【実施例】
【0151】
以下、具体的な実施例を用いて本発明について説明するが、それらの実施例は本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0152】
一般的な実験手順
本明細書中のスキームにおける構造の可変部分に関する定義は、本明細書に詳述されている式の中の対応する位置の可変部分の定義に対応している。
【0153】
1または1aの合成
【化205】
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【0154】
鏡像異性的に純粋な化合物1または1aの調製方法を開示する。1または1aの合成は、以下に示す合成例(スキーム1〜4)を用いて達成してもよい。2,5−ジブロモピリジンと2−ブロモジフルオロ酢酸エチルとの反応で開始してエステル2−Brを生成することにより、前駆体ケトン3−Brの調製を行う。このエステルをモルホリンと反応させてモルホリンアミド2b−Brを得、次いでアリール化してケトン3−Brを得ることができる。あるいは、スキーム1に示すように、エステル2−Brから直接ケトン3−Brを得ることができる。
【0155】
スキーム1:ケトン3−Brの合成
【化206】
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【0156】
ケトン3は、対応する置換2−ブロモピリジンから開始するスキーム1に記載されている類似した方法で調製してもよく、当該技術分野で知られ、かつ本明細書に引用されている参考文献に含まれている合成変換(スキーム2)に従って調製することができる。
【0157】
スキーム2:ケトン3の合成
【化207】
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【0158】
あるいは、スキーム3に従い、アミノアルコール±4bまたは±1−6を用いて、化合物1(または1a、1の鏡像異性体またはそれらの混合物)を調製することができる。好適な溶媒または溶媒混合物(例えば、DMSOまたはTHF)中、塩基(例えば、カリウムt−ブトキシド)の存在下で、ケトン3および1−4をトリメチルスルホキソニウムヨージド(TMSI)と反応させることにより、エポキシド4および5を調製することができる。また、スキーム3に示すように、好適な溶媒系(例えば、有機/水性溶媒混合物)中、遷移金属触媒(例えば、(dppf)PdCl
2、dppf=1,1’−(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)の存在下および塩基(例えば、KHCO
3、K
2CO
3、Cs
2CO
3またはNa
2CO
3など)の存在下で、4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(または対応するボロン酸アルキルまたはボロン酸など)とクロスカップリングさせることにより、ピリジン化合物3、4、±4b、4bまたは6のいずれかを対応する4−CF
3CH
2O−Ph類似体(例えば、1−4、5、±1−6、1−6*または1、対応する鏡像異性体またはそれらの混合物)に変換することができる。次いで、好適な溶媒(例えば、MeOH、EtOHまたは水)中でのアンモニアを用いるアンモニア媒介エポキシド開環により、エポキシド4および5をアミノアルコール±4bおよび±1−6に変換することができる。次いで、好適な溶媒(例えば、アセトニトリル、イソプロパノール、EtOHまたはそれらの混合物あるいはこれらのいずれかと水またはMeOHとの混合物、好ましくはアセトニトリルまたはアセトニトリルとMeOHまたはイソプロパノールとの混合物、例えば、90:10、85:15または80:20混合物)中でキラル酸(例えば、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸またはジ−p−トルオイル酒石酸など)に曝露して化合物4b(または4c、4bの鏡像異性体またはそれらの混合物)あるいは1−6*(または1−7*、1−6*の鏡像異性体またはそれらの混合物)を得ることにより、ラセミのアミノアルコール±4bおよび±1−6を鏡像異性的に濃縮することができる。その後のオルトギ酸トリメチルおよび酢酸ナトリウムの酢酸溶液の存在下でのTMS−アジドでの処理によって、化合物6(または6a、6の鏡像異性体またはそれらの混合物)あるいは1(または1a、1の鏡像異性体またはそれらの混合物)を得る(米国特許第4,426,531号)。
【0159】
スキーム3:TMSIエポキシ化法による1または1aの合成
【化208】
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【0160】
スキーム4に示すように、本明細書に示されている方法のいずれかにより調製した化合物1(または1a、1の鏡像異性体またはそれらの混合物)を、式IX(またはIXa、IXの鏡像異性体またはそれらの混合物)のスルホン酸塩に変換することができる。これは、a)化合物1(または1a、1の鏡像異性体またはそれらの混合物)、結晶化溶媒または結晶化溶媒混合物(例えば、EtOAc、iPrOAc、EtOH、MeOH、アセトニトリルまたはそれらの組み合わせ)およびスルホン酸:
【化209】
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(例えば、Z=Ph、p−トリル、MeまたはEt)を組み合わせる工程、b)混合物を適当な結晶化共溶媒または結晶化共溶媒混合物(例えば、ペンタン、メチルt−ブチルエーテル、ヘキサン、ヘプタン、トルエンまたはそれらの組み合わせ)で希釈する工程、およびc)混合物を濾過して式IX(またはIXa、IXの鏡像異性体またはそれらの混合物)のスルホン酸塩を得る工程により達成することができる。
【0161】
スキーム4:化合物1または1aのスルホン酸塩の合成
【化210】
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【0162】
以下では、以下に示す実施例および中間体のHPLC純度を評価する際に使用したHPLC法について述べる。
カラム:Waters XBridge Shield RP18、4.6×150mm、3.5μm
移動相:A=0.05%TFA/H
2O、B=0.05%TFA/ACN
オートサンプラ洗浄:1:1のACN/H
2O
希釈液:1:1のACN/H
2O
流速:1.0ml/分
温度:45℃
検出器:UV275nm
【表1】
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【0163】
実施例1:2−(5−ブロモピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロ酢酸エチル(2−Br)の調製
【化211】
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【0164】
綺麗な多口丸底フラスコの中で、銅粉末(274.7g、2.05当量)を20〜35℃でジメチルスルホキシド(3.5L、7体積)に懸濁した。ブロモジフルオロ酢酸エチル(449g、1.05当量)を20〜25℃で反応混合物にゆっくりと添加し、1〜2時間撹拌した。2,5−ジブロモピリジン(500g、1当量)を反応混合物に添加し、温度を35〜40℃に上昇させた。反応混合物をこの温度で18〜24時間維持し、反応の進行をGCで監視した。
【0165】
反応が完了した後、酢酸エチル(7L、14体積)を反応混合物に添加し、20〜35℃で60〜90分間撹拌し続けた。反応混合物をセライト床で濾過した(100g、0.2倍量(w/w)のセライトおよび1L、2体積の酢酸エチル)。反応器を酢酸エチル(6L、12体積)で洗浄し、この洗浄液をセライト床で濾過した。最後にセライト床を酢酸エチル(1L、2体積)で洗浄し、濾過した母液を全て1つにまとめた。貯留した酢酸エチル溶液を8〜10℃に冷却し、15℃未満の緩衝液(5L、10体積)で洗浄した(注記:緩衝液の添加は本質的に発熱性である。反応混合物温度を15℃未満に維持するために緩衝液の制御添加が必要であった)。水層が無色のままになるまで、酢酸エチル層を緩衝液(7.5L、3×5体積)で再度洗浄した。有機層を10%w/w塩化ナトリウム水溶液および緩衝液の1:1溶液(2.5L、5体積)で洗浄した。次いで、有機層を乾燥した反応器に移し、酢酸エチルを減圧蒸留して粗製の2−Brを得た。
【0166】
粗製の2−Brを高真空分留で精製し、93%超の2−Br純度を有する蒸留した画分(2%以下のジアルキル化物および0.5%未満の出発物質を含む)を一緒に貯留して2−Brを得た。蒸留後の収率は、93%超のGC純度で47.7%であった(淡黄色の液体)。不純な画分の再蒸留により別に10%の収率が得られ、約55〜60%の全収率が得られた。
1H NMR: TMSに対するδ値 (DMSO-d
6; 400 MHz): 8.85 (1H, d, 1.6 Hz), 8.34 (1H, dd, J = 2.0 Hz, 6.8 Hz), 7.83 (1H, d, J = 6.8 Hz), 4.33 (2H, q, J = 6.0 Hz), 1.22 (3H, t, J = 6.0 Hz).
13C NMR: 162.22 (t, -C=O), 150.40 (Ar-C-), 149.35 (t, Ar-C), 140.52 (Ar-C), 123.01 (Ar-C), 122.07 (Ar-C), 111.80 (t, -CF
2), 63.23 (-OCH
2-), 13.45 (-CH
2CH
3).
【0167】
実施例2:2−(5−ブロモピリジン−2−イル)−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,2−ジフルオロエタノン(3−Br)の調製
A.一段階法
【化212】
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【0168】
1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(268.7g、1.3当量)を20〜35℃でメチルtertブチルエーテル(MTBE、3.78L、12.6体積)に溶解し、アセトン/ドライアイス浴を用いて反応混合物を−70〜−65℃に冷却した。次いで、反応温度を−65℃未満に維持しながらn−ブチルリチウム(689mL、1.3当量、2.5M)を反応混合物に添加した(注記:反応混合物の温度を−65℃未満に維持するために反応混合物へのn−ブチルリチウムの制御添加が必要であった)。反応混合物をこの温度で30〜45分間維持した後、MTBE(900mL、3体積)に溶解した2−Br(300g、1当量)を−65℃未満で反応混合物に添加した。反応混合物をこの温度で60〜90分間撹拌し続け、反応の進行をGCで監視した。
【0169】
20%w/w塩化アンモニウム溶液(750mL、2.5体積)を−65℃でゆっくりと添加して反応系を失活させた。反応混合物を20〜35℃に徐々に温め、さらなる量の20%w/w塩化アンモニウム溶液(750mL、2.5体積)を添加した。水層を分離し、有機層を10%w/w重炭酸ナトリウム溶液(600mL、2体積)で洗浄し、次いで5%塩化ナトリウム洗浄液(600mL、2体積)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム(60g、0.2倍量(w/w))で乾燥し、濾過し、硫酸ナトリウムをMTBE(300mL、1体積)で洗浄した。溶媒が受け器に回収されなくなるまで有機層を洗浄液と共に45℃未満で減圧蒸留した。蒸留温度を55〜60℃に上昇させ、真空下に3〜4時間維持し、かつ20〜35℃に冷却して、275g(73.6%の収率、72.71%のHPLC純度)の3−Brを淡黄色の液体として得た。
1H NMR: TMSに対するδ 値 (DMSO-d
6; 400 MHz):8.63 (1H, d, 1.6 Hz, Ar-H), 8.07 - 8.01 (2H, m, 2 x Ar-H), 7.72 (1H, d, J = 6.8 Hz, Ar-H), 7.07 - 6.82 (1H, m, Ar-H), 6.81 - 6.80 (1H, m, Ar-H).
13C NMR: 185.60 (t, -C=O), 166.42 (dd, Ar-C-), 162.24 (dd, Ar-C), 150.80 (Ar-C), 150.35 (Ar-C), 140.02 (Ar-C), 133.82 (Ar-C), 123.06 (Ar-C), 1122.33 (Ar-C), 118.44 (Ar-C), 114.07 (-CF
2-), 122.07 (Ar-C), 105.09 (Ar-C).
【0170】
B.2b−Brを介した二段階法
【化213】
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【0171】
2−Br(147.0g)をn−ヘプタン(1.21L)に溶解し、オーバーヘッドスターラー、熱電対、凝縮器および添加漏斗を備えた5Lの反応器に移した。モルホリン(202ml)を添加した。この溶液を60℃に加熱し、一晩撹拌した。HPLC分析(0.2%の2−Br、94.7%の2b−Br)では反応は完了していた。反応系を室温に冷却し、1.21LのMTBEを添加した。この溶液を約4℃に冷却し、30%クエン酸(563ml)をゆっくりと添加して失活させて内部温度を15℃未満に維持した。1時間撹拌した後、層を安定させて分離した(水性層のpH=5)。有機層を30%クエン酸(322ml)および9%NaHCO
3(322ml、分離後の水性層のpH=7+)で洗浄した。有機層をロータリーエバポレーター(注記1)で454gまで濃縮した(すぐに若干の沈殿が始まり、濃縮中に増加した)。室温で撹拌した後、懸濁液を濾過し、生成物ケークをn−ヘプタン(200ml)で洗浄した。固体を真空オーブンにて室温で乾燥して129.2g(77%)の高密度な粉末を得た。HPLC分析による純度は96.5%であった。
【0172】
オーバーヘッドスターラー、熱電対、凝縮器および添加漏斗を備えた1Lのフラスコに削り状マグネシウム(14.65g)、THF(580ml)および1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(30.2g、0.39当量)を添加した。反応が開始するまで混合物を撹拌し、自己加熱により反応温度を44℃に上昇させた。残りの1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(86.1g、1.11当量)を35〜40℃の内部温度で約30分かけて添加する際に、この温度を冷却浴で制御した。徐々に室温に冷却しながら反応系を2時間撹拌した。暗黄色の溶液を12℃にさらに冷却した。
【0173】
グリニャール形成の間、オーバーヘッドスターラー、熱電対および添加漏斗を備えたジャケット付きの2Lのフラスコにモルホリンアミド2b−Br(129.0g)およびTHF(645ml)を入れた。固体が溶解するまで混合物を室温で撹拌し、次いで、この溶液を−8.7℃に冷却した。添加漏斗によりグリニャール溶液を−5〜0℃の温度で約30分かけて添加した。反応系を0℃で1時間撹拌し、HPLC分析により終点を確認した。反応混合物を−5℃に冷却し、2NのHClを10℃以下で1時間かけてゆっくりと添加して失活させた。混合物を0.5時間撹拌した後、層を安定させて分離した。水層をMTBE(280ml)で抽出した。1つにまとめた有機層を9%NaHCO
3(263g)および20%NaCl(258ml)で洗浄した。有機層をTHF洗浄液と共にロータリーエバポレーターで濃縮して溶液を全て蒸留フラスコに移した。さらなるTHF(100ml)およびトルエン(3×100ml)を添加し、蒸留して、残留する水を生成物から除去した。真空下で乾燥した後の残留物は159.8gの暗褐色の蝋状固体であった(理論値を超える)。HPLC分析による純度は約93%であった。
【0174】
グリニャール形成/カップリング反応2
マグネシウム(0.022kg、0.903モル)、1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(0.027kg、0.14モル)およびテトラヒドロフラン(THF)(1.4L)を窒素入口/出口、0.25Lの滴下漏斗、温度プローブおよび還流凝縮器を備えた2Lの反応器に入れた。22℃で約40分間撹拌した後、反応が開始し、35℃に到達させた。冷却を行い、さらなる1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(0.153kg、0.79モル)を35〜40℃で0.5時間かけて添加した。添加が完了したら、反応系を35〜40℃でさらに1時間撹拌した後、グリニャール試薬溶液を1時間かけて20〜25℃に冷却した。1時間の冷却期間中に、2b−Br(0.2kg、0.62モル)およびTHF(0.8L)を窒素入口/出口、0.5Lの滴下漏斗、温度プローブおよび還流凝縮器を備えた5Lの反応器に入れ、15〜20℃で撹拌して溶液を得た後、−5〜0℃に冷却した。
【0175】
グリニャール試薬をモルホリンアミドのTHF溶液に−3〜2℃で50分かけて添加し、この溶液を約0℃で1時間撹拌した。反応混合物の試料をGC分析に供した。1mlの試料を2Mの塩酸溶液(5ml)に入れて失活させ、MTBE(2ml)で抽出した。有機層を分析に供し、この分析により0.76%モルホリンアミドの残留が確認された。
【0176】
2Mの塩酸溶液(1L)を10℃未満で0.75時間かけて添加して反応系を失活させ、さらに0.5時間撹拌した。撹拌を停止し、相を分離した。下側の水層を除去し、tert−ブチルメチルエーテル(MTBE)(0.4L)で抽出した。1つにまとめた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(0.4L)および飽和塩化ナトリウム溶液(0.4L)で洗浄した。溶媒を真空下50℃未満で蒸発させ、カール・フィッシャー(KF)分析による水分が0.1%未満になるまでトルエンの一部(0.2L)と共蒸留した。
【0177】
トルエン(0.37L)およびn−ヘプタン(0.37L)をSilicaFlash P60(40〜63ミクロン)(0.11kg)と共に残留物に添加し、反応系を20〜25℃で1時間撹拌した。反応系を濾過し、トルエン/n−ヘプタン(1:1)(2L)で洗浄した。溶媒を50℃未満で蒸発させ、溶媒をTHFに交換して約36wt%の3−Br溶液を得た。蒸発前のトルエン/n−ヘプタン溶液の試料の重量分析では、0.21kg(98.5%)の質量収率が確認された。この材料のGCアッセイは95.34%であり、93.9%の含有収率を得た。蒸発させた試料のGC(AVC)分析は94.5%であり、HPLC(AVC)は97.1%であった。
【0178】
実施例3:5−ブロモ−2−((2−(2,4−ジフルオロフェニル)オキシラン−2−イル)ジフルオロメチル)ピリジン(4−Br)の調製
【化214】
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【0179】
トリメチルスルホキソニウムヨージド(TMSI、37.93g、1.2当量)をジメチルスルホキシド(300mL、5体積)およびテトラヒドロフラン(500mL、10体積)の混合物に20〜35℃で添加した(淡黄色の懸濁液が観察された)。次いで、カリウムtert−ブトキシドのTHF溶液(172.5mL、1.2当量)を反応混合物に添加し、20〜35℃で60〜90分間撹拌し、透明な溶液を得た。次いで、反応混合物を0〜5℃に冷却し、反応混合物の温度を15℃未満に維持しながら3−Br(50g、1当量)のテトラヒドロフラン(150mL、3体積)溶液を添加した。反応の進行をGCで監視した。反応混合物のpHが3未満になるように、1Mの塩酸(500mL、10体積)を0〜15℃で添加して反応系を失活させた。反応混合物をこの温度で10〜15分間維持し、次いで、10%重炭酸ナトリウム溶液(300mL、6体積)を添加して、この溶液のpHを7超にした。反応混合物を10〜15℃で約15分間維持した後、反応混合物をMTBE(770mL、13.5体積)で希釈し、20〜30℃にした。有機層を分離し、水(100mL、2体積)で2回洗浄し、次いで10%塩化ナトリウム(200mL、4体積)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム(12.5g、0.25w/w)で乾燥し、濾過し、硫酸ナトリウムをMTBE(100mL、2体積)で洗浄した。濾液および洗浄液を一緒に貯留し、溶媒を45℃未満で減圧蒸留して35g(収率:88%、GC純度:60%超)の粗製の4−Brを得た。
【0180】
粗製の4−BrをMTBEに溶解し、シリカゲルに吸着させ、5〜10%酢酸エチル/ヘプタンを移動相として用いるシリカゲルクロマトグラフィで精製した。4−Brを含む画分を一緒に貯留し、溶媒を蒸留して比較的純粋な4−Brを得た。室温の5%酢酸エチルのヘプタン溶液(4体積)中でスラリー化して4−Brをさらに精製した。次いで、純粋な4−Br化合物を40℃未満で減圧乾燥して15g(37%の収率、95%超)の4−Brを淡褐色の固体として得た。
1H NMR: TMSに対するδ値 (DMSO-d
6; 400 MHz): 8.82 (1H, d, J = 1.6 Hz, Ar-H), 8.21 (1H, dd, J = 6.8 Hz, 1.6 Hz, Ar-H), 7.50 (1H, d, J = 6.8 Hz, Ar-H), 7.43 - 7.38 (1H, m, Ar-H), 7.27 - 7.23 (1H, m, Ar-H), 7.11 - 7.07 (1H, m, Ar-H), 3.39 (1H, d, J = 3.6 Hz, -OCH
AH
B-), 3.14 (1H, d, J = 2.0 Hz, -OCH
AH
B-).
13C NMR: 163.87 -159.78 (dd, 2 x Ar-C-), 150.19 (Ar-C), 149.45 (t, Ar-C), 140.14 (Ar-C), 132.80 (Ar-C), 123.18 (Ar-C), 122.50 (Ar-C), 117.41 (t, -CF
2-), 116.71 (Ar-C), 111.58 (Ar-C), 104.04 (t, Ar-C), 57.03 (-C-O-CH
2-), 49.57 (-CH
2-O-).
【0181】
第2の例
窒素入口/出口、温度プローブおよび滴下漏斗を備えた5Lの反応器に窒素下でカリウムtert−ブトキシド(0.061kg、0.54モル、1.05当量)、トリメチルスルホキソニウムヨージド(0.125kg、0.566モル、1.1当量)、THF(1.56L)およびジメチルスルホキシド(DMSO)(1.03L)を入れた。混合物を約20℃で1時間撹拌した後(約0.25時間後に溶液が得られた)、0℃に冷却した。3−BrのTHF溶液(0.18kg、0.515モルが0.53kgの溶液に含まれていた、溶液のGCアッセイ:33.6%)を0〜2℃で1時間かけて添加し、この温度でさらに1時間撹拌した。反応混合物の試料からGC分析のために試料を採取し、この分析により99.5%超の出発物質の変換が確認された。
【0182】
1Mの塩酸溶液(0.29L)を0〜5℃で添加して反応系を失活させ、さらに0.5時間撹拌し続けた。撹拌を停止し、相を分離した。下側の水層をMTBE(0.58L)で抽出し、1つにまとめた有機相を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(0.33kg)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(0.58L)および飽和塩化ナトリウム溶液(0.58L)で洗浄した。この溶液の重量分析では4−Brの定量的質量収率が確認された。GC(AVC)分析は89.1%であり、HPLC(AVC)は81.5%であった。溶媒を真空下50℃未満で蒸発させ、溶媒を1.4kgの添加によりメタノールに交換した。真空下50℃未満でさらに蒸発を行って固体の残留物(0.189kg)を得、これを次の反応で使用した。
【0183】
実施例4:3−アミノ−1−(5−ブロモピリジン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロプロパン−2−オール(±4b−Br)の調製
【化215】
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【0184】
10〜20℃のオートクレーブにおいて4−Br(200g、1当量)をメタノール性アンモニア(8.0L、40体積、アンモニア含有量:15〜20%w/v)に添加した。反応混合物を密閉条件下3〜4kg/cm
2で徐々に60〜65℃に10〜12時間加熱した。反応の進行をGCで監視した。反応が完了した後、反応混合物を20〜30℃に冷却し、徐々に圧力を解放した。溶媒を50℃未満で減圧蒸留し、得られた粗製物質をメタノール(2×600mL、6体積)、次いでイソプロパノール(600mL、2体積)と共沸混合して、203g(収率:96.98%、HPLC純度:94.04%)の±4b−Brを得た。
【0185】
第2の例
4−Brの固体(0.18kg、0.493モル)およびメタノール(1.4kg)を窒素入口/出口、温度プローブおよび凝縮器を備えた5Lの反応器に入れた。濃縮したアンモニア溶液(1.62kg)を20〜25℃で添加し、反応系を45〜50℃にゆっくりと加熱した(アンモニアガス排出)。加熱期間中に反応混合物により溶液が得られた。この溶液をさらに18時間加熱し、その後、試料をHPLC分析に供し、この分析により出発物質の変換が確認された。
【0186】
反応混合物を約5体積まで濃縮し、MTBE(1.3L)を添加した。20%炭酸カリウム水溶液(0.14kg)を添加し(溶液のpH:11.5〜12)、相を分離した。上側の有機層を飽和塩化ナトリウム溶液(0.29L)で洗浄した。MTBE溶液(1.09kg)の重量分析により±4b−Brを含む0.186kgの粘性の油を得た。この油のHPLC(AVC)分析は79.5%であり、HPLC(w/w)アッセイは82.3%であった。
【0187】
実施例5:3−アミノ−1−(5−ブロモピリジン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロプロパン−2−オール(4b−Brまたは2c−Br)の調製
【化216】
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【0188】
アミノアルコール±4b−Br(150g、1当量)をイソプロパノール/アセトニトリル混合物(1.5L、8:2の比、10体積)に溶解し、ジ−p−トルオイル−L−酒石酸(L−DPTTA)(84.05g、0.55当量)を20〜30℃で反応器に添加した。反応混合物を45〜50℃に1〜1.5時間加熱した(注記:反応混合物は透明になり、次いで不均質になった)。反応混合物を徐々に20〜30℃に冷却し、16〜18時間撹拌した。分割の進行をキラルHPLC分析で監視した。
【0189】
分割が完了した後、反応混合物を徐々に20〜35℃に冷却した。反応混合物を濾過し、濾過した固体をアセトニトリルおよびイソプロパノールの混合物(8:2混合物、300mL、2体積)で洗浄し、乾燥して75gのL−DPTTA塩(95.37%のee)を得た。得られたL−DPTTA塩をイソプロパノール/アセトニトリル(8:2混合物、750mL、5体積)に45〜50℃で24〜48時間懸濁して、この塩をキラル的に濃縮した。キラル濃縮をキラルHPLCで監視し、この溶液を徐々に20〜25℃に冷却し、濾過し、イソプロパノール/アセトニトリル混合物(8:2混合物、1体積)で洗浄した。精製プロセスを繰り返し、濾過後、この塩により96%ee超のキラル純度が得られた。濾過した化合物を35〜40℃で減圧乾燥して、62gの鏡像異性的に濃縮されたL−DPPTA塩を97.12%のeeでオフホワイトの固体として得た。
【0190】
鏡像異性的に濃縮されたL−DPTTA塩(50g、1当量)を20〜30℃でメタノール(150mL、3体積)に溶解し、炭酸カリウム溶液(18.05gのK
2CO
3を150mLの水に溶解)を撹拌しながら20〜30℃でゆっくりと添加した。反応混合物をこの温度で2〜3時間維持した(この溶液のpHを9に維持した)。さらなる漏斗により水(600mL、12体積)を反応混合物に添加し、反応混合物を20〜30℃で2〜3時間撹拌した。固体を濾過し、水(150mL、3体積)で洗浄し、40〜45℃で真空乾燥して、26.5gのアミノアルコール4b−Brまたは4c−Brを99.54%の化学的純度および99.28%のeeでオフホワイトの固体として得た(キラルアミノアルコールの水分は0.10%w/w未満である)。
1H NMR: TMSに対するδ値 (DMSO-d
6; 400 MHz): 8.68 (1H, d, J = 2.0 Hz, Ar-H), 8.16 (1H, dd, J = 8.0 Hz, 2.0 Hz, Ar-H), 7.49 - 7.43 (1H, m, Ar-H), 7.40 (1H, d, J = 8 Hz, Ar-H), 7.16 - 7.11 (1H, m, Ar-H), 7.11 - 6.99 (1H, m, Ar-H), 3.39 - 3.36 (1H, m, -OCH
AH
B-), 3.25 - 3.22 (1H, m, -OCH
AH
B-).
13C NMR: 163.87 -158.52 (dd, 2 x Ar-C-), 150.88 (Ar-C), 149.16 (Ar-C), 139.21 (Ar-C), 132.39 (Ar-C), 124.49 (Ar-C), 122.17 (Ar-C), 121.87 (d, Ar-C), 119.91 (t, -CF
2-), 110.68 (Ar-C), 103.97 (t, Ar-C), 77.41 (t,-C-OH), 44.17 (-CH
2-NH
2).
【0191】
第2の例
ジ−p−トルオイル−L−酒石酸(0.069kg、0.178ml、0.3当量)を窒素下で窒素入口/出口を備えた5Lの反応器に入れた。±4b−BrのIPA溶液(1.718kg、含まれている質量:0.225kg、0.59モル、1当量)を添加し、次いでアセトニトリル(0.35kg)を添加した。反応混合物を約20℃で撹拌し、溶液を得た。反応系を50〜55℃(標的52℃)に加熱し、この温度で4時間撹拌し、その間に沈殿が生じた。試料の熱濾過およびIPA/アセトニトリル(4:1)での洗浄により、反応系のインプロセスキラルHPLC試料を採取した。これにより99%超のキラル純度が確認された。
【0192】
反応系を放冷し、16時間かけて20〜25℃で撹拌した。第2の試料をキラルHPLC分析に供し、この分析は99.5%であった。反応混合物を濾過し、IPA/アセトニトリル(4:1)(0.84L)の混合物で洗浄した。得られた固体を50℃で真空乾燥して、4b−BrのヘミL−DTTA塩(0.113kg)を白色の固体として得た。質量収率は33.2%であり、これは所望の異性体の66.35%である。キラルHPLCは99.6%であり、アキラルHPLCは99.7%であった。
【0193】
実施例6:1−(5−ブロモピリジン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オール(1−6*−Brまたは1−7*−Br)の調製
【化217】
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【0194】
4b−Brまたは4c−Br(20.0g、1当量)を25〜35℃で酢酸(50mL、2.5体積)に添加し、次いで、無水酢酸ナトリウム(4.32g、1当量)、オルトギ酸トリメチル(15.08g、2.7当量)を添加した。反応混合物をこの温度で15〜20分間撹拌し、トリメチルシリルアジド(12.74g、2.1当量)を反応混合物に添加した(冷水を凝縮器に循環させて蒸発による反応混合物からのトリメチルシリルアジドの損失を最小限に抑えた)。次いで、反応混合物を70〜75℃に加熱し、この温度で2〜3時間維持した。反応の進行をHPLCで監視した。反応が完了したら、反応混合物を25〜35℃に冷却し、水(200mL、10体積)を添加した。反応混合物を酢酸エチル(400mL、20体積)で抽出し、水層を酢酸エチル(100mL、5体積)で逆抽出した。1つにまとめた有機層を10%炭酸カリウム溶液(3×200ml、3×10体積)で洗浄し、次いで10%NaCl洗浄液(1×200mL、10体積)で洗浄した。有機層を45℃未満で減圧蒸留した。得られた粗製物質をヘプタン(3×200mL)と共沸混合して21.5g(94%の収率、99.265の純度)のテトラゾール1−6*または1−7*化合物を淡褐色の固体(低融点固体)として得た。
1H NMR: TMSに対するδ値 (DMSO-d
6; 400 MHz NMR機器): 9.13 (1H, Ar-H), 8.74 (1H, Ar-H), 8.22 - 8.20 (1H, m, Ar-H), 7.44 (1H, d, J = 7.2 Hz, Ar-H), 7.29 (1H, Ar-H), 7.23 - 7.17 (1H, m, Ar-H), 6.92 - 6.88 (1H, Ar-H), 5.61 (1H, d, J = 11.2 Hz, -OCH
AH
B-), 5.08 (1H, d, J = 5.6 Hz, -OCH
AH
B-).
13C NMR: 163.67 -161.59 (dd, Ar-C-), 160.60 - 158.50 (dd, Ar-C-), 149.65 (Ar-C), 144.99 (Ar-C), 139.75 (Ar-C), 131.65 (Ar-C), 124.26 (Ar-C), 122.32 (d, Ar-C), 119.16 (t, -CF
2-), 118.70 (d, Ar-C), 111.05 (d, Ar-C) 104.29 (t, Ar-C), 76.79 (t,-C-OH), 59.72 (Ar-C), 50.23 (-OCH
2N-).
【0195】
実施例7:2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(5−(4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)ピリジン−2−イル)プロパン−2−オール(1または1a)の調製
【0196】
A.1−6*−Brまたは1−7*−Brを介した1または1aの調製
【化218】
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【0197】
4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)−1,3,2−ジオキサボロランの合成
炭酸カリウム(59.7g、2.2当量)をDMF(190mL、3.8体積)、4−ブロモフェノール(37.4g、1.1当量)および2,2,2−トリフルオロエチルトシラート(50.0g、1.0当量)のスラリーに不活性雰囲気下20〜35℃で添加した。反応混合物を115〜120℃に加熱し、この温度で15〜18時間維持した。反応の進行をGCで監視した。次いで、反応混合物を20〜35℃に冷却し、トルエン(200mL、4.0体積)および水(365mL、7.3体積)を同じ温度で添加し、10〜15分間撹拌し、層を分離した。水層をトルエン(200mL、4.0体積)で抽出した。有機層を1つにまとめ、2Mの水酸化ナトリウム溶液(175mL、3.5体積)で洗浄した後、20%塩化ナトリウム溶液(175mL、3.5体積)で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。トルエン層をアルゴンガスで少なくとも1時間パージした綺麗な反応器に移した。ビス(ピナコラト)ジボラン(47g、1.1当量)、酢酸カリウム(49.6g、3.0当量)および1,4−ジオキサン(430mL、10体積)を20〜35℃で添加し、反応混合物をアルゴンガスで少なくとも1時間パージした。Pd(dppf)Cl
2(6.88g、0.05当量)を反応混合物に添加し、アルゴンパージを10〜15分間続けた。反応混合物の温度を70〜75℃に上昇させ、この温度をアルゴン雰囲気下で15〜35時間維持し、反応の進行をGCで監視した。反応混合物を20〜35℃に冷却し、反応混合物をセライトパッドで濾過し、酢酸エチル(86mL、2体積)で洗浄した。濾液を水(430mL、10体積)で洗浄した。水層を酢酸エチル(258mL、6体積)で抽出し、1つにまとめた有機層を10%塩化ナトリウム溶液(215mL、5体積)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム(43g、1倍量(w/w))で乾燥し、濾過し、45℃未満で減圧濃縮して粗製の4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(65g、71%の収率、85.18%のGC純度)を得た。粗製の4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(65g、1当量)を10%酢酸エチル−n−ヘプタン(455mL、7体積)に溶解し、20〜35℃で30〜50分間撹拌した。この溶液をセライト床で濾過し、10%酢酸エチル−n−ヘプタン(195mL、3体積)で洗浄した。濾液および洗浄液を一緒に貯留し、45℃未満で真空濃縮して4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)−1,3,2−ジオキサボロランを濃いシロップとして得た(45.5g、70%の回収)。次いで、これを3%酢酸エチル−n−ヘプタン(4体積)に溶解し、100〜200Mのシリカゲルに吸着させ(2回)、3%酢酸エチル−n−ヘプタンを用いてシリカで溶離した(4回)。生成物を多く含む画分を一緒に貯留し、真空濃縮した。カラムで精製した画分(85%超の純度)を蒸留装置を備えた丸底フラスコに移した。この化合物を高真空下180℃未満で蒸留し、複数の画分に分けて回収した。画分の純度をGCで分析した(98%超であり、単一の最大不純物が1.0%未満でなければならない)。より純度の低い画分(85%超かつ98%未満の純粋な画分)を一緒に貯留し、蒸留を繰り返して19g(32%の収率)の4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)−1,3,2−ジオキサボロランを淡黄色の液体として得た。
1H NMR: TMSに対するδ値 (DMSO-d
6; 400 MHz): 7.64 (2H, d, 6.8 Hz), 7.06 (2H, d, J = 6.4 Hz), 4.79 (2H, q, J = 6.8 Hz), 1.28 (12H, s).
13C NMR: 159.46 (Ar-C-O-), 136.24 (2 x Ar-C-), 127.77 - 120.9 (q, -CF
3), 122.0 (Ar-C-B), 114.22 (2 x Ar-C-), 64.75 (q, J = 27.5 Hz).
【0198】
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(5−(4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)ピリジン−2−イル)プロパン−2−オール(1または1a)の合成
1−6*−Brまたは1−7*−Br(14g、0.03モル、1当量)を25〜35℃でテトラヒドロフラン(168mL、12体積)に添加し、得られた溶液を40〜45℃に加熱した。反応混合物をアルゴンを通気しながらこの温度で20〜30分間維持した。炭酸ナトリウム(8.59g、0.08モル、2.5当量)および水(21mL、1.5体積)を反応混合物に添加し、アルゴン通気をさらに20〜30分間続けた。テトラヒドロフラン(42mL、3体積)に溶解した4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(10.76g、1.1当量)を反応混合物に添加し、アルゴン通気を20〜30分間続けた。Pd(dppf)Cl
2(2.65g、0.1当量)をアルゴン通気下で反応混合物に添加し、20〜30分間撹拌した(反応混合物は暗赤色に変わった)。反応混合物を65〜70℃に加熱し、この温度で3〜4時間維持した。反応の進行をHPLCで監視した。反応混合物を40〜45℃に冷却し、溶媒を減圧蒸留した。トルエン(350mL、25体積)を反応混合物に添加し、10〜15分間撹拌した後、水(140mL、10体積)を添加した。反応混合物をHyfloで濾過し(42g、3回)、層を分離し、有機層を水(70mL、5体積)および20%w/w塩化ナトリウム溶液(140mL、10体積)で洗浄した。有機層を木炭で処理し(5.6g、0.4倍、中性の木炭)、Hyfloで濾過した。(1S)−10−カンファースルホン酸(7.2g、1当量)をトルエン層に添加し、得られた混合物を70〜75℃に2〜3時間加熱した。反応混合物を徐々に25〜35℃に冷却し、1〜2時間撹拌した。固体を濾過し、トルエン(2×5体積)で洗浄し、次いで45℃未満で真空乾燥して、18.0gのオフホワイトの固体を得た。固体(13.5g、1当量)をトルエン(135mL、10体積)に懸濁し、1MのNaOH溶液(1.48体積、1.1当量)を25〜35℃で添加して中和し、20〜30分間撹拌した。水(67.5mL、5体積)を反応混合物に添加し、10〜15分間撹拌し、次いで層を分離した。有機層を水(67.5mL、5体積)で洗浄して微量のCSAを除去した。トルエンを45℃未満で減圧除去して、粗製の1または1aを得た。エタノール(3×10体積)との共沸混合により微量のトルエンを除去し、その後、粗製の1または1a(7.5g、80%収率)の淡褐色の固体を得た。
【0199】
粗製の1または1a(5g)を20〜35℃でエタノール(90mL、18体積)に溶解し、40〜45℃に加熱した。水(14体積)を40〜45℃でこの溶液に添加し、この溶液をこの温度で30〜45分間維持し、次いで徐々に20〜35℃に冷却した。得られた懸濁液を20〜35℃で16〜18時間撹拌し続け、さらなる量の水(4体積)を添加し、3〜4時間撹拌し続けた。固体を濾過して4.0g(80%の回収)の1または1a(HPLC純度:98%超)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR: TMSに対するδ値 (DMSO-d
6; 400 MHz): 9.15 (1H, s, Ar-H), 8.93 (1H, d, J = 0.8 Hz, Ar-H), .8.22 - 8.20 (1H, m, Ar-H), 7.80 (2H, d, J = 6.8 Hz, Ar-H), 7.52 (1H, d, J = 6.8 Hz, Ar-H), 7.29 (1H, d, J = 3.2Hz, Ar-H), 7.27 - 7.21 (1H, m, Ar-H), 7.23 - 7.21 (2H, d, J = 6.8 Hz, Ar-H), 7.19 (1H, d, J = 6.8 Hz, Ar-H), 6.93 - 6.89 (1H, m, Ar-H), 5.68 (1H, J = 12 Hz, -CH
AH
B), 5.12 (2H, d, J = 11.6 Hz, -CH
AH
B), 4.85 (2H, q, J = 7.6 Hz).
13C NMR: 163.93 - 158.33 (m, 2 x Ar-C), 157.56 (Ar-C), 149.32 (t, Ar-C), 146.40 (Ar-C), 145.02 (Ar-C), 136.20 (Ar-C), 134.26 (2 x Ar-C), 131.88 - 131.74 (m, AR-C), 129.72 (Ar-C), 128.47 (2 x Ar-C), 123.97 (q, -CF
2-), 122.41 (Ar-C), 119.30 (-CF
3), 118.99 (Ar-C), 115.65 (2 x Ar-C), 110.99 (d, Ar-C), 104.22 (t, Ar-C), 77.41 - 76.80 (m, Ar-C), 64.72 (q, -OCH
2-CF
3), 50.54 (-CH
2-N-).
【0200】
B.4b−Brまたは4c−Brを介した1または1aの調製
【化219】
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【0201】
3−アミノ−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−(4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)ピリジン−2−イル)プロパン−2−オール(8aまたは8b)の合成
炭酸カリウム(30.4g)および水(53.3g)をオーバーヘッドスターラー、熱電対および窒素/真空入口弁を備えた1Lのフラスコに入れ、溶解するまで撹拌した。ボロン酸(19.37g)、4b−Brまたは4c−Brの2−ブタノール溶液(理論上103.5g、27.8gの4b−Brまたは4c−Br)および2−BuOH(147.1g)を添加し、撹拌して透明の混合物を得た。フラスコを空にし、窒素で3回再充填した。Pd(dppf)
2Cl
2(0.30g)を添加し、撹拌して淡橙黄色の溶液を得た。フラスコを空にし、窒素で4回再充填した。混合物を85℃に加熱し、一晩撹拌し、HPLC分析により終点を確認した。反応混合物を60℃に冷却し、層を安定させた。水層を分離した。有機層を30〜40℃の5%NaCl溶液(5×100ml)で洗浄した。有機層を濾過し、2−BuOHで洗い流した綺麗なフラスコに移した。1つにまとめた溶液は309.7gであり、KF分析による水分は13.6wt%であった。この溶液を2−BuOH(189g)および水(10g)で希釈した。理論上、この溶液は34.8gの生成物、522ml(15体積)の2−BuOHおよび52.2ml(1.5体積)の水を含んでいた。L−酒石酸(13.25g)を添加し、混合物を70〜75℃の標的温度に加熱した。加熱中、濃い懸濁液が得られた。70〜72℃で約15分後、懸濁液は流体になり、容易に撹拌した。懸濁液を10℃/時間の速度で25℃に冷却し、次いで25℃で約10時間撹拌した。生成物を真空フィルタで回収し、10:1(v/v)の2−BuOH/水(50ml)および2−ブタノール(40ml)で洗浄した。この塩を60℃の真空オーブンにて窒素パージにより2日間乾燥した。40.08gの8aまたは8bが綿毛状の灰色がかった白色の固体として得られた。KF分析による水分は0.13wt%であった。収率は99.48%のHPLC純度で87.3%であった。
【0202】
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(5−(4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)ピリジン−2−イル)プロパン−2−オール(1または1a)の合成
350mlの耐圧瓶に、酢酸(73ml)、8aまたは8b(34.8g)、酢酸ナトリウム(4.58g)およびオルトギ酸トリメチル(16.0g)を入れた。均一な懸濁液が得られるまで混合物を室温で18分間撹拌した。アジドトリメチルシラン(8.88g)を添加し、瓶を密閉した。瓶を油浴に浸漬し、磁気撹拌した。油浴は最初に52℃であり、約1/2時間かけて62〜64℃に温めた。懸濁液を62〜64℃で一晩撹拌した。20.5時間後、懸濁液を室温に冷却し、試料を採取した。HPLC分析により反応を完了させた。反応系を同じ原料ロットおよび一般的な手順を使用した3種類の他の反応系と1つにまとめた(全部で3.0gのさらなる出発物質)。1つにまとめた反応系を酢酸エチル(370ml)および水(368ml)で希釈し、室温で約1/2時間撹拌した。層を安定させて分離した。有機層を10%K
2CO
3溶液(370ml/397g)および20%NaCl溶液(370ml/424g)で洗浄した。有機層(319g)を濃縮し、エタノール(202g)で希釈し、濾過し、エタノール(83g)で洗い流した。1つにまとめた濾液を74gの琥珀色の溶液になるまで濃縮した。
【0203】
粗製の1または1aのエタノール溶液(74gの溶液、理論上31.9gの1または1aを含む)を、オーバーヘッドスターラー、熱電対および添加漏斗を備えた2Lのフラスコに移した。1または1a溶液の移動を完了するために使用するものを含み、エタノール(335g)を添加した。この溶液を名目上50℃に加熱し、水(392g)を12分かけて添加した。得られた濁った溶液に1または1a結晶を種晶として加え、50℃で撹拌した。約1/2時間後、混合物を約1/2時間かけて40℃に放冷し、この間に結晶化が始まった。若干より暗めの色の分厚い固体を主懸濁液から分離した。41%KOH(1.7g)を用いて、結晶化している混合物のpHを4.5から6に調整した。約1時間後、良好な懸濁液が得られた。さらなる水(191g)を1/2時間かけてゆっくりと添加した。懸濁液を50℃に加熱し、5℃/分で室温に冷却した。一晩撹拌した後、懸濁液を水浴で16℃に冷却し、1時間後に濾過した。濡れたケークを55:45(v/v)の水/エタノール(2×50ml)で洗浄し、真空フィルタ漏斗上で一晩空気乾燥した。真空オーブンにて窒素を通気しながら40℃でさらに乾燥してもさらなる重量減少は生じなかった。30.2gのオフホワイトの微粉末および若干より暗い顆粒材料が得られた。インプロセスHPLC分析では、より暗い材料とより明るい材料の化学的純度において差は認められなかった。純度は99.4%であった。KF分析による水分は2.16wt%であった。残留するエタノールは、
1H NMR分析による推定では1.7wt%であった。回収収率は29.0gであり、テトラゾール形成および結晶化のための全収率は91.0%であった。DSC分析による融点は65℃であった。
【0204】
C.4b−Brまたは4c−Brを介した1または1aの他の調製
窒素入口/出口を備えた5Lの反応器に、窒素下で4b−BrのヘミL−DTTA塩(0.145kg、0.253モル)およびMTBE(0.725L)を入れた。懸濁液を撹拌し、炭酸カリウム(0.105kg、0.759モル、3当量)の水(0.945kg)溶液を添加した。反応系を0.25時間撹拌し、この間に溶液が生じた。撹拌を停止し、相を分離した。下側の水層(pH10)を除去し、MTBE(0.725L)で抽出した。1つにまとめた有機層を50℃未満で真空蒸発させて油(0.105kg)を得た。2−ブタノール(0.276kg)を添加し、蒸留して残留するMTBEを除去した。2−ブタノール(0.39kg)を添加した。4b−Br(−)溶液の重量(0.502kg)は、理論上の遊離塩基(0.096kg)および2−ブタノール(0.406kg)を含むものと推定した。
【0205】
炭酸カリウム(0.104kg、0.759モル、3当量)の水(0.184kg)溶液を調製し、4−(トリフルオロエトキシ)フェニルボロン酸(0.067kg.0.304モル、1.2当量)と共に反応器に入れた。4b−Br(−)の2−ブタノール溶液を添加し、次いで2−ブタノール(0.364kg)をさらに入れた。透明な溶液を窒素で0.5時間パージした後、Pd(dppf)Cl
2触媒(1.03g、0.5モル%)を添加し、窒素パージをさらに0.5時間続けた。反応系を85℃に加熱し、18時間維持し、その後HPLC IPC分析では出発物質の消費が確認された。
【0206】
反応混合物を60℃に冷却し、下側の水相を分離した(低温で塩が沈殿する)。有機相を30〜40℃の5%塩化ナトリウム溶液(5×0.334kg)で洗浄し、小さい界面層を最終の水性洗浄液で除去した。有機相をガラス繊維フィルタで濾過し、2−ブタノール(0.065L)で洗浄した。溶液の総重量(0.921kg)は、KF分析では15.7%であり(0.145kgが含まれている)、推定される理論上の鈴木遊離塩基7a(0.120kg)および2−ブタノール(0.656kg)が含まれていた。さらなる2−ブタノール(0.793kg)および水(0.036kg)を添加した。理論上の反応組成は0.120kgの生成物、15体積の2−ブタノールおよび1.5体積の水であった。
【0207】
L−酒石酸(0.046kg、0.304モル、1.2当量)を添加し、反応系を70〜75℃に加熱した。加熱期間中に懸濁液は濃くなったが、温度で薄まって行った。加熱を1時間維持した後、約10℃/時間で20〜25℃に冷却し、約16時間撹拌した。生成物を濾過により単離し、10:1(v/v)の2−ブタノール/水(0.17L)および2−ブタノール(0.14L)で洗浄した。固体を60℃で真空乾燥して8aの酒石酸塩(0.132kg、83%)をホフホワイト/灰色の固体として得た。KF分析による水分は2.75%であり、HPLCは99.5%であった。
【0208】
凝縮器、温度プローブおよび窒素入口/出口を備えた1Lの反応器に、窒素下で8aの酒石酸塩(0.13kg、0.208モル)、酢酸ナトリウム(0.017kg、0.208モル)および酢酸(0.273L)を入れた。オルトギ酸トリメチル(0.132kg、1.248モル、6当量)を添加し、懸濁液を20〜25℃で1.25時間撹拌した。アジドトリメチルシラン(0.033kg、0.287モル、1.4当量)を添加し、懸濁液を60〜65℃に加熱し、この温度で16時間維持した。試料をHPLC IPC分析に供し、この分析では0.2%の出発物質および2.9%のホルムアミド不純度が確認された。
【0209】
反応混合物を20〜25℃に冷却し、酢酸エチル(1.38L)および精製した水(1.38L)と共に5Lの反応器に入れた。二相溶液を0.5時間撹拌し、水相(pH:4〜5)を除去した。小さい相間層を有機層と共に保持した。有機相を10%炭酸カリウム水溶液(2.2kg)で洗浄し、分離した(水性層のpH:9.3)。有機相を20%塩化ナトリウム溶液(1.625kg)で洗浄し、小さい相間層を水性層と共に除去した。
【0210】
有機相をSiliaMetSチオールパラジウムスカベンジャー(9.2g)と共に窒素下で2Lの反応器に入れた。反応系を50〜55℃に加熱し、この温度で16時間維持した後、20〜25℃に冷却した。スカベンジャーを0.7ミクロンのフィルタによる濾過で除去し、酢酸エチルで洗浄し、濾液/洗浄液を100mLになるまで真空下50℃未満で蒸発させた。エタノール(100%、755g)を添加し、この溶液を377g(約440mL)になるまでさらに蒸発させた。この溶液(理論上の組成:109gの1および267gのエタノール)をさらなるエタノール(1.031kg)で希釈し、5Lの反応器に移した。この溶液を50℃に加熱し、精製した水(1.34kg)を0.25時間かけて45〜50℃で添加して濁った溶液を得た。これを0.5時間撹拌し、40%炭酸カリウム溶液(一滴)でpH6に調整した。40〜42℃でさらに1時間撹拌し続け、精製した水(0.65kg)の第2の添加を0.5時間かけてこの温度で行った。この温度を50℃に上昇させ、0.5時間維持した後、10℃/時間で20℃に冷却した。固体を濾過で単離し、エタノール/水(45:55)(2×0.17L)で洗浄し、45〜50℃で真空乾燥して、1×水和物(0.0937kg、85.3%)をオフホワイトの固体として得た。HPLC(AVC)分析は、99.62%+0.27%のホルムアミドおよび0.11%のRRT0.98であった。
【0211】
参照による組み込み
本出願の全体にわたって引用されている全ての参考文献(文献、取得済特許、公開特許出願および同時係属中の特許出願を含む)の内容全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0212】
均等物
当業者であれば、本明細書に記載されている本発明の具体的な実施形態の多くの均等物を知っているか、日常の実験のみを用いて確認することができるであろう。そのような均等物は、以下の特許請求の範囲によって包含されるものとする。