【文献】
Microsoft▲R▼Excel ユーザーズガイド Ver.5.0 第2版 Microsoft Excel Ver.5.0,マイクロソフト株式会社,1994年11月11日,第2版,P.595-622
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る提供装置、提供方法および提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る提供装置、提供方法および提供プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.算出処理〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る算出処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る算出処理の一例を示す説明図である。
図1では、商品の販売促進費に関する情報であって商品に関するコンテンツ(例えば、広告コンテンツ)を配信する基準となる販売促進情報の推奨値が情報提供装置100によって出品者端末10に提示される例を示す。ここで、販売促進費は、例えば、出品者によって出品された商品が購入された場合に、情報提供装置100の管理者に対して出品者から支払われる広告費に対応する。
【0012】
図1に示す出品者端末10は、ショッピングサイトやオークションサイトなどのECサイトに商品を出品する出品者によって利用される情報処理装置である。出品者端末10は、ECサイトに出品する商品に関する出品情報を情報提供装置100に送信する。ここで、出品情報は、例えば、出品者が出品する商品の商品名や販売価格、粗利、商品画像といった各種の商品に関する情報が含まれる。
【0013】
情報提供装置100は、出品者端末10にウェブページを提供するウェブサーバ等である。例えば、情報提供装置100は、出品者端末10に対して、出品情報を設定する設定画面のウェブページを提供する。これにより、情報提供装置100は、出品者端末10から出品情報を取得する。
【0014】
また、情報提供装置100は、商品の販売促進情報の推奨値を算出する。例えば、情報提供装置100は、出品者端末10から取得した出品情報に基づいて、商品の販売促進情報のうち商品の商品価格に対する販売促進費の割合である販売促進割合(以下、販促割合)の推奨値を算出する。また、情報提供装置100は、端末装置30にウェブページを提供する。例えば、情報提供装置100は、端末装置30からウェブページの取得要求を受信した場合に、ECサイトのウェブページを端末装置30に配信する。
【0015】
配信装置20は、商品に関するコンテンツを配信するウェブサーバ等である。例えば、配信装置20は、販促割合に基づいて商品が描出された商品画像を含む広告コンテンツを端末装置30に配信する。なお、商品の広告コンテンツには、当該商品を販売する販売ページにアクセスするためのURLが埋め込まれる。これにより、例えば、端末装置30に表示された広告コンテンツがユーザにクリックされると当該広告コンテンツに対応する商品の販売ページへ遷移する。
【0016】
端末装置30は、ウェブページを閲覧するユーザによって利用される情報処理装置である。例えば、端末装置30は、ECサイトのウェブページを取得し、取得したウェブページを表示装置(例えば、液晶ディスプレイ)に表示する。また、端末装置30は、ウェブページに広告枠が含まれる場合には、配信装置20にアクセスすることで、配信装置20から広告コンテンツを取得し、取得した広告コンテンツをウェブページ上に表示する。
【0017】
ここで、
図1に示すように、商品名「商品A」の商品C11を出品する出品者が、情報提供装置100から提供された設定画面を介して出品情報を設定したものとする。この場合、出品者端末10は、設定された出品情報を情報提供装置100に送信する(ステップS1)。これにより、情報提供装置100は、商品C11の出品情報を取得する。そして、情報提供装置100は、受信した出品情報を出品者と対応付けて記憶する。
【0018】
続いて、情報提供装置100は、取得した出品情報に基づいて、商品C11の販売価格に対する販売促進費の割合であって商品C11に関するコンテンツ(例えば、広告コンテンツ)を配信する基準となる販促割合の推奨値を算出する(ステップS2)。具体的には、情報提供装置100は、過去に出品された商品の販促割合に関する実績と商品C11の出品者が商品C11を販売することで得られる利益額との間の関係に基づいて販促割合の推奨値を算出する。例えば、情報提供装置100は、販促割合の推奨値として、過去に出品された商品の販促割合に関する実績と商品C11の出品者が商品C11を販売することで得られる利益額との間の関係から商品C11の出品者の利益額が最大となる販促割合を算出する。一例としては、情報提供装置100は、過去に販売された商品の売上個数および販売促進費の履歴データと商品C11の粗利とを用いて、商品1個あたりの利益が最大となる販売促進費を算出する。そして、情報提供装置100は、算出された販売促進費から商品C11の販促割合の推奨値を算出する。
【0019】
そして、情報提供装置100は、算出された商品C11の販促割合の推奨値を出品者端末10に提示する(ステップS3)。例えば、情報提供装置100は、販促割合の推奨値が表示された設定画面のウェブページを出品者端末10に提供する。
【0020】
その後、出品者は、販促割合を推奨値に設定したものとする(ステップS4)。この場合、出品者端末10は、設定された販促割合を情報提供装置100に送信する。そして、情報提供装置100は、出品者端末10から受信した販促割合を商品と対応付けて記憶する。続いて、情報提供装置100は、出品者に設定された販促割合と商品C11の販売価格とを乗算する。これにより、情報提供装置100は、商品C11の販売促進費を算出する。なお、情報提供装置100は、商品C11に限らず、出品された複数の商品に対して、商品の販売促進費を算出する。そして、情報提供装置100は、算出された販売促進費を商品と対応付けて記憶する。その後、情報提供装置100は、販売促進費を含む出品情報を配信装置20に送信する(ステップS5)。
【0021】
そして、端末装置30は、情報提供装置100によって提供されるウェブページの取得要求を情報提供装置100に送信したものとする(ステップS6)。この場合、情報提供装置100は、取得要求に対応するウェブページを端末装置30に配信する(ステップS7)。これにより、端末装置30は、広告枠が含まれるウェブページを取得する。
【0022】
続いて、端末装置30は、広告枠に表示される広告コンテンツの取得要求を配信装置20に送信する(ステップS8)。そして、配信装置20は、販促割合に基づいて、商品に関するコンテンツを配信する。例えば、配信装置20は、商品の販売価格と販促割合とを乗算した値である販売促進費が高い商品の広告コンテンツを優先して端末装置30に配信する。
図1の例では、配信装置20は、商品C11が描出された画像を含む広告コンテンツAD11を端末装置30に配信する(ステップS9)。
【0023】
このように、実施形態に係る情報提供装置100は、商品の出品情報を取得する。また、情報提供装置100は、取得された出品情報に基づいて、商品の販売促進費に関する情報であって商品に関するコンテンツを配信する基準となる販売促進情報の推奨値を算出する。
【0024】
これにより、情報提供装置100は、推奨値に基づいて販売促進情報を設定することができるので、商品の販売促進情報を検討する出品者の手間を軽減することができる。例えば、目標とする利益を得るには販促割合をどの程度に設定すればよいかを出品者が判断するのは難しいので、販促割合を検討する出品者の手間を軽減することができる。
【0025】
また、情報提供装置100は、出品者の利益が高くなる販促割合を設定することができるので、商品の販売によって得られる利益を高めることができる。例えば、情報提供装置100は、商品が購入されると出品者から管理者に販売促進費が支払われるので、出品者の利益を高めることができるとともに管理者の利益を向上させることができる。
【0026】
また、配信装置20は、商品の広告コンテンツを配信するので、当該商品が購入されやすくなる。これにより、商品の売り上げが向上して出品者から管理者に支払われる販売促進費も高くなるので、情報提供装置100は、管理者の利益を向上させることができる。
【0027】
〔2.情報提供装置の構成〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る情報提供装置100の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報提供装置100の構成例を示す図である。
図2に示すように、情報提供装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、情報提供装置100は、情報提供装置100を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0028】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。かかる通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、ネットワークを介して、出品者端末10や配信装置20や端末装置30との間で情報の送受信を行う。
【0029】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、出品情報記憶部121を有する。
【0030】
(出品情報記憶部121について)
出品情報記憶部121は、商品に関する各種の情報である出品情報を記憶する。例えば、出品情報記憶部121は、出品者端末10から送信された情報や商品に関する履歴情報を記憶する。ここで、
図3に、実施形態に係る出品情報記憶部121の一例を示す。
図3に示した例では、出品情報記憶部121は、「出品者ID」、「商品ID」、「商品名」、「商品画像」、「販売価格」、「粗利」、「在庫数」、「送料」、「キーワード」、「販促割合」、「販売促進費」、「表示回数」、「売上個数」、「CTR(Click Through Ratio)」、「CVR(Conversion Rate)」といった項目を有する。
【0031】
「出品者ID」は、出品者または出品者端末10を識別するための識別情報を示す。「商品ID」は、出品者が出品する商品を識別するための識別情報を示す。「商品名」は、出品者が出品する商品の商品名を示す。「商品画像」は、出品者が出品する商品の画像を示す。
図3に示した例では、「商品画像」に、「AD11」や「AD21」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、静止画像や動画像やURL(Uniform Resource Locator)、または、これらの格納場所を示すファイルパス名などが記憶される。なお、「商品画像」には、1枚の画像に限らず複数枚の画像が記憶されてもよい。
【0032】
「販売価格」は、出品者が出品する商品の売値を示す。「粗利」は、販売価格から原価を減算した利益を示す。「在庫数」は、出品者が出品する商品の在庫数を示す。「送料」は、送料の有無を示す。
図3の例では、送料が無料の場合には、「送料」に「1」が格納される。一方、送料が有料の場合には、「送料」に「0」が格納される。「キーワード」は、商品に関するキーワードを示す。なお、「キーワード」は、出品者によって設定されたキーワードでもよいし、出品情報から抽出されたキーワードでもよい。
【0033】
「販促割合」は、商品の販売価格に対する販売促進費の割合を示す。「販売促進費」は、出品者から管理者に広告料として支払われる費用を示す。例えば、「販売促進費」は、「販売価格」に「販促割合」を乗算することで算出される。
【0034】
「表示回数」は、ECサイトの商品を販売する販売ページが表示された回数を示す。「売上個数」は、ECサイトの販売ページから購入された商品の個数を示す。
【0035】
「CTR」は、商品の広告コンテンツが選択された割合を示す。「CVR」は、商品の広告コンテンツを介して、商品を出品する出品元の利益につながる行動に至る指標を示す。例えば、「CVR」は、広告コンテンツを配信した回数に対して、コンバージョン(商品購入や資料請求などの、コンテンツ上から獲得できる最終成果)に至った回数の割合を示す。
【0036】
すなわち、
図3では、出品者ID「SE10」によって識別される出品者が、商品ID「C11」の商品名「商品A」の商品Aを販売価格「3000」円で出品した例を示している。また、
図3では、商品Aの販促割合が「5%」に設定されている例を示している。また、
図3では、商品Aの粗利は、「1000」円である例を示している。また、
図3では、商品Aの販売促進費は、「150」円である例を示している。また、
図3では、商品Aの商品画像は、「AD11」である例を示している。また、
図3では、商品Aの在庫数は、「100」個である例を示している。また、
図3では、商品Aの販売ページは、「200」回表示された例を示している。また、
図3では、商品Aは、販売ページから「100」回購入された場合の例を示している。また、
図3では、商品Aの広告コンテンツは、CTR「2%」である例を示している。また、
図3では、商品Aの広告コンテンツは、CVR「10%」である例を示している。また、
図3では、商品Aの「キーワード」は、「飲料水」である例を示している。また、
図3では、商品Aの「送料」は、無料「1」である例を示している。
【0037】
また、
図3では、出品者ID「SE10」によって識別される出品者が、商品ID「C12」の商品名「商品B」の商品Bの販促割合を「0%」に設定している例を示している。ここで、販促割合「0%」は、商品の広告に費用を掛けないことを意味する。
【0038】
(制御部130について)
制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報提供装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(算出プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0039】
制御部130は、
図2に示すように、取得部131と、算出部132と、提示部133と、受信部135と、送信部136とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0040】
(取得部131について)
取得部131は、出品者によって出品された商品に関する出品情報を取得する。具体的には、取得部131は、出品者によって商品が出品された場合に、商品の商品名や商品画像、販売価格といった商品に関する各種の情報を出品情報として出品者端末10から取得する。例えば、取得部131は、出品者端末10からアクセスされた場合に、出品情報を設定する設定画面のウェブページを送信する。そして、出品者は、出品者端末10に表示された設定画面を介して出品情報を設定する。これにより、取得部131は、出品者に設定された出品情報を出品者端末10から取得する。そして、取得部131は、取得した出品情報を出品情報記憶部121に格納する。
【0041】
(算出部132について)
算出部132は、取得部131によって取得された出品情報に基づいて、商品の販売促進費に関する情報であって前記商品に関するコンテンツを配信する基準となる販売促進情報の推奨値を算出する。具体的には、算出部132は、商品の販売促進情報のうち商品の商品価格に対する販売促進費の割合である販促割合を算出する。例えば、算出部132は、過去に出品された商品の販促割合に関する実績と商品の出品者が商品を販売することで得られる利益額との間の関係に基づいて販促割合の推奨値を算出する。一例としては、算出部132は、販促割合の推奨値として、過去に出品された商品の販促割合に関する実績と商品の出品者が商品を販売することで得られる利益額との間の関係から商品の出品者の利益額が最大となる販促割合を算出する。
【0042】
例えば、算出部132は、過去に販売された商品の売上個数、販売促進費および商品の粗利を用いて、販促割合の推奨値を算出する。この点について
図4を用いて説明する。
図4は、売上個数と1商品あたりの販売促進費との間の関係の一例を示す図である。
図4に示すように、グラフの縦軸は、売上個数である。また、横軸は、1商品あたりの販売促進費である。算出部132は、過去に販売された商品の売上個数および販売促進費の履歴データを用いて、
図4に示すような商品の売上個数と1商品あたりの販売促進費との間の関係を算出する。ここで、売上個数を「Y」とする。また、1商品あたりの販売促進費を「c」とする。この場合、算出部132は、過去の履歴データを用いて、売上個数と1商品あたりの販売促進費との間の関係を算出する。例えば、算出部132は、売上個数と販売促進費との間の関係を最小2乗法などによって回帰分析することで、下記の式(1)を算出する。なお、式(1)の「a」は、直線の傾きを示す。
【0044】
また、算出部132は、粗利と販売促進費のデータを用いて、1商品あたりの利益額と販売促進費との間の関係を算出する。この点について
図5を用いて説明する。
図5は、1商品あたりの利益額と販売促進費との間の関係の一例を示す図である。
図5に示すように、グラフの縦軸は、1商品あたりの利益額である。また、横軸は、1商品あたりの販売促進費である。ここで、1商品あたりの利益額を「r」とする。また、販売促進費を「0」とした場合の1商品当たりの利益額である粗利を「p」とする。このため、この場合、算出部132は、1商品あたりの利益額と販売促進費との間の関係として、下記の式(2)を算出する。
【0046】
続いて、算出部132は、商品の売上個数に応じて出品者が得る総利益額と販売促進費との間の関係を算出する。この点について
図6を用いて説明する。
図6は、総利益額と販売促進費との間の関係の一例を示す図である。
図6に示すように、グラフの縦軸は、商品の売上個数に応じて出品者が得る総利益額である。また、横軸は、1商品あたりの販売促進費である。ここで、総利益額を「R」とする。この場合、総利益額Rは、売上個数Yに1商品あたりの利益額rを乗算した値となるので、「(a×c)×(p−c)」となる。これにより、算出部132は、総利益額と販売促進費との間の関係として、下記の式(3)を算出する。
【0048】
そして、算出部132は、総利益額Rが最大となる販売促進費cを算出する。すなわち、算出部132は、
図6に示すように、総利益額Rが最大となる販売促進費cとして「p/2」を算出する。なお、総利益額Rは、
図6に示すように、「ap2/4」となる。そして、算出部132は、算出された販売促進費を商品の販売価格で除算することで販促割合を算出する。これにより、算出部132は、総利益額が最大となる販促割合を推奨値として算出する。
【0049】
例えば、
図3の商品Aの例では、算出部132は、粗利pが「1000」円なので、総利益額Rが最大となる販売促進費cとして「500」円を算出する。そして、算出部132は、算出された販売促進費「500」円を商品Aの販売価格「3000」で除算することで販促割合「16.7%」を算出する。これにより、総利益額が最大となる商品Aの販促割合の推奨値は、「16.7%」となる。
【0050】
なお、
図3の商品Aの例では、販売促進費「150」円のとき売上個数「100」個なので、傾き「a」は、「0.67」となる。このため、商品Aの総利益額Rは、「ap2/4」に傾き「a」の「0.67」と粗利p「1000」を代入することで「167500」円となる。
【0051】
また、売上個数と1商品あたりの販売促進費との間の関係が
図4に示すような線形にならない場合がある。例えば、販売促進費が他の商品と比べて1番高い場合には、売上個数は、非線形的に大きくなるケースが考えられる。この場合、総利益額が最大となる販売促進費の解を解析的に算出することができないので、例えば、販売促進費を少しずつ大きくし、総利益額が他の販売促進費の場合と比較して大きい販売促進費を算出する。
【0052】
(提示部133について)
提示部133は、算出部132によって算出された販促割合の推奨値を提示する。具体的には、提示部133は、算出部132によって販促割合の推奨値が算出された場合に、当該推奨値を出品者端末10に提示する。例えば、提示部133は、販促割合の推奨値が表示された設定画面のウェブページを出品者端末10に配信することで推奨値を提示する。また、提示部133は、出品者によって設定された販促割合を受け付ける。例えば、提示部133は、設定画面を介して出品者に設定された販促割合を出品者端末10から受け付ける。そして、提示部133は、出品者端末10から受け付けた販促割合を商品と対応付けて出品情報記憶部121に格納する。
【0053】
(配信部134について)
配信部134は、ウェブページの取得要求が受信された場合に、ウェブページを配信する。例えば、配信部134は、配信装置20にアクセスするためのURLが埋め込まれたウェブページや広告コンテンツが既に埋め込まれたウェブページを端末装置30に配信する。そして、配信部134は、配信したウェブページが商品の販売ページである場合には、出品情報記憶部121に記憶された当該販売ページに対応する商品の「表示回数」に1を加えて更新する。また、配信部134は、例えば、配信されたウェブページに表示された商品に関する広告コンテンツがクリックされたか否かを示す情報を端末装置30から取得する。そして、配信部134は、広告コンテンツがクリックされたか否かを示す情報に基づいて、出品情報記憶部121に記憶された「CTR」を更新する。また、配信部134は、例えば、配信されたウェブページに表示された商品に関する広告コンテンツからコンバージョンに至ったか否かを示す情報を配信装置20から取得する。そして、配信部134は、商品が購入されたか否かを示す情報に基づいて、出品情報記憶部121に記憶された「CVR」を更新する。
【0054】
(受信部135について)
受信部135は、配信装置20から出品情報の取得要求を受信する。例えば、受信部135は、所定の期間ごとに、出品情報の取得要求を配信装置20から受信する。
【0055】
(送信部136について)
送信部136は、出品情報を配信装置20に送信する。例えば、送信部136、受信部135によって配信装置20から出品情報の取得要求を受信した場合に、出品情報記憶部121に記憶されている出品情報を配信装置20に送信する。なお、送信部136は、出品情報が更新された場合や所定の期間ごとに、出品情報を配信装置20に送信してもよい。
【0056】
〔3.配信装置の構成〕
次に、
図7を用いて、実施形態に係る配信装置20の構成について説明する。
図7は、実施形態に係る配信装置20の構成例を示す図である。
図7に示すように、配信装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部25とを有する。なお、配信装置20は、配信装置20を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0057】
(通信部21について)
通信部21は、例えば、NIC等によって実現される。かかる通信部21は、ネットワークと有線または無線で接続され、ネットワークを介して、出品者端末10や情報提供装置100や端末装置30との間で情報の送受信を行う。
【0058】
(記憶部22について)
記憶部22は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部22は、出品情報記憶部23を有する。
【0059】
(出品情報記憶部23について)
出品情報記憶部23は、情報提供装置100から送信された出品情報を記憶する。例えば、出品情報記憶部23は、情報提供装置100が有する出品情報記憶部121と同様に、「出品者ID」、「商品ID」、「商品名」、「商品画像」、「販売価格」、「粗利」、「在庫数」、「送料」、「キーワード」、「販促割合」、「販売促進費」、「表示回数」、「売上個数」、「CTR」、「CVR」といった項目を記憶する。
【0060】
(制御部25について)
制御部25は、例えば、CPUやMPU等によって、情報提供装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(配信プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部25は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0061】
制御部25は、
図7に示すように、取得部26と、受信部27と、抽出部28と、配信部29とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部25の内部構成は、
図7に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部25が有する各処理部の接続関係は、
図7に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0062】
(取得部26について)
取得部26は、出品者によって出品された商品に関する出品情報を取得する。具体的には、取得部26は、商品の販売価格、販促割合といった商品に関する各種の情報を出品情報として情報提供装置100から取得する。例えば、取得部26は、所定の期間ごとに、出品情報を情報提供装置100から取得する。そして、取得部26は、取得した出品情報を出品情報記憶部23に格納する。
【0063】
(受信部27について)
受信部27は、端末装置30からコンテンツ(例えば、広告コンテンツ)の取得要求を受信する。例えば、受信部27は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)リクエスト等により、広告コンテンツの取得要求を受信する。なお、受信部27は、端末装置30からに限らず、情報提供装置100から広告コンテンツの取得要求を受信してもよい。
【0064】
(抽出部28について)
抽出部28は、受信部27によって広告コンテンツの取得要求が受信された場合に、取得部26によって取得された出品情報に基づいて、商品に関するコンテンツを抽出する。具体的には、抽出部28は、出品情報記憶部23に販売促進費が記憶されている商品群の中で販売促進費が高い商品に関するコンテンツを優先して抽出する。ここで、抽出部28は、販売促進費が高いほどリスティングの順位を上位にすることで、出品情報記憶部23に販売促進費が記憶されている商品群の中で販売促進費が高い商品に関するコンテンツを優先して抽出する。なお、抽出部28は、販売促進費が高いほど抽出確率を高くすることで、出品情報記憶部23に販売促進費が記憶されている商品群の中で販売促進費が高い商品に関するコンテンツを優先して抽出してもよい。例えば、抽出部28は、出品情報記憶部23に販売促進費が記憶されている商品群の中で販売促進費が最も高い商品に対応する商品画像を広告コンテンツとして抽出する。
図3の例では、抽出部28は、商品A〜Dの中で販売促進費が「4000」円で最も高い商品Cに対応する商品画像の一つである「AD31」を広告コンテンツとして抽出する。
【0065】
(配信部29について)
配信部29は、取得部26によって取得された出品情報に基づいて、商品に関するコンテンツを配信する。具体的には、配信部29は、受信部27によって広告コンテンツの取得要求が受信された場合に、抽出部28によって抽出された広告コンテンツを配信する。例えば、配信部29は、端末装置30から広告コンテンツの取得要求を受信した場合に、抽出部28によって抽出された広告コンテンツである商品画像を端末装置30に配信する。なお、配信部29は、情報提供装置100から広告コンテンツの取得要求を受信した場合には、抽出部28によって抽出された広告コンテンツを情報提供装置100に配信する。この場合、情報提供装置100は、配信装置20から配信された広告コンテンツが表示されたウェブページを端末装置30に配信する。
【0066】
〔4.算出処理手順〕
次に、
図8を用いて、実施形態に係る情報提供装置100による算出処理の手順について説明する。
図8は、実施形態に係る情報提供装置100による算出処理手順を示すフローチャートである。
【0067】
図8に示すように、情報提供装置100の取得部131は、出品者端末10から商品の出品情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。そして、取得部131は、出品情報を取得していない場合には(ステップS101;No)、出品情報を取得するまで待機する。一方、出品情報を取得した場合には(ステップS101;Yes)、取得部131は、取得した出品情報を出品情報記憶部121に格納する(ステップS102)。
【0068】
続いて、算出部132は、履歴データを用いて利益額が最大となる販売促進費を算出する(ステップS103)。例えば、算出部132は、過去に販売された商品の売上個数、販売促進費および粗利の履歴データを用いて、出品者の利益額が最大となる販売促進費を算出する。
【0069】
続いて、算出部132は、算出した販売促進費を用いて販促割合の推奨値を算出する。(ステップS104)。例えば、算出部132は、算出した販売促進費を商品の販売価格で除算することで販促割合の推奨値を算出する。
【0070】
そして、提示部133は、算出部132によって算出された販促割合の推奨値を出品者端末10に提示する(ステップS105)。例えば、提示部133は、販促割合の推奨値が表示された設定画面のウェブページを出品者端末10に配信することで提示する。
【0071】
〔5.変形例〕
上述した実施形態に係る情報提供装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、上記の情報提供装置100の他の実施形態について説明する。
【0072】
〔5−1.推奨値の算出〕
上記実施形態では、算出部132は、過去に販売された商品の履歴データを用いて、出品者の利益額が最大となる販売促進費を算出する例を示した。ここで、算出部132は、過去に出品された商品の販売促進情報に関する実績(例えば、履歴データ)のうち、商品が所定の価格より低い価格で販売された実績を除外して販売促進情報の推奨値を算出してもよい。
【0073】
例えば、算出部132は、過去に販売された商品の履歴データを用いて、商品の販売価格の平均値を算出する。そして、算出部132は、販売価格の平均値の60%に満たない価格で販売された商品の履歴データを除外して販売促進情報の推奨値を算出する。
【0074】
このように、情報提供装置100は、過去に出品された商品の販売促進情報に関する実績のうち、商品が所定の価格より低い価格で販売された実績を除外して販売促進情報の推奨値を算出する。
【0075】
これにより、情報提供装置100は、安売りされた商品の履歴データを使わずに販促割合の推奨値を算出することができるので、販促割合の推奨値を高い精度で算出することができる。
【0076】
〔5−2.推奨値の補正(1)〕
上記実施形態では、算出部132は、過去に販売された商品の履歴データを用いて、出品者の利益額が最大となる販売促進費を算出する例を示した。ここで、算出部132は、商品の在庫数に基づいて販売促進情報の推奨値を補正してもよい。
【0077】
例えば、算出部132は、商品の在庫数が多いほど販促割合の推奨値を高く補正する。販促割合を高く設定させることで商品の売上個数を上げて余剰在庫を消化するためである。一方、算出部132は、商品の在庫数が少ないほど販促割合の推奨値を低く補正する。販促割合を低く設定させることで商品の売上個数を抑えて在庫切れにならないようにするためである。
【0078】
なお、算出部132は、商品の在庫数が少ないほど販促割合の推奨値を高く補正してもよい。販促割合を高く設定させることで商品の在庫を売り切ってしまうためである。また、算出部132は、商品の在庫数が多いほど販促割合の推奨値を低く補正してもよい。例えば、人気商品の場合には、販促割合が低くても売れるので、販売促進費を抑えて出品者の利益を高くするためである。
【0079】
このように、情報提供装置100は、商品の在庫数に基づいて販売促進情報の推奨値を補正する。
【0080】
これにより、情報提供装置100は、在庫数に応じた販売促進情報の推奨値を算出することができるので、出品者の在庫管理の負担を軽減することができる。
【0081】
〔5−3.推奨値の補正(2)〕
上記実施形態では、算出部132は、過去に販売された商品の履歴データを用いて、出品者の利益額が最大となる販売促進費を算出する例を示した。ここで、算出部132は、商品を販売する時期に基づいて販売促進情報の推奨値を補正してもよい。
【0082】
例えば、算出部132は、商品の売上個数が多くなるクリスマスシーズンの12月や年始の1月には販促割合の推奨値を低く補正する。このような繁忙期の時期では、販売促進費を低くして広告を少なくしても商品が売れると考えられるからである。一方、算出部132は、繁忙期である12月、1月を過ぎた後の2月には販促割合の推奨値を高く補正する。このような閑散期の時期では、販売促進費を高くして宣伝しないと商品の売上個数が上がりにくいと考えられるからである。
【0083】
このように、情報提供装置100は、商品を販売する時期に基づいて販売促進情報の推奨値を補正する。
【0084】
これにより、情報提供装置100は、時期に応じた販売促進情報の推奨値を算出することができるので、出品者の売上を安定的に確保することができる。
【0085】
〔5−4.推奨値の補正(3)〕
上記実施形態では、算出部132は、過去に販売された商品の履歴データを用いて、出品者の利益額が最大となる販売促進費を算出する例を示した。ここで、算出部132は、商品の種類に応じて販売促進情報の推奨値を補正してもよい。
【0086】
例えば、算出部132は、商品の種類が産地直送の食品などECサイトで売れやすい種類である場合には販促割合の推奨値を高く補正する。このようなECサイトで売れやすい種類の商品は、他の種類の商品と比較して同じ販売促進費でも販売効果が高いと考えられるからである。一方、算出部132は、商品の種類が高価な洋服などECサイトで売れにくい種類である場合には販促割合の推奨値を低く補正する。このようなECサイトで売れにくい種類の商品は、他の種類の商品と比較して同じ販売促進費でも販売効果が低いと考えられるからである。
【0087】
このように、情報提供装置100は、商品の種類に応じて販売促進情報の推奨値を補正する。
【0088】
これにより、情報提供装置100は、商品の種類に応じた販促割合の推奨値を算出することができるので、商品の販売効果を効率よく高めることができる。
【0089】
〔5−5.推奨値の補正(4)〕
上記変形例では、算出部132は、商品の在庫数、商品を販売する時期、商品の種類に応じて販売促進情報の推奨値を補正する例を示した。ここで、算出部132は、商品の販売数または商品を出品する出品コンテンツ(例えば、商品の販売ページ)の表示回数が所定の間に所定値よりも変動しない場合に、推奨値を所定の間の前よりも高く補正してもよい。所定の期間を経過しても販売数や表示回数が向上しない場合には、販売効果を高めるほど販売促進費が十分に高くないと考えられる。このため、高く補正された推奨値を提示して販促割合や販売促進費を高く設定させた方が販売効果を高めることができると考えられるからである。
【0090】
このように、情報提供装置100は、商品の販売数または商品を出品する出品コンテンツの表示回数が所定の間に所定値よりも変動しない場合に、推奨値を所定の間の前よりも高く補正する。
【0091】
これにより、情報提供装置100は、出品者に商品の販売促進情報を高く設定させることができるので、商品の販売効果(例えば、売上)を高めることができるとともに、管理者の利益を高めることができる。
【0092】
〔5−6.装置構成〕
また、上記実施形態では、情報提供装置100が販促割合の推奨値を算出する例を示したが、配信装置20が販促割合の推奨値を算出してもよい。この場合、
図7に示した配信装置100は、例えば、出品情報記憶部23に記憶された履歴データを用いて、販促割合の推奨値を算出する。そして、配信装置20は、算出された販促割合の推奨値が表示されたウェブページを出品者端末10に配信する。なお、配信装置20は、算出された販促割合の推奨値を情報提供装置100に送信してもよい。この場合、情報提供装置100は、配信装置20から送信された販促割合の推奨値が表示された設定画面を出品者端末10に配信する。
【0093】
〔5−7.売上個数〕
また、上記実施形態では、情報提供装置100は、過去に販売された商品の売上個数の履歴データに限らず、各種の予測モデルによって予測された商品の売上個数のデータを用いて、販売促進情報の推奨値を算出してもよい。
【0094】
具体的には、情報提供装置100の算出部132は、重回帰分析によって商品の売上個数を予測する。そして、算出部132は、予測された商品の売上個数のデータを用いて、販促割合の推奨値を算出する。
【0095】
例えば、算出部132は、取得部131によって取得された出品情報に基づいて、商品の販促割合と商品の売上個数との間の関係を算出する。具体的には、算出部132は、出品情報に含まれる商品の各種の特徴と、過去に出品された商品の売上個数の履歴とに基づいて、商品の販促割合と売上個数との間の関係を算出する。一例としては、情報提供装置100は、商品画像の枚数や送料の有無といった商品の特徴と、過去に出品された商品の売上個数の履歴とに基づいて、商品の販促割合と当該商品の売上個数との間の関係を示す関係式のグラフを算出する。
【0096】
この点について、
図9を用いて説明する。
図9は、売上個数の算出処理を説明するための説明図である。算出部132は、まず、回帰分析を行うために、商品A〜Dの特徴をそれぞれ抽出する。ここでは、算出部132は、「送料」、「商品画像数」および「販促割合」を商品の特徴として採用するものとする。そして、算出部132は、
図9に示すように、商品A〜Dの「送料」、「商品画像数」および「販促割合」の実績値をそれぞれ抽出する。
【0097】
すなわち、
図9では、商品Aの「売上個数」は、「100」である。また、商品Aの特徴1である「送料」は、「1」である。また、商品Aの特徴2である「商品画像数」は、「1」である。また、商品Aの特徴3である「販促割合」は、「0.05」である。
【0098】
そして、算出部132は、売上個数の回帰モデルを仮定する。具体的には、算出部132は、回帰係数及び特徴の値によって売上個数が表される線形の重回帰モデルである下記の式(4)を仮定する。
【0100】
なお、式(4)のc1は、特徴1である「送料」を示す。式(4)のa1は、特徴1の回帰係数を示す。また、式(4)のc2は、特徴2である「商品画像数」を示す。式(4)のa2は、特徴2の回帰係数を示す。また、式(4)のc3は、特徴3である「販促割合」を示す。式(4)のa3は、特徴3の回帰係数を示す。
【0101】
そして、算出部132は、
図4に示したデータを用いて回帰係数を算出する。具体的には、算出部132は、商品A〜Dの「送料」、「商品画像数」および「販促割合」の実績値を用いて、回帰係数a1〜a3を算出する。なお、ここでは、商品の特徴は、特徴1〜3の3つとする。
【0102】
例えば、算出部132は、式(4)のSnに商品Aの売上個数「100」を代入する。また、算出部132は、式(4)のc1に特徴1の「1」を代入する。また、算出部132は、式(4)のc2に特徴2の「1」を代入する。また、算出部132は、式(4)のc3に特徴3の「0.05」を代入する。同様に、算出部132は、商品B、商品Cおよび商品Dにおいて、売上個数および特徴1〜3の実績値を代入する。そして、算出部132は、実績値が代入された商品A〜Dにおける式(4)から最小2乗法によって回帰係数a1〜a3を算出する。これにより、算出部132は、例えば、回帰係数a1「195」、a2「68」およびa3「649」を算出したものとする。なお、ここでは、除算結果の少数第1位を四捨五入するものとする。
【0103】
そして、算出部132は、算出された回帰係数a1「195」、a2「68」およびa3「649」を用いて、売上個数と販促割合との間の関係を算出する。例えば、商品Eは、送料「1」、商品画像数「3」であるものとする。この場合、算出部132は、式(4)のa1に回帰係数「195」を代入する。また、算出部132は、式(4)のa2に回帰係数「68」を代入する。また、算出部132は、式(4)のa3に回帰係数「649」を代入する。また、算出部132は、式(4)のc1に商品Eの送料「1」を代入する。また、算出部132は、式(4)のc2に商品Eの商品画像数「3」を代入する。これにより、算出部132は、商品Eの売上個数と販促割合との間の関係を示す下記の式(5)を算出する。
【0105】
そして、算出部132は、式(5)のグラフを算出する。
図10は、売上個数と販促割合との間の関係の一例を示す図である。例えば、算出部132は、
図10に示すように、縦軸が売上個数であって、横軸が販促割合のグラフを算出する。これにより、算出部132は、商品の販促割合と売上個数との間の関係を算出する。
【0106】
続いて、算出部132は、算出された商品の販促割合と売上個数との間の関係から商品の売上個数を予測する。そして、算出部132は、予測された商品の売上個数のデータを用いて、販促割合の推奨値を算出する。
【0107】
なお、情報提供装置100は、線形の重回帰モデルに限らず、ポアソン回帰モデルを用いて商品の販促割合と売上個数との間の関係を算出してもよい。
【0108】
例えば、算出部132は、回帰係数及び特徴の値によって表示回数の対数値が算出されるポアソン回帰モデルの式(6)を仮定する。
【0110】
続いて、算出部132は、商品の特徴を示す実績値を代入して回帰係数を算出する。そして、算出部132は、算出された回帰係数を用いて商品の販促割合と売上個数との間の関係を算出する。
【0111】
なお、算出部132は、各種の予測モデルによって予測された商品を出品する出品コンテンツ(例えば、販売ページ)の予測表示回数を用いて販売促進情報の推奨値を算出してもよい。具体的には、算出部132は、商品の販売促進情報と商品の販売ページの予測表示回数との間の関係に基づいて販売促進情報の推奨値を算出する。例えば、算出部132は、まず、上述した重回帰分析において売上個数を表示回数に置き換えることによって出品コンテンツの表示回数を予測する。そして、算出部132は、予測された表示回数と販売促進情報との間の関係から利益額が最大となる販売促進情報を算出する。
【0112】
例えば、算出部132は、まず、予測された販売ページの予測表示回数に基づいて、商品の売上個数を予測する。そして、算出部132は、予測された売上個数と、商品の販売促進費および粗利を用いて、利益額が最大となる販売促進情報を算出する。例えば、算出部132は、
図4〜
図6を用いて説明した上述の方法と同様に、まず、売上個数と1商品あたりの販売促進費との間の関係を算出する。また、算出部132は、商品の販売促進費および粗利を用いて、1商品あたりの利益額と販売促進費との間の関係を算出する。そして、算出部132は、商品の売上個数に応じて出品者が得る総利益額と販売促進費との間の関係を算出する。これにより、算出部132は、総利益額が最大となる販売促進費を算出する。
【0113】
このように、情報提供装置100は、商品の販売促進情報と商品の販売ページの予測表示回数との間の関係に基づいて販売促進情報の推奨値を算出する。
【0114】
これにより、情報提供装置100は、予測表示回数に基づいた販売促進情報を設定させることができるので、販売促進情報を検討する出品者の手間を軽減することができる。
【0115】
また、算出部132は、各種の予測モデルによって予測された商品の出品元の利益につながる行動に至る予測行動回数を用いて販売促進情報の推奨値を算出してもよい。具体的には、算出部132は、商品の販売促進情報と商品の出品元の利益につながる行動に至る予測行動回数との間の関係に基づいて販売促進情報の推奨値を算出する。ここで、商品の出品元の利益につながる行動に至る行動回数とは、CV(Conversion)数を示す。例えば、算出部132は、まず、上述した重回帰分析において売上個数をCV数に置き換えることによってCV数を予測する。そして、算出部132は、予測されたCV数と販売促進情報との間の関係から利益額が最大となる販売促進情報を算出する。例えば、算出部132は、まず、予測CV数に基づいて、商品の売上個数を予測する。そして、算出部132は、予測された売上個数と、商品の販売促進費および粗利を用いて、例えば、
図4〜
図6を用いて説明した上述の方法と同様に、利益額が最大となる販売促進情報を算出する。
【0116】
このように、情報提供装置100は、商品の販売促進情報と商品の出品元の利益につながる行動に至る予測行動回数との間の関係に基づいて販売促進情報の推奨値を算出する。
【0117】
これにより、情報提供装置100は、予測行動回数に基づいた販売促進情報を設定させることができるので、販売促進情報を検討する出品者の手間を軽減することができる。
【0118】
〔5−8.その他〕
また、上記実施形態では、広告コンテンツやウェブページのリンク領域を選択するユーザ操作を「クリック」と表記したが、かかるユーザ操作は、マウスを用いたクリック操作に限られない。例えば、上述してきた「クリック」は、指によって広告コンテンツ等をタップする操作や、視線によって広告コンテンツ等を選択する操作であってもよい。
【0119】
また、上記実施形態では、ウェブページに広告コンテンツが重ねて表示される例を示したが、広告コンテンツと重ねて表示されるコンテンツは、ウェブページに限られない。例えば、携帯電話ゲーム等の画面に広告表示領域が含まれる場合、上述してきた広告コンテンツは、ゲーム画面等と重ねて表示されてもよい。
【0120】
また、上記実施形態では、広告コンテンツを例に挙げて説明したが、ウェブページに表示されるコンテンツは、広告目的の広告コンテンツに限られない。例えば、上述してきた広告コンテンツは、天気情報や震災情報などを通知するためのコンテンツであってもよい。
【0121】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0122】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、
図2に示した取得部131および受信部135は統合されてもよい。
【0123】
〔5−9.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報提供装置100は、例えば
図11に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報提供装置100を例に挙げて説明する。
図11は、情報提供装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、およびメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0124】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0125】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0126】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0127】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0128】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報提供装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0129】
〔6.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報提供装置100は、取得部131と、算出部132とを有する。取得部131は、商品の出品情報を取得する。算出部132は、取得部131によって取得された出品情報に基づいて、商品の販売価格に対する販売促進費の割合であって商品に関するコンテンツを配信する基準となる販促割合の推奨値を算出する。
【0130】
これにより、情報提供装置100は、出品者の利益が高くなる販促割合を把握することができるので、商品の販売によって得られる利益を高めることができる。また、情報提供装置100は、推奨値に基づいて販促割合を設定することができるので、商品の販促割合を検討する出品者の手間を軽減することができる。また、情報提供装置100は、商品が購入されると出品者から管理者に販売促進費が支払われるので、出品者の利益を高めることができるとともに管理者の利益を向上させることができる。
【0131】
また、実施形態に係る情報提供装置100において、算出部132は、過去に出品された商品の販促割合に関する実績と商品の出品者が商品を販売することで得られる利益額との間の関係に基づいて販促割合の推奨値を算出する。
【0132】
これにより、実施形態に係る情報提供装置100は、過去の実績に基づいた利益額を高める販促割合を算出することができるので、出品者の利益を高めることができる。
【0133】
また、実施形態に係る情報提供装置100において、算出部132は、販促割合の推奨値として、過去に出品された商品の販促割合に関する実績と商品の出品者が商品を販売することで得られる利益額との間の関係から商品の出品者の利益額が最大となる販促割合を算出する。
【0134】
これにより、実施形態に係る情報提供装置100は、過去の実績から利益額が最大となる販促割合を算出することができるので、出品者の利益を高めることができる。
【0135】
また、実施形態に係る情報提供装置100において、算出部132は、過去に販売された商品の売上個数、販売促進費および商品の粗利を用いて、販促割合の推奨値を算出する。
【0136】
これにより、実施形態に係る情報提供装置100は、過去の実績に基づいた利益額を高める販促割合を算出することができるので、出品者の利益を高めることができる。
【0137】
また、実施形態に係る情報提供装置100において、提示部133は、算出部132によって算出された販促割合の推奨値を提示する。
【0138】
これにより、実施形態に係る情報提供装置100は、過去の実績に基づいた利益額が最大となる販促割合を出品者に把握させることができるので、出品者の利益を高めることができる。
【0139】
また、変形例に係る情報提供装置100において、算出部132は、過去に出品された商品の販促割合に関する実績のうち、商品が所定の価格より低い価格で販売された実績を除外して推奨値を算出する。
【0140】
これにより、変形例に係る情報提供装置100は、安売りされた商品の履歴データを使わずに販促割合の推奨値を算出することができるので、販促割合の推奨値を高い精度で算出することができる。
【0141】
また、変形例に係る情報提供装置100において、算出部132は、商品の在庫数に基づいて推奨値を補正する。
【0142】
これにより、変形例に係る情報提供装置100は、在庫数に応じた販促割合の推奨値を算出することができるので、出品者の在庫管理の負担を軽減することができる。
【0143】
また、変形例に係る情報提供装置100において、算出部132は、商品を販売する時期に基づいて推奨値を補正する。
【0144】
これにより、変形例に係る情報提供装置100は、時期に応じた販促割合の推奨値を算出することができるので、出品者の売上を安定的に確保することができる。
【0145】
また、変形例に係る情報提供装置100において、算出部132は、商品の種類に応じて推奨値を補正する。
【0146】
これにより、変形例に係る情報提供装置100は、商品の種類に応じた販促割合の推奨値を算出することができるので、商品の販売効果を効率よく高めることができる。
【0147】
また、変形例に係る情報提供装置100において、算出部132は、商品の販売数または商品を出品する出品コンテンツの表示回数が所定の間に所定値よりも変動しない場合に、推奨値を所定の間の前よりも高く補正する。
【0148】
これにより、変形例に係る情報提供装置100は、出品者に商品の販売促進情報を高く設定させることができるので、商品の販売効果(例えば、売上)を高めることができるとともに、管理者の利益を高めることができる。
【0149】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。