特許第6509969号(P6509969)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6509969シクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイン化合物複合体及びその調製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6509969
(24)【登録日】2019年4月12日
(45)【発行日】2019年5月8日
(54)【発明の名称】シクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイン化合物複合体及びその調製方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/357 20060101AFI20190422BHJP
   A61K 47/61 20170101ALI20190422BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20190422BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20190422BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20190422BHJP
【FI】
   A61K31/357
   A61K47/61
   A61P35/00
   A61P1/04
   A61P43/00 105
【請求項の数】5
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-152228(P2017-152228)
(22)【出願日】2017年8月7日
(62)【分割の表示】特願2015-546830(P2015-546830)の分割
【原出願日】2013年12月10日
(65)【公開番号】特開2017-226688(P2017-226688A)
(43)【公開日】2017年12月28日
【審査請求日】2017年8月7日
(31)【優先権主張番号】201210543775.4
(32)【優先日】2012年12月14日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515141872
【氏名又は名称】昆薬集団股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】KPC PHARMACEUTICALS,INC
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】楊波
(72)【発明者】
【氏名】陳雲建
(72)【発明者】
【氏名】楊兆祥
(72)【発明者】
【氏名】朱澤
(72)【発明者】
【氏名】肖丹
(72)【発明者】
【氏名】趙楡林
(72)【発明者】
【氏名】廖霞俐
【審査官】 石井 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2004/075921(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第102716491(CN,A)
【文献】 International Journal of Oncology,2001年,Vol.18,No.4,pp.767-773
【文献】 Int.J.Cancer,2007年,Vol.121,No.6,pp.1360-1365
【文献】 Udo, K. et al,International Journal of Pharmaceutics,2010年,vol.388,p.95-100
【文献】 Challa, R. et al,AAPS PharmaSciTech,2005年,vol.6 no.2,p.E329-E357
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−31/80
A61K 9/00− 9/72
A61K 47/00−47/69
A61P 1/04
A61P 35/00
A61P 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルテアンヌイノイド化合物が当該アルテアンヌイノイド化合物のカルボキシル基とシクロデキストリンのヒドロキシル基との間に形成されるエステル結合を介して連結されている、シクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体を有効成分として含む、ヒト直腸の癌細胞を選択的に阻害するための医薬組成物であって、
シクロデキストリンが、スルホ化シクロデキストリンであり、
アルテアンヌイノイド化合物が、アルテスナートであり
アルテスナートとスルホ化シクロデキストリンの重量比が、1:5〜1:50であり、そして、
ヒト直腸の癌細胞がLovo又はHT90である、
医薬組成物。
【請求項2】
請求項1に記載のシクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体を調製するための方法であって、アルテアンヌイノイド化合物のカルボキシル基とシクロデキストリンのヒドロキシル基とを極性有機溶媒中で反応させてエステル結合を形成し、それによって、シクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体を得ることを含む、方法。
【請求項3】
アルテアンヌイノイド化合物とシクロデキストリンのモル比が、10:1〜1:15である、請求項2に記載の調製方法。
【請求項4】
アルテアンヌイノイド化合物及びシクロデキストリンが極性有機溶媒中に1:5〜1:50の重量比で溶解され、そして、反応が撹拌下80〜120℃で24〜192時間実施される、請求項2又は3に記載の調製方法。
【請求項5】
シクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体を精製する工程をさらに含む、請求項2〜4のいずれか一項に記載の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、医薬品合成の分野、特に、シクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体及びその調製方法に関する。
【0002】
発明の背景
過酸化基を含有するセスキテルペンラクトン化合物(セスキテルペン1,2,4−トリオキサン(セスキテルペンラクトンエンドペロキシド)、AMS)としての新世代の抗マラリア剤であるアルテミシニンは、1970年代にArtemisia annua Lから単離され、クロロキンに抵抗性である熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)に対して効果的である。アルテメテル、ジヒドロアルテアンヌイン、アルテテル及びアルテスナートなどのアルテアンヌイノイド化合物は、クロロキンに抵抗性又は感受性である熱帯熱マラリア原虫及び脳マラリアに対して効果的である。世界保健機関(WHO)によって推奨されている、マラリアに感染した人に対して迅速かつ信頼性の高いアルテアンヌイン併用療法(ACT)は、マラリアが流行している国の大部分で広く受け入れられている。
【0003】
近年、アルテアンヌイノイド化合物が良好な癌細胞殺傷効果を示すことが研究を通して見いだされている。アルテアンヌインは、正常細胞に対する影響を最小限に抑えながら、癌細胞を選択的に殺傷し得る。アルテアンヌインは、腫瘍細胞の多剤耐性を無効にし得る、従来の腫瘍に対する化学療法薬とは異なる作用機序を有する。ドキソルビシン、ビンクリスチン、メトトレキサート又はヒドロキシカルバミドに抵抗性である白血病細胞株は、アルテスナートに交差抵抗性を有しない。アルテアンヌインは、抗マラリア剤としてすでに臨床で長年使用されており、それ故、その安全性は何千もの臨床例で確認されている。その抗腫瘍機序は依然研究中であるが、これは、大量のフリーラジカルを生成するアルテアンヌインとFe2+との反応及びアルキル化と関連し得、また、腫瘍細胞アポトーシスの誘導に密接に関係している。癌細胞中の鉄イオンの濃度は、正常細胞中のそれよりはるかに高い。アルテアンヌインの構造中の過酸化物ブリッジは、鉄触媒作用によって開裂されてフリーラジカルを生成し、それによってフリーラジカル経路を介して細胞を殺傷する。加えて、研究は、アルテアンヌインがマウス白血病癌細胞及びヒト肝細胞癌細胞のアポトーシスを誘導し得ることを実証している。しかしながら、特異的な刺激機序(薬剤が標的部位に作用する)及び効果(細胞アポトーシス)は依然として不明である。研究は、アルテアンヌインが腫瘍の血管新生因子にある程度影響を及ぼすこと、そして、アルテスナートが広範囲の抗腫瘍活性を有することをさらに示唆している。
【0004】
インビトロ研究は、アルテアンヌイノイド剤が、インビトロで培養されたP388白血病細胞に作用し、かつ白血病細胞の増殖を大きく阻害することを示している。いくつかのアルテアンヌイン酸及びアルテアンヌイン酸化合物は、インビトロで様々な癌細胞を選択的に阻害する。その上、ナトリウムアルテスナートは、ヒト子宮頸癌HeLa細胞、ヒトの鼻咽頭の低分化扁平上皮細胞癌(HeLa、SUNE−1及びCNE2)に対して殺傷効果を示し、肝細胞癌BEL−7402細胞及び裸マウス中の異種移植ヒト肝細胞癌細胞の成長を大きく阻害する。アルテスナートは、U937細胞のアポトーシスを誘導し得、かつ、ヒト結腸癌HCT−8細胞、ヒト赤白血病K562細胞及びヒト乳癌細胞株MCF−7に対して殺傷効果を有する。
【0005】
インビボ実験:マウスHep2肝細胞癌に対する異なる用量のアルテスナートの効果についての実験研究において、60mg/kgのアルテスナートの腹腔内注射は、マウスHep2肝細胞癌を80.4%の抗腫瘍率で大きく阻害することが見いだされた。アルテスナートが、筋肉内注射の投与様式を介して、マウス肝細胞癌及びS180固形腫瘍を大きく阻害することが見いだされた。マウス肝細胞癌H22に対するアルテスナートの阻害効果についての実験を通して、陽性対照の5−Fuと同様に、300mg/kgのアルテスナートが強制経口によって投与された場合、抗腫瘍率が40%を超えることが見いだされた。実験マウスの移植線維肉腫の成長は、硫酸第一鉄の経口投与、続く6時間後のジヒドロアルテアンヌインの投与後に大きく阻害され得、その効果はジヒドロアルテアンヌイン単独と比較して大幅に増強される。加えて、アルテアンヌイノイド剤はまた、裸マウス中のヒト卵巣癌HO−8910移植腫瘍及びトランスジェニックマウス中の前立腺癌などの腫瘍の成長も阻害し得る。
【0006】
しかしながら、アルテアンヌイノイド剤は、低い水溶解度、低いバイオアベイラビリティを有し、癌細胞に有利に輸送され得ない。加えて、これらは、ヒト及び動物モデルにおいて急速に排泄され、それ故、癌細胞の表面で治療用量に達し得ない。
【0007】
シクロデキストリン(CD)は、デンプンからシクロデキストリングルコシルトランスフェラーゼの酵素消化によって産生される、半天然の高分子化合物である。それはほとんど加水分解され得ず、人体の胃及び小腸を通過する時に少量吸収されるだけである。シクロデキストリンは、結腸で微生物によって発酵されて、単糖又は二糖まで分解され得、それ故、大腸によって吸収され得る。
【0008】
本発明者等は、驚くべきことに、シクロデキストリンベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体が、キャリアとしてシクロデキストリンを使用することによって調製され得ることを研究から見いだした。それは、上記のアルテアンヌイノイド剤の欠陥を克服し、その治療効果を改善し、かつ毒性又は副作用を低減すると期待されている。
【0009】
発明の概要
上記の発見に基づいて、本発明の目的の1つは、標的化シクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体を提供することである。
【0010】
当業者であれば、「複合体」が、2つ以上の分子をそれらの間の共有結合を介して連結することによって形成される新たな分子実体を指すことを理解するだろう。本発明において、シクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体は、アルテアンヌイノイド化合物とシクロデキストリン化合物とをエステル結合を介して連結することによって形成される分子;特に、アルテアンヌイノイド化合物のカルボキシル基とシクロデキストリン化合物のヒドロキシル基との間に形成されるエステル結合によって形成される分子を指す。
【0011】
本発明の上記目的を達成するために、本発明は、以下の技術的解決法を採用する:
【0012】
アルテアンヌイノイド化合物がそのカルボキシル基とシクロデキストリンのヒドロキシル基との間に形成されるエステル結合を使用することによって連結されている、シクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体が提供される。エステル結合を形成するために使用されるヒドロキシル基の具体的な位置は、特に規定されないが、シクロデキストリン分子中のヒドロキシル基のいずれか1つであり得る。
【0013】
アルテアンヌイノイド化合物は、アルテアンヌイン分子の構造を修飾することによって形成される化合物を含む、過酸化物ブリッジを含有するアルテアンヌインベースの化合物のクラスである。本発明の好ましいアルテアンヌイノイド化合物は、例えば、アルテスナート、アルテアンヌインのC−12位にフェノキシル基を含有する化合物、アルテアンヌインのC−12位にアルコキシル基を含有する化合物を含む。特に好ましい化合物は、アルテアンヌイン、ジヒドロアルテアンヌイン及びアルテスナートである。
【0014】
天然のシクロデキストリン(CDと略される)は、桿菌によって生成されるシクロデキストリングルコシルトランスフェラーゼの作用によって、アミロースによって産生される一連の環状オリゴ糖に対する総称である。中でも、6、7又は8つのグルコース単位を含有する分子(それぞれ、α−、β−及びγ−シクロデキストリンとして公知である)は、非常に大きな注目を集めており、かつ非常に実用的価値がある。X線結晶回折、赤外線スペクトル及び核磁気共鳴分光学の結果に基づいて、シクロデキストリンを構成する各D(+)−グルコピラノースが椅子型配座を有すること、そして、各グルコース単位が1,4−グリコシド結合を有する環を形成することが決定されている。グルコース単位を連結するグリコシド結合は自由に回転できないため、シクロデキストリンは、一方が大きく他方が小さい2つの開口端を有する中空円筒の立体ループ構造である。疎水性領域は、空洞内のC−H結合によって引き起こされる遮蔽効果のために、中空構造中に形成される。ヒドロキシル基は全て、分子の外部に位置する。大きな開口を有する端は、C及びC第二級ヒドロキシル基からなり、小さな開口を有する端は、高親水性であるC第一級ヒドロキシル基からなり、そして、シクロデキストリンは、以下:
【化1】

で表される構造を有し、ここで、当該化合物は、q=6である場合にα−シクロデキストリンであり、q=7である場合にβ−シクロデキストリンであり、そして、q=8である場合にγ−シクロデキストリンである。
【0015】
薬理学的研究は、シクロデキストリンがヒト及び動物の消化管で直接吸収されることはほとんどなく、主に結腸管で微生物によって開鎖マルトデキストリン、マルトース及びグルコースに分解され、次いで、大腸によって吸収されることを示している。シクロデキストリンがそのようなユニークな生物学的特性を有するので、シクロデキストリンは、直腸を標的とする薬物を輸送するためのキャリアとして使用され、それによって、結腸における薬物のバイオアベイラビリティを改善し、かつその機能を発揮し得る。
【0016】
本発明において使用されるシクロデキストリンは、好ましくは、式I:
【化2】

[式中、nは、1であり、そして、m+n=6、7又は8のいずれか1つであり;
、R又はRは、−ROHであり、
ここで、Rは、(CH、NH(CH、NH(CHNH(CH、CO(CH又はO(CHであり、xは、0、1、2、3又は4である]
によって示される構造を有する。
【0017】
スルホン化シクロデキストリンは、シクロデキストリンからスルホニル化反応によって合成され、次いで、シクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物を得るために、アルテアンヌイノイド化合物と反応させてエステル結合を形成し得る。
【0018】
スルホニルで修飾されたシクロデキストリンの合成は、先行技術の文献に記載されるように実施され得る。例えば、シクロデキストリンを最初にスルホニル化剤と反応させることで、スルホン化シクロデキストリンを生成する[R.C. Petter, J.S. Salek, C.T. Sikorski, G. Kumaravel, and F.-T. Lin: J. Am. Chem. Soc. 112, 3860-3868 (1990)]。シクロデキストリンのスルホニル化は、D(+)−グルコピラノースの2位、3位及び/又は6位で起こり得る。例えば、シクロデキストリンが単置換p−トルエンスルホニルによって修飾されることを示す化学式は、以下の通りである:
【化3】
【0019】
本発明に係るアルテアンヌイノイド化合物は、カルボキシル基を含有する化合物によるアルテアンヌイン分子のC12位の置換によって形成される化合物である。アルテアンヌイノイド化合物の合成は、先行技術の文献に記載されるように実施され得る。
【0020】
ジヒドロアルテアンヌインは、カルボキシル基を含有する化合物と反応させることで、アルテアンヌイノイド化合物を生成し得る[P. M. O' Neill, et al.: J. Med. Chem. 44, 58-68(2001)]。ジヒドロアルテアンヌインは、C12位のヒドロキシル基でエーテル化又はエステル化され得る。エーテル化又はエステル化試薬は、カルボキシル基及びヒドロキシル基を含有する様々な化合物であり得、そして、その化学反応は、以下の通りである:
【化4】
【0021】
ここで、好ましくは、アルテアンヌイノイド化合物は、式II:
【化5】

[式中、Rは、(CH、CO(CH、C(CH又はCOC(CHであり、ここで、yは、0以上の整数であり、COは、カルボニルであり、そして、Cは、ベンゼン環である]
で表される構造を有する。
【0022】
より好ましくは、エーテル化又はエステル化試薬は、コハク酸、無水コハク酸、テレフタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、p−ハロ安息香酸及びp−ハロベンゾアート(ここで、「ハロ」は、「フルオロ」、「クロロ」、「ブロモ」及び「ヨード」を含む)からなる群より選択される。
【0023】
本発明の別の目的は、本発明のシクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体を調製するための方法を提供することである。
【0024】
アルテアンヌイノイド化合物は、低い水溶解度及び油溶解度を有し、かつ炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸塩などの弱塩基条件下で塩を形成し、アルテアンヌイノイド化合物の水溶性の塩を生成する。
【0025】
より好ましくは、アルテアンヌイノイド化合物は、5%〜10%の重炭酸ナトリウム溶液に完全に溶解され得る。
【0026】
本発明のある実施態様において、アルテアンヌイノイド化合物の塩及びスルホン化シクロデキストリンは、極性有機溶媒に、10:1〜1:1.5のモル比で又は1:5〜1:50の重量比で溶解される。
【0027】
好ましくは、極性有機溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルアミド又はジメチルスルホキシドである。
【0028】
反応系は、80〜120℃で24〜192時間撹拌される。
【0029】
濃縮液をアセトン中に1:5〜1:50の重量比で滴下して、得られた懸濁液を濾過又は遠心機によって遠心し、アセトンで2〜6回洗浄する。得られた固体を乾燥させ、それによって、本発明のシクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物の粗生成物を得る。
【0030】
好ましくは、シクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物の粗生成物を、水又はわずかに酸性の水(pH=6〜7)に1:5〜1:50の重量比で溶解させ、撹拌混合した後に濾過し得る。得られた固体を真空下40〜60℃で4〜40時間乾燥させ、それによって、シクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物の純粋な生成物を得る。
【0031】
スルホン化シクロデキストリン及びアルテアンヌイノイド化合物は、低い水溶解度を有し、水にほとんど不溶性である。本発明者等は、驚くべきことに、アルテアンヌイノイド化合物が水にほとんど不溶性であるという問題が、アルテアンヌイノイド化合物とスルホン化シクロデキストリンとをエステル結合を介して連結することによって十分に解決され得ることを見いだした。
【0032】
上記のシクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体の粗生成物は精製され得る。精製は、エステル化反応から得られた反応溶液を乾燥させ、固体残渣を回収し、それを水に溶解させ、次いで、濾過して不純物を除去し、有機溶媒沈殿法によって単離して、そのようにして、シクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物の純粋な生成物を得ることを含む。濾過の目的は、未反応のアルテアンヌイノイド化合物及び過剰なスルホン化シクロデキストリンを除去することである。
【0033】
シクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物の純粋な生成物は、有機溶媒沈殿法によって、すなわち、有機溶媒を加えて所望の生成物を沈殿させて生成され得、それにより所望の生成物を単離することができる。その単離は、簡便かつ効率的である。
【0034】
好ましくは、有機溶媒は、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、クロロホルム又はテトラヒドロフランである。
【0035】
有機溶媒沈殿法は、溶液の濃度に影響を受ける。溶液の濃度が低過ぎると、シクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物は十分に沈殿せず、それ故、回収率は低く;高濃度の溶液は、有機溶媒を残留させ得る。そのため、本発明に係る調製方法は、さらに好ましくは、溶液中の水を低減して、溶液の濃度を改善し、それによって、有機溶媒中のシクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物を完全に沈殿させるための濃縮工程を含む。
【0036】
シクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体の粗生成物を、水又はわずかに酸性の水(pH=6〜7)に溶解させ、撹拌混合し、濾過することで、未反応のアルテアンヌイノイド化合物を除去し得る。
【0037】
本発明に係る調製方法は、シクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体を精製する工程をさらに含む。
【0038】
好ましくは、精製は、有機溶媒抽出又はクロマトグラフィーである。有機溶媒は、アセトン、エーテル、クロロホルム又はテトラヒドロフランである。
【0039】
本発明に係る特定の実施態様において、モノ−6−アルテスナート−β−シクロデキストリン複合体の構造は、NMR及び高分解能質量分析によって決定される。モノ−6−アルテスナート−β−シクロデキストリン複合体のHNMRスペクトルは、DOの存在下、アルテアンヌイノイド化合物のH、H12、H13、H14及びH15の特徴的なピークが0.3〜3.0ppm及び5.0〜7.1ppmに現れること、一方で、シクロデキストリンがここで特徴的な吸収を有さないことを示す。加えて、アルテスナートは、水にほとんど不溶性であり、このことは、アルテスナートがシクロデキストリンと反応したことを最初に示し得る。加えて、高分解能質量分析は、m/z:1500.5356(M)、m/z:1522.5349(M+Na)を示す。
【0040】
有利な効果
本発明によって提供されるシクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体は、シクロデキストリンと結合していない化合物と比較して、良好な水溶解度を有する。本発明に係るシクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体は、25℃下で、45〜80mg/mlの水溶解度を有する。しかしながら、シクロデキストリンと結合していないアルテミスチニン(artemistinin)化合物は、より低い溶解度を有する。また、シクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物は、人体の胃及び小腸を通過する時に少量吸収されるだけであり、主に大腸によって吸収され、まっすぐな盲腸(straight cecum)に放出される特性を有する。そのため、本発明に係るシクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物は、患者の体内に効果的に侵入し、バイオアベイラビリティを改善し得る。
【0041】
別の態様において、本発明に係るシクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体は、特に結腸直腸の癌細胞を標的とする、抗癌標的特性を有する。それは、人体の胃及び小腸を通過する時に少量吸収されるだけであり、結腸で分解及び放出され、次いで、大腸によって吸収されるので、それ故、結腸中に放出される特性を有する。本発明に係るシクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体は、特に結腸直腸の癌細胞に対する、抗癌標的特性を有する。シクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体は、患者の体内に効果的に侵入し、好ましくは標的癌細胞の周りに集まって、人体の直腸の癌細胞を選択的死滅させ、それによって、有効性を改善し、かつ毒性又は副作用を低減させ得る。
【0042】
例えば、ヒトの直腸の癌細胞HCT116、Lovo、SW480及びHT29の懸濁液180μl(4×10/mLの濃度で)を96ウェルプレートに加え、5%CO、37℃及び飽和蒸気下で24時間前培養した。培地150μlを交換し、異なる濃度の分子集合体を含有する培地20μlを加えた。細胞を、陰性対照として試料を含有しない培地と、そして、陽性対照として異なる濃度のカンプトセシン、オキサリプラチン又はフルオロウラシルを含有する培地とさらに48時間培養した。MTTアッセイを使用してOD値を決定し、成長阻害率を計算した。腫瘍細胞の増殖に対する、高濃度、中濃度及び低濃度での化合物の阻害を観察した。上記の実験は全て、3回繰り返して実施した。ヒトの直腸及び盲腸の癌細胞に対するアルテアンヌインシクロデキストリン複合体のインビトロ実験の結果を、表1に示す。
【0043】
表1.いくつかの直腸の癌細胞における、本発明に係るシクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体といくつかのアルテアンヌイノイド化合物のIC50値(μM)の比較
【表1】
【0044】
表1から明らかなように、好適な鎖長を有するアルテアンヌインシクロデキストリン複合体(例えば、β−シクロデキストリンに結合された6−アルテスナート)が設計及び合成され、これは、結合されない物質の多く(ジヒドロアルテアンヌイン及びアルテスナート)及び臨床で使用される対照薬(オキサリプラチン及びフルオロウラシル)よりも実質的に良好な抗癌活性を有する。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、本発明者は、好適な鎖長を有するアルテアンヌインシクロデキストリン複合体が、好ましくは、標的の直腸及び盲腸の癌細胞の周りに集まって、人体の直腸の癌細胞を選択的死滅させ得ることを提案する。シクロデキストリンは、結腸管で微生物によって開鎖マルトデキストリン、マルトース及びグルコースに分解され、次いで、大腸によって吸収され得るので、シクロデキストリンは、直腸を標的とする薬物を輸送するためのキャリアとして使用され、それによって、結腸における薬物のバイオアベイラビリティを改善し、かつその機能を発揮し得る。そのため、本発明に係るシクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体は、特に結腸直腸の癌細胞に対する、抗癌標的特性を達成し得る。シクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体は、患者の体内に効果的に侵入し、好ましくは、標的癌細胞の周りに集まって、人体の直腸の癌細胞を選択的死滅させ、それによって、有効性を改善し、かつ毒性又は副作用を低減させ得る。
【0045】
本発明に係るシクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体を調製するための方法は、操作が簡単で、材料については容易に入手可能で、かつ反応条件については温和であり、当該方法は、大量の本発明に係るシクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体を製造するために使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】β−シクロデキストリンのHNMRスペクトルを示す;
図2】実施例1で調製された6−アルテスナートが結合されたβ−シクロデキストリン複合体のHNMRスペクトルを示しており、これは、7〜8ppmにアルテアンヌイノイド化合物のH、H12、H13、H14及びH15の特徴的なピークを有するが、しかしながら、シクロデキストリンはここで特徴的な吸収を有さない;
図3】実施例1で調製された6−アルテスナートが結合されたβ−シクロデキストリン複合体の高分解能質量スペクトル[MS(TOF−ESI)]を示す。
【0047】
発明の詳細な説明
本発明の例は、シクロデキストリンキャリアベースのアルテアンヌイノイド化合物複合体及びその調製方法を開示する。当業者であれば、本発明の開示に従って、当該プロセスのパラメーターを適切に変更することができる。類似の置換及び変更は全て当業者に明らかであり、それ故、これが本発明の範囲内にあると見なされることに特に留意すべきである。本発明の生成物及び方法は、本明細書、特に、本実施例に記載されている。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、好適な変形又はその組み合わせが本発明の生成物及び方法に対してなされ得ることが当業者に明らかである。
【0048】
本発明をさらに理解するために、本発明は、実施例と組み合わせて詳細に説明される。
【0049】
実施例1:
ナトリウムアルテスナート(0.512g、0.01mmol)及びモノ−6−p−トルエンスルホニル−β−シクロデキストリン(1.22g、0.01mmol)を100mlの丸底フラスコに加えた。N,N−ジメチルスルホキシド(3.0ml)をフラスコに加え、100℃で24時間撹拌した。得られた溶液を減圧下60℃で蒸発乾固した。残渣を少量の水に溶解し、次に、アセトン(300mL)に滴下した。得られた沈殿物を濾過し、乾燥させた。次に、沈殿物をわずかに酸性の水(pH=6)に溶解し、撹拌混合した後、濾過した。得られた固体を水に完全に溶解し、濾過し、濃縮し、クロロホルム(100mL)に滴下し、抽出して、濾過した。沈殿物を回収し、真空下50℃で24時間乾燥させて、モノ−6−アルテスナート−β−シクロデキストリン複合体(収率:約56%、溶解度:65mg/mL)を得た。
【0050】
モノ−6−アルテスナート−β−シクロデキストリン複合体の構造は、NMR及び高分解能質量スペクトルによって決定した。モノ−6−アルテスナート−β−シクロデキストリン複合体のHNMRスペクトルは、DOの存在下、アルテアンヌイノイド化合物のH、H12、H13、H14及びH15の特徴的なピークが0.3〜3.0ppm及び5.0〜7.1ppmに現れること、一方で、シクロデキストリンがここで特徴的な吸収を有さないことを示す。加えて、アルテスナートは、水にほとんど不溶性であり、このことは、アルテスナートがシクロデキストリンと反応したことを予め示し得る。高分解能質量スペクトルは、m/z:1500.5356(M)、m/z:1522.5349(M+Na)を示す。
【0051】
実施例2:
ナトリウムアルテスナート(5.12g、0.1mmol)及びモノ−2−p−トルエンスルホニル−α−シクロデキストリン(1.12g、0.01mmol)を100mlの丸底フラスコに加えた。N,N−ジエチルアミド(3.0ml)をフラスコに加え、80℃で192時間撹拌した。得られた溶液を減圧下60℃で蒸発乾固した。残渣を少量の水に溶解し、次に、アセトン(300mL)に滴下した。得られた沈殿物を濾過し、乾燥させた。次に、沈殿物をわずかに酸性の水(pH=6)に溶解し、撹拌混合した後、濾過した。得られた固体を水に完全に溶解し、濾過し、濃縮し、エーテル(100mL)に滴下し、抽出して、濾過した。沈殿物を回収し、真空下50℃で24時間乾燥させて、モノ−2−アルテスナート−α−シクロデキストリン複合体(収率:約60%、溶解度:78mg/mL)を得た。
【0052】
実施例3:
ナトリウムアルテスナート(0.512g、0.01mmol)及び2,3−p−トルエンスルホニル−γ−シクロデキストリン(19.8g、0.15mmol)を100mlの丸底フラスコに加えた。ジメチルスルホキシド(3.0ml)をフラスコに加え、120℃で96時間撹拌した。得られた溶液を減圧下60℃で蒸発乾固した。残渣を少量の水に溶解し、次に、アセトン(300mL)に滴下した。得られた沈殿物を濾過し、乾燥させた。次に、沈殿物をわずかに酸性の水(pH=6)に溶解し、撹拌混合した後、濾過した。得られた固体を水に完全に溶解し、濾過し、濃縮し、溶離剤として水を使用するカラムクロマトグラフィーに供した。溶離液をクロマトグラフから回収し、濃縮し、次に、真空下50℃で24時間乾燥させ、2,3−アルテスナート−γ−シクロデキストリン複合体(収率:約54%、溶解度:80mg/mL)を得た。
【0053】
実施例4:
アルテアンヌインのC−12にフェノキシ基を有するナトリウムアルテスナート化合物(0.712g、0.01mmol)及びモノ−6−p−トルエンスルホニル−β−シクロデキストリン(1.22g、0.01mmol)を100mlの丸底フラスコに加えた。N,N−ジメチルスルホキシド(3.0ml)をフラスコに加え、100℃で24時間撹拌した。得られた溶液を減圧下60℃で蒸発乾固した。残渣を少量の水に溶解し、次に、アセトン(300mL)に滴下した。得られた沈殿物を濾過し、乾燥させた。次に、沈殿物をわずかに酸性の水(pH=6)に溶解し、撹拌混合した後、濾過した。得られた固体を水に完全に溶解し、濾過し、濃縮し、クロロホルム(100mL)に滴下し、抽出して、濾過した。沈殿物を回収し、真空下50℃で24時間乾燥させて、モノ−6−アルテアンヌイン−β−シクロデキストリン複合体(アルテアンヌインは、C−12にフェノキシ基を有する)(収率:約56%、溶解度:45mg/mL)を得た。
【0054】
実施例5:
アルテアンヌインのC−12にフェノキシ基が連結されたナトリウムアルテスナート(7.12g、0.1mmol)及びモノ−2−p−トルエンスルホニル−α−シクロデキストリン(1.12g、0.01mmol)を100mlの丸底フラスコに加えた。N,N−ジエチルアミド(3.0ml)をフラスコに加え、80℃で192時間撹拌した。得られた溶液を減圧下60℃で蒸発乾固した。残渣を少量の水に溶解し、次に、アセトン(300mL)に滴下した。得られた沈殿物を濾過し、乾燥させた。次に、沈殿物をわずかに酸性の水(pH=6)に溶解し、撹拌混合した後、濾過した。得られた固体を水に完全に溶解し、濾過し、濃縮し、エーテル(100mL)に滴下し、抽出して、濾過した。沈殿物を回収し、真空下50℃で24時間乾燥させ、それによって、C−12にフェノキシ基が連結されたモノ−2−アルテアンヌイン−α−シクロデキストリン複合体(収率:約60%、溶解度:48mg/mL)を得た。
【0055】
実施例6:
C12にフェノキシ基を有するアルテアンヌインの化合物(0.712g、0.01mmol)及び2,3−p−トルエンスルホニル−γ−シクロデキストリン(19.8g、0.15mmol)を100mlの丸底フラスコに加えた。ジメチルスルホキシド(3.0ml)をフラスコに加え、120℃で96時間撹拌した。得られた溶液を減圧下60℃で蒸発乾固した。残渣を少量の水に溶解し、次に、アセトン(300mL)に滴下した。得られた沈殿物を濾過し、乾燥させた。次に、沈殿物をわずかに酸性の水(pH=6)に溶解し、撹拌混合した後、濾過した。得られた固体を水に完全に溶解し、濾過し、濃縮し、溶離剤として水を使用するカラムクロマトグラフィーに供した。クロマトグラフから得られた溶液を回収し、濃縮し、次に、真空下50℃で24時間乾燥させて、2,3−アルテアンヌイン−γ−シクロデキストリン複合体(アルテアンヌインは、C−12にフェノキシ基を有する)(収率:約54%、溶解度:49mg/mL)を得た。
【0056】
実施例7:
アルテアンヌインのC−12にアルコキシ基を有するナトリウムアルテスナート(0.612g、0.01mmol)及びモノ−6−p−トルエンスルホニル−β−シクロデキストリン(1.22g、0.01mmol)を100mlの丸底フラスコに加えた。N,N−ジメチルスルホキシド(3.0ml)をフラスコに加え、100℃で24時間撹拌した。得られた溶液を減圧下60℃で蒸発乾固した。残渣を少量の水に溶解し、次に、アセトン(300mL)に滴下した。得られた沈殿物を濾過し、乾燥させた。次に、沈殿物をわずかに酸性の水(pH=6)に溶解し、撹拌混合した後、濾過した。得られた固体を水に完全に溶解し、濾過し、濃縮し、クロロホルム(100mL)に滴下し、抽出して、濾過した。沈殿物を回収し、真空下50℃で24時間乾燥させて、モノ−6−アルテアンヌイン−β−シクロデキストリン複合体(アルテアンヌインは、C−12にアルコキシ基を有する)(収率:約56%、溶解度:52mg/mL)を得た。
【0057】
実施例8:
C−12にアルコキシ基を有するナトリウムアルテスナート(6.12g、0.1mmol)及びモノ−2−p−トルエンスルホニル−α−シクロデキストリン(1.12g、0.01mmol)を100mlの丸底フラスコに加えた。N,N−ジエチルアミド(3.0ml)をフラスコに加え、80℃で192時間撹拌した。得られた溶液を減圧下60℃で蒸発乾固した。残渣を少量の水に溶解し、次に、アセトン(300mL)に滴下した。得られた沈殿物を濾過し、乾燥させた。次に、沈殿物をわずかに酸性の水(pH=6)に溶解し、撹拌混合した後、濾過した。得られた固体を水に完全に溶解し、濾過し、濃縮し、エーテル(100mL)に滴下し、抽出して、濾過した。沈殿物を回収し、真空下50℃で24時間乾燥させて、C−12にアルコキシ基を有するモノ−2−アルテアンヌイン−α−シクロデキストリン複合体(収率:約60%、溶解度:55mg/mL)を得た。
【0058】
実施例9:
C12にアルコキシ基が連結されたアルテアンヌインの化合物(0.612g、0.01mmol)及び2,3−p−トルエンスルホニル−γ−シクロデキストリン(19.8g、0.15mmol)を100mlの丸底フラスコに加えた。ジメチルスルホキシド(3.0ml)をフラスコに加え、120℃で96時間撹拌した。得られた溶液を減圧下60℃で蒸発乾固した。残渣を少量の水に溶解し、次に、アセトン(300mL)に滴下した。得られた沈殿物を濾過し、乾燥させた。次に、沈殿物をわずかに酸性の水(pH=6)に溶解し、撹拌混合した後、濾過した。得られた固体を水に完全に溶解し、濾過し、濃縮し、溶離剤として水を使用するカラムクロマトグラフィーを実施した。クロマトグラフから得られた溶液を回収し、濃縮し、次に、真空下50℃で24時間乾燥させて、2,3−アルテアンヌイン−γ−シクロデキストリン複合体(アルテアンヌインは、C−12にアルコキシ基を有する)(収率:約54%、溶解度:56mg/mL)を得た。
【0059】
上記実施例は、本発明に係る方法及びその中心概念を説明するために提供される。当業者によって、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な改善及び変更が成され得ることに留意すべきである。これらの改善及び変更は、本出願の特許請求の範囲に包含される。
図1
図2
図3