【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成26年度、総務省、平成26年度における電波資源拡大のための研究開発の委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数のビットにより構成される送信データに対して直交周波数分割多重処理を施すことにより、前記複数のビットを配列したビット列の最上位桁から順に所定の数だけ選択した一部のビットである上位ビットを単一のキャリア周波数に配置すると共に、残りのビットである下位ビットを複数のキャリア周波数に重複して配置するOFDM信号を生成する直交周波数分割多重手段と、
前記OFDM信号を送信する送信手段と、
を具備するOFDM送信装置。
複数のビットにより構成される送信データに対して直交周波数分割多重処理を施すことにより、前記複数のビットを配列したビット列の最上位桁から順に所定の数だけ選択した一部のビットである上位ビットを単一のキャリア周波数に配置すると共に、残りのビットである下位ビットを複数のキャリア周波数に重複して配置するOFDM信号を生成するステップと、
前記OFDM信号を送信するステップと、
を具備するOFDM送信方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施の形態につき、詳細に説明する。
【0013】
(実施の形態1)
<OFDM送信装置の構成>
本発明の実施の形態1に係るOFDM送信装置100の構成につき、
図2を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0014】
OFDM送信装置100は、第1選択部101と、第1キャリア配置部102と、第2キャリア配置部103と、第2選択部104と、変調部105と、フーリエ逆変換部106と、送信部107と、アンテナ108と、を有している。
【0015】
第1選択部101は、複数のビットを配列したビット列から構成される送信データを入力し、ビット列の最上位桁から順に所定の数だけ選択した上位ビットを第1キャリア配置部102に出力すると共に、ビット列における上位ビット以外の残りのビットである下位ビットを第2キャリア配置部103に出力する。典型例として、8PSK等の3ビット1シンボルの変調を行う場合、第1選択部101は、送信データのビット列を5ビット毎に区切り、3つのビットを上位ビット(1ビット目、2ビット目)として第1キャリア配置部102に出力すると共に残りの1つのビットを下位ビット(3ビット目)として第2キャリア配置部103に出力する。
【0016】
第1キャリア配置部102は、第1選択部101から出力された上位ビットを、所定の単一のキャリア周波数に振り分けられるように配置して第2選択部104に出力する。
【0017】
第2キャリア配置部103は、第1選択部101から出力された下位ビットを、所定の複数のキャリア周波数に振り分けられるように配置して第2選択部104に出力する。例えば、8PSK等の3ビット1シンボルの変調を行う場合、第2キャリア配置部103は、入力した各下位ビットを2つのキャリア周波数に振り分けられるように配置する。
【0018】
第2選択部104は、第1キャリア配置部102から出力された上位ビット及び第2キャリア配置部103から出力された下位ビットを所定のタイミングで変調部105に出力する。
【0019】
変調部105は、第2選択部104から出力された上位ビット及び下位ビットを多値変調して変調信号を生成してフーリエ逆変換部106に出力する。
【0020】
フーリエ逆変換部106は、変調部105から出力された変調信号に対して直交周波数分割多重処理であるフーリエ逆変換を施すことによりOFDM信号を生成して送信部107に出力する。
【0021】
送信部107は、フーリエ逆変換部106から出力されたOFDM信号をRF処理してアンテナ108より送信する。
【0022】
<OFDM送信装置の動作>
本発明の実施の形態1に係るOFDM送信装置100の動作につき、
図3及び
図4を参照しながら、以下に詳細に説明する。なお、
図3及び
図4では、送信データが8PSK変調される場合を例に説明する。また、
図3では、「送信データ」を単に「データ」と記載し、「キャリア周波数」を単に「キャリア」と記載する。
【0023】
まず、送信データの各ビットは、第1選択部101により、上位ビット(1ビット目、2ビット目)として配置されるものと、下位ビット(3ビット目)として配置されるものとに分けられ、上位ビットとして配置されるものが第1キャリア配置部102に出力され、下位ビットとして配置されるものが第2キャリア配置部103に出力される。
【0024】
次に、上位ビットは、第1キャリア配置部102により、OFDM送信に使用する周波数帯域(以下、「使用周波数帯域」という)F1の単一のキャリア周波数に振り分けられるように配置される。また、下位ビットは、第2キャリア配置部103により使用周波数帯域F1の複数(例えば2つ)のキャリア周波数に振り分けられるように配置される。
【0025】
次に、上位ビット及び下位ビットは、第2選択部104により所定のタイミングで変調部105に出力され、変調部105により多値変調されて変調信号となる。
【0026】
次に、多値変調信号は、フーリエ逆変換部106によりフーリエ逆変換されてOFDM信号となる。
【0027】
次に、OFDM信号は、送信部107によりRF処理されてアンテナ108より送信される。
【0028】
かかるOFDM信号は、
図3に示すように、上位ビットである1ビット目#i(#iは、1から2nまでの整数)及び2ビット目#iが単一のキャリア周波数#iに振り分けられ、下位ビットである3ビット目#j(#jは、1からnまでの整数)が2つのキャリア周波数#jおよび#n+jに振り分けられる。
【0029】
図3において、最初の1〜3ビット目は
キャリア周波数♯1で送信され、次の1〜3ビット目は
キャリア周波数♯2で送信され、以降、3ビットずつが同一
キャリア周波数で送信される。
【0030】
図4の8PSKのコンスタレーション(I−Q平面)において、破線で示す3ビット目の判定閾値H2の間隔は、実線で示す1ビット目及び2ビット目の判定閾値H1の間隔よりも狭い。従って、3ビット目は、1ビット目及び2ビット目よりも誤り易い。
【0031】
これに対して、本実施の形態では、上位ビットに比べて誤り易い下位ビットを複数のキャリア周波数に振り分けたOFDM信号を生成することにより、隣接チャネル干渉波の存在する環境下であっても、下位ビットである3ビット目の誤り率を低下させることができ、干渉を回避することができる。また、下位ビットよりも誤り難い上位ビットを単一のキャリア周波数に振り分けたOFDM信号を生成することにより、周波数利用効率の低下を抑制することができる。これより、本実施の形態によれば、周波数利用効率の向上と干渉の回避との両立を図ることができる。
【0032】
本実施の形態においては、変調方式として8PSKを用いた場合について説明したが、本発明は、8PSKに限定されるわけではなく、1シンボルで3ビット以上の情報を送信できる変調方式であれば任意の変調方式(例えば、16QAM、64QAM、256QAM等)に適用することができる。例えば、本発明を16QAMに適用した場合、下位ビットである3ビット目と4ビット目を、複数キャリアに重複して配置することになる。
【0033】
また、本実施の形態においては、下位ビット(例えば8PSKの場合は、3ビット目)を2つのキャリアに重複して配置した場合について説明したが、本発明は、同一情報を重複して配置するキャリア数が2に限定されるわけではなく、任意のキャリア数に設定することができる。例えば、下位ビットを4キャリア等に重複して配置することもできる。勿論、下位ビットを重複して配置するキャリア数を、回線品質等(隣接チャネル干渉波のレベル等)によって、適応的に変化させることもできる。
【0034】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るOFDM送信装置500の構成につき、
図5を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0035】
OFDM送信装置500は、ターボ符号化部501と、第1選択部502と、第1キャリア配置部503と、第2キャリア配置部504と、第2選択部505と、変調部506と、フーリエ逆変換部507と、送信部508と、アンテナ509と、を有している。
【0036】
ターボ符号化部501は、入力データをターボ符号化してパリティビット1、パリティビット2及びシステマティックビットから構成される送信データを生成する。ターボ符号化部501は、生成したパリティビット1、パリティビット2及びシステマティックビットを第2選択部502に出力する。
【0037】
第1選択部502は、ターボ符号化部501から出力された一部のビットであるパリティビット1及びパリティビット2を第1キャリア配置部503に出力する。第2選択部502は、ターボ符号化部501から出力された残りのビットであるシステマティックビットを第2キャリア配置部504に出力する。
【0038】
第1キャリア配置部503は、第1選択部502から出力されたパリティビット1及びパリティビット2を、所定の単一のキャリア周波数に振り分けられるように配置して第2選択部505に出力する。
【0039】
第2キャリア配置部504は、第1選択部502から出力されたシステマティックビットを、所定の複数のキャリア周波数に振り分けられるように配置して第2選択部505に出力する。
【0040】
第2選択部505は、第1キャリア配置部503から出力されたパリティビット1及びパリティビット2と、第2キャリア配置部504から出力されたシステマティックビットと、を所定のタイミングで変調部506に出力する。
【0041】
変調部506は、第2選択部505から出力されたパリティビット1、パリティビット2及びシステマティックビットを変調して変調信号を生成してフーリエ逆変換部507に出力する。
【0042】
フーリエ逆変換部507は、変調部506から出力された変調信号に対して直交周波数分割多重処理であるフーリエ逆変換を施すことによりOFDM信号を生成して送信部508に出力する。
【0043】
送信部508は、フーリエ逆変換部507から出力されたOFDM信号に対してRF処理を施してアンテナ509より送信する。
【0044】
<OFDM送信装置の動作>
本発明の実施の形態2に係るOFDM送信装置500の動作につき、
図6を参照しながら、以下に詳細に説明する。なお、
図6では、「送信データ」を単に「データ」と記載し、「キャリア周波数」を単に「キャリア」と記載する。
【0045】
まず、入力データは、ターボ符号化部501によりターボ符号化されてパリティビット1、パリティビット2及びシステマティックビットから構成された送信データとなる。
【0046】
次に、パリティビット1及びパリティビット2は第1選択部502により第1キャリア配置部503に出力されると共に、システマティックビットは第1選択部502により第2キャリア配置部504に出力される。
【0047】
次に、パリティビット1及びパリティビット2は、第1キャリア配置部503により使用周波数帯域F2の単一のキャリア周波数に振り分けられるように配置される。また、システマティックビットは、第2キャリア配置部504により使用周波数帯域F2の複数のキャリア周波数に振り分けられるように配置される。
【0048】
次に、パリティビット1、パリティビット2及びシステマティックビットは、第2選択部505により所定のタイミングで変調部506に出力され、変調部506により変調されて変調信号となる。
【0049】
次に、変調信号は、フーリエ逆変換部507によりフーリエ逆変換されてOFDM信号となる。
【0050】
次に、OFDM信号は、送信部508によりRF処理されてアンテナ509より送信される。
【0051】
かかるOFDM信号は、
図6に示すように、パリティビット1#j(#jは、1からnまでの整数)が単一のキャリア周波数#jに振り分けられ、パリティビット2#jが単一のキャリア周波数#n+jに振り分けられると共に、システマティックビット#jが2つのキャリア周波数#jおよび#n+jに振り分けられる。
【0052】
図6において、最初のパリティビットとシステマティックビットは
キャリア周波数♯1で送信され、次のパリティビットとシステマティックビットは
キャリア周波数♯2で送信され、以降、パリティビットとシステマティックビットの組が同一
キャリア周波数で送信される。
【0053】
本実施の形態では、パリティビットに比べて重要なシステマティックビットを複数のキャリア周波数に振り分けたOFDM信号を生成することにより、隣接チャネル干渉波の存在する環境下であっても、システマティックビットの誤り率を低下させることができ、干渉を回避することができる。また、システマティックビットに比べて重要度の低いパリティビット1及びパリティビット2を単一のキャリア周波数に振り分けたOFDM信号を生成することにより、周波数利用効率の低下を抑制することができる。これより、本実施の形態によれば、周波数利用効率の向上と干渉の回避との両立を図ることができる。
【0054】
(実施の形態3)
本実施の形態において、OFDM送信装置の構成は
図2と同一構成であるので、その説明を省略する。また、本実施の形態では、
図2のOFDM送信装置の符号を用いて説明する。
【0055】
<OFDM送信装置の動作>
本発明の実施の形態3に係るOFDM送信装置100の動作につき、
図7を参照しながら、以下に詳細に説明する。なお、
図7では、64QAM等の6ビット1シンボルの変調方式を用いる場合を例に説明する。また、
図7では、「送信データ」を単に「データ」と記載し、「キャリア周波数」を単に「キャリア」と記載する。
【0056】
本実施の形態のOFDM信号では、
図7に示すように、上位ビットである1ビット目及び2ビット目を、単一のキャリア周波数#1から#4nに振り分け、中位〜下位ビットである3ビット目から6ビット目を、使用周波数帯域F3の両端のキャリア周波数#1及びキャリア周波数#4nから順次選択した所定数のキャリア周波数#1から#n及びキャリア周波数#3n+1から#4nに振り分けると共に、下位ビットである5ビット目及び6ビット目を、3ビット目から6ビット目を振り分けたキャリア周波数#1から#n及びキャリア周波数#3n+1から#4nよりも内側のキャリア周波数#n+1から#2n及びキャリア周波数#2n+1から#3nに振り分ける。
【0057】
具体的には、送信データ#1の1ビット目及び2ビット目は単一のキャリア周波数#1にのみ振り分けられ、送信データ#1の下位ビットである3ビット目から6ビット目は複数のキャリア周波数#1及びキャリア周波数#3n+1に振り分けられる。また、送信データ#n+1の5ビット目及び6ビット目は複数のキャリア周波数#n+1及びキャリア周波数2n+1に振り分けられる。なお、送信データ#2から#n及び送信データ#n+2以降についても、送信データ#1及び送信データ#n+1と同様に振り分けられる。
【0058】
このように、本実施の形態では、キャリア周波数#1から#n及びキャリア周波数#3n+1から#4nに振り分けられる下位ビットの数と、キャリア周波数#n+1から#2n及びキャリア周波数#2n+1から#3nに振り分けられる下位ビットの数とを異ならせる。
【0059】
図7において、最初の1〜6ビット目は
キャリア周波数♯1で送信され、次の1〜6ビット目は
キャリア周波数♯2で送信され、以降、6ビットずつが同一
キャリア周波数で送信される。
【0060】
本実施の形態では、上位ビットに比べて誤り易い下位ビットを複数のキャリア周波数に振り分けたOFDM信号を生成することにより、隣接チャネル干渉波の存在する環境下であっても、下位ビットである3ビット目から6ビット目の誤り率を低下させることができ、干渉を回避することができる。また、下位ビットよりも誤り難い上位ビットを単一のキャリア周波数に振り分けたOFDM信号を生成することにより、周波数利用効率の低下を抑制することができる。これより、本実施の形態によれば、周波数利用効率の向上と干渉の回避との両立を図ることができる。
【0061】
また、本実施の形態では、下位ビットである3ビット目及び4ビット目よりも誤り易い5ビット目及び6ビット目を振り分けるキャリア周波数の数を、3ビット目及び4ビット目を振り分けたキャリア周波数の数よりも多くすることにより、5ビット目及び6ビット目の誤り率を向上させることができ、更に干渉を回避することができる。また、5ビット目及び6ビット目よりも誤り難い3ビット目及び4ビット目を振り分けるキャリア周波数の数を、5ビット目及び6ビット目を振り分けるキャリア周波数の数よりも少なくしたOFDM信号を生成することにより、周波数利用効率の低下を抑制することができる。これより、本実施の形態によれば、周波数利用効率の向上と干渉の回避との更なる両立を図ることができる。
【0062】
このように、本実施の形態によれば、複数のキャリア周波数に振り分ける下位ビットのビット数を複数のキャリア周波数毎に異ならせたOFDM信号を生成することにより、下位ビットが複数のビットから構成される64値等の多値変調する場合であっても、周波数利用効率の向上と干渉の回避との両立を図ることができる。
【0063】
なお、本実施の形態においても、5ビット目及び6ビット目を重複した配置するキャリア数は任意に設定することができ、また回線品質等により適応的に変化させることもできる。3ビット目及び4ビット目についても同様である。
【0064】
(実施の形態4)
<OFDM送信装置の構成>
本発明の実施の形態4に係るOFDM送信装置800の構成につき、
図8を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0065】
OFDM送信装置800は、第1選択部801と、第1キャリア配置部802と、第2キャリア配置部803と、第2選択部804と、変調部805と、フーリエ逆変換部806と、送信部807と、アンテナ808と、を有している。
【0066】
第1選択部801は、送信データのうち、使用周波数帯域の端部のキャリア周波数以外のキャリア周波数(以下、「内側キャリア周波数」と記載する)に振り分けられる送信データを第1キャリア配置部802に出力すると共に、使用周波数帯域の端部のキャリア周波数(以下、「外側キャリア周波数」と記載する)に振り分けられる送信データを第2キャリア配置部803に出力する。ここで、端部のキャリア周波数は1つに限らず複数でもよい。
【0067】
第1キャリア配置部802は、第1選択部801から出力された送信データを内側キャリア周波数に振り分けられるように配置して第2選択部804に出力する。
【0068】
第2キャリア配置部803は、第1選択部801から出力された送信データを外側キャリア周波数に振り分けられるように配置して第2選択部804に出力する。
【0069】
第2選択部804は、第1キャリア配置部802から出力された送信データ及び第2キャリア配置部803から出力された送信データを所定のタイミングで変調部805に出力する。
【0070】
変調部805は、第2選択部804から出力された送信データを多値変調して変調信号を生成してフーリエ逆変換部806に出力する。
【0071】
フーリエ逆変換部806は、変調部805から出力された変調信号に対して直交周波数分割多重処理であるフーリエ逆変換を施すことによりOFDM信号を生成して送信部807に出力する。
【0072】
送信部807は、フーリエ逆変換部806から出力されたOFDM信号をRF処理してアンテナ808より送信する。
【0073】
<OFDM送信装置の動作>
本発明の実施の形態4に係るOFDM送信装置800の動作につき、
図9を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0074】
まず、内側キャリア周波数に振り分けられる送信データは、第1選択部801により第1キャリア配置部802に出力される。外側キャリア周波数に振り分けられる送信データは、第1選択部801により第2キャリア配置部803に出力される。
【0075】
次に、内側キャリア周波数に振り分けられる送信データは、第1キャリア配置部802により単一の内側キャリア周波数に振り分けられるように配置される。また、外側キャリア周波数に振り分けられる送信データは、第2キャリア配置部803により複数の外側キャリア周波数に振り分けられるように配置される。
【0076】
次に、内側キャリア周波数に振り分けられる送信データ、及び外側キャリア周波数に振り分けられる送信データは、第2選択部804により所定のタイミングで変調部805に出力される。
【0077】
次に、送信データは、第2選択部804により所定のタイミングで変調部805に出力され、変調部805により変調されて変調信号となる。
【0078】
次に、変調信号は、フーリエ逆変換部806によりフーリエ逆変換されてOFDM信号となる。
【0079】
次に、OFDM信号は、送信部807によりRF処理されてアンテナ808より送信される。
【0080】
かかるOFDM信号では、
図9に示すように、送信データ#1が使用周波数帯域F4の複数の外側のキャリア周波数信号#1及び外側のキャリア周波数信号#2n−1に振り分けられると共に、送信データ#2が複数の外側のキャリア周波数信号#2及び外側のキャリア周波数信号#2nに振り分けられる。また、OFDM信号では、送信データ#3から#2n−2が単一の内側のキャリア周波数信号#3から#2n−2に振り分けられる。
【0081】
本実施の形態では、隣接チャネル干渉波の影響を受け易い外側キャリア周波数に振り分けられる送信データを、複数の外側キャリア周波数に振り分けたOFDM信号を生成することにより、隣接チャネル干渉波の存在する環境下であっても、誤り率を低下させることができ、干渉を回避することができる。また、内側キャリア周波数に振り分けられる送信データを、単一の内側キャリア周波数に振り分けたOFDM信号を生成することにより、周波数利用効率の低下を抑制することができる。これより、本実施の形態によれば、周波数利用効率の向上と干渉の回避との両立を図ることができる。
【0082】
(実施の形態5)
<OFDM送信装置の構成>
本発明の実施の形態5に係るOFDM送信装置1000の構成につき、
図10を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0083】
OFDM送信装置1000は、第1選択部1001と、第1キャリア配置部1002と、第2キャリア配置部1003と、第2選択部1004と、変調部1005と、フーリエ逆変換部1006と、送信部1007と、アンテナ1008と、アンテナ1051と、受信部1052と、レベル検出部1053と、キャリア配置制御部1054と、を有している。
【0084】
第1選択部1001は、送信データのうち、キャリア配置制御部1054の制御に従って、使用周波数帯域の端部のキャリア周波数以外のキャリア周波数に振り分けられる送信データを第1キャリア配置部1002に出力すると共に、使用周波数帯域の端部のキャリア周波数に振り分けられる送信データを第2キャリア配置部1003に出力する。
【0085】
第1キャリア配置部1002は、第1選択部1001から出力された送信データを、使用周波数帯域の端部のキャリア周波数以外のキャリア周波数に振り分けられるように配置して第2選択部1004に出力する。
【0086】
第2キャリア配置部1003は、第1選択部1001から出力された送信データを、使用周波数帯域の端部のキャリア周波数に振り分けられるように配置して第2選択部1004に出力する。
【0087】
第2選択部1004は、第1キャリア配置部1002から出力された送信データ及び第2キャリア配置部1003から出力された送信データを、キャリア配置制御部1054の制御に従って、所定のタイミングで変調部1005に出力する。
【0088】
変調部1005は、第2選択部1004から出力された送信データを多値変調して変調信号を生成してフーリエ逆変換部1006に出力する。
【0089】
フーリエ逆変換部1006は、変調部1005から出力された変調信号に対して直交周波数分割多重処理であるフーリエ逆変換を施すことによりOFDM信号を生成して送信部1007に出力する。
【0090】
送信部1007は、フーリエ逆変換部1006から出力されたOFDM信号をRF処理してアンテナ1008より送信する。
【0091】
受信部1052は、アンテナ1051より受信した受信信号をRF処理してレベル検出部1053に出力する。
【0092】
レベル検出部1053は、受信部1052から出力された受信信号の干渉波レベルを検出し、その検出結果を示す電気信号をキャリア配置制御部1054に出力する。
【0093】
キャリア配置制御部1054は、レベル検出部1053から出力された電気信号の示す干渉波レベルの検出結果に応じて、同一の送信データを振り分けるキャリア周波数の範囲を設定する。キャリア配置制御部1054は、設定した範囲のキャリア周波数に同一の送信データを振り分けるように第1選択部1001及び第2選択部1004を制御する。
【0094】
<OFDM送信装置の動作>
本発明の実施の形態5に係るOFDM送信装置1000の動作につき、
図11を参照しながら、以下に詳細に説明する。なお、以下の説明において、閾値Th1、Th2、Th3の値の大小関係は、Th1>Th2>Th3とする。
【0095】
まず、レベル検出部1053は、受信信号の干渉波レベルを検出する(S1101)。
【0096】
次に、キャリア配置制御部1054は、レベル検出部1053で検出した干渉波レベルが閾値Th1より大きいか否かを判定する(S1102)。
【0097】
キャリア配置制御部1054は、干渉波レベルが閾値Th1より大きい場合(S1102:YES)、使用周波数帯域の全てのキャリア周波数に対して同一の送信データを振り分けるように第1選択部1001及び第2選択部1004を制御する(S1103)。
【0098】
一方、キャリア配置制御部1054は、干渉波レベルが閾値Th1以下の場合(S1102:NO)、レベル検出部1053で検出した干渉波レベルが閾値Th2より大きいか否かを判定する(S1104)。
【0099】
キャリア配置制御部1054は、干渉波レベルが閾値Th2より大きい場合(S1104:YES)、使用周波数帯域の2分の1の外側キャリア周波数に対して同一の送信データを振り分けるように第1選択部1001及び第2選択部1004を制御する(S1105)。
【0100】
一方、キャリア配置制御部1054は、干渉波レベルが閾値Th2以下の場合(S1104:NO)、レベル検出部1053で検出した干渉波レベルが閾値Th3より大きいか否かを判定する(S1106)。
【0101】
キャリア配置制御部1054は、干渉波レベルが閾値Th3より大きい場合(S1106:YES)、使用周波数帯域の4分の1の外側キャリア周波数に対して同一の送信データを振り分けるように第1選択部1001及び第2選択部1004を制御する(S1107)。
【0102】
一方、キャリア配置制御部1054は、干渉波レベルが閾値Th3以下の場合(S1106:NO)、使用周波数帯域の全てのキャリア周波数に対して1つの送信データを振り分けるように第1選択部1001及び第2選択部1004を制御する(S1108)。
【0103】
このように、本実施の形態によれば、干渉波レベルに応じて同一の送信データを振り分けるキャリア周波数の数を可変にすることにより、周波数利用効率の向上と干渉の回避との両立を図ることができる。
【0104】
なお、本実施の形態において、キャリア配置制御部1054は、同一の送信データを振り分けるキャリア周波数の範囲を示す制御情報を生成してOFDM信号に重畳させても良い。これにより、通信相手のOFDM受信装置が、同一の送信データが振り分けられたキャリア周波数を容易に知ることができ、受信したOFDM信号を復調することができる。
【0105】
(バリエーション1)
上記実施の形態1では、使用周波数帯域が一定であることを前提として、一部のビットを単一の周波数キャリアに配置する場合について説明したが、本発明はこれに限られず、使用周波数帯域が可変である場合に使用周波数帯域が狭いときには、全てのビットを複数の周波数キャリアに配置するようにしても良い。
【0106】
以下、このバリエーションについて説明する。なお、本バリエーションにおいて、OFDM送信装置の構成は
図2と同一構成である。
【0107】
第1選択部101は、複数のビットを配列したビット列から構成される送信データを入力した際に、使用周波数帯域が所定値以下の場合、ビット列の上位ビット及び下位ビットの全ビットを第2キャリア配置部103に出力する。
【0108】
第1キャリア配置部102は、使用周波数帯域が所定値以下の場合、上位ビット及び下位ビットを入力しないため動作しない。
【0109】
第2キャリア配置部103は、使用周波数帯域が所定値以下の場合、第1選択部101から出力された上位ビット及び下位ビットを、使用周波数帯域の複数のキャリア周波数に振り分けられるように配置して第2選択部104に出力する。
【0110】
第2選択部104は、使用周波数帯域が所定値以下の場合、第2キャリア配置部103から出力された上位ビット及び下位ビットを所定のタイミングで変調部105に出力する。
【0111】
なお、使用周波数帯域が所定値より大きい場合には、上記実施の形態1と同一動作となるので、その説明を省略する。
【0112】
このように、本バリエーションによれば、上記実施の形態1の効果に加えて、使用周波数帯域が所定値以下の場合に、複数のビットの全ビットを複数のキャリア周波数に振り分けたOFDM信号を生成することにより、使用周波数帯域が狭い場合において周波数利用効率の向上と干渉の回避との両立を図ることができる。
【0113】
なお、本バリエーションは、上記実施の形態2から5にも適用することができる。
【0114】
(バリエーション2)
上記実施の形態1では、使用周波数帯域の環境が一様であることを前提として、一部のビットを単一の周波数キャリアに配置する場合について説明したが、本発明はこれに限られず、使用周波数帯域の中にホワイトスペース等の特定の周波数帯域が含まれるときには、当該特定の周波数帯域のキャリア周波数に、他のキャリア周波数よりも多くのビットを振り分けるようにしても良い。また、当該特定の周波数帯域のキャリア周波数に全てのビットを重複して配置するようにしても良い。
【0115】
なお、ホワイトスペースとは、地上テレビジョン放送用周波数帯において、チャンネル間の混信を防止するための隙間として設けられた空き周波数帯である。ホワイトスペース以外にも、地域によっては離散的に存在する空き周波数帯があり、これら離散的に存在する空き周波数帯もホワイトスペース同様に特定の周波数帯域とする。
【0116】
以下、このバリエーションについて説明する。なお、本バリエーションにおいて、OFDM送信装置の構成は
図2と同一構成である。
【0117】
第1選択部101は、複数のビットを配列したビット列から構成される送信データを入力した際に、特定の周波数帯域について、ビット列の上位ビット及び下位ビットの全ビットを第2キャリア配置部103に出力する。
【0118】
第1キャリア配置部102は、特定の周波数帯域について、上位ビット及び下位ビットを入力しないため動作しない。
【0119】
第2キャリア配置部103は、特定の周波数帯域について、第1選択部101から出力された上位ビット及び下位ビットを、複数のキャリア周波数に振り分けられるように配置して第2選択部104に出力する。
【0120】
第2選択部104は、特定の周波数帯域について、第2キャリア配置部103から出力された上位ビット及び下位ビットを所定のタイミングで変調部105に出力する。
【0121】
なお、特定の周波数帯域以外の周波数帯域については、上記実施の形態1と同一動作となるので、その説明を省略する。
【0122】
このように、本バリエーションによれば、上記実施の形態1の効果に加えて、使用周波数帯域における特定の周波数のキャリア周波数に振り分けるビット数を、特定の周波数以外の周波数のキャリア周波数に振り分けるビット数よりも多くしたOFDM信号を生成することにより、特定の周波数のキャリア周波数の送信レベルを低くすることが可能になるので、他の通信装置に対する与干渉を低減することができる。
【0123】
なお、本バリエーションは、上記実施の形態2から5にも適用することができる。
【0124】
本発明は、部材の種類、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。