(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記直動機構により前記金属管に前記柱状セラミックス体を挿入する際に、前記柱状セラミックス体を前記第一の方向に垂直な第二の方向に移動させることが可能な移動手段を備える請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱交換部材製造装置。
前記金属管の一方の開口端面側の端部を位置決めするための第一ガイド部と、前記第一ガイド部と同軸上に配置され、前記柱状セラミックス体の姿勢を整える第二ガイド部とを備える熱交換部材製造用冶具を有し、
前記熱交換部材製造用冶具にて前記金属管と前記柱状セラミックス体を位置決めしてこれらを一体化する請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱交換部材製造装置。
前記金属管の、前記柱状セラミックス体の入口側となる一方の開口端面側の端部の側部、及び出口側となる他方の開口端面側の端部の側部の少なくとも一方に、前記金属管の前記端部を冷却するための端部冷却手段を備える請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱交換部材製造装置。
前記シャッターに接して前記柱状セラミックス体を載置し前記シャッターを開とするときに、前記柱状セラミックス体の中心軸と前記金属管の中心軸とがずれることを防止するためのシャッター開時軸ずれ制限手段を備える請求項9または10に記載の熱交換部材製造装置。
前記柱状セラミックス体を前記第一の方向に沿って移動させる際に、前記柱状セラミックス体と前記金属管とが同軸となるように前記柱状セラミックス体の前記外周面をガイドする直動時軸ずれ制限手段を備える請求項1〜11のいずれか1項に記載の熱交換部材製造装置。
前記金属管は、端部が中央部よりも徐々に拡径されたテーパー部とされたフレア部、または前記テーパー部とそのテーパー部よりも前記端部側が前記中央部より拡径の拡径部とされた拡管部とされており、
前記フレア部または前記拡管部により柱状セラミックス体をガイドさせて挿入することにより、前記柱状セラミックス体と前記金属管とが同軸になるようにして焼きばめし、
前記柱状セラミックス体の外周面に前記金属管が嵌合した熱交換部材を形成する請求項15に記載の熱交換部材の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
信頼性の高い金属被覆付の熱交換部材を得るためには、焼きばめしろ(常温での挿入側の外径−挿入される側の内径)を0.05mm以上確保することが好ましい。安価なフェライト系ステンレスを用いた場合は、オーステナイト系と比較して熱膨張係数が小さいため、金属管をより高温に加熱し、それを維持したままで正確な位置決めをして、焼きばめ挿入する必要がある。
【0007】
また、挿入するセラミックス構造体が短尺大口径である場合には、わずかな芯ずれで、挿入途中のセラミックス構造体が金属管にひっかかりセラミックス構造体が傾いてしまう。特に(長さL)/(外径D)≦1となると傾きが生じ易く、冷却後の締め付け力の分布に差異が生じて性能及び耐熱性が低下し、不良となる。
【0008】
正確な位置決めや挿入物の傾きを抑制する手法としては、特許文献2が知られている。しかし、熱伝導率が大きいセラミックス構造体を薄肉で熱容量が小さいSUS管に、より高温で挿入する際には、金属管の熱をセラミックス構造体が急速に奪い、金属管が瞬間的に縮径する。したがって、嵌めあい対象同士に大きな温度差があり、それらを接触させた状態で位置決めをする特許文献2の場合、所定の挿入を終える前に締め付け力が働き止まってしまって不良となるため、この手法は適用することができない。
【0009】
また、セラミックス構造体の長さLが、金属管の長さLよりも短い(セラミックス構造体が全て金属管内に収まる)場合には、セラミックス構造体を外から把持したまま金属管内に挿入することはできない。このため、セラミックス構造体の外径よりも小さな冶具によってセラミックス構造体を把持し、挿入後にセラミックス構造体を解放できる手法が必要となる。
【0010】
本発明の課題は、精度よく金属管と柱状セラミックス体とを焼きばめして熱交換部材を製造することのできる熱交換部材製造装置、および熱交換部材の製造方法を提供することである。特に、柱状セラミックス体が外径に対し長さが短い場合にも精度よく金属管と柱状セラミックス体とを焼きばめすることができる製造装置、製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明によれば、以下の熱交換部材製造装置、および熱交換部材の製造方法が提供される。
【0012】
[1] 金属管の軸方向を第一の方向として前記金属管を載置する載置手段と、前記載置手段に載置された前記金属管の外周側に配置され、前記金属管を加熱する加熱手段と、先端部に柱状セラミックス体を固定し、前記柱状セラミックス体の軸方向を前記第一の方向に沿って前記柱状セラミックス体を移動させる直動機構と、を備え、前記直動機構は、軸方向を前記第一の方向として前進、後退する駆動軸と、前記駆動軸の先端に前記柱状セラミックス体を固定するための固定手段と、前記駆動軸を前進、後退させる駆動手段と、前記駆動軸の傾斜を制限する駆動軸制限手段と、を含み、
前記駆動軸制限手段は、前記駆動軸を外側から接するように支持して径方向への移動を制限する軸受を備えるように構成され、前記駆動軸制限手段によって前記駆動軸の傾斜の動きを制限しつつ前記駆動手段によって前記駆動軸を前進させて前記柱状セラミックス体を前記第一の方向へ移動させ、前記柱状セラミックス体を、前記加熱手段によって加熱された前記金属管に対し位置決めして挿入させ、前記柱状セラミックス体の外周面に前記金属管が嵌合した熱交換部材を形成する熱交換部材製造装置。
【0014】
[3] 前記軸受は、転動体を有する転がり軸受である前記[2]に記載の熱交換部材製造装置。
【0015】
[4] 前記軸受は、滑り軸受である前記[2]に記載の熱交換部材製造装置。
【0018】
[7] 前記駆動軸の前記第一の方向からの傾斜を検出する傾斜検出手段を備える前記[1]〜[6]のいずれかに記載の熱交換部材製造装置。
【0019】
[8] 前記直動機構により前記金属管に前記柱状セラミックス体を挿入する際に、前記柱状セラミックス体を前記第一の方向に垂直な第二の方向に移動させることが可能な移動手段を備える前記[1]〜[7]のいずれかに記載の熱交換部材製造装置。
【0020】
[9] 前記金属管の一方の開口端面側の端部を位置決めするための第一ガイド部と、前記第一ガイド部と同軸上に配置され、前記柱状セラミックス体の姿勢を整える第二ガイド部とを備える熱交換部材製造用冶具を有し、前記熱交換部材製造用冶具にて前記金属管と前記柱状セラミックス体を位置決めしてこれらを一体化する前記[1]〜[8]のいずれかに記載の熱交換部材製造装置。
【0021】
[10] 前記直動機構の先端部と前記柱状セラミックス体との固定手段は、接着剤、両面テープ、剣山式冶具、磁石、真空吸着吸盤のいずれかである前記[1]〜[9]のいずれかに記載の熱交換部材製造装置。
【0022】
[11] 前記金属管の、前記柱状セラミックス体の入口側となる一方の開口端面側の端部の側部、及び出口側となる他方の開口端面側の端部の側部の少なくとも一方に、前記金属管の前記端部を冷却するための端部冷却手段を備える前記[1]〜[10]のいずれかに記載の熱交換部材製造装置。
【0023】
[12] 前記直動機構と、前記載置手段に載置された前記金属管との間に、これらを隔てる開閉可能なシャッターを備える前記[1]〜[11]のいずれかに記載の熱交換部材製造装置。
【0024】
[13] 前記シャッターは、2重構造とされている前記[12]に記載の熱交換部材製造装置。
【0025】
[14] 前記シャッターに接して前記柱状セラミックス体を載置し前記シャッターを開とするときに、前記柱状セラミックス体の中心軸と前記金属管の中心軸とがずれることを防止するためのシャッター開時軸ずれ制限手段を備える前記[12]または[13]に記載の熱交換部材製造装置。
【0026】
[15] 前記柱状セラミックス体を前記第一の方向に沿って移動させる際に、前記柱状セラミックス体と前記金属管とが同軸となるように前記柱状セラミックス体の前記外周面をガイドする直動時軸ずれ制限手段を備える前記[1]〜[14]のいずれかに記載の熱交換部材製造装置。
【0027】
[16] 前記直動機構は、前記載置手段に載置された前記金属管の上方側に備えられている前記[1」〜[15]のいずれかに記載の熱交換部材製造装置。
【0028】
[17] 前記直動機構は、前記載置手段に載置された前記金属管の下方側に備えられている前記[1]〜[13]、及び[15]のいずれかに記載の熱交換部材製造装置。
【0029】
[
15] 金属管の軸方向を第一の方向として前記金属管を載置し、柱状セラミックス体をその外径よりも外径が小さい駆動軸の先端部に固定し、
前記駆動軸を外側から接するように支持して径方向への移動を制限する軸受を備えるように構成された、前記駆動軸の傾斜を制限する駆動軸制限手段によって前記駆動軸の傾斜の動きを制限しつつ前記駆動軸を前進させて前記柱状セラミックス体を前記第一の方向へ移動させ、前記柱状セラミックス体を、加熱手段によって加熱された前記金属管に対し位置決めして挿入させ、前記柱状セラミックス体の外周面に前記金属管が嵌合した熱交換部材を形成する熱交換部材の製造方法。
【0030】
[19] 前記金属管は、端部が中央部よりも徐々に拡径されたテーパー部とされたフレア部、または前記テーパー部とそのテーパー部よりも前記端部側が前記中央部より拡径の拡径部とされた拡管部とされており、前記フレア部または前記拡管部により柱状セラミックス体をガイドさせて挿入することにより、前記柱状セラミックス体と前記金属管とが同軸になるようにして焼きばめし、前記柱状セラミックス体の外周面に前記金属管が嵌合した熱交換部材を形成する前記[18]に記載の熱交換部材の製造方法。
【0031】
[20] 前記フレア部または前記拡管部の前記テーパー部は、傾部の角度が10〜45°、前記フレア部または前記拡管部の軸方向の長さは、0.1〜20mmである前記[19]に記載の熱交換部材の製造方法。
【0032】
[21] 前記柱状セラミックス体は、端部の外周部が面取加工されている前記[18]〜[20]のいずれかに記載の熱交換部材の製造方法。
【0033】
[22] 前記面取加工は、45°面取加工、またはR0.1〜1mmの丸み面取加工である前記[21]に記載の熱交換部材の製造方法。
【0034】
[23] 前記金属管に前記柱状セラミックス体を1〜100mm/sで押し込む前記[18]〜[22]のいずれかに記載の熱交換部材の製造方法。
【0035】
[24] 前記金属管に前記柱状セラミックス体を1N〜10kNの押し込み荷重で押し込む前記[18]〜[23]のいずれかに記載の熱交換部材の製造方法。
【0036】
[25] 前記柱状セラミックス体は、長さLと外径DがL/D≦1である前記[18]〜[24]のいずれかに記載に熱交換部材の製造方法。
【発明の効果】
【0037】
本発明の熱交換部材製造装置、製造方法は、駆動軸によって、柱状セラミックス体を金属管に挿入させ、柱状セラミックス体の外周面に金属管が嵌合した熱交換部材を形成することができる。駆動軸の傾斜が駆動軸制限手段によって制限されているため、柱状セラミックス体と金属管とが同軸になるようにして焼きばめすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
【0040】
(1)概要:
図1に本発明の熱交換部材製造装置40の一実施形態の模式図を示す。本発明の熱交換部材製造装置40は、金属管12の軸方向を第一の方向51として金属管12を載置する載置手段41と、載置手段41に載置された金属管12の外周側に配置され、金属管12を加熱する加熱手段42と、先端部に柱状セラミックス体11を固定し、柱状セラミックス体11の軸方向を第一の方向51に沿って柱状セラミックス体11を移動させる直動機構43と、を備える。直動機構43は、軸方向を第一の方向51として前進、後退する駆動軸44と、駆動軸44の先端に柱状セラミックス体11を固定するための固定手段45と、駆動軸44を前進、後退させる駆動手段46と、駆動軸44の傾斜を制限する駆動軸制限手段47と、を含む。
図1の実施形態では、直動機構43は、載置手段41に載置された金属管12の上方側に備えられている。
【0041】
そして、熱交換部材製造装置40は、駆動軸制限手段47によって駆動軸44の傾斜の動きを制限しつつ駆動手段46によって駆動軸44を前進させて柱状セラミックス体11を第一の方向51へ移動させる。そして、柱状セラミックス体11を、加熱手段42によって加熱された金属管12に対し位置決めして挿入させ、柱状セラミックス体11の外周面に金属管12が嵌合した熱交換部材を形成する。
【0042】
本発明の熱交換部材製造装置40、および製造方法は、例えば、
図2A、および
図2Bに示すような、熱交換部材10を製造するための装置、方法である。ここで、
図2Aは、柱状セラミックス体11であるハニカム構造体1と、金属管12とを一体化する前の斜視図、
図2Bは、ハニカム構造体1と金属管12とを一体化した熱交換部材10の一例を示す斜視図である。なお、本明細書において、「軸方向」とは、特に断りのない限り、筒状の金属管12においては、筒状の金属管12の一方の端面と他方の端面とを結ぶ方向、柱状セラミックス体11においては、柱状セラミックス体11の一方の端面2と他方の端面2とを結ぶ方向のことを意味する。また、熱交換部材10の軸方向という場合は、金属管12内に配置された柱状セラミックス体11の一方の端面2と他方の端面2とを結ぶ方向のこととする。
【0043】
(2)熱交換部材:
図2Bに示す熱交換部材10は、柱状セラミックス体11と、柱状セラミックス体11の外周側に配設された金属管12と、を備えたものである。柱状セラミックス体11は、一方の端面2から他方の端面2まで延びる流路が形成されている。この流路には、第一の流体が流通する流路を有する。柱状セラミックス体11の内部に第一の流体を流通させ、且つ、金属管12の外周面12h側に第一の流体よりも低温又は高温の第二の流体を流通させることにより、第一の流体と第二の流体との熱交換を行うことができる。熱交換部材10は、柱状セラミックス体11の外周側に金属管12が配置されているため、第一の流体と第二の流体とは、液密及び気密的に分離されており、これらの流体の混じり合いが有効に防止されている。また、熱交換部材10は、金属管12を備えるため、設置場所や設置方法により加工することが容易であり、自由度が高い。熱交換部材10は、金属管12によって柱状セラミックス体11を保護することもでき外部からの衝撃にも強い。このような金属管12と柱状セラミックス体11は、焼きばめにより一体化されたものである。
【0044】
(2−1)柱状セラミックス体:
柱状セラミックス体11とは、セラミックスで柱状に形成され、軸方向の一方の端面2から他方の端面2まで延びる流体の流路を有するものである。柱状とは、円筒状(円柱状)に限らず、軸(長手)方向に垂直な断面が楕円形状、円弧が複合されたオーバル形状、四角形、又はその他の多角形の、角柱状であってもよい。
【0045】
本発明の熱交換部材製造装置、および製造方法は、(全長L)/(外径D)≦1である柱状セラミックス体11を用いるときに好適である。なお、外径Dは、柱状セラミックス体の軸(長手)方向に垂直な断面が多角形の場合は、(全長L)/(周長/π)≦1である。
【0046】
柱状セラミックス体11は、隔壁4を有し、隔壁4によって、流体の流路となる多数のセル3が区画形成されたハニカム構造体1であることが好ましい。隔壁4を有することにより、柱状セラミックス体11の内部を流通する流体からの熱を効率よく集熱し、外部に伝達することができる。
図2A、および
図2Bは、多数のセル3が形成されたハニカム構造体1を柱状セラミックス体11として用いた実施形態を示す。
図2Aにおいて、符号7は、柱状セラミックス体11の外周壁を示し、符号7hは、柱状セラミックス体11の外周面を示す。また、符号12hは、金属管12の外周面を示す。また、柱状セラミックス体11は、隔壁4を有さず外周壁7のみによって構成された中空のセラミックス管を用いたものであってもよい。
【0047】
柱状セラミックス体11は、熱伝導率が100W/(m・K)以上であることが好ましい。より好ましくは、120〜300W/(m・K)、更に好ましくは、150〜300W/(m・K)である。この範囲とすることにより、熱伝導性が良好となり、効率的に柱状セラミックス体11内の熱を金属管12の外側に排出できる。
【0048】
柱状セラミックス体11は、耐熱性に優れるセラミックスを用いることが好ましく、特に伝熱性を考慮すると、熱伝導性が高いSiC(炭化珪素)が主成分であることが好ましい。なお、主成分とは、柱状セラミックス体11の50質量%以上が炭化珪素であることを意味する。
【0049】
但し、必ずしも柱状セラミックス体11の全体がSiC(炭化珪素)で構成されている必要はなく、SiC(炭化珪素)が本体中に含まれていれば良い。即ち、柱状セラミックス体11は、SiC(炭化珪素)を含むセラミックスからなるものであることが好ましい。上述したように、柱状セラミックス体11が、SiCを主成分とする熱交換部材であることは、好ましい形態の1つである。
【0050】
なお、SiC(炭化珪素)であっても多孔体の場合は高い熱伝導率が得られないため、柱状セラミックス体11の作製過程で緻密体構造とすることが好ましい。緻密体構造にすることで高い熱伝導率が得られる。例えば、SiC(炭化珪素)の多孔体の場合、20W/(m・K)程度であるが、緻密体とすることにより、150W/(m・K)程度とすることができる。
【0051】
柱状セラミックス体11として、Si含浸SiC、(Si+Al)含浸SiC、金属複合SiC、再結晶SiC、Si
3N
4、及び反応焼結SiC等を採用することができるが、高い熱交換率を得るための緻密体構造とするためにSi含浸SiC、(Si+Al)含浸SiCを採用することができる。Si含浸SiCは、SiC粒子表面を金属珪素融体の凝固物が取り囲むとともに、金属珪素を介してSiCが一体に接合した構造を有するため、炭化珪素が酸素を含む雰囲気から遮断され、酸化から防止される。更に、SiCは、熱伝導率が高く、放熱しやすいという特徴を有するが、Siを含浸するSiCは、高い熱伝導率や耐熱性を示しつつ、緻密に形成され、伝熱部材として十分な強度を示す。つまり、Si−SiC系(Si含浸SiC、(Si+Al)含浸SiC)材料からなる柱状セラミックス体11は、耐熱性、耐熱衝撃性、耐酸化性をはじめ、酸やアルカリなどに対する耐食性に優れた特性を示すとともに、高熱伝導率を示す。
【0052】
柱状セラミックス体11を、隔壁4によって流路となる複数のセル3が区画形成されたハニカム構造体1として形成する場合、セル形状は、円形、楕円形、三角形、四角形、六角形、その他の多角形等の中から所望の形状を適宜選択すればよい。柱状セラミックス体11が、隔壁4によって複数のセル3が区画形成されたハニカム構造体1であることは、好ましい形態の1つである。
【0053】
ハニカム構造体1のセル密度(即ち、単位断面積当たりのセルの数)については特に制限はなく、目的に応じて適宜設計すればよいが、4〜320セル/cm
2の範囲であることが好ましい。セル密度を4セル/cm
2より大きくすると、隔壁4の強度、ひいてはハニカム構造体1自体の強度及び有効GSA(幾何学的表面積)を十分なものとすることができる。一方、セル密度を320セル/cm
2以下とすると、熱媒体が流れる際の圧力損失を小さくすることができる。
【0054】
また、ハニカム構造体1の1つ当たりのセル数は、1〜10,000個であることが好ましく、200〜2,000個であることが更に好ましい。セル数が多すぎるとハニカム構造体1自体が大きくなるため第一の流体側から第二の流体側までの熱伝導距離が長くなり、熱伝導ロスが大きくなり熱流束が小さくなる。また、セル数が少ない時には第一の流体側の熱伝達面積が小さくなり、第一の流体側の熱抵抗を下げることができず熱流束が小さくなる。
【0055】
ハニカム構造体1のセル3の隔壁4の厚さ(壁厚)についても、目的に応じて適宜設計すればよく、特に制限はない。壁厚については、50μm以上、2mm以下とすることが好ましく、60μm以上、600μm以下とすることが更に好ましい。壁厚を50μm以上とすると、機械的強度が向上して衝撃や熱応力による破損を防止できる。一方、2mm以下とすると、ハニカム構造体側に占めるセル容積の割合が大きくなることにより流体の圧力損失が小さくなり、熱交換率を向上させることができる。
【0056】
ハニカム構造体1のセル3の隔壁4の密度は、0.5〜5g/cm
3であることが好ましい。0.5g/cm
3以上の場合、隔壁4の強度が十分であり、第一の流体が流路内を通り抜ける際に圧力により隔壁4が破損することを防止できる。また、5g/cm
3以下であると、ハニカム構造体1自体が重くなり過ぎず、軽量化することができる。上記の範囲の密度とすることにより、ハニカム構造体1を強固なものとすることができる。また、熱伝導率を向上させる効果も得られる。
【0057】
ここで、柱状セラミックス体11の作製方法について、ハニカム構造体1の作製方法を例に説明する。まず、平均粒径の異なるSiC粉末を混ぜ合わせて、SiC粉末の混合物を調製する。このSiC粉末の混合物に、バインダー、水を混ぜ合わせ、ニーダーを用いて混練することにより、混練物を得る。この混練物を真空土練機に投入し、円柱状の坏土を作製する。
【0058】
次に、坏土を押出成形してハニカム成形体を形成する。押出成形では、適当な形態の口金や冶具を選択することにより、外周壁の形状や厚さ、隔壁の厚さ、セルの形状、セル密度などを所望のものにすることができる。口金は、特に限定するものではないが、摩耗し難い超硬合金で作られたものを用いることが好ましい。ハニカム成形体については、外周壁を円柱形状又は四角柱形状とし、外周壁の内部を隔壁により四角形の格子状に区分された構造となるように形成する。また、これらの隔壁については、互いに直交する方向のそれぞれで等間隔に並行し、かつ、真っすぐに外周壁の内部を横切るように形成する。これにより、外周壁の内部の最外周部以外にあるセルの断面形状を正方形にすることができる。
【0059】
次に、押出成形により得たハニカム成形体の乾燥を行う。特に限定するものではないが、ハニカム成形体を電磁波加熱方式、外部加熱方式、熱風送風方式等で乾燥し、乾燥前のハニカム成形体に含まれる全水分量の97%以上に相当する水分をハニカム成形体から除去する。
【0060】
乾燥後のハニカム成形体に対して、必要に応じて適宜外形(外径、L寸(長さ))の加工を実施した後に、脱脂を行う。更に、こうした脱脂により得られたハニカム構造体の上に金属Siの塊を載せ、真空中又は減圧の不活性ガス中で、焼成をする。この焼成中に、ハニカム構造体の上に載せた金属Siの塊を融解させ、外周壁7や隔壁4に金属Siを含浸させる。例えば、外周壁7や隔壁4の熱伝導率を100W/(m・K)にする場合には、ハニカム構造体100質量部に対して70質量部の金属Siの塊を使用する。また、外周壁7や隔壁4の熱伝導率を150W/(m・K)にする場合には、ハニカム構造体100質量部に対して80質量部の金属Siの塊を使用する。以上のようにして、熱交換部材に使用するハニカム構造体1(柱状セラミックス体11)を作製することができる。
【0061】
(2−2)金属管:
柱状セラミックス体11と焼きばめにより一体化される金属管12としては、耐熱性、耐食性のあるものが好ましく、例えば、SUS管、銅管、真鍮管、チタン管、Ni合金管、Al合金管等を用いることができる。なお、この金属管12は、熱交換時における柱状セラミックス体11との熱膨張率の差により、金属管12が柱状セラミックス体11より抜け落ちないようなものであることが好ましい。金属管12の内径は、柱状セラミックス体11と金属管12との接合部で想定される常温〜150℃までの温度域で、締まりばめの圧力が確実にかかる範囲のものであることが好ましい。
【0062】
金属管12は、ストレート管であってもよいが(
図2A)、ストレート管以外の、軸方向に径の大きさが変化するように構成された管であってもよい。例えば、
図3Aに示すように、フレア加工により端部の直径が拡大された(端部が円錐状に広がってテーパー部12dとされた)フレア部12eを有する金属管12も、好ましい形態の一つである。または、
図3Bに示すようなテーパー部12dとそのテーパー部12dよりも端部側が中央部より拡径の拡径部12fとされた拡管部12gを有する金属管12を用いることもできる。
【0063】
(2−3)中間材:
本実施形態の熱交換部材10の製造方法においては、金属管12と柱状セラミックス体11との間に中間材を挟んだ状態で焼きばめ工程を行ってもよい。中間材としては、グラファイトシート、金属シート、ゲルシート、弾塑性流体等が挙げられる。金属シートを構成する金属としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等が挙げられる。弾塑性流体とは、小さな力であれば、塑性変形せずに固体として振るまい(弾性率を有する)、大きな力を加えると自由に変形して流体のような変形をする材料であり、グリース等が例として挙げられる。中間材として、密着性や熱伝導性等を考慮すると、グラファイトシートを用いることが好ましい。以下、中間材として、グラファイトシートを例として説明する。
【0064】
金属管12と柱状セラミックス体11との間にグラファイトシートからなる中間材を挟んで焼きばめ工程を行うことにより、柱状セラミックス体11と金属管12との間に、グラファイトシートからなる中間材が挟み込まれた熱交換部材を得ることができる。このような熱交換部材においては、金属管12と柱状セラミックス体11との接合部の使用時の常温〜150℃の環境において、グラファイトシートに圧がかかり、熱を伝達することができる。
【0065】
本明細書におけるグラファイトシートとは、膨張黒鉛を主成分とするグラファイトを圧延しシート状に加工したものや、高分子フィルムを熱分解して得られるシート状のものであり、黒鉛シート、カーボンシートと称されるものも含む。グラファイトシートは、厚み方向のヤング率が1GPa以下、厚み方向の熱伝導率が1W/(m・K)以上であることが好ましい。厚み方向の熱伝導率について、より好ましくは、3〜10W/(m・K)である。また、面内方向の熱伝導率は、5〜1600W/(m・K)が好ましく、100〜400W/(m・K)がより好ましい。
【0066】
また、グラファイトシートのヤング率は、1MPa以上、1GPa以下であることが好ましい。より好ましくは、5MPa以上、500MPa以下、更に好ましくは、10MPa以上、200MPa以下である。ヤング率が1MPa以上であればグラファイトの密度が十分であり熱伝導性が良い。一方、500MPa以下である場合、薄いグラファイトシートでも焼きばめ時に十分弾性変形し、密着性や金属管12の応力緩和効果が得られる。
【0067】
グラファイトシートの厚みは、25μm以上、1mm以下であることが好ましく、25μm以上、500μm以下であることがより好ましく、50μm以上、250μm以下であることが更に好ましい。グラファイトシートは、薄くなるほど高価になる。また厚くなると、熱抵抗を生じる。この範囲のグラファイトシートを使用することにより、熱伝導性が良好となり、効率的に柱状セラミックス体11内の熱を金属管12の外側に排出できる。
【0068】
このようなグラファイトシートを中間材として用いる場合には、金属管12に挿入する前の柱状セラミックス体11の外周壁の外周面に、グラファイトシートを巻き付けることが好ましい。このとき、接着剤を用いて、グラファイトシートを、柱状セラミックス体11の外周壁の外周面に貼り付けてもよい。接着剤を用いることにより、一様にグラファイトシートを貼り付けることができる。接着剤は、十分に薄く良伝熱性であることが望ましい。
【0069】
(3)熱交換部材製造装置:
熱交換部材製造装置40は、上記のような柱状セラミックス体11と金属管12とを一体化して熱交換部材10とするための装置である。熱交換部材製造装置40は、金属管12を載置する載置手段41と、金属管12の外周側に配置され、金属管12を加熱する加熱手段42と、先端部に柱状セラミックス体11を固定し、第一の方向51に柱状セラミックス体11を移動させる直動機構43と、を備える。
【0070】
図1において、第一の方向51は、上下方向であるが、第一の方向51は、上下方向に限定されるものではなく、第一の方向51と垂直な方向を第二の方向52とする。
【0071】
直動機構43は、軸方向を第一の方向51として前進、後退する駆動軸44と、駆動軸44の先端に柱状セラミックス体11を固定するための固定手段45と、駆動軸44を前進、後退させる駆動手段46と、駆動軸44の傾斜を制限する駆動軸制限手段47と、を含む。
【0072】
駆動軸44の直径や固定手段45の直径は、柱状セラミックス体11の直径(外径)よりも小さい。このため、柱状セラミックス体11を金属管12内に挿入することができる。
【0073】
駆動軸44の材料は、金属系・樹脂系・セラミックス系・木材系材料を用いることができるが、耐摩耗性があり、加工精度が出しやすい金属系材料を用いる方が望ましい。駆動軸44の形状は、円筒型、角柱型いずれでもよい。後述するボールねじの場合、円筒型が望ましい。駆動軸44は、中実体であっても中空体であってもよい。
【0074】
駆動手段46としては、エアシリンダー、モーター、油圧式等を用いることもできるが、自由落下でもよい。駆動手段46によって、駆動軸を直線移動、言い換えると往復運動させることができる。
【0075】
熱交換部材製造装置40は、駆動軸制限手段47によって駆動軸44の傾斜の動きを制限しつつ駆動手段46によって駆動軸44を前進させて柱状セラミックス体11を第一の方向51へ移動させる。そして、柱状セラミックス体11を、加熱手段42によって加熱された金属管12に対し位置決めして挿入させ、柱状セラミックス体11の外周面に金属管12が嵌合した熱交換部材10を形成する。
【0076】
駆動軸制限手段47として、駆動軸44を外側から支持して径方向への移動を制限する軸受を備えるように構成することができる。軸受の材料としては、金属系・樹脂系・セラミックス系・木材系材料のいずれもよいが、耐摩耗性があり、加工精度が出しやすい金属系材料を用いる方が望ましい。
【0077】
軸受としては、滑り軸受47aを採用することができる。滑り軸受47aは、中に駆動軸44を通過させることのできる円筒状、輪形状のものである。
図1に示すように、駆動軸44が滑り軸受47a内を通過するように構成することにより、駆動軸44の方向を規制することができる。
【0078】
軸受としては、玉等の転動体47tを有する転がり軸受47bを採用することができる。
図4Aは、転がり軸受47bの平面図、
図4Bは、断面図である。転がり軸受47bは、転動体47tを有するため、滑り軸受47aと異なり、駆動軸44と軸受との間に油膜を切らさないようにする必要がなく、メンテナンスの点から好ましい。また、転がり軸受47bは、転動体47tが軸方向において、多段に備えられていることが好ましい。
図4Bの実施形態は、軸方向において3段の転動体47tを備える。このように構成すると、駆動軸44の傾斜を十分に抑制することができる。
【0079】
熱交換部材製造装置40は、駆動軸44の外周部に、軸方向に沿って溝部またはレール部47jが形成されており、駆動軸制限手段47は、溝部またはレール部47jに嵌合して駆動軸44を摺動可能にガイドするガイド部47kであるように構成することもできる。
図5Aおよび
図5Bは、駆動軸44の外周に軸方向にレール部47jが形成された実施形態を示す。熱交換部材製造装置40は、レール部47jに嵌合するように、断面が凹部として形成されたガイド部47kを備える。図示は省略するが、駆動軸44の外周部に、軸方向に沿って溝部を形成してもよい。レール部47jやガイド部47kの材料としては、金属系・樹脂系・セラミックス系・木材系材料のいずれもよいが、耐摩耗性があり、加工精度が出しやすい金属系材料を用いる方が望ましい。また、レール部47jやガイド部47kを備える場合に、
図5Cに示すように、転動体47tを備える転がり軸受方式とすることも好ましい実施形態である。
【0080】
熱交換部材製造装置40は、駆動軸44がねじ軸47mとして形成されており、駆動軸制限手段47は、駆動軸44の外周側に備えられたナット47n、駆動軸44とナット47nとの間に備えられたボール47pによって構成されたボールねじ47qとして構成することもできる。
図6Aは、駆動軸制限手段47をボールねじ47qとした実施形態を示す。
【0081】
熱交換部材製造装置40は、駆動軸44の第一の方向51からの傾斜を検出する傾斜検出手段を備えるように形成することも好ましい。傾斜検出手段としては、駆動軸44の角度を検出する角度計、規定の位置からのずれ(変位)を検出する変位計を利用することができる。球体、角柱、円筒等の部材を水平に設置し、駆動軸44が傾斜した際に、その部材がずれることにより、傾斜を検出するような傾斜検出機構を備えてもよい。
図6Bに傾斜検出機構を備える実施形態を示す。
図6Bの実施形態では、駆動軸44の上部(駆動手段46の上部)に球体55を設置し、駆動軸44が鉛直(球体55の接地面が水平)からずれた時に、球体55が移動することにより傾きを検出する。
【0082】
直動機構43により金属管12に柱状セラミックス体11を挿入する際に、柱状セラミックス体11を第一の方向51に垂直な第二の方向52に移動させることが可能な移動手段を備えることも好ましい。あるいは、金属管12が水平方向に自由に移動することができる手段を備えることも好ましい。
図6Cに第二の方向52に移動させることが可能な移動手段を備える実施形態を示す。固定手段45は、上部固定手段と、下部固定手段によって構成され、上部固定手段と下部固定手段は、転動体56を介して独立して駆動可能に構成されている。
【0083】
直動機構43の先端部と柱状セラミックス体11との固定手段45は、接着剤、両面テープ、剣山式冶具48、磁石49、真空吸着吸盤のいずれかを用いることができる。接着剤としては、直動機構43の先端部と柱状セラミックス体11とを固定できるものであれば問題ないが、金属管12に柱状セラミックス体11を挿入後、誘導加熱の熱により接着力が無くなり柱状セラミックス体11を脱離させる熱可塑性の接着剤が好ましい。熱可塑性の接着剤としては、例えば、シアノアクリレート系接着剤が作業性も良く、安価で望ましい。両面テープとしては、接着剤と同じく、直動機構43の先端部と柱状セラミックス体11とを固定できるものであれば問題ないが、誘導加熱の熱により接着力が無くなり柱状セラミックス体11を脱離させる熱可塑性の接着成分を用いている両面テープが望ましい。
【0084】
図7に固定手段45である剣山式冶具48の実施形態を示す。剣山式冶具48は、剣山48aを有するものであり、剣山48aにて柱状セラミックス体11を固定する。柱状セラミックス体11が特にハニカム構造体1である場合に、剣山式冶具48を用いることができる。剣山式冶具48の剣山48aがセル3にはまることにより、ハニカム構造体1を固定することができる。
【0085】
図8Aに磁石49を用いた場合の実施形態を示す。磁石49を用いる場合は、磁石49にて柱状セラミックス体11を挟み込む。例えば、柱状セラミックス体11の下側を磁石49とし、上側を電磁石49aとして、電磁石49aに通電することにより、柱状セラミックス体11を挟み込み固定する。電磁石49aへの通電を止めることにより、柱状セラミックス体11を駆動軸44から脱離させることができる。
【0086】
図8Bに金属管12の一方の開口端面側の端部を位置決めするための第一ガイド部61aと、第一ガイド部61aと同軸上に配置され、柱状セラミックス体11の姿勢を整える第二ガイド部61bとを有する熱交換部材製造用冶具61を備える実施形態を示す。熱交換部材製造用冶具61を備えると、金属管12と柱状セラミックス体11とをより同軸にして一体化することができる。
【0087】
図9に、金属管12の端部12aを冷却するための端部冷却手段65を備える実施形態を示す。端部冷却手段65は、金属管12の、柱状セラミックス体11の入口側となる一方の開口端面側の端部12aの側部に備えられている。または、端部冷却手段65は、金属管12の、柱状セラミックス体11の入口側とは反対の出口側である、他方の開口端面側の端部の側部に備えられていても良い。あるいは、端部冷却手段65は、金属管12の、入口側と出口側の両方の開口端面側の端部に備えられていても良い。すなわち、端部冷却手段65は、金属管12の、入口側となる一方の開口端面側の端部12aの側部、及び出口側となる他方の開口端面側の端部の側部の少なくとも一方に備えられていることが好ましい。端部冷却手段65は、金属管12の側部に直接接して備えられていても良いし、直接接しないで備えられていても良い。端部冷却手段65が、金属管12に直接接しないで備えられている場合は、金属管12を加熱した際に、熱膨張した金属管12が接するように構成することが好ましい。端部冷却手段65の材料としては、高熱伝導セラミックス、高熱伝導性金属、高電磁波シールド性金属等が挙げられる。高熱伝導セラミックスとしては、アルミナ等、高熱伝導性金属や高電磁波シールド性金属としては、銀や銅等が挙げられる。端部冷却手段65は、金属管12の周囲を取り囲むようなリング形状のものでもよいし、金属管12の周囲を断片的に取り囲むような形状のものでもよい。また、端部冷却手段65は、内部に冷却水が流通する流路を備えたものでも良く、その場合、端部冷却手段65の材料は、金属が好ましい。このような端部冷却手段65は、金属管12の熱膨張による軸ずれを抑制する効果があり、さらに金属管12の端部12aの加熱時の酸化を抑制する効果もある。なお、金属管12が酸化すると、溶接が困難になる等の問題が発生することがある。
【0088】
図10Aに、直動機構43と、載置手段41に載置された金属管12との間に、これらを隔てる開閉可能なシャッター71を備える実施形態を示す。シャッター71としては、耐熱性が高く、断熱性が良い材料が好ましい。本実施形態の熱交換部材製造装置40では、まず、シャッター71を閉じておき、金属管12を加熱する。そして、金属管12を十分に加熱した後に、シャッター71を開いて柱状セラミックス体11を金属管12に挿入する。このようにすると、直動機構43等への熱的影響を抑制し、熱交換部材製造装置40の耐久性を高めることができる。シャッター71の材料としては、金属系、樹脂系、セラミックス系を用いることができるが、このうち、耐熱性、耐摩耗性があり、加工精度が良い金属系材料を用いる方が望ましい。
【0089】
図10Bに、シャッター71が2重構造とされている実施形態を示す。
図10Bは、シャッター本体部71aの加熱手段42側に、断熱性の高い材料で形成された断熱カバー71bを有する実施形態である。2重構造とされているシャッター71では、シャッター本体部71aへの熱的影響を抑制することができ、シャッター本体部71aへ柱状セラミックス体11を載置する場合であっても、シャッター本体部71aの熱歪みが発生しにくい。
【0090】
シャッター71が閉の場合に、シャッター本体部71aへ接した状態で柱状セラミックス体11を載置することも可能である。この場合、金属管12を加熱し、シャッター71を開とすると、シャッター71に柱状セラミックス体11が引きずられることがある。
図10Bでは、シャッター71を開とするときに、柱状セラミックス体11の中心軸と金属管12の中心軸とがずれることを防止するためのシャッター開時軸ずれ制限手段72を備える。シャッター開時軸ずれ制限手段72は、柱状セラミックス体11の外周面7hをガイドする。このような状態でシャッター71を開としても柱状セラミックス体11は、金属管12と同軸を維持したまま、柱状セラミックス体11を金属管12に挿入することができる。
【0091】
図11は、柱状セラミックス体11を第一の方向に沿って移動させる際に、柱状セラミックス体11と金属管12とが同軸となるように柱状セラミックス体11の外周面7hをガイドする直動時軸ずれ制限手段73を備える実施形態である。直動時軸ずれ制限手段73は、直動機構43で柱状セラミックス体11を移動させる際に、柱状セラミックス体11の外周面7hをガイドすることにより、柱状セラミックス体11を金属管12と同軸で挿入することができる。直動時軸ずれ制限手段73は、筒状のものでもよいし、柱状セラミックス体11の周囲を断片的に取り囲むような形状のものでもよい。直動時軸ずれ制限手段73は、柱状セラミックス体11を第一の方向に沿って移動させる際の軸ずれを防止するものであるため、直動時軸ずれ制限手段73の第一の方向の長さは、柱状セラミックス体11の第一の方向の長さよりも長いことが好ましい。
【0092】
図12A、および
図12Bに、直動機構43が、載置手段41に載置された金属管12の下方側に備えられている熱交換部材製造装置40の実施形態を示す。
図12Aは、直動機構43が金属管12の下方側に備えられており、駆動軸44の先端が金属管12の上方に上がった後、柱状セラミックス体11を、金属管12の上方から挿入する実施形態である。
【0093】
図12Bは、直動機構43が金属管12の下方側に備えられており、駆動軸44の先端が上昇する際に、金属管12に柱状セラミックス体11を、金属管12の下方から挿入する実施形態である。
【0094】
図12A、および
図12Bの実施形態の場合、柱状セラミックス体11が直動機構43に載置されるため、柱状セラミックス体11と直動機構43とを強固に固定する必要がない。また、簡易な固定手段45を採用することができる。この場合、柱状セラミックス体11が傾きにくくなり、好ましい。なお、
図12Bの実施形態の場合、シャッター71やシャッター開時軸ずれ制限手段72を備えることも可能である。また、
図12Bの実施形態の場合、柱状セラミックス体11の外径D1、載置手段41の穴径D2、金属管12の端部12aの外径D3は、D1<D2<D3の関係となる。
【0095】
(4)熱交換部材の製造方法:
熱交換部材10の製造方法は、以下のような方法である。まず、金属管12の軸方向を第一の方向51として金属管12を載置する。次に、柱状セラミックス体11をその外径よりも外径が小さい駆動軸44の先端部に固定する。駆動軸44の傾斜を制限する駆動軸制限手段47によって駆動軸44の傾斜の動きを制限しつつ駆動軸44を前進させて柱状セラミックス体11を第一の方向51へ移動させる。そして、柱状セラミックス体11を、加熱手段42によって加熱された金属管12に対し位置決めして挿入させ、柱状セラミックス体11の外周面7hに金属管12が嵌合した熱交換部材10を形成する。以下、具体的に説明する。
【0096】
まず、柱状セラミックス体11、例えば、ハニカム構造体1と、金属管12を用意する。
図1に示すように、金属管12の軸方向を第一の方向51として金属管12を載置手段41に載置する。載置した金属管12を加熱手段42によって加熱する。
【0097】
次に駆動軸44の先端に柱状セラミックス体11を固定手段45によって固定する。そして、ハニカム構造体1と金属管12とが一直線上となるように位置決めし、駆動手段46によって駆動軸44を前進させ、金属管12内にハニカム構造体1を挿入して焼きばめ、柱状セラミックス体11の外周面に金属管12が嵌合した熱交換部材を形成する。
【0098】
金属管12は、一方の端面から他方の端面まで同径のもの(ストレート管:
図2A)を用いてもよいが、
図3Aに示すような端部が中央部よりも徐々に拡径されたテーパー部12dとされたフレア部12eを有するものを用いることもできる。または、
図3Bに示すようなテーパー部12dとそのテーパー部12dよりも端部側が中央部より拡径の拡径部12fとされた拡管部12gを有する金属管12を用いることもできる。
【0099】
フレア部12eまたは拡管部12gのテーパー部12dは、傾部の角度が10〜45°、フレア部12eまたは拡管部12gの軸方向の長さは、0.1〜20mmであることが好ましい。傾部の角度(傾部角度12k)とは、軸方向からの傾きである(
図3A)。このような範囲であると、スムーズに柱状セラミックス体11(ハニカム構造体1)を金属管12に挿入することができる。また、フレア部12eまたは拡管部12gにより柱状セラミックス体11をガイドさせて挿入することにより、柱状セラミックス体11と金属管12とが同軸になるようにして焼きばめすることができる。
【0100】
また、柱状セラミックス体11は、端部、具体的には、端面2の外周部が面取加工されて面取加工部8が設けられていることが好ましい(
図1)。面取加工は、45°面取加工、またはR0.1〜1mmの丸み面取加工であることが好ましい。柱状セラミックス体11(ハニカム構造体1)の端部が面取加工されているとスムーズに柱状セラミックス体11(ハニカム構造体1)を金属管12に挿入することができる。
【0101】
金属管12に柱状セラミックス体11を1〜100mm/sの押し込み速度で押し込むことが好ましい。速度が速すぎると冶具等に衝突し、柱状セラミックス体11が破損してしまう。一方で速度が遅すぎるとタクトタイムが長くなり生産性が低下してしまったり焼きばめの途中で止まってしまったりする。
【0102】
金属管12に柱状セラミックス体11を1N〜10kNの押し込み荷重で押し込むことが好ましい。押し込み荷重が軽すぎると柱状セラミックス体11が冶具または金属管12に引っ掛かり、傾きが生じた際にその傾きの修正力が低い。一方で押し込み力が強すぎると柱状セラミックス体11や冶具が破損したり、装置が損傷したりする。
【0103】
駆動軸44を上下動させることにより、鉛直下方向に柱状セラミックス体11を挿入する例を示しているが、上下の構成を逆にして、鉛直上方向に柱状セラミックス体11を挿入するように構成することもできる。また、駆動軸44を上下以外の方向に設置・可動させてもよい。例えば、図示は省略するが、駆動軸44を水平方向に設置・可動させて、横向きに開口する金属管12内に、柱状セラミックス体11を挿入してもよい。
【0104】
ここで、柱状セラミックス体11の軸方向の長さLと端面の直径(外径)Dとの比率(L/D)が1以下と小さい場合は、以下の2つの問題が生じることがある。1つ目の問題は、金属管12の端面で、柱状セラミックス体11が入らないという不良が生じるという問題である。2つ目の問題は、柱状セラミックス体11の端面が通過したとしても、挿入の途中で、柱状セラミックス体11が傾いて、所望の位置まで落ちずに止ってしまうという不良が発生するという問題である。本発明の熱交換部材製造装置40、熱交換部材の製造方法を用いることにより、長さLと端面の直径(外径)Dとの比率(L/D)が1以下の場合でも柱状セラミックス体11の水平を保ちながら(傾きを抑制しながら)、金属管12内に挿入することができる。したがって、上述した2つの問題を解決することができる。
【0105】
本発明の熱交換部材製造装置40、熱交換部材の製造方法を用いることにより、金属管12に対する柱状セラミックス体11の傾きを、0mm≦傾き≦0.5mmに抑制することができる。なお、
図13に示すように、金属管12のテーパー部12dやフレア部12eが形成されていない方の端面12bを基準とし、その面と同じ側の柱状セラミックス体11の端面2までの距離を金属管12の内周面12iに沿って測定し、(測定値の最大値13a−最小値13b)を傾きとする。
【0106】
(5)熱交換器:
次に、本発明の熱交換部材の製造方法によって製造された熱交換部材を用いた熱交換器について説明する。
図14は、本発明の熱交換部材の製造方法の一の実施形態によって製造された熱交換部材を用いた熱交換器を模式的に示す斜視図である。
図14に示すように、熱交換器30は、熱交換部材10と、熱交換部材10を内部に含むケーシング21とによって形成されている。熱交換部材10は、これまでに説明したように、柱状セラミックス体11としてのハニカム構造体1と、金属管12とを備えたものである。柱状セラミックス体11としてのハニカム構造体1のセル3が、第一の流体が流通する第一流体流通部5となる。熱交換器30は、ハニカム構造体1のセル3内を、第二の流体よりも高温の第一の流体が流通するように構成されている。また、ケーシング21に第二の流体の入口22及び出口23が形成されており、第二の流体は、熱交換部材10の金属管12の外周面12h上を流通する。
【0107】
つまり、ケーシング21の内側面24と金属管12の外周面12hとによって第二流体流通部6が形成されている。第二流体流通部6は、ケーシング21と金属管12の外周面12hとによって形成された第二の流体の流通部である。この第二流体流通部6と、第一流体流通部5とは、ハニカム構造体1の隔壁4及び金属管12によって隔たれており、且つ、隔壁4及び金属管12によって熱伝導可能とされている。即ち、熱交換器30は、第一流体流通部5を流通する第一の流体の熱を、隔壁4及び金属管12を介して受け取り、第二の流体である被加熱体へ熱を伝達するものである。第一の流体と第二の流体とは、液密及び気密的に分離されており、これらの流体は混じり合わないように構成されている。
【0108】
第一流体流通部5は、ハニカム構造として形成されており、ハニカム構造の場合、流体がセル3の中を通り抜ける時には、流体が隔壁4により別のセル3に流れ込むことができず、この流体がハニカム構造体1の入口から出口へと直線的に進む。また、本実施形態の熱交換器30内のハニカム構造体1は、セル3の開口端部が目封止されていないことが好ましい。このように構成することによって、流体の伝熱面積が増し、熱交換器30のサイズを小さくすることができる。従って、熱交換器30の単位体積あたりの伝熱量を大きくすることができる。更に、ハニカム構造体1に目封止部の形成やスリットの形成等の加工を施すことが不要なため、熱交換器30の製造コストを低減することができる。
【0109】
熱交換器30は、第二の流体よりも高温である第一の流体を流通させ、第一の流体から第二の流体へ熱伝導するようにすることが好ましい。第一の流体として気体を流通させ、第二の流体として液体を流通させると、第一の流体と第二の流体の熱交換を効率よく行うことができる。つまり、本実施形態の熱交換器30は、気体/液体熱交換器として適用することができる。
【0110】
以上のような構成の熱交換器30に流通させる第一の流体である加熱体としては、熱を有する媒体であれば、気体、液体等、特に限定されない。例えば、気体であれば自動車の排ガス等が挙げられる。また、加熱体から熱を奪う(熱交換する)第二の流体である被加熱体は、加熱体よりも低い温度であれば、媒体としては、気体、液体等、特に限定されない。
【実施例】
【0111】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0112】
(実施例1)
セラミックス粉末を含む坏土を所望の形状に押し出した後、乾燥し、所定の外形寸法に加工後、Si含浸焼成することによって、材質が炭化珪素、本体サイズが外径55.3mm、長さ12mmの円柱状(筒状)のハニカム構造体1を製造した。すなわち、柱状セラミックス体11として、ハニカム構造体1を用いた。ハニカム構造体1のセル密度は23.3セル/cm
2、隔壁の厚さ(壁厚)は0.3mm、ハニカム構造体1の熱伝導率は150W/(m・K)、室温〜800℃間の熱膨張係数は4.2×10
−6/℃であった。なお、本明細書において、室温とは、20℃のことを意味する。
【0113】
次に、ハニカム構造体1の外周面に、アクリル系粘着材付きグラファイトシート(加賀テック社製、商品名:HT−710A)を貼り付けた。グラファイトシートとしては、厚みが0.25mmで、熱伝導率が厚み方向で6W/(m・K)で、ヤング率が0.1GPaのものを用いた。実施例1では、粘着材付きグラファイトシートを用いたが、別途伝熱性接着剤を用いて、グラファイトシートを接着してもよい。
【0114】
金属管12として、肉厚0.4mm、内径55.6mm、長さ41mmのSUS管(SUS430:室温(20℃)〜1050℃間の熱膨張係数10.9×10
−6/℃)を作製した。この金属管12の円筒度は、0.3であった。この金属管12と、上記ハニカム構造体1との焼きばめしろΔは、0.2mmである(ハニカム構造体1に、厚み0.25mmのアクリル系粘着材付きグラファイトシートを巻きつけるため、金属管12への挿入時には、55.3+0.25×2=55.8mmと金属管12より直径で0.2mm大きな寸法となる。)。円筒度は、3次元測定器にて測定した。
【0115】
次に、
図1に示すような方法によって、金属管12とハニカム構造体1(柱状セラミックス体11)とを焼きばめして、熱交換部材を製造した。なお、ハニカム構造体1と直動機構43との固定手段45としては、剣山式冶具48を用いた。
【0116】
(実施例2〜7)
実施例1と同様に実施例2〜7の熱交換部材を製造した。ただし、実施例7のみグラファイトシートを使用しなかった。ハニカム構造体1の直径(外径)D、長さL、焼きばめしろ、長さLと端面の直径(外径)Dとの比率(L/D)、傾きを表1に示す。なお、
図13に示すように、金属管12のテーパー部12dやフレア部12eが形成されていない方の端面12bを基準とし、その面と同じ側の柱状セラミックス体11(ハニカム構造体1)の端面2までの距離を金属管12の内周面12iに沿って測定し、(測定値の最大値13a−最小値13b)を傾きとする(ただし、実施例1〜27については、テーパー部12dやフレア部12eが形成されていない金属管12を用いた)。
【0117】
(比較例1〜5)
実施例1と同様にしてハニカム構造体1、金属管12(SUS管)を用意した。
図1に示すような方法を用いず、
図1の熱交換部材製造装置40で直動機構43を外し、ハニカム構造体1を自由落下させて金属管12に挿入し、熱交換部材を製造した。
【0118】
(参考例1,2)
比較例と同様の方法で、L/D>1のハニカム構造体1を金属管12に挿入し、熱交換部材を製造した。
【0119】
【表1】
【0120】
参考例に示すように、L/D>1のハニカム構造体1では、小さい傾きで金属管12と一体化することができた。しかし、L/D≦1のハニカム構造体1では、比較例に示すように、焼きばめができないか、できても傾きが大きくなった。しかし、
図1に示すような本願工法により、L/D≦1の条件でも、傾き0.4mm以下で焼きばめができた。なお、傾きが0.4mmを超えると熱交換効率及び耐熱性が低下する。
【0121】
(押し込み速度)
(実施例8〜17)
図1に示すような方法において、金属管12にハニカム構造体1を押し込む押し込み速度を変化させて傾きを調べた。ハニカム構造体1の直径(外径)D、長さL、長さLと端面の直径(外径)Dとの比率(L/D)、傾きを表2に示す。
【0122】
【表2】
【0123】
表中の「○」は、結果が良好なことを示す。金属管12にハニカム構造体1を押し込む押し込み速度を1〜100mm/sとすることにより、傾きを少なくし、良好に焼きばめをすることができた。
【0124】
(押し込み荷重)
(実施例18〜27)
ハニカム構造体1を金属管12に押し込む際に、
図1の載置手段41の下に重量計を設置し、ハニカム構造体1が金属管12内で載置手段41に突き当たった際の荷重を測定した。結果を表3に示す。
【0125】
【表3】
【0126】
表中の「○」は、結果が良好なことを示す。金属管12にハニカム構造体1を押し込む押し込み荷重を1N〜10kNとすることにより、傾きを少なくし、良好に焼きばめをすることができた。
【0127】
(テーパー部)
(実施例28〜31)
テーパー部12dを有する金属管12を用いて、テーパー部12d側からハニカム構造体1を金属管12の挿入することにより、熱交換部材10を製造した。結果を表4に示す。表4の傾部角度12kとは、軸方向からの傾きである(
図3A)。他の条件は、実施例1等と同じである(なお、実施例1〜27は、テーパー部12dを有しない金属管12を用いた。)。
【0128】
【表4】
【0129】
表中の「○」は、結果が良好なことを示す。テーパー部12dを有する金属管12を用いて、テーパー部12d側からハニカム構造体1を金属管12に挿入することにより、ハニカム構造体1の傾きを少なくし、良好に焼きばめをすることができた。
【0130】
なお、
図12Aのように、直動機構43が金属管12の下方側に備えられており、柱状セラミックス体11を、金属管12の上方から挿入する方法で同様の実験を行い、傾きを少なくし、良好に焼きばめをすることができることを確認した。また、
図12Bのような直動機構43が金属管12の下方側に備えられており、柱状セラミックス体11を、金属管12の下方から挿入する方法でも、傾きを少なくし、良好に焼きばめをすることができることを確認した。