下に記載されるシールドの1つ以上が、ポリベンゾイミダゾール−ポリエーテルケトンケトン(PBI−PEKK)を含む。別の単に例示としての実施例として、以下に記載されるシールドの1つ以上が、ペルフルオロアルコキシ(PFA)を含むことがある。加えて、又は代替的に、本明細書に記載されるシールドのいずれかが、ガラス充填PFA、TORLONなどのポリアミドイミド(PAI)、EXTEMなどの熱可塑性ポリイミド(TPI)、ULTEMなどのポリエーテルイミド(PEI)、炭素充填PEI、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ガラス充填ポリアリルエーテルケトン(PAEK)、DSM Somos ProtoTherm 12120及び/又はDSM Somos NanoToolを含み得る。本明細書の教示を考慮することで、以下に記載されるシールドを形成するために使用され得る、更に他の好適な材料が当業者に明らかとなるであろう。同様に、シールドを形成する様々な好適な方法(例えば、射出成形、SLAなど)が本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0036】
A.代表的な長手方向並進ブレードシールド
図7A〜8は、並進熱シールド(560)を含む、代表的な器具(500)の遠位部を示す。この例の器具(500)は、上記の器具(100)と実質的に同様である。特に、この実施例の器具(500)は、シャフトアセンブリ(530)、クランプアームアセンブリ(550)、超音波ブレード(542)、及び導波管(538)を含む。シャフトアセンブリ(530)は、外側シース(32)、及び熱シールド(560)を含む。クランプアームアセンブリ(550)は、シャンク(552)、及びクランプパッド(546)を備えるクランプアーム(544)を含む。クランプアームアセンブリ(550)は、ピン(556)により外側シース(532)と枢動可能に連結されている。したがって、
図7A〜7Bに示されるように、クランプアーム(544)は、シャンク(552)の、シャフトアセンブリ(530)に向かう、及びここから離れる枢動に基づいて、超音波ブレード(542)に向かって、及びここから離れるように枢動可能である。シャンク(552)のシャフトアセンブリ(530)に対する枢動運動を促進するために、リング(124、154)と同様の、把持機構が設けられてもよいことが理解されるべきである。
【0037】
この実施例の器具(500)は、枢動リンク(570)を更に含む。枢動リンク(570)の一端が、一般的にピン(556)の近位に位置する、ピン(572)によって、シャンク(552)と枢動可能に連結されている。枢動リンク(570)の他端は、ピン(574)によって熱シールド(560)と枢動可能に連結されている。枢動リンク(570)は、
図7Bに示されるように、シャンク(552)が、シャフトアセンブリ(530)から離れるように枢動するときに、熱シールド(560)を遠位方向に駆動するように動作可能であり、
図7Aに示されるように、シャンク(552)がシャフトアセンブリ(530)へと枢動するときに、シールド(560)を近位方向に後退させることが理解されるべきである。
図8に最も良く見られるように、熱シールド(560)は、熱シールド(560)の内面と、超音波ブレード(542)の外面との間に空隙(580)を画定するように構成される。空隙(580)は、熱が超音波ブレード(542)から熱シールド(560)へと伝達されるのを防ぐ。熱シールド(560)はしたがって、超音波ブレード(542)が加熱しても、器具(500)の動作中に実質的に低温のままである。
図7Bに示されるように、エンドエフェクタ(540)が開放構成にあるときに、超音波ブレード(542)の一部を被覆することにより、加熱シールド(560)はまた、組織が超音波ブレード(542)の実質的な部分に直接接触するのを防ぐ。
【0038】
本実施例において、熱シールド(560)は、超音波ブレード(542)の一部のみを被覆する。熱シールド(560)は、
図7Bで示されるように被覆されるよりも、超音波ブレード(542)を多く、又は少なく被覆するように構成されてもよいことが理解される。導波管(538)、ブレード(542)、シース(532)、及び/又は器具(500)の他のいくつかの部分は、熱シールド(560)が近位部分と遠位部分との間で移動する際に、熱シールド(560)に支持及び案内をもたらす、1つ以上のレール、及び/又は他の構造機構を含み得る。この支持/案内構造は、空隙(580)の大きさ及び/又は間隔を実質的に維持し得る。更に、本実施例の空隙(580)内に空気が位置付けられているが、任意の好適な物質又は材料が空隙(580)内に位置付けられてもよいことが理解されるべきである。単に例として、本明細書における教示に従い、超音波ブレード(542)の冷却を補助するため、冷却流体を充填された吸収性パッドが空隙(580)内に位置付けられてもよい。加えて、又は代替的に、超音波ブレード(542)の表面から、いずれかの手術時の細片(例えば、凝固血液など)を除去するのを補助するために、空隙(580)内に払拭構造が設けられてもよい。いくつかのバリエーションにおいて、シャフトアセンブリ(530)は、熱シールド(560)とブレード(542)との間で同軸上に位置付けられたコレット機構を含む。いくつかの、このような形態において、コレット機構は、コレット機構がブレード(542)と接触しない、拡張構成をとるように弾性的に付勢される。熱シールド(560)が遠位方向に駆動されると、熱シールドはコレットのテーパ状部分と係合し、コレットを内側に変形させてブレード(542)と係合させる。コレットがブレードと接触するとき、コレットはヒートシンクとして機能し、したがってブレード(542)から熱を除去する。除去された熱は更に、シャフトアセンブリ(530)に伝達され得る。本明細書の教示を考慮することで、更に他の好適なバリエーションが当業者に明らかになるであろう。
【0039】
B.代表的な横方向に偏倚するブレードシールド
図9A〜9Bは、上記に述べたエンドエフェクタ(40)の代わりに使用することができる代表的な別のエンドエフェクタ(640)を示している。この例のエンドエフェクタ(640)は、上記エンドエフェクタ(40)と実質的に同様である。エンドエフェクタ(640)は、超音波ブレード(642)と、クランプパッド(646)を備える枢動クランプアーム(644)と、を含む。シャフトアセンブリ(630)は実質的に上述のシャフトアセンブリ(30)と同様である。特に、シャフトアセンブリ(630)は、外側シース(632)、及び内側チューブ(634)を含む。クランプアーム(644)は、外側シース(632)及び内側チューブ(634)と枢動可能に連結され、これによりクランプアーム(644)が、内側チューブ(634)の外側シース(632)に対する並進運動に反応して、ブレード(642)に向かって(
図9B)、又はここから離れるように(
図9A)枢動する。
【0040】
この実施例のエンドエフェクタ(640)は、ブレードシールド(660)を更に含む。ブレードシールド(660)の近位端は、内側チューブ(634)に固定されている。シールド(660)は、
図9Aに示されるようにエンドエフェクタ(640)が開放構成にあるときに、クランプアーム(644)の壷金(648)の周囲で曲がり、ブレード(642)の湾曲を補完するような外形である。いくつかの形態において、
図9Aに示されるようにエンドエフェクタ(640)が開放構成にあるときに、シールド(660)がブレード(642)と接触する。
図9Bに示されるように、エンドエフェクタ(640)が閉鎖構成へと遷移するとき、壷金(648)は、シールド(660)を、ブレード(642)から離れるように外側に駆動する。本実施例において、シールド(660)は、弾性材料(例えば、金属など)を含み、これによりエンドエフェクタ(640)が開放構成に戻るときに、シールド(660)がブレード(642)へと戻る。当業者は、
図9A〜9Bを見ればすぐに、クランプアーム(644)がブレード(642)に向かって、及びここから離れるように移動する際に、クランプアーム(644)が第1平面に沿って移動し、一方で、シールド(660)がブレード(642)の方向に、及びここから離れるように移動する際にシールド(660)が、第1平面に対して横方向である第2平面に沿って移動することを、理解する。あるいは、これらの対応する移動平面は、他の任意の好適な関係を有し得る。
【0041】
図10は、他の形態ではエンドエフェクタ(640)と同一であるエンドエフェクタ(670)が一対のシールド(680、682)を含む、更なる代表的なバリエーションを示す。本実施例のシールド(680、682)は、実質的にシールド(660)と同様であるが、ただし、本実施例のシールド(680、682)は、ブレード(672)の横方向両側にあり、ブレード(672)を完全に包む。シールド(680、682)は、エンドエフェクタ(670)が開放構成にあるときに、ブレード(672)の遠位に位置付けられるシーム(684)で合わさる。エンドエフェクタ(670)が閉じているとき、シールド(680、682)は、ブレード(672)から離れるように外側に偏倚し、互いに離間してもよい。本実施例において、シールド(660、680、682)は組織と、ブレード(642)の少なくとも一部との間の直接接触を防ぐ、シールドとして機能する。加えて、又は代替的に、シールド(660、680、682)は、ブレード(642、672)から熱を除去するヒートシンクとして機能し得る。シールド(660、680、682)が、冷却流体を充填させた吸収性パッドを含んでもよいことが理解されるべきである。このようなパッドは、エンドエフェクタ(640、670)が開放構成にあるときに、ブレード(642、672)と接触し、よって上記の教示に従ってブレード(640、672)を冷却し得る。更に別の単に例示としてのバリエーションとして、シールド(660、680、682)は、シールド(660、680、682)の長さの少なくとも一部に沿って延びるシリコンチューブを含み得る。以下でより詳細に記載されるように、このようなシリコンチューブは、ブレード(642、672)による組織の切断/封止中に放出される蒸気柱、及び/又は手術部位からの他の流体を捕捉してもよい。このような捕捉された蒸気柱、及び/又は手術部位からの他の流体は、シールド(660、680、682)、及び/又はブレード(642)の冷却を補助し得る。本明細書の教示を考慮することで、その他の好適な変更例が当業者に明らかになるであろう。
【0042】
C.代表的な静止ブレードシールド
図11〜13は、エンドエフェクタ(740)のブレード(742)に適合させた代表的なブレードシールド(700)を表す。この例の外側チューブ(740)は、上記エンドエフェクタ(40)と実質的に同様である。本実施例のシールド(700)は、断熱材から形成されている。単に例として、シールド(700)は、シリコーン、グラフェン、黒鉛、及び/又は他の任意の好適な材料を含み得る。この例のエンドエフェクタ(740)は、上記エンドエフェクタ(40)と実質的に同様である。エンドエフェクタ(740)は、超音波ブレード(742)と、クランプパッド(746)を備える枢動クランプアーム(744)と、を含む。シャフトアセンブリ(730)は実質的に上述のシャフトアセンブリ(30)と同様である。特に、シャフトアセンブリ(730)は、外側シース(732)、及び内側チューブ(734)を含む。クランプアーム(744)は、外側シース(732)及び内側チューブ(734)と枢動可能に連結され、これによりクランプアーム(744)が、内側チューブ(734)の外側シース(732)に対する並進運動に反応して、ブレード(742)に向かって、又はここから離れるように枢動する。本実施例において、シールド(700)の近位端は、シールド(700)が圧力/摩擦により適所に保持されるように、ブレード(742)の近位端と、内側チューブ(734)の遠位端との間で圧迫される。あるいは、シールド(700)は、ブッシングにより、内側チューブ(734)のネッキングにより、内側チューブ(734)のクリンピングにより、接着剤により、及び/又は、本明細書における教示を鑑みることにより当業者には明白である、他の任意の好適な構造/技術を使用して、固定され得る。
【0043】
図示されるように、本実施例のシールド(700)は、ブレード(742)の周囲ぴったりと適合し、ブレード(742)の遠位先端部(702)を被覆する。したがって、シールド(700)は、露出するブレード(742)のクランプ区域(706)を残す、開口部(704)を含む。したがって、クランプアーム(744)がブレード(742)に向かって枢動すると、クランプパッド(746)と、ブレード(742)(丁度上述のブレード(42)と同様)のクランプ区域(706)との間で圧迫される組織を更に切断及び封止する。しかしながら、シールド(700)は、ブレード(742)の残部が、組織と直接接触するのを防ぐ。シールド(700)はしたがって、エンドエフェクタ(740)を長期にわたって使用することにより、ブレード(742)が高温になったときに、組織を意図せずして損傷するのを防ぐことができる。いくつかのバリエーションにおいて、シールド(700)とブレード(742)との間に空隙が画定される。このような空隙は、手術部位から蒸気及び/又は流体を受容することができる。このような蒸気及び/又は流体は、ブレード(742)の冷却を補助し得る。本実施例のシールド(700)が、ブレード(742)の遠位先端部(702)を被覆するが、シールド(700)は代わりに、遠位先端部(702)に対する、任意の他の好適な位置において、遠位方向で終わってもよいことが理解されるべきである。例えば、シールド(700)は、ブレード(742)の長手方向中央区域の近位のいずれかの場所で、又はブレード(742)の長手方向中央区域の遠位のいずれかの場所で、遠位方向で終わっていることがある。別の単に例示としてバリエーションにおいて、シールド(700)は、ブレード(742)の遠位区域、又は更にブレード(742)の全長を選択的に露出するように、選択的に後退可能であり得る。シールド(700)が選択的に後退及び前進し得る、様々な好適な方法は、本明細書の教示を考慮した当業者に明らかであろう。
【0044】
図14〜16は、エンドエフェクタ(840)のブレード(842)に適合させた別の代表的なブレードシールド(800)を表す。本実施例のシールド(800)は、断熱材から形成されている。単に例として、シールド(800)は、シリコーン、グラフェン、黒鉛、及び/又は他の任意の好適な材料を含み得る。この例のエンドエフェクタ(840)は、上記エンドエフェクタ(140)と実質的に同様である。エンドエフェクタ(840)は、超音波ブレード(842)と、クランプパッド(846)を備える枢動クランプアーム(844)と、を含む。シャフトアセンブリ(830)は実質的に上述のシャフトアセンブリ(130)と同様である。特に、シャフトアセンブリ(830)は、外側シース(832)、及びキャップ(834)を含む。クランプアーム(844)はシャンク(852)と一体であり、この組合せは外側シース(832)と枢動可能に連結されており、これにより、シャンク(852)のシャフトアセンブリ(830)に対する枢動運動に反応して、クランプアーム(844)がブレード(842)に向かって、及びここから離れるように枢動する。発電器(800)は、上記のように、シールド(700)と同様に、かつ/又は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなる、他の任意の好適な構造/技術により、定置に保持され得る。
【0045】
図示されるように、本実施例のシールド(800)は、ブレード(842)の周囲ぴったりと適合し、ブレード(842)の遠位先端部(802)を被覆する。したがって、シールド(800)は、露出するブレード(842)のクランプ領域(806)を残す、開口部(804)を含む。したがって、クランプアーム(844)がブレード(842)に向かって枢動すると、クランプパッド(846)と、ブレード(842)(丁度上述のブレード(42)と同様)のクランプ区域(806)との間で圧迫される組織を更に切断及び封止する。しかしながら、シールド(800)は、ブレード(842)の残部が、組織と直接接触するのを防ぐ。シールド(800)はしたがって、エンドエフェクタ(840)を長期にわたって使用することにより、ブレード(842)が高温になったときに、組織を意図せずして損傷するのを防ぐことができる。いくつかのバリエーションにおいて、シールド(800)とブレード(842)との間に空隙が画定される。このような空隙は、手術部位から蒸気及び/又は流体を受容することができる。このような蒸気及び/又は流体は、ブレード(842)の冷却を補助し得る。本実施例のシールド(800)が、ブレード(842)の遠位先端部(802)を被覆するが、シールド(800)は代わりに、遠位先端部(802)に対する、任意の他の好適な位置において、遠位方向で終わってもよいことが理解されるべきである。例えば、シールド(800)は、ブレード(842)の長手方向中央区域の近位のいずれかの場所で、又はブレード(842)の長手方向中央区域の遠位のいずれかの場所で、遠位方向で終わっていることがある。別の単に例示としてバリエーションにおいて、シールド(800)は、ブレード(842)の遠位区域、又は更にブレード(842)の全長を選択的に露出するように、選択的に後退可能であり得る。シールド(800)が選択的に後退及び前進し得る、様々な好適な方法は、本明細書の教示を考慮した当業者に明らかであろう。
【0046】
図17は、エンドエフェクタ(940)のブレード(942)に適合させた別の代表的なブレードシールド(900)を表す。本実施例のシールド(900)は、断熱材から形成されている。単に例として、シールド(900)は、シリコーン、グラフェン、黒鉛、及び/又は他の任意の好適な材料を含み得る。この例のエンドエフェクタ(940)は、上記エンドエフェクタ(40)と実質的に同様である。エンドエフェクタ(940)は、超音波ブレード(942)と、クランプパッド(946)を備える枢動クランプアーム(944)と、を含む。シャフトアセンブリ(930)は実質的に上述のシャフトアセンブリ(30)と同様である。特に、シャフトアセンブリ(930)は、外側シース(932)、及び内側チューブ(934)を含む。クランプアーム(944)は、外側シース(932)及び内側チューブ(934)と枢動可能に連結され、これによりクランプアーム(944)が、内側チューブ(934)の外側シース(932)に対する並進運動に反応して、ブレード(942)に向かって、又はここから離れるように枢動する。シールド(900)は、上記のように、シールド(700)と同様に、かつ/又は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなる、他の任意の好適な構造/技術により、定置に保持され得る。
【0047】
図示されるように、本実施例のシールド(900)は、ブレード(942)の周囲ぴったりと適合し、ブレード(942)の遠位先端部(902)を被覆する。したがって、シールド(900)は、露出するブレード(942)のクランプ区域(906)を残す、開口部(904)を含む。したがって、クランプアーム(944)がブレード(942)に向かって枢動すると、クランプパッド(946)と、ブレード(942)(丁度上述のブレード(42)と同様)のクランプ区域(906)との間で圧迫される組織を更に切断及び封止する。しかしながら、シールド(900)は、ブレード(942)の残部が、組織と直接接触するのを防ぐ。シールド(900)はしたがって、エンドエフェクタ(940)を長期にわたって使用することにより、ブレード(942)が高温になったときに、組織を意図せずして損傷するのを防ぐことができる。いくつかのバリエーションにおいて、シールド(900)とブレード(942)との間に空隙が画定される。このような空隙は、手術部位から蒸気及び/又は流体を受容することができる。このような蒸気及び/又は流体は、ブレード(942)の冷却を補助し得る。本実施例のシールド(900)が、ブレード(942)の遠位先端部(902)を被覆するが、シールド(900)は代わりに、遠位先端部(902)に対する、任意の他の好適な位置において、遠位方向で終わってもよいことが理解されるべきである。例えば、シールド(900)は、ブレード(942)の長手方向中央区域の近位のいずれかの場所で、又はブレード(942)の長手方向中央区域の遠位のいずれかの場所で、遠位方向で終わっていることがある。別の単に例示としてバリエーションにおいて、シールド(900)は、ブレード(942)の遠位区域、又は更にブレード(942)の全長を選択的に露出するように、選択的に後退可能であり得る。シールド(900)が選択的に後退及び前進し得る、様々な好適な方法は、本明細書の教示を考慮した当業者に明らかであろう。
【0048】
上記のシールド(700)とは異なり、本実施例のシールド(900)は、開口部(904)と隣接する一連の歯(905)を含む。歯(905)は、組織の把持を補助するように構成される。本実施例において、歯(905)は、ブレード(942)のクランプ区域(906)の頂面を超えて延び、それにより歯(905)が、ブレード(942)が組織と係合する前に、クランプパッド(946)とブレード(942)との間でクランプされた組織と係合する。歯(905)を形成する材料は、組織を貫通するか、引き裂くことがないように十分に柔軟であり、よって歯(905)は単純に、エンドエフェクタ(940)による組織の把持の向上をもたらす。シールドが歯を組み込み得る他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであろう。
【0049】
図18〜20は、超音波ブレード(1042)と連結される別の単なる例示的なシールド(1000)を示す。シールド(1000)、及びブレード(1042)は、上記のエンドエフェクタ(40)に容易に組み込むことができることが理解される。本実施例のシールド(1000)は、断熱材から形成されている。単に例として、シールド(1000)は、シリコーン、グラフェン、黒鉛、及び/又は他の任意の好適な材料を含み得る。シールド(1000)は、上記のように、シールド(700)と同様に、かつ/又は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなる、他の任意の好適な構造/技術により、定置に保持され得る。
【0050】
上記のシールド(700)とは異なり、本実施例のシールド(1000)は、ブレード(1042)の遠位先端部(1043)の近位で終わる。特に、シールド(1000)は、ブレード(1042)の長手方向中央区域の付近に位置付けられた、遠位終端部(1002)を含む。いくつかのバリエーションにおいて、遠位終端部(1002)は、ブレード(1042)の長手方向中央区域の近位のいずれかの位置、又はブレード(1042)の長手方向中央区域の遠位のいずれかの位置に、位置付けられる。別の単に例示としてバリエーションにおいて、シールド(1000)は、ブレード(1042)の遠位区域、又は更にブレード(1042)の全長を選択的に露出するように、選択的に後退可能であり得る。シールド(1000)が選択的に後退及び前進し得る、様々な好適な方法は、本明細書の教示を考慮した当業者に明らかであろう。ブレード(1042)の遠位区域を露出することにより、本実施例のシールドを使用することにより、ブレード(1042)は、後方切開(back-cutting)手術、点凝固など、及び/又はブレード(1042)の遠位区域が被覆される形態においては他の方法では不可能であり得るようなその他の手術を行うことが可能となる。
【0051】
またシールド(700)とは異なり、本実施例のシールド(1000)は、
図19に最も良く見られるように、ブレード(1042)の外形の周辺部全体にわたって延びる。換言すると、シールド(1000)は、開口部(704)のような、予め形成された開口部を有さない。しかしながら、ブレード(1042)が超音波により活性化される間に、クランプアーム(例えば、クランプアーム(44、744など)と同様)がブレード(1042)及びシールド(1000)の組合せに対して組織をクランプした後、シールド(1000)に対する動作は、
図20に示されるように最終的にシールドを破壊することがある。特に、このような破壊は、ブレード(1042)の組織クランピング区域(1045)を露出する、開口部(704)と同様の開口部(1004)を画定し得る。クランプアームは、本実施例において、組織クランピング区域(1045)に向かってクランピングすることが理解される。
【0052】
図21A〜21Bは、シールド(1000)の単に例示的なバリエーションを表す。特に、
図21A〜21Bは、穿孔されたスリット(1104)を有するシールド(1100)を示す。スリット(1104)は、ブレード(1142)の組織クランピング区域(1145)に隣接するように位置付けられる。本実施例のシールド(1100)は、断熱材から形成されている。単に例として、シールド(1100)は、シリコーン、グラフェン、黒鉛、及び/又は他の任意の好適な材料を含み得る。本実施例のシールド(1100)はまた、ブレード(1142)の遠位先端部の近位(例えば、ブレード(1142)の長手方向中央区域付近、ブレード(1142)の長手方向中央区域の近位のいずれかの場所、又はブレード(1142)の長手方向中央区域の遠位のいずれかの場所)で終わることがある。シールド(1100)はまた、ブレード(1042)に対して選択的に後退可能であり得る。
【0053】
図21Aに示されるように、クランプアーム(1144)がブレード(1142)から離れて位置付けられるときに、ブレード(1142)の周囲に緊密に適合する。しかしながら、
図21Bに示されるように、クランプアーム(1144)が枢動してブレード(1142)と係合すると、シールド(1000)がスリット(1104)で変形し、ブレード(1142)に沿って横方向に摺動し、ブレード(1142)の組織クランピング区域(1145)と接触するのを可能にする。特に、スリット(1104)付近の、シールド(1100)の縁部が外側に広がり、シールド(1000)がブレード(1142)に対して横方向に摺動するのを可能にする。ブレード(1142)及びシールド(1100)の使用中、組織は、クランプアーム(1144)とブレード(1142)との間に組み込まれ得るが、シールド(1100)はそれでも、
図21Bに示されるように後退し得ることが理解されるべきである。本実施例において、クランプアーム(1144)、及び/又はクランプアーム(1144)とブレード(1142)との間に挟まれた組織は、シールド(1100)の変形を生じる。いくつかの他の形態において、外側シース(32)、及び/又は内側チューブ(34)など、1つ以上の構成要素における、1つ以上の機構(例えば、カム表面、リッジ、ペグなど)が、シールド(1100)の変形を生じる。シールド(1100)が変形してブレード(1142)の組織クランピング区域(1145)を露出し得る、他の好適な方式が、当業者には本明細書の教示を鑑みれば明らかとなろう。
【0054】
図21Bにも示されるように、スリット(1104)においてシールド(1100)が変形する間に、シールド(1100)がブレード(1142)から横方向に摺動するときに、シールド(1100)の内部と、ブレード(1142)の外部との間に空隙(1110)が画定される。空隙(1110)は、ブレード(1142)による組織の切断/封止中に放出される蒸気柱、及び/又は手術部位からの他の流体を捕捉してもよい。このような捕捉された蒸気柱、及び/又は手術部位からの他の流体は、シールド(1100)、及び/又はブレード(1142)の冷却を補助し得る。加えて、又は代替的に、空隙(1110)は、冷却流体を伝搬するための経路(例えば、シールド(1100)、及びブレード(1142)の近位に位置する流体源から、など)を提供し得る。このような冷却流体を使用して、シールド(1100)、及び/又はブレード(1142)の冷却を更に補助することができる。いくつかの形態において、クランプアーム(1144)がブレード(1142)から離れるように枢動すると、シールド(1100)は、
図21Aに示される構成へと実質的に戻り、よって空隙(1110)が収縮するか、又は実質的に消える。当業者は、
図21A〜21Bを見ればすぐに、クランプアーム(1144)がブレード(1142)に向かって、及びここから離れるように移動する際に、クランプアーム(1144)が第1平面に沿って移動し、シールド(1100)がブレード(1142)に向かって、及びここから離れるように移動するに伴って、シールド(1100)もまた、同じ第1平面に沿って移動する。あるいは、これらの対応する移動平面は、他の任意の好適な関係を有し得る。
図21A〜21Bを見ると、本実施例において、クランプアーム(1144)の移動が、シールド(1100)を移動させることが理解される。クランプアームの移動がシールドを移動させる、他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであろう。
【0055】
図22は、シールド(1100)の単に例示的なバリエーションを示している。特に、
図22は、ブレード(1242)の組織クランピング区域(1245)と隣接するように位置付けられた、穿孔されたスリット(1204)を有する、シールド(1200)を示している。本実施例のシールド(1200)は、断熱材から形成されている。単に例として、シールド(1200)は、シリコーン、グラフェン、黒鉛、及び/又は他の任意の好適な材料を含み得る。本実施例のシールド(1200)はまた、ブレード(1242)の遠位先端部の近位(例えば、ブレード(1242)の長手方向中央区域付近、ブレード(1242)の長手方向中央区域の近位のいずれかの場所、又はブレード(1242)の長手方向中央区域の遠位のいずれかの場所)で終わることがある。シールド(1200)はまた、ブレード(1242)に対して選択的に後退可能であり得る。シールド(1100)とは異なり、本実施例のシールド(1200)は、クランプアームがブレード(1242)から離れるように位置付けられるとき、ブレード(1242)の周囲に緊密に適合しない。代わりに、本実施例のシールド(1200)は、クランプアームがシールド(1200)及びブレード(1242)から離間するときでさえも、シールド(1200)の内部と、ブレード(1242)の外部との間に空隙(1210)を画定する。これは更に、蒸気/流体の捕捉、及び/又は冷却流体の伝搬を更に促進し、ブレード(1242)及び/又はシールド(1200)の冷却などを補助してもよい。本実施例のシールド(1200)は更に、
図21Bに示されるシールド(1100)と同様の方法で、ブレード(1242)に対して横方向に変形及び摺動し得る。
【0056】
ブレード(42、142)など、超音波ブレードに適合し得る、シールドの更なる他の好適な特徴、構成、及び機能性が、本明細書の教示を考慮することで、当業者に明らかになるであろう。
【0057】
D.代表的なクランプアームシールド
ブレード(42、142)など、超音波ブレードのためにシールドを提供するのに加えて、又はこれの代替として、クランプアーム(44、144)など、クランプアームに対してシールドが設けられてもよい。単に例として、
図23〜30は、器具(100)のクランプアーム(144)と選択的に連結される、シールド(1300)を示している。本実施例のシールド(1300)は、近位係合機構(1304)を備える本体(1302)と、一対のリップ(1306)と、本体(1302)の長さに沿って離間した一連の開口部(1308)とを含む。本実施例において、本体(1302)は、断熱された剛性プラスチック材料で形成される。本体(1302)を形成するために使用され得る、他の好適な材料(例えば、セラミック、ゴム、断熱コーティングを備える金属など)が、本明細書の教示を考慮して当業者にとって明らかであろう。
【0058】
係合機構(1304)は、クランプアーム(144)の一部と係合し、よってシールド(1300)をクランプアーム(144)に設置するのを補助してもよい。リップ(1306)は、互いに横方向、及び内側に延びる。リップ(1306)は、クランプアーム(144)にスナップ嵌めをもたらすように構成される。換言すると、シールド(1300)をクランプアーム(144)に固定するために、操作者は最初に係合機構(1304)をクランプアーム(144)の近位部に設置し、シールド(1300)の遠位端を、クランプアーム(144)の遠位端に向かって枢動させることができる。この移動中に、リップ(1306)はこれらが、クランプアーム(144)の上面を超えるまで外側に偏倚してもよく、この点において、これらはクランプアーム(144)の上面の外側区域の上の適所にスナップ嵌めする。このスナップ嵌めは、所望に応じてシールド(1300)の交換を可能にし得る。当然、シールド(1300)は、任意の好適な方法により、クランプアーム(144)に取り外し可能に、又は恒久的に固定され得る。シールド(1300)は、クランプアーム(144)の一体機構であり得ることが理解されるべきである。
【0059】
本実施例において、本体(1302)は、クランプアーム(144)の湾曲した外形を補完するように構成されている。それでも、本体(1302)はまた、クランプアーム(144)の外面と、本体(1302)の内面との間に空隙をもたらすように構成されている。開口部(1308)は、この空隙と流体連通している。これらの開口部(1308)はしたがって、空気及び液体が、クランプアーム(144)と本体(1302)との間に画定される空隙内、及び空隙外に流れるのを可能にする。したがって、空隙及び開口部(1308)が協調して、対流により、クランプアーム(144)を形成する材料の冷却をもたらし、一方でクランプアーム(144)からシールド(1300)の本体(1302)への熱の伝搬を阻止するための断絶としても機能することが理解されるべきである。いくつかの形態において、クランプアーム(144)が対流により比較的容易に冷却されるように、クランプアーム(144)は、金属材料(例えば、アルミニウムなど)で形成される。
【0060】
上記を考慮し、シールド(1300)は対流冷却経路をもたらし、組織がクランプアーム(144)と直接接するのを防ぐため、シールド(1300)は、高温のクランプアーム(144)との不慮の接触により、組織が損傷するのを防ぐことができる。クランプパッド(146)は、シールド(1300)に対して露出したままであり、よってシールド(1300)がエンドエフェクタ(140)が組織をクランプ、切断、及び封止する能力が阻害されないことが理解されるべきである。シールド(1300)が、エンドエフェクタ(140)の、鈍的切開を行う(例えば、組織の層の間に閉じたエンドエフェクタ(140)を位置付け、その後エンドエフェクタ(140)を開いて組織のこれらの層を分離することなどにより)能力を阻害しないように、シールド(1300)が薄い外形を有することが理解されるべきである。同様に、シールド(1300)の他の好適な機構、構成、及び特性が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかになるであろう。
【0061】
図30〜32は、シールド(1400)を備える、代表的な別のエンドエフェクタ(1440)を示している。この例のエンドエフェクタ(1440)は、上記エンドエフェクタ(40)と実質的に同様である。エンドエフェクタ(1440)は、超音波ブレード(1442)と、クランプパッド(1446)を備える枢動クランプアーム(1444)と、を含む。シャフトアセンブリ(1430)は実質的に上述のシャフトアセンブリ(30)と同様である。特に、シャフトアセンブリ(1430)は、外側シース(1432)、及び内側チューブ(1434)を含む。クランプアーム(1444)は、外側シース(1432)及び内側チューブ(1434)と枢動可能に連結され、これによりクランプアーム(1444)が、内側チューブ(1434)の外側シース(1432)に対する並進運動に反応して、ブレード(1442)に向かって、又はここから離れるように枢動する。
【0062】
本実施例のシールド(1400)は、複数のストラット(1402)によってクランプアーム(1444)に固定される。単に例として、ストラット(1402)は、クランプアーム(1444)にスナップ嵌めされる一体型延長部として形成され得る。ストラット(1402)がクランプアーム(1444)を備え、これと連結され得る他の好適な方式が、当業者には本明細書の教示を鑑みれば明らかとなろう。ストラット(1402)はまた、クランプアーム(1444)の外面と、シールド(1400)の内面との間に空隙を画定する。シールド(1400)の外側横方向縁部(1404)はまた、クランプアーム(1444)から離間し、これによりシールドの両側においてシールド(1400)の長さに沿って空隙が開いている。したがって、空隙が、対流により、クランプアーム(1444)を形成する材料の冷却をもたらし、一方でクランプアーム(1444)からシールド(1400)への熱の伝搬を阻止するための断絶としても機能することが理解されるべきである。いくつかの形態において、クランプアーム(1444)が対流により比較的容易に冷却されるように、クランプアーム(1444)は、金属材料(例えば、アルミニウムなど)で形成される。
【0063】
上記を考慮し、シールド(1400)は対流冷却経路をもたらし、組織がクランプアーム(1444)と直接接するのを防ぐため、シールド(1400)は、高温のクランプアーム(1444)との不慮の接触により、組織が損傷するのを防ぐことができる。加えて、シールド(1400)は、組織に対してエンドエフェクタ(1440)を使用する間に、放出される湯気/蒸気の凝結のための基材を提供し得る。特に、湯気/蒸気は、アーム(1444)とシールド(1400)との間の空隙に入り、シールド(1400)の内面に凝縮物(1420)が形成される。収集された湯気/蒸気は、クランプアーム(1444)の冷却を補助し得る。加えて、シールド(1400)の内面に形成する凝縮物(1420)の少なくとも一部が、シールド(1400)からクランプアーム(1444)と滴下し、クランプアーム(1444)の更なる冷却をもたらしてもよい。いくつかの場合において、アーム(1444)がブレード(1442)から離れるように枢動するとき、凝縮物(1420)がシールド(1400)の内面に沿って近位に移動して、
図32に示されるように最終的にブレード(1442)に滴下し、よってブレード(1442)の冷却をもたらす。シールド(1400)はしたがって、クランプアーム(1444)の冷却をもたらし、ブレード(1442)の冷却をもたらし、組織と、クランプアーム(1444)の外面との間の直接接触を防ぐことがある。
【0064】
本実施例において、シールド(1400)は、断熱された弾性プラスチック材料で形成される。この弾性は、エンドエフェクタ(1440)及びシールド(1400)がトロカールを通じて挿入されるに伴い、シールド(1400)の外側横方向縁部(1404)が内側に偏倚し、それによってシールド(1400)の有効幅を低減することを可能にする。一度エンドエフェクタ(1440)及びシールド(1400)がトロカールを出ると、シールド(1400)の弾性が、外側横方向縁部(1404)が
図30〜31に示される位置へと外側方向へとばねで戻る。本明細書の教示を考慮することで、シールド(1400)の形成に使用できる他の好適な材料が当業者に明らかとなるであろう。
【0065】
図33〜35は、器具(100)のクランプアーム(144)に容易に固定され得る、別の代表的なスリーブ(3600)を示す。本実施例のスリーブ(3600)は、開放近位端(3602)、及び閉鎖遠位端(3604)を含み、よってスリーブ(3600)が中空の内部(3608)を画定する。一対のスタンドオフリブ(3610)は、開放近位端(3602)から閉鎖遠位端(3604)へと、内部(3608)を通じて長手方向に延びる。スリーブ(3600)は、クランプパッド(146)と、クランプアーム(144)との間に適合するように構成される。特に、
図34A〜34Bへの遷移に示されるように、クランプアーム(144)の遠位端が、スリーブ(3600)の開放近位端(3602)へと挿入されてもよく、これにより、クランプパッド(146)がクランプアーム(144)に固定される前に、スリーブ(3600)がクランプアーム(144)へと摺動してもよい。
図34B〜
図34Cへの遷移に示されるように、クランプパッド(146)はその後、スリーブ(3600)の一部がクランプパッド(146)とクランプアーム(144)との間に挟まれるように、クランプアーム(144)に固定される。特に、
図35に最もよく見られるように、スリーブ(3600)の一部が、クランプパッド(146)の固定レール(147)と、クランプアーム(144)の補完的な凹部との間に捕捉される。本実施例において、スリーブ(3600)は、スリーブ(3600)が、クランプアーム(144)及びクランプパッド(146)と組み合わされた後、クランプアーム(144)から取り外し可能ではない。
【0066】
図35に示されるように、スタンドオフリブ(3610)は、クランプアーム(144)とスリーブ(3600)との間に中空の内部(3600)に空隙(3612)を画定するように構成される。この空隙(3612)は、熱バリアを形成し、クランプアーム(144)からスリーブ(3600)へと熱が伝搬するのを実質的に防ぐことができる。いくつかの形態において、スリーブ(3600)は、空隙(3612)と流体連通する開口部を更に含み、これは対流により、クランプアーム(144)を形成する材料の冷却をもたらし、同時にまた流体がクランプアーム(144)に到達することを可能にする。本実施例において、スタンドオフリブ(3610)は単純に、スリーブ(3600)の他の区域よりも大きな厚さを有する、スリーブ(3600)の側壁の区域により形成される。単に一例として、スリーブ(3600)は、シリコーンゴムから形成されてもよい。本明細書の教示を考慮することでスリーブ(3600)の形成に使用できる他の好適な材料が当業者に明らかとなるであろう。
【0067】
上記を考慮し、スリーブ(3600)は対流冷却経路をもたらし、組織がクランプアーム(144)と直接接するのを防ぐため、スリーブ(3600)は、高温のクランプアーム(144)との不慮の接触により、組織が損傷するのを防ぐことができる。クランプパッド(146)は、スリーブ(3600)に対して露出したままであり、よってスリーブ(3600)がエンドエフェクタ(140)が組織をクランプ、切断、及び封止する能力が阻害されないことが理解されるべきである。スリーブ(3600)が、エンドエフェクタ(140)の、鈍的切開を行う(例えば、組織の層の間に閉じたエンドエフェクタ(140)を位置付け、その後エンドエフェクタ(140)を開いて組織のこれらの層を分離することなどにより)能力を阻害しないように、スリーブ(3600)が薄い外形を有することが理解されるべきである。いくつかの場合において、クランプアーム(144)は、追加的な特徴(例えば、遠位組織切開突起部など)を有する。スリーブ(3600)は、このような特徴に容易に適合し、及び/又はこのような機構に適合するように作製され得る。同様に、スリーブ(3600)の他の好適な機構、構成、及び特性が、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかになるであろう。
【0068】
上記のシールド/スリーブのいずれかが、超音波ブレードの遠位端がクランプパッドと接する場所を示す、視覚的マークを含んでもよい。これは、操作者からブレードが見えないときに、エンドエフェクタの位置付けを容易にすることができる。加えて、又は代替的に、上記のシールド/スリーブのいずれかの遠位端が、鈍い又は鋭い、外側に延びる突起部(例えば、卵歯と類似)を含んでもよく、これは鈍的切開手術中に組織の把持を容易にする。クランプアーム(44、144)など、クランプアームに適合し得る、シールドの更なる他の好適な特徴、構成、及び機能性が、本明細書の教示を考慮することで、当業者に明らかになるであろう。
【0069】
E.代表的なブレード捕捉機構
図36A〜37は、代表的な別のエンドエフェクタ(1540)を示す。この例のエンドエフェクタ(1540)は、上記エンドエフェクタ(40)と実質的に同様である。エンドエフェクタ(1540)は、超音波ブレード(1542)と、クランプパッド(1546)を備える枢動クランプアーム(1544)と、を含む。シャフトアセンブリ(1530)は実質的に上述のシャフトアセンブリ(30)と同様である。特に、シャフトアセンブリ(1530)は、外側シース(1532)、及び内側チューブ(1534)を含む。クランプアーム(1544)は、外側シース(1532)及び内側チューブ(1534)と枢動可能に連結され、これによりクランプアーム(1544)が、内側チューブ(1534)の外側シース(1532)に対する並進運動に反応して、ブレード(1542)に向かって、又はここから離れるように枢動する。
【0070】
本実施例のクランプパッド(1546)は、複数の弓型フィンガー(1500)を含む。本実施例のフィンガー(1500)は、クランプパッドの長さに沿って、ほぼ横方向に延び、交互のパターンで構成され、よってフィンガー(1500)は交互嵌合する。フィンガー(1500)は、弾性材料(例えば、プラスチックなど)から形成され、フィンガー(1500)は外側に偏倚し、その後クランプアーム(1544)が、ブレード(1542)に向かって枢動するに伴い、ブレード(1542)の周囲で実質的に閉じる。フィンガー(1500)の間の間隔は、手術部位における流体のためのウィッキングチャネルをもたらしてもよいことが理解されるべきである。いずれにせよ、ブレード(1542)、及びフィンガー(1500)が組織と係合する間、毛管作用を通じてウィッキングがもたらされてもよい。一度ブレード(1542)及びクランプアーム(1544)から組織が解放されると、吸い上げられた流体は、伝導及び相変化によるブレード(1542)及び/又はクランプアーム(1544)の冷却を補助し得る。
【0071】
加えて、又は代替的に、ウィッキングチャネルは、フィンガー(1500)の内面に形成されてもよい。1つの単に例示的なバリエーションにおいて、フィンガー(1500)は、クランプパッド(1546)の一方の横方向側部から、クランプパッド(1546)の他方の横報向側部まで延びる、連続的なフープと置換される。このようなフープはまた、その間に間隔を有してもよく、これが手術部位における流体のためのウィッキングチャネルをもたらし、これは、上記のようにブレード(1542)、及び/又はクランプアーム(1544)の冷却を補助し得る。加えて、又は代替的に、ウィッキングチャネルは、フープの内面に形成されてもよい。フィンガー(1500)、フープ、又は他のなんらかの構造機構が使用されるかどうかにかかわらず、フィンガー(1500)、フープ、又は他の構造機構は、冷却目的のための流体保持を補助するために、親水性材料(例えば、Biocoat Incorporated of Horsham,Pennsylvaniaによる、HYDAK(登録商標)T−070又はHYDAK(登録商標)T−018)でコーティングされてもよい。フィンガー(1500)、フープ、又は他の構造機構は、高温ブレード(1542)と組織との間、及び/又は高温クランプアーム(1544)と組織との間の、不慮の接触を防ぐ、シールドとして機能し得る。本明細書の教示を考慮することで、クランプパッド(1546)の他の好適な構成及び特性が、当業者に明らかになるであろう。
【0072】
III.その他
器具(10、100)の形態における熱を低減するためにシールドを使用することに加えて、又はその代わりに、流体を使用してブレード(42、142)を冷却してもよい。例えば、冷却流体(例えば、生理食塩水など)は、ブレード(42、142)の近位端に適用されてもよい。冷却流体はその後、ブレード(42、142)の長さの残部に沿って遠位方向に伝搬されて、ブレードを冷却し得る。ブレード(42、142)の超音波振動は、このような流体の遠位方向の伝搬をもたらし得る。いくつかのこのような形態において、特定の振動スキームを使用して、ブレード(42、142)に沿って液体を遠位方向に推進してもよい。このような特定の振動スキームは、ブレードがこのような方法で駆動される間に、ブレード(42、142)と接触する組織に、顕著な効果を及ぼさないことがある。例えば、ブレード(42、142)は、ブレード(42、142)に沿って液体を遠位方向に推進するために、低振幅運動の、短いパルス(例えば、およそ10〜20マイクロ秒の持続時間)で振動し得る。いくつかのこのような場合において、発電機(16、116)は、操作者がいずれのボタン(26、126)も押していないときに、ブレード(42、142)の超音波活性化を駆動するような液体を提供するようにプログラミングされる。加えて、又は代わりに、発電機(16、116)は、発電機(16、116)が、ブレード(42、142)が組織に接触していないことを検出したときに、ブレード(42、142)の超音波活性化を駆動する液体を提供するようにプログラミングされてもよい。更に別の単に例示の実施例として、器具(10、100)は、液体駆動振動スキームを手動で始動するように動作可能である、別個のユーザー入力機構を含んでもよい。液体推進振動スキームが始動され得る他の適切な方法は、当業者には本明細書の教示を考慮すると明らかであろう。
【0073】
いくつかの他の形態において、組織切断/封止の間にブレードを駆動するために使用される同じ振動運動は、ブレード(42、142)に沿って液体を遠位方向に推進することができる。更に別の単に例示としての実施例として、流体は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2011年6月23日公開の「Use of Biomarkers and Therapeutic Agents with Surgical Devices」という名称の米国特許出願公開2011/0152759号の教示の少なくとも一部に従って、ブレードに、及び/又はこれに沿って伝搬されてもよい。医療用流体の分配に関する、米国特許出願公開第2011/0152759号の教示は、冷却流体の伝搬をもたらすように容易に適合され得ることが理解される。流体が、ブレード(42、142)を冷却するために使用され得る方法の追加的な実施例が、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、同日付で出願された、「Features to Apply Fluid to an Ultrasonic Blade of a Surgical Instrument」という名称の米国特許出願(代理人整理番号END7325USNP.0616768)、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、同日付で出願された、「Sleeve Features for Ultrasonic Blade of a Surgical Instrument」という名称の米国特許出願(代理人整理番号END7325USNP3.0621498)、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、同日付で出願された、「Features to Drive Fluid toward an Ultrasonic Blade of a Surgical Instrument」という名称の米国出願(代理人整理番号END7479USNP.0616774)、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、同日付で出願された、「Features for Communication of Fluid through Shaft Assembly of Ultrasonic Surgical Instrument」という名称の米国出願(代理人整理番号END7577USNP.0621500)、及びその開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、同日付で出願された、「Ultrasonic Surgical Instrument with Blade Cooling through Retraction」という名称の米国特許出願(代理人整理番号END7578USNP.0621502)に記載されている。本明細書における教示は、これらの参照文献、及び本明細書において引用される様々な他の参照文献の教示と容易に組み合わされ得ることが理解されるべきである。本明細書に教示に鑑みれば、当業者には、他の実施例も明らかである。
【0074】
いくつかの場合において、エンドエフェクタ(40、140)における加熱は、クランプアーム(44、144)が閉じ、ブレード(42、142)が起動されているときに、クランプパッド(46、146)と、ブレード(42、142)との間の直接的な接触によって生じるか、又は加速され得る。このような直接的な接触は、クランプパッド(46、146)と、ブレード(42、142)との間に組織が挟まれていない区域において生じ得る。いく人かの操作者は、丁度クランプパッド(46、146)の遠位部と、ブレード(42、142)の遠位部との間に組織を位置付けることができる。これは、比較的小さい血管を横切するためにエンドエフェクタ(40、140)が使用される際に生じ得る。これが生じると、クランプパッド(46、146)、及びブレード(42、142)の遠位部の両方が、クランプパッド(46、146)とブレード(42、142)との間で圧縮される組織と接触し得る。更にクランプパッド(46、146)及びブレード(42、142)の近位部分が、互いに直接接触してもよい。ブレード(42、142)がこのような場合において起動されるとき、クランプパッド(46、146)及びブレード(42、142)が、直接接触が生じる近位部分において顕著な量の熱を、急速に生じる場合がある。
【0075】
特に、クランプパッド(46、146)とブレード(42、142)の近位区域における、クランプパッド(46、146)とブレード(42、142)との間の直接接触の量を最小化することが望ましい場合がある。換言すると、クランプパッド(46、146)とブレード(42、142)の遠位区域が最初に、その後、クランプパッド(46、146)とブレード(42、142)の近位区域が係合するように、クランプパッド(46、146)とブレード(42、142)との間の段階的な係合をもたらすことが望ましい場合がある。エンドエフェクタ(40、140)がこのような段階的な係合をもたらす方法の様々な例が、本明細書にその開示が組み込まれる、米国特許仮出願第61/908,920号、及びまた、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、同日付で出願された、「Ultrasonic Surgical Instrument with Staged Clamping」という名称の米国特許出願(代理人整理番号END7325USNP2.0616772)に記載されている。本明細書における教示は、これらの参照文献、及び本明細書において引用される様々な他の参照文献の教示と容易に組み合わされ得ることが理解されるべきである。本明細書に教示に鑑みれば、当業者には、他の実施例も明らかである。
【0076】
明細書に記載される器具のいずれの変形も、本明細書で上述されるものに加えて、又はそれらの代わりに、様々な他の特徴部を含んでもよいことを理解されたい。一例にすぎないが、本明細書で説明されたいずれの器械も、参照により本明細書に組み込まれる種々の参考文献のいずれかで開示された、種々の特徴部のうちの1つ又は複数を含むことができる。本明細書の教示は、本明細書の引用文献のいずれかの教示と多数の方法で容易に組み合わせ得るため、本明細書の教示は、本明細書の他の引用文献のいずれかに記載される器具のいずれにも容易に適用され得ることが理解されよう。本明細書の教示が組み込まれ得る他の種類の器具が、当業者には明らかであろう。
【0077】
本明細書に参照により組み込まれると言及されたいかなる特許、刊行物、又は他の開示内容も、その全体又は一部において、組み込まれた内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載された他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれることが認識されるべきである。このように、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載されている開示は、参照により本明細書に組み込まれる任意の矛盾する事物に取って代わるものとする。本明細書に参照により援用するものとされているが、既存の定義、記載、又は本明細書に記載された他の開示内容と矛盾する全ての内容、又はそれらの部分は、援用された内容と既存の開示内容との間にあくまで矛盾が生じない範囲でのみ援用するものとする。
【0078】
上述の装置の変形例は、医療専門家によって行われる従来の治療及び処置での用途だけでなく、ロボット支援された治療及び処置での用途も有することができる。あくまでも一例として、本明細書の様々な教示は、ロボットによる外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムに容易に組み込まれ得る。同様に、当業者には明らかとなることであるが、本明細書の様々な教示は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる2004年8月31日公開の米国特許第6,783,524号、名称「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」の様々な教示と容易に組み合わされ得る。
【0079】
上記に述べた各変形形態は、1回の使用後に廃棄されるように設計されてもよく、又は複数回使用されるような設計としてもよい。一方の場合、又は両方の場合で、各形態は、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整を行うことができる。かかる再調整には、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、並びにその後の再組み立て工程の任意の組み合わせが含まれ得る。特に、装置の特定の形態は分解することができ、また、装置の任意の数の特定の部材又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換するか取り外してもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換に際して、装置の特定の形態を、再調整用の施設において、又は手術の直前に使用者により再組み立てしてその後の使用に供することができる。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を使用できる点は認識するであろう。かかる技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、全て本出願の範囲内にある。
【0080】
一例にすぎないが、本明細書に記載される各形態は、手術の前及び/又は後で滅菌されてもよい。1つの滅菌法では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバックなどの閉鎖かつ密封された容器に入れる。次いで、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過する放射線場に置くことができる。かかる放射線は、装置の表面及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器中で保管することができる。装置はまた、これらに限定されるものではないが、β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気を含む、当該技術分野では周知の他の任意の技術を使用して滅菌することもできる。
【0081】
以上、本発明の様々な実施形態を図示及び説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な改変により、本明細書に記載される方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な改変のいくつかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上記で検討した例、実施形態、幾何形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって必須のものではない。したがって、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示、説明した構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0082】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位方向に延びるシャフトアセンブリと、
(c)前記シャフトアセンブリの遠位端に位置するエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、
(i)超音波ブレードであって、前記超音波ブレードは、超音波周波数で振動するように構成されている、超音波ブレード、及び
(ii)クランプアームであって、前記クランプアームは、前記超音波ブレードに対して組織を圧迫するように前記超音波ブレードに向かって可動である、クランプアームを含む、エンドエフェクタと、
(d)シールド部材であって、前記シールド部材は、前記クランプアームの、前記超音波ブレードに向かう移動に反応して、第1位置から第2位置へと選択的に可動であり、前記シールド部材は、前記第1位置において、前記超音波ブレードの少なくとも第1部分を被覆するように構成されており、前記シールド部材は、前記第2位置において、前記超音波ブレードの前記第1部分を露出するように構成されている、シールド部材とを含む、装置。
(2) 前記シールド部材は、断熱コーティング、又は前記超音波ブレードの周囲に同軸上に配置されたシースを含む、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記シールド部材はシースを含み、前記シースは、前記クランプアームの、前記超音波ブレードに向かう移動に反応して、前記第2位置に向かって近位方向に並進運動するように構成されており、前記シースは、前記クランプアームの、前記超音波ブレードから離れる方向への移動に反応して、前記第1位置に向かって遠位方向に並進運動するように構成されている、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記シールド部材はシースを含み、前記装置は、前記シャフトアセンブリと枢動可能に連結された、クランプアームシャンクを更に含み、前記クランプアームは、前記クランプアームシャンクの遠位端に位置付けられている、実施態様2に記載の装置。
(5) リンクを更に含み、前記リンクは、前記クランプアームシャンクと枢動可能に連結され、前記リンクは更に、前記リンクが、前記クランプアームシャンクの、前記シャフトアセンブリに対する枢動移動に反応して、前記シースを長手方向に並進運動させるように動作可能であるように、前記シースと枢動可能に連結されている、実施態様4に記載の装置。
【0083】
(6) 前記シールド部材が湾曲したビームを含む、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記ビームは、前記シールド部材が前記第1位置にあるときに、前記ビームの一部を押して前記超音波ブレードと接触させるような形の屈曲を含む、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記ビームは、前記超音波ブレードの少なくとも1つの横方向側部に沿って長手方向に延びる、実施態様6に記載の装置。
(9) 前記クランプアームは、前記クランプアームの、前記超音波ブレードに向かう移動に反応して、前記ビームを外側に、したがって、前記超音波ブレードから離れる方向に駆動するように構成されたカム機構を含む、実施態様6に記載の装置。
(10) 前記シールド部材は、前記第1位置へと弾性的に付勢されている、実施態様1に記載の装置。
【0084】
(11) 前記クランプは、前記クランプアームが前記超音波ブレードに向かって、及びここから離れるように移動する際に、第1平面に沿って移動するように構成され、前記シールド部材は、前記シールド部材が前記第1位置と前記第2位置との間で移動する際に、第2平面に沿って移動するように構成され、前記第2平面は、前記第1平面に対して横方向である、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記クランプは、前記クランプアームが前記超音波ブレードに向かって、及びここから離れるように移動する際に、第1平面に沿って移動するように構成され、前記シールド部材は、前記シールド部材が前記第1位置と前記第2位置との間で移動する際に、やはり前記第1平面に沿って移動するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記シールド部材は、前記第1位置と前記第2位置との間で移動する際に変形するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(14) 前記シールドは、前記超音波ブレードを包囲するように構成され、前記クランプアームに面する前記超音波ブレードの区域に沿って横方向に設けられた開口部を画定している、実施態様1に記載の装置。
(15) 前記シールドがシリコーンを含む、実施態様14に記載の装置。
【0085】
(16) 前記シールドは前記超音波ブレードに沿って横方向に摺動し、前記シールドが前記第1位置から前記第2位置へと移動する際に、前記超音波ブレードの前記第1部分が前記横方向に設けられた開口部内へと入ることを可能にするように構成され、これによって、前記超音波ブレードの前記第1部分が、前記横方向に設けられた開口部に入ることによって露出される、実施態様14に記載の装置。
(17) 装置であって、
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位方向に延びるシャフトアセンブリと、
(c)前記シャフトアセンブリの遠位端に位置するエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、
(i)超音波ブレードであって、前記超音波ブレードは、超音波周波数で振動するように構成されている、超音波ブレード、及び
(ii)クランプアームであって、前記クランプアームは、前記超音波ブレードに対して組織を圧迫するように前記超音波ブレードに向かって可動である、クランプアームを含む、エンドエフェクタと、
(d)シールド部材であって、前記シールド部材は、前記エンドエフェクタの少なくとも第1部分を被覆するように構成され、前記シールド部材は、前記シールド部材の内部と、前記エンドエフェクタの前記第1部分の外部との間に空隙を画定し、前記空隙は、手術部位からの流体を受容し、これにより前記手術部位から受容した前記流体で前記エンドエフェクタを冷却するような大きさである、シールド部材とを含む、装置。
(18) 装置であって、
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位方向に延びるシャフトアセンブリと、
(c)前記シャフトアセンブリの遠位端に位置するエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、
(i)超音波ブレードであって、前記超音波ブレードは、超音波周波数で振動するように構成されている、超音波ブレード、及び
(ii)クランプアームであって、前記クランプアームは、前記超音波ブレードに対して組織を圧迫するように前記超音波ブレードに向かって可動である、クランプアームを含む、エンドエフェクタと、
(d)シールド部材であって、前記シールド部材は、前記エンドエフェクタの少なくとも第1部分を被覆し、よって前記エンドエフェクタの前記第1部分からの熱の伝搬を低減するように構成され、前記シールド部材は、変形可能材料で形成される、シールド部材とを含む、装置。
(19) 前記シールド部材は、前記クランプアームにスナップ嵌めするように構成されている、実施態様18に記載の装置。
(20) 前記クランプアームは、アーム部分及びパッド部分を含み、前記シールド部材はスリーブを含み、前記スリーブは、前記アーム部分の遠位端の周囲に配置され、前記スリーブの一部が、前記パッド部分と前記アーム部分との間に捕捉されている、実施態様18に記載の装置。