【実施例】
【0012】
図1に示されるように、本発明の実施例に係るコンビネーションローラコンベア10は、平行に配置された第1コンベアフレーム11及び第2コンベアフレーム12と、第1コンベアフレーム11におけるローラ支持壁11Aのコンベア幅方向内側位置の同一搬送ライン11B上に配置された複数のコンベアローラ14と、第2コンベアフレーム12におけるローラ支持壁12Aのコンベア幅方向内側位置の同一搬送ライン12B上に配置された複数のコンベアローラ14とを備えて構成されている。
【0013】
第1コンベアフレーム11におけるコンベアローラ14は、駆動ローラ30と、駆動ローラ30以外のフリーローラ18とから構成されている。また、第2コンベアフレーム12にフリーローラ18のみが設けられている。
【0014】
フリーローラ18は、第1、第2コンベアフレーム11、12におけるコンベア幅方向内側面となるローラ支持壁11A、12Aにそれぞれ着脱自在に支持されている。
【0015】
一方、駆動ローラ30は、ローラ支持壁11Aよりも更にコンベア幅方向内側位置で、第1コンベアフレーム11のコンベア幅方向内側のローラ支持壁11Aに着脱自在に配置されたローラ副支持壁22に支持されている。該ローラ副支持壁22は、駆動ローラユニット20の一部を構成している。
【0016】
駆動ローラユニット20は、ローラ支持壁11Aへスペーサ38(
図6参照)を介して取付けた状態で、該ローラ支持壁11Aとの間に駆動ローラ収納空間21Aを形成するローラ副支持壁22と、駆動ローラ収納空間21A内において、コンベア長手方向に複数個配置され、各々が前記ローラ副支持壁22に回転自在に支持された前記駆動ローラ30と、駆動ローラ30とローラ副支持壁22との間に配置され、駆動ローラ30の各々に同軸的に設けられたスプロケットホイール24と、駆動ローラ30とローラ副支持壁22との間であって、前記スプロケットホイール24の下側に配置され、且つ、該スプロケットホイール24に巻掛けられ、これを同期して駆動するエンドレスチェーン26と、ローラ副支持壁22における前記駆動ローラ30と反対側面に取付けられ、前記エンドレスチェーン26に駆動力を付与する駆動モータ28と、を備えて構成されている。
【0017】
なお、
図1、
図2において、駆動ローラユニット20は1基のみ示されているが、2基以上又は第1コンベアフレーム全体のコンベアローラを全部駆動ローラユニット20としてもよい。
【0018】
更に、駆動ローラユニット20には2個又は3個の駆動ローラ30が備えられているが、これは複数個であればよい。
【0019】
実際には、駆動ローラ30の個数は、製造コストの点から、2〜8個の駆動ローラ30を備えた7種類の駆動ローラユニット20のうちから1又は2種類が選定されることになる。
【0020】
図3に示されるように、ローラ副支持壁22は、コンベア幅方向の断面において、ローラ支持壁11Aのコンベア幅方向内側面に取付けられ、且つ、エンドレスチェーン26及びスプロケットホイール24の下側を被う連結部22Aと、該連結部22Aのコンベア幅方向内側端から上方に延在し、エンドレスチェーン26、スプロケットホイール24及び、駆動ローラ30のコンベア幅方向内側を被う支持壁部22Bとを含んで構成されている。
【0021】
また、ローラ副支持壁22は、エンドレスチェーン26のためのチェーンガイド部材26Aがコンベア長手方向に挿通されるガイド部材スロット26Bと、駆動ローラ30を固定するためのローラ取付ボルト30Aの先端が螺合するナット30Bが挿入されるスロット30Cと、チェーンスライドガイド26Dがコンベア長手方向に挿入されるガイド部材スロット26Eが形成されているアルミ押出成形部材から構成されている。
【0022】
駆動ローラ30は、スプロケットホイール24と同軸一体的に設けられ、且つ、これらを、軸受30Dを介して回転自在に支持する筒状のスペーサスリーブ30E及び、スペーサスリーブ30Eを貫通する前記ローラ取付ボルト30Aにより、支持壁部22Bの、コンベア幅方向外側面に固定されている。
【0023】
ローラ副支持壁22の上端には、スプロケットホイール24、エンドレスチェーン26及び、駆動ローラ30の上端以外の部分を被うトップカバー32が着脱自在に取付けられている。トップカバー32には、駆動ローラ30の上端が露出するように、ローラ開口34が形成されている。
【0024】
駆動ローラユニット20は、
図5、
図6に示されるように、コンベア長手方向における駆動ローラ30の間の位置で、ユニット取付ボルト36とナット36Aとにより、ローラ支持壁11Aのコンベア幅方向内側面に締付け固定されている。
【0025】
なお、ユニット取付ボルト36は、スペーサ38に挿通されていて、締付け固定時にスペーサ38が、ローラ支持壁11Aのコンベア幅方向内側面と、支持壁部22Bのコンベア幅方向外側面とに当接することによって、ローラ副支持壁22とローラ支持壁11Aとの距離が保持されるようになっている。
【0026】
ローラ副支持壁22の下側の水平の連結部22Aは、ボルト39によりローラ支持壁11Aに締付け固定されている。駆動モータ28の出力軸28Aには、駆動スプロケットホイール28Bが取付けられている。
【0027】
図5に示されるように、エンドレスチェーン26は、駆動スプロケットホイール28Bに巻回され、更に、各スプロケットホイール24の下側と、チェーンガイド部材26Aの上側の間を通って
図5において左端の折返し部26CによりUターンされ、ローラ副支持壁22の水平の連結部22Aの上方を通って、駆動スプロケットホイール28Bに戻るようにされている。
【0028】
図1、
図5の符号23は、
図5において右側から搬送されてくるワークWの先端を駆動ローラ30の上側に導くためのガイドローラを示す。
【0029】
図3に示されるように、フリーローラ18は、その中心を貫通する取付ボルト18Aの先端を、ローラ支持壁11A、12Aのローラ取付スロット15内のナット16に、螺合させることによって、あるいは、ナット16から緩めることによって、フリーローラ18を容易に着脱できるようにされている。
【0030】
図3の符号17は、搬送されるワークWのコンベア幅方向両端をガイドするために、ローラ支持壁11A及び12A上端に取付けられたサイドガイドを示す。
【0031】
次に上記実施例において用いられた、駆動ローラ30の詳細な構造について
図7〜
図9を参照して説明する。
【0032】
駆動ローラ30は、ローラ取付ボルト30A及びナット30Bによって、ローラ副支持壁22に締付け固定されたスペーサスリーブ30Eの外周に嵌合されている。
【0033】
軸受30Dの外周には、スプロケットホイール24と一体のスプロケットブッシュ24Aが嵌合され、該スプロケットブッシュ24Aの外周にはスプリングピン30Fによって一体的に回転するように取付けられている。
【0034】
スプロケットブッシュ24Aの外周には、軸受ブッシュ40がスプリングピン30Fにより、スプロケットブッシュ24Aと一体的に回転するように嵌合されている。
【0035】
軸受ブッシュ40は、
図8に示される分割ブッシュ40A、40Bから構成され、これら分割ブッシュ40A、40Bは、同一構造で、
図8において、下端には、フランジ部42と、その上の薄肉リング状部43と、更にその上の半割リング状部44とを連続一体的に備えて構成されている。
【0036】
このような同一構造の分割ブッシュ40A、40Bを、
図7、
図9に示されるように、ローラ外周部30Gをローラ軸方向両側から挟み込みながら、分割ブッシュ40A、40Bにおける半割リング状部44を相互の薄肉リング状部43と半割リング状部44が重なる配置で組込むようにして取付けられる構造となっている。
【0037】
なお、駆動ローラ30は、ローラ外周部30Gの内周面と、含油された軸受ブッシュ40の外周面との間が、潤滑できるように緩く嵌合されていて、両者間での摩擦力によって、スプロケットブッシュ24Aに伝達される回転がローラ外周部30Gに伝達されるフリクションローラを構成している。
【0038】
したがって、該フリクションローラにおけるローラ外周部30Gと軸受ブッシュ40との摩擦が少ない場合は、わずかな抵抗があっても、ローラ外周部30Gの回転が止められることになる。
【0039】
この実施例では、軸受ブッシュ40が、2つの分割ブッシュ40A、40Bから構成され、且つ、半割リング状部44が段差をもって構成されているので、該半割リング状部44の直平面が重なる外周部では、駆動ローラ30の回転中に、ローラ外周部30Gの内周面に付着した潤滑油やごみを、2つの半割リング状部44の突合せ面の外周角部でこすり取ることができ、軸受ブッシュ40と、ローラ外周部30Gの間の摩擦係数を一定値以上に維持することができる。
【0040】
また、この実施例に係る駆動ローラ30は、ローラ外周部30Gを軸方向両側から分割ブッシュ40A、40Bによって挟込み、スプリングピン30Fによって回転止めが構成され、抜止めとして、スプロケットホイール24と反対側から軸用スナップリング45を嵌込めばよいので、軸受ブッシュ40を薄く構成できる。
【0041】
したがって、スプロケットホイール24の反対側の、駆動ローラ30の外側面からの突出量を少なくすることができ、従来比で駆動ローラ30の位置を第1コンベアフレーム11のローラ支持壁11Aに更に接近させて配置することができる。
【0042】
上記実施例において、第2コンベアフレーム12に設けられたコンベアローラは全てフリーローラとされているが、本発明はこれに限定されるものでなく、第2コンベアフレーム12においても、駆動ローラユニット20を着脱自在に取付けるようにしてもよい。
【0043】
また、第1コンベアフレーム11、第2コンベアフレーム12のいずれにおいても、コンベアローラ全部を、駆動ローラユニット20の駆動ローラ30によって構成してもよい。