【実施例】
【0059】
以下に発明例、比較例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下で用いる%は、特に断らない限り質量%であり、製品を構成する酸化物中の該当する酸化物の質量%である。ここで、
参考例はNo.1〜5で、発明例はNo.1〜
18で、比較例はNo.24〜26である。
【0060】
本発明の排ガス浄化用貴金属担持触媒は実際の使用時に高温雰囲気中にさらされても担持された貴金属粒子が劣化(成長、粗大化)しないことに特徴がある。この貴金属粒子の劣化の評価には粉末X線回折法を用い各担持金属の(111)面(例:Ag:37.92°、Rh:41.05°、Pd:40.11°、Pt:39.74°)の強度、半値幅で判定しており、強度が大きく半値幅が小さくなるにつれ粒子は成長している。
【0061】
(
参考例1)
300gのオレイルアミンに基材粒子として30gのセリア・ジルコニア(CZ、新日本電工株式会社製、商品名;NDK21、比表面積;85m
2/g)を加え、超音波で30分解砕し、セリア・ジルコニア分散液を得た。その後、セリア・ジルコニア分散液に3.16gの酢酸パラジウムを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって酢酸パラジウムを溶解させて錯化反応液を得た(第一工程)。次いで、その錯化反応液に、マイクロ波を照射して140℃で5分加熱することによって、セリア・ジルコニアにパラジウムを担持したスラリーを得た(第二工程)。
スラリーを静置分離し、上澄み液(溶媒)を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してセリア・ジルコニアにパラジウムを担持した製品粉末を得た(第三工程)。
得られた粉末に対して、空気中1100℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図1のような粒子の成長が無く、ほとんど劣化が見られないチャートが得られた。
【0062】
(比較例24)
参考例1と同じ基材粒子として30gのセリア・ジルコニア(CZ)(新日本電工株式会社製、NDK21、比表面積;85m2/g)に対して、3.16gの硝酸パラジウム水溶液を基材粒子に添加して室温で溶解し、エバポレータで真空引きしながら70℃で加熱、蒸発乾固し、600℃で1時間焼成し、さらに、参考例1と同じ熱履歴とするため、700℃で3時間焼成して、Pd担持セリア・ジルコニア(CZ)を得た。
得られた粉末に対して、空気中1100℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図1に示すように
参考例1と比較して大きくPd粒子が成長したチャートが得られた。
【0063】
参考例1と比較例
24とを対比すると、
図1に示すように、本発明の排ガス浄化用貴金属担持触媒は実際の使用時に高温雰囲気中に曝されても担持された貴金属粒子が劣化(成長、粗大化)しないことが確認された。
【0064】
(比較例25)
30gの基材粒子としてのセリア・ジルコニア(CZ)(新日本電工株式会社製、NDK21、比表面積;85m
2/g)に対して、3.98gの塩化白金酸水溶液を基材粒子に添加して室温で溶解し、エバポレータで真空引きしながら70℃で加熱、蒸発乾固し、600℃で1時間焼成し、さらに、700℃で3時間焼成して、Pt担持セリア・ジルコニア(CZ)を得た。
得られた粉末に対して、空気中1100℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図1の比較例24と同様に大きくPt粒子が成長したチャートが得られた。
【0065】
(比較例26)
30gの基材粒子としてのセリア・ジルコニア(CZ)(新日本電工株式会社製、NDK21、比表面積;85m
2/g)に対して、3.08gの塩化ルテニゥム水溶液を基材粒子に添加して室温で溶解し、エバポレータで真空引きしながら70℃で加熱、蒸発乾固し、600℃で1時間焼成し、さらに、700℃で3時間焼成して、Pt担持セリア・ジルコニア(CZ)を得た。
得られた粉末に対して、空気中1100℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図1の比較例24と同様に大きくRh粒子が成長したチャートが得られた。
【0066】
(
参考例2)
300gのドデシルアミンに基材粒子として30gのジルコニア(ZrO2)(新日本電工株式会社製、商品名PCS、比表面積31m2/g)を加え、超音波で30分解砕し、ジルコニア分散液を得た。その後、そのジルコニア分散液に3.98gの塩化白金酸を加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって塩化白金酸を溶解させて錯化反応液を得た(第一工程)。次いで、その錯化反応液に、マイクロ波を照射して220℃で5分加熱することによって、ジルコニアに白金を担持したスラリーを得た(第二工程)。
スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してジルコニアに白金を担持した製品粉末を得た(第三工程)。
得られた粉末に対して、空気中1100℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図1の
参考例1と同様に粒子の成長が無く、ほとんど劣化が見られないチャートが得られた。
【0067】
(
参考例3)
参考例2と同様に、300gのドデシルアミンに基材粒子として30gのイットリア安定化ジルコニア(YSZ)(新日本電工株式会社製、商品名TZ−8Y、比表面積;10m
2/g)を加え、超音波で30分解砕し、イットリア安定化ジルコニア分散液を得た。その後、その分散液に3.84gの塩化ロジウムを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって塩化ロジウムを溶解させて錯化反応液を得た(第一工程)。次いで、その錯化反応液に、マイクロ波を照射して220℃で5分加熱することによって、イットリア安定化ジルコニアにロジウムを担持したスラリーを得た(第二工程)。
スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してイットリア安定化ジルコニアにロジウムを担持した製品粉末を得た(第三工程)。
得られた粉末に対して、空気中1100℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図1の
参考例1と同様に粒子の成長が無く、ほとんど劣化が見られないチャートが得られた。
【0068】
(
参考例4)
300gのヘプチルアミンに基材粒子として30gのアルミナ(Al
2O
3)(新日本電工株式会社製、商品名AKP−G15、比表面積;148m
2/g)を加え、超音波で30分解砕し、アルミナ分散液を得た。その後、そのアルミナ分散液に3.16gの酢酸パラジウムを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって酢酸パラジウムを溶解させて錯化反応液を得た(第一工程)。次いで、その錯化反応液に、マイクロ波を照射して140℃で5分加熱することによって、アルミナにパラジウムを担持したスラリーを得た(第二工程)。
スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してアルミナにパラジウムを担持した製品粉末を得た(第三工程)。
得られた粉末に対して、空気中1100℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図1の
参考例1と同様に粒子の成長が無く、ほとんど劣化が見られないチャートが得られた。
【0069】
(
参考例5)
300gのオレイルアミンに基材粒子として30gのセリア・ジルコニア(CZ)(新日本電工株式会社製、商品名NDK21、比表面積;85m
2/g)を加え、超音波で30分解砕し、セリア・ジルコニア分散液を得た。その後、そのジルコニア分散液に2.36gの硝酸銀を加え、窒素フロー下、80℃で10分加熱することによって硝酸銀を溶解させて錯化反応液を得た(第一工程)。次いで、その錯化反応液に、マイクロ波を照射して180℃で5分加熱することによって、セリア・ジルコニアに銀を担持したスラリースラリーを得た(第二工程)。
スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してジルコニアに銀を担持した基材粉末を得た(第三工程)。
得られた粉末に対して、空気中1100℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図2の
参考例5に示すように粒子の成長が無く、ほとんど劣化が見られないチャートが得られた。
【0070】
(
発明例1)
300gのオレイルアミンに基材粒子として30gのセリア・ジルコニア(CZ)(新日本電工株式会社製、NDK21、比表面積;85m
2/g)を加え、超音波で30分解砕し、セリア・ジルコニア分散液を得た。その後、そのジルコニア分散液に3.98gの塩化白金酸を加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって塩化白金酸を溶解させて錯化反応液を得た(第一工程)。次いで、その錯化反応液に、マイクロ波を照射して220℃で5分加熱することによって、セリア・ジルコニアに白金を担持したスラリーを得た(第二工程)。
スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してジルコニアに白金を担持した基材粉末を得た(第三工程)。
得られた基材粉末に対して、水を加え150mlのスラリーとし、撹拌しながら酸化ジルコニウム3.2g相当を含むオキシ塩化ジルコニウム溶液及び酸化イットリウム0.8g相当を含む塩化イットリウム溶液を添加し、アンモニア水でpHを9に調整、基材粉末粒子の表面に水酸化イットリウム含有水酸化ジルコニウムの表面沈殿膜を沈殿させた。得られたスラリーを、2%アンモニア水を用いて3回洗浄した後、120℃乾燥、700℃焼成、乳鉢粉砕を行い、イットリア安定化ジルコニア表面沈殿膜(YSZ)を形成した白金を担持したセリア・ジルコニア製品粉末を得た(第四工程)。イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の表面沈殿膜は、基材粒子であるセリア・ジルコニア30gに対する膜質量は4gであった。
得られた製品粉末に対して
参考例1〜5よりもさらに過酷な空気中1150℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図2の
発明例1に示すように粒子の成長が無く、ほとんど劣化が見られないチャートが得られた。
【0071】
(
発明例2)
300gのドデシルアミンに基材粒子として30gのセリア・ジルコニア(CZ)(新日本電工株式会社製、NDK21、比表面積;85m
2/g)を加え、超音波で30分解砕し、セリア・ジルコニア分散液を得た。その後、そのジルコニア分散液に3.84gの塩化ロジウムを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって塩化ロジウムを溶解させて錯化反応液を得た(第一工程)。次いで、その錯化反応液に、マイクロ波を照射して220℃で20分加熱することによって、セリア・ジルコニアにロジウムを担持したスラリーを得た(第二工程)。
スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してジルコニアにロジウムを担持した基材粉末を得た(第三工程)。
得られた基材粉末に対して、水を加え150mlのスラリーとし、撹拌しながら酸化セリウム4.0g相当を含む塩化セリウム溶液を添加し、アンモニア水でpHを9に調整、基材粉末粒子の表面に酸化セリウム(CeO
2)の表面沈殿膜を沈殿させた。得られたスラリーを、2%アンモニア水を用いて3回洗浄した後、120℃乾燥、700℃焼成、乳鉢粉砕を行い、酸化セリウム(CeO
2)の表面沈殿膜形成Rh担持セリア・ジルコニア製品粉末を得た(第四工程)。酸化セリウム(CeO
2)の表面沈殿膜は、基材粒子であるセリア・ジルコニア30gに対する膜質量は4gであった。得られた製品粉末に対して空気中1150℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図2と同様に粒子の成長が無く、ほとんど劣化が見られないチャートが得られた。
【0072】
(
発明例3)
300gのオクチルアミンに基材粒子として30gのセリア・ジルコニア(CZ)(新日本電工株式会社製、商品名M40−A1、比表面積;69m
2/g)を加え、超音波で30分解砕し、セリア・ジルコニア分散液を得た。その後、そのジルコニア分散液に3.16gの酢酸パラジウムを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって酢酸パラジウムを溶解させて錯化反応液を得た(第一工程)。次いで、その錯化反応液に、マイクロ波を照射して140℃で5分加熱することによって、セリア・ジルコニアにパラジウムを担持したスラリーを得た(第二工程)。
スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してジルコニアにパラジウムを担持した基材粉末を得た(第三工程)。
得られた基材粉末に対して、水を加え150mlのスラリーとし、撹拌しながら酸化セリウム1.0g相当を含む硝酸イットリウム溶液を添加し、アンモニア水でpHを9に調整、基材粉末粒子の表面に酸化イットリウム(Y
2O
3)の表面沈殿膜を沈殿させた。得られたスラリーを、2%アンモニア水を用いて3回洗浄した後、120℃乾燥、700℃焼成、乳鉢粉砕を行い、酸化イットリウム(Y
2O
3)表面沈殿膜形成Pd担持セリア・ジルコニア製品粉末を得た(第四工程)。酸化イットリウム(Y
2O
3)の表面沈殿膜は、基材粒子であるセリア・ジルコニア30gに対する膜質量は1gであった。
得られた製品粉末に対して空気中1150℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図2と同様に粒子の成長が無く、ほとんど劣化が見られないチャートが得られた。
【0073】
(
発明例4)
300gのオレイルアミンに基材粒子として30gのセリア・ジルコニア(CZ)(新日本電工株式会社製、商品名NDK21、比表面積;85m
2/g)を加え、超音波で30分解砕し、セリア・ジルコニア分散液を得た。その後、そのジルコニア分散液に2.50gの塩化パラジウムを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって塩化パラジウムを溶解させて錯化反応液を得た(第一工程)。次いで、その錯化反応液に、マイクロ波を照射して140℃で5分加熱することによって、セリア・ジルコニアにパラジウムを担持したスラリーを得た(第二工程)。
スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してジルコニアにパラジウムを担持した基材粉末を得た(第三工程)。
得られた基材粉末に対して、水を加え150mlのスラリーとし、撹拌しながら硝酸ランタン1.0g相当を含む硝酸ランタン溶液を添加し、アンモニア水でpHを9に調整、基材粉末粒子の表面に酸化ランタン(La
2O
3)の表面沈殿膜を沈殿させた。得られたスラリーを、2%アンモニア水を用いて3回洗浄した後、120℃乾燥、700℃焼成、乳鉢粉砕を行い、酸化ランタン表面沈殿膜を形成したPd担持セリア・ジルコニア製品粉末を得た(第四工程)。酸化ランタン(La
2O
3)の表面沈殿膜は、基材粒子であるセリア・ジルコニア30gに対する膜質量は1gであった。
得られた製品粉末に対して空気中1150℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図2と同様に粒子の成長が無く、ほとんど劣化が見られないチャートが得られた。
【0074】
(
発明例5)
300gのドデシルアミンに基材粒子として30gのジルコニア(ZrO
2)(新日本電工株式会社製、商品名PCS、比表面積;31m
2/g)を加え、超音波で30分解砕し、ジルコニア分散液を得た。その後、そのジルコニア分散液に2.36gの硝酸銀を加え、窒素フロー下、80℃で10分加熱することによって硝酸銀を溶解させて錯化反応液を得た(第一工程)。次いで、その錯化反応液に、マイクロ波を照射して180℃で5分加熱することによって、ジルコニアに銀を担持したスラリーを得た(第二工程)。
スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してジルコニアに銀を担持した製品粉末を得た(第三工程)。
得られた基材粉末に対して、水を加え150mlのスラリーとし、撹拌しながらセリウム1.0g相当を含む塩化セリウム溶液を添加し、アンモニア水でpHを9に調整、基材粉末粒子の表面に酸化セリウム(CeO
2)の表面沈殿膜を沈殿させた。得られたスラリーを、2%アンモニア水を用いて3回洗浄した後、120℃乾燥、700℃焼成、乳鉢粉砕を行い、酸化ランタン表面沈殿膜を形成したPd担持セリア・ジルコニア製品粉末を得た(第四工程)。酸化セリウム(CeO
2)の表面沈殿膜は、基材粒子であるセリア・ジルコニア30gに対する膜質量は1gであった。
得られた製品粉末に対して空気中1150℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図2と同様に粒子の成長が無く、ほとんど劣化が見られないチャートが得られた。
【0075】
(
発明例6)
300gのオレイルアミン(溶媒)に基材粒子として30gのジルコニア(ZrO
2)(新日本電工株式会社製、商品名PCS、比表面積;31m
2/g)を加え、超音波で30分解砕し、ジルコニア分散液を得た。その後、そのジルコニア分散液に3.84gの塩化ロジウムを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって塩化ロジウムを溶解させて錯化反応液を得た(第一工程)。次いで、その錯化反応液に、マイクロ波を照射して220℃で20分加熱することによって、ジルコニアにロジウムを担持したスラリーを得た(第二工程)。
スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してジルコニアにロジウムを担持した粉末を得た(第三工程)。
得られた基材粉末に対して、水を加え150mlのスラリーとし、撹拌しながらプラセオジム0.4g相当を含む塩化プラセオジム溶液を添加し、アンモニア水でpHを9に調整、基材粉末粒子の表面に酸化プラセオジム(Pr
6O
11)の表面沈殿膜を沈殿させた。得られたスラリーを、2%アンモニア水を用いて3回洗浄した後、120℃乾燥、700℃焼成、乳鉢粉砕を行い、酸化プラセオジム表面沈殿膜を形成したRh担持ジルコニア製品粉末を得た(第四工程)。酸化プラセオジム(Pr
6O
11)の表面沈殿膜は、基材粒子であるジルコニア30gに対する膜質量は0.4gであった。
得られた製品粉末に対して空気中1150℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図2と同様に粒子の成長が無く、ほとんど劣化が見られないチャートが得られた。
【0076】
(
発明例7)
300gのドデシルアミンに基材粒子として30gのジルコニア(ZrO
2)(新日本電工株式会社製、商品名PCS、比表面積;31m
2/g)を加え、超音波で30分解砕し、ジルコニア分散液を得た。その後、そのジルコニア分散液に3.16gの酢酸パラジウムを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって酢酸パラジウムを溶解させて錯化反応液を得た(第一工程)。次いで、その錯化反応液に、マイクロ波を照射して140℃で5分加熱することによって、ジルコニアにパラジウムを担持したスラリーを得た(第二工程)。
スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してジルコニアにパラジウムを担持した粉末を得た(第三工程)。
得られた基材粉末に対して、水を加え150mlのスラリーとし、撹拌しながらネオジム0.4g相当を含む塩化ネオジム溶液を添加し、アンモニア水でpHを9に調整、基材粉末粒子の表面に酸化ネオジム(Nd
2O
3)の表面沈殿膜を沈殿させた。得られたスラリーを、2%アンモニア水を用いて3回洗浄した後、120℃乾燥、700℃焼成、乳鉢粉砕を行い、酸化ランタン表面沈殿膜を形成したPd担持ジルコニア製品粉末を得た(第四工程)。酸化ネオジム(Nd
2O
3)の表面沈殿膜は、基材粒子であるジルコニア30gに対する膜質量は0.4gであった。
得られた製品粉末に対して空気中1150℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図2と同様に粒子の成長が無く、ほとんど劣化が見られないチャートが得られた。
【0077】
(
発明例8)
300gのヘプチルアミンに基材粒子として30gのジルコニア(ZrO
2)(新日本電工株式会社製、商品名OG、比表面積;11m
2/g)を加え、超音波で30分解砕し、ジルコニア分散液を得た。その後、そのジルコニア分散液に3.16gの酢酸パラジウムを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって酢酸パラジウムを溶解させて錯化反応液を得た(第一工程)。次いで、その錯化反応液に、マイクロ波を照射して140℃で5分加熱することによって、ジルコニアにパラジウムを担持したスラリーを得た(第二工程)。
スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してジルコニアにパラジウムを担持した粉末を得た(第三工程)。
得られた基材粉末に対して、水を加え150mlのスラリーとし、撹拌しながらサマリウム6g相当を含む酢酸サマリウム溶液を添加し、アンモニア水でpHを9に調整、基材粉末粒子の表面に酸化サマリウム(Sm
2O
3)の表面沈殿膜を沈殿させた。得られたスラリーを、2%アンモニア水を用いて3回洗浄した後、120℃乾燥、700℃焼成、乳鉢粉砕を行い、酸化サマリウム表面沈殿膜を形成したPd担持ジルコニア製品粉末を得た(第四工程)。酸化サマリウム(Sm
2O
3)の表面沈殿膜は、基材粒子であるジルコニア30gに対する膜質量は6gであった。
得られた製品粉末に対して空気中1150℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図2と同様に粒子の成長が無く、ほとんど劣化が見られないチャートが得られた。
【0078】
(
発明例9)
300gのオレイルアミンに基材粒子として30gのジルコニア(ZrO
2)(新日本電工株式会社製、商品名OG、比表面積;11m
2/g)を加え、超音波で30分解砕し、ジルコニア分散液を得た。その後、そのジルコニア分散液に3.98g塩化白金酸を加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって塩化白金酸を溶解させて錯化反応液を得た(第一工程)。次いで、その錯化反応液に、マイクロ波を照射して140℃で5分加熱することによって、ジルコニアに白金を担持したスラリーを得た(第二工程)。
スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してジルコニアに白金を担持した粉末を得た(第三工程)。
得られた基材粉末に対して、水を加え150mlのスラリーとし、撹拌しながらガドリウム6g相当を含む硝酸ガドリウム溶液を添加し、アンモニア水でpHを9に調整、基材粉末粒子の表面に酸化ガドリウム(Gd
2O
3)の表面沈殿膜を沈殿させた。得られたスラリーを、2%アンモニア水を用いて3回洗浄した後、120℃乾燥、700℃焼成、乳鉢粉砕を行い、酸化ガドリウム表面沈殿膜を形成したPd担持ジルコニア製品粉末を得た(第四工程)。酸化ガドリウム(Gd
2O
3)の表面沈殿膜は、基材粒子であるジルコニア30gに対する膜質量は6gであった。
得られた製品粉末に対して空気中1150℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図2と同様に粒子の成長が無く、ほとんど劣化が見られないチャートが得られた。
【0079】
(
発明例10)
300gのオレイルアミンに基材粒子として30gのイットリア安定化ジルコニア(YSZ)(新日本電工株式会社製、商品名TZ−8Y、比表面積;10m
2/g)ジルコニアを加え、超音波で30分解砕し、イットリア安定化ジルコニア分散液を得た。その後、そのイットリア安定化ジルコニア分散液に3.16gの酢酸パラジウムを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって酢酸パラジウムを溶解させて錯化反応液を得た(第一工程)。次いで、その錯化反応液に、マイクロ波を照射して140℃で5分加熱することによって、イットリア安定化ジルコニアにパラジウムを担持したスラリーを得た(第二工程)。
スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してイットリア安定化ジルコニアにパラジウムを担持した粉末を得た(第三工程)。
得られた基材粉末に対して、水を加え150mlのスラリーとし、撹拌しながらアルミニウム4g相当を含む硝酸アルミニウム溶液を添加し、アンモニア水でpHを9に調整、基材粉末粒子の表面にアルミナ(Al
2O
3)の表面沈殿膜を沈殿させた。得られたスラリーを、2%アンモニア水を用いて3回洗浄した後、120℃乾燥、700℃焼成、乳鉢粉砕を行い、アルミナ表面沈殿膜を形成したPd担持イットリア安定化ジルコニア製品粉末を得た(第四工程)。アルミナ(Al
2O
3)の表面沈殿膜は、基材粒子であるイットリア安定化ジルコニア30gに対する膜質量は4gであった。
得られた製品粉末に対して空気中1150℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図2と同様に粒子の成長が無く、ほとんど劣化が見られないチャートが得られた。
【0080】
(
発明例11)
300gのドレシルアミンに基材粒子として30gのイットリア安定化ジルコニア(YSZ)(新日本電工株式会社製、商品名TZ−8Y、比表面積;10m
2/g)ジルコニアを加え、超音波で30分解砕し、イットリア安定化ジルコニア分散液を得た。その後、そのイットリア安定化ジルコニア分散液に3.16gの酢酸パラジウムを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって酢酸パラジウムを溶解させて錯化反応液を得た(第一工程)。次いで、その錯化反応液に、マイクロ波を照射して140℃で5分加熱することによって、イットリア安定化ジルコニアにパラジウムを担持したスラリーを得た(第二工程)。
スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してイットリア安定化ジルコニアにパラジウムを担持した粉末を得た(第三工程)。
得られた基材粉末に対して、水を加え150mlのスラリーとし、撹拌しながらアルミニウム4g相当を含む硝酸アルミニウム溶液を添加し、アンモニア水でpHを9に調整、基材粉末粒子の表面にアルミナ(Al
2O
3)の表面沈殿膜を沈殿させた。得られたスラリーを、2%アンモニア水を用いて3回洗浄した後、120℃乾燥、700℃焼成、乳鉢粉砕を行い、アルミナ表面沈殿膜を形成したPd担持イットリア安定化ジルコニア製品粉末を得た(第四工程)。アルミナ(Al
2O
3)の表面沈殿膜は、基材粒子であるイットリア安定化ジルコニア(YSZ)30gに対する膜質量は4gであった。
得られた製品粉末に対して空気中1150℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図2と同様に粒子の成長が無く、ほとんど劣化が見られないチャートが得られた。
【0081】
(
発明例12)
300gのオクチルアミンに基材粒子として30gのイットリア安定化ジルコニア(YSZ)(新日本電工株式会社製、商品名TZ−8Y、比表面積;10m
2/g)を加え、超音波で30分解砕し、イットリア安定化ジルコニア分散液を得た。その後、そのイットリア安定化ジルコニア分散液に2.36g硝酸銀を加え、窒素フロー下、80℃で10分加熱することによって硝酸銀を溶解させて錯化反応液を得た(第一工程)。次いで、その錯化反応液に、マイクロ波を照射して170℃で20分加熱することによって、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)に銀を担持したスラリーを得た(第二工程)。
スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してイットリア安定化ジルコニアに銀を担持した基材粉末を得た(第三工程)。
得られた基材粉末に対して、水を加え150mlのスラリーとし、撹拌しながらLa4g相当を含む硝酸La溶液を添加し、アンモニア水でpHを9に調整、基材粉末粒子の表面にLa
2O
3の表面沈殿膜を沈殿させた。得られたスラリーを、2%アンモニア水を用いて3回洗浄した後、120℃乾燥、700℃焼成、乳鉢粉砕を行い、La
2O
3表面沈殿膜を形成したAg担持イットリア安定化ジルコニア製品粉末を得た(第四工程)。表面沈殿膜(La
2O
3)は、基材粒子であるイットリア安定化ジルコニア(YSZ)30gに対する膜質量は4gであった。
得られた製品粉末に対して空気中1150℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図2と同様に粒子の成長が無く、ほとんど劣化が見られないチャートが得られた。
【0082】
(
発明例13)
300gのドデシルアミンに基材粒子として30gのイットリア安定化ジルコニア(YSZ)(新日本電工株式会社製、商品名TZ−8Y、比表面積;10m
2/g)を加え、超音波で30分解砕し、イットリア安定化ジルコニア分散液を得た。その後、そのイットリア安定化ジルコニア分散液に3.84g塩化ロジウムを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって塩化ロジウムを溶解させて錯化反応液を得た(第一工程)。次いで、その錯化反応液に、マイクロ波を照射して170℃で20分加熱することによって、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)にロジウム(Rh)を担持したスラリーを得た(第二工程)。
スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してイットリア安定化ジルコニアにロジウムを担持した基材粉末を得た(第三工程)。
得られた基材粉末に対して、水を加え150mlのスラリーとし、撹拌しながら硝酸Zr及び硝酸Y溶液を添加し、アンモニア水でpHを9に調整、基材粉末粒子の表面にイットリア安定化ジルコニア(YSZ)の表面沈殿膜を沈殿させた。得られたスラリーを、2%アンモニア水を用いて3回洗浄した後、120℃乾燥、700℃焼成、乳鉢粉砕を行い、YSZ表面沈殿膜を形成したRh担持イットリア安定化ジルコニア製品粉末を得た(第四工程)。表面沈殿膜(YSZ)は、基材粒子であるイットリア安定化ジルコニア(YSZ)30gに対する膜質量は1gであった。
得られた製品粉末に対して空気中1150℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図2と同様に粒子の成長が無く、ほとんど劣化が見られないチャートが得られた。
【0083】
(
発明例14)
300gのヘプチルアミンに基材粒子として30gのイットリア安定化ジルコニア(YSZ)(新日本電工株式会社製、商品名TZ−8Y、比表面積;10m
2/g)を加え、超音波で30分解砕し、イットリア安定化ジルコニア分散液を得た。その後、そのイットリア安定化ジルコニア分散液に3.16gの酢酸Pdを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって酢酸Pdを溶解させて錯化反応液を得た(第一工程)。次いで、その錯化反応液に、マイクロ波を照射して140℃で5分加熱することによって、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)にパラジウム(Pd)を担持したスラリーを得た(第二工程)。
スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してイットリア安定化ジルコニアにパラジウム(Pd)を担持した基材粉末を得た(第三工程)。
得られた基材粉末に対して、水を加え150mlのスラリーとし、撹拌しながら硝酸Ce溶液を添加し、アンモニア水でpHを9に調整、基材粉末(YSZ)粒子の表面にCeO
2の表面沈殿膜を沈殿させた。得られたスラリーを、2%アンモニア水を用いて3回洗浄した後、120℃乾燥、700℃焼成、乳鉢粉砕を行い、CeO
2表面沈殿膜を形成したPd担持イットリア安定化ジルコニア製品粉末を得た(第四工程)。表面沈殿膜(CeO
2)は、基材粒子であるイットリア安定化ジルコニア(YSZ)30gに対する膜質量は1gであった。
得られた製品粉末に対して空気中1150℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図2と同様に粒子の成長が無く、ほとんど劣化が見られないチャートが得られた。
【0084】
(
発明例15)
300gのオレイルアミンに基材粒子として30gのアルミナ(Al
2O
3)(新日本電工株式会社製、商品名AKP−G15、比表面積;148m
2/g)を加え、超音波で30分解砕し、アルミナ分散液を得た。その後、そのアルミナ分散液に3.98gの塩化白金酸を加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって塩化白金酸を溶解させて錯化反応液を得た(第一工程)。次いで、その錯化反応液に、マイクロ波を照射して235℃で5分加熱することによって、アルミナに白金を担持したスラリーを得た(第二工程)。
スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してアルミナに白金を担持した基材粉末を得た(第三工程)。
得られた基材粉末に対して、水を加え150mlのスラリーとし、撹拌しながら塩化Y溶液を添加し、アンモニア水でpHを9に調整、基材粉末粒子の表面にY
2O
3の表面沈殿膜を沈殿させた。得られたスラリーを、2%アンモニア水を用いて3回洗浄した後、120℃乾燥、700℃焼成、乳鉢粉砕を行い、Y
2O
3表面沈殿膜を形成したPt担持アルミナ製品粉末を得た(第四工程)。表面沈殿膜(Y
2O
3)は、基材粒子であるアルミナ(Al
2O
3)30gに対する膜質量は0.4gであった。
得られた製品粉末に対して空気中1150℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図2と同様に粒子の成長が無く、ほとんど劣化が見られないチャートが得られた。
【0085】
(
発明例16)
300gのドデシルアミンに基材粒子として30gのアルミナ(Al
2O
3)(新日本電工株式会社製、商品名AKP−G15、比表面積;148m
2/g)を加え、超音波で30分解砕し、アルミナ分散液を得た。その後、そのアルミナ分散液に3.98gの塩化ロジウムを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって塩化ロジウムを溶解させて錯化反応液を得た(第一工程)。次いで、その錯化反応液に、マイクロ波を照射して235℃で5分加熱することによって、アルミナにロジウム(Rh)を担持したスラリーを得た(第二工程)。
スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してアルミナにロジウム(Rh)を担持した基材粉末を得た(第三工程)。
得られた基材粉末に対して、水を加え150mlのスラリーとし、撹拌しながら塩化La溶液を添加し、アンモニア水でpHを9に調整、基材粉末粒子の表面にLa
2O
3の表面沈殿膜を沈殿させた。得られたスラリーを、2%アンモニア水を用いて3回洗浄した後、120℃乾燥、700℃焼成、乳鉢粉砕を行い、La
2O
3表面沈殿膜を形成したRh担持アルミナ製品粉末を得た(第四工程)。表面沈殿膜(La
2O
3)は、基材粒子であるアルミナ(Al
2O
3)30gに対する膜質量は0.4gであった。
得られた製品粉末に対して空気中1150℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図2と同様に粒子の成長が無く、ほとんど劣化が見られないチャートが得られた。
【0086】
(
発明例17)
300gのオクチルアミンに基材粒子として30gのアルミナ(Al
2O
3)(新日本電工株式会社製、商品名AKP−G15、比表面積;148m
2/g)を加え、超音波で30分解砕し、アルミナ分散液を得た。その後、そのアルミナ分散液に3.16gの酢酸Pdを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって酢酸Pdを溶解させて錯化反応液を得た(第一工程)。次いで、その錯化反応液に、マイクロ波を照射して140℃で5分加熱することによって、アルミナにPdを担持したスラリーを得た(第二工程)。
スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してアルミナにパラジウム(Pd)担持した基材粉末を得た(第三工程)。
得られた基材粉末に対して、水を加え150mlのスラリーとし、撹拌しながら塩化Al溶液を添加し、アンモニア水でpHを9に調整、基材粉末粒子の表面にAl
2O
3の表面沈殿膜を沈殿させた。得られたスラリーを、2%アンモニア水を用いて3回洗浄した後、120℃乾燥、700℃焼成、乳鉢粉砕を行い、Y
2O
3表面沈殿膜を形成したPd担持アルミナ製品粉末を得た(第四工程)。表面沈殿膜(Al
2O
3)は、基材粒子であるアルミナ(Al
2O
3)30gに対する膜質量は6gであった。
得られた製品粉末に対して空気中1150℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図2と同様に粒子の成長が無く、ほとんど劣化が見られないチャートが得られた。
【0087】
(
発明例18)
300gのオレイルアミンに基材粒子として30gのアルミナ(Al
2O
3)(新日本電工株式会社製、商品名AKP−G15、比表面積;148m
2/g)を加え、超音波で30分解砕し、アルミナ分散液を得た。その後、そのアルミナ分散液に3.24gの硝酸Pdを加え、窒素フロー下、120℃で20分加熱することによって硝酸Pdを溶解させて錯化反応液を得た(第一工程)。次いで、その錯化反応液に、マイクロ波を照射して140℃で5分加熱することによって、アルミナにパラジウム(Pd)を担持したスラリーを得た(第二工程)。
スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してアルミナにパラジウム(Pd)を担持した基材粉末を得た(第三工程)。
得られた基材粉末に対して、水を加え150mlのスラリーとし、撹拌しながらケイ酸Na溶液を添加し、アンモニア水でpHを9に調整、基材粉末粒子の表面にSiO
2の表面沈殿膜を沈殿させた。得られたスラリーを、2%アンモニア水を用いて3回洗浄した後、120℃乾燥、700℃焼成、乳鉢粉砕を行いSiO
2表面沈殿膜を形成したPd担持アルミナ製品粉末を得た(第四工程)。表面沈殿膜(SiO
2)は、基材粒子であるアルミナ(Al
2O
3)30gに対する膜質量は6gであった。
得られた製品粉末に対して空気中1150℃で5時間の耐熱劣化加速試験を行い、XRD測定を行ったところ
図2と同様に粒子の成長が無く、ほとんど劣化が見られないチャートが得られた。
【0088】
以上の実施例に述べたように、本発明によれば、これまで以上に過酷な使用環境下でも触媒金属の粒成長を抑制でき、触媒の高活性や高寿命等の性能を有する排ガス浄化用貴金属担持触媒が得られることが確認できた。
【0089】
【表1】
【0090】
(
参考1)
300gのオレイルアミンに1.5gのPdに相当する酢酸パラジウム3.16gを加え、窒素フロー下、オイルバスで120℃、20分加熱することによって酢酸パラジウムを溶解させて錯化反応液を得た。次いで、その錯化反応液に、周波数2.45GHz、マイクロ波出力500W、マルチモードの条件でマイクロ波を照射して140℃、5分加熱することによって、パラジウムナノ粒子スラリーを得た。
スラリーを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、トルエンを用いてそれぞれ3回洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してパラジウムナノ粒子粉末を得た。
得られたパラジウムナノ粒子のSEM(Scanning Electron Microscope、走査電子顕微鏡)写真を
図3に示した。
図3より、平均粒径10nm以下の球形の略均一な粒子が形成されていることがわかった。