特許第6511239号(P6511239)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6511239情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6511239
(24)【登録日】2019年4月12日
(45)【発行日】2019年5月15日
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20130101AFI20190425BHJP
【FI】
   G06F3/0484 120
【請求項の数】10
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-184612(P2014-184612)
(22)【出願日】2014年9月10日
(65)【公開番号】特開2016-57924(P2016-57924A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2017年9月8日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 映像情報メディア学会、「映像情報メディア学会技術報告」、vol.38、no16、193頁−194頁、資料番号AIT2014−88、平成26年3月10日発行 映像情報・芸術科学フォーラム2014、平成26年3月17日開催 一般社団法人 可視化情報学会、「可視化情報学会誌 2014 vol.34 Suppl.No.1、第42回可視化情報シンポジウム講演論文集(冊子論文集)」、349頁−352頁、平成26年7月1日発行 一般社団法人 可視化情報学会、「可視化情報学会誌 2014 vol.34 Suppl.No.1、第42回可視化情報シンポジウム講演論文集(USB論文集)」、349頁−352頁、平成26年7月1日発行 第42回可視化情報シンポジウム、平成26年7月21−22日開催(平成26年7月22日発表)
(73)【特許権者】
【識別番号】593063161
【氏名又は名称】株式会社NTTファシリティーズ
(73)【特許権者】
【識別番号】305013910
【氏名又は名称】国立大学法人お茶の水女子大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河野 正人
(72)【発明者】
【氏名】忽那 秀治
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 貴之
(72)【発明者】
【氏名】谷本 聡子
【審査官】 星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−259008(JP,A)
【文献】 特開2013−232061(JP,A)
【文献】 特開2013−080420(JP,A)
【文献】 特開2013−050788(JP,A)
【文献】 特開2014−032657(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/030984(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
限られた表示領域に、建物の利用状況を表示する情報処理システムであって、
第1の期間より短い第2の期間が定められ、前記第1の期間が複数の前記第2の期間を含み、前記第1の期間におけるエネルギー量の変化を示す第1の情報から前記第2の期間ごとの当該第1の情報の代表値を生成し、前記生成された代表値に基づいた折れ線グラフと棒グラフの何れかのグラフを生成して、当該グラフの背景部分を視認可能な状態で表示させる第1表示処理部と、
前記第1の情報の前記第2の期間内の変化の傾向が第1判定条件に基づいて判定されて、前記判定の結果を示す第1ラベル情報を、前記グラフの背景部分における前記第2の期間に対応する表示範囲に表示させる第2表示処理部と、
複数の前記第2の期間のうちから第1ラベル情報の表示が正しくない第2期間を特定するための処理を開始する第1操作を受け付けて、
前記第1ラベル情報を表示させた後に、前記第1ラベル情報の表示が正しくない特定の第2の期間の表示範囲と前記特定の第2の期間に対応する第2ラベル情報とを指定する第2操作を受け付けて記第2ラベル情報を、前記特定の第2の期間の前記変化の傾向に対応するラベル情報として記憶領域に格納させ
前記第1ラベル情報の表示が正しくない第2期間を特定するための処理を終了させる第3操作を受け付ける異常値受付処理部と
を備え、
少なくとも前記特定の第2の期間の前記変化の傾向に対応するラベル情報として記憶領域に格納された前記第2ラベル情報は教師付き機械学習によって前記第1判定条件に代わる第2判定条件を生成させるための処理の学習用データの少なくとも一部に用いられ、
前記異常値受付処理部が前記第3操作を受け付けた後、前記学習用データに基づいた前記教師付き機械学習によって前記第2判定条件が生成され、前記教師付き機械学習の結果により前記第1判定条件が前記第2判定条件に置き換わ
前記第2表示処理部は、前記第1判定条件に代えて前記第2判定条件に基づいて判定する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記ラベル情報を表示する表示範囲が、前記複数の第2の期間に対応させてそれぞれ定められ、
前記第2表示処理部は、
前記ラベル情報を表示する表示範囲の表示を、前記ラベル情報の値に応じた彩度、明るさ、若しくは、互いに異なる彩度又は明るさを示す領域の密度比になるように調整する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
一の表示領域内に、前記代表値と前記ラベル情報とを表示する第1の表示領域と、前記第1の期間のうちから指定された第2の期間に対応する前記第1の情報を表示する第2の表示領域とが設けられており、
何れかの前記第2の期間が指定された後、前記指定された第2の期間に対応する前記第1の情報を、前記指定に応じて前記第2の表示領域に表示させる第3表示処理部
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第1表示処理部は、
前記建物におけるエネルギー量の変化を示す情報を前記グラフ化して表示して、
前記第1の情報が、前記エネルギー量の変化を示す一又は複数の種類の情報を含む
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第1表示処理部は、
前記建物における電力量の変化を前記グラフ化して表示して、
前記第1の情報が、前記建物における電力量の変化を示す一又は複数の種類の情報を含む
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記第1表示処理部は、
前記建物における外気温又は室温の変化を前記グラフ化して表示して、
前記第1の情報が、前記建物の利用状況に係る一又は複数の種類の情報であり、
前記一又は複数の種類の情報に前記建物における外気温又は室温を含む
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記ラベル情報を表示する表示範囲が、前記生成された代表値を示すグラフを表示する範囲に重ねて定められている
ことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記第2表示処理部は、
前記第1の情報を含む情報に基づいて前記第2の期間における前記第1の情報の変化の傾向がクラス分けされ、前記クラス分けの結果に基づいてラベル情報が生成されており、前記生成されたラベル情報を前記グラフに対応づけて表示させる
ことを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
建物におけるエネルギー量の変化を示す情報を時系列に応じて表示する情報処理システムにおける情報処理方法であって、
情報処理システムが、
第1の期間より短い第2の期間が定められ、前記第1の期間が複数の前記第2の期間を含み、前記第1の期間におけるエネルギー量の変化を示す第1の情報から前記第2の期間ごとの当該第1の情報の代表値を生成し、前記生成された代表値に基づいた折れ線グラフと棒グラフの何れかのグラフを生成して、当該グラフの背景部分を視認可能な状態で表示させるステップと、
前記第1の情報の前記第2の期間内の変化の傾向が第1判定条件に基づいて判定されて、前記判定の結果を示すラベル情報を、前記グラフの背景部分における前記第2の期間に対応する表示範囲に表示させるステップと、
複数の前記第2の期間のうちから第1ラベル情報の表示が正しくない第2期間を特定するために、前記第1ラベル情報を表示させた後に、前記第1ラベル情報の表示が正しくない特定の第2の期間の表示範囲と前記特定の第2の期間に対応する第2ラベル情報を、前記特定の第2の期間の前記変化の傾向に対応するラベル情報として記憶領域に格納させ
学習用データに基づいた教師付き機械学習によって第2判定条件が生成され、前記教師付き機械学習の結果により前記第1判定条件に代えて前記第2判定条件に基づいて判定するように前記第1判定条件前記第2判定条件に置き換えるステップと
を含み、
少なくとも前記特定の第2の期間の前記変化の傾向に対応するラベル情報として記憶領域に格納された前記第2ラベル情報は、前記教師付き機械学習によって前記第1判定条件に代わる前記第2判定条件を生成させるための処理の前記学習用データの少なくとも一部に用いられる、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
建物におけるエネルギー量の変化を示す情報を時系列に応じて表示する情報処理システムのコンピュータに、
第1の期間より短い第2の期間が定められ、前記第1の期間が複数の前記第2の期間を含み、前記第1の期間におけるエネルギー量の変化を示す第1の情報から前記第2の期間ごとの当該第1の情報の代表値を生成するステップと、
前記生成された代表値に基づいた折れ線グラフと棒グラフの何れかのグラフを生成して、当該グラフの背景部分を視認可能な状態で表示させるステップと、
前記第1の情報の前記第2の期間内の変化の傾向が第1判定条件に基づいて判定されて、前記判定の結果を示すラベル情報を、前記グラフの背景部分における前記第2の期間に対応する表示範囲に表示させるステップと、
複数の前記第2の期間のうちから第1ラベル情報の表示が正しくない第2期間を特定するために、前記第1ラベル情報を表示させた後に、前記第1ラベル情報の表示が正しくない特定の第2の期間の表示範囲と前記特定の第2の期間に対応する第2ラベル情報を、前記特定の第2の期間の前記変化の傾向に対応するラベル情報として記憶領域に格納させ
学習用データに基づいた教師付き機械学習によって第2判定条件が生成され、前記教師付き機械学習の結果により前記第1判定条件に代えて前記第2判定条件に基づいて判定するように前記第1判定条件前記第2判定条件に置き換えるステップと
を実行させるためのプログラムであって、
少なくとも前記特定の第2の期間の前記変化の傾向に対応するラベル情報として記憶領域に格納された前記第2ラベル情報は、前記教師付き機械学習によって前記第1判定条件に代わる前記第2判定条件を生成させるための処理の前記学習用データの少なくとも一部に用いられる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
建物に付帯する設備の利用状況を表示する情報処理システムがある。情報処理システムは、当該建物に付帯する設備の利用状況を、当該建物及び当該建物に付帯する設備に係る複数の種類の情報を組み合わせて表示することによって、建物の利用状況を可視化して判読できるようにする。このような情報処理システムとして、限られた表示領域に複数の種類の情報を表示する情報処理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−54163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のように、限られた表示範囲に複数の種類の情報を表示すると、かえって表示された結果が煩雑になり建物の利用状況を判読しにくくなる場合がある。
【0005】
本発明は、斯かる実情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、建物の利用状況を判読しやすく表示する情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1の態様は、限られた表示領域に、建物の利用状況を表示する情報処理システムであって、第1の期間より短い第2の期間が定められ、前記第1の期間が複数の前記第2の期間を含み、前記第1の期間におけるエネルギー量の変化を示す第1の情報から前記第2の期間ごとの当該第1の情報の代表値を生成し、前記生成された代表値に基づいた折れ線グラフと棒グラフの何れかのグラフを生成して、当該グラフの背景部分を視認可能な状態で表示させる第1表示処理部と、前記第1の情報の前記第2の期間内の変化の傾向が第1判定条件に基づいて判定されて、前記判定の結果を示す第1ラベル情報を、前記グラフの背景部分における前記第2の期間に対応する表示範囲に表示させる第2表示処理部と、複数の前記第2の期間のうちから第1ラベル情報の表示が正しくない第2期間を特定するための処理を開始する第1操作を受け付けて、前記第1ラベル情報を表示させた後に、前記第1ラベル情報の表示が正しくない特定の第2の期間の表示範囲と前記特定の第2の期間に対応する第2ラベル情報とを指定する第2操作を受け付けて記第2ラベル情報を、前記特定の第2の期間の前記変化の傾向に対応するラベル情報として記憶領域に格納させ、前記第1ラベル情報の表示が正しくない第2期間を特定するための処理を終了させる第3操作を受け付ける異常値受付処理部とを備え、少なくとも前記特定の第2の期間の前記変化の傾向に対応するラベル情報として記憶領域に格納された前記第2ラベル情報は教師付き機械学習によって前記第1判定条件に代わる第2判定条件を生成させるための処理の学習用データの少なくとも一部に用いられ、前記異常値受付処理部が前記第3操作を受け付けた後、前記学習用データに基づいた前記教師付き機械学習によって前記第2判定条件が生成され、前記教師付き機械学習の結果により前記第1判定条件が前記第2判定条件に置き換わ前記第2表示処理部は、前記第1判定条件に代えて前記第2判定条件に基づいて判定することを特徴とする情報処理システムである。
【0007】
また、上記の情報処理システムにおいて、前記ラベル情報を表示する表示範囲が、前記複数の第2の期間に対応させてそれぞれ定められ、前記第2表示処理部は、前記ラベル情報を表示する表示範囲の表示を、前記ラベル情報の値に応じた彩度、明るさ、若しくは、互いに異なる彩度又は明るさを示す領域の密度比になるように調整することを特徴とする。
【0008】
また、上記の情報処理システムにおいて、一の表示領域内に、前記代表値と前記ラベル情報とを表示する第1の表示領域と、前記第1の期間のうちから指定された第2の期間に対応する前記第1の情報を表示する第2の表示領域とが設けられており、上記の情報処理システムは、何れかの前記第2の期間が指定された後、前記指定された第2の期間に対応する前記第1の情報を、前記指定に応じて前記第2の表示領域に表示させる第3表示処理部を備えることを特徴とする。
【0009】
また、上記の情報処理システムにおいて、前記第1表示処理部は、前記建物におけるエネルギー量の変化を示す情報を前記グラフ化して表示して、前記第1の情報が、前記エネルギー量の変化を示す一又は複数の種類の情報を含むことを特徴とする。
【0010】
また、上記の情報処理システムにおいて、前記第1表示処理部は、前記建物における電力量の変化を前記グラフ化して表示して、前記第1の情報が、前記建物における電力量の変化を示す一又は複数の種類の情報を含むことを特徴とする。
【0011】
また、上記の情報処理システムにおいて、前記第1表示処理部は、前記建物における外気温又は室温の変化を前記グラフ化して表示して、前記第1の情報が、前記建物の利用状況に係る一又は複数の種類の情報であり、前記一又は複数の種類の情報に前記建物における外気温又は室温を含むことを特徴とする。
【0012】
また、上記の情報処理システムにおいて、前記ラベル情報を表示する表示範囲が、前記生成された代表値を示すグラフを表示する範囲に重ねて定められていることを特徴とする。
【0013】
また、上記の情報処理システムにおいて、前記第2表示処理部は、前記第1の情報を含む情報に基づいて前記第2の期間における前記第1の情報の変化の傾向がクラス分けされ、前記クラス分けの結果に基づいてラベル情報が生成されており、前記生成されたラベル情報を前記グラフに対応づけて表示させることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の第2の態様は、建物におけるエネルギー量の変化を示す情報を時系列に応じて表示する情報処理システムにおける情報処理方法であって、情報処理システムが、第1の期間より短い第2の期間が定められ、前記第1の期間が複数の前記第2の期間を含み、前記第1の期間におけるエネルギー量の変化を示す第1の情報から前記第2の期間ごとの当該第1の情報の代表値を生成し、前記生成された代表値に基づいた折れ線グラフと棒グラフの何れかのグラフを生成して、当該グラフの背景部分を視認可能な状態で表示させるステップと、前記第1の情報の前記第2の期間内の変化の傾向が第1判定条件に基づいて判定されて、前記判定の結果を示すラベル情報を、前記グラフの背景部分における前記第2の期間に対応する表示範囲に表示させるステップと、複数の前記第2の期間のうちから第1ラベル情報の表示が正しくない第2期間を特定するために、前記第1ラベル情報を表示させた後に、前記第1ラベル情報の表示が正しくない特定の第2の期間の表示範囲と前記特定の第2の期間に対応する第2ラベル情報を、前記特定の第2の期間の前記変化の傾向に対応するラベル情報として記憶領域に格納させ学習用データに基づいた教師付き機械学習によって第2判定条件が生成され、前記教師付き機械学習の結果により前記第1判定条件に代えて前記第2判定条件に基づいて判定するように前記第1判定条件前記第2判定条件に置き換えるステップとを含み、少なくとも前記特定の第2の期間の前記変化の傾向に対応するラベル情報として記憶領域に格納された前記第2ラベル情報は、前記教師付き機械学習によって前記第1判定条件に代わる前記第2判定条件を生成させるための処理の前記学習用データの少なくとも一部に用いられる、ことを特徴とする情報処理方法である。
【0015】
また、本発明の第3の態様は、建物におけるエネルギー量の変化を示す情報を時系列に応じて表示する情報処理システムのコンピュータに、第1の期間より短い第2の期間が定められ、前記第1の期間が複数の前記第2の期間を含み、前記第1の期間におけるエネルギー量の変化を示す第1の情報から前記第2の期間ごとの当該第1の情報の代表値を生成するステップと、前記生成された代表値に基づいた折れ線グラフと棒グラフの何れかのグラフを生成して、当該グラフの背景部分を視認可能な状態で表示させるステップと、前記第1の情報の前記第2の期間内の変化の傾向が第1判定条件に基づいて判定されて、前記判定の結果を示すラベル情報を、前記グラフの背景部分における前記第2の期間に対応する表示範囲に表示させるステップと、複数の前記第2の期間のうちから第1ラベル情報の表示が正しくない第2期間を特定するために、前記第1ラベル情報を表示させた後に、前記第1ラベル情報の表示が正しくない特定の第2の期間の表示範囲と前記特定の第2の期間に対応する第2ラベル情報を、前記特定の第2の期間の前記変化の傾向に対応するラベル情報として記憶領域に格納させ学習用データに基づいた教師付き機械学習によって第2判定条件が生成され、前記教師付き機械学習の結果により前記第1判定条件に代えて前記第2判定条件に基づいて判定するように前記第1判定条件前記第2判定条件に置き換えるステップとを実行させるためのプログラムであって、少なくとも前記特定の第2の期間の前記変化の傾向に対応するラベル情報として記憶領域に格納された前記第2ラベル情報は、前記教師付き機械学習によって前記第1判定条件に代わる前記第2判定条件を生成させるための処理の前記学習用データの少なくとも一部に用いられる、プログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、建物の利用状況を判読しやすく表示する情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの概要を示す説明図である。
図2】本実施形態の情報処理システムによる情報の可視化を示す表示画面の構成の一例を示す説明図である。
図3図2に示した表示の例と異なる表示画面の構成の例について説明する図(その1)である。
図4図2に示した表示の例と異なる表示画面の構成の例について説明する図(その2)である。
図5図2に示した表示の例と異なる表示画面の構成の例について説明する図(その3)である。
図6図2に示した表示の例と異なる表示画面の構成の例について説明する図(その4)である。
図7図2に示した表示の例と異なる表示画面の構成の例について説明する図(その5)である。
図8図2に示した表示の例と異なる表示画面の構成の例について説明する図(その6)である。
図9】本実施形態の情報処理システムによる情報を分類する学習処理の表示画面の構成の例を示す図である。
図10】本実施形態の履歴データの構成例を説明する図である。
図11】本実施形態の分類データの構成例を説明する図である。
図12】本実施形態の情報処理システムにおける処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの概要を示す説明図である。同図に示される情報処理システム1は、表示部90が表示する限られた表示領域に、建物の利用状況を表示する。情報処理システム1が表示する期間として、第1の期間と第1の期間より短い第2の期間とが定められている。例えば、第1の期間を1月とし、第2の期間を1日とする。当該第1の期間に複数の前記第2の期間が含まれるように設定されている。情報処理システム1は、第1の期間におけるエネルギー量の変化を示す第1の情報から前記第2の期間ごとの当該第1の情報の代表値を生成し、前記生成された代表値をグラフにして表示させる。情報処理システム1は、前記第1の情報の前記第2の期間内の変化の傾向にラベル情報を対応させて、前記グラフの前記第2の期間に当該ラベル情報を対応づけて表示させる。
【0020】
また、このような表示方法により情報を表示する情報処理システム1は、建物に付帯する設備の利用状態を、当該建物におけるエネルギー量の変化に基づいて解析するようにして、その処理の過程で上記の表示を行うように構成してもよい。例えば、情報処理システム1は、前記第1の期間のエネルギー量の変化を示す履歴情報に基づいて、前記第2の期間のエネルギー量の変化の傾向を、前記第2の期間ごとに分類して分類結果を記憶させるとともに、上記の表示方法により分類結果を表示する。ユーザは、分類結果の表示を参照して、上記の分類結果を補正する情報を情報処理システム1に供給する。情報処理システム1は、外部から取得した補正情報により、前記分類結果を補正して、前記補正された後の分類結果を記憶する。情報処理システム1は、前記補正された後の分類結果に基づいて、前記履歴情報に対応する前記第1の期間より後の期間のエネルギー量の変化の傾向を判定する。
【0021】
以下、同図に示される情報処理システム1の構成について説明する。
情報処理システム1は、情報取得部10、分類処理部20、表示処理部30、学習処理部40、判定処理部50、記憶部70、通信処理部80、及び、表示部90を備える。
【0022】
情報取得部10は、外部から供給される各種データを受けて、受け付けた各種データを、各種データの種別に応じた記憶部70にそれぞれ記憶させる。情報取得部10は、外部から補正情報を取得して、学習処理部40における学習処理に用いる情報として取得した情報を供給する。例えば、表示処理部30が表示した期間における分類結果が記憶部70に記憶されており、情報取得部10は、その分類結果を学習処理部40に補正させる補正情報を受け付けて、受け付けた補正情報に応じて記憶部70に記憶されている分類結果を書き換える。なお、情報取得部10は、受け付けた各種データから、その代表値を算出して記憶部70に記憶させる。
【0023】
分類処理部20は、1月分(第1の期間)のエネルギー量の変化を示す履歴情報(データ)を含む情報から日ごとのエネルギー量の変化の傾向を分類する。例えば、以下の説明では、分類処理部20は、1日のエネルギー量の変化の傾向を日ごとに分類する。エネルギー量の変化を示す履歴情報(データ)として、消費電力量、温度(外気温、室温)、湿度などの情報を含む。なお、分類に用いる情報として、建物(施設)を利用していた利用者数なども加えてもよい。各種情報を含むこれらの情報を1日単位の時系列データとして纏めて、纏めた情報をその日の特徴を示すデータにする。
分類処理部20における分類の手法は、制約条件なしの分類手法に基づくものとする。制約条件なしの分類手法とは、例えば、k−meansクラスタリング手法などがある。k−meansクラスタリング手法では、最初に分類する数kを定めておくことができる。以下の説明では、例えば10個のクラスタに分類する場合を例に挙げて説明する。
【0024】
表示処理部30は、その日におけるエネルギー量の変化の傾向を示すラベル情報を表示させる。ラベル情報とは、前述のクラスタリング手法により分類された結果の各クラスタを識別する情報のことである。例えば、同じクラスタに属する日には、同じラベル情報が表示される。
例えば、表示処理部30は、パターン分類結果表示処理部31、代表値表示処理部32、及び、収集データ表示処理部33を備える。パターン分類結果表示処理部31は、1月分のエネルギー量の変化を示す情報のうちから抽出した1日の変化の傾向にあったラベル情報を抽出した日の代表値を示すグラフ上の位置に対応づけて表示させる。例えば、パターン分類結果表示処理部31は、上記の日に対応するグラフの位置の背景に、分類処理部20によって分類された結果に応じて選択されたラベル情報を表示させる。代表値表示処理部32は、1月分のエネルギー量の変化を示す情報から日ごとの当該エネルギー量の代表値を生成し、生成された代表値をグラフにして表示させる。収集データ表示処理部33は、1月分のエネルギー量の変化を示す情報から日ごとの当該エネルギー量の情報をグラフにして表示させる。
【0025】
学習処理部40は、情報取得部10を介して外部から取得した補正情報により、前記分類された結果を補正して、前記補正された後の分類結果を記憶させる。なお、学習処理部40は、教師付型の学習手法に基づいて判定条件を学習して、学習した結果を記憶部70に記憶させる。例えば、学習処理部40は、分類処理部20によって分類された結果を示すパターン情報を学習して、学習した結果を新たなパターン情報として記憶部70に記憶させる。
【0026】
判定処理部50は、学習処理部40により学習された判定ルールに従って判定処理をする。判定処理部50は、分類処理部20によって分類された結果を基にして、履歴情報に対応する月(第1の期間)より後の月(期間)のエネルギー量の変化の傾向を判定する。判定処理部50は、学習処理部40によって補正された後の分類結果に基づいて、履歴情報に対応する月(第1の期間)より後の月(期間)のエネルギー量の変化の傾向を判定するようにしてもよい。
【0027】
通信処理部80は、外部の装置と通信する。例えば、外部の装置は、情報処理システム1に所望の処理を要求する端末装置、サーバ等を含む。
表示部90は、上記の各表示処理部により生成された画像情報を表示する。例えば、表示部80は、LCD等を含んで構成されるものであってもよい。
【0028】
記憶部70は、履歴データ記憶部71、分類データ記憶部72、及び、学習結果記憶部74を備える。
履歴データ記憶部71は、外部から収集された各種データを時系列データとして記憶する。例えば、履歴データ記憶部71は、図10に示すデータを記憶する。同図は、履歴データの構成例を説明する図である。同図に示すように、履歴データは、対象の日を特定する識別情報、当該対象の日の複数の種類の測定データを時系列データとしてデータベースを成して記憶される。例えば、同図に示されている履歴データは、消費電力XDP、温度XDT、湿度XDHが含まれる。各データは、毎時定期的に計測されたデータが履歴情報として記憶されている。例えば、消費電力XDPのデータは、1時から24時まで1時間ごとの時間順に、XP1、XP2、XP3、XP4、・・・、XP24として、Dk日の情報として記憶されている。温度XDTと湿度XDHとにおいても、消費電力XDPと同様であり、温度XDTのデータは、1時から24時まで1時間ごとの時間順に、XT1、XT2、XT3、XT4、・・・、XT24として、Dk日の情報として記憶されている。湿度XDHのデータは、1時から24時まで1時間ごとの時間順に、XH1、XH2、XH3、XH4、・・・、XH24として、Dk日の情報として記憶されている。
以上に示した履歴データは、以下で説明する処理の中で用いる1日分のデータである。例えば、所定の日における測定データの項目を1つのレコードに含むデータベースを成して記憶される。履歴データ記憶部71に記憶されるデータの各レコードは、予め定められた所定の間隔に応じて定められた時刻に応じて生成され、識別情報をキーにしてレコードごとに参照可能な状態で記憶される。
【0029】
例えば、履歴データ記憶部71は、それぞれ測定された測定データを加工せずにそのまま記憶するものとする。加工せずに記憶された測定データから代表値を生成した場合、履歴データ記憶部71は、それぞれの代表値を併せて記憶するようにしてもよい。例えば、代表値は、下記のような生成方法により生成できる。
【0030】
消費電力XDPのデータの代表値を平均値とする場合、Dk日の平均消費電力XDPkは下記の式(1)から算出できる。
【0031】
XDPk=(XP1+XP2+XP3+XP4+・・・+XP24)/24 …(1)
【0032】
また、温度XDTと湿度XDHとにおいても、消費電力XDPと同様に、温度XDTと湿度XDHのデータの代表値を平均値とする。この場合、Dk日の平均温度XDTkと平均湿度XDHkは下記の式(2)、式(3)から算出できる。
【0033】
XDTk=(XT1+XT2+XT3+XT4+・・・+XT24)/24 …(2)
【0034】
XDHk=(XH1+XH2+XH3+XH4+・・・+XH24)/24 …(3)
【0035】
上記のような処理を、履歴情報として記憶されている測定データに対して施すことにより、1日の代表値を算出することができる。履歴データ記憶部71は、上記の代表値を測定データとともに記憶するようにしてもよい。以上に示した1日分の測定データとその代表値を纏めて、測定データXDkとして示す。
【0036】
分類データ記憶部72は、分類処理の対象である元データと分類処理の結果を示す出力データとを関連付けて記憶する。例えば、分類データ記憶部72は、図11に示すように構成される。同図は、分類データの構成例を説明する図である。同図に示すように、分類データ記憶部72は、入力データとして、日ごとの測定データXD1、XD2、XD3、XD4、・・・、XD31を日付に対応づけて順に記憶する。この測定データXD1、XD2、XD3、XD4、・・・、XD31は、それぞれが前述の履歴データ記憶部71の構成を備えていてもよく、この場合、記憶場所を共有することができる。なお、この測定データXD1、XD2、XD3、XD4、・・・、XD31は、それぞれが前述の履歴データ記憶部71を参照するように構成してもよく、この場合、履歴データ記憶部71の記憶場所は、分類データ記憶部72と分けて設けられることになる。
【0037】
また、分類データ記憶部72は、出力データとして、日ごとの分類結果を示すクラスタの識別情報(ラベル情報)Y1、Y2、Y3、Y4、・・・、Y31を日付に対応づけて順に記憶する。上記は、エリアAにおける特定の月(例えば、201X年8月)のデータを示すが、エリアB、C、D、においてもエリアAと同様に入力データと出力データとが日付に関連付けられてそれぞれ記憶される。同図におけるエリアB、C、Dの詳細な構成の記載を省略する。
分類データ記憶部72における日ごとのラベル情報は、後述する分類処理の実施によって纏めて設定される。また、分類データ記憶部72における日ごとのラベル情報は、後述する学習処理の過程で個別に補正して設定することができ、新たに設定されたデータが当該ラベル情報として記憶される。
【0038】
学習結果記憶部74は、分類データ記憶部72に記憶されたラベル情報に基づいて学習処理が行われ、その学習結果を記憶する。学習結果記憶部74が記憶するデータは、学習処理の方式、判定結果に必要とされる判定精度などにより異なるものとなる。例えば、学習処理の方法としてSVM(Support vector machine)を適用する場合には、その学習結果を示すデータは、SVMにおける超平面を定義するデータになる。SVMにおける超平面とは、異なるグループ(クラスタ)に含まれるべき要素を互いに異なるグループになるように分類する面のことである。学習結果記憶部74に記憶されるデータは、SVMによって分類するグループの数に応じて設定され、それぞれのグループを区分するための超平面のデータとして記憶される。ここでいう「グループ」は、エネルギー量の変化の傾向(パターン)が類似する日が含まれるように形成されており、前述のクラスタに対応する。
【0039】
次に、上記のように構成された情報処理装置1が実施する処理について順に説明する。
【0040】
(情報を可視化する処理について)
図2から図8を参照して、本実施形態の情報処理システムによる情報の可視化について説明する。
図2は、本実施形態の情報処理システムによる情報の可視化を示す表示画面の構成の一例を示す説明図である。同図における符号100は、表示画面の全領域を示す。
表示画面100の下部中央に符号110で示す表示領域が設けられている。例えば、表示領域110は、対象とする施設の1フロアを示す平面図である。
表示領域110に示されるフロアは、4つの区画に分割してそれぞれ管理され、分割された区画を単位に、区画ごとに当該区画の範囲に係る各種状態が収集されている。ここでは、4つの区画に対応させて4つの範囲を定め、それぞれの範囲を範囲A,B,C,Dとして説明する。以下の説明において、範囲Aには、コミュニケ―ションのためのエリアが含まれ、範囲BとCには、オフィスエリアが含まれ、範囲Dには、サーバなどの機器が置かれたサーバエリアが含まれている。
なお、以下の説明において、上記の施設における設備の利用状況を管理する目的で収集した各種データを纏めて「BEMSデータ」という。「BEMSデータ」には、設備において消費されるエネルギー量などを示すデータが含まれる。
【0041】
また、表示画面100の上部に符号120で示す表示領域が設けられている。例えば、表示領域120は、対象とする施設の1ヶ月分の気温や湿度の変化と空調設備による消費電力の変化などを示す領域である。
同図に示された表示領域120は、表示領域120−1、120−2、120−3、120−4の4段に分かれている。各段のそれぞれは、対象とする施設のうちから選択された4つの範囲に対応させている。例えば、表示領域120−1、120−2、120−3、120−4は、施設の範囲A,B,C,Dにそれぞれ対応する。ここでは、施設の4つの範囲の状況を比較できるように、各範囲に対応させて4段に分けて表示させているが、比較の対象に設定する範囲の数や、分割して表示する段数は、各システムの必要に応じて適宜定めることができる。以下、4つに分けて表示する場合を例に挙げて説明を行う。
表示領域120における横軸は、表示領域120−1、120−2、120−3、120−4に共通に設定され、1月のうちの日付を示す。ここでは、横軸の左端が1日を示し、右端が31日(又は28日から30日)を示す。表示領域120−1、120−2、120−3、120−4の縦軸は、それぞれの範囲における気温、湿度、消費電力を示す。
【0042】
表示領域120−1に、施設の範囲Aにおける気温と湿度と空調設備の消費電力との変化を折れ線グラフにして表示する。折れ線グラフの各点は、1日ごとの計測値の平均値を示し、算出した平均値をその日の代表値とする。例えば、表示領域120−1に示される折れ線グラフのうち、気温(室温)を太線で示し、湿度を実線で示し、空調設備の消費電力を破線で示す。
表示領域120−2に、施設の範囲Bにおける気温と湿度と空調設備の消費電力の変化を折れ線グラフにして表示する。表示領域120−3に、施設の範囲Cにおける気温と湿度と空調設備の消費電力の変化を折れ線グラフにして表示する。表示領域120−4に、施設の範囲Dにおける気温と湿度と空調設備の消費電力の変化を折れ線グラフにして表示する。表示領域120−2から120−4に示す折れ線グラフの各点は、表示領域120−1と同様に、その日の代表値を示し、その値は、それぞれ対応する施設の範囲の1日ごとの計測値の平均値とする。上記の表示領域120−2から120−4は、代表値表示処理部32の処理により表示されている。
また、表示領域120−3の左端に当たる1日と、13日、14日、16日、19日などの日にグラフの背景に網掛け表示がされている。この表示が付されている日は、1日の変化が類似する日として分類された日を示す。上記の表示領域120−1から120−4において、1日の変化が類似する日を示す網掛けは、パターン分類結果表示処理部31の処理により表示されている。
【0043】
表示画面100の下部左側に符号130で示す表示領域が設けられている。例えば、表示領域130は、施設の特定の範囲を対象の範囲として、特定の1日の気温の変化と空調設備による消費電力の変化などを示す領域である。例えば、表示領域130には、施設の範囲Aにおける特定の日の計測値の1日分の推移が示されている。例えば、表示領域120−1に示される折れ線グラフのうち、室温を太線で示し、湿度を実線で示し、空調設備の消費電力を破線で示す。上記の表示領域130は、収集データ表示処理部33の処理により表示されている。
【0044】
各種設備で消費されるエネルギー量(電力量など)や室温や湿度などのデータは、1時間ごとに計測されている。表示領域130に示されたグラフは、測定されたデータに基づいて、そのデータの値をグラフにしたものであり、このグラフから1時間ごとにどのように各データの値が変化したかを読み取ることができる。例えば、日射の影響を受ける6時ごろから室温の上昇がみられる。停止させていた空調設備を6時過ぎから機能させたことにより、6時以降に空調設備の消費電力が上昇するとともに、室温の上昇がとまり、所望の温度範囲に収まっていることが読み取れる。また、この日は、夕方、空調設備の稼働状態を調整し、消費電力を低減させたことが読み取れる。
【0045】
上記のように、情報処理システム1は、表示領域130に表示されたグラフからも読み取れるように、各種設備で消費されるエネルギー量(電力量など)や室温や湿度などのデータの特徴に基づいて、同じ特徴を有する日を同じ変化の傾向を示す日として抽出する。
【0046】
なお、表示領域130に示す施設の対象範囲と、特定の日は、下記のような操作手順により選択することができる。例えば、表示領域120の折れ線グラフの特定部位をクリックすると、クリックした折れ線グラフに対応する範囲が選択され、折れ線グラフをクリックした位置に対応する日付の計測値の1時間単位の推移が表示領域130に表示される。
【0047】
上記は、1日単位の計測値に基づいて各日の計測値をk-means法でクラスタリングすることで、各日の計測値の変化を所定の個数(k個、例えば、10個)のパターンに分類し、その分類結果の1例を示している。このように幾つかのパターンに分類することによって、すべての日の計測値の詳細な変化を確認するまでもなく、それぞれの日の計測値がどのような傾向で変化しているかを、パターン分けされた結果から把握することが容易になる。
なお、特別に消費電力が多い日などのように計測値の推移が通常の推移から外れた値(異常値)になった日は、類似の傾向を示す日として選択されないことから、類似の傾向を示す日として選択されなかった日が選択されるべき日であった日を検出することにより、異常値が検出された日を特定することに利用できる。
【0048】
表示画面100の右側に符号150で示す選択情報表示領域が設けられている。例えば、選択情報表示領域150には、「Main」というラベルが付いた主操作画面が示されている。主操作画面の下部には、「pattern1」から「pattern10」という識別情報が順に振られた10個のラジオボタンと、その上部に「View Transform」、「View On mouse」という識別情報が振られた2個のラジオボタンと、その上部に「File Open」と「View Reset」と表示された2個の操作ボタンとがそれぞれ示されている。
【0049】
「File Open」の操作ボタンが操作されると、履歴データ記憶部71に記憶されている履歴データファイルを開いて表示画面100に表示させる処理が表示処理部30の処理として実施される。また、「View Reset」の操作画面が操作されると、表示画面100に表示されている状態を初期状態に戻す処理が表示処理部30の処理として行われる。
【0050】
「pattern1」から「pattern10」のいずれかのラジオボタンが選択されると、選択されたパターンに応じて表示領域120の表示が切り替わる。表示領域120に示すグラフの背景において、選択されたパターン(pattern)に該当する日の領域にハッチングを示して、選択されたパターンの日として分類された日を示す。なお、同図に示されたパターンは、「pattern4」に分類されている。
【0051】
表示画面100の右側に符号150で示す選択情報表示領域には、「Main」というタブが付いた主操作画面の他に、「Learning」というタブが付いた学習操作画面が設けられている。同図では、学習操作画面は、主操作画面に隠れており、表示されていない。主操作画面と学習操作画面の表示の切り替えは、各タブを選択することにより、タブに対応する画面に切り替わる。学習操作画面の詳細について後述する。
【0052】
次に図3から図8を参照して、この情報処理システム1によって、1ヶ月間の「BEMSデータ」から得られたパターンの他の例を説明する。図3から図8は、図2に示した表示の例と異なる表示画面の構成の例について説明する図である。図3から図8に示す表示の構成も、前述の図2に示した表示画面の例と同様に構成されており、図2に示した表示の例と異なる表示の例をそれぞれ示している。図3から図8の場合も、オフィスフロアを4箇所のエリアに区切り、各々のエリアにおいて消費電力(空調消費電力、照明等消費電力)、気温、湿度の3値を1時間ごとに記録したデータを利用した。またk-means法におけるクラスタ数を10に固定し、10種類のパターンに分けて分類結果を可視化する。ここで例示する対象期間を201X年8月の1ヶ月間とする。
【0053】
まず、図3に示す例では、1日のうちで昼から夕方にかけて空調電力が消費されている。同図に示されるパターンは、範囲Aから範囲Dのすべてのエリアにおいて土曜日と日曜日に頻発していることが、表示領域120においてハッチングで示された日の位置から読み取れる。例えば、休日に設定されている土曜日と日曜日の午後に出勤した人がいて、空調設備を利用していたことが推察される。なお、同図に示されたパターンは、「pattern3」に分類されている。
【0054】
また、図4に示す例では、9時頃に空調電力の消費量が多くなり、18時頃に少なくなり、そのまま空調電力がゼロとなっている。このパターンはオフィスエリア(範囲B,C)の平日において頻発しており、夜間に空調設備が利用されていないことから、その日に残業者がいなかったことが推察される。なお、同図に示されたパターンは、「pattern4」に分類されている。
【0055】
また、図5に示す例では、9時頃に空調電力の消費量が多くなり、そのまま空調電力の消費量が高い値を保ったまま、気温が下がり続けている。このパターンは、範囲Dとして示されるサーバエリアを含むエリアで頻発している。なお、同図に示されたパターンは、「pattern9」に分類されている。
【0056】
また、図6に示す例では、9時頃に急激に空調電力の消費量が多くなり、午後になっていったん消費量が少なくなっているが、夜になると再び消費量が多くなる。このパターンは範囲Dとして示されるサーバエリアを含むエリアで頻発している。なお、同図に示されたパターンは、「pattern1」に分類されている。
上記の図5図6に示したように、同じエリアであっても、その日の傾向が異なる場合には、異なるパターンに分類される。
【0057】
また、図7に示す例では、終日、空調電力の消費量がほとんど変化していない。このエリアは、事務机が並んだオフィスエリアであり、通常であれば、平日の夜間や土日に作業者がいないエリアである。このエリアは、作業者が帰宅する際に、空調設備を停止させるように運用されている。例えば、平日の夜間や土日のように作業者がいない場合であれば、空調設備の消費電力は発生しないはずである。ただし、上記の運用のルールがあるにも係わらず、図に示された日は空調設備の消費電力が発生しており、空調設備が運転状態のまま放置されているものと推定できる。つまり、作業者が帰宅した際に、空調設備を停止させることを忘れて帰宅してしまい、空調設備が運転状態にされたまま、休日の土曜日と日曜日とを迎えたのではないかと推察される。なお、同図に示されたパターンは、「pattern7」に分類されている。
【0058】
また、図8に示す例では、9時頃に空調電力の消費量が多くなり、夕方に、いったん少なくなって0に近づくが再び空調電力の消費量がその日のピーク値に近い値まで上昇している。この日の湿度の変化を参照すると、空調設備を夕方停止した後に湿度の値が急に上昇している。気温の変化がないにもかかわらず湿度の値のみが大きく変化する要因があり、湿度の異常な上昇を抑制するため、夜間に再び空調設備が運転されたことが推定される。なお、同図に示されたパターンは、「pattern8」に分類されている。
【0059】
以上、図2から図8の表示領域130に示すように一日の詳細な変化を見れば、その日の変化を確認することができる。ただし、そのような確認方法では、確認する度に特定のエリアの特定の日を表示領域130に表示させなければならず、表示させない場合には、いずれのパターンに類似しているかを特定することができない。また、表示領域130に表示しているときに目視により特定することができたとしても、表示領域130の表示を切り替えた後では、表示領域120の折れ線グラフの表示だけでは特定することができない。
【0060】
一方、本実施形態に示す方法によれば、表示領域120に同じ変化の傾向を示すパターンの日にハッチングを付けて表示することにより、上記のように、表示領域130に都度、特定のエリアの特定の日を表示するまでもなく、いずれのパターンに類似しているかを特定できる。
【0061】
また、同じフロア内であっても、利用の形態が異なる複数のエリアがある場合には、同一フロア中の特定のエリアに限って頻発するパターンや、平日または休日等のように曜日や時間帯に応じて、発生する頻度が異なるパターンなどが存在する。以上に示したように、エリアごと・日ごとに発生する頻度が異なる各パターンの特徴に基づいて、それぞれの日の変化のパターンを分類できる。
【0062】
上記のようにk−means法によるクラスタリングを行うことにより、一日の変化の傾向から特徴が異なる日をそれぞれ異なるパターンに分類することができる。ただし、状況に応じて変化する要素の影響を受けるほど、必ずしも正しく分類されるとは限らない。例えば、休日であったとしても、休日として分類するパターンとして分類されるとは限らない。より具体的な場合を例示して説明する。例えば、図3における表示領域120において、範囲Aでは、第3週と第4週の休日がパターン3に分類されていない。この日は、表示領域120において、範囲Aの折れ線グラフからもわかるように、消費電力がほとんど発生していなかったものと思われる。休日をパターン3に対応付けするのであれば、消費電力がほとんど発生しない日もパターン3と分類できるように、分類の条件を補正する必要がある。そこで、分類の条件を補正するように情報処理システム1における情報の分類手法を学習させて、分類の精度を高めるようにする。
【0063】
(情報の分類手法を学習する処理について)
図9を参照して、本実施形態の情報処理システムによる情報の分類方法を学習する処理について説明する。同図は、本実施形態の情報処理システムによる情報の分類方法を学習する学習処理の表示画面の構成例を示す図である。
同図における符号150は、表示画面100の一部の領域を示す。例えば、選択情報表示領域150には、「Learning」というタブが付いた学習操作画面が設けられている。なお、同図では、前述の主操作画面は、学習操作画面の陰に隠れており、表示されていない。前述のとおり、主操作画面と学習操作画面の表示の切り替えは、各タブを選択することにより、タブに対応する画面に切り替わる。学習操作画面の詳細について説明する。学習操作画面には、「SVM Train Start」、「SVM Specify(1)」、「SVM Train Finish」、「SVM Predict」と表示された4個の操作ボタンがそれぞれ示されている。
【0064】
「SVM Train Start」のボタンが操作されると、学習処理部40によるSVMのための学習処理が開始される。このボタンが操作されてSVMのための学習処理が開始されている状態にある際に、既に各パターンに分類された結果が妥当か否かを、ユーザは画面の表示を通して読み取ることができる。例えば、ユーザは、月ごとのスケジュール表(作業表)などを参照して、正しく分類されていない日を抽出する。
【0065】
「SVM Specify(1)」のボタンが操作されると、正しく分類されていないことを、情報処理システム1に学習させる処理が実施される。例えば、表示領域130に表示される特定の日・特定のエリアにおける計測結果が「警告」に値すると判断した時に、同ボタンを操作して、表示領域130に表示される特定の日・特定のエリアにおける計測結果に適したパターン番号を選択する。このボタンを所定の時間間隔で操作することにより、ボタンを操作するたびにパターン番号を1から10まで順に切り替えることができる。図に示された状態は、パターン番号1が選択された状態をボタンの枠内の数字で示している。
【0066】
「SVM Train Finish」のボタンが操作されると、学習処理部40によるSVMのための学習処理が終了される。これにより、「SVM Train Start」のボタンが操作されてから、「SVM Train Finish」のボタンが操作されるまでに行われた、「SVM Specify(k)」(例えば、kは1から10の自然数)のボタンが操作されて学習したデータを学習結果として記憶する。
上記の操作により、分類された結果に異常があると判定され、その情報が本ボタンの操作によって学習された後に、正しく要素が分類された状態で、改めて超平面を再定義する。この再定義により、異常と判定された要素を再び以上と判定する確率を低減させることができる。これにより、警告された計測結果に近いパターンが、正しく分類されたクラスタに属するようになる。
【0067】
「SVM Predict」のボタンが操作されると、分類処理部20による制約付きクラスタリングによりパターン分類をやり直す。なお、SVMは、異なるグループの要素を分類する超平面を定義して、定義した超平面を基準に新たに検出された要素が何れの空間に位置するものであるかの判定をやり直すことができる。
【0068】
(建物の利用に応じて変化するエネルギー量を表示する処理の手順)
図12を参照して、建物の利用に応じて変化するエネルギー量を表示する処理の手順について説明する。同図は、建物の利用に応じて変化するエネルギー量を表示する処理の手順を示すフローチャートである。
【0069】
情報取得部10は、情報を取得して、記憶部70の履歴データ記憶部71に収集した情報を記憶させる(ステップS10)。
分類処理部20は、履歴データ記憶部71の履歴データを参照して、履歴データが示す1日ごとの変化の傾向に基づいた分類処理を実施する(ステップS15)。例えば、この分類処理において、分類処理部20は、履歴データ記憶部71の履歴データを参照して、1月分のエネルギー量の変化を示す情報のうちから1日単位でデータを抽出し、抽出した1日分のデータの変化の傾向にも続いて、当該日の傾向を分類する。分類処理部20は、分類した結果(分類結果)を分類データ記憶部72に記憶させる。
【0070】
表示処理部30の代表値表示処理部32は、履歴データ記憶部71の履歴データを参照して、各項目の日毎の代表値を算出するとともに、履歴データ記憶部71に当該日の各項目の代表値を書き込んで記憶させる。代表値表示処理部32は、算出した各日の代表値に基づいたグラフを表示領域120に表示させる(ステップS20)。
【0071】
表示処理部30のパターン分類結果表示処理部31は、分類データ記憶部72の分類結果を参照して、同じクラスタに分類されたことを示すラベル情報に応じた表示を、同じクラスタに分類された日の位置に対応づけて表示させる(ステップS25)。
【0072】
表示処理部30の収集データ表示処理部33は、履歴データ記憶部71の履歴データを参照して、操作によって選択された日ごとの当該エネルギー量の情報をグラフにして表示させる。例えば、収集データ表示処理部33は、1月分のエネルギー量の変化を示す情報から日ごとの当該エネルギー量の情報をグラフにして表示させる(ステップS30)。
【0073】
情報取得部10は、外部から分類結果の補正情報を取得する。学習処理部40は、情報取得部10を介して外部から取得した補正情報により、分類データ記憶部72に記憶されている分類された結果を補正して、前記補正された後の分類結果を分類データ記憶部72に記憶させる。さらに、学習処理部40は、補正された後の分類結果に応じた新たなパターン情報に基づいて、判定処理部50における判定処理をするための判定ルールを学習する(ステップS35)。
【0074】
判定処理部50は、学習処理部40により学習された判定ルールに従って判定処理をする。判定処理部50は、分類処理部20によって分類された結果を基にして、履歴情報に対応する月(第1の期間)より後の期間のエネルギー量の変化の傾向を判定する。表示処理部30は、判定処理部50による判定の結果を表示部90に表示させる(ステップS40)。
上記のように表示部90に表示された判定の結果は、前述の図2から図8に示す表示と同様の表示方法により表示することができる。また、1月分の情報に基づいた分類に基づいて、上記の学習処理を通して、分類を行う判定ルールの精度を高めたことにより、毎日の状況を分類することができる。
【0075】
以上、本発明の実施形態の情報処理システム1によれば、建物の利用状況を表示する処理により、1つの表示画面内の限られた表示領域に、建物の利用状況を判読しやすく表示することができる。
【0076】
以上、本発明の実施形態について説明したが、図1に示す情報処理システム1は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した処理に関する一連の処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。また、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS等も含むものとする。
【0077】
そして、情報処理システム1における各処理の全部又は一部の処理は、CPU等の中央演算処理装置がROMやRAM等の主記憶装置に上記プログラムを読み出して、情報の加工、演算処理を実行することにより、実現されるものである。勿論、図1に示す情報処理システム1を構成する各処理部は専用のハードウェアにより実現されるものであってもよい。
【0078】
なお、ここで、本発明と上記実施形態との対応関係について補足して説明する。上記実施形態において、本発明における情報処理システムは、情報処理システム1が対応し、第1表示処理部は、代表値表示処理部32が対応し、第2表示処理部は、パターン分類結果表示処理部31が対応し、第3表示処理部は、収集データ表示処理部33が対応する。
【0079】
(1)また、上記のように構成した情報処理システム1では、第1の期間より短い第2の期間が定められ、前記第1の期間が複数の前記第2の期間を含む。代表値表示処理部32(第1表示処理部)が、前記第1の期間におけるエネルギー量の変化を示す第1の情報から前記第2の期間ごとの当該第1の情報の代表値を生成し、前記生成された代表値をグラフにして表示させる。パターン分類結果表示処理部31(第2表示処理部)が、前記第1の情報の前記第2の期間内の変化の傾向にラベル情報を対応させて、前記グラフの前記第2の期間に当該ラベル情報を対応づけて表示させる。
これにより、情報処理システム1は、前記第1の情報の前記第2の期間内の変化の傾向にラベル情報を対応させて、前記グラフの前記第2の期間に当該ラベル情報を対応づけて表示させることができることから、建物の利用状況を判読しやすく表示することができる。
【0080】
(2)また、上記のように構成した情報処理システム1は、前記ラベル情報を表示する表示範囲が、前記複数の第2の期間に対応させてそれぞれ定められている。パターン分類結果表示処理部31は、前記ラベル情報を表示する表示範囲の表示を、前記ラベル情報の値に応じた彩度、明るさ、若しくは、互いに異なる彩度又は明るさを示す領域の密度比になるように調整してもよい。
このように構成された情報処理システム1は、前記ラベル情報を表示する表示範囲の表示を、前記ラベル情報の値に応じた彩度、明るさ、若しくは、互いに異なる彩度又は明るさを示す領域の密度比になるように調整することで、上記の様々な表示方法によりラベル情報を表示することができる。これにより、情報処理システム1は、建物の利用状況を判読しやすく表示することができる。
【0081】
(3)また、上記のように構成した情報処理システム1は、表示画面100内に、前記代表値と前記ラベル情報とを表示する表示領域120(第1の表示領域)と、前記第1の期間のうちから指定された第2の期間に対応する前記第1の情報を表示する表示領域130(第2の表示領域)とが設けられている。収集データ表示処理部33(第3表示処理部)は、何れかの前記第2の期間が指定された後、前記指定された第2の期間に対応する前記第1の情報を、前記指定に応じて表示領域130(第2の表示領域)に表示させてもよい。
このように構成された情報処理システム1は、何れかの前記第2の期間が指定された後、前記指定された第2の期間に対応する前記第1の情報を、前記指定に応じて表示領域130(第2の表示領域)に表示させることにより、建物の利用状況を判読しやすく表示することができる。
【0082】
(4)また、上記のように構成した情報処理システム1の代表値表示処理部32は、前記建物におけるエネルギー量の変化を示す情報を前記グラフ化して表示する。前記第1の情報が、前記エネルギー量の変化を示す一又は複数の種類の情報を含むようにしてもよい。
このように構成された情報処理システム1は、建物の利用状況をエネルギー量の変化に基づいて表示することにより、当該建物の利用状況を判読しやすく表示することができる。
【0083】
(5)また、上記のように構成した情報処理システム1の代表値表示処理部32は、前記建物における電力量の変化を前記グラフ化して表示する。前記第1の情報が、前記建物における電力量の変化を示す一又は複数の種類の情報を含むようにしてもよい。
このように構成された情報処理システム1は、建物の利用状況を電力量に基づいて判読しやすく表示することができる。
【0084】
(6)また、上記のように構成した情報処理システム1の代表値表示処理部32は、前記建物における外気温又は室温の変化を前記グラフ化して表示して、前記第1の情報が、前記建物の利用状況に係る一又は複数の種類の情報であり、前記一又は複数の種類の情報に前記建物における外気温又は室温を含むようにしてもよい。
このように構成された情報処理システム1は、建物の利用状況を外気温又は室温の変化を含む情報に基づいて判読しやすく表示することができる。
【0085】
(7)また、上記のように構成した情報処理システム1の前記ラベル情報を表示する表示範囲が、前記生成された代表値を示すグラフを表示する範囲に重ねて定められていてもよい。
このように構成された情報処理システム1は、前記ラベル情報を、代表値を示すグラフを表示する範囲に重ねて表示することにより、建物の利用状況を判読しやすく表示することができる。
【0086】
(8)また、上記のように構成した情報処理システム1のパターン分類結果表示処理部31は、前記第1の情報を含む情報に基づいて前記第2の期間における前記第1の情報の変化の傾向がクラス分けされ、前記クラス分けの結果に基づいてラベル情報が生成されており、前記生成されたラベル情報を前記グラフに対応づけて表示させるようにしてもよい。
このように構成された情報処理システム1は、前記ラベル情報を、前記グラフに対応づけて表示することにより、建物の利用状況を判読しやすく表示することができる。
【0087】
さらに、情報処理システム1を下記のように構成することができる。
情報処理システム1は、建物に付帯する設備の利用状態を、当該建物におけるエネルギー量の変化に基づいて解析する。分類処理部20は、第1の期間より短い第2の期間が定められ、前記第1の期間が複数の前記第2の期間を含み、前記第1の期間のエネルギー量の変化を示す履歴情報に基づいて、前記第2の期間のエネルギー量の変化の傾向を、前記第2の期間ごとに分類して分類結果を記憶させる。学習処理部40は、外部から取得した補正情報により、前記分類結果を補正して、前記補正された後の分類結果を記憶させる。判定処理部50は、前記補正された後の分類結果に基づいて、前記履歴情報に対応する前記第1の期間より後の期間のエネルギー量の変化の傾向を判定するようにしてもよい。
このように構成された情報処理システム1は、外部から取得した補正情報により、前記分類結果を補正して、前記補正された後の分類結果を記憶させ、前記補正された後の分類結果に基づいて、前記履歴情報に対応する前記第1の期間より後の期間のエネルギー量の変化の傾向を判定する。
これにより、情報処理システム1は、建物に付帯する設備の利用状態を精度よく解析することができる。
【0088】
また、上記の情報処理システム1の分類処理部20は、制約条件なしの分類手法に従って、前記第2の期間のエネルギー量の変化の傾向を分類するようにしてもよい。
これにより、情報処理システム1は、制約条件なしの分類手法に従って、前記第2の期間のエネルギー量の変化の傾向を分類することから、建物に付帯する設備の利用状態を精度よく解析することができる。
【0089】
また、上記の情報処理システム1の学習処理部40は、教師付型の学習手法に従って、前記補正された後の分類結果に基づいて判定条件を学習する。判定処理部50は、前記学習した判定条件に基づいて判定するようにしてもよい。
これにより、情報処理システム1は、教師付型の学習手法に従って、前記補正された後の分類結果に基づいて判定条件を学習し、前記学習した判定条件に基づいて判定することから、建物に付帯する設備の利用状態を精度よく解析することができる。
【0090】
また、上記の情報処理システムにおいて、前記補正情報は、前記第2の期間において前記エネルギー量の変化に影響を与える情報に基づいて生成された情報であることを特徴とする。
これにより、情報処理システム1は、前記第2の期間において前記エネルギー量の変化に影響を与える情報に基づいて生成された情報を補正情報とすることから、建物に付帯する設備の利用状態を精度よく解析することができる。
【0091】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の情報処理システム1は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上記の実施の形態において、情報処理システム1は、折れ線グラフにより、情報を表示するものとして説明したが、例えば、棒グラフなどの他の様式のグラフにして表示するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 情報処理システム、10 情報取得部、20 分類処理部、
30 表示処理部、31 パターン分類結果表示処理部、32 代表値表示処理部、
33 収集データ表示処理部、40 学習処理部、
50 判定処理部、70 記憶部、80 通信処理部、90 表示部
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