(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0024】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の脱硝設備が適用された微粉炭焚きボイラを表す概略構成図である。第1実施形態の脱硝設備が適用された微粉炭焚きボイラは、石炭を粉砕した微粉炭を固体燃料として用い、この微粉炭を燃焼バーナにより燃焼させ、この燃焼により発生した熱を回収することが可能なボイラである。なお、ここで、微粉炭焚きボイラを適用して説明したが、本発明は、この形式のボイラに限定されるものではない。脱硝設備は、石炭を含んだ燃料を燃焼させることで生成される排ガスから窒素酸化物を除去する設備として用いることができる。したがって燃料を燃焼させる燃焼器は、ボイラに限定されない。また、燃料も粉砕した石炭だけを燃焼させることに限定されない。脱硝設備は、燃料として、石炭と液体燃料、気体燃料とを混合して燃焼させる混焼型の燃焼器から排出される排ガスの処理設備としても用いることができる。
【0025】
この第1実施形態の微粉炭焚きボイラ10は、
図1に示すようにコンベンショナルボイラであって、火炉11と燃焼装置12とを有している。火炉11は、四角筒の中空形状をなして鉛直方向に沿って設置され、この火炉11を構成する火炉壁の下部に燃焼装置12が設けられている。
【0026】
燃焼装置12は、火炉壁に装着された複数の燃焼バーナ21を有している。本実施形態にて、この燃焼バーナ21は、周方向に沿って均等間隔で配設されたものが1セットとして、鉛直方向に沿って5セット、つまり、5段配置されている。
【0027】
そして、各燃焼バーナ21は、微粉炭供給装置30に連結されている。微粉炭供給装置30は、微粉炭供給管や微粉炭機(ミル)を有し、微粉炭機から微粉炭供給管を介して燃料バーナ21に微粉炭を供給する。微粉炭供給装置30は、搬送空気(1次空気)により分級し、分級した微粉炭と搬送空気を燃焼バーナ21に供給する。
【0028】
また、火炉11は、各燃焼バーナ21の装着位置に風箱36が設けられており、この風箱36に空気ダクト37の一端部が連結されており、この空気ダクト37は、他端部に送風機38が装着されている。従って、送風機38により送られた燃焼用空気(2次空気、3次空気)を、空気ダクト37から風箱36に供給し、この風箱36から各燃焼バーナ21に供給することができる。
【0029】
そのため、燃焼装置12にて、各燃焼バーナ21は、微粉炭と1次空気とを混合した微粉燃料混合気(燃料ガス)を火炉11内に吹き込み可能であると共に、2次空気を火炉11内に吹き込み可能となっており、図示しない点火トーチにより微粉燃料混合気に点火することで、火炎を形成することができる。なお、一般的に、ボイラの起動時には、各燃焼バーナ21は、油燃料を火炉11内に噴射して火炎を形成している。
【0030】
火炉11は、上部に煙道40が連結されており、この煙道40に、対流伝熱部(熱回収部)として排ガスの熱を回収するための過熱器(スーパーヒータ)41,42、再熱器(リヒータ)43,44、節炭器(エコノマイザ)45,46,47が設けられており、火炉11での燃焼で発生した排ガスと対流伝熱部(熱回収部)を流れる水又は蒸気との間で熱交換が行われる。
【0031】
煙道40は、その下流側に熱交換を行った排ガスが排出される排ガス管(排ガス通路)48が連結されている。この排ガス管48は、空気ダクト37との間にエアヒータ49が設けられ、空気ダクト37を流れる空気と、排ガス管48を流れる排ガスとの間で熱交換を行い、燃焼バーナ21に供給する燃焼用空気を昇温することができる。
【0032】
また、排ガス管48では、エアヒータ49より上流側の位置に脱硝設備50が設けられ、エアヒータ49より下流側の位置に煤塵処理装置(電気集塵機、脱硫装置)51、誘引送風機52が設けられ、下流端部に煙突53が設けられている。脱硝設備50及び煤塵処理装置51が有害物質除去部として機能する。脱硝設備50については後述する。
【0033】
煙道40の節炭器45,46,47を通過した排ガスGは、排ガス管48にて、脱硝設備50でNOxなどの有害物質が除去され、煤塵処理装置51で粒子状物質が除去されると共に硫黄分が除去された後、煙突53から大気中に排出される。
【0034】
このように構成された微粉炭焚きボイラ10にて、火炉11より下流側(煙道40)が第1実施形態の排気ダクトとして機能する。そして、この煙道40は、第1水平煙道部40a、第1垂直煙道部40b、第2水平煙道部40c、第2垂直煙道部40d、第3水平煙道部40e、第3垂直煙道部40f、第4水平煙道部40gが連続して設けられて構成されている。第3水平煙道部40eは、鉛直方向の流れ方向が異なる第2垂直煙道部40dと第3垂直煙道部40fとを繋げる折り返し部分となる。また、第2垂直煙道部40dは、鉛直方向上側に向けて排ガスGが流れる。第3垂直煙道部40fは、鉛直方向下側に排ガスGが流れる。
【0035】
そして、煙道40は、第1水平煙道部40a及び第1垂直煙道部40bに、過熱器41,42、再熱器43,44、節炭器45,46,47が配置されている。また、煙道40は、下向きの速度成分を有する排ガスGが流れる第1垂直煙道部40bの下端部にホッパ61が設置され、上向きの速度成分を有する排ガスGが流れる第2垂直煙道部40dの下端部にホッパ62が設置されている。ホッパ61、62は、第1垂直煙道部40b、第2垂直煙道部40d等から落下する排ガスG中のPA(固体粒子)を回収して貯留する。さらに、煙道40は、排ガスGが下向きに流れる第3垂直煙道部40fに脱硝設備50の一部が設置されている。煙道40は、第2垂直煙道部40dに脱硝設備50の一部が配置されている。
【0036】
次に、
図1に加え、
図2から
図5を用いて、脱硝設備50について説明する。
図2は、第1実施形態の脱硝設備を示す概略構成図である。
図3は、整流兼脱硝触媒層の上面図である。
図4は、整流兼脱硝触媒層の板状触媒を拡大して示す拡大上面図である。
図5は、脱硝触媒層のハニカム触媒を拡大して示す拡大上面図である。
【0037】
脱硝設備50は、アンモニア、尿素水等の窒素酸化物を還元する作用を有する還元剤を煙道40内に供給し、還元剤が供給された排ガスGを窒素酸化物と還元剤との反応を促進させる選択還元型触媒を通過させることで、排ガスG中の窒素酸化物を除去、低減する。脱硝設備50は、
図1及び
図2に示すように還元剤供給装置70と、整流兼脱硝触媒層80と、第1脱硝触媒層82と、第2脱硝触媒層84と、第3脱硝触媒層86と、圧力計140、146と、窒素酸化物濃度計148と、制御装置150と、アンモニア濃度計149と、報知部152と、を有する。
【0038】
還元剤供給装置70は、煙道40内に還元剤を供給する装置である。還元剤としては、アンモニア水、気体のアンモニア、尿素水等を用いることができる。還元剤供給装置70は、還元剤を煙道40の内部に供給する供給口が煙道40の第2垂直煙道部40dに配置され、供給口から還元剤を排出(噴出)することで、第2垂直煙道部40d内に還元剤を供給する。還元剤供給装置70から供給された還元剤は、排ガスGとともに移動しつつ、排ガスGが流れる経路内で拡散する。
【0039】
整流兼脱硝触媒層80は、煙道40の第3垂直煙道部40fに配置されている。整流兼脱硝触媒層80は、第3水平煙道部40eから第3垂直煙道部40fに流入し、流れ方向が変わる排ガスGの流れを整流し、かつ、窒素酸化物と還元剤との反応を促進させる。整流兼脱硝触媒層80は、板状触媒100と、板状触媒100を第3垂直煙道部40fに固定する支持機構102と、を有する。支持機構102は、板状触媒100を支持できる機構であればよく、構造は、特に限定されない。
【0040】
板状触媒100は、
図3に示すように、複数の触媒パック106が、行列状に配置されている。板状触媒100は、複数の触媒パック106が第3垂直煙道部40fの水平面の全面を塞ぐように配置されている。これにより、第3垂直煙道部40fを流れる排ガスGは、触媒パック106を通過する。板状触媒100の触媒パック106は、
図4に示すように、触媒機能を有する複数の板(例えば金属板)108が排ガスの方向に沿って(排ガスの流れ方向に直交する方向が板の厚み方向となる向きで)配置されている。触媒パック106は、複数の板108が並列に配置されている。また、触媒パック106は、平行に配置された板108と板108との触媒開口部107が水力直径で8mm以上となる。板状触媒100の触媒開口部107の水力直径は、(4×A)/Lで表すことができる。Aは、開口部の断面積であり、Lは、周辺長長さ(断面長)である。また、複数の板108は、隣接する板108との間隔を保持するために、一部に凸部109が形成され、凸部109が隣接する板108と接触している。排ガスGは、触媒パック106の板108と板108との間を通過する。また、
図4に示すように、板状触媒100の触媒パック106は、微粉炭焚きボイラ10が運転されると、表面にポップコーンアッシュ等の異物90が堆積する。
【0041】
第1脱硝触媒層82は、排ガスGの流れ方向において、整流兼脱硝触媒層80よりも下流側に配置されている。第1脱硝触媒層82は、ハニカム触媒110と、ハニカム触媒110を第3垂直煙道部40fに固定する支持機構112と、を有する。支持機構112は、ハニカム触媒110を支持できる機構であればよく、構造は、特に限定されない。
【0042】
ハニカム触媒110は、板状触媒100と同様に、複数の触媒パックを有する。ハニカム触媒110も、複数の触媒パックが第3垂直煙道部40fの水平面の全面を塞ぐように配置されている。これにより、第3垂直煙道部40fを流れる排ガスGは、ハニカム触媒110の触媒パックを通過する。ハニカム触媒110は、
図5に示すように、触媒機能を有する部分が格子状に配置されている。排ガスGは、ハニカム触媒110の触媒機能を有する格子の開口を通過する。ここで、ハニカム触媒110は、排ガスGが通る開口(触媒開口部)117の水力直径(4×A)/Lが8mm未満となる。
【0043】
ここで、第1脱硝触媒層82のハニカム触媒110は、板状触媒100よりも厚い。つまり、板状触媒100の排ガスGの流れ方向の長さをW1とし、ハニカム触媒110の排ガスの流れ方向の長さを、W2とするとW1<W2となる。
【0044】
第2脱硝触媒層84は、排ガスGの流れ方向において、第1脱硝触媒層82よりも下流側に配置されている。第2脱硝触媒層84は、ハニカム触媒120と、ハニカム触媒120を第3垂直煙道部40fに固定する支持機構122と、を有する。第2脱硝触媒層84は、配置位置が異なる以外は、第1脱硝触媒層82と同様である。第3脱硝触媒層86は、排ガスGの流れ方向において、第2脱硝触媒層84よりも下流側に配置されている。第3脱硝触媒層86は、ハニカム触媒130と、ハニカム触媒130を第3垂直煙道部40fに固定する支持機構132と、を有する。第3脱硝触媒層86は、配置位置が異なる以外は、第1脱硝触媒層82、第2脱硝触媒層84と同様である。つまり、脱硝設備50は、整流兼脱硝触媒層80の下流側に、3つの脱硝触媒層が積層されている。
【0045】
圧力計140は、第3垂直煙道部40fの整流兼脱硝触媒層80よりも上流側に配置されている。圧力計140は、整流兼脱硝触媒層80に流入する前の排ガスGの圧力を計測する。圧力計140は、計測した結果を制御装置150に送る。
【0046】
圧力計146は、第3垂直煙道部40fの第3脱硝触媒層86よりも下流側に配置されている。圧力計146は、第3脱硝触媒層86を通過した後の排ガスGの圧力を計測する。圧力計146は、計測した結果を制御装置150に送る。
【0047】
窒素酸化物濃度計148は、第3垂直煙道部40fの第3脱硝触媒層86よりも下流側に配置されている。窒素酸化物濃度計148は、第3脱硝触媒層86を通過した後の排ガスGの窒素酸化物濃度を計測する。窒素酸化物濃度計148としては、吸収波長のレーザ光を照射し、その吸収量を計測して濃度を計測する方法や、排ガスGからサンプリングガスを取得し、化学発光方式や,赤外線吸収方式などの連続分析計や,化学分析で成分を分析して濃度を計測する方法等、種々の方法を用いることができる。窒素酸化物濃度計148は、計測した結果を制御装置150に送る。
【0048】
アンモニア濃度計149は、第3垂直煙道部40fの第3脱硝触媒層86よりも下流側に配置されている。アンモニア濃度計149は、第3脱硝触媒層86を通過した後の排ガスGの窒素酸化物濃度を計測する。アンモニア濃度計149としては、吸収波長のレーザ光を照射し、その吸収量を計測して濃度を計測する方法や、排ガスGからサンプリングガスを取得し、フーリエ変換赤外分光法による連続分析計や、化学分析で成分を分析して濃度を計測する方法等、種々の方法を用いることができる。アンモニア濃度計149は、計測した結果を制御装置150に送る。
【0049】
制御装置150は、パーソナルコンピュータ等の演算装置であり、各種制御プログラムを実行することで、各種処理を実行する。制御装置150は、圧力計140、146で計測した結果に基づいて、脱硝設備50の異常を判定する。また、制御装置150は、窒素酸化物濃度計148と、アンモニア濃度計149で計測した結果に基づいて、脱硝設備50の状態を判定し、触媒の交換を含むメンテナンスの有無を判定する。
【0050】
報知部152は、オペレータ等、脱硝設備50の管理者に情報を報知する。報知部152としては、情報を出力する各種デバイスを用いることができ、例えば、画像を表示するディスプレイ、音声を出力するスピーカ、通信で出力する通信機器等を用いることができる。
【0051】
脱硝設備50は、整流機能と脱硝機能を備える整流兼脱硝触媒層80を第1脱硝触媒層82の上流側に配置することで、第1脱硝触媒層82に流入する排ガスGを整流しつつ、窒素酸化物の除去を行うことができる。これにより、脱硝設備50の脱硝性能(窒素酸化物を除去する性能)を高くすることができる。また、整流機能と脱硝機能を備える整流兼脱硝触媒層80を設けることで、整流機能のみを備える整流層を配置する必要が無くなり、装置を小型化することができる。
【0052】
図6は、運転時間と脱硝性能の変化の一例を示すグラフである。
図6は、縦軸を脱硝性能特性として、横軸を運転時間とした。
図6は、本実施形態の脱硝設備の結果に加え、整流兼脱硝触媒層80に換えて、触媒機能を備えない整流層を設けた場合の結果を比較例として示す。
図6に示すように、整流兼脱硝触媒層80を設けることで、脱硝性能特性を高くすることができ、必要な性能を満足する運転時間をより長くすることができる。
【0053】
また、脱硝設備50は、整流兼脱硝触媒層80に板状触媒100を用いることで、整流層として用いた場合の耐久性を高くすることができる。具体的には、流れが乱れている排ガスGの流れを整流する際に、灰等の異物と接触する可能性が高いが、その接触等で摩耗の発生を少なくすることができ、脱硝性能を長時間維持することができる。また、脱硝設備50は、整流兼脱硝触媒層80に板状触媒100を用いることで、ポップコーンアッシュなどの異物が積層した場合に生じる圧力損失の増加を少なくすることができ、高い性能をより長い時間維持することができる。
【0054】
本実施形態の整流兼脱硝触媒層80は、板状触媒100を配置したがこれに限定されない。整流兼脱硝触媒層80は、排ガスGが流れる領域、つまり触媒開口部の水力直径が下流側に配置されている脱硝触媒層のハニカム触媒の触媒開口部の水力直径よりも大きければよい。また、整流兼脱硝触媒層80は、触媒開口部の水力直径が8mm以上であることが好ましい。触媒開口部の水力直径は、上述したように(4×A)/Lで表すことができる。触媒開口部の形状は、触媒の種類によって異なる形状となる。整流兼脱硝触媒層80は、例えば、触媒開口部の水力直径が8mm以上となる配置間隔が広いハニカム触媒(広ピッチハニカム触媒)を用いることもできる。
【0055】
ここで、板状触媒100の排ガスGの流れ方向の長さW1は、50mmL以上300mmL以下とすることが好ましい。
図7は、触媒長さと物質移動係数との関係を示すグラフである。
図7に示すように、排ガスGの流れ方向の長さを50mmLとすることで、物質の移動係数を低くすることができる。つまり、排ガスGの流れを整流させることができる。また、300mmLとすることで、整流兼脱硝触媒層80が必要以上に長くなることを抑制できる。
【0056】
また、本実施形態の脱硝設備50は、整流兼脱硝触媒層80の下流側に第1脱硝触媒層82と、第2脱硝触媒層84と、第3脱硝触媒層86と、の3つの脱硝触媒層を配置したが、脱硝触媒層の数は、3つに限定されない。脱硝触媒層は、1つ以上配置されていればよく、2つの脱硝触媒層が配置されていても、4つ以上の脱硝触媒層が配置されていてもよい。
【0057】
また、脱硝設備50は、排ガス通路、本実施形態のように排ガスが鉛直方向上側から下側に向かって流れることが好ましい。つまり、脱硝触媒層が配置されている領域の煙道が鉛直方向に延在し、当該煙道を排ガスが鉛直方向上側から下側に向かって流れることが好ましい。これにより、異物が落下しやすくなり、脱硝触媒層に異物が積層することを抑制できる。以上より、触媒摩耗を抑制でき、異物による圧力損失の増加の抑制できる。脱硝設備50は、上記効果を得ることができるため、排ガスが鉛直方向上側から下側に向かって流れる排ガス通路とすることが好ましいが、これに限定されない。脱硝設備50は、鉛直方向に対して、傾いた方向に排ガスが流れる排ガス通路としてもよい。つまり、脱硝触媒層が配置されている領域の排ガスの煙道が鉛直方向に対して傾斜していてもよい。
【0058】
次に、
図8を用いて、脱硝設備50の触媒の交換方法の一例を説明する。
図8は、脱硝設備の触媒の交換方法の一例を示すフローチャートである。
図8に示す処理は、制御装置150を利用してメンテナンス要否の判定を行うことができる。また触媒の交換は、作業者が実行する。また、
図8に示す処理は、脱硝設備50の整流兼脱硝触媒層80が、触媒機能を備えない整流層の状態でも実行することができる。
【0059】
制御装置150は、アンモニア濃度及び窒素酸化物濃度を計測する(ステップS12)。制御装置150は、窒素酸化物濃度計148の検出結果に基づいて、第3脱硝触媒層86を通過した排ガスGの窒素酸化物濃度を検出する。また、制御装置150は、アンモニア濃度計149の検出結果に基づいて、第3脱硝触媒層86を通過した排ガスGのアンモニア濃度を検出する。
【0060】
制御装置150は、検出したアンモニア濃度及び窒素酸化物濃度に基づいて、メンテナンスが必要かを判定する(ステップS14)。制御装置150は、アンモニア濃度及び窒素酸化物の濃度に基づいて、脱硝機能を備えている層の全体の脱硝性能を判定する。また、制御装置150は、判定結果を報知部に出力し、作業者が情報に基づいて各触媒層の一部を抜き取り点検し、その結果を取得して、メンテナンスが必要かを判定してもよい。
【0061】
制御装置150は、メンテナンスが必要ではない(ステップS14でNo)と判定した場合、ステップS12に戻り、ステップS12の処理を行う。制御装置14は、メンテナンスが必要である(ステップS14でYes)と判定した場合、整流層が交換可能かを判定する(ステップS16)。制御装置150は、整流層に脱硝機能がない場合、脱硝機能が低下している場合、交換可能と判定する。
【0062】
制御装置150は、整流層が交換可能である(ステップS16でYes)と判定した場合、整流層を整流兼脱硝触媒層に交換する(ステップS18)。制御装置150は、整流層が交換可能ではない(ステップS16でNo)と判定した場合、脱硝触媒層(第1脱硝触媒層82、第2脱硝触媒層84、第3脱硝触媒層86)を交換する(ステップS20)。本実施形態では、脱硝触媒層を交換したが、新たな脱硝触媒層を追加してもよい。
【0063】
図8に示すように、整流層を整流兼脱硝触媒層に交換することで、装置の大型化を抑制しつつ、脱硝性能を向上させることができる。また、上述したように、整流兼脱硝触媒層を排ガスGが通る開口の水力直径が8mm以上、好ましくは、板状触媒とすることで、耐久性を高くすることができる。
【0064】
図8に示す処理では、差圧、窒素酸化物濃度に基づいて、メンテナンスを行うかを判定したが、これに限定されない。制御装置150は、運転時間や使用期間に基づいて、メンテナンスを行うかを判定してもよい。
【0065】
[第2実施形態]
図9は、第2実施形態の脱硝設備を示す概略構成図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0066】
図9に示す脱硝設備50aは、還元剤供給装置70と、整流層160と、第1脱硝触媒層82aと、第2脱硝触媒層84と、第3脱硝触媒層86と、圧力計140、146と、窒素酸化物濃度計148と、アンモニア濃度計149と、制御装置150と、報知部152と、を有する。脱硝設備50aの還元剤供給装置70と、第2脱硝触媒層84と、第3脱硝触媒層86と、圧力計140、146と、窒素酸化物濃度計148と、制御装置150と、アンモニア濃度計149と、報知部152と、は、脱硝設備50と同様の機能であるので説明を省略する。
【0067】
整流層160は、煙道40の第3垂直煙道部40fに配置されている。整流層160は、整流兼脱硝触媒層80と同等の位置に配置されている。整流層160は、第3水平煙道部40eから第3垂直煙道部40fに流入し、流れ方向が変わる排ガスGの流れを整流する。整流層160は、第3垂直煙道部40fの延在方向に伸びた板が、延在方向に直交する方向に列状に配置されている。
【0068】
第1脱硝触媒層82aは、板状触媒110aと、板状触媒110aを第3垂直煙道部40fに固定する支持機構112aと、を有する。支持機構112aは、板状触媒110aを支持できる機構であればよく、構造は、特に限定されない。板状触媒110aは、板状触媒100と同様の構造である。排ガスGの流れ方向の板状触媒110aの長さは、第2脱硝触媒層84、脱硝触媒層86のハニカム触媒120、130と同様である。
【0069】
脱硝設備50aは、排ガスGの流れ方向において最も上流側の脱硝触媒である第1脱硝触媒層82aを板状触媒110aとすることで、脱硝性能の低下を抑制しつつ、複数の脱硝触媒層での圧力損失を抑制することができる。具体的には、板状触媒110aとすることで、ハニカム触媒を配置する場合よりも同一の異物(ポップコーンアッシュ等)が飛来した場合も脱硝触媒層での圧力損失の増加を抑制することができる。脱硝設備50aは、排ガスGの流れ方向において下流側の脱硝触媒をハニカム触媒とすることで、触媒の表面積をより大きくすることができ、脱硝性能を高くすることができる。
【0070】
上記実施形態の脱硝設備50aは、第1脱硝触媒層82aを板状触媒とし、第2脱硝触媒層84、第3脱硝触媒層86をハニカム触媒としたがこれに限定されない。脱硝設備50aは、ハニカム触媒の脱硝触媒層と板状触媒の脱硝触媒層の両方を備え、板状触媒の脱硝触媒が、排ガスGの流れ方向において、ハニカム触媒の脱硝触媒層よりも上流側に配置されていればよい。つまり、脱硝設備50は、板状触媒の上流側にハニカム触媒が配置されていない、言い換えれば、板状触媒の上流側には板状触媒のみが配置されていればよい。
【0071】
次に、
図10を用いて、脱硝設備50aの触媒の交換方法の一例を説明する。
図10は、脱硝設備の触媒の交換方法の一例を示すフローチャートである。
図10に示す処理は、制御装置150を利用してメンテナンス要否の判定を行うことができる。また触媒の交換は、作業者が実行する。また、
図10に示す処理は、脱硝設備50aの第1脱硝触媒層82aが、ハニカム触媒の場合でも実行することができる。
【0072】
制御装置150は、アンモニア濃度及び窒素酸化物濃度を計測する(ステップS12)。制御装置150は、検出したアンモニア濃度及び窒素酸化物濃度に基づいて、メンテナンスが必要かを判定する(ステップS14)。
【0073】
制御装置150は、メンテナンスが必要ではない(ステップS14でNo)と判定した場合、ステップS12に戻り、ステップS12の処理を行う。制御装置150は、メンテナンスが必要である(ステップS14でYes)と判定した場合、作業者が各触媒層の点検を行い、交換する触媒層を特定する(ステップS30)。具体的には、第1脱硝触媒層82a、第2脱硝触媒層84、第3脱硝触媒層86のいずれの層を交換するかを判定する。なお、交換する触媒層は、1つでも複数でもよい。また、点検等を行わずに交換する触媒層を決定していてもよい。
【0074】
交換する触媒層を特定したら、下流側の触媒が全てハニカム型触媒であるかを判定する(ステップS32)。制御装置150は、下流側の触媒が全てハニカム型触媒である(ステップS32でYes)と判定した場合、交換する触媒層を板状触媒に交換する(ステップS34)。制御装置150は、下流側の触媒が全てハニカム型触媒ではない(ステップS32でNo)と判定した場合、交換する触媒層をハニカム型触媒に交換する(ステップS36)。
【0075】
図10に示すように、脱硝設備の脱硝触媒層の交換を行うことで、排ガスが板状触媒を通過した後、ハニカム触媒を通過する構造となる。例えば、全ての脱硝触媒層がハニカム触媒の場合、上流側の脱硝触媒層を板状触媒に交換する。また、全ての脱硝触媒層が板状触媒の場合、下流側の脱硝触媒層をハニカム触媒に交換する。これにより、異物の付着により圧力損失が生じることを抑制しつつ、脱硝性能を高く維持することができる。これにより、脱硝性能を高く維持しつつ、長期間運転することができる。なお、上記処理では、脱硝触媒層の交換時の処理として説明したが、製造時にハニカム触媒と板状触媒の両方を備え、上記レイアウトで配置するようにしてもよい。
【0076】
[第3実施形態]
図11は、第3実施形態の脱硝設備を示す概略構成図である。
図12は、脱硝触媒層の上面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0077】
図11に示す脱硝設備50bは、還元剤供給装置70と、整流層160と、第1脱硝触媒層182と、第2脱硝触媒層184と、第3脱硝触媒層186と、圧力計140、146と、窒素酸化物濃度計148と、アンモニア濃度計149と、制御装置150と、報知部152と、を有する。脱硝設備50bの還元剤供給装置70と、圧力計140、146と、窒素酸化物濃度計148と、制御装置150と、アンモニア濃度計149と、報知部152と、は、脱硝設備50と同様の機能であるので説明を省略する。
【0078】
整流層160は、煙道40の第3垂直煙道部40fに配置されている。整流層160は、整流兼脱硝触媒層80と同等の位置に配置されている。整流層160は、第3水平煙道部40eから第3垂直煙道部40fに流入し、流れ方向が変わる排ガスGの流れを整流する。整流層160は、第3垂直煙道部40fの延在方向に伸びた板が、延在方向に直交する方向に列状に配置されている。
【0079】
第1脱硝触媒層182は、触媒ユニット210と、触媒ユニット210を第3垂直煙道部40fに固定する支持機構212と、を有する。支持機構212は、触媒ユニット210を支持できる機構であればよく、構造は、特に限定されない。
【0080】
触媒ユニット210は、板状触媒250と、ハニカム触媒252と、を有する。板状触媒250は、複数の触媒パック250aを有する。ハニカム触媒252は、複数の触媒パック252aを有する。触媒ユニット210は、
図12に示すように、板状触媒250の触媒パック250aと、ハニカム触媒252の触媒パック252aとがそれぞれ行列状に配置されている。触媒ユニット210は、複数の触媒パック250a、252aが第3垂直煙道部40fの水平面の全面を塞ぐように配置されている。これにより、第3垂直煙道部40fを流れる排ガスGは、板状触媒250またはハニカム触媒252を通過する。
【0081】
ここで、触媒ユニット210は、排ガス通路40の脱硝触媒層が配置されている領域である第3垂直煙道部40fよりも上流側で、上流領域である第2垂直煙道部40d及び第3水平煙道部40eが配置されている側の領域に板状触媒250が配置され、上流領域が配置されている側とは反対側の領域にハニカム触媒252が配置されている。本実施形態の触媒ユニット210は、排ガス通路40の脱硝触媒層が配置されている領域である第3垂直煙道部40fよりも上流側で、鉛直方向に対して傾いた(本実施形態では水平の)上流領域である第3水平煙道部40eが配置されている側の領域に板状触媒250が配置され、上流領域が配置されている側とは反対側の領域にハニカム触媒252が配置されている。ここで、上流領域が配置されている側は、上流側の排ガスが流れている側となる。本実施形態の上流領域が配置されている側は、脱硝触媒層が配置されている領域(第3垂直煙道部40f)に対して上流領域(第3水平煙道部40e)が傾いている側である。
【0082】
排ガスGの流れは、煙道40の構造上、上流領域が配置されている側の領域の流速が、上流領域が配置されている側とは反対側の領域の流速よりも遅くなる。また、上流領域が配置されている側の領域が、脱硝触媒層を流動する排ガスの平均流速に対して相対的に流速の遅い領域となる。上流領域が配置されている側とは反対側の領域が、前記平均流速に対して相対的に流速の速い領域になるともいえる。
【0083】
触媒ユニット210は、排ガスGの流れ方向から見た場合、板状触媒250とハニカム触媒252とが、同じ面積で配置されている。なお、板状触媒250とハニカム触媒252との面積比は、1対1に限定されない。触媒ユニット210は、板状触媒250が、全体の1%以上50%以下で配置されていること、もしくはハニカム状252が、全体の1%以上50%以下で配置されていることが流速の平均化効果化という点で好ましい。
【0084】
また、触媒ユニット210は、板状触媒250を配置するかハニカム触媒252を配置するかを触媒パック単位で調整することが好ましい。これにより、触媒パックを交換しやすくできる。
【0085】
第2脱硝触媒層184は、触媒ユニット220と、触媒ユニット220を第3垂直煙道部40fに固定する支持機構222と、を有する。支持機構222は、触媒ユニット220を支持できる機構であればよく、構造は、特に限定されない。触媒ユニット220は、板状触媒260と、ハニカム触媒262と、を有する。第2脱硝触媒層184は、配置位置が異なる以外は、第1脱硝触媒層182と同様である。
【0086】
第3脱硝触媒層186は、触媒ユニット230と、触媒ユニット230を第3垂直煙道部40fに固定する支持機構232と、を有する。支持機構232は、触媒ユニット230を支持できる機構であればよく、構造は、特に限定されない。触媒ユニット230は、板状触媒270と、ハニカム触媒272と、を有する。第3脱硝触媒層186は、配置位置が異なる以外は、第1脱硝触媒層182と同様である。
【0087】
脱硝設備50bは、上流領域が配置されている側の領域に板状触媒250、260、270を配置し、上流領域が配置されている側とは反対側の領域にハニカム触媒252、262、272を配置することで、排ガスGの流速が速い領域にハニカム触媒252、262、272を配置し、排ガスGの流速が遅い領域に板状触媒250、260、270を配置するができる。これにより、異物が堆積しやすい排ガスGの速度が遅い領域に板状触媒250、260、270を配置することができる。板状触媒250、260、270は、ハニカム触媒252、262、272よりも異物が堆積しにくく、かつ、堆積した場合も圧力損失の上昇が少ない。これにより、流速が遅い領域に板状触媒250、260、270を配置することで、異物の堆積を抑制し、圧力損失の上昇を低減できるため、脱硝性能の長期間維持することができる。また、異物が堆積しにくい流速の速い領域にハニカム触媒252、262、272を配置することで、脱硝性能を高くすることができる。
【0088】
図13は、脱硝触媒と圧力損失との関係を示すグラフである。
図13に示すように、ハニカム触媒と板状触媒とは、ハニカム触媒の方が板状触媒よりも圧力損失が大きい。つまり、ハニカム触媒は、板状触媒よりも排ガスが流れにくい。脱硝設備50bは、排ガスGの流速が速い領域にハニカム触媒を配置し、排ガスGの流速が遅い領域に板状触媒を配置することで、流速を均一化することができる。また、ハニカム触媒は、板状触媒よりも排ガスGが流れにくいため、排ガスGの流速を遅くでき、触媒の摩耗を抑制することができる。また、板状触媒は、圧力損失が少ないため、流速の低減を抑制することができ、異物の堆積を抑制することができる。
【0089】
また、脱硝設備50bは、排ガスGの流れ方向から見た場合、複数の脱硝触媒層の板状触媒の領域とハニカム触媒の領域とが同じ領域となることが好ましい。これにより、下流側のハニカム触媒に異物が多く堆積することを抑制できる。
【0090】
次に、
図14を用いて、脱硝設備50bの触媒の交換方法の一例を説明する。
図14は、脱硝設備の触媒の交換方法の一例を示すフローチャートである。
図14に示す処理は、制御装置150を利用してメンテナンス要否の判定を行うことができる。また触媒の交換は、作業者が実行する。また、
図14に示す処理は、脱硝設備50bの脱硝触媒層の各層が、ハニカム触媒のみまたは板状触媒のみで構成されている場合でも実行することができる。
【0091】
制御装置150は、アンモニア濃度及び窒素酸化物濃度を計測する(ステップS12)。制御装置150は、検出したアンモニア濃度及び窒素酸化物濃度に基づいて、メンテナンスが必要かを判定する(ステップS14)。制御装置150は、メンテナンスが必要ではない(ステップS14でNo)と判定した場合、ステップS12に戻り、ステップS12の処理を行う。
【0092】
制御装置150は、メンテナンスが必要である(ステップS14でYes)と判定した場合、作業者が各触媒層の点検を行い、交換する触媒層を特定する(ステップS40)。具体的には、第1脱硝触媒層82a、第2脱硝触媒層84、第3脱硝触媒層86のいずれの層を交換するかを判定する。なお、交換する触媒層は、1つでも複数でもよい。また、点検等を行わずに交換する触媒層を決定していてもよい。
【0093】
交換する触媒層を特定したら、板状触媒とハニカム触媒の配置を決定する(ステップS42)。制御装置150は、相対的に流速が遅い領域に板状触媒を配置し、相対的に流速が速い領域にハニカム触媒を配置するように、配置を決定する。次に板状触媒とハニカム触媒の配置を決定したら、決定に基づいて板状触媒とハニカム触媒を配置した触媒層を特定した触媒層と交換する(ステップS44)。
【0094】
図14に示すように、1つの脱硝触媒層がハニカム触媒と板状触媒の両方を有し、かつ、相対的に流速が遅い領域に板状触媒を配置し、相対的に流速が速い領域にハニカム触媒を配置することで、流速を均一化し、耐久性を高くしつつ、脱硝性能を高くすることができる。つまり、流速が遅い部分に板状触媒を配置することで、異物が堆積しにくく、かつ、堆積しても圧力損失が増加しにくくすることができる。また、流速が速い部分にハニカム触媒を配置することで、圧力損失を大きくして流速を低減し、さらに触媒の表面積を大きくして、脱硝性能を高くすることができる。なお、上記処理では、脱硝触媒層の交換時の処理として説明したが、製造時にハニカム触媒と板状触媒の両方を備え、上記レイアウトで配置するようにしてもよい。
【0095】
[第4実施形態]
図15は、第4実施形態の脱硝触媒の他の例を示す上面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。第4実施形態は、脱硝設備の脱硝触媒のみを示している。本実施形態の脱硝触媒は、上述したハニカム触媒に代えて配置することが好ましい。
【0096】
図15に示す脱硝触媒302は、板状触媒310と、板状触媒310の排ガスGの流れ方向の下流側に配置されたハニカム触媒312と、を有する。脱硝触媒302は、板状触媒310の排ガスGの流れ方向下流側の面とハニカム触媒312の排ガスの流れ方向上流側の面とが近接している。板状触媒310と、ハニカム触媒312とは少なくとも一部が接触していてもよい。排ガスGは、板状触媒310を通過した後、ハニカム触媒312を通過する。
【0097】
脱硝触媒302は、ハニカム触媒312の排ガスGの流れ方向上流側に板状触媒310を近接する状態で配置することで、板状触媒310で流れが整流された排ガスGをハニカム触媒312に流入させることができる。これにより、ハニカム触媒312の排ガスGの流れ方向の上流側の端面を強化せずに、脱硝触媒302の排ガスGの流れ方向上流側の耐摩耗性を高くすることができる。また、板状触媒310は、表面のコーティング等を行わないことで、触媒としての性能を高く維持することができる。また、板状触媒310を配置することで、異物が堆積した場合も圧力損失が増加することを抑制することができる。
【0098】
ここで、板状触媒310の排ガスGの流れ方向の長さは、50mmL以上300mmL以下とすることが好ましい。上述した
図7に示すように、排ガスGの流れ方向の長さを50mmLとすることで、物質の移動係数を低くすることができる。つまり、排ガスGの流れを整流させることができる。また、300mmLとすることで、板状触媒310が必要以上に長くなることを抑制できる。