特許第6510003号(P6510003)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6510003
(24)【登録日】2019年4月12日
(45)【発行日】2019年5月8日
(54)【発明の名称】収納スツール
(51)【国際特許分類】
   A47C 12/00 20060101AFI20190422BHJP
   A47C 16/02 20060101ALI20190422BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20190422BHJP
【FI】
   A47C12/00
   A47C16/02
   A47C7/62 A
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-217431(P2017-217431)
(22)【出願日】2017年11月10日
【審査請求日】2018年3月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】399076633
【氏名又は名称】八幡化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137327
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 勝義
(72)【発明者】
【氏名】高垣 麻衣子
【審査官】 松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−175746(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3157853(JP,U)
【文献】 特開2002−213416(JP,A)
【文献】 韓国公開実用新案第20−2012−0007897(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 9/00−16/04
A47C 7/62−7/74
A47C 16/02
A47B 3/06
F16B 12/44−12/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納及び着座が可能であるボックス部材と、該ボックス部材を支持する複数の脚部材と、前記ボックス部材と前記脚部材に挿着固定し、該ボックス部材と該脚部材を接続するジョイント部材と、を備える収納スツールであって、
前記ボックス部材は、物品を収納する容器体と、該容器体に着脱自在の板状の蓋体と、からなり、該容器体の内部周縁下方側には、筒状の挿着筒を有し、
前記脚部材は、上下方向に延びる筒状体に形成され、
前記ジョイント部材は、水平板と、該水平板の上面に立設した上側筒状部と、該水平板の下面に立設した下側筒状部と、を備え、
前記上側筒状部が前記挿着筒に挿着され、前記下側筒状部が前記脚部材に挿着され、かつ、前記水平板上面が該挿着筒の下端縁に当接することにより前記ボックス部材が、前記脚部材に固着されることを特徴とする収納スツール。
【請求項2】
前記上側筒状部の側面下端に設けられた複数の上側リブと、前記下側筒状部の側面上端に設けられた複数の下側リブと、を備え、
前記上側リブが前記挿着筒内面に押圧固定され、かつ、前記下側リブが、前記脚部材内面に押圧固定される請求項1に記載の収納スツール。
【請求項3】
前記水平板の側端面が前記容器体内側面に押圧固定される請求項1又は2に記載の収納スツール。
【請求項4】
前記下側筒状部が、前記上側筒状部に対して外方に傾いで形成されることにより、前記脚部材が下端にかけて外方向に拡開傾斜した請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の収納スツール。
【請求項5】
前記上側筒状部側面に上側係止片が垂下突設され、前記挿着筒側部に該上側係止片が挿着固定される上側スリットが形成されている請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の収納スツール。
【請求項6】
前記下側筒状部側面に下側係止片が垂下突設され、前記脚部材に該下側係止片が挿着固定される下側スリットが形成されている請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の収納スツール。
【請求項7】
前記容器体内部は、複数の垂直に立設した立設板によって囲繞形成された複数の筒体部と、該各々の筒体部の底部又は上部を閉塞する閉塞板とからなる複数の分割収納部を備えている請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の収納スツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納スツールに関する。更に詳しくは、軽量で、インテリア性を有すると共に、物品の収納性に優れる収納スツールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、収納スツールとして、略立方体形状又は直方体形状であって、内部の空間に物品を収納可能なスツールが多く知られている。収納スツールは、スツールとして座ることができると共に物品を収納することもできるため、大変有用である。
ここで、折りたたみ可能となっており、内側に物品を収納できる収納スツールが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の収納スツールは、折りたたむことで体積を小さくできるため、不使用時の収納スペースの省スペースが可能となり、また、使用時には、内部に物品を収容することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実登3121096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この特許文献1に記載の従来の収納スツールは、収納する空間が大きいため、小物の収納や整理には適しておらず、収納空間の有効利用が難しい。また、収納空間が深いため、収納した物品を取り出しづらい。
本発明は、前記の課題を解決するものであり、軽量で、インテリア性を有すると共に、物品の収納性に優れる収納スツールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明は、以下の通りである。
1.収納及び着座が可能であるボックス部材と、該ボックス部材を支持する複数の脚部材と、前記ボックス部材と前記脚部材に挿着固定し、該ボックス部材と該脚部材を接続するジョイント部材と、を備える収納スツールであって、
前記ボックス部材は、物品を収納する容器体と、該容器体に着脱自在の板状の蓋体と、からなり、該容器体の内部周縁下方側には、筒状の挿着筒を有し、
前記脚部材は、上下方向に延びる筒状体に形成され、
前記ジョイント部材は、水平板と、該水平板の上面に立設した上側筒状部と、該水平板の下面に立設した下側筒状部と、を備え、
前記上側筒状部が前記挿着筒に挿着され、前記下側筒状部が前記脚部材に挿着され、かつ、前記水平板上面が該挿着筒の下端縁に当接することにより前記ボックス部材が、前記脚部材に固着されることを特徴とする収納スツール。
2.前記上側筒状部の側面下端に設けられた複数の上側リブと、前記下側筒状部の側面上端に設けられた複数の下側リブと、を備え、
前記上側リブが前記挿着筒内面に押圧固定され、かつ、前記下側リブが、前記脚部材内面に押圧固定される1.に記載の収納スツール。
3.前記水平板の側端面が前記容器体内側面に押圧固定される1.又は2.に記載の収納スツール。
4.前記下側筒状部が、前記上側筒状部に対して外方に傾いで形成されることにより、前記脚部材が下端にかけて外方向に拡開傾斜した1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載の収納スツール。
5.前記上側筒状部側面に上側係止片が垂下突設され、前記挿着筒側部に該上側係止片が挿着固定される上側スリットが形成されている1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載の収納スツール。
6.前記下側筒状部側面に下側係止片が垂下突設され、前記脚部材に該下側係止片が挿着固定される下側スリットが形成されている1.乃至5.のうちのいずれか1項に記載の収納スツール。
7.前記容器体内部は、複数の垂直に立設した立設板によって囲繞形成された複数の筒体部と、該各々の筒体部の底部又は上部を閉塞する閉塞板と、からなる複数の分割収納部を備えている1.乃至6.のうちのいずれか1項に記載の収納スツール。
【発明の効果】
【0006】
1.本発明の収納スツールは、ボックス部材と、複数の脚部材と、ボックス部材と脚部材に挿着固定し、ボックス部材と脚部材を接続するジョイント部材と、を備えており、脚部は、上下方向に延び、ジョイント部材を挿着する筒状体からなり、ジョイント部材は、水平板と、水平板の上面に立設した上側筒状部と、水平板の下面に立設した下側筒状部と、を備えている。こうすることで、ジョイント部材が、ボックス部材と脚部材に確実に挿着固定されるため、ボックス部材が、脚部材に確実に安定して固着される。このように構成されることで、本発明の収納スツールは、軽量で、インテリア性を有すると共に、物品の収納性に優れている。
2.ジョイント部材の上側筒状部の側面下端に設けられた複数の上側リブと、下側筒状部の側面上端に設けられた複数の下側リブと、を備え、上側リブがボックス部材の挿着筒内面に押圧固定され、かつ、下側リブが、脚部材内面に押圧固定される場合には、ボックス部材と脚部が更に確実に固着される。
3.水平板の側端面が容器体内側面に押圧固定される場合には、ボックス部材と脚部が更に確実に固着される。
4.下側筒状部が、上側筒状部に対して外方に傾いで形成されることにより、脚部材が下端にかけて外方向に拡開傾斜している場合には、より安定的に脚部材でボックス部材を支持できると共に、インテリア性が高まる。
5.上側筒状部側面に上側係止片が垂下突設され、挿着筒側部に上側係止片が挿着固定される上側スリットが形成されている場合には、ジョイント部材が挿着筒に対して回動するのを確実に防ぐことができる。
6.下側筒状部側面に下側係止片が垂下突設され、脚部材に下側係止片が挿着固定される下側スリットが形成されている場合には、脚部材が、ジョイント部材に対して回動するのを確実に防ぐことができる。
7.容器体が、複数の垂直に立設した立設板によって囲繞形成された複数の筒体部と、各々の筒体部の底部又は上部を閉塞する閉塞板と、からなる複数の分割収納部を備えている場合には、種々の形状の小物をそれぞれに適合する箇所に収納できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態の収納スツールの上方側から見た斜視図である。
図2】実施形態の収納スツールの下方側から見た斜視図である。
図3】実施形態の収納スツールの分解斜視図である。
図4】実施形態の収納スツールに係り、ボックス部材の上方側から見た斜視図である。
図5】実施形態の収納スツールに係り、ボックス部材の下方側から見た斜視図である。
図6】実施形態の収納スツールに係り、蓋体の裏側から見た斜視図である。
図7】実施形態の収納スツールに係り、蓋体の裏側から見た分解斜視図である。
図8】実施形態の収納スツールに係り、(a)は、ジョイント部材の上方側から見た斜視図、(b)は、ジョイント部材の下方側から見た斜視図である。
図9】実施形態の収納スツールに係り、(a)は、ジョイント部材の平面図、(b)は、ジョイント部材の側面図である。
図10】実施形態の収納スツールの分割収納部に種々の物品を収納した使用例を示す斜視図である。
図11】実施形態の収納スツールに係り、蓋体の上面に花器を載置した使用例を示す斜視図である。
図12】実施形態の収納スツールに係り、蓋体の上面に足を載せた使用例を示す斜視図である。
図13】実施形態の収納スツールを椅子として使用した例を示す斜視図である。
図14】実施形態の収納スツールを踏み台として使用した例を示す斜視図である。
図15】実施形態の収納スツールを小物の載置台として使用した例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を示す図1〜10を参照しながら本発明を詳しく説明する。
尚、本発明は、かかる図に記載された具体例に示すものに限られず、目的、用途に応じて種々変更したものとすることができる。
【0009】
実施形態に係る収納スツール1は、本発明を具体化している。
収納スツール1は、図1図3に示すように、ボックス部材10と、4本の脚部材と、ボックス部材10と脚部材20に挿着固定し、ボックス部材10と脚部材20を接続するジョイント部材30と、を備えている。
【0010】
[1]ボックス部材
ボックス部材は、本発明の収納スツールにおいて、物品の収納ができると共に、着座することができる部材である。
ボックス部材は、物品を収納する容器体と、容器体に着脱自在の板状の蓋体と、を備えていれば形状は、特に限定はなく、直方体形状、立方体形状、円柱形状、楕円柱形状、角錐台形状、円錐台形状、その他の立体的形状を採用することができる。
実施形態に係るボックス部材10は、全体形状が略直方体形状である。
【0011】
(1)容器体
容器体は、物品が収納可能であれば、その内部は特に限定はなく、底板と底板周囲に立設した側板のみからなる容器体であってもよいが、複数の立設板で仕切られて複数の分割収納部を備えていることが好ましい。こうすることで、小物を分けて収納しやすくなる。分割収納部は、同一形状に分割されていてもよいが、異なった形状に分割されていることが好ましい。
実施形態に係る容器体11は、図4に示すように、4枚の側板11sからなる下方にやや拡開した角筒状の外枠を有し、複数の垂直に立設した異なる形状の立設板112pによって囲繞形成された6つの筒体部と、図5に示すように、各々の筒体部の底部を閉塞する閉塞板115a、115b、115c、115d、115e、115fとからなる6つの異なる形状の分割収納部112a、112b、112c、112d、112e、112fを備えている。なお、異なった形状の立設板の符号の煩雑さを避けるため、立設板112pで種々の形状の立設板を代表する。
異なる形状の分割収納部とすることで、種々の形状の小物をそれぞれに適合する箇所に収納できる。
【0012】
また、複数の筒体部の上部を閉塞する閉塞板を有して、トレイとして利用可能な複数の分割収納部を備えることもできる。
すなわち、図4に示すように、複数の垂直に立設した異なる形状の立設板112pによって囲繞形成された4つの筒体部と、各々の筒体部の上部を閉塞する閉塞板116a、116b、116c、116dとからなる4つの異なる形状のトレイ部としての分割収納部113a、113b、113c、113dを備えている。
このように、トレイ部を備えることで、底の深い収納部からは出し入れがしづらい小物を載置しておくことができる。
【0013】
容器体の下方側には、ジョイント部材を挿着する筒状の挿着筒を有している。挿着筒の形状は、特に限定されず、角筒状、円筒状、又はこれらの組み合わせ等とすることができる。
実施形態に係る挿着筒111は、図5に示すように、容器体11の周縁角部4か所に円筒状に形成されている。挿着筒の上端は、図4に示す閉塞板116a、116b、116c、116dによって閉塞されている。また、複数の立設板112pの垂直方向の端面が挿着筒111の外面と固着して容器体11に堅固に固定されている。
また、挿着筒111の側部にジョイント部材の上側係止片を挿着固定するための上側スリット111sを形成することができる。
【0014】
容器体の材質は特に限定されず、木製、金属製、合成樹脂製又はこれらの組み合わせであってもよいが、合成樹脂製であることが好ましい。合成樹脂製であれば、より軽量化を図ることができる。
また、容器体は、側板、立設板、閉塞板、挿着筒それぞれを別体に製作して接合してもよいが、合成樹脂で一体に形成することが好ましい。こうすることで製作が容易となる。
合成樹脂の種類も特に限定はされないが、ポリプロピレンとすることが好ましい。ポリプロピレンであれば、強度にも優れ、形状を安定的に保持することができる。
【0015】
(2)蓋体
蓋体は、容器体内部を塞ぐと共に着座するための当接部となる。この作用を有すれば、特に限定はないが、容器体上面の形状に適合した形状であることが好ましい。
実施形態に係る蓋体15は、図1に示すように、略長方形状であり、容器体11の上部に挿着される。
【0016】
蓋体15は、図6及び図7に示すように、着座部材151と、着座部材151に挿着固定される補強部材152とからなる。
蓋体15の短手側端部中央それぞれに手指で把手可能な把手部151hを備えている。
着座部材151は、平板151aと、平板151aの周囲に立設した側板151sとからなる。平板151aの裏面には2個の円柱状の小突起151pが形成されている。また、平板151aの側板151sの前後左右にそれぞれに長尺のスリット151dが形成されている。
【0017】
補強部材152は、平板152aと、平板152aの周囲に立設した側板152sとからなり、平板152a上には、多数の立設片がハニカム構造を形成して固着されている。
平板152a上には2個の孔部152kが形成されており、着座部材151の小突起151pが嵌着される。また、側板152sの前後左右にそれぞれに長尺の突起152cが突出形成されており、着座部材151のスリット151dに嵌着される。
【0018】
着座部材151に、補強部材152を嵌着固定して形成された蓋体15は、図4に示す容器体11に挿着することができる。すなわち、蓋体15の側板151sが容器体11の内側面11pに当接し、蓋体15のハニカム構造をした立設片の上面152fが容器体11の筒状部の上端11fに当接することで、蓋体15が容器体11に確実に挿着される。
着座部材151、補強部材152の材質は特に限定されず、木製、金属製、合成樹脂製又はこれらの組み合わせであってもよいが、合成樹脂製であることが好ましい。
着座部材は座り心地、及びファブリック等をイメージさせる感触が得られるよう、軟質の合成樹脂製であることが好ましい。エラストマーであれば好適に使用できる。
一方、補強部材は、強度を保持するため、硬質材であることが好ましい。例えば合成樹脂であれば、ポロプロピレンが好適に使用できる。
【0019】
[2]脚部材
脚部材は、上下方向に延び、ジョイント部材を挿着する筒状体に形成されて、ボックス部材を支持する。脚部材はボックス部材を支持できる筒状体であれば、特に形状は限定されず、円筒状、角筒状、又はこれらの組み合わせとすることができる。また、脚部材の数も特に限定されず、例えば3〜6本とすることができる。直方体形状のボックス部材に対しては、通常4本である。
【0020】
実施形態に係る脚部材20は、図1に示すように、4本であり、円筒状の脚部材本体21と脚部材本体21に接続した椀状で下端に孔が開けられている支持部22と、その支持部22の孔を塞ぐキャップ25とからなる。更に、図3に示すように、上端にジョイント部材の下側係止片32pが挿着されるための上側スリット31sを形成することができる。
脚部材の材質は、特に限定されず、木製、金属製、合成樹脂製又はこれらの組み合わせであってもよいが、合成樹脂製であることが好ましい。合成樹脂製であれば、より軽量化を図ることができる。
合成樹脂の種類も特に限定はされないが、ポリプロピレンとすることが好ましい。ポリプロピレンであれば、強度にも優れ、形状を安定的に保持することができる。
脚部材本体21と支持部22は硬質の合成樹脂で一体に形成され、キャップ25は軟質の合成樹脂で形成することができる。例えば、脚部材本体21と支持部22はポリプロピレンで一体に形成し、キャップ25をエラストマーで形成することができる。キャップ25を軟質材とすることで、脚部材が載置される床等に対して滑ったり、傷つけるのを防ぐことができる。また、キャップを別体とすることで損耗した場合に交換可能となる。
【0021】
[3]ジョイント部材
ジョイント部材は、水平板と、水平板の上面に立設した上側筒状部と、水平板の下面に立設した下側筒状部と、を備えており、ボックス部材と脚部材に挿着固定し、ボックス部材と脚部材を接続する。
上側筒状部、下側筒状部は筒状に形成されていて、ボックス部材と脚部材に挿着固定できれば、形状は特に限定はなく、円筒状、角筒状、又はこれらに組み合わせとすることができる。
ジョイント部材の材質は、特に限定はなく、金属製、木製、合成樹脂製又はこれらの組み合わせとすることができるが、合成樹脂であることが好ましい。合成樹脂の中でも強度に優れるポリプロピレンが特に好ましい。
また、水平板、上側筒状部、下側筒状部は、それぞれ別体に形成して、接合して作製してもよいが、合成樹脂で一体に形成することが好ましい。
【0022】
実施形態に係るジョイント部材30は、水平板35と、水平板35の上面に立設した上側筒状部31と、水平板35の下面に立設した下側筒状部32と、を備えている。
このため、上側筒状部31がボックス部材10の挿着筒111に挿着され、下側筒状部32が脚部材20に挿着され、水平板35が、ボックス部材10の挿着筒111の下端縁に当接することで、ジョイント部材30が、ボックス部材10と脚部材20に確実に固定される。
【0023】
ジョイント部材の上側筒状部の側面下端に複数の上側リブが設けられ、下側筒状部の側面上端に複数の下側リブが設けられており、上側リブがボックス部材の挿着筒内面に押圧固定され、かつ、下側リブが、脚部材内面に押圧固定されることが好ましい。こうすることで、更にジョイント部材が、ボックス部材と脚部材に更に確実に固着される。
ここで、「上側リブ」、「下側リブ」とは、上側筒状部又は下側筒状部の側面から外方に突出した突起物を意味し、その形状は特に限定はないが、ジョイント部材の延びる方向に立設した柱状であることが好ましい。
【0024】
実施形態に係るジョイント部材30は、上側筒状部31の側面下端に設けられた複数の半円柱状の上側リブ31rと、下側筒状部32の側面上端に設けられた複数の半円柱状の下側リブ32rと、を備えている。
このため、上側リブ31rがボックス部材10の挿着筒内面111aに押圧固定され、かつ、下側リブ32rが、脚部材内面20aに押圧固定される。こうすることで、ジョイント部材30が、ボックス部材10と脚部材20に更に確実に固着される。
【0025】
水平板の形状は板状に形成されていて、挿着筒の下端縁に当接する形状であれば特に限定はないが、水平板の側端面が、ボックス部材内側面に押圧固定されることが好ましい。
実施形態に係る水平板35は、図9(a)、(b)に示すように、上側筒状部31と下側筒状部32に固着形成されていると共に、上側筒状部31と下側筒状部32を境に外側水平板351と内側水平板352とからなる略矩形の平板状に形成されている。
そして、ボックス本体の内側方向の側端面が曲線状に形成されていると共に、隣り合う側端面35a、35bが直線状に形成されている。こうすることで、図3に示すように、ボックス部材内側面11aの隣り合う2面に押圧固定することができる。こうすることで、ボックス部材10と脚部材20が更に確実に固着される。
【0026】
下側筒状部は、上側筒状部に対して外方に傾いで形成されていることが好ましい。
実施形態に係るジョイント部材30は、図9(b)に示すように、下側筒状部32が、上側筒状部31に対して外方に傾いで形成されている。なお、図9(a)は、図3に示すジョイント部材30を上方から見た平面図であり、図9(b)は、側面図である。
この傾ぐ角度は、特に限定はないが、上側筒状部31の中心線に対する下側筒状部32の中心線とのなす角θは1〜5度であることが好ましく、2〜4度であることが更に好ましく、2.5〜3.5度であることが特に好ましい。
すなわち、下側筒状部32が、上側筒状部31に対して外方に傾いで形成されていることにより、この下側筒状部32が脚部材20に挿着されると、脚部材20が下端にかけて外方向に拡開傾斜されることになり、より安定的に脚部材20でボックス部材10を支持できると共に、インテリア性が高まる。
【0027】
上側筒状部側面に上側係止片が垂下突設され、挿着筒側部に上側係止片が挿着固定される上側スリットが形成されていることが好ましい。
図9(b)に示すように、ジョイント部材30の上側筒状部31の側面に上側係止片31pが垂下突設されている。図5に示すように、挿着筒111側部に上側スリット111sが形成されていることで、上側係止片31pを上側スリット111sに挿着固定することができる。こうすることで、ジョイント部材30が挿着筒111に対して回動するのを確実に防ぐことができる。
【0028】
下側筒状部側面に下側係止片が垂下突設され、脚部材に下側係止片が挿着固定される下側スリットが形成されていることが好ましい。
図9(b)に示すように、ジョイント部材30の下側筒状部32の側面に下側係止片32pが垂下突設されている。図3に示すように、脚部材20側部に下側スリット21sが形成されていることで、下側係止片32pを下側スリット21sに挿着固定することができる。こうすることで、ジョイント部材30が脚部材20に対して回動するのを確実に防ぐことができる。
【0029】
(使用例)
実施形態の収納スツール1は、図1に示すように、ボックス部材10は容器体11に蓋体15が挿着された状態で、蓋体15の上面に着座したり、踏み台として使用することができる。
また、蓋体15に形成されている一対の把手部151hを手指で持って取り外すと、図4に示すように、分割収納部が現れる。6つの異なる形状の分割収納部112a、112b、112c、112d、112e、112f、及び、4つの異なる形状のトレイ部としての分割収納部113a、113b、113c、113dに小物を収納又は載置することができる。
【0030】
図10に示すように、例えば、やや横長の分割収納部112cには、テレビのリモコン81、少し小さめの分割収納部112bにはスマートフォン85、更に小さめの分割収納部112eには、ビーズ84を収納しておくことができる。
また、やや広いトレイ部としての分割収納部113a、113cには、それぞれ菓子器86、マグカップ82を載置することができる。また、やや狭いトレイ部としての分割収納部113b、113dには、USBメモリ87、事務用クリップ83など、深い収納部では取り出しにくい小物を載置するのに適している。
【0031】
蓋体15が挿着された状態では、図11に示すように蓋体15上に、例えば花器91などを載置して使用することができる。
また、図12に示すように、別の椅子92に着座し、蓋体15上に足93を載せ、足置き台として使用することもできる。
更に、図13に示すように、蓋体15上に腰95を載せて着座することができる。例えば、靴94を履くときに使用すると便利である。
また、図14に示すように、蓋体15上に足96を載せて立ち上がり、踏み台として使用することもできる。
更に、図15に示すように、蓋体15を取り外して、容器体11のトレイ部に飲み物の入ったカップ97を載置し、別のソファー椅子98に座って寛ぐこともできる。
以上は、使用の例であり、目的、用途に応じて、多種多様な使用をすることができる。
【符号の説明】
【0032】
1;収納スツール、10;ボックス部材、11;容器体、11a;容器体内側面、111;挿着筒、112a、112b、112c、112d、112e、112f、113a、113b、113c、113d;分割収納部、112p;立設板、115a、115b、115c、115d、115e、115f、116a、116b、116c、116d;閉塞板、15;蓋体、20;脚部材、30;ジョイント部材、31;上側筒状部、31r;上側リブ、31p;上側係止片、31s;上側スリット、32;下側筒上部、32r;下側リブ、32p;下側係止片、32s;下側スリット、35;水平板、35a、35b;水平板の側端面
【要約】
【課題】軽量で、インテリア性を有し、物品の収納性に優れる収納スツールを提供する。
【解決手段】収納スツール1は、ボックス部材10と、ボックス部材10を支持する複数の脚部材20と、ボックス部材10と脚部材20に挿着固定し、ボックス部材10と脚部材20を接続するジョイント部材30と、を備える。ボックス部材10は、物品を収納する容器体11と、容器体に着脱自在の板状の蓋体と、からなり、容器体11の内部周縁下方側には、筒状の挿着筒111を有し、脚部材20は、上下方向に延びる筒状体に形成され、ジョイント部材30は、水平板35と、水平板35の上面に立設した上側筒状部31と、水平板35の下面に立設した下側筒状部32と、を備え、上側筒状部31が挿着筒111に挿着され、下側筒状部32が脚部材20に挿着され、かつ、水平板35上面が挿着筒111の下端縁に当接することによりボックス部材10が、脚部材20に固着される。
【選択図】図3
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図15