(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示では、「3Dプリンタ」は、離散的なプリンタ、及び/又はより大規模なプロセス内における加法的製造のサブプロセスを実施する製造機械類に対するツールヘッドアクセサリの両方を包含する。
図1〜5を参照すると、3Dプリンタは、専用Gコード702を解釈し、Gコード702に従って3Dプリンタの様々なアクチュエータを駆動する、モーションコントローラ20によって制御される。
【0016】
本明細書で使用するとき、「押出し」はその従来の意味を有し、例えば、原材料がダイを通してプレスされて、原材料よりも断面積が小さい特定の形状を持つようになるプロセスを意味するものとする。熱溶解フィラメント製法(FFF)は押出し法である。同様に、「押出しノズル」はその従来の意味を有し、例えば、特に押出し流体フローが密閉されたチャンバを出る(若しくはそこに入る)際における速度の増加及び/又は断面積の制限のため、流体フローの方向又は特性を制御するように設計されたデバイスを意味するものとする。本開示はまた、FFFノズルとは異なり、著しい背圧がなく、即ち印刷材料において追加の速度が生じず、マトリックス及び埋め込まれた一つ以上の繊維を含む印刷材料の断面積が(結合列(bonded ranks)の形で部品に堆積されるにもかかわらず)プロセス全体を通して実質的に同様のままである、最終印刷ヘッドについて記載するのに、「導管ノズル」又は「ノズレット」という造語を使用するものとする。本明細書で使用するとき、「堆積ヘッド」は、押出しノズル、導管ノズル、及び/又は混合ノズルを含むものとする。
【0017】
最後に、三次元印刷の分野では、「フィラメント」は、一般的に、スプールに巻かれた構築材料の全断面積を指すが、複合材の分野では、「フィラメント」は、例えば、炭素繊維の個々の繊維を指す(例えば、「1Kのトウ」は1000本の個々のストランドを有することになる)。本開示の目的のため、「フィラメント」は三次元印刷による意味を保持するものとし、「ストランド」は、例えばマトリックスに埋め込まれて共に複合材「フィラメント」全体を形成する、個々の繊維を意味するものとする。
【0018】
図1A〜1Cは、繊維強化複合材フィラメントを適用するものと、純性のマトリックス又はニートマトリックス樹脂(熱可塑性若しくは硬化性)を適用するものという少なくとも二つの印刷手段をそれぞれ有する、三次元プリンタの実施形態を示す。繊維強化複合材フィラメント2(本明細書では連続芯強化フィラメントとも呼ばれる)は、実質的に空隙がなくてもよく、内部の連続した単芯若しくは多重ストランド芯をコーティング又は含浸する、ポリマー若しくは樹脂を含んでもよい。
【0019】
繊維強化複合材フィラメント2は、所定の粘度、結合列の接着力、及び/又は表面仕上げを維持するように、マトリックス材料に対して選択された制御温度まで(例えば、バンドヒータやコイルヒータによって)加熱された導管ノズル10を通して送られる。いくつかの実施形態では、フィラメント2は導管ノズル10を通して引きずられるか又は引っ張られる。
【0020】
導管ノズル10内で加熱され、マトリックス材料又はポリマー4を実質的に溶融させた後、連続芯強化フィラメント2は、連続するレイヤ14を構築して三次元構造を形成するためにビルドプラテン16上に適用される。(i)ビルドプラテン16の位置及び配向、又は(ii)導管ノズル10の位置及び配向の一方若しくは両方が、連続芯強化フィラメント2を所望の位置及び方向で堆積するため、コントローラ20によって制御される。位置及び配向の制御機構としては、ガントリシステム、ロボットアーム、及び/又はH字形フレームが挙げられ、それらはいずれも、構築されている部品のビルドプラテン16及び/又はレイヤ14に対する導管ノズル10の相対位置又は速度を監視する、コントローラ20に対する位置及び/又は変位センサを備える。コントローラ20は、感知したX、Y、及び/又はZ位置、並びに/或いは変位又は速度ベクトルを使用して、導管ノズル10又はプラテン16のその後の動きを制御してもよい。例えば、三次元プリンタ1000は、ビルドプラテン16に対する導管ノズル10の位置若しくは動きを検出する、三つの並進軸及び/又は三つの回転軸いずれかの、変位、速度、若しくは加速度トランスデューサを含んでもよい。(例えば、レーザ)レンジセンサは、導管ノズル10のZ高さ、即ち求められる充填体積を補正して、所望の堆積プロファイルに合致させるために、導管ノズル10の前方の区画をスキャンしてもよい。
【0021】
三次元プリンタ1000は、(i)別個の特徴及び構成要素を構造上に形成するため、並びに(ii)複数の区画及びレイヤにおける堆積材料及び/又は結合列の方向性若しくは異方性を制御するため、堆積プロセスの間に(例えば、テールを形成することなく)連続芯強化フィラメントを切断する、コントローラ20によって制御されるカッタ8を含んでもよい。
図1Aはまた、例えば、100%樹脂FFF押出しを含む部品上の保護コーティング、UV抵抗性又は傷防止コーティングを印刷する、三次元プリンタ1000を任意に用いた少なくとも一つの二次印刷ヘッド18を示している。連結又は合成FFF印刷ヘッド1800の説明を本明細書に見出すことができ、本明細書は一般に保護コーティングに当てはまる。
【0022】
図1A〜1Cに示されるように、被動ローラ42及びアイドルローラ40の上流において、スプール(図示なし)が緩やかな張力下で未溶融の空隙がない繊維強化複合材フィラメントを供給する。フィラメントは、フィラメントのマトリックス材料内を延在する少なくとも一つの軸方向繊維ストランドを含み、マトリックス材料内に実質的にエアギャップを有さない。この例では、繊維強化複合材フィラメント2は、数百又は数千の連続炭素繊維ストランド6Aを含浸させるナイロンマトリックス4Aを含む。
【0023】
被動ローラ42及びアイドルローラ40は、フィラメントの座屈を防ぐ遊び嵌め領域に沿って、ある送り速度(任意にコントローラ20によって可変的に制御可能であり、任意に印刷速度未満であり、また任意に一方向軸受によって吸収される送り速度と印刷速度との間の差分である)で、未溶融フィラメントを送るか又は押し進める。
【0024】
最初に、挿通段階において、溶融マトリックス材料6A及びフィラメント2の軸方向繊維ストランド4Aが、軸方向で圧縮して部品に押し込まれ、ビルドプラテン及び印刷ヘッドを相互に対して並進させると、フィラメントの端部がしごき加工リップ726に接触し、横断方向圧力区域3040で実質的に継続してしごき加工されて、結合列が部品14内に形成される。
【0025】
印刷ヘッド若しくは導管ノズル708又はビルドプラットフォーム16のどちらか若しくは両方を並進させてもよく、例えば、送り速度及び/又は印刷速度は、挿通段階ではフィラメント内の圧縮を維持し、印刷操作では中立から正の張力を維持するように制御される。フィラメント2のマトリックス材料4Aは、(特に、導管ノズル708の壁に粘着する可能性が低いように)非接触区域で加熱し溶融してもよいが、この実施形態では、一般に、しごき加工リップ若しくは先端726で溶融又は液化される。送り速度及び印刷速度は、非支持区域内の圧縮、中立の張力、又は正の張力を維持するように、並びに主にフィラメントに沿って延在する繊維ストランド(一つ以上)内の軸方向の圧縮力又は引張り力を介して、監視若しくは制御されてもよい。
【0026】
図1B及び1Cに示されるように、横断方向圧力区域3040は、フィラメント2を再整形するしごき加工リップ726を含む。このしごき加工リップ726は、フィラメント2を圧密又はプレスして部品の形にし、また、横断方向圧力区域3040内のマトリックス材料4Aを溶融又は液化するために、加熱された壁714から伝導される熱を受け入れてもよい。任意に、横断方向圧力区域3040内のしごき加工リップ726は、溶融フィラメント2を上面上で平らにして、フィラメント2が結合列の形で堆積される際に、しごき加工力を溶融マトリックス材料及び軸方向繊維ストランドに加える。これは、しごき加工リップ726の底部からその下のレイヤの頂部までの高さがフィラメントの直径未満であることを担保することによって、容易にすることができる。別の再整形力が法線反力として部品自体から加えられ、それによって、溶融マトリックス材料4A及び軸方向繊維ストランド6Aがしごき加工されるにつれて結合列が少なくとも二面上で平らにされて、横方向及び垂直方向で結合列を形成する(即ち、しごき加工はまた、結合列を隣接した列にさせる)。しごき加工によって加えられる圧力及び熱によって、隣り合った列への拡散及び繊維の浸透が改善される。
【0027】
未溶融の繊維強化フィラメントは遊び嵌め区域で、又はそれに隣接して切断されるが、ガイドチューブ72(遊び嵌めを有する)と導管ノズル708との間のギャップ62で、導管ノズル708内、例えば非接触区域3030の上流で切断されてもよく、或いは別の方法として又はそれに加えて、芯強化フィラメントは、遊び嵌め区域3010、3020、若しくはしごき加工リップ725のいずれか一つに、又はそれに隣接して位置付けられた、カッタ8によって切断されてもよい。
【0028】
マトリックス材料6Aがしごき加工リップ又は先端726によって溶融された後、送り速度及び/又は印刷速度は、特に結合列の端部において、主にフィラメント2に沿って延在する繊維ストランド4A内の引張り力によって、しごき加工リップ726と部品14との間で複合材フィラメント2の中立から正の張力を維持するように、方向を変える際に新しい隣接した列を反対方向で始めるように、並びに/或いは、例えば横断方向圧力区域3040内の繊維強化複合材フィラメント2を、部品の第1の部分に対する接続部からオープンスペースを横切ってブリッジまで架橋して、次に繊維強化複合材フィラメント2を部品14の第2の部分に再接続することによって、オープンスペースを通るブリッジを形成するように、コントローラ20によって制御することができる。繊維強化複合材フィラメントの実質的に一定の断面積は、遊び嵌め区域、非支持区域、横断方向圧力区域において、また結合列が工作物又は部品14に取り付けられる際に維持される。
【0029】
図1Bは、FFF用の押出し印刷ヘッド1800及び押出しノズル1802、並びに連続繊維強化熱可塑性樹脂堆積用の繊維堆積印刷ヘッド199及び導管ノズル708を備えた、合成(二重)印刷ヘッドの断面を示す。同様の番号が付された特徴は、
図1A及び1Bに関して記載したものと類似している。
【0030】
図1Bを参照すると、印刷ヘッド1800及び199はそれぞれ、プリンタのX、Y電動機構がそれらを一斉に動かすようにして、同じリニアガイド上に装着される。図示されるように、FFF印刷ヘッド1800は、溶融区域又は溶融リザーバ1804を備えた押出しノズル1802と、ヒータブロック及びノズルを加熱するヒータ1806とを含む。溶融リザーバ1804は、加熱ブロックの外部に装着された熱抵抗器1809によって実質的に形成される、高い熱勾配区域1808まで続く。ヒートシンクが熱抵抗器1809を取り囲んで、熱勾配を更に向上させる。熱勾配は、溶融リザーバ1804を、熱抵抗器1809及び/又はテフロンチューブ1811の内部であってもよい未溶融区域1810から分離する。例えばボーデンチューブを通して駆動される、1.75〜1.8mm又は3mmの熱可塑性フィラメントが、溶融リザーバ1804内の押出し背圧を提供する。
【0031】
随伴する連続繊維埋込みフィラメント印刷ヘッド199は、図示されるように、導管ノズル708、複合材しごき加工先端728、及び限定された接触キャビティ714を含み、この例ではそれぞれ、ヒータ715によって加熱される加熱ブロック内にある。低温送り区域712は、剛性材料の毛管状の受入れチューブ、及びノズル708内へと延在する小径(例えば、内径32ミル)のテフロン/PTFEチューブを含む、受入れチューブ64内に形成される。低温送り区域は、この事例ではPEEK絶縁ブロック66a及びヒートシンク66bによって取り囲まれるが、これらは全て任意である。操作の際、繊維埋込みフィラメントの取り付けられていない末端は、例えば高さP1で、低温送り領域内で保持されてもよい。距離P1、並びにカッタから先端までの距離R1は、コントローラ20が本明細書で考察するように繊維埋込みフィラメントを挿通及び前進させることを可能にするため、データベースに保持される。更に図示されるように、コントローラ20は、カッタ8、8A、及びアイドルローラ40に面する送りローラ42に動作可能に接続される。
【0032】
図1Cは、導管ノズル708の概略拡大断面図を示す。
図1Cに示され、また本質的に比例して描写されるように、受入れチューブ64の(この場合、テフロン/PTFEインナーチューブが内径を形成する位置における)内径は、その中に示されるフィラメント2の直径(例えば、13ミル)の約1.5倍から2.5倍(例えば、32ミル)である。末端キャビティ714の内径又は内幅(例えば、40ミル)は、その中に示されるフィラメント2の直径の2〜6倍である。これらは好ましい範囲であり、受入れチューブの直径はフィラメントの直径の1.1〜3倍、末端キャビティの内径はフィラメントの直径の2〜12倍であってもよいと考えられる。末端キャビティは、好ましくは、受入れチューブよりも大きい直径のものである。
【0033】
それに加えて、
図1Cで本質的に比例して示されるように、加熱された複合材フィラメントしごき加工先端726は、部品の上方にフィラメント直径未満の高さで部品に対して動かされて、繊維強化複合材フィラメントが堆積されるにつれてそれをしごき加工して、繊維強化複合材フィラメント内の非弾性の軸方向繊維ストランド(2aと表記)の実質的に楕円形若しくは円形の束を、部品の結合列(2Cと表記)内の非弾性繊維ストランドの実質的に平らにされたブロックへと再整形する。溶融マトリックスフィラメント2を結合列へと軸方向圧縮及び/又は横方向プレスすることによって、最終部品の性質を向上させることができる。例えば、
図1Cは、圧密力、軸方向圧縮、又は側圧62が加えられた複合材繊維強化フィラメント2を示す。軸方向圧縮による圧密圧力及びしごき加工リップによる扁平化によって、実質的に円形断面のフィラメント2aが、直ぐ下のレイヤへと、また第2の実質的に長方形断面の圧縮形状へと圧縮又は再整形される。フィラメント全体は、整形されるにつれて、結合列を形成する(即ち、下方のレイヤ、及び同じレイヤの前の列に結合される)。フィラメント2bは、展開すると共に、内部ストランドが同じレイヤの隣接した結合列2cに入り込み、下にある整形された材料のフィラメント又は結合列2dへと圧縮される。整形フィラメント又は結合列のこのプレス、圧密、又は拡散によって、強化繊維間の距離が低減され、結果として得られる部品の強度が増大する(また、圧力プレート又は真空バギングによる後処理を使用して、複合材レイアップで達成される従来技術に取って代わる)。従って、本明細書で考察する発明のいくつかの実施形態又は態様では、フィラメント2の軸方向圧縮、及び/又は特に、区域3040内のプリンタヘッド70、導管ノズル、若しくはしごき加工リップ508、726、208による物理的なプレスを使用して、堆積材料又は結合列に対して圧縮圧力を直接加えてそれらを横及び/又は下方の列へと展開若しくは圧密若しくは扁平化してもよい。断面積は実質的に又は同一に維持される。別の方法として、又はそれに加えて、本発明のいくつかの実施形態又は態様では、圧力は、印刷ヘッドの後方の後縁圧力プレート、レイヤ全体に対して一度に圧密圧力を加える、部品全体に及ぶ全幅圧力プレートを通して加えられてもよく、並びに/或いは、レイヤ内で樹脂をリフローし、最終部品内における所望量の圧密(壁をまとめ、空隙を低減及び排除する)を達成するように、熱、圧力、又は真空が、印刷中、各レイヤの後、又は部品全体に対して加えられてもよい。
【0034】
図2A〜2Cは、繊維強化複合材フィラメント2をDLP-SLA、SLA、又はSSSと共に適用して構造を構築する際の、三次元プリンタ3001の一実施形態を示す。同様の番号が付された特徴は、
図1Aに関して記載したものと類似している。
【0035】
本発明の一つの実施形態又は態様は熱可塑性マトリックスを使用するが、混合システムが可能である。強化フィラメントは、例えば熱、光、レーザ、及び/又は放射線を使用して、硬化サイクルによって仕上げられたマトリックスを用いてもよい。例えば、連続炭素繊維は、押し出された構成要素が共に粘着するように、部分的に硬化したエポキシ樹脂に埋め込まれるが、完全に固まるのには後硬化を要する。同様に、本発明の一つの実施形態又は態様は、予成形した連続芯強化フィラメントを使用するが、いくつかの実施形態では、樹脂マトリックス及び中実の連続芯を加熱した押出しノズル内で組み合わせることによって連続芯強化フィラメントが形成されてもよい。樹脂が中実芯の連続する周囲を湿潤させることが、多重ストランド芯における複数の境界面に比べて簡単なため、樹脂マトリックス及び中実の連続芯は、境界面に沿って空隙を形成することなく組み合わせることができる。従って、かかる実施形態は、堆積材料の性質を変更することが望ましい場合に、特に役立つことができる。
【0036】
図2A及び2Bは、埋め込まれた繊維の周りにマトリックスを提供するためにステレオリソグラフィ(及び/又は選択的レーザ焼結)を用いる混合システム、即ち、集束させた放射線硬化ビーム(レーザ、UV)を所望のレイヤ構成で掃引することによって液状又は粉末状の連続樹脂をレイヤ毎に凝固させるプロセスを示す。増加した強度、並びに中実材料及び多重ストランド材料の両方を含む連続芯フィラメントの様々なタイプと関連付けられた機能性を提供するため、各レイヤの堆積と関連付けられたステレオリソグラフィプロセスを修正して、所望の位置及び方向で連続芯フィラメントを含む複合材構成要素の構築を可能にする二段階プロセスにすることができる。連続芯又は繊維は、印刷されるレイヤ内の所望の位置及び方向で、樹脂に完全に又は部分的に沈降させて堆積させてもよい。連続繊維を所望の位置及び方向で堆積させた後、隣接した樹脂を硬化して繊維の周りで固める。これは、連続繊維を堆積させる際に行われてもよく、或いは連続繊維を堆積させた後で行われてもよい。一実施形態では、連続繊維を切断する必要なしに、単一の連続繊維を用いてレイヤ全体が印刷される。他の実施形態では、強化繊維は、印刷されたレイヤの異なる区画で異なる配向で提供されてもよい。連続繊維を複数の位置及び方向で堆積させるのを容易にするために、連続繊維は、本明細書に記載するようなカッタを使用して、又は樹脂を固めるのに使用されるレーザによって終端させてもよい。
【0037】
図2Bは、ステレオリソグラフィ又は選択的レイヤ焼結を使用して、プラテン1602上に構築されている部品1600を示す。部品1600は、トレイ1606に収容された液体樹脂(フォトポリマー)材料1604に浸漬されている。部品1600の形成中、プラテン1602を、各レイヤの形成後にレイヤ厚さの分動かして連続的に下に下げて、部品1600を浸漬させた状態に保つ。各レイヤの形成中、連続芯フィラメント1608は導管ノズル1610を通して送られ、部品1600上に堆積される。導管ノズル1610は、連続芯フィラメント1608を、形成されているレイヤ内の所望の位置並びに所望の方向で堆積するように制御される。連続芯フィラメント1608の送り速度は、既に堆積した連続芯フィラメントを妨害しないようにするため、導管ノズル1610の速度に等しくてもよい。連続芯フィラメント1608が堆積されるにつれて、適切な電磁放射(例えば、レーザ1612)が、導管ノズル1610の移動経路の後方の位置1614で、連続芯フィラメント1608を取り囲む樹脂を硬化させる。位置1614と導管ノズル1610との間の距離は、連続芯フィラメントを硬化に先立って液体樹脂内に完全に浸漬させることを可能にするように選択されてもよい。レーザは、ソース1616によって生成され、制御可能なミラー1618によって方向付けられる。三次元プリンタはまた、上述したような連続芯フィラメントの終端を可能にするカッタ1620を含む。
【0038】
任意に、堆積させたフィラメントは、追加の芯材料を堆積させながら、連続芯フィラメントを適切な位置で保持するのに十分な量の固めた樹脂材料である、一つ以上の「仮止め」によって適所で保持される。
図2Cに示されるように、連続芯フィラメント1608は、連続芯フィラメントが図示されないノズルによって堆積される際、複数の離散的な地点1622でレーザ1612によって適所で仮止めされる。連続芯フィラメント1608の一部分又は全体を堆積した後、レーザ1612は所定のパターンに沿って方向付けられて、液体樹脂材料1604を硬化し、現在のレイヤを形成する。上述のシステムと同様に、適切な電磁放射(例えば、レーザ1612)は、ソース1616によって生成され、制御可能なミラー1618によって方向付けられる。材料の残余を硬化して、隣接したストランド間の架橋を最大限にすることができ、例えば、十分な数のストランドがレイヤ上に堆積され、適所で仮止めされると、連続芯フィラメントの堆積されたストランドの方向に垂直なビーズ状で樹脂を硬化してもよい。堆積されたストランドに垂直な方向で樹脂を硬化することで、隣接したストランド間の結合を向上させて、連続芯フィラメントの堆積されたストランドの方向に垂直な方向における部品強度を改善してもよい。レイヤの別個の部分が異なる方向で配向された連続芯フィラメントのストランドを含む場合、硬化パターンは、レイヤの各部分における連続繊維芯材料のストランドの方向に対して垂直又は平行である線を含んでもよい。
【0039】
図3は、中の機構、センサ、及びアクチュエータを制御し、描かれた制御プロファイル及び本明細書のプロセスを行う命令を実行する、三次元プリンタのブロック図及び制御システムを示す。コマンドを受けた三つのモータ116、118、及び120の可能な構成を示すため、プリンタは概略的に示される。このプリンタは、
図1Cに示される印刷ヘッド199、1800の合成アセンブリを含んでもよいことに留意されたい。
【0040】
図3に示されるように、三次元プリンタ3001は、繊維ヘッドヒータ715、繊維フィラメント駆動装置42、及び複数のアクチュエータ116、118、120に動作可能に接続されるコントローラ20を含み、コントローラ20は、フィラメント駆動装置によって、複合材フィラメント2の取り付けられていない末端を、繊維フィラメント駆動装置42としごき加工先端726との間の低温送り区域712内で保持させる命令を実行する。命令は、フラッシュメモリ内に保持され、RAM(図示なし、コントローラ20に埋め込まれてもよい)で実行される。スプレーコートを適用するためのアクチュエータ114も、本明細書で考察するように、コントローラ20に接続されてもよい。繊維駆動装置42に加えて、フィラメント送り1830は、押出し印刷ヘッド1800を供給するようにコントローラによって制御される。任意に合成印刷ヘッド199、1800上に装着され、それと共に移動し、リボンケーブルを介して主要コントローラ20に接続された印刷ヘッドボード110は、特定の入力及び出力を取り出す。しごき加工先端726の温度は、サーミスタ又は熱電対102により、コントローラ20によって監視されてもよく、任意の随伴する押出し印刷ヘッド1800のヒータブロック保持ノズル1802の温度は、サーミスタ又は熱電対1832によって測定されてもよい。しごき加工先端726を加熱するヒータ715、及び押出しノズル1802を加熱するヒータ1806は、コントローラ20によって制御される。それぞれ冷却用のヒートシンクファン106及び部分ファン108は、印刷ヘッド199、1800の間で共有されてもよく、コントローラ20によって制御されてもよい。距離計15もコントローラ20によって監視される。サーボモータ、ソレノイド、又は等価物であってもよいカッタ8のアクチュエータも、動作可能に接続される。印刷ヘッド199、1800の一つ又はどちらかを(例えば、滴下を制御するために)部品から離して持ち上げるリフターモータも制御されてもよい。アクチュエータ116、118、120がそれらの適切な移動範囲の端部に達したときにそれを検出するリミットスイッチ112も、コントローラ20によって監視される。
【0041】
図3に示されるように、別個のマイクロコントローラを含んでもよい追加のブレークアウトボード122は、ユーザインターフェース及びコントローラ20に対する接続性を提供する。802.11のWi-Fi送受信器は、コントローラをローカルのワイヤレスネットワーク及びインターネット全般に接続し、遠隔入力、コマンド、及び制御パラメータを送受信する。タッチスクリーン表示パネル128は、ユーザフィードバックを提供し、入力、コマンド、及び制御パラメータをユーザから受理する。フラッシュメモリ126及びRAM 130は、ユーザインターフェースマイクロコントローラ及びコントローラ20に関するプログラム及びアクティブ命令を格納する。
【0042】
図4は、
図1〜3のプリンタ1000の印刷操作を示すフローチャートを示す。
図4は、連結された機能性として、
図1Cの共通して装着されたFFF押出しヘッド1800及び繊維強化フィラメント印刷ヘッド199を交互に、また組み合わせて使用するように実施されてもよい、制御ルーチンを記載している。
【0043】
図4では、印刷の開始時に、コントローラ20が、ステップS10で、印刷される次のセグメントが繊維セグメントであるか否かを判断し、繊維フィラメントセグメントが印刷される場合はプロセスをS12に送り、例えば基材、充填材、又はコーティングを含む他のセグメントの場合はステップS14に送る。ステップS12は、
図2及び12を参照して詳細に記載される。ルーチンS12及びS14のそれぞれ又はどちらかがセグメントを完了した後、
図11のルーチンは、ステップS16でスライスの完了をチェックし、セグメントがスライス内に残っている場合は、次に予定されているセグメントへと増分し、ステップS18で繊維セグメント及び/又は非繊維セグメントの判断及び印刷を継続する。同様に、ステップS16でスライスが完了した後、ステップS20でスライスが残っている場合、ルーチンはステップS22で次に予定されているスライスへと増分し、繊維セグメント及び/又は非繊維セグメントの判断及び印刷を継続する。「セグメント」は、本明細書で使用するとき、「工具経路」及び「軌道」に相当し、線形の行、道、又は開放型若しくは閉鎖型であってもよい、始まり及び終わりを有する列、線、ループ、曲線、直線などを意味する。セグメントは、印刷ヘッドが材料の連続的な堆積を始めると始まり、印刷ヘッドが堆積を停止すると終わる。「スライス」は、3Dプリンタで印刷される単一のレイヤ又は薄層であり、スライスは、一つのセグメント、多数のセグメント、セルの格子状充填材、異なる材料、及び/又は繊維埋込みフィラメントセグメントと純粋なポリマーセグメントの組み合わせを含んでもよい。「部品」は、部品を構築する複数のスライスを含む。
図12の制御ルーチンにより、
図1Cの合成印刷ヘッド199、1800を含み、
図5の両方のタイミングアプローチを使用した、二つの異なる印刷ヘッドによる二重モード印刷が可能になる。
【0044】
図5は、
図1〜3の、かつ全体を通して記載するようなプリンタを制御するように協働する、システム内のデバイス及び関連するデータベース、データ構造、制御メッセージ、及びファイル形式を含む、三次元プリンタシステムのブロック図を示す。
図6は、データタイプ及び操作がデバイス間で関連付けられ通信される、呼出し関係図を示す。
【0045】
図5及び6に示されるように、3Dプリンタ1000を使用して部品を構築するために、プロセスは通常、データ構造(様々な部品「PRT」を含むアセンブリ「ASSY」を備えた描画コンテナDWGを有する「ファイル」802)によって表される対象の部品(「PRT」)に対応する立体モデルから始まるが、所望の部品のポリゴンメッシュ(
図3のSTL 902)から始まってもよい。
図5及び6に示されるように、立体モデルは非一様有理bスプラインNURBSデータによって表されてもよく、これは、ワークステーション、サーバ、又は仮想化/クラウドサーバ2000のCADプログラムによって格納され処理され、ファイル又はデータ構造によって、同じ若しくは異なるワークステーション、サーバ、又は仮想化/クラウドサーバ2000のメッシュ化プログラムに通信されてもよい。加法的製造に向けたレイヤへの分割に最も影響を受けやすいデータ構造の一つは、形状ファイル(例えば、STL、OBJ、PLY、AMF、若しくはWRLファイル)として格納された、エッジ、面、及び頂点を有するセル又はポリゴンの表面メッシュである。本明細書で使用するとき、「形状ファイル」及び/又は「STL」902は、表面メッシュ、及び表面メッシュ化以外の技術(例えば、「NURBS」定義)を使用するCAD立体モデル表現の両方を包含するデータ構造(グループ或いはファイルを含む)を意味するのに、包括的かつ交換可能に使用される。
【0046】
3D印刷に備えて、形状ファイルは、予期されるビルドプラテンに平行な方向で、一群のスライサルーチン904(
図5及び6に示されるように、ワークステーション、サーバ、又は仮想化/クラウドサーバに常駐する)によって「スライス」されて、一連のレイヤ又は薄層(「空のデッキ」906)を作成する。-形状ファイルを受け入れる。形状ファイルは、通常は材料定義を有さず、個々の薄層はそれぞれ、最初は均質又は等方性の材料特性のものとして処理される。或いは、形状ファイル902の一実施形態は、形状ファイル内における三次元位置に従って異なる材料特性を指定する、マーカー、境界、サブ形状、分割、境界条件などを含んでもよい。
【0047】
続いて、各レイヤに対して、材料の堆積、硬化のためのレーザ若しくはランプ若しくはプロジェクタの集束、凝固、又は別の形での適用に関してアクチュエータを制御するため、工具経路(「レイヤ及びスライス」1002)が経路プランナ1004によって計算される。
図5及び6に示されるように、工具経路生成部も、ワークステーション、サーバ、又は仮想化/クラウドサーバに常駐している。本考察では、「工具経路」は、空間を通した工具の移動、並びにミラー及びレンズを用いて「移動させられる」純粋な電磁経路(例えば、光学、放射)の両方を包含する。工具経路は、例えば、薄層形状のある部分に達するために、又はレイヤの異なる部分(例えば、壁、内周、充填材)に対する規則セット1006を観察するために、より大きい若しくは小さい堆積ヘッドが必要な場合、レイヤの周囲をアテンションの異なる範囲へと細分化してもよい、等高線内に配置されてもよい。工具経路は、様々な等高線を完全に網羅するアプローチのため、オフセット、スケール、及びセルの分解を決定する、内部アルゴリズム毎に生成される。あるパラメータ制御が規則1006に適用されてもよい(例えば、外周形成規則に対して、堆積されたプラスチックの調節可能な1〜5層の厚さ)。
【0048】
FFF工具経路は、押出し幅(ノズル径、構造表面からのノズル高さ、及び押出し速度に関連する)を含む変数を有してもよい。加法的製造における他の堆積工具経路は、個々のプロセスの理化学に同様に関連する変数を有してもよい。
【0049】
図5及び6に示されるように、カスタマイザルーチン2008(自動化及び手動編集の一方若しくは両方を可能にする)により、生成された工具経路、領域又は副等高線、等高線、レイヤ、及びメッシュに対する変更が可能にされてもよい。一部のカスタム化は、再経路指定のみを要することがあるが、他のものは新しい領域を作成することがあり、他のものは新しい形状モデル区画を作成することがあり、これらの変更は、ユーザによって入力されたとき行われてもよく、又はバッチ化されやり直されてもよい。任意に、全てのカスタム化が行われた後、プロセスは一番最初の実施段階に戻されて、再メッシュ化、再スライス、又は再経路指定のために全ての変更が保護される。
【0050】
3Dプリンタ2000に送られると、工具経路は、従来的に「Gコード」ファイル又はストリーム1102と呼ばれる、作動のための命令ファイルを作成するのに使用される。工具経路を生成する工具経路生成部2006は、工具経路を機械固有のコードへと解釈することによって、Gコード生成部2010としても役立ってもよい。Gコードは、開始及び終了時間、制御又はコマンド変数(例えば、モータの速度、ヒータの電流)などを全て含めて順序付けられて、ジョブを完了するのに十分なようにアクチュエータ命令を配列する。Gコード1002のファイルは、プリンタ自体の物理的配列に依存するので、一般的にはプリンタ固有である。
【0051】
スライスし、次に工具経路を生成し、次にGコードを生成するというこのプロセスは、従来の加法的又は減法的製造のどちらに使用されるかにかかわらず、埋込み及び/又は強化連続若しくは半連続繊維の固有の特性、即ち応力、歪み、熱伝導率、荷重及び支持方向に固有の設計などを含む異方性特性を、何ら提供することを含まない。
【0052】
図5及び6は、全体を通した基準用語とする目的で、隣接したステップとそれぞれ任意に組み合わされる、データ構造における一連のステップを示す。
図5及び6に示されるように、CAD形状ファイルに格納されるような基準部分は、外壁、上方に面する「床」、及び下方に面する「天井」、内部の「屋根」、内部の貫通穴、及び内部の「立体」空間の定義を含む。
【0053】
図5及び6に示されるように、STLに変換されると、3Dデータ構造は外周のみを定義する形状メッシュへと転換されるが、より複雑なCAD表現の特性を全て保持している。上述したように、メッシュ表現は「スライスする」のがより簡単なので、これは任意である。不完全であるか、非「水密」であるか、又は非多様体のSTLは、全ての頂点が適切に接続されるが、メッシュとしての表現が本質的に同様のままであるように修復されてもよい。
【0054】
図5及び6に示されるように、STLを「スライスする」ことは、一緒に行われる場合が多い二つの概念的ステップを含む。最初に、高さの増分それぞれにおいて、予期されるビルドプラテンの配向に平行にSTLを通る断面を取らなければならない。次に、堆積ヘッドがスライスの外周及び内周に沿って材料を堆積し、また内部構造(充填材など)があればそれを作成するように、必要な工具経路がGコードとして表現される。工具経路及びGコードは、これらのステップが統合されるように、各スライス操作において生成されてもよい。この考察の目的のため、断面スライスが取られ、均一な材料充填のために経路計画及びGコードが生成される、統合されたステップの集合として「スライス」について考察する。
【0055】
図5及び6に示されるように、スライス操作は、外部及び内部の側壁(例えば、各々三つの熱溶解ポリマーの行)を取り囲む工具経路を特定し使用し、内部体積をセル又は格子構造で充填し、低速の印刷速度で、天井、床、及び屋根を形成し、印刷サイクル中に使用される仮支持構造を作成する。それに加えて、起点から印刷開始、印刷停止まで工具を動かし、フィラメントを供給及び撤回して押出しの開始及び停止を行う工具経路が作成される。
【0056】
図7は、経路プランナ、即ち
図5及び6に示される、スライス、等高線、副等高線(領域)、及び経路の生成部及びプランナの、操作全体を説明するフローチャートである。
図7の繊維経路プランナは、この場合は「スライスドスタック」又は「空のデッキ」と呼ばれる、レイヤの「スライスド」データベースをスライサから入力として受信する。このスライスドスタックのデータベースは、レイヤ毎の、位相情報(従来の右手の法則によって立体若しくは穴として定義される、等高線)、及び/又は工具経路情報(軌道)、メタデータ、及び/又はGコード若しくは等価物の形態であってもよい。例えば、部分集合の一つの形態は、等高線の形状のみを含む、「SLC」ファイル形式又は等価物を含む。拡張集合は、STLファイル、又はSTLファイルから認識された分析若しくはパラメータ(例えば、Gコードの貫通穴を生成するコードセグメントが共有する、その貫通穴に対するラベル)を含むことができる。
【0057】
従来の加法的製造及び従来の減法的製造のどちらか又は両方とは、繊維経路プランナが、個々のレイヤ又はスライスと、好ましくは同時に多数と連動するという点で区別される。従来の加法的製造の場合、スライスソフトウェアである。
【0058】
印刷される3D部品上における第1のパスに対する最初の入力は、再経路指定することができるレイヤ毎の繊維経路生成がまだ行われていない場合、「スライス及び等高線」であることに留意されたい。本開示の任意の目的は、3Dモデル形状ではなくレイヤのデータベース上における再経路指定を続いて取り扱い、それによって、変更すべき等高線及びレイヤのみを再経路指定することである。しかしながら、本開示は更に、いくつかの状況では、初期の段階から再経路指定することは(例えば、レイヤ別レベルに加えて、又はその代わりに、領域レベルで対応させたブール演算及び/又はパラメータ演算にとって)有益であり得るものと想到する。
【0059】
通常の加法的製造のために工具経路を作成するプロセスは、従来は再経路指定を要さず、一つ又は二つの隣接したレイヤ以外に対する比較も従来必要ではないことに留意されたい。工具経路/Gコードはプラテンの仮定から構築され、材料は同じ位置で二度は押し出されず、また、多重材料又は多重部品のSTLの場合であっても、構築の方向とは反対のZ方向で工具を後退させる必要はない。変更が行われた場合、新しい工具経路を生成するプロセスは、一般に、CADで部品を作り直し、新しいSTLを作成し、形状ファイル(STL)全体を再スライス/再経路指定することである。
【0060】
しかしながら、繊維の配置を含めて、印刷される部品の内部構造を編集するためには、経路プランナによって行われる繊維配置の手動若しくは新しい自動の変更に適応するか、又は異方性材料を提供することなくCADシステムで設計される部品内における強化繊維の設計の自由度を提供するように、工具経路生成の少なくとも一部の操作が繰り返されるのが好ましい。
【0061】
従って、後述するように、
図7のプロセスはそれ自体の出力を入力することができ、即ち、
図7のプロセスは、レイヤ及び等高線のみを有するデータセット、並びに工具経路生成部によって生成され、カスタム化において修正される「スライス、等高線、領域、及び工具経路」のセットの両方を、分析し変更するように意図されており、そのようにするのが有益であり得る場合がある(例えば、増分的プロセスが相互依存性である場合)。
【0062】
ステップS750で、プロセスは、メッシュ前処理ステップにおいて、面の正常配向の修正、自己交差、非多様体形状及び多様体エラー、いずれのエッジにも付随しない頂点、付随する三角形がないエッジ、二つを越える付随する三角形があるエッジ、非ディスク状の近傍がある頂点、分断された、又は望ましくないハンドル、トンネル、構成要素、若しくはキャビティ、誤った穴又はキャビティ、(ほぼ)ゼロの面積を有する三角形のうちの少なくとも一つを含む、様々なエラーに対してSTLファイルを修正する。技術は、所定の距離内の頂点を統合すること、隣接した境界エッジを統合若しくは縫合すること、重なり合うパッチを切り取り、次に統合すること、頂点の挿入によって穴を充填すること、メッシュをポイントクラウドに変換し、再メッシュ化することを含む。このステップは、各頂点及びエッジが固有的に定義され、定義された頂点及びエッジから面が生成される、単純化されたより堅牢なメッシュを生成してもよい。
【0063】
ステップ752で、プロセスは、(前処理又は修正された)形状(例えば、三角形)メッシュをスライスして、レイヤ、階層、又はスライス(これらの用語は交換可能に使用される)にする。技術は、全ての三角形又は近接した三角形群を交点に関する全ての切断面に対してチェックすること、全てのエッジを交点に関する全ての切断面に対してチェックすること(掃引面スライシング)、又は交点に関する全ての面を、各三角形を表す間隔を用いてチェックすることを含む。これにより、固定高さ又は可変高さ(どちらかが特定のスライスに対するメタデータとして記録されてもよい)の二次元スライスのセットが生成される。固定又は可変高さは、目標の3Dプリンタによって印刷可能な任意の厚さ/分解能、例えば0.02インチ(0.51mm)、0.01インチ(0.25mm)、0.005インチ(0.13mm)、0.001インチ(0.025mm)、0.1mm及びそれらの倍数、又は更にはレイヤ間若しくはレイヤ内挿入に有用なより低い厚さ/分解能のものであってもよい。各スライスは、少なくとも一つの凸状の等高線(例えば、外周)を含み、一つ以上の凹状の等高線(例えば、一つ以上の穴)を含んでもよい。凸状の等高線はまた、例えば、周囲がそれ自体に触れて(共に溶融して)ループ状になって穴のプロキシを作成するように指定することによって、穴に対するプロキシを作成してもよい。
【0064】
ステップS754で、プロセスは、自動化された等高線及び工具経路に対して選択されたFFF及び繊維印刷のためのデフォルト規則の状態を目録に記入し、選択されたデフォルト規則に対して操作の順序を設定する。かかる規則の例示的な状態が
図20及び21に示され、それを参照して記載される。規則の操作順序は、線形的であるか、再帰的であるか、又は別の形で配列されてもよい。操作の所定の全体的順序は、全ての可能な操作を相関させてもよい。規則の変更(例えば、規則の変更若しくは追加若しくは削除)は、プロセス中の任意のときに、中断、トリガ、コミットなどによって、変更に適応するようにステップS755(入力点「A」)でプロセスを再開してもよいことに留意されたい。ユーザは、ステップS756を最初に実行する前に、これらのデフォルト規則を修正する(例えば、ステップS760にスキップする)機会を与えられてもよい。
【0065】
特定の規則の操作に対する内部等高線又は領域の作成、又はその中での特定の内部設計構造の適用は、規則若しくは設計の操作前、後、又は最中に行うことができることに留意されたい。一部の規則は、それらが動作する際の境界の定義により影響を受けやすく(例えば、等高線に追随する充填)、他の規則は、特定の周囲を用いた作業により影響を受けやすく(例えば、ハニカム若しくは三角形などのパターン化された充填)、更に他の規則は、求められる境界等高線をそれらの定義の一部として含めることにより影響を受けやすい(例えば、穴を補強するパターン、インサートを補強するパターン)。
【0066】
ステップS756で、プロセスは、レイヤ毎に操作の順序に従って規則セットを適用して、新しい依存性の凸状及び/又は凹状の等高線として、副等高線を、即ち凸状の等高線内の二次元位相の部分範囲及び/又は穴を決定する。やはり、凹状の等高線は穴を形成してもよく、又は凸状の等高線は穴に対するプロキシを形成してもよい。それに加えて、凸状の等高線は規則セットによって、所望の経路指定又は繊維若しくは材料の充填をトリガするか又は強制するように作成されてもよい。副等高線は、囲まれた又は隣り合った等高線と一致する周囲を有してもよく、凸状の副等高線はレイヤ内の穴の壁を形成してもよい。
図8A及び8Bは、副等高線生成に関する更なる詳細を含む。
【0067】
ステップS758で、プロセスは、等高線毎に操作の順序に従って規則セットを適用して、一つ以上の繊維配置工具及び一つ以上の材料堆積工具に対して、繊維又は材料を充填するための所望の工具経路、並びにそれらの間の遷移を生成する。全ての経路が生成されると、最初の印刷手順が完了する。この時点で、工具経路はGコードに翻訳されてもよく、部品が印刷されてもよく、(例えば、カスタム化プロセスの開始時に)工具経路状態又は部品を検査及び/又は印刷する機会がエンドユーザに提供されてもよい。
【0068】
本明細書で考察するとき、セグメント、工具経路、又は経路は、軌道及び等高線のシーケンスである。軌道は経路コマンドの接続されたシーケンスである。工具経路コマンドは、ラインセグメント及び部分楕円アーク、及び任意にベジエ曲線セグメントを含んでもよい。各経路コマンドは経路座標を有してもよく、一対の経路座標は制御点であるX、Y位置であってもよい。等高線は、始点及び終点が同じである閉じた軌道である。工具経路は、(例えば、堆積印刷ヘッドによって、レーザ若しくはUV硬化によって、フラッシュDLP硬化によって)実行されるか、又は経路を「往復する」ことによって(例えば、検査パネルに表示するように)レンダリングされる。ツールヘッドの場合、「往復運動」は、軌道の接線方向に直交する軌道に沿って移動する軌道上で心出しされた固定長の堆積によって、掃出の際に材料を堆積すること又は材料を硬化することであってもよい。往復運動は、面積単位であるか又は蓄積されてもよい(全面積が工具経路としてのDLPによってフラッシングされてもよい)。
【0069】
本明細書で考察する工具経路のオフセット又は等高線工具経路に関して、非ベジエ基本経路に対するオフセット生成、及びベジエ(例えば、三次若しくは二次制御点)基本経路に対するオフセット往復運動を使用して、平行な又はオフセットされた工具経路が作成されてもよい。任意に、ベジエ経路に対するオフセット往復運動のレンダリングが困難なことがあるため、FFF材料又は繊維経路は非ベジエ近似であってもよい。分解能に依存しない経路レンダリングは、物理的な連続繊維経路の工具経路及びオフセットを計算するためであっても、GPU加速経路レンダリング(例えば、OpenVG)のベクターグラフィックスライブラリを介することによって行われてもよい。
【0070】
ステップS760で、プロセスは、完成した工具経路及び印刷手順のレイヤ毎、等高線毎、及び/又は経路毎のカスタム化を可能にする。各タイプのカスタム化のように、カスタム化プロセスは任意である。
【0071】
図8A及び8Bに示されるように、副等高線(若しくは「領域」)、及び場合によっては工具経路は、優先順又は選好順でレイヤ毎に生成される。グローバル規則は、直接のユーザ変更(実際の設計決定)又は間接的なユーザ変更(設計決定の結果)によって打ち消される傾向が最も高いので、任意に選好順位が最も低いものである。
【0072】
図8Aのプロセスは、最初と後の編集段階との両方で実施される。最初のパスでは、繊維経路又は領域/副等高線のユーザ変更は記録されていないので、最優先順位で処理する、ユーザ編集された繊維経路又は副等高線はない。この最初のパスでは、最優先順位はグローバル規則であってもよい。
【0073】
処理された規則の各セットの中で、より高い優先順位の規則は、工具経路及び/又は領域を定義された後で、一般に、次の優先順位の規則セットが処理される際に保護される。矛盾がある場合、警告がユーザに与えられ、名目上優先順位が低い規則の優先順位を上げる機会を与えられてもよい。優先順位スタックも操作の順序と考えられることがある。故障モード規則が破られない限り、より優先順位の高い動作はその後の動作によって任意に妨害されない。
【0074】
実際の優先順位はインプリメンテーションに依存することがあるが、一つのインプリメンテーションでは、規則の一般的な順序は、故障モード規則(例えば、プラテン若しくは工具ヘッドの限界、特定の材料の支持されないスパンの限界など)、工具経路規則、次に副等高線規則、次にレイヤ規則、次にグローバル規則である。各ステップにおいて、直接の編集は、好ましくは、(任意の)故障モード規則に違反しない形でのみ許可されるか又は許可された(例えば、別の故障モード規則は、例えば長さ1cm未満、若しくは材料の性質として指定される他の長さを延在することができる、等方性充填材料の支持されないスパンであってもよい)。
【0075】
ステップS850で最初に、工具経路が編集された任意のレイヤにおいて、工具経路がユーザによって直接編集されるか若しくは編集された任意の手動又は自動操作が、最初に関連する工具経路(及び任意の従属性)をプロットし、次に工具経路が占めるエンベロープを定義し、エンベロープを領域又は副等高線として保護することによって処理される。工具経路編集操作の一例は、工具経路を定義する曲線の基準点又は通過点の位置を変更することである。
【0076】
任意に後に続くステップS852では、全てのレイヤの中で、ステップS850で保護された領域又は副等高線は、ここでは「使用禁止」である。副等高線がユーザによって直接編集されるか若しくは編集された、手動又は発見的操作は、領域又は副等高線を保護することによって処理される。工具経路は後で生成されてもよい。副等高線編集操作の一例は、複数のレイヤを通して延在する空隙容積(例えば、オーバーモールドされる立体モデル)を指定することである。
【0077】
任意に後に続くステップS854では、レイヤ規則(即ち、レイヤ全体に対して設定されている規則)が処理される。先のステップで保護された領域又は副等高線は、ここでは「使用禁止」である。レイヤがユーザによって直接編集されるか若しくは編集された、手動又は発見的操作は、レイヤの残りの全ての領域又は副等高線を保護することによって処理される。工具経路は後で生成されてもよい。レイヤ編集操作の一例は、繊維充填材が、工具経路、副等高線、又は別の方法としてグローバル規則によって繊維レイヤとして定義されていない、特定のレイヤに対して使用されることを指定することである。
【0078】
ステップS856で、グローバル規則(即ち、部品全体に対して設定されている規則)が処理される。一般的なグローバル規則は、
図8Cの優先順位スタックに示されており、例えば、壁厚の優先順位が最も高く、充填材の優先順位が最も低い。一部及び全てのグローバル規則は、任意に又は代替的に、他の規則よりも優先してもよい。
【0079】
図9は、異なるタイプのグローバル規則が実行されるフローチャートである。上述したように、
図9は、スライス及び経路計画プロセスの他のルーチンの後に(若しくはより低い優先順位で)行われてもよいが、ユーザに対して、任意のカスタム化が行われる前又はプロセスの前に、
図9でデフォルト及びグローバル規則を処理した結果が提示されてもよい。上述したように、壁、床、屋根、繊維充填領域、例外充填領域、又は面積充填領域で、繊維若しくは他の第2の材料を堆積させる、後の経路、領域、レイヤ、又は体積のカスタム化は、任意に(例えば、パラメータによって設定されて)広域的な壁厚設定を打ち消してもよく、連続する工具経路生成はそれぞれ、名目上保護されている各レイヤの領域対後の工具経路生成を定義する。
【0080】
ステップS8560で、
図9のプロセスは、壁厚に対するデータベース設定を指し、部品の壁に対応する工具経路を生成する。壁は、等高線、副等高線、又は領域の周囲であってもよい。一般的なグローバル設定は、2〜4の結合列によるものであってもよく、内壁(穴)及び外壁(シェル)は異なるグローバル又はデフォルト設定を有してもよい。
【0081】
ステップS8562で、ルーチンは、設定パラメータ(例えば、1〜5レイヤのうちのいずれかのデフォルトの3レイヤで、又は厚さ可変のレイヤに対する厚さとして、独立して設定可能)に従って「屋根」及び「床」を生成する。屋根は「上」(即ち、レイヤが構築される方向)に面する外表面であり、床は「下」(上の反対)に面する外表面である。
【0082】
ステップS8562で、ルーチンは、
図10〜11Cに関して本明細書で考察されるグローバル規則に従って繊維充填を生成する。
【0083】
図10は、
図9の規則処理に対する例示的なオンスクリーン部品レンダリング及び論理構造を示す。ビューパネル1002は、メモリ又は他のデータベースで保持された形状ファイルのオンスクリーンレンダリングを含む。ビューパネル1002でレンダリングされた形状ファイルは、異なる視界(例えば、等角、斜視、直交)で、及び/又は異なる区画で、及び/又は中にレンダリングされたレイヤ、等高線、領域、若しくは工具経路を有して若しくは有さずに示されてもよい。例としては、
図10に示される等角モデル、
図11Aに示されるレイヤの分解組立図、
図11B及び11Cに示されるレイヤ番号制御スライダを有する「一度に1レイヤの」平面図が挙げられる。各視界で、閉塞された工具経路若しくは表面が隠されるか又は表示されてもよく、レンダリングされた線又は表面は、ユーザによって設定されるような選択的な色及び透明度でレンダリングされてもよい。等高線、領域、レイヤ、充填材、材料、及び特性に対応する他のメタデータは、輪郭の形でレンダリングされ、及び/又はユーザによって設定されるような選択的な色及び透明度で強調されてもよい。
【0084】
選択パネル1004は、メモリ又は他のデータベース(例えば、
図20及び/又は21に示されるような)に格納されたコマンドフラグ、アレイ、及びリストに対応する、ユーザインターフェース要素のセットを含む。本明細書に開示されるように、データ構造の考察において別個に特に開示されるか否かにかかわらず、オンスクリーンレンダリングはそれぞれ、視界をレンダリングするのに必要な、本明細書で考察されるデータ構造に対応し、ビューパネル及び選択パネルのユーザインターフェース要素はそれぞれ、特に詳述されるものと同様の形態でデータベースに保持された、それぞれのフラグ、アレイ、又はリストに対応する。
【0085】
経路プランナに利用可能であり、またビューパネルの表示レンダラー及び選択パネルの制御レンダラーにも利用可能である、各レイヤに対する経路計画を制御する例示のグローバル規則が、ビューパネル1004に示される。ビューパネル1004でレンダリングされる特徴に対する番号付けは、それぞれがデータ構造定義操作として関連し、規則セット及び優先度に従ったプロセス制御によって部品が作成され変更され、変更の結果がユーザに対して表示されるので、
図10(ディスプレイ)、
図9(プロセス制御)、
図20及び/又は21(規則セット及びデータ構造)のいずれかを参照してもよい。いくつかの利用可能な選択が
図10に示されていないが、これらは利用可能なビューパネルに現れるであろう。例えば、ユーザは、内側及び/又は外側の壁若しくはシェルを形成する結合列の厚さ及び/又は数、床及び/又は屋根の稠密若しくは水密の充填材に対する結合レイヤの厚さ及び/又は数、オーバーハングを印刷するのに剥離可能及び/又は立体の支持体を使用するか否か、並びに/或いは重量低減のための内側範囲の充填材の充填パターン(三角形、六角形、正方形、セル状)を選択して(また、それによって経路プランナが実行して)もよい。一般に、構成ファイル(例えば、レイヤ厚さ及び/又は結合行幅)、曲線、屈曲、又は外壁/内壁に対する可変の送り速度、ニートプラスチック若しくは繊維に対する架橋(支持されないスパンの印刷)長さ、或いはスパー(単壁区画)の印刷に対する制限を提示することによって、更に多くのパラメータが設定されてもよい。
【0086】
図10に示されるように、グローバルレベルでは、ユーザは、「繊維を使用する」ことをパラメータP02として選択してもよく、「使用」設定によって、グローバル、経路、レイヤ、及び領域の繊維強化が可能になり、「繊維なし」設定は全ての繊維強化を抑制し、「カスタム」設定によって、経路、レイヤ、又は領域が決定された繊維強化のみが可能になる。ユーザは、グローバル繊維操作(任意に、あらゆる経路、レイヤ、又は領域設定に対する最初の設定になる)に関して、パラメータP06を直接隣接した繊維レイヤの数として、またパラメータP08を直接隣接した繊維シェル若しくは列の数として指定してもよい。ユーザは、パラメータP04を繊維のタイプ(例えば、炭素繊維、アラミド繊維、又はガラス繊維)として設定してもよい。
【0087】
規則セットの操作を受け入れ、最終的に印刷される、
図10に示される例示のモデルM01は、大きい補強用円形マウントによって取り囲まれた多角形の穴/スプラインを含むトルク伝達機構F02と、より小さい補強用円形マウントによって取り囲まれた円形の貫通穴を含む滑り嵌め機構F04と、二つの機構F02及びF06にまたがるアーム機構F06とを含む接続ロッドである。「またがる」とは、本明細書では、一つ若しくは二つの特徴の横方向又は長さ方向の大きさを越えて延在することを意味し、例えば、スパン長さF08は、穴機構F02及びF04のエッジを越えて延在し、外側のエッジ間の長さよりも長い。
【0088】
グローバルレベルで設定されてもよい詳細設定は、また、(i)クロスオーバが所望に応じて区域内に集中するか又は拡散されるように、隣接したレイヤに関して隣接したオフセット間のクロスオーバ群の位置を移動させる、繊維クロスオーバのセットに対する偽/稠密/希薄な移動又はスタガに対するパラメータ、(ii)繊維クロスオーバの好ましい位置に対する曲線/直線のパラメータ、或いは(iii)部品の周囲又は中心に繊維を集中させるための、より高い又はより低い慣性モーメントに対するパラメータを含んでもよい。
【0089】
図11A〜11Cは、オクルージョンを任意に処理し、特定の機構のタイプを表示及び隠ぺいしている、等高線、副等高線、及び工具経路の2D定義(任意で3Dで表現される)をスクリーンにレンダリングすることによって生成される、ビューパネル1002上の例示的なディスプレイを示す。
図11A〜11Cでは、また本明細書に記載される類似の表現では、領域/副等高線は点線で、繊維工具経路はグレイスケールのより幅広の線で、またマトリックス又は樹脂充填工具経路は(クロスオーバを表す、繊維工具経路間を延在する短いセグメントを除いて)実線で示されてもよい。場合によっては、工具経路は、(例えば、ハニカム、三角形、又は他の三次元の疎充填に関する)樹脂/材料充填材又は繊維のいずれかを表してもよい。
【0090】
図11A〜11Cはまた、
図10(表示)、
図9(プロセス制御)、
図20及び21(規則セット及びデータ構造)の操作によって生成される工具経路に対応する。等高線、副等高線、及び工具経路によって定義されるように、印刷されるように最初は構成される例示的な部品は、経路生成部に対するスライスのレイヤ定義、ビューパネル上の表示、等高線、副等高線/領域の定義、並びに工具経路の部分集合の定義を表す。
図11A及び同様の図では、「X」による表記は、レイヤがその回数(場合によっては、補完的なレイヤパターンのサイクルを通して)繰り返されることを示し、例えば、「90x」は90の隣接したレイヤがセットを形成することを意味する。
【0091】
場合によっては組み合わせて使用されてもよく、部分手順を有してもよい繊維強化手順としては、同心内向き、犂耕体(オックスロー(ox rows))、同心外向き、又はサンドイッチパネルが挙げられる。
【0092】
同心充填は、レイヤの領域の外周から80〜105%(好ましくは85〜99%)の繊維幅オフセットを最初に得ることによって、レイヤ内で行われる。即ち、オフセットは、配置されるような繊維幅の80〜105%(好ましくは85〜99%)である同心経路を形成する。一つの有利なグローバルに設定される領域は、シェル又は壁厚領域(例えば、1〜3結合列の厚さ)に隣接した非壁領域である。繊維は、同心の繊維充填オフセットの中心を往復するように堆積ヘッドを制御することによって堆積される。オフセットがループすると、S字形のクロスオーバによって繊維が隣り合ったオフセットへと配置される。同心充填は、特に屈曲及び伸張に適しており、効率的であり(巻回が少ない)、並びに本来的に強力である(繊維分離によって、より多くの力が繊維長さに沿って伝達され分配されることがない)。グローバル設定として、同心繊維充填は、床及び/又は屋根に隣接するように、並びに/或いは部品の頂部及び/又は底部から設定されたレイヤ数に設定されてもよい。同心充填は、その方向が部品の周囲に応じて決まるので、特定の配向を有さなくてもよい。任意に、同心充填アルゴリズムが他の手順に対して(例えば、周囲の穴若しくは補強のための穴スプラインに対して)使用されてもよい。上述したように、他の設定を組み合わせて使用して、例えば、レイヤ間のクロスオーバを移動させ、クロスオーバを特定の位置に位置付け、又は同心充填パターンを繰り返すか若しくは変動させることができる。
【0093】
オックスロー充填又はラスタ充填は前後の列で行われる。その全体を参照により本明細書に組み込む米国特許第6,934,600号は、ナノチューブ含浸三次元印刷のためのラスタ充填の様々なインプリメンテーションを開示している。オックスロー充填は、列の配向(例えば、長さ方向、幅方向、又は特定の角度)及び領域を指定することによって行われる。一つの有利なグローバルに設定される領域はやはり、シェル又は壁厚領域に隣接した非壁領域である。配置されるような繊維幅の80〜105%(好ましくは85〜99%)オフセットされた平行な直線の行は、領域を並んで横断して計算される。堆積ヘッドの先端に十分に近付いてカッタを利用可能である場合、繊維は各巻回で切断されてもよい。しかしながら、犂耕体経路は任意である。犂耕体経路は、オフセットと同じ直径の180度湾曲した繊維経路によって、又は二つの直角のおり重ねられた経路(交互であってもよい)によって、最終行で接続することができる。繊維はやはり、同心繊維充填オフセットの中心を往復するように堆積ヘッドを制御することによって堆積される。オフセットがループすると、S字形のクロスオーバによって繊維が隣り合ったオフセットへと配置される。グローバル設定として、オックスロー繊維充填は、床及び/又は屋根に隣接するように、並びに/或いは部品の頂部及び/又は底部から設定されたレイヤ数に設定されてもよい。オックスロー充填は、充填方向の累積強度を増加させるため、又は二つ、三つ、四つ、若しくはそれ以上の変動する方向の任意若しくは所定のパターンを提供して、多方向強度を増加させるため、充填の方向を実質的に繰り返すように設定されてもよい(例えば、90-90は二つの隣接した90度の垂直なレイヤを、60-60-60はそれぞれ60度回転させた三つの隣接したレイヤを、45-45-45-45は強化用の十字に交差するレイヤの繰り返すパターンに追随する四つのレイヤを表す)。
【0094】
この点に関して、複合材の連続するレイヤは、従来のレイアップと同様に、0°、45°、90°、及び他の所望の角度で置かれて、複数方向で部品強度を提供し、強度重量比を増加させてもよい。コントローラ20は、一つ以上の特定の方向及び位置において軸方向で整列させて、強化繊維を堆積させるように制御されてもよい。強化繊維の軸方向整列は、レイヤ内の一つ以上の個別の区画に対して選択されてもよく、また個々のレイヤに対して選択されてもよい。例えば、
図18に示されるように、第1のレイヤ1200は第1の強化繊維配向を有してもよく、第2のレイヤ1202は第2の強化繊維配向を有してもよい。それに加えて、第1のレイヤ1200内の、又は他の任意の所望レイヤの第1の区画1204は、同じレイヤ内の第2の区画1206、又は他の任意の数の区画とは異なる繊維配向を有してもよい。
【0095】
同心繊維の外向き充填は、(i)繊維ループが、裏返しではなくまたがる機構又は部品の周りでエンベロープによって形成される内周からオフセットされるという点で、同心充填と区別される。そうでない場合、当業者には理解されるように、同心充填に関する説明が当てはまる。充填は、取り囲まれる内部領域を最初に決定することによって、例えば、囲まれる二つの機構の周りのエンベロープを最初に得ることによって、レイヤ内で行われる。オフセットは、エンベロープの外周から80〜105%(好ましくは85〜99%)の繊維幅で生成される。繊維は、同心繊維充填オフセットの中心を往復するように堆積ヘッドを制御することによって堆積される。任意のS字形のクロスオーバを、ループの長さ方向の端部、即ち曲線に集中させてもよい。或いは、オフセット距離が線形的に増加する「螺旋」オフセットが、クロスオーバを回避するために使用されてもよいが、螺旋オフセットは、一般的に、穴などの機構を十分に包囲しない。任意に、エンベロープ生成及び内周の開始は、他の手順に対して使用されてもよい。貫通穴充填は、一例として、各穴をエンベロープとして処理し、充填材を部品の頂部から底部まで延在させて、穴をその頂部から底部までの長さの80パーセント超に沿ってライニングしてもよい。上述したように、他の設定を組み合わせて使用して、例えば、レイヤ間のクロスオーバを移動させ、クロスオーバを特定の位置に位置付け、又は同心充填パターンを繰り返すか若しくは変動させることができる。
【0096】
一例として、
図11A〜11Cに示されるようにレンダリングされ処理された部品の実施形態は、次の規則の操作を含むが、それらに限定されない。
(i)最も外側の壁領域R06と隣接との間の領域R08の同心繊維充填
(ii)繊維充填領域R08及び凹状の等高線W02、W04の壁領域R02、R04の限界の間を延在する、(他の領域が定義された後に設定される)残りの領域である領域R10の純粋なポリマーの三角形充填
(iii)後述するようなサンドイッチパネル規則、並びに
(iv)他の規則の中でも、後述するように最も下側の屋根の穴の輪郭を描く規則。
【0097】
図11A〜11C及び同様の外観の図面における同様の領域は、考察の目的のために同様に表記されているが、領域は、ほとんどの場合、レイヤ毎のエンティティが記録され、他の領域と関連付けられるように、セットの一部として、又は別の方法で符号化されてもよいことを留意されたい。
【0098】
データ構造で定義され、
図11A〜11Cにレンダリングされるように、(
図11Aの下に示されるが、ビルドダウンする印刷技術の場合は上にあってもよい)第1の印刷表面で始まって、レイヤセットL02は、
図10Aに示されるトルク伝達機構F02及び滑り嵌め機構F04を通して複数のスライス(例えば、高さ0.5mmに対して0.1mmで5xのスライス)を含む。セットL02の各レイヤは、外側の凸状の等高線W06及び二つの内側の凹状の等高線W02、W04それぞれにおける三つの壁領域R02、R04、R06、並びに稠密若しくは立体の充填領域という、四つの領域を有して示される。レイヤセットL02は、パラメータとして設定された床の数に従う「床」の連続レイヤを含み、「立体」充填されてもよい(例えば、緊密なラスタ/オックスロー充填若しくはオフセットのどちらかによって、レイヤ全体を充填する非強化材料又はプラスチックに対する工具経路を有する)。
【0099】
レイヤセットL04.1は様々な規則によって生成され、各レイヤにおいて、再現及び/又は延長された下側のレイヤセットL02の三つの壁領域R02、R04、R06、三角形セルR10の疎充填領域、及び繊維同心充填領域R08という六つの領域を含むがそれらに限定されない。「繊維充填」としての同心充填領域R08は、(例えば、
図9のステップS8562〜8560毎に)壁R02、R04、及びR06の後に、ただし疎充填領域R10の前に生成される。
図11A〜11Cに示されるように、同心充填規則は、壁又はシェル規則の順位を観察し(例えば、デフォルトによって、又は
図10に類似したパラメータ入力によって設定され記録された等高線壁は3シェル分の厚さである)、三つの連続したオフセットを(例えば、
図10のパラメータP06毎に)生成する。本明細書で考察するとき、「規則」は、サブルーチン、クラス、オブジェクト、スクリプト、状態機械、又は他の実行可能コードの形態、及び/又は連続する基本操作のセットの形態を取ってもよい。クロスオーバ工具経路TP06は例示的なデフォルト位置で示される。三つの繊維レイヤが(例示の利用可能な1〜10から、ただし繊維レイヤはレイヤのセット全体以下でそれを含めて設定されてもよい)、
図10のパラメータP06として設定されている。
【0100】
レイヤセットL04.2はレイヤセットL04.1に類似している(同一であってもよく、又は補完的であってもよい)。
図10のパラメータP12によって設定されるようなサンドイッチパネル規則の操作によって、疎充填レイヤセットL06によって分離される二つのレイヤセットL04.1及びL04.2が作成される。サンドイッチパネル規則又は充填は、組み合わせ規則の操作に基づいて、特定の事例又は他の充填の組み合わせと考えられてもよい。サンドイッチパネル充填の場合、2セットの多重レイヤ繊維充填(同心、オックスロー、又は四つの45-45-45-45の角度付きレイヤのオックスロー等)は印刷方向で分離される。これら二つのセット間で、セルベースの充填は強力なレイヤを接続するウェブを提供する。サンドイッチパネルを配置するのに別のプロセスが使用されてもよい。一実施形態では、直角プリズムの核は、利用可能な内部空間を充填するように(例えば、外部シェル/壁、床、及び/又は屋根に当接するまで)拡張され、プリズムの少なくとも一つの上部及び下部レイヤは、選択された繊維パターン(例えば、同心、オックスロー、又は45-45-45-45角度の4レイヤのオックスロー)で繊維充填され、介在するレイヤはセル充填材で(任意に、本明細書で考察するような繊維セル充填材で)充填される。別の実施形態では、実質的な内部領域を有する開始レイヤ(例えば、レイヤ面積の50%超を占める床若しくは屋根に隣接したレイヤ、又は最大面積を有するレイヤ)は繊維で充填され、実質的な内部領域が特定の数のレイヤ(例えば、100レイヤ)に対して平行に繰り返される場合、疎ポリマー充填材が再び充填される。
【0101】
パラメータP12によって設定されるサンドイッチパネル規則が、同心充填規則と組み合わせて
図110、11A〜11Cに示され、他の規則の操作は補完的である。場合によっては、追加規則がサンドイッチパネル規則のパラメータとして作用し、その規則の操作を変更する。例えば、パラメータP11がオックスロー充填に設定された場合、レイヤL04.1及びL04.2の充填は、米国特許第6,934,600号で考察されているような緊密な「ラスタ」パターンで実施されてもよいが、繊維充填を含むいくつかのレイヤL04.2は、より多くの疎な充填レイヤL06によって補完的なレイヤL04.1の別のセットから分離されて残されて、サンドイッチパネル形態の有効な慣性モーメントの増加により、屈曲に特に強い部品が完成する。他の場合では、追加規則は、操作の所定の優先順位又は順序で別個に動作する。例えば、パラメータの「貫通穴を強化する」規則P14が設定されると、トルク伝達機構F02及び滑り嵌め機構F04を通る穴のどちらか又は両方は、他のパラメータによって修正されるように、上部から下部まで(L02…L10)延在するより高い優先順位の保護された領域の周りにオフセットを生成することによって取り囲まれ強化される。
図17Cは、このタイプの強化された貫通穴を示すが、
図17Cの場合、穴はグローバル規則ではなく領域押出し操作によって強化される。
【0102】
それに加えて、サンドイッチパネル規則又は充填は、部分的又は全体的に、
図19D〜19Gに関して図示され記載される形で、また部品内に埋め込まれるか外側シェルまで延在する形で、シェルを組み込んでもよい。
図19Eの構造は、サンドイッチパネル規則の操作を用いて作成されてもよく、レイヤL04.1、L04.2、及びL05と同様に、同心充填は、(
図19Eの場合、最も外側の保護された非強化樹脂壁を有さずに)最も外側の保護された領域からのオフセットを作成する。
図19F及び19Gの構造は、同心充填が周囲に向かってより多数の繊維シェルに対して設定される(例えば、本明細書では少なくともグローバル規則、領域編集、レイヤ編集、又は落とされたライブラリオブジェクトとして実施することができる、重心側の外側レイヤの二倍の数)
図19Fの場合、或いはより多数の繊維レイヤが設定される
図19Gの場合、サンドイッチパネル規則の操作を用いて作成されてもよい。
【0103】
図11A〜11Cを続けて参照すると、レイヤセットL06は、最も下の屋根領域における立体又は稠密の充填に対するアンカーポイントを提供するために、外側及び内側の等高線壁領域L06Aの内側及び最も外側の壁を、追加の壁L06Bが取り囲まなければならないことを指定する、屋根パラメータの変形によって生成される(この場合、最初に形成されたアンカー壁は、疎な充填の工具経路によってオーバーランされて、アンカーを提供してもよい)。レイヤセットL06は、レイヤセットL02の床規則に類似した屋根規則によって生成され、レイヤセットL10は、トルク伝達機構F02及び滑り嵌め機構F04を稠密な充填(例えば、高さ0.9cmに対して0.1mmの90レイヤ)で完了する。
【0104】
あらゆる例外充填(例えば、
図9のステップS8568毎に)は、第2の最も優先順位の低いものであって、任意に特別な制御パラメータを用いて、残りの疎な充填の前に実施されてもよい。例えば、領域R02、R04と繊維充填領域R08との境界に形成された結合列間のあらゆる介在性の距離が、繊維印刷の公称幅の幅よりも小さい場合、残りの部分のパターン充填が内部を疎に強化するのに使用される前に、純粋な樹脂充填材のより低速の押出し、より高温、より低速の送り速度、より低速の硬化速度などが、充填材を介在範囲に注入又は堆積するのに調整されてもよい。例示的な介在性の例外充填が、
図16の領域R16に示される。この状況で、
図13の工具を介して繊維経路指定に対して行われる変更により、繊維領域と、疎な充填領域R10Aに対する例外として任意に処理される凹状の等高線壁領域との間に、介在範囲が作成される。
【0105】
従って、グローバル規則セットの操作は、パラメータ化された実行可能コードを制御する実行可能コード又はパラメータの形態で、自動経路生成及び広域的なカスタム化を可能にする。上述したように、グローバル規則セットは、一実施形態では、経路、領域、又はレイヤのカスタム化よりも優先順位が低いものであるが、工具経路生成を実施する第1の連続した規則セットであってもよい。
【0106】
一実施形態では、レイヤ毎の操作規則セット及び操作順序は、
図9に示されるグローバル操作の部分集合又は拡張集合を含むが、本質的に類似している。ユーザ(又は自動打消し機能)は、レイヤ単位でグローバル規則の多くを変更してもよい。レイヤはそれぞれ、
図9に示される順序で処理される。
【0107】
図10Bは、ビューパネル1002におけるレイヤ規則操作の例示的なディスプレイを示し、やはり、等高線、副等高線、及び工具経路の2D定義(任意に3Dで表現される)をスクリーンにレンダリングすることによって生成され、任意にオクルージョンを処理し、特定の機構のタイプを表示及び隠ぺいしている。レイヤ毎の代替の平面図がビューパネル1002に示され、(例示的な約200レイヤの)第6のレイヤに設定されている。エンドユーザは、任意に、別の視界(例えば、半透明等角図)に戻ってもよいが、同じ制御及びレイヤ番号スライダP01を保持する。
【0108】
一例として、シナリオは、
図10Bではレイヤ毎の編集方法(規則のインプリメンテーションのための異なるインターフェースを表す、経路指定カスタム化ステップS760と、レイヤ単位でユーザ変更を処理し保護する、規則処理及び領域保護ステップS854との組み合わせ)で実施される。ユーザは、最も外側のレイヤの、又は少なくとも重心から離れたレイヤの繊維強化の量を二倍にして、有効な慣性モーメントを改善することによって、
図19Fに類似した構造を直接生成したいと考える。屋根及び床が少数のレイヤに、例えば11Aのように5レイヤに設定され、屋根及び床のグローバル設定がユーザ編集に対して保護された場合、広域的に自動化された操作を直接編集するための標的レイヤは、この例ではレイヤ6及び101である。
【0109】
図10Bに示されるように、レイヤ6に対して、ユーザはグローバル規則と一致する三つの繊維シェルの代わりに六つの繊維シェルを指定しており、更に「疎充填」をオフにしている。従って、三つの追加のオフセットが生成され、繊維はそれらのオフセットに追随するように経路指定され(工具経路TP04B)、スクリーンにレンダリングされている。
図20Bを参照すると、これらのカスタム化は、レイヤ6と関連付けられ、図示されるように、例えば、「レイヤ6-同心リング6-充填パターンオフ」の規則/パラメータデータベースに記録されてもよい。それに加えて、又は別の方法として、
図21を参照すると、変更によって作成された領域(より大きい同心繊維領域R08、並びにそれ以上疎充填されないより小さい内部領域R10)は、グローバル操作に対して保護されるように、即ち保護された副等高線として、ファイル又はデータベースに記録されてもよい。この実施形態では、レイヤ変更は、ユーザによる領域又は経路の変更に対して保護されないことに留意されたい。
【0110】
それに加えて、
図10Bに示されるように、繊維充填のために生成された最後の二つのオフセットは、穴及び内部の凹状の等高線の周りをそれ以上ループしない。この操作は、潜在的な例外の充填、並びに凹状の等高線の内側の繊維カスプにおける潜在的な応力集中を生成する。カスプ及び応力集中を除去するため、平滑化操作がグローバル規則として、又はレイヤ毎に設定されてもよいレイヤ規則として適用されてもよいが、本開示の目的のため、カスプは経路及び/又は領域のユーザ編集に対する一例として使用される。
【0111】
図12は、異なるタイプの経路規則が実行されるフローチャートである。上述したように、直接編集する工具経路、即ち工具経路の発見的又はアルゴリズム的決定が、一実施形態では優先する。上述したように、壁、床、屋根、繊維充填領域、例外充填領域、又は面積充填領域で繊維若しくはポリマーを堆積させる経路カスタム化は、任意に、グローバル、レイヤ、又は領域規則若しくは設定を打ち消してもよい。
【0112】
ステップS8502で、
図9のプロセスは、記録されたあらゆる記録済みの直接編集(やはり、手動若しくは自動操作であってもよい)を指し、それらの工具経路を取り囲む領域を領域、レイヤ、又はグローバル操作から保護する、対応する工具経路を生成する。下記の
図13の考察は、例示的な直接編集について記載する。
【0113】
ステップS8504で、シフトされるように方向付けられた、又は発見的若しくは他の規則の操作によってシフトされるように求められるクロスオーバ群がシフトされる。この文脈では、
図14C〜14Eに示されるように、クロスオーバ工具経路TP06、TP08、TP10は、同心帯のトラックの周りで互い違いにされるか又は相対的に移動させられることによって、グローバル規則によってデフォルト位置に置かれていた場合であっても、「シフト」される。このように、応力集中、及び/又は引張り強さの僅かな低減が、レイヤ内で積み重ねられるのではなく、レイヤ内で分配される。
【0114】
ステップS8504で、シフトされるように方向付けられた、又は発見的若しくは他の規則の操作によってシフトされるように求められるクロスオーバ群がシフトされる。この文脈では、
図14C〜14Eに示されるように、クロスオーバ工具経路TP06、TP08、TP10は、同心帯のトラックの周りで互い違いにされるか又は相対的に移動させられることによって「シフト」される。このように、応力集中、及び/又は引張り強さの僅かな低減が、レイヤ内で積み重ねられるのではなく、レイヤ内で分配される。レイヤ操作として、クロスオーバのシフチングは、グローバル規則によってデフォルト又は可能化位置に置かれた(例えば、
図13に示されるような位置TP0において、連続繊維が切断されていないトラックを残すことを可能にする位置で)クロスオーバを打ち消してもよい。
【0115】
ステップS8504で、曲線上に位置するように方向付けられた、又は発見的若しくは他の規則の操作によって曲線上に位置するように求められるクロスオーバ群は、そのように経路指定される。この文脈では、
図14C〜14Eに示されるように、クロスオーバ工具経路TP06、TP08、TP10は、直線区画上ではなく曲線上に位置する。一般に、直線区画は、張力又は圧縮負荷に耐えることが意図されてもよく、クロスオーバを曲線上に配置することによって、応力集中が最小限に抑えられ、繊維に沿った強度が名目上低くなる。
図14C〜14Eに示されるように、曲線は直線を接続し、クロスオーバに対するより優れた位置であってもよい。クロスオーバを曲線上に配置することは、一例として経路操作であるが、グローバル、レイヤ、又は領域操作であってもよい。
【0116】
図13は、
図12の規則処理に対する例示的なオンスクリーン部品レンダリング及び論理構造を示す。クロスオーバ移動又は配置のためのパラメータは図示されないが、この構造において利用可能であり得る。ビューパネル1002は、メモリ又は他のデータベースに保持された形状ファイルの標的レイヤのオンスクリーンレンダリングを含む。選択パネル1004は、(例えば、
図20及び/又は21に示されるような)メモリ又は他のデータベースに格納されたコマンドフラグ、アレイ、及びリストに対応する、ユーザインターフェース要素のセットを含む。
【0117】
現在のレイヤに対する経路計画を制御する例示的な工具及び規則は、経路プランナ、ビューパネル1002の表示レンダラー、及び選択パネル1004の制御レンダラーに利用可能であり、ビューパネル1004に示されているようなものである。ビューパネル1004でレンダリングされる特徴に対する番号付けは、それぞれが操作を定義するデータ構造として相互に関連し、規則セット及び優先度に従ったプロセス制御によって部品が作成され変更され、変更の結果がユーザに対して表示される、
図13(ディスプレイ)、
図12(プロセス制御)、
図20(規則セット)、及び/又は
図21(データ構造)のいずれかを参照してもよい。
【0118】
図13に示されるように、経路指定レベルで、ユーザは、レイヤレベルで利用可能な同じ変更(例えば、シェルの数若しくは経路指定手順)の部分集合を選択してもよい。一組の直接編集工具が利用可能であり、選択を記録し、スクリーン位置を表す図形的印を動かすように接続された、マウス又はタッチ駆動のインターフェースを介したそのインプリメンテーションが、当業者には理解されるであろう。編集に対するロックによって、ユーザが不注意な編集から何らかの保護をすることが可能になるが、アンドゥ機能が
図13に関して作用し、それも助けとなるであろう。工具セットは、(i)一つ以上の軌道、セグメント、又は工具経路全体を選択するための、繊維選択カーソル、(ii)
図13でNURBS又はベジエ曲線としてレンダリングされた繊維軌道/工具経路の制御点を選択、移動、追加、及び削除するための、制御点選択、追加、及び削除カーソル、(iii)工具経路を結合及び分割するための、セグメント接合及び分割カーソル(特に、グローバル、レイヤ、若しくは領域レベルにおける発見的若しくはアルゴリズム的経路生成が、設計者の意図に対する障害である場合)、(iv)関連する(即ち、平行なオフセットで相互に隣接した)クロスオーバ群を選択し、例えばトラックに沿って、又は本明細書で考察するようなトラックの曲線部分まで動かすための、動きクロスオーバカーソル、並びに、(v)選択された軌道又は工具経路から新しいオフセットを生成し、オフセットを強化繊維工具経路に充填する(必要に応じてクロスオーバを追加する)、新しいオフセット追加カーソルを含む。
【0119】
やはり、
図10Bと同様に、
図13では、一例のシナリオは、経路毎の編集方法(工具経路レベル規則のインプリメンテーションのための
図13のインターフェースを表す、経路指定カスタム化ステップS760と、工具経路単位でユーザ変更を処理し保護する、規則処理及び領域保護ステップS850との組み合わせ)で実施される。ユーザは、
図19Fに類似した構造を実現する設計の意図を継続して、
図10Bの説明において生成されたカスプを直接除去したいと考える。
【0120】
図13に示されるように、レイヤ6に対して、ユーザは、最も内側の繊維ループを選択する制御点カーソルを使用しており、カスプの代わりに半円をレンダリングする制御点を既に削除している。この編集は完了している。図示されるように、ユーザは、制御点カーソルを使用して、NURBS又はベジエ制御点を有するゴーストループを活性化しており、曲線状で応力が少ない経路(二重線のゴースト経路として描かれる)をプロットしている。この設計を実行する際、新しい工具経路が、より疎な変更に対して記録され保護される。従って、一つの複雑な繊維工具経路は、新しい経路に追随するように再経路指定され(工具経路TP04B)、スクリーンにレンダリングされる。
図20Bを参照すると、これらのカスタム化は、レイヤ6と関連付けられ、例えば、「工具経路#150-軌道データ」の規則/パラメータデータベースに記録されてもよい。それに加えて、又は別の方法として、
図21を参照すると、変更によって作成された領域(変更された同心繊維領域R08、並びに更に小さい内部領域R10)は、グローバル操作並びにレイヤ操作及び領域操作に対して保護された領域として、ファイル又はデータベースに記録されてもよい。
【0121】
図14B〜14Eは、(共に)操作中の
図12の例示的な規則S8504及びS8506の両方を示す。データ構造で定義され、
図14B〜14Eに表されるように、第1の印刷表面で始まって、「床」レイヤのレイヤセットL26は、実質的に
図11Aのレイヤ1〜5に類似した、四つの領域を有してそれぞれ示される複数のスライスを含む。レイヤセットL24は、疎充填及び壁のスタックであり、特に厚い壁を有する(多くの場合、疎充填は外壁まで延在することができる)。
【0122】
レイヤセットL22は、様々な規則によって生成され、三つの壁領域(
図11A〜11CのR02、R04、R06に類似)と、繊維強化充填材TP12を有する繊維強化複合材の同心外向き充填領域と、繊維の同心外向き充填領域の内側及び外側である、二つの残りの領域(即ち、
図9による面積充填)との六つの領域を各レイヤに含むが、それらに限定されない。同心外向きの充填は、二つの穴機構の間を延在するエンベロープを取り囲む。考察したように、
図12のS8504及びS8506の操作によって、三つの隣接したレイヤにおける三つのオフセットTP06、TP08、及びTP10の群は、相互に互い違いにされると共に曲線区画に集中する。残りのレイヤは、本明細書で上述したレイヤに類似している。
【0123】
従って、工具経路レベルの規則セットの操作は、実行可能コード又はパラメータ化された実行可能コードを制御するパラメータの形態で、半自動の工具経路カスタム化を可能にする。上述したように、工具経路規則セットは、一実施形態では、領域、レイヤ、又はグローバルカスタム化よりも高い優先順位のものであるが、この優先順位は別の形で配列されてもよい。
【0124】
図15は、異なるタイプの領域規則が実行されるフローチャートである。一実施形態では、直接編集工具経路、即ち工具経路の発見的又はアルゴリズム的決定が、領域規則よりも優先する。
【0125】
ステップS8524で、
図15のプロセスは、記録されたあらゆる記録済みの直接領域編集(やはり、手動若しくは自動操作であってもよい)を指し、それらの工具経路を取り囲む領域をレイヤ又はグローバル操作から保護する、対応する工具経路を生成する。下記の
図16の考察は、例示的な直接編集について記載する。
【0126】
図16は、
図15の規則処理に対する例示的なオンスクリーン部品レンダリング及び論理構造を示す。領域に適用可能なグローバル又はレイヤ充填規則のためのパラメータは図示されないが、この構造において利用可能であり得る。ビューパネル1002は、メモリ又は他のデータベースに保持された形状ファイルの標的レイヤ及び標的領域のオンスクリーンレンダリングを含む。選択パネル1004は、(例えば、
図20及び/又は21に示されるような)メモリ又は他のデータベースに格納されたコマンドフラグ、アレイ、及びリストに対応する、ユーザインターフェース要素のセットを含む。
【0127】
現在のレイヤ及び現在の領域に対する領域生成及び計画を制御する例示的な工具及び規則は、経路プランナ、ビューパネル1002の表示レンダラー、及び選択パネル1004の制御レンダラーに利用可能であり、ビューパネル1004に示されているようなものである。ビューパネル1004でレンダリングされる特徴に対する番号付けは、それぞれが操作を定義するデータ構造として相互に関連し、規則セット及び優先度に従ったプロセス制御によって部品が作成され変更され、変更の結果がユーザに対して表示される、
図16(ディスプレイ)、
図15(プロセス制御)、
図20(規則セット)、及び/又は
図21(データ構造)のいずれかを参照してもよい。
【0128】
領域レベルで、ユーザは、レイヤレベルで利用可能な同じ変更(例えば、シェルの数若しくは経路選択手順)の部分集合を選択してもよいが、これは
図16には示されない。一組の直接編集工具が利用可能であり、
図13と同様に、そのインプリメンテーションは、当業者には理解されるようにマウス又はタッチ駆動のインターフェースを介し、編集に対する機能的に類似のロック及びアンドゥ機能を備える。工具セットは、(i)一つ以上の領域全体を選択するための、領域選択カーソル、(ii)
図16でNURBS又はベジエ曲線としてレンダリングされた領域等高線の制御点を選択、移動、追加、及び削除するための、制御点選択、追加、及び削除カーソル、(iii)選択カーソルを用いて選択された領域を結合及び分割するための、ブール領域接合及び分割演算子(やはり特に、グローバル、レイヤ、若しくは領域レベルにおける発見的又はアルゴリズム的領域生成が、設計者の意図に対する障害である場合)、(iv)領域境界を増分的に拡張して隣り合った領域に完全に適合させて、例えば、領域作成におけるギャップ、重なり、非水密性、及び/又は非多様体エラーを回避するための、隣り合った演算子に対する適合、(v)既存の領域のオフセットである新しい領域を作成するための、作成オフセット形状演算子(ダイアログはオフセットがどの程度幅広であるべきかを尋ねてもよい)、(vi)領域を凹状の等高線に変換する、穴に変換するための演算子、(vii)領域を立体及び/又は凸状の等高線に変換する、立体に変換するための演算子、(viii)領域を指定されたレイヤ数分上又は下に複製するための、押出し演算子、並びに、(vii)ブール領域工具を使用して相互に又は既存の領域と組み合わされてもよい基本要素形状を作成するための、形状基本要素演算子を含む。
【0129】
工具経路の外観は、領域の説明及び視認性のために
図16では隠されているが、領域直接編集工具の操作は、領域内で工具経路を見せるか又は隠し、かかる工具経路を再生成し、新しい工具経路規則を選択する(例えば、領域の充填タイプを変更する)能力を含む。例えば、類似しない充填された形状間で、形状、立体、又はブール演算を作成する際、ユーザは、充填(あらゆるタイプのうちの立体、疎充填、又は繊維充填)を指定するように求められる。
【0130】
押出し演算子は、領域レベル工具として、経路ではなくレイヤ及びグローバル規則よりも優先する。換言すれば、領域編集モードで現在のレイヤから押し出された領域は、グローバル又はレイヤデフォルトを「突き抜ける」が、ユーザが調整した工具経路は「突き抜けない」。現在のレイヤから-100〜+100のレイヤからの範囲スライダ制御で示されているが、押出し演算子は、(本明細書に開示される全てのスライダ制御と同様に、直接入力又は別の方法によって、例えばスライダ範囲の終わりに増分又は減分するように継続することによって)全てのレイヤに対する押出しを可能にする。押出し工具の一つの使用例は、特定の繊維工具経路設計又は複雑な疎充填領域を部品の内部で拡張するものである。別のものは、新しい立体の機構又は穴を作成するものである。例えば、立体充填(デフォルトによる)の六角形状は、形状工具を用いて作成され、部品の等高線からその表示されたサイズ及び位置に従って所望の位置に置かれ(例えば、「寸法を表示」トグルが「オン」であるか若しくは測定工具によって測定可能である)、部品を通して押し出され、次に穴に変換するための演算子を用いて突き抜けさせられてもよい。当然ながら、自動的に作成された領域は領域編集ウィンドウ内で操作できることに留意されたい。例えば、
図13の工具セット及び規則を使用してカスタム化された工具経路設計によって作成される、保護された境界領域は、
図16のエンドユーザインターフェースで、又は別の方法ではプログラム操作のため、編集、複製、若しくは押出しに利用可能である。そのような場合は、より高い優先順位の工具経路を取り囲む、工具経路が生成された、及び/又は工具経路レベルで保護された領域が編集された場合、エンドユーザは、ダイアログ又は他の警告を受け取り、保護された工具経路領域の編集、押出し、又は複製を許可してもよい。
【0131】
やはり、
図10B及び13と同様に、
図16では、一例のシナリオは、領域レベル規則のインプリメンテーションのための
図16のインターフェースを表す、経路指定カスタム化ステップS760と、領域単位でユーザ変更を処理し保護する、規則処理及び領域保護ステップS852との組み合わせである、領域毎の編集方法で実施される。このシナリオでは、ユーザは、小面積を例外的な充填として指定し伝搬したいと考える。
【0132】
図16に示されるように、レイヤ6に対して、ユーザは、領域選択カーソルを使用して二つの小さい残りの領域R12を選択し、その欠如したアルゴリズム的検出又はユーザ介在は、領域R10Aと同じ面積の充填で充填されるであろう。記載するシナリオでは、残りの領域R12は、炭素の同心充填の拡張及びそれに続く手動の再経路指定からのカットアウトとして作成されて、領域R08Aを作成し修正する。(例えば、従来のマウス若しくはタッチ多重オブジェクト選択技術を用いて)両方の領域R12を選択した後、ユーザは、それらが面積充填で不十分に充填される程度までそれらを上下に押し出し、次に立体に変換し、そこでユーザが充填の選択肢を与えられ、かかる例外に対して立体充填又は稠密充填のどちらかを選択する。従って、例外的領域は不十分な充填ではなく立体充填で印刷される。この特定の場合では、ユーザが領域の内容を編集することによって、トルク伝達機構F02が二つの多角形の辺に沿って強化されて、立体ポリマーを通してそれを取り囲む同心繊維充填に力を伝達するように、自動面積充填が変更される。
【0133】
図17A〜17Cは、
図15及び16による第2の例示的な領域選択及び押出し操作を示す。データ構造で定義され、
図17A〜17Cに表されるように、第1の印刷表面で始まって、「床」レイヤのレイヤセットL40は、一つの代表的なスライスを含む(実際はより多数の床が使用されるが、このレイヤはこの例では使用されない)。先行操作、例えばレイヤ規則、及び/又は工具経路規則、及び/又は編集、或いは先行領域規則及び/又は編集によって、レイヤセットL42は、三つのレイヤを通して延在する同心穴の補強を有する三つの領域R20、R22、R24を含む。
【0134】
図16の工具、及び
図15のプロセスの操作を使用して、ユーザは、現在のレイヤをレイヤセットL42の上部レイヤに設定し、領域選択工具を用いて領域R25を選択する。領域は、領域押出し演算子を使用して、レイヤセットL44(同様の等高線の屋根レイヤ)及びL46(はるかに小さい等高線の円形マウント)を通して、5レイヤ上方に押し出される。領域R24がより小さい等高線へと良好に押し出されない場合、工具及び演算子を使用して整形することができる。この例の場合、領域R24は押出しとして今度は領域R26〜34を、形態を変更せずに複製する。ユーザは、グローバル規則が(即ち、レイヤセットL46の、部品の最上レイヤにある屋根のグローバル規則要件)矛盾しているという警告を受け取り、グローバル規則を却下するように拒否する。押出しを行うと、ユーザは、充填の選択肢(例えば、(i)親領域と同じ同一の充填、(ii)親領域と同じタイプの新しく経路指定された充填、又は(iii)任意の互換性をもつタイプの新しい充填から選択可能)を付与される。ユーザは、
図17Cに示されるように、(最も重要なグローバル規則次第で決まる)レイヤセットL46の最後から二番目のレイヤに伝搬される、同一の充填を選択する。
【0135】
従って、領域レベルの規則セットの操作は、実行可能コード又はパラメータ化された実行可能コードを制御するパラメータの形態で、自動の領域生成及び領域カスタム化を可能にする。上述したように、領域規則セットは、一実施形態では、経路よりも低い優先順位であって、レイヤ又はグローバルカスタム化よりも高い優先順位のものであるが、この優先順位は別の形で配列されてもよい。
【0136】
経路プランナ又はプリンタによって実施されるものとして本明細書に記載される方法は、二次元レイヤのスタックの外側等高線の上に三次元シェルを形成してもよい。これは、層間剥離を防ぎ、部品のねじり剛性を増加させてもよい。この場合、
図1A〜1C及び2A〜2Cの印刷ヘッド及び/又は堆積ヘッド(光若しくは放射硬化を含む)は、三つの並進自由度に加えて一つ〜三つの回転自由度で連接及び/又は堆積してもよく、経路プランナは、これらの追加の自由度に対応して空間内に経路を生成してもよい。
【0137】
図19A〜19Cは、
図1A〜1C及び2A〜2Cに示されるプリンタヘッドを使用して形成された様々な部品を示す。
図19Aは、XY面内の二次元レイヤとして堆積される複数の区画1322を含む部品を示す。区画1324及び1326が続いてZY面内で堆積されて、部品のZ方向の強度が向上する。
図19Bは、レイヤ1328及び1330がXY面内で形成され、XY面及びZY面の両方で延在するシェル1332及び1334が重ねられる、シェル印刷の関連する方法を示す。図面に示されるように、シェル1332及び1334は、レイヤ1328及び1330から形成された下にあるコアと完全に重なり合うか(部分1336を参照)、又はシェルの一つ以上が下にあるコアの一部分のみに重なってもよい。例えば、部分1338では、シェル1332は両方のレイヤ1328及び1330に重なる。しかしながら、シェル1334は、レイヤ1328に完全には重なり合わず、図面に示されるような階段状の構成を作成する。
図19Cは、部品をビルドプラテン又は他の支持表面に対して持ち上げるために支持材料1340が追加され、それによって三次元プリンタの旋回ヘッドが部品を支持表面との間に遊びを有して、シェル1342を部品コアの下にあるレイヤ1344上に堆積できるようにしている、代替実施形態を示す。
【0138】
上述のプリンタヘッドはまた、連続芯強化フィラメントの異なる配向を含む離散的な部分区画を備えた部品を形成するのに使用されてもよい。ある部分区画における連続芯強化フィラメントの配向は、実質的にXY方向であってもよく、別の部分区画の方向はXZ又はYZ方向であってもよい。
【0139】
経路計画及び印刷プロセスは、高強度複合材料を選択された範囲で、またフィラー材料(例えば、より低強度の複合材若しくはナイロンなどの純粋な樹脂)を他の位置で使用する、充填パターンを利用してもよい(レイヤのスタックを断面で示す
図19D〜19Gを参照)。サンドイッチパネルのグローバル又は領域規則を参照して考察したように、場合によっては、強化は、単純化されたビーム又はパネル、例えば、曲げ荷重点及び/又は支持点を越えてまたがり延在する内部プリズム又は容積の形状の、一つ以上の内容積を特定することによって実施される。それに加えて、部品は、堆積のために計画する間、容積内のレイヤが予期される荷重及び/又は支持点にまたがるようにして配向されてもよい。繊維は、(特に曲げ又は圧縮負荷に対して)有効な慣性モーメントを増加させるため、体積の断面の重心から離れた内部プリズム体積内で加えられた繊維であってもよい。繊維は、(特に圧縮及び張力負荷に対して)繊維列の相互作用及び隣接したものの補強を増加させるため、複数の隣接した結合列及び/又はレイヤに堆積されてもよい。負荷部材が底を通して若しくはその中に挿入されることが予期される貫通穴又はマウントはそれぞれ、任意にかかるマウントの壁において直接、繊維によって平滑なループ状にされてもよい(特に、張力及びねじり負荷に対して、ループ形成により、より低い応力集中又は平滑な経路を通した張力の伝達が可能になってもよい)。
【0140】
特に、ビーム及びパネルの屈曲に対して、ビームの比強度性能は、繊維列を断面の重心からできるだけ離して(即ち、部品内で最も遠い位置であって、部品の境界における高い優先順位の規則を事実上何ら侵害しない位置に)配置して、有効な慣性モーメントを増加させることによって最適化される。充填材料1350から完全に形成された部品が
図19Dに示される。
図19Eでは、複合材料1352は、部品の径方向最も外側の位置に堆積され、所望の距離を内向きに延在して、スチフネス及び強度の所望の増加を提供する。部品の残りの部分は充填材料1350を用いて形成される。ユーザは、複合材対充填材の使用を、
図19D〜19Gの一連の図面によって示されるように、部品の様々な角からより長く又はより短く拡張してもよい。例えば、コントローラ20によって制御される制御アルゴリズムは、同心充填パスの特定の数だけ、部品の外側の角及び壁区画をトレースする同心充填パターンを使用してもよく、部品の残りは次に所望の充填材料を使用して充填されてもよい。