(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
<反射形LEDを備えた形材(以下、単に反射形材と称する)>
本発明に係る反射形材の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
反射形材1は、
図1に図示するように、照明器具2と、この照明器具2を取り付けると共に、その照射光を反射させる反射面30を備え、且つ、その反射面30より光を放射させる形材3からなる。
【0013】
前記照明器具2は、
図2Aに示したようにLEDプレート20を配置するアルミ形材の本体21と、LEDプレート20を本体21に押し付ける線材22と、本体21の端部まで充填されるコーティング材23から形成されている。
【0014】
前記LEDプレート20は、LEDチップを電極パターンが描かれた基板に直接配置したモジュールから構成される。具体的には、LEDプレート20は、例えば配線パターン及びアンカー部が形成される基板と、前記配線パターン上に施される補助メッキ及び金メッキを介して電極が接続されるLEDチップからなる。ここにLEDチップは、単一の発光色のもの、赤色、緑色及び青色に発光する各チップを並べたマルチタイプのもの等がある。前記LEDチップの周囲には、レンズ状(凸状)のコーティング層が形成されている。
【0015】
以上のように構成される前記照明器具2は、12チップ、16チップ又は20チップ等で必要に応じて任意のチップ数を単位に構成され、各前記照明器具2は基盤連結部(図示せず)を介して、長尺状に接続できるようになっている。
【0016】
前記形材3は、
図1のように長尺状に成形されるもので、その横断面の
図2Aに示したように、湾曲面の前記反射面30に照明器具2の照射面24を対向させると共に、その湾曲面の一端側31に前記照明器具2を取付る取付部32及び形材3を建物の建材(後述)に取り付けるための一端側係止部33を備え、その湾曲面の他端側34に他端側係止部35を備えている。
【0017】
前記反射面30は、形材3の一端側31に位置される照明器具2の照射面24に対し、全範囲に亘って、前記照射面24の照射光を反射させること(本書において全反射と称する)を想定して形成されている。
本実施形態では、反射面30は、前記一端側31から、順次、照射面24から照射される光を反射させる傾斜面300と、照射面24と略平行に形成され、照射面24から照射される光を反射させる平面301と、平面301から他端側34にかけて湾曲する曲面302とを備えている。
【0018】
前記取付部32は、前記照明器具2を収容する略コ字状の収容枠320と、その収容枠320の内側に、照明器具2の係合ヒレ25、25をスライドさせるスライド部321を備えている。
【0019】
前記収容枠320は、前記反射面30に前記照射面24を対向できるように構成されているので、光源としてのLEDプレート20が見え難くなっており、前記照明器具2を間接照明形とすることができる。
【0020】
前記一端側係止部33は、前記収容枠320から照射面24に対して略垂直に延在すると共に、その端部が前記平面301の底面と略同一の位置にて、その方向に屈曲されて形成されている。
【0021】
前記他端側係止部35は、前記曲面302の終端に、且つ、前記一端側係止部33と略平行に延在して形成されている。
【0022】
前記反射形材1は、
図2Bのように、照明器具2を内側に配置する内照タイプに構成されるが、
図2Cのように、照明器具2を外側に配置する外照タイプに構成することもできる。
なお、内照タイプと外照タイプは共に、外観(
図2B及び
図2Cにおいて紙面の上側)からも、前記反射面30がガラス(図示なし)を透して見えるようになっている。
【0023】
以上のように構成される反射形材1は、建物の建材(例えば後述の方立)を介して、前記照明器具2が見込方向(
図2B、
図2C参照)にも、見付方向にも配置されるように取り付けられる。
【0024】
反射形材1の作用効果を纏めると、次のようである。
(1) 前記形材3はアミル形材からなるもので、前記反射面30により、柔らかな光沢の光が生成され、柔らかな光の演出が可能となって、形材3を光学的手段の金属鏡として機能させることができる。
(2) 前記形材3の収容枠320は、前記反射面30に前記照射面24が対向するように構成されているので、光源としてのLEDプレート20が見え難くなっており、前記照明器具2を間接照明形とすることができる。
(3) 前記反射形材1の前記反射面30により、前記照明器具2の照射光は、反射面30の全範囲に亘って反射されて、その反射面30より光源である照明器具2の後方向(例えば、
図2Aにおいて紙面の上側)に放射されるように制御される。
(4) 前記照明器具2が、建物の建材(例えば後述の方立)に取り付けられて見込方向に配置される場合には、前記反射形材1が室外に配置されていても、また室内に配置されていても、室外側及び室内側からも反射面30が見えるようになっている。即ち、外観及び内観の両側から、反射面30が見えるようになっている。
(5) 前記反射形材1は、外観及び内観の両側から反射面30が見えるようになっていること、内照式にも外照式にも構成できることから、変化に富んだ照射を可能として、建物の壁面のバリエーションに富んだ光の演出を図ることができる。
【0025】
次に、建物の建材に上記反射形材1を用いる場合に、予め準備する建材として、方立、たて枠、無目、上枠、下枠、巾木等の構成例を
図3〜
図10に基づいて説明する。
【0026】
<方立4A>
方立4Aは、
図3に図示したように、一対の左側方立部材40と右側方立部材41からなり、それぞれガラス板等の面材の一端を収容する面材収容溝部42、42と、左右方立部材40、41を結合する結合部43、44を備え、各結合部43、44を結合させた後、ネジ45等により連結することで、第1の支柱部46と第2の支柱部47が形成されると共に、一対の左側方立部材40と右側方立部材41とに分解できるようになっている。
【0027】
前記第2の支柱部47側の左右方立部材40、41の壁面は、凹状に形成され、その凹状の空間が前記反射形材1を組み込むためのLED組込スペース部48、48となっている。
【0028】
前記LED組込スペース部48は、前記反射形材1の一端側係止部33を係止する受片480、480と、他端側係止部35を係止する受溝481、481と、前記照明器具2の配線用通路を形成する通路片482、482と、その通路片482、482の外側に形成されることにより、弾性材13(後述)の取付位置となるスペース483、483を備えている。よって、このLED組込スペース部48に前記反射形材1を組み込むことで、前記照明器具2は、方立4A等により構成される建物の開口(以下、単に開口とも称する)に対し見込方向に配置される。
【0029】
<方立4B>
方立4Bは、
図4のように、前記方立4Aと同様の分解方立であって、方立4Aの第2の支柱部47側に、前記LED組込スペース部48を形成すると共に、その先端側に中空部49を形成したものである。その他の構成は、前記方立4Aと略同一であり、以下では、方立4Bを方立4Aに代表させて説明する。
【0030】
<方立4C>
方立4Cは、
図5のように、前記方立4Aと同様の分解方立であって、第2の支柱部47cには、前記LED組込スペース部48が形成されておらず、中空状に形成されている。その他の構成は、前記方立4Aと略同一である。
【0031】
<たて枠5>
たて枠5は、開口の左右の枠を構成するもので、
図6に示したように、ガラス板等の面材の一端を収容する面材収容溝部50と、前記反射形材1を組み込むためのLED組込スペース部51を備えている。
【0032】
LED組込スペース部51は、前記LED組込スペース部48と略同一に構成されているので、それぞれ同一の名称を付して、詳細な説明を省略する。
このLED組込スペース部51においても、前記照明器具2は、前記開口に対し見込方向に配置されることとなる。
【0033】
<上枠6>
上枠6は、
図7に示したように、前記たて枠5の構成を上枠に流用したもので、ガラス板等の面材の一端を収容する面材収容溝部60と、前記反射形材1を組み込むためのLED組込スペース部61を備えている。
【0034】
このLED組込スペース部61は、前記LED組込スペース部48と略同一に構成されているので、それぞれ同一の名称を付して、詳細な説明を省略する。
このLED組込スペース部61においても、前記照明器具2は、前記開口に対し見込方向に配置されることとなる。
【0035】
<無目7>
無目7は、前記開口に用いられる横桟を構成するもので、
図8に示したように、本体70と、この本体70から取外し可能で、ガラス板等の面材の組入れ、組外し等の際に、分離される押縁71からなり、面材収容溝部72、72と、前記反射形材1を組み込むためのLED組込スペース部73を備えている。
この無目7には前記照明器具2の配線用通路は必要とされていないが、前記通路片482等と同様のものを形成してもよい。
【0036】
このLED組込スペース部73は、前記反射形材1の一端側係止部33を係止する受片74と、他端側係止部35を係止する受溝75と、スペース76を備えている。
よって、このLED組込スペース部73においても、前記照明器具2は、前記開口に対し見込方向に配置されることとなる。
【0037】
なお、前記無目7の見付幅Wが狭いことから、下方向にのみLED組込スペース部73を形成しているが、見付幅Wを幅広にして、上方向にもLED組込スペース部73を形成するようにしてもよい。
【0038】
<下枠8>
下枠8は、前記開口の下部に用いられる横枠を構成するもので、
図9に示したように、本体80と、この本体80から取外し可能で、ガラス板等の面材の組入れ、組外し等の際に、分離される押縁81からなり、面材収容溝部82と、前記反射形材1を組み込むためのLED組込スペース部83を備えている。
【0039】
LED組込スペース部83は、前記LED組込スペース部73と略同一に構成され、同一の効果を生ずるもので、それぞれ同一の名称を付して、詳細な説明を省略する。
【0040】
<巾木9>
巾木9は、建物開口の最下部に用いられる横材を構成するもので、
図10に示したように、本体90と、この本体90から取外し可能で、ガラス板等の面材の組入れ、組外し等の際に、分離される押縁91からなり、面材収容溝部92と、前記反射形材1を組み込むためのLED組込スペース部93を備えている。
【0041】
LED組込スペース部93は、前記LED組込スペース部73と略同一に構成され、同一の効果を生ずるもので、それぞれ同一の名称を付して、詳細な説明を省略する。
【0042】
次に前記各建材に、必要に応じて付属させる形材の構成例を説明する。
<フサギ材10>
フサギ材10は、前記各建材の前記各LED組込スペース部48、51、61、73、83、93に前記反射形材1を組み込まない場合に、各LED組込スペース部48、51、61、73、83、93を塞ぐもので、
図11のように前記各受片480、52、62、74、84、94に係止させる一端側係止部100と、前記各受溝481、53、63、75、85、95に係止させる他端側係止部101を備えている。
【0043】
<専用補助部材11>
専用補助部材11は、建材として前記方立4Cを用いる場合に、前記方立4Cに前記反射形材1を組み込む際の媒介材となるもので、
図12のように、前記反射形材1を組み込むためのLED組込スペース部110を備え、そのLED組込スペース部110は、前記反射形材1の一端側係止部33を係止する受片111と、他端側係止部35を係止する受溝112と、スペース113を備えている。
【0044】
<専用補助部材12>
専用補助部材12は、前記専用補助部材11と同様に方立4Cに前記反射形材1を組み込む際の媒介材となるもので、
図13のように、前記反射形材1を組み込むためのLED組込スペース部120を備え、そのLED組込スペース部120は、前記反射形材1の一端側係止部33を係止する受片121と、他端側係止部35を係止する受溝122と、前記照明器具2の配線用通路を形成する通路片123と、その通路片123の外側に形成されるスペース124を備えている。
【0045】
以上のような建材等は、反射形材1を建物開口の室内側に組み込む場合を想定して、それぞれ構成されている。前記反射形材1に防水等の機能を施して室外側に組み込むことも可能で、それに対応させて建材等も構成される。
【0046】
次に、上記反射形材1、方立4A等の建材及びフサギ材10等の形材を有機的に組合わせて、建物開口を組立てる仕組み(システム)について説明する。
【0047】
該システムにおいては、内照式の反射形材1及び外照式の反射形材1を用意する。
これらの反射形材1を組み込むためのLED組込スペース部を備えた方立4A、たて枠5、上枠6、無目7、下枠8及び巾木9、その他の建材を用意する。
これらの建材を用いて組立てられる単窓、連窓、段窓又は連段窓の建物開口において、たて方向、横方向又はたて方向及び横方向に反射形材1の照明器具2を照明させる態様に応じて、前記反射形材1を組み込むシステムとなっている。このシステムにおいて、照明態様に応じて前記反射形材1の配線経路が選択される。
かかるシステムでは、所定のサッシ工法やカーテンウォール工法等により施工され、以下のような構造の建物開口が作られる。後述のシステムでも同様である。
【0048】
LED組込一体型システム
このLED組込一体型システムは、建物開口を新設するもので、前記照射態様に応じて、たて照射型、横照射型、グリット照射型、その他の照射型となる。
たて照射型
たて照射型は、建物開口が、例えば
図14Aのように連窓、連段窓の場合に、前記方立4A、たて枠5、上枠6、無目7、下枠8又は巾木9、その他の建材を用いて、反射形材1を組み込むことにより、同図中の「1」で示される反射形材1の照射態様が形成されるものである。
図15〜
図17Aに基づいて、その構造例を示せば次の通りである。
即ち、方立4A、たて枠5、上枠6、無目7、下枠8又は巾木9及びその他の建材からなる建物開口において、前記反射形材1が前記方立4AのLED組込スペース部48及びたて枠5のLED組込スペース部51に、それぞれ組み込まれる構造となっている。
【0049】
各LED組込スペース部48、51に前記反射形材1を組み込む場合には、前記受溝481、53に入り込ませた前記反射形材1の他端側係止部35を支点として、前記受片480、52に前記反射形材1の一端側係止部33を係止させた後に、ビード(ゴムビード)、ゴムパッキン等の弾性材13を押し込む。
かかる前記方立4Aへの前記反射形材1の組込構造は、前記方立4Aから前記反射形材1を取外すことができることとなり、前記反射形材1のメンテナンスとして、例えば前記照明器具2の交換等が容易にできるようになっている。なお、前記照明器具2の交換は、内ケースとしての照明器具2を外ケースとしての形材3からスライドさせて取外し、新しい照明器具2を形材3にスライドさせて取付ける。
【0050】
図16の符号「14」に示したのは、その他の建材としての無目7Aより下方の方立4A、たて枠5に組込まれている各照明器具2に接続される配線(後述の下部LED配線17に共通)を示すもので、該配線14は、前記通路片482、54のコンパクトなスペースにより、整理されて配置できるようになっている。
図17Aの符号「15」に示したのは、前記各配線14等の中継点となるコネクタで、これらのコネクタ15は、フサギ材10A(後述)の固定足(斜線部)を切り欠いて形成されるLED組込スペース部48、51のスペースに配置され、上部LED配線16、下部LED配線17を介して電源に接続されている。
また、
図17Aの符号「10A」に示したものは、
図17Bで図示するように、上枠6A、無目7A又は下枠8Aが、方立4A又は左右たて枠5、5に当たる箇所に設けられ、且つ、その箇所の前記LED組込スペース部48、51を塞ぐフサギ材である。
図17Aの符号「19」に示したものは、前記無目7A又は下枠8Aの面材収容溝部72AからLED組込スペース部48、51への雨水等の浸入を防ぐための補助金具であって、無目7A又は下枠8Aの両端部に設けられている。これは、方立4A及び左右のたて枠5、5との接合部に設けられる水密材(マットシーラー)の当てとして作用するものであり、水密材の一部が捲れて、そこからLED組込スペース部48、51へ雨水等が浸入することを防止する。
図17A及び
図17Bの符号「S」に示したものは、方立4A及び左右たて枠5、5と、下枠8A等の横材との取合部に設けられたシーリング部であって、かかるシーリング部Sにより、LED組込スペース部48、51への雨水等の浸入を防ぐようになっている。
【0051】
横照射型
横照射型は、建物開口が、例えば
図14Bのように連窓、連段窓の場合に、前記方立4A、たて枠5、上枠6、無目7、下枠8又は巾木9及びフサギ材10、他の建材を用いて、反射形材1を組み込むことにより、同図中の「1」で示される反射形材1の照射態様が形成されるものである。
図18〜
図19に基づいて、それらの構造例を示せば次の通りである。
即ち、方立4A、たて枠5、上枠6、無目7、下枠8又は巾木9及びその他の建材からなる建物開口において、前記反射形材1が前記上枠6のLED組込スペース部61及び下枠8のLED組込スペース部83にそれぞれ組み込まれ、フサギ材10が、前記方立4A及びたて枠5、5の各LED組込スペース部48、51に組み込まれている。
【0052】
各LED組込スペース部48、51に前記フサギ材10を組み込む場合には、前記受溝481、53に入り込んだ前記フサギ材10の他端側係止部101を支点として、前記受片480、52に前記フサギ10の一端側係止部100を係止させた後に、前記弾性材13を押し込む。
その他の構成は、たて照射型と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0053】
グリット照射型
グリット照射型は、建物開口が、例えば
図14Cのように連窓、連段窓の場合に、前記方立4A、たて枠5、上枠6、無目7、下枠8又は巾木9及びその
他の建材を用いて、反射形材1を組み込むことにより、同図中の「1」で示される反射形材1の照射態様が形成されるものである。
即ち、
図20〜
図22に示すように、方立4A、たて枠5、上枠6、無目7、下枠8又は巾木9及びその他の建材からなる建物開口において、前記反射形材1が前記方立4AのLED組込スペース部48及びたて枠5のLED組込スペース部51にそれぞれ組み込まれると共に、前記反射形材1が前記上枠6のLED組込スペース部61及び下枠8のLED組込スペース部83にそれぞれ組み込まれている。
その他の構成は、たて照射型及び横照射型と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0054】
上記たて照射型、横照射型、グリット照射型以外の照射型として、建物開口において、L字型、逆L字型の照射態様が想定される。
【0055】
次に、上記システムとは別例のシステム例を
図23〜
図27に基づいて説明する。
該システムにおいては、内照式の反射形材1又は外照式の反射形材1を用意する。
これらの反射形材1を組み込むためのLED組込スペース部を備えた方立4A、たて枠5、上枠6、無目7、下枠8及び巾木9、その他の建材を用意する。
方立4Cを用いて組立てられる単窓、連窓、段窓又は連段窓の建物開口において、たて方向、横方向又はたて方向及び横方向に反射形材1の照明器具2を照明させる態様に応じて、前記方立4Cの左右方立部材40、41の何れか一方と、方立4Aの左右方立部材40、41の何れか一方を組み合わせて、前記反射形材1を組み込むシステムとなっている。
【0056】
既存枠応用型1
既存枠応用型1は、建物開口が、既存の前記方立4C、上下枠6A、8A等で構成されている場合に、これらの構成と前記方立4A、上下枠6、8、無目7とを組み合わせて、開口を構成するものであり、次の2つのタイプにより構成される。
なお、これらのタイプは、反射形材1を組み込まないLED組込スペース部が存在しないので、前記フザギ材10が不要となる。
【0057】
<1ユニット型>
1ユニット型は、前記方立4Cの左右方立部材40、41及び上下枠6A、8Aから構成される1ユニットを取外し、その代わりに前記方立4Aの左右方立部材40、41及び上下枠6、8から建物開口を構成するもので、前記グリット照射型に対応する(
図23参照)。
即ち、
図24に図示されているように、前記方立4C、上下枠6A、8Aにより構成されている建物開口において、1対となるように前記方立4Aの左右方立部材40、41の何れか一方と前記方立4Cの左右方立部材40、41の何れか一方とが固定されると共に、前記反射形材1が、前記方立4Aの左右方立部材40、41の各LED組込スペース部48、前記上枠6のLED組込スペース部61及び、下枠8のLED組込スペース部83に組み込まれている。
【0058】
<片面照射型>
片面照射型は、前記方立4C及び上下枠6A、8A等から開口が構成される場合に、前記方立4Cの左右方立部材40、41の何れか一方の方立部材を残し、他方の左右方立部材40、41を取り外し、前記方立4Aの何れ一方の左右方立部材40、41を取り付けて建物開口を構成すものである(
図25参照)。
即ち、
図26の構成例では、前記反射形材1が前記方立4Aの左方立部材40のLED組込スペース部48に組み込まれている。
また、
図27の構成例では、前記反射形材1が前記方立4Aの右方立部材41の各LED組込スペース部48に組み込まれている。
【0059】
配線経路
上記各システムにおいて、前記各照明器具2を接続するための配線は、各照明器具2の配置及び各通路片482等により形成される路線にそって、たて照射型、横照射型、グリット照射型のタイプ毎に、次のような配線経路が形成さる。
図28Aのたて照射型では、各照明器具2の配置に沿い、その上端から電源に向かい、段窓の場合には下部LED配線は通路片482を用いて電源に向かう配線が左右対称に配置される。
図28Bの横照射型では、電源に向かう配線が通路片482を用いて左右何れの一方に形成される。
図28Cのグリット照射型では、電源に向かう配線が通路片482を用いることにより左右対称に配置される。
よってこのような配線経路により、配線の把握が容易である。
【0060】
次に、上記各システムとは別例のシステム例を説明する。
該システムにおいては、内照式の反射形材1又は外照式の反射形材1を用意する。
これらの反射形材1を組み込むためのLED組込スペース部を備えた専用補助部材を用意する。
既設の単窓、連窓、段窓又は連段窓の建物開口において、たて方向、横方向又はたて方向及び横方向に反射形材1の照明器具2を照明させる態様に応じて、専用補助部材に前記反射形材1を組み込むシステムとなっている。
その結果、以下のような既存枠応用型2及び同3の建物開口が完成される。
【0061】
既存枠応用型2
既存枠応用型2は、
図29のように建物開口が既存の方立4Cで構成されている場合に、これらの構成に前記専用補助部材11を用いて前記反射形材1を後付けするものである。
【0062】
即ち、
図30のように、前記方立4Cに専用補助部材11を固定して、そのLED組込スペース部110に前記反射形材1を組み込んで構成されている。
なお、専用補助部材11は方立4Cの見付け面に固定されているが、反射形材1は、建物の建材(方立4Cと専用補助部材11を一体化)の見込方向に組み込まれている。
【0063】
既存枠応用型3
既存枠応用型3は、
図31のように建物開口が方立4Cで構成されている場合に、これらの方立4Cに前記専用補助部材12を用いて前記反射形材1を後付けするものである。
【0064】
上記各システムは、建物の開口に前記反射形材1を組込む場合に、その組込のシステム化により、バリエーションに富んだ光の演出が可能な建物の開口を提供できるようになっている。
【0065】
次に、
図32〜
図39に基づき、前記反射形材1に拡散板15を取付けて構成される、別例の反射形材1A及び反射形材1Bの実施形態を説明する。
なお、これらの構成例において、前記反射形材1と同一の構成は、各図において略同一に図示すると共に、必要に応じて同一の符号で示すことで、詳細な説明は省略する。
【0066】
前記反射形材1Aに取り付けられる拡散板15は、
図32のように、前記照明器具2の照射光を前記反射面30の第1の面(第1面)303により反射される光が通過し、且つ、その通過した光が前記反射面30の第2の面(第2面)304より反射され、放射される位置に配置されている。
即ち、前記拡散板15は、その長手方向の端縁が前記反射形材1Aのスライド部321の外側に形成される取付凹部322に、他方の長手方向の端縁が前記反射面30の前記平面301を略半分に分ける境界線上に形成される取付溝部323に、それぞれ位置されている。
【0067】
前記拡散板15は、前記形材3に沿って長尺状に形成され、上述のように長手方向の各端縁が前記取付凹部322と前記取付溝部323にスライドされて配置されている。
前記拡散板15は入射した光束が拡散されて放射されるものであればよく、例えば商品名「カーボグラスDEFR」(カ−ボグラス\CARBOGLASSは旭硝子株式会社の所有に係る登録商標)を用いる。
【0068】
前記取付凹部322は、その開口が前記反射面30に対向するもので、前記形材3の長手方向に沿って連続的に成形してもよいし、また所定間隔毎に離隔的に成形してもよい。
【0069】
前記取付溝部323は、前記平面301に対して前記拡散板15を略直角に配置できる位置に形成され、且つ、前記形材3の長手方向に沿って連続的に形成されている。
前記拡散板15を配置する場合の前記反射面30に対する第1面303及び第2面304の按分は、上記構成に限定されるものではなく、前記反射面30の領域内で任意に按分することができる。
なお、前記形材3は、前記取付溝部323の左右に亘って、前記平面301から前記曲面302の一部にかけて、肉厚に形成されて補強されている。
【0070】
以上のように構成される前記反射形材1Aにおいては、前記照明器具2から放射される光は、前記第1面303の傾斜面300及び前記拡散板15の内側(
図32において紙面の上側)前記平面301に反射されて前記拡散板15を通過して拡散される。拡散される光は、第2面304の前記拡散板15より外側(
図32において紙面の下側)の前記平面301に反射されたり前記曲面302に反射されて、放射され、或は前記第2面304で反射されずに、そのまま放射される。
【0071】
図32に図示した前記反射形材1Aは内照タイプのものであったが、
図33に図示したように外照タイプの前記反射形材1Aとしてもよい。
【0072】
前記反射形材1Aは、上記反射形材1が奏する作用効果(1)〜(5)に加え、次のような作用効果を奏する。
(6) 前記反射面30の第1面303により反射される光が、前記拡散板15により拡散された後、そのまま放射されたり、前記第2面304により反射されて放射されることから、前記反射形材1とは別種の柔らかな光沢の光が生成される。
よって、後述のように前記反射形材1Aを建物の建材に組み込むことで、さらに変化に富んだ照射を可能として、建物の壁面のバリエーションに富んだ光の演出を図ることができる。
(7) 前記拡散板15により、光源としてのLEDプレート20が更に見え難くなっており、前記照明器具2を間接照明形とすることができる。
【0073】
建物の建材に上記反射形材1Aを用いる場合に、予め準備する建材として、上述の
図3〜
図13に図示した方立、たて枠、無目、上枠、下枠、巾木、フサギ材、専用補助部材の構成例を用いることとする。
例えば、前記たて枠5のLED組込スペース部51に前記反射形材1Aを取付る場合の構成例を
図34及び
図35にそれぞれ図示する。
即ち、前記LED組込スペース部51に内照タイプの前記反射形材1Aを組み込む場合には、
図34のように前記受溝53に入り込ませた前記反射形材1Aの他端側係止部35を支点として、前記受片52に前記反射形材1Aの一端側係止部33を係止させた後に、前記弾性材13を押し込む。
一方、前記LED組込スペース部51に外照タイプの前記反射形材1Aを組み込む場合には、
図35のように前記受溝53に入り込ませた前記反射形材1Aの一端側係止部33を支点として、前記受片52に前記反射形材1Aの他端側係止部35を係止させた後に、前記弾性材13を押し込む。
よって、前記反射形材1の組込構造と同様に、前記反射形材1Aのメンテナンスとして、例えば前記照明器具2の交換等が容易にでき、また前記反射形材1と前記反射形材1Aとの交換も容易である。なお、前記照明器具2の交換は、前記反射形材1と同様に行われる。
【0074】
次に、
図36に基づき、前記反射形材1に拡散板15を取付けて構成される別例の反射形材1Bの実施形態を説明する。
【0075】
図36に示した前記反射形材1Bの前記拡散板15は、前記反射面30より反射される光が通過し、そのまま放射される位置に配置されている。
即ち、前記拡散板15は、その長手方向の端縁が前記スライド部321の外側(
図36において紙面の下側)に形成されている取付凹部324に、他方の長手方向の端縁が前記他端側34の他端側係止部35の内側(
図36において紙面の上側)に形成される取付凹部325に、それぞれ配置されている。
【0076】
前記取付凹部324は、その開口が前記他端側34に対向し、一方、前記取付凹部325の開口は、前記取付凹部324の開口に対向するもので、それぞれ前記形材3の長手方向に沿って連続的に成形してもよいし、また所定間隔毎に離隔的に成形してもよい。
【0077】
よって、前記拡散板15は前記反射面30を閉鎖するように配置され、且つ各取付凹部324と同325にスライド可能に配置されている。
【0078】
以上のように構成される前記反射形材1Bにおいては、前記照明器具2の照射光は、前記反射面30に反射されて、すべて前記拡散板15を通過して拡散される。
【0079】
図36に図示した前記反射形材1Bは内照タイプのものであったが、
図37に図示したように外照タイプの前記反射形材1Bとしてもよい。
【0080】
前記反射形材1Bは、上記反射形材1が奏する作用効果(1)〜(5)及び上記反射形材1Aが奏する作用効果(7)に加え、次のような作用効果を奏する。
(8) 前記拡散板15から拡散される光は、前記反射面30により反射される光であることから、前記反射形材1Aが生成する光よりも更に柔らかな光となっている。
よって、後述のように前記反射形材1Bを建物の建材に組み込むことで、さらに変化に富んだ照射を可能として、建物の壁面のバリエーションに富んだ光の演出を図ることができる。
【0081】
建物の建材に上記反射形材1Bを用いる場合に、予め準備する建材は、上記反射形材1及び前記反射形材1Aと同様であり、例えば、前記たて枠5のLED組込スペース部51に前記反射形材1Bを取付る場合の構成例を示せば、
図38及び
図39のようであり、同様な作用効果を奏する。
【0082】
前記反射形材1A及び/又は前記反射形材1Bと、
図3〜
図13に図示した方立4A等の建材及びフサギ材10等の形材を有機的に組合わせて、
図14A〜
図31のように建物開口を組立てる仕組み(システム)にしてもよい。
【0083】
例えば、
図14Cに示したグリッド照射型の場合、前記反射形材1Aが前記方立4AのLED組込スペース部48及びたて枠5のLED組込スペース部51にそれぞれ組み込まれると共に、前記反射形材1Aが前記上枠6のLED組込スペース部61及び下枠8のLED組込スペース部83にそれぞれ組み込まれる。
かかるシステムでは、前記反射形材1をグリッド照射型に使用した場合に比較し、前記反射形材1Aによって、より柔らかな光沢の光が生成されるので、変化に富んだ照射を可能として、建物の壁面のバリエーションに富んだ光の演出を図ることができる。
【0084】
また、前記反射形材1Aが前記方立4AのLED組込スペース部48、たて枠5のLED組込スペース部51及び前記上枠6のLED組込スペース部61にそれぞれ組み込まれると共に、前記反射形材1Bが下枠8のLED組込スペース部83にそれぞれ組み込まれるようにしてもよい。
かかるシステムでは、上述の作用効果に加え、下枠8のLED組込スペース部83に組み込まれる前記反射形材1Bによって、その内部(反射面30)にホコリ等が入込むことを防ぐことができる。よって前記拡散板15を取付けることにより、照明器具2及び建材の保守管理の容易性を向上させることができる。
【0085】
さらに、前記反射形材1Bが前記方立4AのLED組込スペース部48及びたて枠5のLED組込スペース部51にそれぞれ組み込まれると共に、前記反射形材1Bが前記上枠6のLED組込スペース部61及び下枠8のLED組込スペース部83にそれぞれ組み込まれるようにしてもよい。
かかるシステムでは、前記反射形材1Aより、更により柔らかな光沢の光が生成されるので、変化に富んだ照射を可能として、建物の壁面のバリエーションに富んだ光の演出を図ることができ、また照明器具2及び建材の保守管理の容易性を向上させることができる。
【0086】
上記各システムが組み立てられる建物開口の設置環境に応じて、反射形材1、反射形材1A及び反射形材1Bを任意に組合わせて混合させて用いることができる。
【0087】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において、通常の知識を有する者により可能である。
例えば、反射形材1、反射形材1A又は反射形材1Bを、建物の建材(方立や無目等)を介して、照明器具2が見付方向に配置されるように取り付けて、反射面30が正面から見えるようにしてもよい。