【実施例】
【0128】
例示的な実施形態では、ヨガクラスの各生徒が、平穏状態を誘導するように構成されたTES神経調節システムをそれぞれ装着する。生徒がクラスに入る際、各生徒は、各自の神経調節パックハードウェア識別子を講師に提供し(又はハードウェア識別子は近接性若しくは他の手段によって自動的に識別され)、クラスの前半又は後半中に平穏状態を誘導させることについての好みを示す。講師は、ラップトップ及び専用ソフトウェアを使用し、各生徒によって提供されたハードウェアアドレスに従って各生徒の神経調節パックに無線接続し、各生徒について、クラスの指定された部分で神経調節の開始をトリガーする。各生徒に一意のハードウェア識別子を使用することにより、講師は、平穏状態誘導のタイミングを個人単位で指定することができる。任意選択的に、ユーザは、一時的にのみ機能するアクセスコードを教師に提供することができ、それにより、アクセスコードは、ユーザがもはや第三者によるアクセスを認めたくない後の時間に再使用することはできない。
【0129】
加入者識別モジュール(SIM)カードは、セルラブロードキャストチップセットと併用されるように構成可能なポータブルで交換可能なハードウェア識別の一実施形態例である。SIMカードは、セルラデータネットワークを通して神経調節システムと直接通信できるようにする。SIMカードの有利な特徴は、取り外して異なる装置に配置可能なことである。SIMカードの交換は、異なるモバイル通信規格を使用する地域に旅行するユーザにとって有利である。SIMカードは、ユーザの異なる神経調節システム間で交換するように構成することもできる。経頭蓋超音波神経調節パック及びTES神経調節パックを有するユーザは、1つのパック又は別のパックを使用する場合、単一のSIMカード(ひいては単一の神経調節「アドレス」)を使用することができる。
【0130】
ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)ペアリングは、ハードウェア選択性を制御する更なる例示的な実施形態である。スマートフォン又は他のブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)対応装置から、カスタマイズされたアプリ又は他のソフトウェアが開かれる。ユーザは、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)装置との神経調節パックのペアリング要求を示し、次に、神経調節パック上のボタン又は他のユーザインタフェース構成要素を押下して、どのパックをペアリングすべきかを確認するように促される(2対上の神経調節パックがユーザのスマートフォンのブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)送信器の範囲内にある場合に有用な特徴)。ペアリングの成功を確認する為に、神経調節パックは、スピーカから音(例えば、チャイム)を生成するか、又はLED視覚的インジケータを点滅させるように構成することができる。
【0131】
状況的刺激、本発明の閉ループ実施形態を可能にする。状況的刺激の一例では、ユーザのストレスレベルは、神経調節パック、他の神経調節システム、又は他のハードウェアシステムの一部として含まれる生理学的センサによって監視される。例えば、ストレスは、心拍を監視し、心拍の変動性を計算することにより、且つ/又は電気皮膚抵抗を測定することによって推定することができる。ユーザのストレスレベルが閾値(例えば、早期にユーザによって定義されるか、又は治療者若しくは医療専門家によって定義される)を超える場合、適切な頭部位置に配置され、その他の点でユーザを平穏にさせるように構成される神経調節システムは自動的にトリガーされる。ユーザのストレスレベルが閾値レベル未満に下がると、神経調節は停止する。代替的には、平穏化神経調節セッションは、一定の時間期間にわたって進められる。本発明の閉ループ実施形態の別の例では、眼球追跡を使用して、ユーザから注目が低減する期間を推定し、次に、神経調節システムがトリガーされて、対象者を手元の作業に集中させる。
【0132】
ソーシャル神経調節の一例は、NFC通信用に構成されるスマートフォンを有し、両者ともある形態の神経調節を同時に経験したい(例えば、両者ともスパにおり、一緒にリラックスしたい)2人の個人間で行われる。各ユーザは、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)通信について一意の(且つセキュアな)IDで特定の神経調節パックに以前にリンクしたことがあるスマートフォンを有する。ユーザは、ソーシャル神経調節用に設計されたカスタマイズ「アプリ」を開く。このアプリは、ユーザの神経調節パックのステータスを表示する。有用なメッセージは、(1)神経調節パックとの接続なし、(2)神経調節パックの電池残量が少ない、(3)頭部への神経調節パックの電気接触不良(又は、超音波神経調節の場合、頭部との音響接触不良)、(4)警告:他の重機の駆動又は動作中、経頭蓋神経調節を使用しないでください、続けるには「理解しました」をクリックしてください、(5)神経調節パックが接続されています、刺激可能な状態です、を含む。神経調節を開始する為に、自分の電話を、神経調節アプリを実行中の別の電話に触れさせる。両ユーザで、「神経調節パックが接続されている」というメッセージが表示されている必要がある。ユーザペアが各自の電話を互いに接触させる(又はNFCセンサが機能するのに十分に近くに持って行く)と、両電話上のアプリは「神経調節に接続中」メッセージを表示し、フィードバックとして短い可聴キュー「チャイム」を提供する。
【0133】
本明細書に記載される方法及び装置は、経頭蓋電気刺激(以下、「TES」)を、イベントを経験している1人又は複数の個人に送達することにより、グループ又は単独で経験される音楽的イベント、政治的イベント、スポーツイベント、及び他のイベントを強化するように構成し得る。
【0134】
一般に、TESによる刺激は、一定直流刺激、パルス単層又は二相直流刺激、交流刺激、頭蓋電気刺激、経頭蓋ランダムノイズ刺激、及び他の形態のTESを含むが、これらに限定されないリストから選択される電気波形の適用を含み得る。有利な実施形態では、経頭蓋一定直流刺激の刺激強度は任意選択的に、約3mAを超えるように選択される。有利な実施形態では、経頭蓋パルス直流刺激又は交流刺激の刺激強度は任意選択的に、約5mAを超えるように選択される。
【0135】
例えば、コンサート、DJのいるクラブ、他の音楽経験、スポーツイベント、政治集会、地域サービス、又は他のグループ経験での観客メンバは、イベント中、神経調節を誘導し、イベントの観客メンバの経験を強化する経頭蓋電気刺激システムを使用し得る。会場は、少数の観客(例えば、50人未満)の私的で小さな会場であってもよく、又は屋外音楽フェスティバル若しくはスタジアムでの大きな会場(例えば、10,000人を超える観客)であってもよい。観客の複数のメンバが全てTESを受け取る少なくとも幾つかの場合、観客の共有される経験は強化される。
【0136】
例えば、神経調節(例えば、TES神経調節システム)を使用する個人は、本明細書に記載されるTESアプリケータを会場に持ち運ぶことができ、刺激は、例えば、近接性、地理的ロケーション、又はユーザによる要求、例えば、アプリがパフォーマンスのパフォーマー又はスタッフのうちの1人又は複数によって選択される時間に適切な波形をトリガーすることができるように、スマートフォンで実行中のTES制御アプリにコードを入力するか、又はイベントに固有のQRコード(登録商標)をスマートフォン上でスキャンすることによる要求に基づいて、観客メンバに対してトリガーされる。TESシステムへの直接の無線通信は、パフォーマンスのパフォーマー又はスタッフのうちの1人又は複数によって選択されるタイミング及び波形で、刺激をトリガーすることができるようにTESシステムと通信する一方法である。幾つかの実施形態では、システムは、パフォーマー(例えば、ミュージシャン、DJ、ダンサー等)が神経調節を直接トリガーする(例えば、フットペダル、シンテサイザ等の電子楽器上のボタン、又はリモート制御を用いて)ように構成される。他の実施形態では、システムは、サウンドボードでのミキサ又ライトショーをコントロールする人物が観客への間隔刺激の送達をコントロールすることができる方法と同様に、サポートスタッフメンバが観客メンバの神経調節をコントロールするように構成される。パフォーマーも神経調節装置を装着し、パフォーマンス中に神経調節を受け取ることができる。パフォーマーの神経調節は、観客の神経調節と同時であってもよく、又は代替的に、異なる時間に発生してもよい。パフォーマーは、受け取る神経調節の形態が観客と同じであるか、又は代替的に、観客が受け取る神経調節の形態が、パフォーマーが受け取るものとは異なるように構成される神経調節装置を有し得る。
【0137】
神経調節は、スポーツイベント、政治集会、動機付けスピーチ、又は地域イベント等の他の形態のグループ経験のリーダーが、観客メンバが受ける神経調節をコントロールするように、同様に構成することができる。
【0138】
代替の実施形態では、音楽演奏の経験又は他のグループ経験でシェアしたい個人は、オーディオに相対して適切な時間にアクティブ化される神経調節システムを装着している間、1人で、又は小さなグループで、家で録音を聴き、ライブコンサートの録音を聴くことにより、そのイベントにいるかのような楽しい代理を可能にして、そこにいなくともイベントのバージョンを経験することができるようになる。
【0139】
例示的な一実施形態では、1組の電子ダンス音楽又は他の音楽を演奏しているDJがいるクラブの出席者は、クラブに入る際に、装着可能な神経調節装置(例えば、TES神経調節装置)を受け取り、パフォーマー及び/又はキットによって提供される命令に基づいてTES電極を適切な位置に接着させ、リモートにトリガーされる電気刺激を受け取る。このシステムの有利な特徴は、神経調節と音楽演奏及びライトショーとを統合して、コンサート経験を強化する能力である。
【0140】
別の実施形態では、演奏者又は演奏スタッフの他のメンバは、神経調節のタイミングを定義し、各ユーザは、波形、強度、誘導される認知状態、及び長さを含むが、これらに限定されないリストから選択される神経調節プロトコルの1つ又は複数の側面を制御する。代替の実施形態では、演奏者又は演奏スタッフの他のメンバは、神経調節のタイミング及び波形の側面(例えば、波形のランピング)を定義して、観客のメンバに誘導される認知作用の相対強度をコントロールする。
【0141】
別の実施形態では、演奏者又は演奏スタッフの他のメンバによってコントロールされる神経調節のタイミング及び他の特徴は、(1)観客のエナジーに応答してリアルタイムで制御され、(2)予め記録されるか、若しくは他の様式で予め決定され、又は(3)音、光、若しくは他の刺激のパターンに基づいてトリガーされる。全ての参加者又は出席者は、同じ形態、持続時間、及びタイミングの神経調節を経験し得る。例えば、TES形態(例えば、誘導される認知状態の変化)、TES持続時間、及びTESタイミングのうちの1つ又は複数は、観客のメンバ間で、例えば、グループ、セクション、セットで、又は観客メンバの人口統計によって異なり得る(例えば、男性はある形態のTESを経験し、女性は異なるタイミング又は形態のTESを受け取る)。
【0142】
幾つかの変形では、経頭蓋神経調節装置は、皮膚に接着され、2つのアセンブリ、即ち、マスタアセンブリ及びスレーブアセンブリで構成され、各アセンブリは皮膚接着式電極アセンブリを備える。実施形態は、少なくとも1つの電極を有する第1の皮膚接着式アセンブリと、2つのアセンブリの相対位置が、2つのアセンブリを接続する少なくとも1本の導電可撓性ワイヤの長さによってのみ制約されるように構成される少なくとも1つの電極を有する第2の皮膚接着式アセンブリとを備えるTESシステムを含む。
【0143】
神経調節装置は少なくとも1つの階層電極アセンブリを含み得、このアセンブリは、第1の層が構造的支持を提供し、皮膚表面により近い電極層に電流を送る少なくとも1つの導電路を備え、第2の層が、第1の層の少なくとも1つの導電路から送られた電流を電極の皮膚表面により近い層に拡散させ、第3の層が皮膚に接着し、導電性を有し、あまり残留物を残さずにユーザの皮膚から手動で取り外すことができ、第4の層が「剥離紙が剥がされて接着する」裏当てであるように、皮膚表面から最も遠い電極アセンブリの側に相対して階層になった構成要素を備える。
【0144】
例えば、TES用に構成される神経調節装置は電極アセンブリを含み得、電極アセンブリは、経頭蓋電気刺激を用いて1つ又は複数の脳領域をターゲットとする形状、サイズ、向き、及び組成を有する複数の電極接点を備えて、認知状態に所望の変化を達成する。幾つかの電極アセンブリは、対象者の頭部又は他の部位の湾曲部への一致性を改善することができる切り欠き又は開口部を電極裏当てに有するように構成し得る。
【0145】
特にTESに関して、特定の実施形態を独立して、又は一緒に使用して、対象者の認知機能、認知状態、機嫌、及び/又はエナジーレベルの所望の変化を達成しながら、高電流強度での皮膚の痛み、炎症、及び/又は火傷を低減することができる。有利な特徴は、(1)経皮送達されるパルス単層又は二相電気刺激プロトコル、(2)経皮送達される交流電流刺激及び直流電流刺激結合プロトコル、及び(3)同時に、交流電気刺激プロトコルを第1の組の電極から送達し、直流電気刺激プロトコルを対象者に固定された第2の組の電極から送達することにより達成される、経皮送達される交流電気刺激及び直流電気刺激結合プロトコルを含み得る。
【0146】
TES用に構成される経頭蓋神経調節装置の幾つかの変形では、少なくとも1つの優位周波数0.5Hz〜1MHzを有する交流電流刺激又はパルス経頭蓋直流電流刺激(ptDCS、単層パルス直流刺激とも呼ばれる)が使用される。tACS又はptDCSプロトコルは、少なくとも1つの優位周波数約650Hz〜約25kHzを有し得る。痛み、痒み、及び炎症の知覚を変換する感覚経路は通常、これらの周波数の二相交流刺激では活性化されない。さらに、炎症及び火傷を生じさせるpH変化は、ゼロ正味電流又は小さな正味電流(例えば、約1.5mA未満)では生じない。
【0147】
最も単純な形態のTESはtDCSである。幾つかの変形では、経頭蓋神経調節装置の回路は、電源(一般に9V又は12V)と、電極と対象者の頭部との間のインピーダンスがわずかに変化する際(例えば、運動、発汗等に起因して)、一定電流を供給する電流調整器と、電流のスパイクが対象者に伝わらないことを保証する安全回路とに低減することができる。幾つかのオープンソースtDCSプロジェクトは、グラインドハウスウェットウェア(Grindhouse Wetware)及びゴーフロー(Go Flow)からの「シンキングキャップ(Thinking Cap)」を含め、安価なTESシステムの設計をリリースした。TES電極対のうちの1つ又は複数に対して指定された刺激波形をトリガーする様々な市販のカスタムシステムも記載されている。
【0148】
従来、TESで使用される刺激電極は、比較的大きく、約2cm×2cmを超えるオーダであった。大きな電極パッドの動機は、電極縁部において、生成される電場から生じるヒリヒリ感、痒み、又は痛みの感覚を低減することであった。例えば、体性感覚皮質を刺激する3cm×4cm電極及び5cm×7cm電極が使用された。より小さな電極を有し、頭皮への電場の結合を改善して、不快さを低減した「高密度」電極システムが提案された((特許文献21))。
【0149】
tACSは、適切な周波数の交流電流等の適切な波形を電極に送る為に、追加のハードウェアを必要とし得る。発振器、マイクロコントローラ、又はタイミング回路を使用して、所望の時変刺激を送達することができる。交流刺激パルスは、方形波、正弦波、鋸波、三角波、整流(単一モード)波、パルス幅変調、振幅変調、周波数変調、又は他のパターンの交流電流波形を含むことができる。神経調節を対象者に誘導する経頭蓋交流刺激のシステム及び方法は、チャイエブ(Chaieb)らによって記載されている(本明細書に参照により援用される(非特許文献1))。
【0150】
tRNSは、アナログ信号に変換され、所望の強度の電流をゲーティングする為に使用される適切な構造を有するランダム値を提供するように構成されるマイクロコントローラ又は他のプロセッサを更に必要とする。神経調節を対象者に誘導する経頭蓋交流刺激のシステム及び方法は、サイオテ(Saiote)らによって記載されている(本明細書に参照により援用される(非特許文献2))。
【0151】
頭蓋電気療法刺激(CES)は、約0.1Hz〜約200Hzであり、好ましくは約0.5Hz〜約100Hzの周波数範囲内であるように選択されるパルス反復周波数のパルス電気刺激を送達する。CESに一般的なパルス反復周波数は0.5Hzである。CESに一般的な別のパルス反復周波数は、100Hzである。ニチェンジー(Nekhendzy)及びメイズ(Maze)への(特許文献22)は、CESと同様の周波数を有するパルス電気刺激を送達するように構成された経頭蓋無痛機械を記載しており、参照により本明細書に援用される。
【0152】
経頭蓋神経調節装置を使用して対象者に送達されるtDCS、tACS、CES、又はtRNSの波形は、一定であることもでき、又はパルス、ランプ、変調、若しくは干渉を含むが、これらに限定されないリストから選択される1つ若しくは複数の方法で変更することができる。tDCS、tACS、CES、又はtRNSで使用することができる多くの有用な波形があり、任意のそのような波形が本明細書に記載される装置及び方法と併用可能である。
【0153】
コントローラ
上述したように、本明細書に記載される任意の経頭蓋神経調節装置は、神経組織を刺激して、神経系での細胞の活動を活性化、抑制、又は他の様式で調節し、認知作用、認知状態の変更又はユーザの他の生理学的変更を達成し得る。これらの装着可能な神経調節装置は、経頭蓋神経調節装置とペアになり、経頭蓋神経調節装置を無線で制御するコントローラ(第一者コントローラ)を含むこともできる。そのような第一者コントローラ(例えば、装着者によって使用される)は、追加又は代替として、他の経頭蓋神経調節装置とネットワーク接続する第三者コントローラとして動作することもできる。
【0154】
一般に、コントローラ(例えば、第一者コントローラ、第三者コントローラ)は、モバイル計算装置に装着可能神経調節装置と通信させ制御させる、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアを有するモバイル計算装置(スマートフォン等)に適合するように構成し得る。
【0155】
例えば、装着可能な神経調節装置は、経頭蓋電気刺激(TES)装置であり得る。今述べたように、経頭蓋電気刺激は、経頭蓋直流刺激(tDCS)、経頭蓋交流刺激(tACS)、標的電気刺激(TES)、頭蓋電気療法刺激(CES)、及び神経系の細胞の活動に影響する他の形態の経頭蓋電気刺激と呼ばれる形態の電気刺激を含む。本明細書に記載されるシステム及び方法の代替の実施形態では、電気刺激は対象者に経皮送達されて、頭蓋外の神経標的に影響を及ぼす。これらの二次実施形態は、非経頭蓋的であり、神経系の細胞の活動に影響を及ぼすように構成される。
【0156】
モバイル計算装置は、世界の多くの地域での日々の生活にとっての普遍的な必携物となり、強力なモバイル計算装置の普及は、低下しつつあるコストが発展途上市場を開く為、今後何年かは続く可能性が高い。モバイル計算装置は、少なくとも1つのマイクロプロセッサと、機械可読メモリと、オペレーティングシステム(例えば、Android、iOS、又はWindows(登録商標) Phone)と、少なくとも1つの無線通信モジュールと、タッチスクリーン及び/又は機械式ボタンを組み込んだユーザインタフェースとを含む。モバイル計算システムは、スマートフォン(アップルアイフォン(Apple iPhone)、アンドロイドネクサス(Android Nexus)、サムスンギャラクシー(Samsung Galaxy)、ノキアルミア(Nokia Lumia)及び他の多く)、タブレットコンピュータ(アップルアイパッド(登録商標)(Apple iPad)、サムスンギャラクシーノート(Samsung Galaxy Note)、マイクロソフトサーフェス(Microsoft Surface)、アマゾンキンドル(Amazon Kindle)、及び他の多く)、スマートウォッチ(ソニースマートウォッチ(Sony SmartWatch)、サムスンギャラクシーギア(Samsung Galaxy Gear)、及び他の多く)、及び他のモバイル計算システム(即ち、アップルアイポッドタッチ(Apple iPod Touch))を含め、広く利用可能である。
【0157】
モバイル計算装置には、一般に「アプリ」と呼ばれる工場インストール及びユーザ選択されるアプリケーションソフトウェアをプログラム可能である。したがって、本明細書で使用される場合、「アプリ」は、モバイル計算装置の非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアを指し得る。
【0158】
記載される実施形態は、柔軟な構成可能性、可搬性、計算力、無線接続性、及びインターネット機能を含むが、これらに限定されない、既存のシステムと比較して大きな利点を有し得る。実施形態では、モバイル計算装置上のアプリは、モバイル計算装置に、タッチスクリーンに表示され、且つ/又はモバイル計算装置の機械的ユーザインタフェース要素(即ち、ボタン、スライダ、又はジョイスティック)を使用して1つ又は複数のユーザインタフェース要素を提供させる。モバイル計算システムは一般に、タッチスクリーン、機械的ボタン、音声制御、サウンド、及び触覚信号を含むが、これらに限定されない装着可能な神経調節システムと通信し、神経調節システムを制御する為に使用することができるユーザインタフェース要素を組み込む。
【0159】
神経調節へのTESの利点にも拘わらず、既存のシステムは、少なくとも幾つかの場合、TESセッションの有効性、快適性、及び/又は利便性を欠いている。さらに、TESシステムの幾つかの他の特徴は、ユーザフィードバック、メタデータエントリ、1つ又は複数のTESセッションの各(履歴)表示、将来の(計画される)TESセッションの表示、ユーザの体への1つ又は複数のTES電極の配置及び向きに関する命令(首又は額等のユーザが見ることができない体の部分に1つ又は複数の電極を配置するに当たり、ユーザを支援する為に、ユーザの頭部又は他の人体部位のイメージの拡張現実を組み込む)、スライダ又は他のユーザインタフェース構成要素を用いた波形特性の制御(例えば、強度、周波数、及び/又はランピング)、及び同時神経調節に向けての複数のユーザにわたるTESセッションの調整を含むが、これらに限定されないリストから選択される改善されたユーザインタフェース特徴を含む。
【0160】
ネットワーク可能な経頭蓋神経調節システムは、装着可能な神経調節装置と、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアが構成されたモバイル計算装置とを備え得、ソフトウェアは、ハードウェアへの無線接続を確立することと、体に1つ又は複数の電極を配置するに当たり、例えば、モバイル計算装置の画面に命令を提供することにより、ユーザを支援することと、ユーザ選択に利用可能な複数の神経調節プロトコルを表示することと、刺激プロトコルを選択するユーザ入力を受信することと、TESセッションの強度、周波数、ランピング、又は他のパラメータを変更するユーザ入力を受信することと、刺激又は眼内閃光誘導刺激の短い一時停止等の遷移を送達させるユーザ入力を受信することと、神経調節セッション中の所望の認知作用、認知状態の変更、又は生理学的状態の変更を選択するユーザ入力を受信することと、ユーザに装着可能に取り付けられた神経調節システムに、選択された刺激プロトコルを無線で送信し、それにより、ユーザの神経標的に神経調節を誘導すること、装着可能な神経調節装置と単方向又は双方向的に通信することと、インターネットを介して、ユーザについての生理学的データ及び/又はメタデータを含む神経調節セッションについてのデータをリモートサーバに送信することと、ユーザ又は第三者による前の神経調節セッションについての各データの検索機能を提供することと、グループ神経調節セッションをホストし、且つ/又は参加することと、接続された神経調節装置のステータスについてのデータ(即ち、電池残量)を表示することと、前に経験した神経調節プロトコルを繰り返すユーザ入力を受信することと、ユーザが経験した神経調節についてのフィードバックを提供する(即ち、経験した神経調節セッションが好ましかったか否かを示すか、又は1つ星〜5つ星の格付けに従って神経調節セッションを格付けすることにより、ユーザインタフェースを表示することと、ソーシャルメディアを介して神経調節セッションについての情報を共有することとを含むが、これらに限定されないリストから選択される1つ又は複数の動作をモバイル計算装置に達成させる。
【0161】
好ましい実施形態では、モバイル計算装置に接続される神経調節装置は、経頭蓋電気刺激装置である。他の実施形態では、モバイル計算装置に接続される神経調節装置は、少なくとも1つの電極がユーザの頭部、顔、又は首に取り付けられ、効果が少なくとも1つの神経標的エリアによって変換される経頭蓋電気刺激装置である。他の実施形態では、モバイル計算装置に接続される装着可能な神経調節装置は、超音波神経調節、経頭蓋磁気刺激(TMS)、脳深部刺激(DBS)、脳又は硬膜の表面に移植された1つの電極又は電極アレイを通しての刺激、及び光遺伝学として知られる神経調節用の特に設計されたタンパク質の光活性化を含むが、これらに限定されない群から選択される、神経組織を刺激して、神経経の細胞の活動の活性化、抑制、又は調節を行う1つ又は複数の代替の技術用の構成要素を備える。
【0162】
TESのハードウェア及びソフトウェアシステムは、主電力から安全に分離される電池又は電源と、TESイベントをトリガーし、各電極の刺激の波形、持続時間、強度、及び他のパラメータを制御する制御ハードウェア及び/又はソフトウェアと、頭皮への電気結合用のゲル、生理食塩水、又は別の材料を有する1つ又は複数の電極対とを含み得る。代替の実施形態では、TESのハードウェア及びソフトウェアシステムは、より多数又はより少数の構成要素を含み得る。TESのハードウェア及びソフトウェアが様々な構成要素を含み得ることを当業者は理解しよう。
【0163】
図7は、TESセッションを構成し、作動させ、終了させる例示的な作業フローを示す。TES装置又は無線接続された制御ユニットへのユーザ入力700を使用して、所望の認知作用を選択し得(701)、所望の認知作用は、電極又は電極を含むTESシステムの選択及び電極の正確な位置の決定を含め、所望の認知作用を達成する為の電極構成セットアップ702を決定する。一実施形態では、ユーザへの構成指示703は、ユーザインタフェースを介して提供される指示、ユーザに提供されるキット、TES電極をユーザの体の適切な部分に接触させるように構成される装着可能なシステム、ユーザによって自律的に行われる電極の選択及び位置決め(例えば、TESとの前の経験に起因して)、TESの熟練した実施者によって提供される支援、及び他の手段を介して提供される指示を含むが、これらに限定されないリストから選択される1つ又は複数の方法によって提供される。
【0164】
これらの指示又は知識に基づいて、ユーザ又は他の個人若しくはシステムは、電極を体に位置決めする(704)。幾つかの実施形態では、TESセッションは、電極が体に位置決めされた後、自動的に開始される(707)。他の実施形態では、電極のインピーダンスが、TESシステムによってチェック(705)されてから、TESセッションが開始される(707)。幾つかの実施形態では、電極のインピーダンス705がTESシステムによってチェックされた後、ユーザはTES装置706を作動させ、それから、TESセッションが開始される(707)。他の実施形態では、電極を体に位置決めした(704)後、ユーザはTES装置を作動させ(706)、TESセッションを開始する(707)。TESセッションが開始されると、次のステップは、指定された刺激プロトコルを用いて電気刺激を送達すること(708)である。幾つかの実施形態では、ユーザはTESセッションの終了を作動させる(709)。他の実施形態では、TESセッションは、刺激プロトコルが完了するときに自動的に終了する(710)。
【0165】
図8は、ポータブル有線TESシステム800の構成要素を示す。この例では、接着性電極801が、コネクタ802及びワイヤ803を介してTESコントローラ804に接続する。TESコントローラ804は、電池又は保護AC電源805と、ヒューズ及び他の安全回路807と、メモリ808と、マイクロプロセッサ809と、ユーザインタフェース810と、電流制御回路806と、波形生成器811とを含む幾つかの構成要素を有する。ニューロコン(neuroConn)DC刺激器(ニューロコン(neuroConn)GmbH、イルメナウ(Ilmenau)、独国)及びアクティバドーズII(Activadose II)(アクティバテック(Activatek Inc.)ソルトレイクシティ、ユタ州)が、tDCSに使用可能な、ワイヤによって電極に接続する市販のポータブルシステムである。inTENSity(商標)製品ライン(カレントソリューションズ(Current Solutions LLC)、オースティン、テキサス州)は、ワイヤによって電極に接続し、一定及び干渉tACS用に構成可能な市販のポータブルシステムである。他の市販又はカスタムシステムも、tACS、tDCS、tRNS、又は別の携帯のTESを送達するポータブル有線TESシステムとして使用可能なことを当業者は認識しよう。
【0166】
図9は、マイクロプロセッサ制御の制御ユニット909(例えば、アンドロイド(Android)又はアイフォン(iPhone)又はサムスンギャラクシー(Samsung Galaxy)等のiOSオペレーティングシステムを実行するスマートフォン、iPad等のタブレット、ラップトップ及びデスクトップコンピュータを含むが、これらに限定されないパーソナルコンピュータ、又は任意の他の適する計算装置)と無線通信する接着性又は装着可能なTES送達ユニット900を備えるTESシステムを示す。この例示的な実施形態では、接着性又は装着可能なTES送達ユニット900は、接着剤、ユーザの体の部分に適合するか、又は装着される形状のフォームファクタ(例えば、ヘッドバンド又はアラウンドイヤー「眼鏡」スタイルフォームファクタ)の1つ又は複数を用いて、2つ以上の電極を対象者に皮膚接触した状態に保つ。例示的な実施形態では、接着性又は装着可能なTES送達900は、構成要素:電池901と、メモリ902と、マイクロプロセッサ903と、ユーザインタフェース904と、電流制御回路905と、ヒューズ及び他の安全回路906と、無線アンテナ及びチップセット907と、波形生成器916とを備える。マイクロプロセッサ制御される制御ユニット909は、構成要素:無線アンテナ及びチップセット910、グラフィカルユーザインタフェース911、TESセッションについてのフィードバックを提供する1つ又は複数の表示要素912、1つ又は複数のユーザ制御要素913、メモリ914、及びマイクロプロセッサ915を含む。代替の実施形態では、TES送達ユニット900は、より多数又はより少数の構成要素を含み得る。TES送達ユニットが様々な構成要素で構成可能なことを当業者は理解しよう。
【0167】
接着性又は装着可能なTES送達ユニット900は、無線通信プロトコル908を用いてマイクロプロセッサ制御のシステム909に双方向通信するように構成し得る。システムは、トリガー信号、制御信号、安全アラート信号、刺激タイミング、刺激持続時間、刺激強度、刺激プロトコルの他の側面、電極品質、電極インピーダンス、及び電池レベルを含むが、これらに限定されない様々な形態のデータを無線で通信するように構成することができる。通信は、RF、WiFi、ワイマックス(WiMax)、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)、BLE、UHF、NHF、GSM(登録商標)、CDMA、LAN、WAN、又は別の無線プロトコルを含むが、これらに限定されない当該技術分野で既知の方法を使用して、装置及びコントローラに対して行い得る。例えば、リモート制御によって送信されるパルス赤外線光は、追加の無線形態の通信である。近距離通信(NFC)は、神経調節システム又は神経調節パックと通信する為の別の有用な技法である。本発明の実施形態と共に利用することができる多くの無線通信プロトコルがあることを当業者は理解しよう。
【0168】
接着性又は装着可能なTES送達ユニット909は、ユーザインタフェース904を含まなくてもよく、制御ユニット909への無線通信プロトコル908を通して排他的に制御される。代替の実施形態では、接着性又は装着可能なTES送達ユニット909は、無線アンテナ及びチップセット907を含まず、ユーザインタフェース904を通して排他的に制御される。なお、電気刺激を経頭蓋及び経皮的に対象者に送達可能でありながら、複数の構成を用いて代替のTESシステムを設計可能なことを当業者は認識しよう。
【0169】
対象者の組織内に送達される(例えば、経頭蓋的に脳内に)電流のパターンは、電極構成と、刺激プロトコルとに依存し得る。電極構成は、電極数、電極の位置、電極のサイズ、電極の形状、電極の組成、及び電極の陽極−陰極ペア(即ち、1組の電極が電気的に、陽極として結合されるか、それとも陰極として結合されるか、また、刺激の複数の独立したチャネルが、独立した陽極−陰極の組を駆動する電流源を介して存在するか否か)を含むが、これらに限定されないリストから選択される1つ又は複数のパラメータを含み得る。刺激プロトコルは、陽極−陰極の組に送られる電流の時間パターンを定義し得、直流、交流、パルス流、線形電流ランプ、非線形電流ランプ、指数的電流ランプ、電流の変調、及びより複雑(反復、ランダム、疑似ランダム、及びカオスパターンを含む)を含むが、これらに限定されないリストから選択される1つ又は複数の波形成分を組み込むことができる。
【0170】
脳内の標的エリアでの電流の流れは、適切な電極構成及び刺激プロトコルが送達される場合、神経調節を誘導する。脳内の電流の時空間により、神経調節が生じるか否か、及び生じる場合には誘導される変化の性質が決まる。
【0171】
以下及び一連の図面で説明されるのは、計算装置にTES装置と通信させ、TES装置を制御して、神経調節をTES装置装着ユーザに送達させる、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、計算装置によって実行可能なソフトウェアが構成されたモバイル計算装置に無線接続された装着可能な経頭蓋電気刺激(TES)装置を備える神経調節システム一実施形態例である。
【0172】
図10は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアによって行われる、装着可能に取り付けられた経頭蓋電気刺激装置をモバイル計算装置に接続する為のモバイル計算装置ユーザインタフェース表示及び機能を示す。左側に示されるのはデフォルト図である。ユーザは、「接続するにはタップ」をタップすることにより、神経調節パックとアプリとの間に接続を確立しなければならない。中央の表示は、接続が確立されている間に表示されるスピナーを示す。右側の表示は、経頭蓋電気刺激セッションを開始する為のボタンを示す。成功した場合、初期指示及び接続ボタンは、単独又はグループセッションを開始する選択肢で交換される。右側の表示は、装置が接続されているときのTES装置の電池寿命も示す。各画面には、主作業フロー、お気に入り、履歴、及び情報を含むグローバルタブナビゲーションも示される。アプリのフィールドテストバージョンは、診断目的でセッションデータを自動的に共有する。フルリリースバージョンは、共有を選ぶか又は選ばない設定タブを有する。
【0173】
図11は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアによって行われる、モバイル計算装置に接続する装着可能に取り付けられた経頭蓋電気刺激装置を選択する為のモバイル計算装置ユーザインタフェース表示及び機能を示す。TES装置接続ステップの場合、モバイル計算装置は、無線接続範囲内のTES装置を検索し、検索中、スピナー(左画面)を表示する。中央の画面は、接続する装置を選択するユーザインタフェース構成要素を示す。リストは、範囲内に2つの以上のTES装置がある場合、選択肢を明らかにするように上にスライドする。モバイル計算装置が、TES装置と既にペアになっている(接続されている)場合、ソフトウェアは、次回、モバイル計算装置に、同じ製品と自動的に接続を試行させる。モバイル計算装置が、そのモバイル計算装置とまだペアになったことがない場合、ソフトウェアは、ユーザに範囲内のTES装置リストから、無線接続する装置を選択するように要求する(範囲内に2つ以上のTES装置がある場合)。中央の表示は、タップされると、それに応答して、どのTES装置がどれであるかを検証する一方法として、指定されたTES装置上の電力LEDを明滅させるテストボタンを示す。中央の表示は、タップされると、モバイル計算装置に指定されたTES装置への接続を試行させる接続ボタンを示す。右の表示は、後に参照する為に、接続されたTES装置に名前を付ける為のキーボードを含むユーザインタフェースを示す。
【0174】
図12は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアによって行われる、装着可能に取り付けられた経頭蓋電気刺激装置をモバイル計算装置に接続する際にエラーが生じたことを示すモバイル計算装置ユーザインタフェース表示及び機能を示す。一連の表示は、モバイル計算装置がTES装置への接続を試みていること、及び接続が失敗する場合には標準形態アラートを示し、それにより、ユーザはアプリに入力を提供して、再び接続を試みるか、又は接続試行を却下することができる、ユーザインタフェース構成要素を示す。
【0175】
図13は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアによって行われる、単独経頭蓋電気刺激セッションをセットアップし、実行し、セッションについてのフィードバックを提供するモバイル計算装置ユーザインタフェース表示及び機能を示す。表示の上の行では、左側の表示は、単独TESセッションを開始したいユーザによってタップされる「単独神経調節」ボタンを示す。上の行の中央の表示は、モバイル計算装置に接続されたTES装置からの異なる神経調節プロトコルによって影響を及ぼすことができる異なる認知状態を示し、ユーザが選択肢のうちの1つを選択する必要がある。上の行の右の表示は、ユーザが、TES装置によって誘導する、選択された形態の神経調節の持続時間及び強度を選択する為のユーザインタフェースボタンを示す。表示の下の行は、(左から右に)所望の形態の神経調節の為に電極を配置する際にユーザを支援するユーザインタフェース要素、TESセッション中にフィードバックをユーザに提供するユーザインタフェース要素、及びTESセッション完了後に遡及的フィードバックを提供するユーザインタフェース要素を示す。
【0176】
図14は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアによって行われる、経頭蓋電気刺激装置によって誘導する神経調節効果を選択するモバイル計算装置ユーザインタフェース表示及び機能を示す。示されるのは、ユーザが「エナジー」効果又は「リラックス&落ち着く」効果を選択できるようにするユーザインタフェース要素の2つの実施形態である。
【0177】
図15は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアによって行われる、経頭蓋電気刺激の強度及び持続時間を選択するモバイル計算装置ユーザインタフェース表示及び機能を示す。
【0178】
図16は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアによって行われる、経頭蓋電気刺激装置の電極の配置についてユーザに指示するモバイル計算装置ユーザインタフェース表示及び機能を示す。実施形態では、モバイル計算装置の正面カメラは、ユーザが見ることができない体の部分(例えば、額)への1つ又は複数のTES電極の位置決めについてのユーザフィードバックを提供する。拡張現実を使用して、電極の意図される位置を示すことができる。ユーザによって配置される実際の電極上の基準マーカをマシンビジョンプロトコルと併用して、電極を適切な位置にいかにシフトさせるかについてユーザに指示することができる。
【0179】
図17は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアによって行われる、神経調節セッション中に経頭蓋電気刺激プログラムを制御するモバイル計算装置ユーザインタフェース表示及び機能を示す。スライダにより、ユーザは、刺激の強度を変更できるようにする(追加のスライド又は他のユーザインタフェース構成要素を追加して、周波数、ランピング、又は他のパラメータの制御を提供することができる)。
【0180】
図18は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアによって行われる、経頭蓋電気刺激装置によってユーザに送達される効果を選択するモバイル計算装置ユーザインタフェース表示及び機能を示す。3つの例示的な効果は、興奮(刺激の強度及び/又は周波数を遷移的に調節)、フリッカー(眼内閃光を送信)、及びスパイク(刺激の強度を遷移的に増大)である。刺激の強度を遷移的に低減して、誘導される神経調節のより極端な主観的経験を提供する効果を含め、他の効果も可能である。
【0181】
図19は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアによって行われる、経頭蓋電気刺激セッション中にユーザがフィードバックを提供するモバイル計算装置ユーザインタフェース表示及び機能を示す。示されるのは、将来の分析の為に神経調節セッションの品質についてのフィードバックをユーザが提供する、タブを介してアクセスされる2つの画面である。一実施形態では、フィードバックは、TESセッション中の任意の時間に提供することができ、その刺激のタイムスタンプは、ソフトウェアによって保存することができる(及び任意選択的に、インターネットを介してリモートサーバに送信することができる)。
【0182】
図20は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアによって行われる、経頭蓋電気刺激セッションをユーザが停止する為のモバイル計算装置ユーザインタフェース表示及び機能を示す。
【0183】
図21は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアによって行われる、経頭蓋電気刺激セッションについての遡及的データを提供する為のモバイル計算装置ユーザインタフェース表示及び機能を示す。
【0184】
図22は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアによって行われる、ソーシャルメディアを介して経頭蓋電気刺激についての情報をユーザが共有する為のモバイル計算装置ユーザインタフェース表示及び機能を示す。神経調節セッションについての情報を共有することができるソーシャルメディアの例示的な形態としては、テキストメッセージ、フェイスブック(Facebook)、ツイッター(Twitter)、及びインスタグラム(Instagram)が挙げられるが、任意の形態の電子共有も適用可能である。ユーザは、情報を共有する為のネットワークを選択し、ソフトウェアは自動的に、メッセージを作成し、ユーザによるそのソーシャルメディアアカウントの信用情報の以前の入力に基づいて、対象者のソーシャルメディアストリームに送信させる。
【0185】
図23は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアによって行われる、経頭蓋電気刺激セッションの経験及び電極位置についてのフィードバックをユーザが遡及的に提供するモバイル計算装置ユーザインタフェース表示及び機能を示す。
【0186】
図24は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアによって行われる、経頭蓋電気刺激セッションの履歴リストを示すモバイル計算装置ユーザインタフェース表示及び機能を示す。左側の表示は、新近性によってソートされた履歴TESセッションを示す。中央の表示は、ユーザによって提供されるフィードバックスコアによってソートされる履歴TESセッションを示す。右側の画面に示されるようなユーザによる同時活動に関するメタデータの入力を含め、履歴データを検索し、フィルタリングし、ソートする為の他のデータタイプを使用することもできる。
【0187】
図25は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアによって行われる、前に経験した経頭蓋電気刺激セッションを選択肢、それをトリガーして繰り返すモバイル計算装置ユーザインタフェース表示及び機能を示す。
【0188】
図26は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアによって行われる、記述的情報及びエラー信号通知を提供するモバイル計算装置ユーザインタフェース表示及び機能を示す。
【0189】
図27は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアによって行われる、グループ経頭蓋電気刺激セッションをセットアップ(ホストとして)し、実行し、セッションについてのフィードバックを提供するモバイル計算装置ユーザインタフェース表示及び機能を示す。
【0190】
図28は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアによって行われる、グループ経頭蓋電気刺激セッションをセットアップ(参加者として)し、実行し、セッションについてのフィードバックを提供するモバイル計算装置ユーザインタフェース表示及び機能を示す。
【0191】
図29は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアによって行われる、参加者がグループ経頭蓋電気刺激セッションに加わるのを待つモバイル計算装置ユーザインタフェース表示及び機能を示す。
【0192】
図30は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアによって行われる、グループ経頭蓋電気刺激セッション内のユーザがグループセッションに加わる準備ができたことを示すモバイル計算装置ユーザインタフェース表示及び機能を示す。
【0193】
図31は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され、モバイル計算装置によって実行可能なソフトウェアによって行われる、グループ経頭蓋電気刺激セッションのホストが、グループ経頭蓋電気刺激セッションの参加者が装着した経頭蓋電気刺激装置に効果を送信するモバイル計算装置ユーザインタフェース表示及び機能を示す。
【0194】
本明細書で使用される場合、「経頭蓋神経調節システム」という用語は、エネルギーを経頭蓋的に送達して、神経回路の活動の励起、抑制、又は調整を行う装置、アセンブリ、又はシステムを指し得る。「ソーシャル神経調節セッション」及び「ソーシャル神経調節」という用語は、例えば、個々の神経調節が調整される(同期、複製等1つ又は複数の神経調節システムのペア、グループ、及びソーシャル適用を指す。
【0195】
「相互TES」という用語は、TES神経調節用の電気回路を閉じる為に、送信される電気刺激が2人以上の個人間に直接(即ち、物理的)又は間接的な導電接触を必要とするTESの形態を指し得る。「自己内蔵式」という用語は、システム又はアセンブリの全ての構成要素が単一の筐体又はエンクロージャ内に組み込まれるシステム又はアセンブリの特徴を指し得る。
【0196】
「自己給電式」という用語は、電力が、自己内蔵式システム内に組み込まれる1つ又は複数のエネルギー源から提供され、外部エネルギー源が電力を自己内蔵式システム又はアセンブリに提供しない自己内蔵式システム又はアセンブリの特徴を指し得る。「自己接着式」という用語は、自己内蔵式システム又はアセンブリの少なくとも1つの構成要素が、自己内蔵式システム又はアセンブリを頭部に接着させて、経頭蓋神経調節セッションを首尾良く送達させるように構成される、自己内蔵式システム又はアセンブリの特徴を指し得、「接着」は、「接着剤、吸引、把持、若しくは溶融により、又はまるで接着剤、吸引、把持、若しくは溶融によるかのように、しっかりと保持又は貼り付けられる」として、メリアムウェブスター(Merriam Webster)辞書と同様に定義される。「自己結合式」という用語は、自己内蔵式システム又はアセンブリの少なくとも1つの構成要素が、超音波トランスデューサとユーザの頭部との間に低音響インピーダンス接触を形成することにより、超音波エネルギーを頭部に結合するように構成される、自己内蔵式システム又はアセンブリの特徴を指し得る。
【0197】
「経頭蓋神経調節パック」という用語は、自己内蔵式、自己給電式、及び自己接着式からなる群から選択される1つ又は複数の属性を有する経頭蓋神経調節の装置(例えば、デバイス又はシステム)を指し得る。「経頭蓋超音波神経調節パック」は、自己内蔵式、自己給電式、自己接着式、及び自己結合式からなる群から選択される1つ又は複数の属性を有する経頭蓋超音波神経調節の装置を指し得る。「経頭蓋電気刺激パック」は、自己内蔵式、自己給電式、及び自己接着式からなる群から選択される1つ又は複数の属性を有する経頭蓋電気刺激の装置を指し得る。
【0198】
本明細書において、特徴又は要素が別の特徴又は要素「上」にあるものとして言及される場合、直接、別の特徴若しくは要素の上にあってもよく、又は介在する特徴及び/又は要素が存在してもよい。対照的に、特徴又は要素が別の特徴又は要素の「直接上」にあるものとして言及される場合、介在する特徴又は要素は存在しない。特徴又は要素が別の特徴又は要素に「接続」、「取り付け」、又は「結合」されるものとして言及される場合、別の特徴若しくは要素に直接接続、取り付け、若しくは結合してもよく、又は介在する特徴若しくは要素が存在してもよいことも理解されよう。対照的に、特徴又は要素が、別の特徴又は要素に「直接接続」、「直接取り付け」、又は「直接結合」されるものとして言及される場合、介在する特徴又は要素は存在しない。一実施形態に関して説明又は表示されるが、そのように説明又は表示される特徴及び要素は、他の実施形態に適用することも可能である。別の特徴に「隣接」して配置される構造体又は特徴への言及が、隣接する特徴に重なるか、又は隣接する特徴の下にある部分を有し得ることも当業者に理解されよう。
【0199】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明の限定を意図していない。例えば、本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈により明らかに別のことが示される場合を除き、複数形も同様に包含することが意図される。「備える」及び/又は「備えている」という用語が、本明細書で使用される場合、述べられた特徴、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそのグループの存在又は追加を除外しないことが更に理解されよう。本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連付けられ、列挙された項目のうちの1つ又は複数のありとあらゆる組み合わせを包含し、「/」と略し得る。
【0200】
「下」、「下の方」、「下方」、「上」、「上の方」等の空間相対的な用語は、図に示されるある要素又は特徴の、別の要素又は特徴との関係を記述する為に、説明を容易にする為に本明細書で使用され得る。空間相対的な用語が、図に示される向きに加えて、使用又は動作に際する装置の異なる向きの包含が意図されることが理解されよう。例えば、図中の装置が反転する場合、別の要素又は特徴の「下」又は「真下」として説明される要素は、その別の要素又は特徴の「上」を向く。したがって、例示的な用語「下」は、上及び下の両方の向きを包含することができる。装置は、別の向きであってもよく(90度回転又は他の向き)、本明細書で使用される空間相対的な記述子はそれに従って解釈し得る。同様に、「上向き」、「下向き」、「垂直」、「水平」等の用語も、本明細書では、特に別のことが示される場合を除き、説明のみを目的として使用されている。
【0201】
「第1」及び「第2」という用語は、本明細書では、様々な特徴/要素を記述する為に使用され得るが、これらの特徴/要素は、文脈により別のことが示される場合を除き、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある特徴/要素を別の特徴/要素から区別する為に使用し得る。したがって、本発明の教示から逸脱せずに、以下に考察される第1の特徴/要素は、第2の特徴/要素と呼ぶこともでき、同様に、以下に考察される第2の特徴/要素は、第1の特徴/要素と呼ぶこともできる。
【0202】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、例で使用されるものを含め、明示的に別のことが指定される場合を除き、全ての数は、「約」又は「大凡」という用語が明示的に見られない場合であっても、それらの用語が前置きされるかのように読まれ得る。語句「約」又は「大凡」は、記載される値及び/又は位置が値及び/又は位置の妥当な予期範囲内にあることを示す為に、大きさ及び/又は位置を記述する際に使用し得る。例えば、数値は、述べられた値(又は値の範囲)の+/−0.1%、述べられた値(又は値の範囲)の+/−1%、述べられた値(又は値の範囲)の+/−2%、述べられた値(又は値の範囲)の+/−5%、述べられた値(又は値の範囲)の+/−10%等である値を有し得る。本明細書に記載される任意の数値範囲は、そこに包含される全てのサブ範囲の包含を意図する。
【0203】
様々な例示的実施形態が上述されているが、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱せずに、任意の数の変更を様々な実施形態に対して行い得る。例えば、記載される様々な方法ステップが実行される順序は、多くの場合、代替の実施形態において変更可能であり、他の代替の実施形態では、1つ又は複数の方法ステップを全てスキップし得る。様々な装置及びシステムの実施形態の任意選択的な特徴は、幾つかの実施形態に包含され、他の実施形態には包含されなくてもよい。したがって、上記説明は主に例示を目的として提供され、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲に記載される。
【0204】
本明細書に含まれる例及び例示は、限定ではなく例示として、主題を実施し得る特定の実施形態を示す。上述したように、本開示の範囲から逸脱せずに構造的及び論理的置換及び変更を行い得るように、他の実施形態を利用し得、且つそこから導出し得る。本発明の主題のそのような実施形態は、実際に2つ以上が開示される場合、単に便宜上、本願の範囲を任意の単一の発明又は発明の概念に自発的に限定する意図なしで、本明細書では個々に、又はまとめて「発明」という用語で参照し得る。したがって、本明細書において特定の実施形態が示され説明されたが、同じ目的を達成するように計算された任意の構成で、示される特定の実施形態を置換し得る。本開示は、様々な実施形態のありとあらゆる適合又は変形の包含を意図する。本明細書に特に記載されていない上記実施形態の組み合わせ及び他の実施形態が、上記説明の検討により、当業者に明らかになろう。
(付記1)
調整神経調節を個人のグループに適用するように構成されるネットワーク可能経頭蓋神経調節システムであって、
経頭蓋神経調節を第1のアプリケータから適用するように構成される第1のコントローラに接続される第1の無線受信器及び送信器モジュールを備える、第1の経頭蓋神経調節装置と、
経頭蓋神経調節を第2のアプリケータから適用するように構成される第2のコントローラに接続される第2の無線受信器及び送信器モジュールを備える、第2の経頭蓋神経調節装置と、
制御情報を前記第1及び第2の経頭蓋神経調節装置に送信して、前記第1及び前記第2の経頭蓋神経調節装置による神経調節を調整するように構成される第三者コントローラと、
を備える、システム。
(付記2)
調整神経調節を個人のグループに適用するように構成されるネットワーク可能経頭蓋神経調節システムであって、
第1の個人の頭部に接着的に固定するように構成される第1の経頭蓋神経調節装置であって、第1の電源と、第1の無線受信器及び送信器モジュールと、経頭蓋神経調整を送達するように構成される第1のアプリケータと、前記第1の無線受信器及び送信器モジュールから指示を受信し、経頭蓋神経調節を前記第1のアプリケータから適用するように構成される第1のコントローラとを備える、第1の経頭蓋神経調節装置と、
第2の個人の頭部に接着的に固定するように構成される第2の経頭蓋神経調節装置であって、第2の電源と、第2の無線受信器及び送信器モジュールと、経頭蓋神経調整を送達するように構成される第2のアプリケータと、前記第2の無線受信器及び送信器モジュールから指示を受信し、経頭蓋神経調節を前記第2のアプリケータから適用するように構成される第2のコントローラとを備える、第2の経頭蓋神経調節装置と、
制御情報を前記第1及び第2の経頭蓋神経調節装置に送信して、前記第1及び前記第2の経頭蓋神経調節装置による神経調節を調整するように構成される第三者コントローラと、
を備える、システム。
(付記3)
前記第1及び第2の経頭蓋神経調節装置は、経頭蓋超音波神経調節装置として構成され、さらに、前記第1及び第2のアプリケータは超音波トランスデューサを備える、付記1又は2に記載のシステム。
(付記4)
前記第1及び第2の経頭蓋神経調節装置は、経頭蓋電気刺激(TES)装置として構成され、さらに、前記第1及び第2のアプリケータはそれぞれ電極対を備える、付記1又は2に記載のシステム。
(付記5)
前記第1及び第2の経頭蓋神経調節装置はそれぞれ、一意のアドレスを備え、さらに、前記第三者コントローラは、前記一意のアドレスを使用して制御情報を送信するように構成される、付記1又は2に記載のシステム。
(付記6)
前記第1の経頭蓋神経調節装置は第1のセキュリティモジュールを備え、前記第1のセキュリティモジュールは、前記第1のセキュリティモジュールが前記第三者コントローラから有効セキュリティ鍵を受信していない場合、前記第三者コントローラによる神経調節の制御を阻止するように構成され、さらに、前記第2の経頭蓋神経調節装置は第2のセキュリティモジュールを備え、前記第2のセキュリティモジュールは、前記第2のセキュリティモジュールが前記第三者コントローラから有効セキュリティ鍵を受信していない場合、前記第三者コントローラによる神経調節の制御を阻止するように構成される、付記1又は2に記載のシステム。
(付記7)
前記第1及び第2の経頭蓋神経調節装置の前記第1及び第2のコントローラはそれぞれ、前記第三者コントローラから制御情報を受信しない場合、自律的に動作するように構成される、付記1又は2に記載のシステム。
(付記8)
前記第三者コントローラは、前記第1及び第2の経頭蓋神経調節装置のそれぞれからステータス情報を受信するように構成される、付記1又は2に記載のシステム。
(付記9)
前記第三者コントローラは、経頭蓋神経調節装置が無線通信範囲内にあるか否かを判断するように構成される、付記1又は2に記載のシステム。
(付記10)
前記第三者コントローラは、経頭蓋神経調節を同時に適用するように前記第1及び第2の経頭蓋神経調節装置に指示することにより、前記第1及び第2の経頭蓋神経調節装置からの神経調節を調整するように構成される、付記1又は2に記載のシステム。
(付記11)
前記第三者コントローラは、同じ経頭蓋神経調節信号をそれぞれ適用するように前記第1及び第2の経頭蓋神経調節装置に指示することにより、前記第1及び第2の経頭蓋神経調節装置からの神経調節を調整するように構成される、付記1又は2に記載のシステム。
(付記12)
前記第三者コントローラは、同じ経頭蓋神経調節信号を同時に適用するように前記第1及び第2の経頭蓋神経調節装置に指示することにより、前記第1及び第2の経頭蓋神経調節装置からの神経調節を調整するように構成される、付記1又は2に記載のシステム。
(付記13)
前記第三者制御は、制御プロセッサによって実行可能な命令セットを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備え、前記命令セットは、前記制御プロセッサによって実行されると、前記制御プロセッサに、複数の経頭蓋神経調節装置と無線通信させる、付記1又は2に記載のシステム。
(付記14)
前記第三者制御システムは、スマートフォンによって実行可能な命令セットを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備える、付記1又は2に記載のシステム。
(付記15)
調整神経調節を、調整神経調節をそれぞれ受け取る個人グループの一個人に適用するように構成されるネットワーク可能経頭蓋神経調節装置であって、
経頭蓋神経調節を送達するように構成されるアプリケータと、
無線受信器及び送信器モジュールと、
自律動作モードと調整動作モードとの間で切り換えるように構成されるコントローラと、
を備え、
前記調整動作モードでは、前記コントローラは、前記無線受信器及び送信器モジュールを通して第三者コントローラから命令を受信し、前記受信した命令に基づいて経頭蓋神経調節を適用するように構成される、装置。
(付記16)
調整神経調節を、調整神経調節をそれぞれ受け取る個人グループの一個人に適用するように構成されるネットワーク可能経頭蓋神経調節装置であって、
筐体であって、少なくとも部分的に、
電源、
無線受信器及び送信器モジュール、及び
自律動作モードと調整動作モードとの間で切り換えるように構成されるコントローラ
を囲む筐体と、
アプリケータ表面であって、
前記装置を前記個人の頭部に固定するように構成される接着剤、及び
経頭蓋神経調節を送達するように構成されるアプリケータ
を備える、アプリケータ表面と、
を備え、
前記調整動作モードにおいて、前記コントローラは、前記無線受信器及び送信器モジュールを通して第三者コントローラから命令を受信し、前記受信した命令に基づいて経頭蓋神経調節を適用するように構成される、装置。
(付記17)
前記コントローラは、有効セキュリティ鍵が前記無線受信器及び送信器モジュールによって受信されたか否かを判断し、前記有効セキュリティ鍵が受信された場合のみ、前記調整動作モードへの切り替えを許可するように構成されるセキュリティモジュールを更に備える、付記15又は16に記載の装置。
(付記18)
前記装置に関連付けられた一意のアドレスを更に備え、前記コントローラは、前記受信した命令が前記装置に関連付けられた前記一意のアドレスを指定する場合のみ、前記調整動作モード中、前記受信した命令に基づいて経頭蓋神経調節を適用するように構成される、付記15又は16に記載の装置。
(付記19)
前記装置は、経頭蓋超音波神経調節装置として構成され、さらに、前記アプリケータは超音波トランスデューサを備える、付記15又は16に記載の装置。
(付記20)
前記装置は、経頭蓋電気刺激(TES)装置として構成され、さらに、前記アプリケータは電極対を備える、付記15又は16に記載の装置。
(付記21)
前記装置は、経頭蓋電気刺激及び経頭蓋超音波結合装置として構成される、付記15又は16に記載の装置。
(付記22)
前記装置は、前記第三者コントローラから命令を受信する準備ができている場合、準備完了ステータスインジケータを送信するように構成される、付記15又は16に記載の装置。
(付記23)
前記個人からの生理学的パラメータを検出するように構成されるセンサを更に備える、付記15又は16に記載の装置。
(付記24)
脳活動を検出するセンサを更に備える、付記15又は16に記載の装置。
(付記25)
複数の個人の神経調節を調整する方法であって、
第1の個人によって装着されている第1の経頭蓋神経調節装置から第1のステータスインジケータを受信することと、
第2の個人によって装着されている第2の経頭蓋神経調節装置から第2のステータスインジケータを受信することと、
調整経頭蓋神経調節を前記第1の個人及び前記第2の個人の両者に適用することと、
を含む、方法。
(付記26)
複数の個人の神経調節を調整する方法であって、
第1の個人によって装着されている第1の経頭蓋神経調節装置から無線送信される第1のステータスインジケータを受信することであって、前記第1の経頭蓋神経調節装置は自己内蔵式、自己給電式、且つ自己接着式装置である、受信することと、
第2の個人によって装着されている第2の経頭蓋神経調節装置から無線送信される第2のステータスインジケータを受信することであって、前記第2の経頭蓋神経調節装置は自己内蔵式、自己給電式、且つ自己接着式装置である、受信することと、
調整経頭蓋神経調節を前記第1の個人及び前記第2の個人の両者に適用することと、
を含む、方法。
(付記27)
調整経頭蓋神経調節を適用することは、前記第1の経頭蓋神経調節装置及び前記第2の経頭蓋神経調節装置の両方による神経調節を制御する制御情報を無線で送信することを含む、付記25又は26に記載の方法。
(付記28)
調整経頭蓋神経調節を適用することは、調整経頭蓋電気刺激(TES)を適用することを含む、付記25又は26に記載の方法。
(付記29)
調整経頭蓋神経調節を適用することは、調整経頭蓋超音波刺激を適用することを含む、付記25又は26に記載の方法。
(付記30)
調整経頭蓋神経調節を適用することは、前記第1のステータスインジケータにより、前記第1の個人が神経調節を受け取り可能な状態であることが示される後、且つ前記第2のステータスインジケータにより、前記第2の個人が神経調節を受け取り可能な状態であることが示される後、前記神経調節を適用することを含む、付記25又は26に記載の方法。
(付記31)
調整経頭蓋神経調節を適用することは、前記神経調節を前記第1の個人及び前記第2の個人の両者に同時に適用することを含む、付記25又は26に記載の方法。
(付記32)
調整経頭蓋神経調節を適用することは、同じ神経調節を前記第1の個人及び前記第2の個人の両者に適用することを含む、付記25又は26に記載の方法。
(付記33)
前記第1の経頭蓋神経調節装置及び前記第2の経頭蓋神経調節装置の両方とセキュア接続を確立することを更に含む、付記25又は26に記載の方法。
(付記34)
調整経頭蓋神経調節を適用することは、第1の一意のアドレスを有する前記第1の神経調節装置と、第2の一意の装置を有する前記第2の神経調節装置とをアドレス指定することを含む、付記25又は26に記載の方法。
(付記35)
前記第1及び第2のステータスインジケータは、第三者コントローラによって受信され、前記第三者コントローラは、制御信号を前記第1及び第2の経頭蓋神経調節装置に送信して、前記調整神経調節を適用する、付記25又は26に記載の方法。
(付記36)
ネットワーク可能経頭蓋神経調節装置であって、
経頭蓋神経調節を送達するように構成されるアプリケータと、
無線受信器及び送信器モジュールと、
前記アプリケータによる経頭蓋神経調節の適用を制御するように構成されるコントローラと、
前記無線受信器及び送信器モジュールによって有効セキュリティ鍵が受信されたか否かを判断するように構成されるセキュリティモジュールと、
を備え、
前記コントローラは、前記無線受信器及び送信器モジュールから命令を受信し、有効セキュリティ鍵が受信されたと前記セキュリティモジュールが判断した場合、前記受信した命令に基づいて、経頭蓋神経調節を適用するように更に構成される、装置。
(付記37)
調整神経調節を受け取る個人グループの一個人に調整神経調節を適用するように構成されるネットワーク可能経頭蓋神経調節装置であって、
筐体であって、少なくとも部分的に、
電源、
コントローラ、及び
無線受信器及び送信器モジュール
を囲む筐体と、
アプリケータ表面であって、
前記装置を前記個人の頭部に固定するように構成される接着剤、及び
前記コントローラに結合され、経頭蓋神経調節を送達するように構成されるアプリケータ
を備える、アプリケータ表面と、
有効セキュリティ鍵が前記無線受信器及び送信器モジュールによって受信されたが否かを判断するように構成されるセキュリティモジュールと、
を備え、
前記コントローラは、前記無線受信器及び送信器モジュールから受信器命令、有効セキュリティ鍵が受信されたと前記セキュリティモジュールが判断した場合、前記受信した命令に基づいて前記アプリケータから経頭蓋神経調節を適用するように構成される、装置。
(付記38)
前記装置に関連付けられた一意のアドレスを更に備え、前記コントローラは、前記受信した命令が、前記装置に関連付けられた前記一意のアドレスを指定する場合のみ、調整動作モード中、前記受信した命令に基づいて経頭蓋神経調節を適用するように構成される、付記36又は37に記載の装置。
(付記39)
前記装置は、経頭蓋超音波神経調節装置として構成され、さらに、前記アプリケータは超音波トランスデューサを備える、付記36又は37に記載の装置。
(付記40)
前記装置は、経頭蓋電気刺激(TES)装置として構成され、さらに、前記アプリケータは電極対を備える、付記36又は37に記載の装置。
(付記41)
前記装置は、経頭蓋電気刺激及び経頭蓋超音波結合装置として構成される、付記36又は37に記載の装置。
(付記42)
前記装置は、前記第三者コントローラから命令を受信する準備ができている場合、準備完了ステータスインジケータを送信するように構成される、付記36又は37に記載の装置。
(付記43)
前記個人からの生理学的パラメータを検出するように構成されるセンサを更に備える、付記36又は37に記載の装置。
(付記44)
脳活動を検出するセンサを更に備える、付記36又は37に記載の装置。
(付記45)
複数の個人の神経調節をセキュアに調整する方法であって、
第1の個人によって装着されている第1の経頭蓋神経調節装置と第1のセキュア接続を確立することと、
第2の個人によって装着されている第2の経頭蓋神経調節装置と第2のセキュア接続を確立することと、
調整経頭蓋神経調節を前記第1の個人及び前記第2の個人の両者に適用することと、
を含む、方法。
(付記46)
複数の個人の神経調節をセキュアに調整する方法であって、
第1の個人によって装着されている第1の経頭蓋神経調節装置と第1のセキュア接続を確立することであって、前記第1の経頭蓋神経調節装置は自己内蔵式、自己給電式、且つ自己接着式装置である、確立することと、
第2の個人によって装着されている第2の経頭蓋神経調節装置と第2のセキュア接続を確立することであって、前記第2の経頭蓋神経調節装置は自己内蔵式、自己給電式、且つ自己接着式装置である、確立することと、
調整経頭蓋神経調節を前記第1の個人及び前記第2の個人の両者に適用することと、
を含む、方法。
(付記47)
調整経頭蓋神経調節を適用することは、前記第1の経頭蓋神経調節装置及び前記第2の経頭蓋神経調節装置の両方による神経調節を制御する制御情報を無線で送信することを含む、付記45又は46に記載の方法。
(付記48)
調整経頭蓋神経調節を適用することは、調整経頭蓋電気刺激(TES)を適用することを含む、付記45又は46に記載の方法。
(付記49)
調整経頭蓋神経調節を適用することは、調整経頭蓋超音波刺激を適用することを含む、付記25又は26に記載の方法。
(付記50)
調整経頭蓋神経調節を適用する前に、前記第1の個人が神経調節を受け取る準備ができていることの確認を前記第1の経頭蓋神経調節装置から受信することと、前記第2の個人が神経調節を受け取る準備ができていることの確認を前記第2の経頭蓋神経調節装置から受信することとを更に含む、付記45又は46に記載の方法。
(付記51)
調整経頭蓋神経調節を適用することは、前記神経調節を前記第1の個人及び前記第2の個人の両者に同時に適用することを含む、付記45又は46に記載の方法。
(付記52)
調整経頭蓋神経調節を適用することは、同じ神経調節を前記第1の個人及び前記第2の個人の両者に適用することを含む、付記45又は46に記載の方法。
(付記53)
調整経頭蓋神経調節を適用することは、第1の一意のアドレスを有する前記第1の神経調節装置と、第2の一意の装置を有する前記第2の神経調節装置とをアドレス指定することを含む、付記45又は46に記載の方法。
(付記54)
前記第1及び第2の経頭蓋神経調節装置との前記セキュア接続は、第三者コントローラによって確立され、前記第三者コントローラは、制御信号を前記第1及び第2の経頭蓋神経調節装置に送信して、前記調整神経調節を適用する、付記45又は46に記載の方法。