特許第6510981号(P6510981)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6510981
(24)【登録日】2019年4月12日
(45)【発行日】2019年5月8日
(54)【発明の名称】時刻修正システム及び時計
(51)【国際特許分類】
   G04G 5/00 20130101AFI20190422BHJP
   G04G 19/00 20060101ALI20190422BHJP
   G04C 9/00 20060101ALI20190422BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20190422BHJP
   G04R 20/26 20130101ALI20190422BHJP
【FI】
   G04G5/00 J
   G04G19/00 A
   G04C9/00 301B
   H04M1/00 V
   G04R20/26
【請求項の数】10
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2015-547702(P2015-547702)
(86)(22)【出願日】2014年10月17日
(86)【国際出願番号】JP2014077682
(87)【国際公開番号】WO2015072281
(87)【国際公開日】20150521
【審査請求日】2017年8月3日
(31)【優先権主張番号】特願2013-234254(P2013-234254)
(32)【優先日】2013年11月12日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2013-234255(P2013-234255)
(32)【優先日】2013年11月12日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100166305
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100171251
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 健治
(72)【発明者】
【氏名】高倉 昭
(72)【発明者】
【氏名】佐久本 和実
(72)【発明者】
【氏名】前沢 保
(72)【発明者】
【氏名】小山 和宏
(72)【発明者】
【氏名】井橋 朋寛
(72)【発明者】
【氏名】山本 幸祐
(72)【発明者】
【氏名】松本 亜弓
【審査官】 榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−93557(JP,A)
【文献】 特開2001−99964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04C 9/00
G04C 10/02
G04G 5/00
G04G 19/00
G04G 21/04
G04R 20/26 − 30
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指針により時刻を示す表示部を有する時計と、電子機器とを備える時刻修正システムであって、
前記電子機器は、
現在時刻を取得する取得部と、
前記時計の前記表示部が示す時刻の入力を受け付ける入力部と、
前記入力部が入力を受け付けた時刻と前記取得部が取得した現在時刻との差分から前記時計の時刻を補正するための時刻補正量を算出する時刻補正量算出部と、
前記時刻補正量算出部が算出した前記時刻補正量を光信号として前記時計に送信する送信部と、
を備え、
前記時計は、
前記電子機器から前記時刻補正量を受信する受信部と、
前記光が変換される電力により蓄電される蓄電部と、
前記指針を駆動する駆動部と、
前記受信部が受信した前記時刻補正量に基づいて前記指針が示す時刻を修正する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記蓄電部における蓄電期間と前記受信部における受信期間とを、互いに繰り返すように制御し、前記受信期間において前記時刻補正量を受信することを特徴とする時刻修正システム。
【請求項2】
前記電子機器の前記送信部は、前記時刻補正量とともに前記現在時刻を送信し、
前記時計の前記受信部は、前記時刻補正量とともに前記現在時刻を受信し、
前記時計は、現在時刻を計時する計時部を備え、
前記時計の前記制御部は、前記受信部が受信した現在時刻に基づいて、前記計時部が計時する現在時刻を修正することを特徴とする請求項1に記載の時刻修正システム。
【請求項3】
前記電子機器は、前記時計の前記指針の駆動を停止させる停止部を備え、
前記時計の制御部は、前記受信部が前記時刻補正量を受信すると、前記指針の駆動を再開することを特徴とする請求項1または2に記載の時刻修正システム。
【請求項4】
前記電子機器は、
前記時刻補正量算出部が算出した前記時刻補正量に基づいて、前記時計において修正に要する時間に応じた付加補正量を算出し、算出した付加補正量を前記時刻補正量に加算する付加補正量算出部を備えることを特徴とする請求項3に記載の時刻修正システム。
【請求項5】
前記電子機器の前記停止部は、前記指針の駆動を停止させるための停止信号を前記時計に送信し、
前記時計の前記制御部は、前記停止信号を受信すると、前記指針の駆動を停止することを特徴とする請求項3または4に記載の時刻修正システム。
【請求項6】
前記電子機器は、表示部を備え、
前記電子機器の前記停止部は、前記指針の駆動を停止する指示を前記表示部に表示し、
前記時計は、操作入力を受け付ける入力部を備え、
前記時計の前記制御部は、前記入力部が前記指針の駆動を停止するための操作入力を受け付けると、前記指針の駆動を停止することを特徴とする請求項3または4に記載の時刻修正システム。
【請求項7】
前記電子機器の前記送信部は、光信号を送信する光源であり、
前記時計の前記受信部は、光信号を受信する太陽電池であることを特徴とする請求項1から6いずれか1項に記載の時刻修正システム。
【請求項8】
前記入力部はスイッチを備え、当該スイッチの操作により、前記時計の前記表示部が示す時刻の入力を受け付けることを特徴とする請求項1から7いずれか1項に記載の時刻修正システム。
【請求項9】
前記時計の前記表示部を撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像した画像から前記時計の前記表示部が示す時刻を特定する特定部と、を備え、
前記入力部は、前記特定部が特定した前記時計の前記表示部が示す時刻の入力を受け付けることを特徴とする請求項1から7いずれか1項に記載の時刻修正システム。
【請求項10】
指針により時刻を示す表示部を有する時計と、電子機器とを備える時刻修正システムにおける前記時計であって、
前記電子機器から光信号として送信される、時刻を補正するための時刻補正量を受信する受信部と、
前記光が変換される電力により蓄電される蓄電部と、
前記指針を駆動する駆動部と、
前記受信部が受信した時刻補正量に基づいて前記指針が示す時刻を修正する制御部と、 を備え、
前記制御部は、前記蓄電部における蓄電期間と前記受信部における受信期間とを、互いに繰り返すように制御し、
前記受信期間において前記時刻補正量を受信することを特徴とする時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻修正システム、電子機器、時計及びプログラムに関する。
本願は、2013年11月12日に、日本に出願された特願2013−234254および特願2013−234255に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
従来より、時計の文字板を撮像し、文字板の撮像画像に基づいて文字板に形成された情報表記を指し示す指針の位置を表わす指針位置情報を生成し、生成した指針位置情報を時計に書き込む装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、コンピュータ等の修正指示装置を用いて時計の時刻を修正する時刻修正システムが知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載された技術では、修正指示装置は、時計が指示する指示時刻データの入力を受け付け、基準時刻データ及び指示時刻データを時計に送信する。時計は、修正指示装置から受信した基準時刻データ及び指示時刻データに基づいて指針の指示を修正する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−112914号公報
【特許文献2】特許4200835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来技術では、文字板の指針の位置を表す指針位置情報を時計に書き込むのみである。また、時計が受信した基準時刻データ及び指示時刻データに基づいて、その差分を時計が算出している。
【0006】
本発明の幾つかの態様は、複雑な構成を採用することなく、安定して継続した時刻修正を行うことができる時刻修正システム、電子機器、時計及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、指針により時刻を示す表示部を有する時計と、電子機器とを備える時刻修正システムであって、前記電子機器は、現在時刻を取得する取得部と、前記時計の前記表示部が示す時刻の入力を受け付ける入力部と、前記入力部が入力を受け付けた時刻と前記取得部が取得した現在時刻との差分から前記時計の時刻を補正するための時刻補正量を算出する時刻補正量算出部と、前記時刻補正量算出部が算出した前記時刻補正量を光にのせて前記時計に送信する送信部と、を備え、前記時計は、前記電子機器から前記時刻補正量を受信する受信部と、前記光が変換される電力により蓄電される蓄電部と、前記指針を駆動する駆動部と、前記受信部が受信した前記時刻補正量に基づいて前記指針が示す時刻を修正する制御部と、を備え、前記制御部は、前記蓄電部における蓄電期間と前記受信部における受信期間とを制御し、前記受信期間において前記時刻補正量を受信することを特徴とする時刻修正システムである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施形態による時刻修正システムの構成を示した概略図である。
図2】本発明の第1の本実施形態による電子時計の一動作例を説明するためのタイミングチャートである。
図3】本発明の第1の実施形態による電子機器が実行する時刻修正処理の処理手順を示したフローチャートである。
図4】本発明の第1の実施形態による電子時計が実行する時刻修正処理の処理手順を示したフローチャートである。
図5】本発明の第2の実施形態による電子機器が実行する時刻修正処理の処理手順を示したフローチャートである。
図6】本発明の第2の実施形態による電子時計が実行する時刻修正処理の処理手順を示したフローチャートである。
図7】本発明の第3の実施形態による電子機器が実行する時刻修正処理の処理手順を示したフローチャートである。
図8】本発明の第3の実施形態による電子時計が実行する時刻修正処理の処理手順を示したフローチャートである。
図9】本発明の第4の実施形態による時刻修正システムの構成を示した概略図である。
図10】本発明の第4の実施形態による電子機器が実行する時刻修正処理の処理手順を示したフローチャートである。
図11】本発明の第4の実施形態による電子時計が実行する時刻修正処理の処理手順を示したフローチャートである。
図12】本発明の第5の実施形態による電子機器が実行する時刻修正処理の処理手順を示したフローチャートである。
図13】本発明の第6の実施形態による電子機器が実行する時刻修正処理の処理手順を示したフローチャートである。
図14】本発明の第7の実施形態による電子機器が実行する時刻修正処理の処理手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において同一部分には同一符号を付している。
【0010】
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態による時刻修正システム1の構成を示した概略図である。図示する例では、時刻修正システム1は、電子機器10と電子時計20とを含んでいる。電子機器10は、例えば、スマートフォンや、携帯電話機や、タブレット端末等の電子機器である。図示する例では、電子機器10は、時刻データ取得部101と、制御部102と、光源103と、撮像部104と、表示部105と、入力部106とを備えている。
【0011】
時刻データ取得部101は、現在時刻(時分秒)を取得する。例えば、時刻データ取得部101は、インターネット上の時刻サーバにアクセスして現在時刻を取得する方法や、GPS(Global Positioning System)を用いて現在時刻を取得する方法や、基地局からの制御信号から現在時刻を取得する方法を用いる。なお、現在時刻の取得方法は、どのような方法でもよい。
【0012】
制御部102は、電子機器10が備える各部の制御を行う。また、制御部102(特定部)は、撮像部104が撮像した電子時計20の表示部208の画像から指針2082が示す時刻を特定する。具体的には、まず、制御部102は、表示部208の画像から、時針と、分針と、秒針とを抽出する。そして、制御部102は、文字板2081に印刷されているマーク(例えば、1〜12の数字)と、抽出した時針と、分針と、秒針との位置関係に基づいて、指針2082が示す時刻(時分秒)を特定する。
【0013】
また、制御部102(時刻補正量算出部)は、表示部208の画像に基づいて特定した時刻と、時刻データ取得部101が取得した現在時刻との差分から電子時計20の時刻を補正するための時刻補正量を算出する。そして、制御部102は、算出した時刻補正量を示す時刻補正量データを、光源103を用いて光信号として出力する。
【0014】
光源103は、例えば、電子機器10が有するフラッシュ用のLED(Light Emitting Diode)や、液晶ディスプレイのバックライト等である。光源103は、時刻補正量データを示す光信号を電子時計20に対して送信する送信部として動作する。撮像部104は、被写体(電子時計20の表示部208)を撮像して画像を生成する。表示部105は、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)等であり、情報を表示する。入力部106は、スイッチ等を備え、入力を受け付ける。
【0015】
電子時計20は、アナログ表示で時刻を表示する時計である。図示する例では、電子時計20は、太陽電池201と、制御回路202と、スイッチ203と、二次電池204と、ダイオード205と、基準信号生成回路206と、ステッピングモータ207と、表示部208と、記憶部209と、入力部210とを備えている。表示部208は、文字板2081と、指針2082と、日付部2083とを備えている。
【0016】
太陽電池201は、充電期間では、光(太陽、照明など)を受光して電気エネルギーに変換する発電部として動作する。また、太陽電池201は、通信期間では、電子機器10と光通信を行い、電子機器10から時刻補正量データを示す光信号を受信する受信部として動作する。充電期間および通信期間については後述する。
【0017】
制御回路202は、電子時計20が備える各部の制御を行う。また、制御回路202は、太陽電池201による二次電池204への充電制御を行う。また、制御回路202は、二次電池204の過充電防止制御を行う。また、制御回路202は、太陽電池201を用いて光通信を行う。例えば、制御回路202は、電源端子とGND端子に接続された二次電池204が出力する電力により作動する。このとき、制御回路202は、二次電池204の出力電圧を検出することで、二次電池204の充電状態(フル充電、過放電など)を判定し、所定の充電制御を行う。例えば、制御回路202は、二次電池204の充電状態に応じて、制御端子から出力する制御信号によってスイッチ203のオン/オフ制御を行う。これにより、制御回路202は、太陽電池201と二次電池204とを接続することで二次電池204への充電を行う。また、制御回路202は、太陽電池201と二次電池204とを切断することで、二次電池204への過充電を防止する。
【0018】
また、制御回路202は、基準信号生成回路206が出力する基準信号に基づいてスイッチ制御信号を出力し、スイッチ203のオン/オフ制御を行う。これにより、制御回路202は、太陽電池201と二次電池204の接続と、太陽電池201と二次電池204の切り離しとを行う。
【0019】
また、制御回路202(制御部)は、通信期間において、入力端子に入力された太陽電池201の出力電圧を検出し、検出した電圧を電気信号に変換することで、外部機器(本実施形態では、電子機器10)から光通信によって送信される時刻補正量データを受信する。そして、制御回路202は、受信した時刻補正量データに基づいてステッピングモータ207を駆動し、指針2082が示す時刻を修正する。
【0020】
スイッチ203は、制御回路202から入力されるスイッチ制御信号に基づいて、太陽電池201と二次電池204の接続と、太陽電池201と二次電池204の切り離しとを行う。二次電池204は、電子時計20が備える各部に電力を供給する。ダイオード205は、二次電池204に対する電流の逆流を防止する。基準信号生成回路206は、発振回路(例えば32kHz)と分周回路からなり、例えば1Hzの基準信号を生成する。
【0021】
ステッピングモータ207は、制御回路202から入力されるパルス信号に基づいて、指針2082と日付部2083とを駆動する(回転させる)。表示部208は、文字板2081と、指針2082と、日付部2083とを用いて、時刻および日時をアナログ表示で表示する。表示部208は、文字板2081及び指針2082により時刻を示し、日付部2083により日付を示す。記憶部209は、例えば不揮発性メモリであり、電子時計20が備える各部が用いるデータを記憶する。入力部210は、ユーザが入力する操作入力を受け付ける。
【0022】
次に、電子機器10と電子時計20との間の通信方法について説明する。本実施形態では、電子機器10は光源103を用いてデータを送信する。例えば、電子機器10は、「1」を送信する際には光源103を発光させ、「0」を送信する際には光源103を消灯させる。また、電子時計20は、太陽電池201を用いてデータを受信する。例えば、電子時計20の制御回路202は、太陽電池201が光を受光して電圧を発生した場合には「1」を受信したと判定し、太陽電池201が電圧を発生しない場合には「0」を受信したと判定する。
【0023】
太陽電池201と二次電池204とが接続している場合、二次電池204の出力電圧により、太陽電池201が発生した電圧を正確に判定することができない。そこで、本実施形態では、データの受信時には、太陽電池201が発生する電圧をより精度良く検出するために、スイッチ203を制御し、太陽電池201と二次電池204とを切り離す。なお、太陽電池201と二次電池204とを切り離している期間を「通信期間(OFF期間)」とする。
【0024】
また、通信期間以外の期間では、スイッチ203を制御し、太陽電池201と二次電池204とを接続する。太陽電池201と二次電池204とを接続している期間を「充電期間(ON期間)」とする。これにより、受信期間においては、より精度良くデータを受信することができる。
【0025】
また、通信期間では二次電池204を充電することができない。そのため、通信期間は短い方が望ましい。従って、本実施形態では、電子時計20は、通常時には充電期間とし、一定期間毎に短い通信期間を設ける。そして、電子時計20は、短い通信期間中に電子機器10から同期信号を受信した場合、時刻補正量データを受信するまで通信期間を継続する。一方、電子時計20は、通信期間中に電子機器10から同期信号を受信しない場合、充電期間とする。
【0026】
図2(A)は、電子機器10が電子時計20に対して送信する同期信号と、スタート信号と、時刻補正量データとの送信タイミングを示したタイミングチャートである。図2(B)は、電子時計20の制御回路202が出力するスイッチ制御信号の出力タイミングを示したタイミングチャートである。
【0027】
図2(A)に示す通り、電子機器10は、時刻補正量データを送信する際には、同期信号を送信する(時刻t3〜時刻t5)。その後、電子機器10はスタート信号を送信する(時刻t6〜時刻t7)。その後、電子機器10は時刻補正量データを送信する(時刻t8〜時刻t9)。
【0028】
また、図2(B)に示す通り、電子時計20は、充電期間に移行してから一定時間経過した後、スイッチ203をOFFにし、通信期間に移行する(時刻t1)。また、電子時計20は、通信期間に移行してから同期信号を受信せず一定時間経過した後、スイッチ203をONにし、充電期間に移行する(時刻t2)。また、電子時計20は、充電期間に移行してから一定時間経過した後、スイッチ203をOFFにし、通信期間に移行する(時刻t4)。時刻t4では、電子機器10から同期信号が送信されているため、電子時計20は同期信号を受信する。同期信号を受信したことにより、電子時計20は、時刻補正量データの受信が完了する時刻t9まで通信期間とする。また、電子時計20は、時刻補正量データの受信が完了した場合、充電期間に移行する(時刻t9)。以降、同様に、電子時計20は、充電期間と通信期間とを繰り返し、電子機器10から送信される時刻補正量データを受信する。
【0029】
上述したように、電子時計20は、充電期間と、充電期間よりも短い通信期間とを繰り返す。また、短い通信期間中に同期信号を受信した場合、時刻補正量データの受信を完了するまで通信期間とする。これにより、電子時計20は、充電期間をより長くしつつ、より精度良く光信号を受信することができる。
【0030】
次に、図3及び図4を参照して、時刻修正システム1における時刻修正方法について説明する。図3は、本実施形態における電子機器10が実行する時刻修正処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0031】
(ステップS101)ユーザは、電子機器10が電子時計20の表示部208の画像を撮影できるように、電子機器10と電子時計20とを移動させる。その後、ユーザは、電子機器10の入力部106を操作し、時刻修正指示の入力を行う。電子機器10の入力部106は、時刻修正指示の入力を受け付けた場合、ステップS102の処理に進む。
【0032】
(ステップS102)制御部102は、光源103を制御し、一定期間、同期信号を送信する。その後、ステップS103の処理に進む。
(ステップS103)制御部102は、同期信号の送信を完了した後、撮像部104を制御し、電子時計20の表示部208の画像を撮像する。その後、ステップS104の処理に進む。
【0033】
(ステップS104)制御部102は、画像処理を行い、撮像部104が撮像した電子時計20の表示部208の撮像画像に基づいて、電子時計20が示す時刻を特定する。その後、ステップS105の処理に進む。
【0034】
(ステップS105)時刻データ取得部101は、正確な現在時刻を取得する。その後、ステップS106の処理に進む。
【0035】
(ステップS106)制御部102は、ステップS104の処理で特定した電子時計20が示す時刻と、ステップS105の処理で時刻データ取得部101が取得した現在時刻との差分を算出することで、電子時計20の時刻のずれを算出する。また、制御部102は、電子時計20の時刻のずれを解消するために、電子時計20の指針2082を駆動する量を算出する。すなわち、ステッピングモータ207を駆動する量を算出する。以下、電子時計20の時刻のずれを解消するために、電子時計20のステッピングモータ207を駆動する量を時刻補正量とする。例えば、ステッピングモータ207が1ステップ動作することで指針2082が1秒進むとする。この場合において、電子時計20の表示部208が表示する時刻が10秒遅れていた場合には、時刻補正量は「10」である。また、時刻補正量を示すデータを時刻補正量データとする。その後、ステップS107の処理に進む。
【0036】
(ステップS107)制御部102は、光源103を制御し、スタート信号を送信する。その後、ステップS108の処理に進む。
(ステップS108)制御部102は、光源103を制御し、時刻補正量データを送信する。その後、処理を終了する。
【0037】
図4は、本実施形態による電子時計20が実行する時刻修正処理の処理手順を示したフローチャートである。
(ステップS201)制御回路202は、スイッチ203を制御し、一定期間毎に通信期間と充電期間との移行を制御する。制御回路202は、通信期間中に、太陽電池201を介して同期信号を受信したと判定した場合、ステップS202の処理に進む。
【0038】
(ステップS202)制御回路202は、スイッチ203をOFFの状態から切り替えず、通信期間とする。また、通信期間中に、制御回路202は、太陽電池201を介してスタート信号と時刻補正量データとを受信する。その後、ステップS203の処理に進む。
(ステップS203)制御回路202は、スイッチ203をONの状態とし、充電期間に移行する。その後、ステップS204の処理に進む。
【0039】
(ステップS204)制御回路202は、ステップS202の処理で受信した時刻補正量データに基づいて、時刻補正量を設定する。その後、ステップS205の処理に進む。
(ステップS205)制御回路202は、ステッピングモータ207を1ステップ駆動する。その後、ステップS206の処理に進む。
【0040】
(ステップS206)制御回路202は、設定されている時刻補正量から1を減算し、減算後の値を時刻補正量として設定する。その後、ステップS207の処理に進む。
【0041】
(ステップS207)制御回路202は、設定されている時刻補正量が0であるか否かを判定する。制御回路202は、設定されている時刻補正量が0である場合には処理を終了し、それ以外の場合にはステップS205の処理に戻る。
【0042】
上述したとおり、本実施形態では、電子機器10は、電子時計20の表示部208を撮像し、撮像した画像に基づいて電子時計20が示す時刻を特定する。そして、電子機器10は、現在時刻と電子時計20が示す時刻との差分に基づいて時刻補正量を算出し、算出した時刻補正量を電子時計20に送信する。電子時計20は、受信した時刻補正量に基づいて表示部208が示す時刻を修正する。これにより、ユーザが電子時計20を操作することなく、電子時計20の示す時刻を正しい時刻に、より正確にかつ容易に修正することができる。また、電子機器10と電子時計20とは、上述した光通信方法により時刻補正量を送受信するため、電子機器10と電子時計20とを有線で繋ぐためのコネクタや無線通信するためのアンテナを電子機器10や電子時計20に搭載する必要がない。すなわち、電子機器10は光源103、電子時計20は太陽電池201といった標準装備で通信が可能であるため、新たなデバイスを搭載して電子機器10や電子時計20のデザイン性を損ねることがない。
【0043】
また、本実施形態では、時刻補正量を送信する電子機器10の光源103(送信部)から照射される光により、受信側の電子時計20では、時刻補正量の受信と太陽電池201の充電とが可能となる。よって、電子機器10が光源103(送信部)を備えるだけで電子時計20における充電と受信とを可能とすることができる。従って、本実施形態では、複雑な構成を採用することなく、電子時計20は、時刻補正量の受信と太陽電池201の充電とを行うことができ、さらに、充電された太陽電池201の電力を用いて表示部208が示す時刻の修正を行うことができるため、安定して継続した時刻修正を可能とすることができる。
【0044】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態における時刻修正システム1の構成は、図1に示す第1の実施形態と同様である。また、本実施形態における時刻修正システム1の光通信方法は、図2に示す光通信方法と同様である。本実施形態と第1の実施形態とは、時刻を修正する際に、電子時計20が計時を停止する点で異なる。
【0045】
具体的には、電子機器10の制御部102(停止部)は、撮像部104が電子時計20の表示部208を撮像する前に、停止信号を電子時計20に送信して電子時計20の計時(指針2082の駆動及び内部の計時)を停止させる。そして、制御部102(付加補正量算出部)は、時刻補正量を算出し、算出した時刻補正量に基づいて、電子時計20において修正に要する時間に応じた付加補正量を算出する。付加補正量とは、電子時計20において時刻を修正するために要する時間に対応する、電子時計20のステッピングモータ207を駆動する量である。付加補正量は、時刻補正量が大きいほど大きく、時刻補正量が小さいほど小さい。これは、時刻補正量が大きいほど時刻を修正するために時間を要すると考えられるためである。そして、制御部102は、時刻補正量に付加補正量を加算した時刻補正量データを、光源103を用いて光信号として出力する。電子機器10の他の構成は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0046】
電子時計20の制御回路202は、電子機器10から停止信号を受信すると、計時(指針2082の駆動及び内部の計時)を停止する。その後、制御回路202は、スイッチ203をOFFの状態とし、通信期間に移行する。そして、制御回路202は、時刻補正量データを受信すると、受信した時刻補正量データに基づいてステッピングモータ207を駆動し、指針2082が示す時刻を修正するとともに、計時(指針2082の駆動及び内部の計時)を再開する。電子時計20の他の構成は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0047】
次に、図5及び図6を参照して、本実施形態による時刻修正システム1における時刻修正方法について説明する。図5は、本実施形態による電子機器10が実行する時刻修正処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0048】
(ステップS501)ユーザは、電子機器10が電子時計20の表示部208の画像を撮影できるように、電子機器10と電子時計20とを移動させる。その後、ユーザは、電子機器10の入力部106を操作し、時刻修正指示の入力を行う。電子機器10の入力部106は、時刻修正指示の入力を受け付けた場合、ステップS502の処理に進む。
【0049】
(ステップS502)制御部102は、光源103を制御し、一定期間、同期信号を送信する。その後、ステップS503の処理に進む。
(ステップS503)制御部102は、同期信号の送信を完了した後、光源103を制御し、スタート信号を送信する。その後、ステップS504の処理に進む。
(ステップS504)制御部102は、光源103を制御し、停止信号を送信する。その後、ステップS505の処理に進む。
【0050】
(ステップS505)制御部102は、撮像部104を制御し、電子時計20の表示部208の画像を撮像する。その後、ステップS506の処理に進む。
【0051】
(ステップS506)制御部102は、画像処理を行い、撮像部104が撮像した電子時計20の表示部208の撮像画像に基づいて、電子時計20が示す時刻を特定する。その後、ステップS507の処理に進む。
【0052】
(ステップS507)時刻データ取得部101は、正確な現在時刻を取得する。その後、ステップS508の処理に進む。
【0053】
(ステップS508)制御部102は、ステップS506の処理で特定した電子時計20が示す時刻と、ステップS507の処理で時刻データ取得部101が取得した現在時刻とに基づいて時刻補正量を算出する。その後、ステップS509の処理に進む。
【0054】
(ステップS509)制御部102は、ステップS508の処理で算出した時刻補正量に基づいて付加補正量を算出する。その後、ステップS510の処理に進む。
(ステップS510)制御部102は、ステップS508の処理で算出した時刻補正量に、ステップS509の処理で算出した付加補正量を加算する。その後、ステップS511の処理に進む。
【0055】
(ステップS511)制御部102は、光源103を制御し、スタート信号を送信する。その後、ステップS512の処理に進む。
(ステップS512)制御部102は、光源103を制御し、時刻補正量データを送信する。その後、処理を終了する。
【0056】
図6は、本実施形態による電子時計20が実行する時刻修正処理の処理手順を示したフローチャートである。
(ステップS601)制御回路202は、スイッチ203を制御し、一定期間毎に通信期間と充電期間との移行を制御する。制御回路202は、通信期間中に、太陽電池201を介して同期信号を受信したと判定した場合、ステップS602の処理に進む。
【0057】
(ステップS602)制御回路202は、スイッチ203をOFFの状態から切り替えず、通信期間とする。また、通信期間中に、制御回路202は、太陽電池201を介してスタート信号と停止信号とを受信する。その後、ステップS603の処理に進む。
(ステップS603)制御回路202は、計時を停止する。その後、ステップS604の処理に進む。
【0058】
(ステップS604)制御回路202は、太陽電池201を介してスタート信号と時刻補正量データとを受信する。その後、ステップS605の処理に進む。
(ステップS605)制御回路202は、スイッチ203をONの状態とし、充電期間に移行する。その後、ステップS606の処理に進む。
【0059】
(ステップS606)制御回路202は、ステップS604の処理で受信した時刻補正量データに基づいて、時刻補正量を設定する。その後、ステップS607の処理に進む。
(ステップS607)制御回路202は、ステッピングモータ207を1ステップ駆動する。その後、ステップS608の処理に進む。
【0060】
(ステップS608)制御回路202は、設定されている時刻補正量から1を減算し、減算後の値を時刻補正量として設定する。その後、ステップS609の処理に進む。
【0061】
(ステップS609)制御回路202は、設定されている時刻補正量が0であるか否かを判定する。制御回路202は、設定されている時刻補正量が0である場合にはステップS610の処理に進み、それ以外の場合にはステップS607の処理に戻る。
(ステップS610)制御回路202は、計時を再開する。その後、処理を終了する。
【0062】
上述したとおり、本実施形態では、電子機器10は、電子時計20の表示部208を撮像する前に、電子時計20の計時を停止させる。そして、電子機器10は、算出した時刻補正量に基づき付加補正量を算出し、時刻補正量に付加補正量を加算した時刻補正量データを電子時計20に送信する。電子時計20は、時刻補正量データを受信すると、受信した時刻補正量データに基づき時刻を補正するとともに、時刻の計時を再開する。すなわち、電子機器10及び電子時計20は、時刻の修正に要する時間も考慮して時刻を修正するため、第1の実施形態の効果に加えて、より正確に時刻を修正することができる。
【0063】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態における時刻修正システム1の構成は、図1に示す第1の実施形態と同様である。また、本実施形態における時刻修正システム1の光通信方法は、図2に示す光通信方法と同様である。本実施形態と第1の実施形態とは、時刻を修正する際に、電子時計20が計時を停止する点で異なる。上述した第2の実施形態では、停止信号により電子時計20の計時を停止しているが、本実施形態では、ユーザからの入力により電子時計20の計時を停止する。
【0064】
電子機器10の制御部102(停止部)は、撮像部104が電子時計20の表示部208を撮像する前に、電子時計20の計時(指針2082の駆動及び内部の計時)を停止する指示(例えば、「時計を停止させてください」等)を表示部105に表示する。ユーザはその表示に従って電子時計20の入力部210を操作して電子時計20の計時(指針2082の駆動及び内部の計時)を停止させる。そして、制御部102は、時刻補正量を算出し、算出した時刻補正量に基づいて付加補正量を算出する。続いて、制御部102は、時刻補正量に付加補正量を加算した時刻補正量データを、光源103を用いて光信号として出力する。電子機器10の他の構成は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0065】
電子時計20の入力部210は、計時(指針2082の駆動及び内部の計時)を停止するための操作入力を受け付ける。電子時計20の制御回路202は、入力部210が計時を停止するための操作入力を受け付けると、計時(指針2082の駆動及び内部の計時)を停止する。その後、制御回路202は、スイッチ203をOFFの状態とし、通信期間に移行する。そして、制御回路202は、時刻補正量データを受信すると、受信した時刻補正量データに基づいてステッピングモータ207を駆動し、指針2082が示す時刻を修正するとともに、計時(指針2082の駆動及び内部の計時)を再開する。電子時計20の他の構成は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0066】
次に、図7及び図8を参照して、本実施形態による時刻修正システム1における時刻修正方法について説明する。図7は、本実施形態による電子機器10が実行する時刻修正処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0067】
(ステップS701)ユーザは、電子機器10が電子時計20の表示部208の画像を撮影できるように、電子機器10と電子時計20とを移動させる。その後、ユーザは、電子機器10の入力部106を操作し、時刻修正指示の入力を行う。電子機器10の入力部106は、時刻修正指示の入力を受け付けた場合、ステップS702の処理に進む。
【0068】
(ステップS702)制御部102は、電子時計20の計時を停止する指示を表示部105に表示する。その後、ステップS703の処理に進む。
(ステップS703)制御部102は、光源103を制御し、一定期間、同期信号を送信する。その後、ステップS704の処理に進む。
【0069】
(ステップS704)制御部102は、同期信号の送信を完了した後、撮像部104を制御し、電子時計20の表示部208の画像を撮像する。その後、ステップS705の処理に進む。
【0070】
(ステップS705)制御部102は、画像処理を行い、撮像部104が撮像した電子時計20の表示部208の撮像画像に基づいて、電子時計20が示す時刻を特定する。その後、ステップS706の処理に進む。
【0071】
(ステップS706)時刻データ取得部101は、正確な現在時刻を取得する。その後、ステップS707の処理に進む。
【0072】
(ステップS707)制御部102は、ステップS705の処理で特定した電子時計20が示す時刻と、ステップS706の処理で時刻データ取得部101が取得した現在時刻とに基づいて時刻補正量を算出する。その後、ステップS708の処理に進む。
【0073】
(ステップS708)制御部102は、ステップS707の処理で算出した時刻補正量に基づいて付加補正量を算出する。その後、ステップS709の処理に進む。
(ステップS709)制御部102は、ステップS707の処理で算出した時刻補正量に、ステップS708の処理で算出した付加補正量を加算する。その後、ステップS710の処理に進む。
【0074】
(ステップS710)制御部102は、光源103を制御し、スタート信号を送信する。その後、ステップS711の処理に進む。
(ステップS711)制御部102は、光源103を制御し、時刻補正量データを送信する。その後、処理を終了する。
【0075】
図8は、本実施形態による電子時計20が実行する時刻修正処理の処理手順を示したフローチャートである。
(ステップS801)制御回路202は、スイッチ203を制御し、一定期間毎に通信期間と充電期間との移行を制御する。ユーザは、上述したステップS702の処理で電子機器10が電子時計20の計時を停止する指示を表示すると、電子時計20の入力部210を操作し、計時停止指示の入力を行う。電子時計20の入力部210は、計時停止指示の入力を受け付けた場合、ステップS802の処理に進む。
【0076】
(ステップS802)制御回路202は、計時を停止する。その後、ステップS803の処理に進む。
(ステップS803)制御回路202は、スイッチ203をOFFの状態とし、通信期間に移行する。制御回路202は、通信期間中に、太陽電池201を介して同期信号を受信したと判定した場合、ステップS804の処理に進む。
【0077】
(ステップS804)制御回路202は、太陽電池201を介してスタート信号と時刻補正量データとを受信する。その後、ステップS805の処理に進む。
(ステップS805)制御回路202は、スイッチ203をONの状態とし、充電期間に移行する。その後、ステップS806の処理に進む。
【0078】
(ステップS806)制御回路202は、ステップS804の処理で受信した時刻補正量データに基づいて、時刻補正量を設定する。その後、ステップS807の処理に進む。
(ステップS807)制御回路202は、ステッピングモータ207を1ステップ駆動する。その後、ステップS808の処理に進む。
【0079】
(ステップS808)制御回路202は、設定されている時刻補正量から1を減算し、減算後の値を時刻補正量として設定する。その後、ステップS809の処理に進む。
【0080】
(ステップS809)制御回路202は、設定されている時刻補正量が0であるか否かを判定する。制御回路202は、設定されている時刻補正量が0である場合にはステップS810の処理に進み、それ以外の場合にはステップS807の処理に戻る。
(ステップS810)制御回路202は、計時を再開する。その後、処理を終了する。
【0081】
上述したとおり、本実施形態では、電子機器10は、電子時計20の表示部208を撮像する前に、電子時計20の計時を停止させる。そして、電子機器10は、算出した時刻補正量に基づき付加補正量を算出し、時刻補正量に付加補正量を加算した時刻補正量データを電子時計20に送信する。電子時計20は、時刻補正量データを受信すると、受信した時刻補正量データに基づき時刻を補正するとともに、時刻の計時を再開する。すなわち、電子機器10及び電子時計20は、時刻の修正に要する時間も考慮して時刻を修正するため、第1の実施形態の効果に加えて、より正確に時刻を修正することができる。
【0082】
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図9は、本実施形態による時刻修正システム2の構成を示した概略図である。図示する例では、時刻修正システム2は、電子機器30と電子時計20とを含んでいる。電子機器30は、例えば、スマートフォンや、携帯電話機や、タブレット端末等の電子機器である。図示する例では、電子機器30は、時刻データ取得部101と、制御部102と、光源103と、表示部105と、入力部106とを備えている。
【0083】
時刻データ取得部101は、現在時刻(時分秒)を取得する。例えば、時刻データ取得部101は、インターネット上の時刻サーバにアクセスして現在時刻を取得する方法や、GPS(Global Positioning System)を用いて現在時刻を取得する方法や、基地局からの制御信号から現在時刻を取得する方法を用いる。なお、現在時刻の取得方法は、どのような方法でもよい。
【0084】
制御部102は、電子機器30が備える各部の制御を行う。また、制御部102(停止部)は、電子時計20の計時(指針2082の駆動)を停止する指示(例えば、「時計を停止させてください」等)を表示部105に表示することにより、電子時計20の計時(指針2082の駆動)を停止させる。また、制御部102(時刻補正量算出部)は、入力部106により入力された電子時計20の時刻と時刻データ取得部101が取得した現在時刻との差分から電子時計20の時刻を補正するための時刻補正量を算出する。続いて、制御部102は、算出した時刻補正量を示す時刻補正量データを、光源103を用いて光信号として出力する。このとき、制御部102は、同期信号を出力し、その後スタート信号を出力し、その後時刻補正量データを出力する。
【0085】
光源103は、例えば、電子機器30が有するフラッシュ用のLED(Light Emitting Diode)や、液晶ディスプレイのバックライト等である。光源103は、時刻補正量データを示す光信号を電子時計20に対して送信する送信部として動作する。表示部105は、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)等であり、情報を表示する。入力部106は、スイッチ等を備え、入力を受け付ける。
【0086】
電子時計20は、アナログ表示で時刻を表示する時計である。図示する例では、電子時計20は、太陽電池201と、制御回路202と、スイッチ203と、二次電池204と、ダイオード205と、基準信号生成回路206と、ステッピングモータ207と、表示部208と、記憶部209と、入力部210とを備えている。表示部208は、文字板2081と、指針2082と、日付部2083とを備えている。
【0087】
太陽電池201は、充電期間では、光(太陽、照明など)を受光して電気エネルギーに変換する発電部として動作する。また、太陽電池201は、通信期間では、電子機器30と光通信を行い、電子機器30から時刻補正量データを示す光信号を受信する受信部として動作する。充電期間および通信期間については後述する。
【0088】
制御回路202は、電子時計20が備える各部の制御を行う。また、制御回路202は、太陽電池201による二次電池204への充電制御を行う。また、制御回路202は、二次電池204の過充電防止制御を行う。また、制御回路202は、太陽電池201を用いて光通信を行う。例えば、制御回路202は、電源端子とGND端子に接続された二次電池204が出力する電力により作動する。このとき、制御回路202は、二次電池204の出力電圧を検出することで、二次電池204の充電状態(フル充電、過放電など)を判定し、所定の充電制御を行う。例えば、制御回路202は、二次電池204の充電状態に応じて、制御端子から出力する制御信号によってスイッチ203のオン/オフ制御を行う。これにより、制御回路202は、太陽電池201と二次電池204とを接続することで二次電池204への充電を行う。また、制御回路202は、太陽電池201と二次電池204とを切断することで、二次電池204への過充電を防止する。
【0089】
また、制御回路202は、基準信号生成回路206が出力する基準信号に基づいてスイッチ制御信号を出力し、スイッチ203のオン/オフ制御を行う。これにより、制御回路202は、太陽電池201と二次電池204の接続と、太陽電池201と二次電池204の切り離しとを行う。
【0090】
また、制御回路202(制御部)は、入力部210が計時(指針2082の駆動)を停止するための操作入力を受け付けると、計時(指針2082の駆動)を停止する。その後、制御回路202は、スイッチ203をOFFの状態とし、通信期間に移行する。
【0091】
また、制御回路202(制御部)は、通信期間において、入力端子に入力された太陽電池201の出力電圧を検出し、検出した電圧を電気信号に変換することで、外部機器(本実施形態では、電子機器30)から光通信によって送信される時刻補正量データを受信する。制御回路202は、時刻補正量データを受信すると、スイッチ203をONの状態とし、充電期間に移行する。そして、制御回路202は、受信した時刻補正量データに基づいてステッピングモータ207を駆動し、指針2082が示す時刻を修正するとともに、計時(指針2082の駆動)を再開する。
【0092】
スイッチ203は、制御回路202から入力されるスイッチ制御信号に基づいて、太陽電池201と二次電池204の接続と、太陽電池201と二次電池204の切り離しとを行う。二次電池204は、電子時計20が備える各部に電力を供給する。ダイオード205は、二次電池204に対する電流の逆流を防止する。基準信号生成回路206は、発振回路(例えば32kHz)と分周回路からなり、例えば1Hzの基準信号を生成する。
【0093】
ステッピングモータ207は、制御回路202から入力されるパルス信号に基づいて、指針2082と日付部2083とを駆動する(回転させる)。表示部208は、文字板2081と、指針2082と、日付部2083とを用いて、時刻および日時をアナログ表示で表示する。表示部208は、文字板2081及び指針2082により時刻を示し、日付部2083により日付を示す。記憶部209は、例えば不揮発性メモリであり、電子時計20が備える各部が用いるデータを記憶する。入力部210は、ユーザが入力する操作入力を受け付ける。例えば、入力部210は、計時(指針2082の駆動)を停止するための操作入力を受け付ける。
【0094】
次に、電子機器30と電子時計20との間の通信方法について説明する。本実施形態では、電子機器30は光源103を用いてデータを送信する。例えば、電子機器30は、「1」を送信する際には光源103を発光させ、「0」を送信する際には光源103を消灯させる。また、電子時計20は、太陽電池201を用いてデータを受信する。例えば、電子時計20の制御回路202は、太陽電池201が光を受光して電圧を発生した場合には「1」を受信したと判定し、太陽電池201が電圧を発生しない場合には「0」を受信したと判定する。
【0095】
太陽電池201と二次電池204とが接続している場合、二次電池204の出力電圧により、太陽電池201が発生した電圧を正確に判定することができない。そこで、本実施形態では、データの受信時には、太陽電池201が発生する電圧をより精度良く検出するために、スイッチ203を制御し、太陽電池201と二次電池204とを切り離す。なお、太陽電池201と二次電池204とを切り離している期間を「通信期間(OFF期間)」とする。
【0096】
また、通信期間以外の期間では、スイッチ203を制御し、太陽電池201と二次電池204とを接続する。太陽電池201と二次電池204とを接続している期間を「充電期間(ON期間)」とする。これにより、受信期間においては、より精度良くデータを受信することができる。
【0097】
また、通信期間では二次電池204を充電することができない。そのため、通信期間は短い方が望ましい。従って、本実施形態では、電子時計20は、通常時には充電期間とし、一定期間毎に短い通信期間を設ける。そして、電子時計20は、短い通信期間中に電子機器30から同期信号を受信した場合、時刻補正量データを受信するまで通信期間を継続する。一方、電子時計20は、通信期間中に電子機器30から同期信号を受信しない場合、充電期間とする。
【0098】
本実施形態における時刻修正システム2の光通信方法は、図2に示す光通信方法と同様である。すなわち、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、電子時計20は、充電期間と、充電期間よりも短い通信期間とを繰り返す。また、短い通信期間中に同期信号を受信した場合、時刻補正量データの受信を完了するまで通信期間とする。これにより、電子時計20は、充電期間をより長くしつつ、より精度良く光信号を受信することができる。
【0099】
次に、図10及び図11を参照して、時刻修正システム2における時刻修正方法について説明する。図10は、本実施形態における電子機器30が実行する時刻修正処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0100】
(ステップS1101)ユーザは、電子機器30の入力部106を操作し、時刻修正指示の入力を行う。電子機器30の入力部106は、時刻修正指示の入力を受け付けた場合、ステップS1102の処理に進む。
【0101】
(ステップS1102)制御部102は、電子時計20の計時を停止する指示を表示部105に表示する。その後、ステップS1103の処理に進む。
(ステップS1103)制御部102は、光源103を制御し、一定期間、同期信号を送信する。その後、ステップS1104の処理に進む。
【0102】
(ステップS1104)制御部102は、同期信号の送信を完了した後、入力部106により電子時計20の指針2082が示す時刻の入力を受け付ける。ユーザは、入力部106を操作し、電子時計20の指針2082が示す時刻を入力する。電子機器30の入力部106は、電子時計20の示す時刻の入力を受け付けた場合、ステップS1105の処理に進む。
【0103】
(ステップS1105)時刻データ取得部101は、正確な現在時刻を取得する。その後、ステップS1106の処理に進む。
【0104】
(ステップS1106)制御部102は、ステップS1104の処理で入力された電子時計20が示す時刻と、ステップS1105の処理で時刻データ取得部101が取得した現在時刻との差分を算出することで、電子時計20の時刻のずれを算出する。また、制御部102は、電子時計20の時刻のずれを解消するために、電子時計20の指針2082を駆動する量を算出する。すなわち、ステッピングモータ207を駆動する量を算出する。以下、電子時計20の時刻のずれを解消するために、電子時計20のステッピングモータ207を駆動する量を時刻補正量とする。例えば、ステッピングモータ207が1ステップ動作することで指針2082が1秒進むとする。この場合において、電子時計20の表示部208が表示する時刻が10秒遅れていた場合には、時刻補正量は「10」である。また、時刻補正量を示すデータを時刻補正量データとする。その後、ステップS1107の処理に進む。
【0105】
(ステップS1107)制御部102は、光源103を制御し、スタート信号を送信する。その後、ステップS1108の処理に進む。
(ステップS1108)制御部102は、光源103を制御し、時刻補正量データを送信する。その後、処理を終了する。
【0106】
図11は、本実施形態による電子時計20が実行する時刻修正処理の処理手順を示したフローチャートである。
(ステップS1201)制御回路202は、スイッチ203を制御し、一定期間毎に通信期間と充電期間との移行を制御する。ユーザは、上述したステップS1102の処理で電子機器30が電子時計20の計時を停止する指示を表示すると、電子時計20の入力部210を操作し、計時停止指示の入力を行う。電子時計20の入力部210は、計時停止指示の入力を受け付けた場合、ステップS1202の処理に進む。
【0107】
(ステップS1202)制御回路202は、計時を停止する。その後、ステップS1203の処理に進む。
(ステップS1203)制御回路202は、スイッチ203をOFFの状態とし、通信期間に移行する。その後、ステップS1204の処理に進む。
【0108】
(ステップS1204)制御回路202は、太陽電池201を介して同期信号を受信したか否かを判定する。制御回路202は、同期信号を受信したと判定した場合にはステップS1205の処理に進み、それ以外の場合にはステップS1204の処理に戻る。
(ステップS1205)制御回路202は、太陽電池201を介してスタート信号と時刻補正量データとを受信する。その後、ステップS1206の処理に進む。
(ステップS1206)制御回路202は、スイッチ203をONの状態とし、充電期間に移行する。その後、ステップS1207の処理に進む。
【0109】
(ステップS1207)制御回路202は、ステップS1205の処理で受信した時刻補正量データに基づいて、時刻補正量を設定する。その後、ステップS1208の処理に進む。
(ステップS1208)制御回路202は、ステッピングモータ207を1ステップ駆動する。その後、ステップS1209の処理に進む。
【0110】
(ステップS1209)制御回路202は、設定されている時刻補正量から1を減算し、減算後の値を時刻補正量として設定する。その後、ステップS1210の処理に進む。
【0111】
(ステップS1210)制御回路202は、設定されている時刻補正量が0であるか否かを判定する。制御回路202は、設定されている時刻補正量が0である場合にはステップS1211の処理に進み、それ以外の場合にはステップS1208の処理に戻る。
(ステップS1211)制御回路202は、計時を再開する。その後、処理を終了する。
【0112】
上述したとおり、本実施形態では、電子機器30は、電子時計20の表示部208が示す時刻の入力を受け付け、現在時刻と電子時計20が示す時刻との差分に基づいて時刻補正量を算出し、算出した時刻補正量を電子時計20に送信する。電子時計20は、受信した時刻補正量に基づいて表示部208が示す時刻を修正する。これにより、ユーザが電子時計20を操作することなく、電子時計20の示す時刻を正しい時刻に、より正確にかつ容易に修正することができる。また、電子機器30が時刻補正量を算出しているため、電子時計20の処理負荷を軽減することができる。
【0113】
また、電子機器30と電子時計20とは、上述した光通信方法により時刻補正量を送受信するため、電子機器30と電子時計20とを有線で繋ぐためのコネクタや無線通信するためのアンテナを電子機器30や電子時計20に搭載する必要がない。すなわち、電子機器30は光源103、電子時計20は太陽電池201といった標準装備で通信が可能であるため、新たなデバイスを搭載して電子機器30や電子時計20のデザイン性を損ねることがない。
【0114】
また、本実施形態では、時刻補正量を送信する電子機器30の光源103(送信部)から照射される光により、受信側の電子時計20では、時刻補正量の受信と太陽電池201の充電とが可能となる。よって、電子機器30が光源103(送信部)を備えるだけで電子時計20における充電と受信とを可能とすることができる。従って、本実施形態では、複雑な構成を採用することなく、電子時計20は、時刻補正量の受信と太陽電池201の充電とを行うことができ、さらに、充電された太陽電池201の電力を用いて表示部208が示す時刻の修正を行うことができるため、安定して継続した時刻修正を可能とすることができる。
【0115】
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。本実施形態における時刻修正システム2の構成は、図9に示す第4の実施形態と同様である。また、本実施形態における時刻修正システム2の光通信方法は、図2に示す光通信方法と同様である。第4の実施形態では、ユーザからの入力により電子時計20の計時を停止しているが、本実施形態では、電子機器30からの停止信号により電子時計20の計時を停止する。
【0116】
具体的には、電子機器30の制御部102(停止部)は、停止信号を電子時計20に送信して電子時計20の計時(指針2082の駆動)を停止させる。電子機器30の他の構成は第4の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0117】
電子時計20の制御回路202は、電子機器30から停止信号を受信すると、計時(指針2082の駆動)を停止する。その後、制御回路202は、スイッチ203をOFFの状態とし、通信期間に移行する。電子時計20の他の構成は第4の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0118】
次に、本実施形態による時刻修正システム2における時刻修正方法について説明する。図12は、本実施形態による電子機器30が実行する時刻修正処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0119】
(ステップS1301)ユーザは、電子機器30の入力部106を操作し、時刻修正指示の入力を行う。電子機器30の入力部106は、時刻修正指示の入力を受け付けた場合、ステップS1302の処理に進む。
【0120】
(ステップS1302)制御部102は、光源103を制御し、一定期間、同期信号を送信する。その後、ステップS1303の処理に進む。
(ステップS1303)制御部102は、同期信号の送信を完了した後、光源103を制御し、スタート信号を送信する。その後、ステップS1304の処理に進む。
(ステップS1304)制御部102は、光源103を制御し、停止信号を送信する。その後、ステップS1305の処理に進む。
【0121】
(ステップS1305)制御部102は、入力部106により電子時計20の指針2082が示す時刻の入力を受け付ける。ユーザは、入力部106を操作し、電子時計20の指針2082が示す時刻を入力する。電子機器30の入力部106は、電子時計20の示す時刻の入力を受け付けた場合、ステップS1306の処理に進む。
【0122】
(ステップS1306)時刻データ取得部101は、正確な現在時刻を取得する。その後、ステップS1307の処理に進む。
【0123】
(ステップS1307)制御部102は、ステップS1305の処理で入力された電子時計20が示す時刻と、ステップS1306の処理で時刻データ取得部101が取得した現在時刻とに基づいて時刻補正量を算出する。その後、ステップS1308の処理に進む。
【0124】
(ステップS1308)制御部102は、光源103を制御し、スタート信号を送信する。その後、ステップS1309の処理に進む。
(ステップS1309)制御部102は、光源103を制御し、時刻補正量データを送信する。その後、処理を終了する。
【0125】
本実施形態における電子時計20が実行する時刻修正処理の処理手順は、図6に示す第2の実施形態における電子時計20が実行する時刻修正処理の処理手順と同様であるため、その説明を省略する。
【0126】
上述したとおり、本実施形態では、電子機器30は、停止信号を電子時計20に送信して電子時計20を停止させる。これにより、第4の実施形態の効果に加えて、ユーザが手動により電子時計20を停止させる手間を省くことができる。
【0127】
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。本実施形態における時刻修正システム2の構成は、図9に示す第4の実施形態と同様である。また、本実施形態における時刻修正システム2の光通信方法は、図2に示す光通信方法と同様である。本実施形態と第4の実施形態とは、電子機器30が時刻補正量に付加補正量を加算して、時刻補正量データを電子時計20に送信する点で異なる。付加補正量とは、電子時計20において時刻を修正するために要する時間に対応する、電子時計20のステッピングモータ207を駆動する量である。付加補正量は、時刻補正量が大きいほど大きく、時刻補正量が小さいほど小さい。これは、時刻補正量が大きいほど時刻を修正するために時間を要すると考えられるためである。
【0128】
具体的には、電子機器30の制御部102(付加補正量算出部)は、時刻補正量を算出し、算出した時刻補正量に基づいて付加補正量を算出する。そして、制御部102は、時刻補正量に付加補正量を加算した時刻補正量データを、光源103を用いて光信号として出力する。電子機器30の他の構成は第4の実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、電子時計20の構成は第4の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0129】
次に、図13を参照して、本実施形態による時刻修正システム2における時刻修正方法について説明する。図13は、本実施形態による電子機器30が実行する時刻修正処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0130】
(ステップS1501)ユーザは、電子機器30の入力部106を操作し、時刻修正指示の入力を行う。電子機器30の入力部106は、時刻修正指示の入力を受け付けた場合、ステップS1502の処理に進む。
【0131】
(ステップS1502)制御部102は、電子時計20の計時を停止する指示を表示部105に表示する。その後、ステップS1503の処理に進む。
(ステップS1503)制御部102は、光源103を制御し、一定期間、同期信号を送信する。その後、ステップS1504の処理に進む。
【0132】
(ステップS1504)制御部102は、同期信号の送信を完了した後、入力部106により電子時計20の指針2082が示す時刻の入力を受け付ける。ユーザは、入力部106を操作し、電子時計20の指針2082が示す時刻を入力する。電子機器30の入力部106は、電子時計20の示す時刻の入力を受け付けた場合、ステップS1505の処理に進む。
【0133】
(ステップS1505)時刻データ取得部101は、正確な現在時刻を取得する。その後、ステップS1506の処理に進む。
【0134】
(ステップS1506)制御部102は、ステップS1504の処理で入力された電子時計20が示す時刻と、ステップS1505の処理で時刻データ取得部101が取得した現在時刻とに基づいて時刻補正量を算出する。その後、ステップS1507の処理に進む。
【0135】
(ステップS1507)制御部102は、ステップS1506の処理で算出した時刻補正量に基づいて付加補正量を算出する。その後、ステップS1508の処理に進む。
(ステップS1508)制御部102は、ステップS1506の処理で算出した時刻補正量に、ステップS1507の処理で算出した付加補正量を加算する。その後、ステップS1509の処理に進む。
【0136】
(ステップS1509)制御部102は、光源103を制御し、スタート信号を送信する。その後、ステップS1510の処理に進む。
(ステップS1510)制御部102は、光源103を制御し、時刻補正量データを送信する。その後、処理を終了する。
【0137】
本実施形態における電子時計20が実行する時刻修正処理の処理手順は、図11に示す第4の実施形態における電子時計20が実行する時刻修正処理の処理手順と同様であるため、その説明を省略する。
【0138】
上述したとおり、本実施形態では、電子機器30は、算出した時刻補正量に基づき付加補正量を算出し、時刻補正量に付加補正量を加算した時刻補正量データを電子時計20に送信する。すなわち、電子機器30及び電子時計20は、時刻の修正に要する時間も考慮して時刻を修正するため、第4の実施形態の効果に加えて、より正確に時刻を修正することができる。
【0139】
[第7の実施形態]
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。本実施形態における時刻修正システム2の構成は、図9に示す第4の実施形態と同様である。また、本実施形態における時刻修正システム2の光通信方法は、図2に示す光通信方法と同様である。本実施形態は、第5の実施形態に対して、電子機器30が時刻補正量に付加補正量を加算して、時刻補正量データを電子時計20に送信する点で異なる。
【0140】
具体的には、電子機器30の制御部102(付加補正量算出部)は、時刻補正量を算出し、算出した時刻補正量に基づいて付加補正量を算出する。そして、制御部102は、時刻補正量に付加補正量を加算した時刻補正量データを、光源103を用いて光信号として出力する。電子機器30の他の構成は第5の実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、電子時計20の構成は第5の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0141】
次に、図14を参照して、本実施形態による時刻修正システム2における時刻修正方法について説明する。図14は、本実施形態による電子機器30が実行する時刻修正処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0142】
(ステップS1701)ユーザは、電子機器30の入力部106を操作し、時刻修正指示の入力を行う。電子機器30の入力部106は、時刻修正指示の入力を受け付けた場合、ステップS1702の処理に進む。
【0143】
(ステップS1702)制御部102は、光源103を制御し、一定期間、同期信号を送信する。その後、ステップS1703の処理に進む。
(ステップS1703)制御部102は、同期信号の送信を完了した後、光源103を制御し、スタート信号を送信する。その後、ステップS1704の処理に進む。
(ステップS1704)制御部102は、光源103を制御し、停止信号を送信する。その後、ステップS1705の処理に進む。
【0144】
(ステップS1705)制御部102は、入力部106により電子時計20の指針2082が示す時刻の入力を受け付ける。ユーザは、入力部106を操作し、電子時計20の指針2082が示す時刻を入力する。電子機器30の入力部106は、電子時計20の示す時刻の入力を受け付けた場合、ステップS1706の処理に進む。
【0145】
(ステップS1706)時刻データ取得部101は、正確な現在時刻を取得する。その後、ステップS1707の処理に進む。
【0146】
(ステップS1707)制御部102は、ステップS1705の処理で入力された電子時計20が示す時刻と、ステップS1706の処理で時刻データ取得部101が取得した現在時刻とに基づいて時刻補正量を算出する。その後、ステップS1708の処理に進む。
【0147】
(ステップS1708)制御部102は、ステップS1707の処理で算出した時刻補正量に基づいて付加補正量を算出する。その後、ステップS1709の処理に進む。
(ステップS1709)制御部102は、ステップS1707の処理で算出した時刻補正量に、ステップS1708の処理で算出した付加補正量を加算する。その後、ステップS1710の処理に進む。
【0148】
(ステップS1710)制御部102は、光源103を制御し、スタート信号を送信する。その後、ステップS1711の処理に進む。
(ステップS1711)制御部102は、光源103を制御し、時刻補正量データを送信する。その後、処理を終了する。
【0149】
本実施形態における電子時計20が実行する時刻修正処理の処理手順は、図6に示す第2の実施形態における電子時計20が実行する時刻修正処理の処理手順と同様であるため、その説明を省略する。
【0150】
上述したとおり、本実施形態では、電子機器30は、算出した時刻補正量に基づき付加補正量を算出し、時刻補正量に付加補正量を加算した時刻補正量データを電子時計20に送信する。すなわち、電子機器30及び電子時計20は、時刻の修正に要する時間も考慮して時刻を修正するため、第5の実施形態の効果に加えて、より正確に時刻を修正することができる。
【0151】
なお、上述した実施形態における電子機器10,30及び電子時計20が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0152】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0153】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0154】
例えば、電子機器10,30が、時刻補正量データを電子時計20に送信する際に、時刻補正量データを全て秒データに変換して送信するようにしてもよい。この場合、時刻補正量データをそのままモータのステップ数として入力できるので、電子時計20は、時刻補正量データの受信から、表示部208が示す時刻の修正までの処理を速やかに実施することができる。また、電子機器10,30が、時刻補正量データを電子時計20に送信する際に、時刻補正量データを全て秒データに変換して送信した場合、電子時計20は時分用のカウンタを別個に容易する必要がなくなるので、電子時計20という狭小な空間の回路構成上有利となる。
【0155】
また、上述した実施形態では、電子時計20は、充電期間と光通信を行う通信期間とを所定の周期で繰り返しているが、これに限らず、二次電池204の充電状態に応じて、スイッチ203を制御して充電期間と通信期間とを切り替えてもよい。或いは、電子時計20は、通信期間では、まず、低通信レートで同期信号を検出し、同期信号検出後、高通信レート(例えば低速通信レートの4倍)に切り替えて、スタート信号とデータ信号とを受信してもよい。これにより、電子機器10,30及び電子時計20の消費電力を低減することができる。
【0156】
また、上述した実施形態では、電子時計20は、表示部208の示す時刻のみを修正しているが、時刻に加えて表示部208の示す日付を合わせて修正してもよい。この場合、電子機器10の制御部102は、表示部208の画像から日付部2083を抽出し、日付部2083が表示する数字を識別して日付を特定する。また、時刻データ取得部101は、現在日時(現在時刻(時分秒)及び現在日付(年月日))を取得する。また、制御部102は、表示部208の画像に基づいて判定した日付と、時刻データ取得部101が取得した現在日付との差分から日付を補正するための日付補正量を算出する。そして、制御部102は、時刻補正量と日付補正量とを示すデータを電子時計20に送信する。電子時計20の制御回路202は、受信した時刻補正量と日付補正量とに基づいて、表示部208が示す時刻及び日付を修正する。
【0157】
また、上述した実施形態では、電子時計20は、表示部208の示す時刻のみを修正しているが、時刻に加えて表示部208の示す日付を合わせて修正してもよい。この場合、電子機器30の制御部102は、入力部106により入力された電子時計20の日付部2083が表示する数字から日付を特定する。また、時刻データ取得部101は、現在日時(現在時刻(時分秒)及び現在日付(年月日))を取得する。また、制御部102は、入力部106に入力された日付と、時刻データ取得部101が取得した現在日付との差分から日付を補正するための日付補正量を算出する。そして、制御部102は、時刻補正量と日付補正量とを示すデータを電子時計20に送信する。電子時計20の制御回路202は、受信した時刻補正量と日付補正量とに基づいて、表示部208が示す時刻及び日付を修正する。
【0158】
本発明の実施形態は、時刻修正システムを提供する。前記時刻修正システムは、時計と、電子機器とを少なくとも含む。前記電子機器は、取得部と、入力部と、時刻補正量算出部と、送信部とを少なくとも含む。前記時計は、受信部と、蓄電部と、駆動部と、制御部とを少なくとも含む。前記取得部は、現在時刻を取得する。前記入力部は、前記時計の前記表示部が示す時刻の入力を受け付ける。前記時刻補正量算出部は、前記入力部が入力を受け付けた時刻と前記取得部が取得した現在時刻との差分から前記時計の時刻を補正するための時刻補正量を算出する。前記送信部は、前記時刻補正量算出部が算出した前記時刻補正量を光にのせて前記時計に送信する。前記受信部は、前記電子機器から前記時刻補正量を受信する。前記蓄電部は、前記光が変換される電力により蓄電される。前記駆動部は、前記指針を駆動する。前記制御部は、前記受信部が受信した時刻補正量に基づいて前記指針が示す時刻を修正する。前記制御部は、前記蓄電部における蓄電期間と前記受信部における受信期間とを制御し、前記受信期間において前記時刻補正量を受信する。
【0159】
前記電子機器の前記送信部は、前記時刻補正量とともに前記現在時刻を送信してもよい。前記時計の前記受信部は、前記時刻補正量とともに前記現在時刻を受信してもよい。前記時計は、現在時刻を計時する計時部を備えてもよい。前記時計の前記制御部は、前記受信部が受信した現在時刻に基づいて、前記計時部が計時する現在時刻を修正してもよい。
【0160】
前記電子機器は、前記時計の前記指針の駆動を停止させる停止部を備えてもよい。前記時計の制御部は、前記受信部が前記時刻補正量を受信すると、前記指針の駆動を再開してもよい。
【0161】
前記電子機器は、前記時刻補正量算出部が算出した前記時刻補正量に基づいて、前記時計において修正に要する時間に応じた付加補正量を算出し、算出した付加補正量を前記時刻補正量に加算する付加補正量算出部を備えてもよい。
【0162】
前記電子機器の前記停止部は、前記指針の駆動を停止させるための停止信号を前記時計に送信してもよい。前記時計の前記制御部は、前記停止信号を受信すると、前記指針の駆動を停止してもよい。
【0163】
前記電子機器は、表示部を備えてもよい。前記電子機器の前記停止部は、前記指針の駆動を停止する指示を前記表示部に表示してもよい。前記時計は、操作入力を受け付ける入力部を備えてもよい。前記時計の前記制御部は、前記入力部が前記指針の駆動を停止するための操作入力を受け付けると、前記指針の駆動を停止してもよい。
【0164】
前記電子機器の前記送信部は、光信号を送信する光源であってもよい。前記時計の前記受信部は、光信号を受信する太陽電池であってもよい。
【0165】
前記入力部はスイッチを備えてもよい。当該スイッチの操作により、前記時計の前記表示部が示す時刻の入力を受け付けてもよい。
【0166】
また、本発明の他の態様の時刻修正システムにおいて、前記時計の前記表示部を撮像する撮像部と、前記撮像部が撮像した画像から前記時計の前記表示部が示す時刻を特定する特定部と、を備え、前記入力部は、前記特定部が特定した前記時計の前記表示部が示す時刻の入力を受け付けることを特徴とする。
【0167】
本発明の実施形態は、指針により時刻を示す表示部を有する時計と、電子機器とを備える時刻修正システムにおける前記電子機器を提供する。前記電子機器は、取得部と、入力部と、時刻補正量算出部と、送信部とを少なくとも含む。前記取得部は、現在時刻を取得する。前記入力部は、前記時計の前記表示部が示す時刻の入力を受け付ける。前記時刻補正量算出部は、前記入力部が入力を受け付けた時刻と前記取得部が取得した現在時刻との差分から前記時計の時刻を補正するための時刻補正量を算出する。前記送信部は、前記時刻補正量算出部が算出した時刻補正量を光にのせて前記時計に送信する。
【0168】
本発明の実施形態は、指針により時刻を示す表示部を有する時計と、電子機器とを備える時刻修正システムにおける前記時計を提供する。前記時計は、受信部と、蓄電部と、駆動部と、制御部とを少なくとも含む。前記受信部は、前記電子機器から光にのせて送信される、時刻を補正するための時刻補正量を受信する。前記蓄電部は、前記光が変換される電力により蓄電される。前記駆動部は、前記指針を駆動する。前記制御部は、前記受信部が受信した時刻補正量に基づいて前記指針が示す時刻を修正する。前記制御部は、前記蓄電部における蓄電期間と前記受信部における受信期間とを制御し、前記受信期間において前記時刻補正量を受信する。
【0169】
本発明の実施形態は、指針により時刻を示す表示部を有する時計と、電子機器とを備える時刻修正システムにおける前記電子機器としてのコンピュータに、現在時刻を取得する取得ステップと、前記時計の前記表示部が示す時刻の入力を受け付ける入力ステップと、前記入力ステップで入力を受け付けた時刻と前記取得ステップで取得した現在時刻との差分から前記時計の時刻を補正するための時刻補正量を算出する時刻補正量算出ステップと、前記時刻補正量算出ステップで算出した前記時刻補正量を光にのせて前記時計に送信する送信ステップと、を実行させるためのプログラムを提供する。
【符号の説明】
【0170】
1,2・・・時刻修正システム、10,30・・・電子機器、20・・・電子時計、101・・・時刻データ取得部、102・・・制御部、103・・・光源、104・・・撮像部、105・・・表示部、106・・・入力部、201・・・太陽電池、202・・・制御回路、203・・・スイッチ、204・・・二次電池、205・・・ダイオード、206・・・基準信号生成回路、207・・・ステッピングモータ、208・・・表示部、209・・・記憶部、210・・・入力部、2081・・・文字板、2082・・・指針、2083・・・日付部
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