特許第6513212号(P6513212)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6513212
(24)【登録日】2019年4月19日
(45)【発行日】2019年5月15日
(54)【発明の名称】燃料調量を制御するための方法
(51)【国際特許分類】
   F02M 51/06 20060101AFI20190425BHJP
   F02D 41/20 20060101ALI20190425BHJP
   F02M 51/00 20060101ALI20190425BHJP
【FI】
   F02M51/06 M
   F02D41/20 330
   F02M51/00 G
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-548878(P2017-548878)
(86)(22)【出願日】2016年2月12日
(65)【公表番号】特表2018-511729(P2018-511729A)
(43)【公表日】2018年4月26日
(86)【国際出願番号】EP2016053016
(87)【国際公開番号】WO2016146310
(87)【国際公開日】20160922
【審査請求日】2017年9月15日
(31)【優先権主張番号】102015204686.9
(32)【優先日】2015年3月16日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クラウス ヨース
(72)【発明者】
【氏名】ヴェアナー ヘス
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー シェンク ツー シュヴァインスベルク
(72)【発明者】
【氏名】アヒム ヒアヒェンハイン
【審査官】 櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−055571(JP,A)
【文献】 特開平08−016205(JP,A)
【文献】 特開平03−095602(JP,A)
【文献】 特開2014−234922(JP,A)
【文献】 特表平08−506642(JP,A)
【文献】 特表2010−513796(JP,A)
【文献】 特開平07−035005(JP,A)
【文献】 米国特許第5433109(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0132180(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0114099(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0226148(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 51/06
F02M 51/00
F02D 41/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料調量を制御するための方法であって、弁の制御に応じて測定される電気信号の信号曲線に基づいて、前記弁のスイッチング時点を特徴付ける特徴、又は、前記スイッチング時点に依存する特徴を検出する、方法において、
前記弁の操作量を調整するための調整器に前記特徴を実際値として供給し、前記特徴の基準を特定し、前記調整器が前記特徴の前記基準に基づいて前記操作量を算出し、
前記基準として、以下の信号、即ち、前記スイッチング時点における前記信号曲線の傾きの変化、前記スイッチング時点における前記信号曲線の高次導関数、及び/又は、前記スイッチング時点におけるフィルタリングされた信号曲線、のうちの1つ又は組合せを使用する、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記特徴の前記基準は、前記スイッチング時点を特徴付ける当該特徴の品質及び/又は表出程度を表す、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基準を、前記信号曲線に基づいて特定する、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記調整器の挙動を、前記基準に応じて選択する、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記操作量の算出の際に、前記基準に応じて前記特徴を重み付けする、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法の全てのステップを実施するために構成されている、コンピュータプログラム。
【請求項7】
請求項に記載のコンピュータプログラムが記憶されている、機械読み出し可能な記憶媒体。
【請求項8】
請求項に記載のコンピュータプログラムを実行するように構成されている、制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
従来技術
本発明は、独立請求項の上位概念に記載の方法に関する。本発明の対象は、コンピュータプログラム、機械読み出し可能な記憶媒体、及び、制御装置でもある。
【背景技術】
【0002】
独国特許出願公開第4308811号明細書(DE 43 08 811)から、電磁弁制御式の噴射を制御するための方法及び装置が公知である。同明細書では、負荷を流れる電流を評価することによって電磁弁のスイッチング時点が特定される。このために、電流及び時点の離散的な一組の値が検出される。2つの最良適合直線の交点が、弁のスイッチング時点を規定する。この交点は、スイッチング時点を特徴付ける特徴として使用される。特に、交点が存在している時点が、スイッチング時点として使用される。
【0003】
特定されたスイッチング時点は、燃料調量を制御するために利用される。
【0004】
一般的に、内燃機関における燃料噴射のための電磁弁は、制御下で動作させられる。以下では、電磁弁を弁と称することとする。一般的に、弁は、インジェクタの本質的な構成要素であり、インジェクタは、弁の制御に応じて内燃機関又は吸気系に燃料を調量する。弁の開弁挙動及び閉弁挙動における個々のインジェクタ毎の差異を補償するために、調整された方法も使用される。この方法では、弁の開弁時点及び/又は閉弁時点が特定され、これらの時点又はこれらの時点から導出されるパラメータが所定の値に調整される。
【0005】
好ましくは、弁の開弁期間が、調整のための実際パラメータ及び目標パラメータとして使用される。開弁期間は、弁が開弁されている期間である。この開弁期間は、弁のための制御期間と、開弁遅延時間と、閉弁遅延時間とから計算される。開弁遅延時間は、制御開始と開弁時点との間の間隔に相当する。閉弁遅延時間は、制御終了と閉弁時点との間の間隔に相当する。
【0006】
調整された又は適応された動作にとって重要なのは、閉弁時点と開弁時点とを特定することである。弁ニードルが弁座に到着してインジェクタを通る燃料の流れを遮断する瞬間を、閉弁時点と呼ぶ。弁ニードルがインジェクタを通る燃料の流れを解放する瞬間を、開弁時点と呼ぶ。以下では、閉弁時点及び開弁時点という用語のためにスイッチング時点という用語が使用される。
【0007】
スイッチング時点を計算するための基礎は、弁の制御に応じて測定される電気信号である。この場合、例えば、弁に印加されるコイル電圧、又は、弁を通って流れる電流を使用することができる。スイッチング時点には、測定される信号曲線上に特定の特徴が形成され、この特徴が適切な検出方法によって検出される。上記の従来技術による実施形態では、電流曲線は屈曲を有する。
【0008】
スイッチング時点の検出は、弁の特性と、弁が動作させられる際の境界条件とに応じてそれぞれ異なる品質又は鮮明さを有する。特に、ばね力、摩擦力、磁気回路、接着力、及び、さらに別のパラメータが、弁の特性を決定する。圧力、温度、例えば粘度のような媒体特性、目標量、及び、さらに別のパラメータが、境界条件である。
【0009】
特徴を調整するために使用される調整器は、所望の目標値をできるだけ迅速に達成するように、但し、過度に大きく変動しないように又は不安定にならないように、設計されなければならない。調整器の設計には常に妥協が伴う。なぜなら、顕著な、ひいては正確なスイッチング時点と、薄弱な、ひいては誤差を含み得るスイッチング時点との双方を考慮に入れなければならないからである。薄弱な、即ち、誤差を含み得るスイッチング時点の場合に高い調整ゲインが選択されると、このことによって調整器のオーバーシュート又は不安定性がもたらされるおそれがある。しかしながら、他方で、顕著なスイッチング時点の場合には、迅速な調整を可能とするために高い調整ゲインが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国特許出願公開第4308811号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の開示
発明の利点
これに対して、独立請求項に記載の特徴を有する本発明に係る装置及び本発明に係る方法は、調整挙動が格段に改善されるという利点を有する。調整挙動の格段の改善は、薄弱なスイッチング時点、ひいては場合によって誤差を含み得るスイッチング時点が、調整に介入しないように、又は、わずかしか介入しないようにすることによって達成される。これにより、薄弱なスイッチング時点の場合における調整ゲインを低減することによって、個々の異常値に基づく調整器変動を回避又は低減することが可能となる。それと同時に、顕著なスイッチング時点の場合には、高い調整ゲインと、ひいては迅速な調整とが可能となる。
【0012】
このことは、例えば、スイッチング時点の毎回の特定時に、スイッチング時点の品質及び/又は表出程度に関する基準も計算されるように、測定された信号曲線の追加的な評価を実施することによって実現される。好ましくは、基準は、測定された信号曲線に基づいて特定される。このことはつまり、スイッチング時点を特定するために使用される信号と同じ信号を、基準を特定するためにも使用するということを意味する。これに代えて、第2の測定信号を使用することも可能である。
【0013】
調整器の挙動が、基準に応じて選択される場合には、特に有利である。スイッチング時点の品質を特徴付けるこの基準は、薄弱なスイッチング時点、というよりむしろ、不確実に特定されたスイッチング時点を、その後の調整において考慮しないように、又は、弱く重み付けされた状態でのみ考慮するようにするために使用される。高い品質で特定されたスイッチング時点は、高い調整ゲインで調整される。
【0014】
調整として、制御値の適応又は制御値の設定を特徴の実際値と目標値との間の差に基づいて実施することができる。適応の際には、測定された特徴と期待された特徴との間の差に基づいて、好ましくは、特性マップに保存されている制御値が学習される。
【0015】
基準として、以下の信号、即ち、スイッチング時点における信号曲線の傾きの変化、スイッチング時点における信号曲線の高次導関数、及び/又は、スイッチング時点におけるフィルタリングされた信号曲線、のうちの1つ又は組合せを使用する場合には、特に有利である。本明細書における信号曲線とは、測定された信号曲線だけではなく、測定された信号曲線から計算された信号曲線であるとも理解すべきである。特に、信号曲線は、測定された信号曲線から非線形演算によって獲得することができる。
【0016】
本発明のさらに別の態様では、制御装置上で実行可能なコンピュータプログラムを生成するための処理命令を有するプログラムコード、特に、コンパイラ命令及び/又はリンク命令を有するソースコードに関し、プログラムコードは、処理命令に基づいて実行可能なコンピュータプログラムに変換される場合に、即ち、特に、コンパイル及び/又はリンクされる場合に、上述した方法のうちの1つの全てのステップを実施するためのコンピュータプログラムを生成する。このプログラムコードは、特に、例えばインターネットにおけるサーバからダウンロード可能なソースコードによって供給することができる。
【0017】
図面
本発明の実施例を図面に図示し、以下の記載においてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1の実施形態のブロック図である。
図2】第2の実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施例の説明
図1には、内燃機関の燃料調量を制御するための装置が図示されている。ここには本質的な構成要素だけが記入されている。バッテリの正極Ubatは、電磁負荷120とスイッチング手段110とからなる直列回路を介してバッテリのアース端子に接続されている。測定手段は、負荷に印加される電圧を検出する。特徴検出部140は、測定手段130の信号曲線を評価する。特徴検出部140は、一方では結合点145の第1の入力部に特徴信号Mを印加し、他方では調整器150に基準Kを与える。結合点145の第2の入力部には、目標値設定部155の出力信号Sが印加される。結合点145の出力信号は、調整器150の入力部に到達する。調整器150は、制御ユニット100に出力信号を印加し、この制御ユニット100は、調整器150の出力信号に基づいてスイッチング手段110に制御信号Aを印加する。
【0020】
電磁負荷120及びスイッチング手段110の配置構成は、例示的に示されているに過ぎない。これらを別の順序で配置することも可能である。さらには追加的なスイッチング手段を設けてもよい。さらに別の実施形態では、測定手段が図示のように負荷において降下する電圧を検出するのではなく、負荷を流れる電流を抵抗によって検出するようにしてもよい。
【0021】
本実施形態は、特徴の実際値を特徴の目標値に調整することに関する。ここで、この装置は、以下のように動作する。制御ユニット100は、調整器150の信号に基づいてスイッチング手段110に印加するための制御信号Aを計算する。このスイッチング手段110は、好ましくは電界効果トランジスタとして実現されている。しかしながら、例えばトランジスタのような別の実現方法も可能である。スイッチング手段110の操作によって電磁負荷120に電流が印加される。
【0022】
電磁負荷は、好ましくは電磁弁である。電磁弁は、負荷を通る電流の有無に応じて異なる位置をとる可動の弁ニードルを含む。スイッチング手段が操作されると、所定の時間後に弁ニードルが自身の新しい位置へと移行する。スイッチング時点と呼ばれるこの時点に、電圧曲線は屈曲を有する。このことはつまり、電圧が非常に迅速に変化することを意味する。この屈曲の直前又は直後では、電圧は、時間と共にほぼ線形に推移する。
【0023】
スイッチング時点の領域における電圧曲線は、1次近似として第2の直線によって説明することができる。屈曲の前と後とにおける2つの直線の電圧勾配又は傾きは、それぞれ顕著に異なる。屈曲において、電圧勾配又は微分された電流曲線は、顕著に変化する。
【0024】
図示された実施形態では、スイッチング時点を検出するために測定手段130と特徴検出部140とが設けられている。特徴検出部140における相応の評価によってスイッチング時点が特定される。電圧曲線における屈曲を評価する以外に、さらに別の特徴を評価することも可能である。特徴検出部140は、弁が終端位置に到着した時点を結合点145に供給する。目標値設定部155は、スイッチング時点の所望の時点に相当する目標値Sを設定する。特徴Mは、調整器150の実際値として使用され、調整器150は、この特徴を設定された目標値Sへと調整する。調整器150は、特徴と特徴の目標値との差に基づいて制御ユニット100に操作量を供給する。
【0025】
その後、制御ユニットは、この操作量に応じてスイッチング手段110を相応に制御する。
【0026】
相応のプロセスは、今日では既に最新の自動車において使用されている。この場合には、噴射開始時における電磁負荷120のスイッチング時点、又は、噴射終了を規定するスイッチング時点を、特徴として調整に供給することができる。有利な実施形態では、両方のパラメータを調整に供することも可能である。スイッチング時点に加えて又はこれに代えて、噴射工程を特徴付ける他の特徴を相応の調整に供することも可能である。このような特徴は、例えば、弁ニードル又はインジェクタの他の要素が所定の位置に到着した時点である。この場合には、特徴として、所定の電圧値又は電流値に到達した時点を使用することも可能である。
【0027】
好ましくは、弁の開弁期間が特徴として使用される。開弁期間は、弁が開弁されている期間である。開弁期間は、弁のための制御期間と、開弁遅延時間と、閉弁遅延時間とから計算される。開弁遅延時間は、制御開始と開弁時点との間の間隔に相当する。閉弁遅延時間は、制御終了と閉弁時点との間の間隔に相当する。このことはつまり、開弁期間がスイッチング時点に依存しているということを意味する。
【0028】
問題は、種々異なる品質を有する特徴が存在することである。屈曲において電流曲線又は電圧曲線の傾きがわずかにしか変化しない場合、即ち、屈曲が薄弱にしか表出しない場合には、スイッチング時点は、低い品質を有する。即ち、スイッチング時点を低い精度でしか特定することができない。
【0029】
このような低い品質を有する特徴に基づいて調整器150における後続の調整が実施されると、このことによって調整回路の不安定性がもたらされるおそれがある。
【0030】
従って、本発明によれば、特徴検出部140は追加的に、特徴の品質を表す基準Kを供給する。この基準は、好ましくは信号曲線に基づいて特定される。この場合、測定手段130によって測定された電圧又は電流の信号曲線を使用することができる。さらには基準を特定するために、測定された信号曲線から計算された信号曲線を使用してもよい。特に、信号曲線は、測定された信号曲線から非線形演算によって獲得することができる。
【0031】
基準として、スイッチング時点における信号曲線の傾きの変化、スイッチング時点における信号曲線の高次導関数、及び/又は、スイッチング時点におけるフィルタリングされた信号曲線が使用される場合には、特に有利である。
【0032】
品質のために使用可能な基準は、以下のパラメータのうちの1つ又は複数とすることができる。従って、例えば、スイッチング時点のタイミングにおける傾きの変化、又は、ここから導出されるパラメータを使用することができる。傾きの変化が大きい場合には、基準は大きい値をとる。傾きの変化が小さい場合には、基準は小さい値をとる。このことは、信号の品質が悪いことを表す指標である。基準はさらに、スイッチング時点における導関数又は高次導関数又は周波数フィルタリングされた信号を使用することができる。これに代えて、測定された信号から導出された信号を使用することも可能である。
【0033】
基準は、その後、調整器150によって操作量を算出する際に考慮される。例えば、基準Kに応じて調整器ゲインが増加又は低減される。これに関して、例えば、基準の値が大きい場合、即ち、特徴の品質が高い場合には、基準の値が小さい場合よりも高い調整器ゲインが使用される。
【0034】
図2には、本発明に係るプロセスのさらに別の実施形態が図示されている。2つの実施形態は、大部分において同様である。同じブロックが同じように記載されている。本実施形態は、適応方法、又は、特性マップ値の学習方法に関する。以下では、図1との相違点のみ説明する。測定値検出部140によって特定された特徴M及び基準Kが、適応部200に到達する。適応部200の第2の入力部には、特徴の期待値Eが印加される。適応部200の出力信号は、制御部100に印加される。目標値設定部155は、特徴の目標値Sを制御部100に印加する。
【0035】
ここでは図1とは異なり、スイッチング手段の制御が目標値Sに応じて実施される。制御部は、実質的に特性マップを含み、この特性マップには、目標値S又はさらに別のパラメータに応じて制御信号Aが保存されている。ここでも図1と同様に特徴Mが検出され、実際値として適応部200に供給される。適応部200は、検出された特徴と、設定部210によって供給される期待値Eとを比較する。これら2つの値が互いに相違する場合には、適応部200は、制御ユニット100内の特性マップに所定の値を供給して、この特性マップを相応に適応させる。即ち、特徴の実際値が期待値Eに近づくように、変化させるのである。
【0036】
適応部200を、調整器と称することも可能である。但し、この場合の調整器は、アクチュエータのための操作量を設定するのではなく、特性マップのための修正値を設定する。
【0037】
このことはつまり、特徴Mが、適応部200において、設定部210によって供給される特徴の所望値と比較されるということを意味する。これらの値が相違している場合には、適応部200は、特徴Mが所望値に近づくように制御部の特性マップを修正する。
【0038】
このようなプロセスでは、基準の値に応じて、ひいては特徴検出部の品質に応じて、特徴Mを重み付けするために、基準Kを使用することができる。このことはつまり、特徴の、重み付けされた検出が実施され、この特徴が、特性マップの適応のために使用されることを意味している。
【0039】
従って、例えば、検出された複数の特徴Mnと対応する基準Knとに基づいて、以下の式に即して、重み付けされた特徴Mwを計算することができる。
【0040】
Mw=(ΣKn)−1×ΣMn×Kn
このようにして平均化されたこの値は、その後、制御部100内の特性マップを適応させるために用いられる値を計算するために、適応部200によって使用される。
図1
図2