(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記合成画像作成手段が、前記固定表示部分に対応する前記テンプレート画像の画素と前記透明画素部分に対応する前記表示画像の画素とを合成することを特徴とする請求項1に記載の端末。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1から3に記載の技術では、目的達成までの操作を誘導することが可能となるが、その一方で、利用者の操作習熟度が高まらず、端末の利用満足度を必ずしも高められない。また、予測が誤ってしまったときに、誘導に頼っているユーザはその後操作できない状況に陥ってしまう。加えて、アプリケーション内に操作説明する機能を導入する必要があるという問題は解決できないという問題がある。
【0007】
また、特許文献4に記載の技術では、操作説明機能をアプリ内に導入する必要があるという問題は解決できないという問題がある。さらに、特許文献5に記載の技術では、ヘルプ表示を行うトリガについては、ユーザの各種操作が必要であるため、特に、初心者やシニアといったユーザがそもそも何をしてよいかがわからない場合、必要に応じたヘルプの起動が困難であるという問題がある。また、ヘルプ表示の機能は、主要アプリケーションによって管理されるため、ヘルプ機能の追加や修正は主要アプリケーションの開発に依る必要があり、外部アプリケーションからの修正が検討されていないという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、既存アプリケーションに対して、複雑化したアプリコードに手を加えずに、表示画像の比較によって特定の処理のタイミングを取得することを目的とする。また、本発明は、既存アプリケーションに対して、複雑化したアプリコードに手を加えずに、操作ガイド情報を提供すべき適切なタイミングを取得すると、取得したタイミングで操作ガイド情報を提示することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述の課題を解決するために、以下の事項を提案している。
【0010】
(1)本発明は、表示されている既存アプリケーションの表示画像を取得する表示画像取得手段と、複数の既存アプリケーション画像における固定表示部分と前記固定表示部分以外の透明画素部分とから構成されるテンプレート画像を予め格納するテンプレート画像格納手段と、前記テンプレート画像格納手段に格納されている前記テンプレート画像と前記表示画像取得手段が取得した前記表示画像とを合成して合成画像を作成する合成画像作成手段と、前記表示画像取得手段において取得された前記表示画像と前記合成画像作成手段において作成された前記合成画像とを比較する画像比較手段と、を備え、前記画像比較手段において、前記表示画像と前記合成画像が完全一致するかを判定することを特徴とする端末を提案している。
【0011】
(2)本発明は、(1)の端末について、前記合成画像作成手段が、前記固定表示部分に対応する前記テンプレート画像の画素と前記透明画素部分に対応する前記表示画像の画素とを合成することを特徴とする端末を提案している。
【0012】
(3)本発明は、(1)または(2)の端末について、前記合成画像は、前記表示画像を下部とし、前記テンプレート画像を上部として合成することを特徴とする端末を提案している。
【0013】
(4)本発明は、(1)から(3)のいずれか1つの端末について、前記テンプレート画像に対応する操作ガイド画像を格納する操作ガイド画像格納手段と、前記画像比較手段において、前記表示画像と完全一致する前記合成画像があったときに、前記操作ガイド画像格納手段から前記合成画像元の前記テンプレート画像に対応する操作ガイド画像を読みだして、前記表示画像に前記読みだした前記操作ガイド画像を重ね合わせて表示する表示制御手段と、をさらに備えたことを特徴とする端末を提案している。
【0014】
(5)本発明は、(1)から(4)のいずれか1つの端末について、前記表示画像取得手段は、特定の既存アプリケーションが起動すると、表示されている前記表示画像を定期的に取得し、特定の既存アプリケーションが起動を終了すると、表示されている前記表示画像の取得を停止することを特徴とする端末を提案している。
【0015】
(6)本発明は、端末と表示装置とからなり、特定の既存アプリケーションに対する操作ガイドを提示する画像判定システムであって、前記端末が、表示されている既存アプリケーションの表示画像を取得する表示画像取得手段と、複数の既存アプリケーション画像における固定表示部分と前記固定表示部分以外の透明画素部分とから構成されるテンプレート画像を予め格納するテンプレート画像格納手段と、前記テンプレート画像に対応する操作ガイド画像を格納する操作ガイド画像格納手段と、前記テンプレート画像格納手段に格納されている前記テンプレート画像と前記表示画像取得手段が取得した前記表示画像とを合成して合成画像を作成する合成画像作成手段と、前記表示画像取得手段において取得された前記表示画像と前記合成画像作成手段において作成された前記合成画像とを比較する画像比較手段と、前記画像比較手段において、前記表示画像と完全一致する前記合成画像があったときに、前記操作ガイド画像格納手段から前記合成画像元の前記テンプレート画像に対応する操作ガイド画像を読みだして、前記表示画像に前記読みだした前記操作ガイド画像を重ね合わせた画像を生成する画像生成手段と、該生成した重ね合わせ画像を前記表示装置に送信する送信手段と、を備え、前記表示装置が、前記端末の送信手段から、前記重ね合わせ画像を受信する受信手段と、該受信した重ね合わせ画像を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする画像判定システムを提案している。
【0016】
(7)本発明は、端末と表示装置とからなり、特定の既存アプリケーションに対する操作ガイドを提示する画像判定システムであって、前記端末が、表示されている既存アプリケーションの表示画像を取得する表示画像取得手段と、複数の既存アプリケーション画像における固定表示部分と前記固定表示部分以外の透明画素部分とから構成されるテンプレート画像を予め格納するテンプレート画像格納手段と、前記テンプレート画像に対応する操作ガイド画像を格納する操作ガイド画像格納手段と、前記テンプレート画像格納手段に格納されている前記テンプレート画像と前記表示画像取得手段が取得した前記表示画像とを合成して合成画像を作成する合成画像作成手段と、前記表示画像取得手段において取得された前記表示画像と前記合成画像作成手段において作成された前記合成画像とを比較する画像比較手段と、前記画像比較手段において、前記表示画像と完全一致する前記合成画像があったときに、前記操作ガイド画像格納手段から前記合成画像元の前記テンプレート画像に対応する操作ガイド画像を読みだして、前記表示装置に送信する送信手段と、を備え、前記表示装置が、前記端末の送信手段から、前記合成画像元の前記テンプレート画像に対応する操作ガイド画像を受信する受信手段と、該受信した前記合成画像元の前記テンプレート画像に対応する操作ガイド画像を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする画像判定システムを提案している。
【0017】
(8)本発明は、表示画像取得手段と、複数の既存アプリケーション画像における固定表示部分と前記固定表示部分以外の透明画素部分とから構成されるテンプレート画像を予め格納するテンプレート画像格納手段と、合成画像作成手段と、画像比較手段とを備えた端末における画像判定方法であって、前記表示画像取得手段が、表示されている既存アプリケーションの表示画像を取得する第1のステップと、前記合成画像作成手段が、前記テンプレート画像格納手段に格納されている前記テンプレート画像と前記表示画像取得手段が取得した前記表示画像とを合成して合成画像を作成する第2のステップと、前記画像比較手段が、前記表示画像取得手段において取得された前記表示画像と前記合成画像作成手段において作成された前記合成画像とを比較して、前記表示画像と前記合成画像とが完全一致するかを判定する第3のステップと、を備えることを特徴とする画像判定方法を提案している。
【0018】
(9)本発明は、表示画像取得手段と、複数の既存アプリケーション画像における固定表示部分と前記固定表示部分以外の透明画素部分とから構成されるテンプレート画像を予め格納するテンプレート画像格納手段と、合成画像作成手段と、画像比較手段とを備えた端末における画像判定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記表示画像取得手段が、表示されている既存アプリケーションの表示画像を取得する第1のステップと、前記合成画像作成手段が、前記テンプレート画像格納手段に格納されている前記テンプレート画像と前記表示画像取得手段が取得した前記表示画像とを合成して合成画像を作成する第2のステップと、前記画像比較手段が、前記表示画像取得手段において取得された前記表示画像と前記合成画像作成手段において作成された前記合成画像とを比較して、前記表示画像と前記合成画像とが完全一致するかを判定する第3のステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、画面の内容に即した特定の処理のタイミングを取得する判定を、表示中の画像の完全一致比較で行うため、作成済みの既存アプリケーションを改修することなく、かつ、端末や起動中の既存アプリケーションに対する負担を与えることがないという効果がある。また、既存アプリケーションに対して、複雑化したアプリコードに手を加えずに、操作ガイド情報を提供すべき適切なタイミングを取得すると、取得したタイミングで操作ガイド情報を提示できる効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下の実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0022】
<第1の実施形態>
以下、
図1から
図3を用いて、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0023】
<端末の構成>
本実施形態に係る端末100は、
図1に示すように、表示画像取得部110と、表示用メモリ120と、テンプレート画像格納部130と、操作ガイド画像格納部140と、合成画像作成部150と、画像比較部160と、表示部170と、制御部180とから構成されている。
【0024】
表示画像取得部110は、画面表示されている既存アプリケーションの表示画像データ(例えば、
図2(A)のスクリーンキャプチャーS)を取得する。ここで、表示画像とは、オーバレイ画像を除く表示中の画像をいうが、現在の表示中のオーバレイ画像を含めた処理を除外するものではない。具体的には、表示画像取得部110は、制御部180に対して、表示画像取得要求信号を出力し、制御部180から表示画像データを受け取る。このとき、制御部180は、表示画像取得部110からの表示画像取得要求信号に対して、表示用メモリ120から直近のタイムスタンプを有する表示画像データあるいは、時系列管理がなされている場合には、直近の表示画像データを取得し、表示画像取得部110に出力する。より具体的には、制御部180は、端末のスクリーンキャプチャー機能を利用して、表示画像データを取得するよう制御を行う。なお、別の事例として、制御部180は、通信路から直接、表示画像データを取得するようにしてもよい。また、表示画像取得部110は、予め定められたタイミングで制御部180に対して、表示画像取得要求信号を出力する。
【0025】
表示用メモリ120は、表示画像データを一時的に格納する。なお、当該表示画像データには、タイムスタンプが付されている。あるいは、表示用メモリ120が格納領域等により、データを時系列管理している。テンプレート画像格納部130は、複数の既存アプリケーション画像に対応するテンプレート画像データ(例えば、
図2(B)のテンプレート画像T)を格納している。
【0026】
ここで、テンプレート画像は、既存アプリケーション画像における固定表示部分と、固定表示部分以外の透明画素部分と、から構成されるものである。操作ガイド画像格納部140は、テンプレート画像に対応する操作ガイド画像(例えば、
図2(C)のオーバレイ画像O)を格納する。ここで、操作ガイド画像とは、アプリケーションを利用するための補助的な情報を表示する画像であり、例えば、情報入力に関する表示やアイコンの機能説明表示等がなされた画像である。また、操作ガイド画像は、テンプレート画像と同様に透明画素部分を有する。
【0027】
ここで、透明画素とは、上部から下部に画像を重ね合わせたときに、下部画像(本実施形態では表示画像)の画素が透けて見えるように設定されている上部画像の画素をさしており、具体的には、PNG(ポータブル・ネットワーク・グラフィクス)形式や透過GIF(グラフィクス・インターチェンジ・フォーマット)形式での不透明度(アルファ値)が0%(PNG形式であればアルファ値が0)をさす。あるいは、予め指定されたある単色(青背景等)や色範囲(色相、彩度が一定数値範囲内である等)を透明画素とみなす方法(クロマキー処理)も考えられる。
【0028】
合成画像作成部150は、テンプレート画像格納部130に格納されているテンプレート画像と表示画像取得部110が取得した画像とを合成して合成画像を作成する。なお、合成画像において、テンプレート画像Tの透明画素部分は、スクリーンキャプチャーSに上書きされず、スクリーンキャプチャーSのそのままの画素が残る。
【0029】
画像比較部160は、表示画像取得部110において取得された表示画像と合成画像作成部150において作成された合成画像とを比較する。この比較処理フローについて、以下、
図3を用いて説明する。
【0030】
まず、一致中フラグを「False」とし、Num(テンプレート画像格納部130に複数格納されているそれぞれに付されているテンプレート画像のナンバー)を「0」とする初期化を行なう(ステップS1)。初期化処理後に、表示画像の取得を行なう(ステップS2)。
【0031】
次に、取得した表示画像に一致中フラグがあるか否かを判断し(ステップS3)、一致中フラグが「True」である場合には、表示画像とステップS8において一致したと判断した時の、番号Numのテンプレート画像とが一致するか否かを判断する(ステップS4)。ステップS4は、直近で一致したテンプレート画像から、表示画像が変更されているかどうかのみを判定するため、表示画像と複数枚のテンプレート画像との比較をせずにすみ、処理効率を高めている。なお、一致判定の具体例については、後述する。一致判定の結果、一致と判定された場合には、オーバレイ画像を表示させ続ける。
【0032】
一方で、ステップS4において、一致判定の結果、不一致と判定された場合には、現在表示中のオーバレイ画像を削除し、一致中フラグを「False」とし(ステップS5)、ステップS11に進む。
【0033】
また、ステップS3において、一致フラグが「False」である場合には、ステップS6に移る。ステップS6〜S10では、表示画像が格納されたテンプレート画像のいずれかに一致するかを比較するステップである。ステップS6では、現在の番号を示す数Numとテンプレート画像の格納枚数とを比較し(ステップS6)、Numの値がテンプレート画像の格納枚数よりも小さいときは、現在の番号Numに対応するテンプレート画像の取得を行ない(ステップS7)、表示画像とテンプレート画像とが一致するか否かを判断する(ステップS8)。一致判定の結果、一致していると判定された場合には、オーバレイ画像を表示するとともに、一致中フラグを「True」とし、ステップS2に移る(ステップS9)。
【0034】
一方で、ステップS8において、一致判定の結果、一致していないと判定された場合には、Numの数を+1加算し(ステップS10)、ステップS6に戻る。また、ステップS6において、Numの値がテンプレート画像の格納枚数よりも大きいときは、ステップS11に進む。ステップS11では、Numを「0」にクリアし、ステップS2に戻る。
【0035】
一致判定の具体例について以下に示す。
【0036】
まず、スクリーンキャプチャー(S)の各画素をS[x、y]、テンプレート画像(T)の各画素をT[x、y]、合成画像(C)の各画素をC[x、y]とする。ただし、x、yは、画素の座標位置を示す整数である。
【0037】
このとき、合成画像(C)の各画素は下記のようになる。
C[x、y]=S[x、y](if T[x、y]=透明画素値)
=T[x、y](if T[x、y]≠透明画素値)
つまり、このとき、C[x、y]=S[x、y]がすべての画素値で成り立つときは、T[x、y]≠透明画素値となるすべての[x、y]において、T[x、y]=S[x、y]を満たすこととなり、スクリーンキャプチャー(S)がテンプレート画像(T)と同一の画面になったことを意味する。
【0038】
実際のソフトウェア実装では、以下の2つの処理で実現することができる。
【0039】
「合成画像の生成」
スクリーンキャプチャーSの画像データに、テンプレート画像Tの画像データを重ねる。具体的には、各OSにおいて用意されている重ね合わせの画像処理コマンドを利用する方法、例えば、android(登録商標)では、スクリーンキャプチャーSの画像データをBitmapデータとして描写したキャンバスに、同じくBitmapデータとして用意したテンプレート画像Tを加える方法等がある。
【0040】
「画像一致比較」
生成した合成画像の画像データとスクリーンキャプチャーSの画像データとが一致しているかどうかを確認する。具体的には、各OSにおいて用意されている画像一致比較コマンドを利用する方法、例えば、android(登録商標)では、双方のBitmapデータが同じかどうかを確認するsameAsというコマンドを利用する方法等がある。
【0041】
上記の処理内容をプログラムで示すと以下のようになる。
Bitmap S=screenshot();# (スクリーンキャプチャーの取得)
Bitmap C=S.copy(Bitmap.Config.ARGB_8888, true);# (Sを複製したCを用意)
Canvas canvas=new Canvas(C);# (C(=S)が描写されたキャンバスを用意する)
canvas.drawBitmap(T、0、0、null);# (C(=S)にTを書き加える)
If(C.sameAs(S)){
#一致処理
}else{
#不一致処理
}
ただし、Tは予め用意された、テンプレート画像を意味するビットマップである。
【0042】
上記の方法以外にも、画素データの座標の位置と、画像をデータ列として見たときのビット列の位置との間に関係性がある場合には、画像としてではなく、データ列として処理する方法も、さらなる処理の軽減方法として望ましい。この方法の具体例を以下に示す。
【0043】
「合成画像の生成」
スクリーンキャプチャーSを示すビット列に、テンプレート画像Tを示すビット列をビット演算により、加算する。
【0044】
「画像一致比較」
合成画像を示すビット列CとスクリーンキャプチャーSを示すビット列Sとが完全に一致するか否かを判定する。
【0045】
上記の処理内容をプログラムで示すと以下のようになる。
Byte[] S=screenshot().toByteArray();# (スクリーンキャプチャーの取得、ビット列化)
Byte[] C;# (Cを用意)
C = S|T; (ビットOR演算を行う)
If(C==S){
#一致処理
}else{
#不一致処理
}
ただし、Tは予め用意された、テンプレート画像を示すビット列である。
【0046】
表示部170は、例えば、液晶ディスプレイ等で構成され、アプリケーションの表示画像等を表示する。制御部180は、予め格納されているプログラムにより端末全体の動作、処理を制御する。本実施形態においては、例えば、画像比較部160において、表示画像と完全一致する合成画像があったときに、操作ガイド画像格納部140から合成画像元のテンプレート画像に対応する操作ガイド画像を読みだして、表示画面に読みだした操作ガイド画像を重ね合わせて表示する制御を行う(例えば、
図2(D)の表示)。また、表示画像取得部110が、特定の既存アプリケーションが起動すると、表示されている表示画像を定期的に取得し、特定の既存アプリケーションの起動が終了すると、表示されている表示画像の取得を停止するように制御する。
【0047】
<端末の処理>
図3を用いて、本実施形態に係る端末の処理について説明する。
まず、表示画像取得部が、表示されている既存アプリケーションの表示画像を取得する(ステップS110)。なお、同表示画像の取得においては、後述の操作ガイド画像を重ね合わせる前の、もとの表示画像を取得するように行うことが望ましい。合成画像作成部150は、テンプレート画像格納部130に格納されているテンプレート画像と表示画像取得部110が取得した画像とを合成して合成画像を作成する(ステップS120)。
【0048】
画像比較部160は、表示画像取得部110において取得された表示画像と合成画像作成部150において作成された合成画像とを比較する(ステップS130)。そして、制御部180は、画像比較部160において、表示画像と完全一致する合成画像があったときに、操作ガイド画像格納部140から合成画像元のテンプレート画像に対応する操作ガイド画像を読みだして、表示画面に読みだした操作ガイド画像を重ね合わせて表示する(ステップS140)。
【0049】
なお、上記の操作ガイド表示処理は、例えば、現在の表示画面にオーバレイすることにより、操作ガイドとなる文字や図形、キャラクターを表示する機能(オーバレイ表示(重ね合わせ画像表示)切替機能)として実装することも望ましい。このオーバレイ表示切替機能では、画面比較機能においての一致判定に応じて、対応するオーバレイ表示を行う。また、一致していない場合にオーバレイ表示を削除するようにすることも好ましい。
【0050】
以上、説明したように、本実施形態によれば、既存のアプリケーションに対して、複雑化したアプリコードに手を加えずに、表示画面の比較によって情報提示のタイミングを得ることができる。また、表示画面の比較が、軽量で簡単な「画像の上書き」および「完全一致比較」で実現可能であるため実用的である。
【0051】
<第2の実施形態>
以下、
図4を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0052】
本実施形態に係る画像判定システムは、
図4に示すように、端末100と表示装置200とからなり、端末100は、表示画像取得部110と、表示用メモリ120と、テンプレート画像格納部130と、操作ガイド画像格納部140と、合成画像作成部150と、画像比較部160と、制御部181と、画像生成部191と、送信部192とから構成され、表示装置200は、受信部210と、表示部220と、制御部230とから構成されている。なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は省略する。
【0053】
画像生成部191は、画像比較部160において、表示画像と完全一致する合成画像があったときに、操作ガイド画像格納部140から合成画像元のテンプレート画像に対応する操作ガイド画像を読みだして、表示画面に読みだした操作ガイド画像を重ね合わせた画像を生成する。
【0054】
送信部192は、生成した重ね合わせ画像を表示装置200に送信する。制御部181は、例えば、画像比較部160において、表示画像と完全一致する合成画像があったときに、操作ガイド画像格納部140から合成画像元のテンプレート画像に対応する操作ガイド画像を読みだして、表示画面に読みだした操作ガイド画像を重ね合わせた画像を生成し、生成した重ね合わせ画像を表示装置200に送信するよう制御を行う。
【0055】
表示装置200の受信部210は、端末の送信部192から、重ね合わせ画像を受信する。表示部220は、受信した重ね合わせ画像を表示する。制御部230は、例えば、重ね合わせ画像を受信し、受信した重ね合わせ画像を表示するよう制御を行う。また、受信部210は、端末100の送信部192から、合成画像元のテンプレート画像に対応する操作ガイド画像を受信する。表示部220は、受信した操作ガイド画像を表示する。制御部230は、例えば、操作ガイド画像を受信し、受信した操作ガイド画像の表示制御を行う。
【0056】
なお、表示画像の取得(スクリーンキャプチャー)は、端末において現在稼働中のプロセスを確認し、所定のプロセス(パッケージネーム)が存在するときに機能するようにしてもよい。また、表示画像の取得(スクリーンキャプチャー)は、対象アプリケーションの起動元(例えば、ホームアプリケーションや専用アプリケーション)によって機能するかどうかを判定するようにしてもよい。例えば、通常起動であれば重ねあわせ(オーバレイ)を行わず、説明書要らずのアプリケーションのような特定モードからの起動であれば重ねあわせ(オーバレイ)を行うようにしてもよい。
【0057】
また、表示画像の取得(スクリーンキャプチャー)は、ヘルプボタンのようなものとし、端末の特定のハードウェアボタン、あるいは、端末画面内のソフトウェアボタンを押下することで機能するようにしてもよい。また、表示中内容において比較対象がない場合に、同表示画像の取得からはじまる一連の機能を実行しない、ヘルプボタンを表示しない、あるいは、ヘルプボタンを無効表示状態(例えば、ボタンをグレースケール化)するようにしてもよい。
【0058】
また、重ね合わせ画像の代わりに、テンプレート画像に対応する説明音声を用意し、操作ガイド表示は、音声による操作方法の説明を再生するようにしてもよい。また、重ね合わせ画像(オーバレイ画像)の代わりに、テンプレート画像に対応する操作説明動画像を用意し、操作ガイド表示は、操作説明動画像を再生するようにしてもよい。また、アニメーションを伴う画像のような動画像を重ね合わせ画像(オーバレイ画像)として重ね合わせて表示させてもよい。また、表示画像とテンプレート画像とが一致したときに、これをアプリケーションの利用状況ログとして、サーバに送信して保存することにより、このログをアプリケーションの機能改善のために利用してもよい。
【0059】
また、画像判定システムにおいて、端末は外部への通信機能を持ち、テンプレート画像および対応する操作ガイド情報を外部から取得するようにしてもよい。また、テンプレート画像および対応する操作ガイド情報の取得タイミングは、所定アプリの起動時、あるいは、定期タイミングであってもよい。また、所定アプリのアップデート時であってもよい。また、画像判定システムにおいて、表示装置は、アプリケーションごとにテンプレート画像、オーバレイ画像のセットを保持しており、画像セットを追加および更新する機能を有するようにしてもよい。また、判定に基づいて、アプリケーション中の表示を消す、あるいは、インストールや購入ボタン押下等操作をさせなくするようにしてもよい。例えば、表示に不適切な画像を見せないようにしたり、購入を防いだりするようにしてもよい。
【0060】
本実施形態において、表示画像と合成画像とが完全一致するか否かの判定処理を以下の技術に応用してもよい。例えば、ユーザが携帯端末でネットのショッピングサイトを閲覧して、商品を購入する場合に、ユーザが「購入する」のボタンを押すと、予め通信会社とサービスプロバイダが取り決めた「決済処理マーク」が画面表示され、このマークがテンプレート画像と一致すると、一致判定処理によりオフラインでの画面遷移に切り替わり、決済処理に必要な決済金額確認画面やクレカ番号記入画面等の画面遷移が行われるようにしてもよい。また、フィッシングサイトに特有の画像マークをテンプレート画像として登録しておき、一致するとフィッシングサイトから強制的に安全なページへ遷移させるようにしてもよい。
【0061】
なお、端末および画像判定システムの処理をコンピュータシステムが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録された端末および画像判定システムに読み込ませ、実行することによって本発明の端末および画像判定システムを実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0062】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0063】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0064】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は以上の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。