特許第6511304号(P6511304)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6511304
(24)【登録日】2019年4月12日
(45)【発行日】2019年5月15日
(54)【発明の名称】粒子状物質検出センサ
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/04 20060101AFI20190425BHJP
【FI】
   G01N27/04 Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-52317(P2015-52317)
(22)【出願日】2015年3月16日
(65)【公開番号】特開2016-173251(P2016-173251A)
(43)【公開日】2016年9月29日
【審査請求日】2017年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】特許業務法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下川 弘宣
(72)【発明者】
【氏名】小池 和彦
(72)【発明者】
【氏名】田村 昌之
(72)【発明者】
【氏名】山本 真宏
(72)【発明者】
【氏名】宮川 豪
(72)【発明者】
【氏名】毛利 友隆
【審査官】 小澤 瞬
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−078130(JP,A)
【文献】 特開2012−233874(JP,A)
【文献】 特開2012−220257(JP,A)
【文献】 特開2010−078378(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/187633(WO,A1)
【文献】 特開2007−229679(JP,A)
【文献】 特開2003−035128(JP,A)
【文献】 特開2002−177788(JP,A)
【文献】 特開平10−202105(JP,A)
【文献】 特開平08−193950(JP,A)
【文献】 特開2002−285822(JP,A)
【文献】 特開2006−342709(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0020507(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0238108(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0107815(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/00−3/38
9/00−11/00
G01N 27/00−27/10
27/14−27/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関から排出される排ガスに含まれる粒子状物質の一部を堆積させる被堆積部(11)と、該被堆積部(11)に配置された少なくとも一対の検出電極(12)とを備え、
該一対の検出電極(12)に捕集電圧を印加することで発生する電界によって上記被堆積部(11)上に上記粒子状物質を静電捕集すると共に、上記粒子状物質が上記被堆積部(11)上に堆積することによる上記一対の検出電極(12)間における電気抵抗値の変化に応じて電気信号の出力を変化させるように構成されており、
上記被堆積部(11)の表面には、上記一対の検出電極(12)をつなぐように、可溶性有機成分を選択的に除去する触媒からなる触媒層(13)が形成されていることを特徴とする粒子状物質検出センサ(1)。
【請求項2】
上記触媒層(13)は、上記一対の検出電極(12)の間を部分的に繋ぐように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の粒子状物質検出センサ(1)。
【請求項3】
上記触媒層(13)は、貴金属として白金又はパラジウムを含むと共に、アルミニウム、マグネシウム、ジルコニウム及びセリウムの酸化物のうち少なくとも1つを含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載の粒子状物質検出センサ(1)。
【請求項4】
上記被堆積部(11)には、複数対の上記検出電極(12)が形成されており、複数対の検出電極(12)のうちの一部は、上記触媒層(13)によって繋がれていないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の粒子状物質検出センサ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子状物質検出センサに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の排気管には、排ガスに含まれる粒子状物質(Particulate Matter:PM)を捕集する排ガス浄化装置が設けられている。この排ガス浄化装置は、排ガスに含まれる粒子状物質の量を検出する粒子状物質検出センサを有する粒子状物質検出装置を備えており、この粒子状物質検出装置によって得られた情報を基に、排ガス浄化装置の故障検知が行われている。
【0003】
排ガス浄化装置に用いられる粒子状物質検出センサとしては、例えば、特許文献1に示されたものがある。特許文献1の粒子状物質検出センサは、多孔質の導電性物質からなる検出電極と、検出電極の電気抵抗値を検出するための一対の電極とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−266961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の粒子状物質検出センサには以下の課題がある。
排ガスには、内燃機関において燃焼しきれなかった未燃のオイルや燃料からなる可溶性有機物質が含まれている。粒子状物質は、導電性の煤からなり、その表面が排ガスに含まれる可溶性有機物質によって被覆されている。この可溶性有機物質は、粒子状物質に比べて電気抵抗が高い。そのため、可溶性有機物質によって被覆された粒子状物質の電気抵抗は、粒子状物質自体の電気抵抗よりも高くなる。したがって、粒子状物質の電気抵抗を検出する特許文献1の粒子状物質検出装置によって、粒子状物質の正確な量を検出することができない。
【0006】
また、特許文献1の粒子状物質検出装置においては、多孔質の導電性物質をフィルタとして粒子状物質を捕集している。そのため、粒子状物質の捕集量が増大すると、導電性物質において目詰まりが生じ捕集性能が低下する。
【0007】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、捕集性能が優れており、粒子状物質の量を正確に検知できる粒子状物質検出センサを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、内燃機関から排出される排ガスに含まれる粒子状物質の一部を堆積させる被堆積部と、該被堆積部に配置された少なくとも一対の検出電極とを備え、
該一対の検出電極に捕集電圧を印加することで発生する電界によって上記被堆積部上に上記粒子状物質を静電捕集すると共に、上記粒子状物質が上記被堆積部上に堆積することによる上記一対の検出電極間における電気抵抗値の変化に応じて電気信号の出力を変化させるように構成されており、
上記被堆積部の表面には、上記一対の検出電極をつなぐように、可溶性有機成分を選択的に除去する触媒からなる触媒層が形成されていることを特徴とする粒子状物質検出センサにある。
【発明の効果】
【0009】
上記粒子状物質検出センサは、可溶性有機成分を選択的に除去することができる上記触媒層を備えている。そのため、排ガスに含まれる粒子状物質が上記触媒層に付着すると、粒子状物質の表面を覆う可溶性有機成分が上記触媒層と反応し、粒子状物質から可溶性有機成分を除去することができる。これにより、上記検出電極間における電気抵抗値の変化を正確に検出することができる。それゆえ、上記粒子状物質検出センサによれば、粒子状物質の量を正確に検出することができる。
【0010】
また、上記粒子状物質検出センサは、上記一対の検出電極に捕集電圧を印加することで、上記被堆積部上に上記粒子状物質を引き寄せることができる。これにより、上記粒子状物質の捕集性能を向上すると共に、堆積量が増大した際における捕集性能の低下を抑制することができる。
【0011】
以上のごとく、本発明によれば、捕集性能が優れており、粒子状物質の量を正確に検知できる粒子状物質検出センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1における、粒子状物質検出センサを示す説明図。
図2図1における、II−II矢視断面図。
図3】実施例1における、粒子状物質検出センサの構造を示す説明図。
図4】実施例2における、粒子状物質検出センサを示す説明図。
図5】実施例3における、粒子状物質検出センサを示す説明図。
図6】実施例4における、粒子状物質検出センサを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記粒子状物質検出センサにおいて、上記触媒層は、上記一対の検出電極の間に部分的に突出するように形成されていることが好ましい。この場合には、上記被堆積部と上記触媒層との間に段差が形成されることにより、上記触媒層に上記粒子状物質を効率良く付着させることができる。したがって、上記粒子状物質検出センサにおける粒子状物質の捕集性能を向上することができる。
【0014】
また、上記触媒層は、貴金属として白金又はパラジウムを含むと共に、アルミニウム、マグネシウム、ジルコニウム及びセリウムの酸化物のうち少なくとも1つを含んでいることが好ましい。この場合には、上記触媒層の反応温度を排ガス温度の近傍に設定することができる。これにより、排ガスによって加熱されることで、上記触媒層を反応に到達し、可溶性有機成分の除去性能を向上することができる。また、上記触媒層の耐熱温度を向上することができる。
【実施例】
【0015】
(実施例1)
上記粒子状物質検出センサにかかる実施例について、図1図3を参照して説明する。
図1に示すごとく、粒子状物質検出センサ1は、内燃機関から排出される排ガスに含まれる粒子状物質の一部を堆積させる被堆積部11と、被堆積部11に配置された少なくとも一対の検出電極12とを備えている。粒子状物質検出センサ1は、一対の検出電極12に捕集電圧を印加することで発生する電界によって被堆積部11上に粒子状物質を静電捕集すると共に、粒子状物質が被堆積部11上に堆積することによる一対の検出電極12間における電気抵抗値の変化に応じて電気信号の出力を変化させるように構成されている。被堆積部11の表面には、一対の検出電極12をつなぐように、可溶性有機成分を選択的に除去する触媒からなる触媒層13が形成されている。
【0016】
以下、さらに詳細に説明する。
粒子状物質検出センサ1は、自動車に搭載された内燃機関から、排気管を通じて排出される排ガスに含まれる粒子状物質を検出するためのものである。粒子状物質検出センサ1によって得られた情報を基に、排ガス浄化装置の故障検知を行う。
【0017】
図1図3に示すごとく、粒子状物質検出センサ1は、排ガス中の粒子状物質を堆積させる被堆積部11と、被堆積部11上に互いに離れて配置された複数の検出電極12とを備えている。粒子状物質検出センサ1は、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ベリリアなどのセラミック材料を板状に成形した絶縁部材111を5枚積層することにより、棒状に形成されている。5枚の絶縁部材111のうち4枚には、主面の先端側に導電性材料からなる検出電極12が形成されている。したがって、粒子状物質検出センサ1は、二対の検出電極12を備えている。検出電極12は、正極と負極とからなり、絶縁部材111を積層した際に、正極と負極とが交互に配置される。また、検出電極12において、積層方向の両端にそれぞれ配置される正極及び負極には、検出電極12から基端側に延びる引き出し電極部121が形成されている。正極の検出電極12及び負極の検出電極12は、それぞれ図示しないリード部によって電気的に接続されている。
【0018】
5枚の絶縁部材111を積層した状態において、検出電極12と絶縁部材111との積層方向及び軸方向Dと直交する側方S側に被堆積部11が形成される。被堆積部11には、絶縁部材111と検出電極12とが交互に積層された積層部10が形成されている。被堆積部11は、検出電極12が形成された絶縁部材111を積層した後、その先端部を研磨することで、検出電極12の端面を露出させている。
【0019】
触媒層13は、二対の検出電極12と直交するように5本形成されている。触媒層13は、可溶性有機成分を選択的に除去する触媒からなる。本例の触媒層13は、貴金属材料である白金と、アルミニウムの酸化物とを含んでおり、反応温度は、150℃〜200℃である。なお、排ガスの温度は、150℃〜400℃程度であり、排ガスによって加熱されることで、触媒層13が反応温度に到達する。また、白金とアルミニウムの酸化物との比率は、重量比で5:95である
【0020】
粒子状物質検出センサ1において、触媒層13に粒子状物質が堆積すると、一対の検出電極12間の電気抵抗値が低下する。このとき、触媒層13は、排ガスによって加熱されて反応温度に達し、触媒層13に堆積した粒子状物質の表面を覆う可溶性有機成分と反応し、粒子状物質の表面を覆う可溶性有機成分が除去される。そして、粒子状物質が一対の検出電極12間を繋ぐ導通パスを形成することによって一対の検出電極12間における電気抵抗値の低下が生じる。一対の検出電極12の間には電圧が印加されており、一対の検出電極12間の電気抵抗値の変化に伴い、検出電極12間を流れる電気信号としての電流量が変化する。これにより、粒子状物質検出センサ1からコントロールユニットへと出力される電流値が変化する。つまり、粒子状物質検出センサ1から出力される電流値は、触媒層13における粒子状物質の堆積質量に応じて変化するものであり、粒子状物質の堆積量に関する情報を有するものである。コントロールユニットは、出力された電流値をECU(エンジンコントロールユニット)へと出力する。
【0021】
次に、本例の作用効果について説明する。
粒子状物質検出センサ1は、可溶性有機成分を選択的に除去することができる触媒層13を備えている。そのため、排ガスに含まれる粒子状物質が触媒層13に付着すると、粒子状物質の表面を覆う可溶性有機成分が触媒層13と反応し、粒子状物質から可溶性有機成分を除去することができる。これにより、検出電極12間における電気特性としての電気抵抗の変化を正確に検出することができる。それゆえ、粒子状物質検出センサ1によれば、粒子状物質の量を正確に検出することができる。
【0022】
また、粒子状物質検出センサ1は、一対の検出電極12に捕集電圧を印加することで、被堆積部11上に粒子状物質を引き寄せることができる。これにより、粒子状物質の捕集性能を向上すると共に、堆積量が増大した際における捕集性能の低下を抑制することができる。
【0023】
また、触媒層13は、一対の検出電極12の間を部分的に繋ぐように形成されている。そして、触媒層13がその厚み分、被堆積部11から突出して、被堆積部11と触媒層13との間に段差が形成されることにより、触媒層13に粒子状物質を効率良く付着させることができる。したがって、粒子状物質検出センサ1における粒子状物質の捕集性能を向上することができる。
【0024】
また、触媒層13は、貴金属として白金を含むと共に、アルミニウムの酸化物を含んでいる。そのため、触媒層13の反応温度を排ガス温度の近傍に設定することができる。これにより、排ガスによって加熱されることで、触媒層13を反応に到達し、可溶性有機成分の除去性能を向上することができる。また、触媒層13の耐熱温度を向上することができる。
【0025】
以上のごとく、本例によれば、捕集性能が優れており、粒子状物質の量を正確に検知できる粒子状物質検出センサ1を提供することができる。
【0026】
(確認試験)
本試験においては、触媒層の有無による粒子状物質検出センサにおける検出感度への影響を確認した。
本試験には、上述の実施例1に示した粒子状物質検出センサ1と、触媒層が形成されていない粒子状物質検出センサとを用いて検出感度の比較を行った。なお、実験に用いた粒子状物質検出センサ1は、アルミナからなる絶縁部材111に、重量比で白金85重量%とアルミナ15重量%とで混合した混合物からなる二対の検出電極12を備え、触媒層13は、白金5重量%とアルミナ95重量%とからなる。
触媒層が形成されていない粒子状物質検出センサにおいて、触媒層が形成されていないこと以外の構成は実施例1と同様である。尚、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
【0027】
本試験においては、内燃機関の運転条件を変化させて、排ガスの温度及び排ガスにおける粒子状物質の濃度を変化させた際の不感質量を比較した。不感質量とは、粒子状物質検出センサにおいて導通パスが形成され、粒子状物質検出センサの検出電極12間の電気抵抗が変化するまでの間に、排気管内を流通した排気ガスに含まれる粒子状物質の量を示すものである。尚、可溶性有機成分が付着し電気抵抗が大きい粒子状物質を堆積させた際には、不感質量が大きくなり、可溶性有機成分を除去し電気抵抗が小さい粒子状物質を堆積させた際には、不感質量が小さくなる。
【0028】
【表1】
【0029】
本試験においては、内燃機関の運転条件を表1の条件A〜条件Dに変化させた。条件Aは、内燃機関の回転数を1200rpmとし、排ガスの温度が185℃、排ガスにおける粒子状物質の濃度が5.7mg/m3である。条件Bは、内燃機関の回転数を1450rpmとし、排ガスの温度が250℃、排ガスにおける粒子状物質の濃度が6.1mg/m3である。条件Cは、内燃機関の回転数を1650rpmとし、排ガスの温度が180℃、排ガスにおける粒子状物質の濃度が6mg/m3である。条件Dは、内燃機関の回転数を2250rpmとし、排ガスの温度が420℃、排ガスにおける粒子状物質の濃度が6.3mg/m3である。
【0030】
表1における結果1は、実施例1の粒子状物質検出センサ1における不感質量の検出結果を示すものである。また、結果2は、触媒層が形成されていない粒子状物質検出センサ1における不感質量の検出結果を示すものである。結果1及び結果2に示すごとく、条件A〜条件Dのいずれの場合においても、実施例1の粒子状物質検出センサ1における不感質量及び不感質量のバラつきが小さくなった。これは、粒子状物質検出センサ1に堆積した粒子状物質から可溶性有機成分が除去され、電気抵抗値のバラつきが低減されたことによると考えられる。したがって、実施例1の粒子状物質検出センサ1によれば、触媒層が形成されていない粒子状物質検出センサに比べて、粒子状物質の堆積量を正確に検知することができる。
【0031】
(実施例2)
本例は、図4に示すごとく、実施例1の粒子状物質検出センサ1における構造を一部変更した例である。
本例の粒子状物質検出センサ1の触媒層13は、二対の検出電極12のうちの一対を繋ぐように形成されており、残る一対の検出電極12は触媒層13によって繋がれていない。
その他の構成は実施例1と同様である。尚、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
【0032】
本例の粒子状物質検出センサ1は、触媒層13によって繋がった一対の検出電極12における電気信号の出力と、触媒層13によって繋がっていない一対の検出電極12における電気信号の出力とを比較することにより、粒子状物質における可溶性有機成分の付着量を検出することができる。これを利用して、内燃機関の運転条件を制御することにより、内燃機関の運転条件の最適化を図ることができる。
また、本例においても実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0033】
(実施例3)
本例は、図5に示すごとく、実施例1とは構造の異なる粒子状物質検出センサ1の例である。
本例の粒子状物質検出センサ1において、被堆積部11は、略長方形の板状をなしており、絶縁性材料によって形成されている。被堆積部11における粒子状物質を堆積させる一面には、互いに離れて配置された一対の検出電極12と、一対の検出電極12をつなぐように形成された触媒層13とが形成されている。一対の検出電極12は、導電性材料からなり、被堆積部11の表面にパターン印刷によって形成されている。一対の検出電極12は、被堆積部11における長手方向と平行に形成された電極基部122と、電極基部122から長手方向と直交して延設された複数の櫛歯部123とをそれぞれ有している。各検出電極12は、電極基部122が互いに向かい合うように配置されると共に、一方の検出電極12における櫛歯部123の間に、他方の検出電極12における櫛歯部123が入り込むように配置されている。
【0034】
触媒層13は、被堆積部11において、一対の検出電極12の電極基部122の外縁及び長手方向の両端に配設された櫛歯部123の外縁よりも内側の範囲において、一対の検出電極12の表面を除く全面に形成されている。
その他の構成は実施例1と同様である。尚、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
本例においても実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0035】
(実施例4)
本例は、図6に示すごとく、実施例3の粒子状物質検出センサ1における構造を一部変更した例を示すものである。
本例の粒子状物質検出センサ1において、被堆積部11には、2本の触媒層13が形成されている。触媒層13は、粒子状物質検出センサ1の軸方向Dと並行で、かつ一対の検出電極12の櫛歯部123を繋ぐように形成されている。
その他の構成は実施例3と同様である。尚、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例3において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例3と同様の構成要素等を表す。
本例においても実施例3と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0036】
1 粒子状物質検出センサ
11 被堆積部
12 検出電極
13 触媒層
図1
図2
図3
図4
図5
図6