特許第6510517号(P6510517)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6510517-補強テープ用保持プレート 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6510517
(24)【登録日】2019年4月12日
(45)【発行日】2019年5月8日
(54)【発明の名称】補強テープ用保持プレート
(51)【国際特許分類】
   F16L 55/17 20060101AFI20190422BHJP
【FI】
   F16L55/17
【請求項の数】6
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-530626(P2016-530626)
(86)(22)【出願日】2014年7月30日
(65)【公表番号】特表2016-528449(P2016-528449A)
(43)【公表日】2016年9月15日
(86)【国際出願番号】IB2014001415
(87)【国際公開番号】WO2015015279
(87)【国際公開日】20150205
【審査請求日】2017年6月19日
(31)【優先権主張番号】2594
(32)【優先日】2013年7月30日
(33)【優先権主張国】MC
(73)【特許権者】
【識別番号】516031381
【氏名又は名称】スリーエックス エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ブレ ドリア, スタニスラス
(72)【発明者】
【氏名】スリマニ, アサン
(72)【発明者】
【氏名】ドマス, ディディエ
【審査官】 柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2002/0106464(US,A1)
【文献】 米国特許第04283238(US,A)
【文献】 英国特許出願公開第02214427(GB,A)
【文献】 特開平07−173888(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0172582(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 55/16−55/17
F16B 5/07
B65H 21/00
C09J 7/00
A61F 15/00
F16L 58/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の補強テープ(26)、第2の補強テープ、及び剛性材料から作られた保持プレート(30)を備える、管の損傷部分を修理するためのシステムであって、保持プレート(30)は、保持プレートの両面の各面上にスパイク(22、24)を備え、各面上のスパイクは、1から3mmの間の長さを有し、スパイクが置かれている面から30度ないし60度の間の角度をなして突出し、保持プレートは、保持プレートの一方の面のスパイクによって、前記管の損傷部分の上に既に配置された前記第1の補強テープ(26)に固定されており、当該スパイクは、前記第1の補強テープの末端部に向かって傾斜していて、保持プレートは、保持プレートの他方の面のスパイクによって、前記第1の補強テープの後に巻き付けられる前記第2の補強テープに固定されており、当該スパイクは、前記第2の補強テープの始端部(32)に向かって傾斜している、システム
【請求項2】
前記スパイクが置かれている面に対して前記スパイク(22、24)が45度の角度をなす、請求項1に記載のシステム
【請求項3】
前記剛性材料が鋼などの金属である、請求項1又は2に記載のシステム
【請求項4】
保持プレートが金属メッシュであり、前記スパイクが、前記メッシュのグリッドセルの側面を等間隔で切削し、それらの切削部分を、30度と60度の間の所定の角度で前記メッシュの上方に曲げることによって形成される、請求項3に記載のシステム
【請求項5】
保持プレートは金属から作られて、保持プレートの両端部において、前記第1の補強テープ及び前記第2の補強テープのそれぞれに組み込まれている導電ワイヤと接触して、前記補強テープの間の電気的連続性を確保する、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム
【請求項6】
第1の補強テープが管の損傷部分の周りに巻き付けられた後に第2の補強テープを取り付ける方法であって、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステムの保持プレート(30)を前記第1の補強テープの末端部に配置して、保持プレートの下面上のスパイクを用いて保持プレートを前記第1の補強テープに固定し、次に第2の補強テープの始端部(32)を保持プレートの上に配置して、保持プレートの上面上のスパイクを用いて当該第2の補強テープを保持プレートに固定することを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石油などの流体の搬送に使用される管の修理に関し、具体的には、流体を搬送する管の修理に使用される一片の補強テープのための保持プレートに関する。
【背景技術】
【0002】
石油を搬送する輸送管のような流体を搬送する管が損傷した際、その修理には管の損傷部分の周りに補強テープを巻き付けることがいつも必要になる。補強テープは、一般的には、破断強度が高いなどの非常に優れた伸張性のある機械的特性を有する可撓性の材料から作られる。このような材料は、好ましくは、アラミド系のケブラー(登録商標)、又はガラス繊維である。
【0003】
図1は、外面に損傷した部分14を有する管10を示す。これを修理するためには、最初に高分子樹脂を用いて損傷した部分を埋める。次に、損傷した部分の上にバンデージ16が装着される。このようなバンデージは、管を囲む補強テープから形成されており、補強テープが徐々に巻き付けられるにつれて架橋性樹脂で覆われる。
【0004】
また、バンデージは、管内部の損傷によって薄くなった管の一部にも取り付けてもよい。
【0005】
図2は、補強テープをどのように装着するかを示す。まず任意の適切な手段でテープ20の始端部を管に固定する。次に、管の周りに補強テープを張力下で巻き付け、巻き付けが一周するごとに先に巻き付けた部分と(概して補強テープの半分の幅で)重複させる。
【0006】
しかしながら、補強テープは長さが限られているため、管の損傷した部分をバンデージするには長さが不十分である場合があり、第1の補強テープの終端に別の少なくとも1つの補強テープを巻き付ける必要がある場合が多い。補強テープは張力下で巻き付けられるため、少なくとも巻き付けの初期段階で適所に保持して滑動を防止することは、残念ながら難しい。
【発明の概要】
【0007】
このため、本発明の目的は、新しい補強テープが張力下で巻き付けられているときに滑動することを防止する手段を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、新しい補強テープが管の周りに既に巻き付けられた別の補強テープの終端部に巻き付けられているときに、新しい補強テープが固定されることを可能にする手段を提供することである。
【0009】
したがって、本発明の主題は、剛性材料から作られた保持プレートであって、保持プレートの両面の各面上にスパイクを備え、各面上の1から3mmの間の長さのスパイクが、スパイクが置かれている保持プレートの面に対して30度から60度の間の角度をなし、保持プレートは、保持プレートの一方の面のスパイクによって、管の損傷部分の上に既に配置された第1の補強テープに固定されており、このスパイクが、第1の補強テープの末端部に向かって傾斜しており、保持プレートは、保持プレートの他方の面のスパイクによって、第1の補強テープの後に巻き付けられる第2の補強テープに固定されており、このスパイクが、第2の補強テープの始端部に向かって傾斜している、保持プレートである。
【0010】
本発明の別の主題は、第1の補強テープが管の損傷部分の周りに巻き付けられた後に新しい補強テープを取り付ける方法であって、本発明に係る保持プレートを第1の補強テープの末端部上に配置して、プレートの下面上のスパイクを用いて保持プレートを第1の補強テープに固定し、次に新しい補強テープの始端部を保持プレートの上に配置して、保持プレートの上面上のスパイクを用いて新しいテープを保持プレートに固定することを含む方法である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の目的、主題、及び特性は、添付の図面を参照して以下の記載を読むことを通してより明らかになるであろう。
【0012】
図1】バンデージを装着することによって修理された管の損傷した外部分を示す。
図2】バンデージを装着することによって修理された管の損傷した内部分を示す。
図3】本発明に係る保持プレートの断面図である。
図4】本発明に係る保持プレートを使用して新しい補強テープを装着することを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1及び2は、損傷部分を有する管に関連する。修理はバンデージを装着することから構成されるが、このことは先行技術の記載において既に説明された。
【0014】
図3は、断面から見た本発明に係る保持プレートを示す。実際のプレート30は、剛性材料から作られ、非常に硬いプラスチック、又は好ましくは鋼やアルミニウムなどの金属のような任意の適切な物質であってもよい。プレートは、概して、補強テープの幅よりも小さい幅又はそれと等しい幅を有する長方形である。
【0015】
保持プレート30は、一方の面上にスパイク22を有し、他方の面上にスパイク24を有する。1〜3mmの間の長さであるこれらのスパイクは、プレートの面に対して傾斜する。この傾斜は、スパイクが置かれている面に対して直行する方向で30度と60度の間の鋭角、好ましくは45度の鋭角に対応する。この最後の例では、プレートの2つの面上のスパイクは平行であることに留意されたい。
【0016】
プレートの1つの実施形態は、金属メッシュを使用することを含む。スパイクは、メッシュのグリッドセルの側面を等間隔で切削し、それらの切削部分を、面に対して30度と60度の間の所定の角度でメッシュの上方に曲げることによって形成される。
【0017】
図4は、保持プレート30とともに図3に示されるそのスパイク22及び24がどのように使用されるかを示す。第1の補強テープ26は、図3に関連して説明されるように、管10の損傷部分の周りに巻き付けられ、その末端部28にまで巻き付けられる。本発明に係る保持プレート30は、次にこの末端部の端の上に配置され、それにより、プレートの下側面上のスパイクを用いて補強テープに固定される。スパイクは補強テープに食い込む。プレートは、下側面上のスパイクが既に巻き付けられたテープ26の末端部に向かって傾斜するように補強テープ上に配置され、それにより、テープの端に向けて保持プレートに張力が加えられたとき、プレートが適所にしっかりと保持されることに留意されたい。
【0018】
次に、新しい補強テープの始端部32が保持プレート上に配置され、このテープに食い込むスパイクを用いて保持プレートに固定される。プレートの上面上のスパイクが新しいテープの始端部32に向かって傾斜し、新しい補強テープが巻き付けられるにつれて、テープに加えられる張力がテープをしっかりと保持するが、スパイクが他の方向に面する場合、張力効果によってテープがプレートから引き離れることに留意されたい。
【0019】
したがって、プレートの上面上のスパイクは、補強テープに対して30度と60度の間の鋭角をなすため、つまり、下面上のスパイクと実質的に同じ方向にあるため、新しい補強テープがプレートにしっかりと保持され、プレートが第1の補強テープにしっかりと保持されるので、新しい補強テープが第1の補強テープに固定される。したがって、このテープが張力によって滑動するリスクがない状態で、張力下での新しい補強テープの巻き付けを進めることが容易となる。
【0020】
モナコ公国特許出願番号2593号に記載される好適な実施形態では、各々の補強テープは、長手方向に組み込まれる少なくとも1つの導電ワイヤを備え、1つ又は複数のワイヤの電気特性は、樹脂を架橋すること、管のバンデージされた部分を検出すること、又は配管減肉によって拡径を経験した管の修理された部分を検出することを含む操作に利用されている。組込型導電ワイヤは、好ましくは、組込型金属ワイヤである。
【0021】
既に述べたように、保持プレートは好ましくは金属から作られる。この好適な実施形態を用いて、プレートの2つの金属端部は、したがって、保持プレートによって接続されているそれぞれの補強テープに組み込まれている1つ又は複数のワイヤの端部と接触する。したがって、保持プレートは、一組の補強テープの物理的連続性を確実なものとし、更にそれらの電気的連続性をも確実なものとする。
図1
図2
図3
図4