(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
下記においては、添付の図面を参考にして、本発明の実施形態について、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は、種々の異なる形態で具現され得、ここで説明する実施形態に限定されない。そして、図面において、本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分は省略し、明細書全体にわたって類似した部分に対しては、類似した図面符号を付している。
また、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0017】
以下においては、
図1乃至
図4を参考にして、本発明の一実施形態に係る電力供給システムを説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る発電電力供給システム100のブロック図である。
本発明の一実施形態に係る電力供給システム100は、発電装置101、直流/交流コンバータ103、交流フィルタ105、交流/交流コンバータ107、系統109、充電制御部111、エネルギー貯蔵システム113、システム制御部115、負荷117及び直流/直流コンバータ121を含む。
【0018】
発電装置101は、電気エネルギーを生産する。発電装置101が太陽光発電装置である場合、発電装置101は、太陽電池アレイであってよい。太陽電池アレイは、複数の太陽電池モジュールを結合したものである。太陽電池モジュールは、複数の太陽電池セルを直列または並列に連結し、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換して所定の電圧と電流を発生させる装置である。従って、太陽電池アレイは、太陽エネルギーを吸収して電気エネルギーに変換する。また、発電システムが風力発電システムである場合、発電装置101は、風力エネルギーを電気エネルギーに変換するファンであってよい。ただし、先に記載したように、電力供給システム100は、発電装置101なしにエネルギー貯蔵システム113だけを通して電力を供給することができる。この場合、電力供給システム100は、発電装置101を含まなくてもよい。
【0019】
直流/交流コンバータ103は、直流電力を交流電力に変換する。発電装置101が供給した直流電力またはエネルギー貯蔵システム113が放電した直流電力の供給を受けて交流電力に変換する。
交流フィルタ105は、交流電力に変換された電力のノイズをフィルタリングする。実施形態によっては、交流フィルタ105を省略することができる。
【0020】
交流/交流コンバータ107は、交流電力を系統109または負荷117に供給できるようにノイズがフィルタリングされた交流電力の電圧の大きさを変換する。以後、交流/交流コンバータ107は、変換された電力を系統109または独立した負荷117に供給する。実施形態によっては、交流/交流コンバータ107を省略することができる。
【0021】
系統109とは、多くの発電所、変電所、送・配電線及び負荷が一体になって電力の発生及び利用がなされるシステムである。
【0022】
負荷117は、発電システムから電気エネルギーの供給を受けて電力を消費する。エネルギー貯蔵システム113は、発電装置101から電気エネルギーの供給を受けて充電し、系統109または負荷117の電力需給状況に応じて充電された電気エネルギーを放電する。具体的には、系統109または負荷117が低負荷である場合、エネルギー貯蔵システム113は、発電装置101から遊休電力の供給を受けて充電する。系統109または負荷117が過負荷である場合、エネルギー貯蔵システム113は、充電された電力を放電して系統109または負荷117に電力を供給する。系統109または負荷117の電力需給状況は、時間帯別に大きな差がある。従って、電力供給システム100が、発電装置101が供給する電力を系統109または負荷117の電力需給状況に対する考慮なしに一概に供給することは非効率的である。それゆえ、電力供給システム100は、エネルギー貯蔵システム113を用いて系統109または負荷117の電力需給状況に応じて供給電力の量を調節する。これを通して、電力供給システム100は、系統109または負荷117に効率よく電力を供給することができる。
【0023】
直流/直流コンバータ121は、エネルギー貯蔵システム113が供給するか、または供給を受ける直流電力の大きさを変換する。実施形態によっては、直流/直流コンバータ121を省略することができる。
【0024】
システム制御部115は、直流/交流コンバータ103及び交流/交流コンバータ107の動作を制御する。また、システム制御部115は、エネルギー貯蔵システム113の充電と放電を制御する充電制御部111を含むことができる。充電制御部111は、エネルギー貯蔵システム113の充電及び放電を制御する。系統109または負荷117が過負荷である場合、充電制御部111は、エネルギー貯蔵システム113が電力を供給して系統109または負荷117に電力を伝達するように制御する。系統109または負荷117が低負荷である場合、充電制御部111は、外部の電力供給源または発電装置101が電力を供給してエネルギー貯蔵システム113に伝達するように制御する。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態に係る小容量電力供給システムのブロック図である。
本発明の一実施形態に係る小容量電力供給システム200は、発電装置101、直流/交流コンバータ103、交流フィルタ105、交流/交流コンバータ107、系統109、充電制御部111、エネルギー貯蔵システム113、システム制御部115、第1直流/直流コンバータ119、負荷117及び第2直流/直流コンバータ121を含む。
【0026】
図1の本発明の一実施形態とほぼ同一であるが、本実施形態においては、第1直流/直流コンバータ119をさらに含んでいる。第1直流/直流コンバータ119は、発電装置101が発電する直流電力の電圧を変換する。小容量電力供給システム200は、発電装置101が生産する電力の電圧が小さい。従って、発電装置101が供給する電力を直流/交流コンバータ103に入力するためには、昇圧が必要である。第1直流/直流コンバータ119は、電圧を発電装置101が生産する電力の電圧を直流/交流コンバータ103に入力できる電圧の大きさまで昇圧する。
【0027】
図3は、本発明の一実施形態に係る発電装置を含む電力供給システムの動作フローチャートである。
発電装置101は、電気エネルギーを生成する(S101)。具体的には、例えば、発電装置101が太陽電池アレイである場合、発電装置101は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する。また、発電装置101がファンである場合、発電装置101は、風力エネルギーを電気エネルギーに変換する。
【0028】
充電制御部111は、系統109または負荷117に電力供給が必要であるか否かを判断する(S103)。系統109または負荷117に電力供給が必要であるか否かは、系統109または負荷117が過負荷であるか、それとも低負荷であるかを基準に判断することができる。
系統109または負荷117に電力供給が必要でなければ(S103のNO)、充電制御部111は、エネルギー貯蔵システム113を充電する(S105)。
【0029】
系統109または負荷117に電力供給が必要な場合(S103のYES)、充電制御部111は、エネルギー貯蔵システム113の放電が必要であるか否かを判断する(S107)。すなわち、充電制御部111は、発電装置101が供給する電気エネルギーだけで系統109または負荷117の電力需要を満たすことができず、エネルギー貯蔵システム113の放電が必要であるのかを判断する。また、充電制御部111は、エネルギー貯蔵システム113が放電する程に十分な電気エネルギーを貯蔵しているかを判断する。 エネルギー貯蔵システム113の放電が必要であれば(S107のYES)、充電制御部111は、エネルギー貯蔵システム113を放電する(S109)。
【0030】
直流/交流コンバータ103は、エネルギー貯蔵システム113が放電した電気エネルギーと発電装置101が生成した電気エネルギーを交流に変換する(S111)。このとき、電力供給システム100は、一つの直流/交流コンバータ103を利用してエネルギー貯蔵システム113が放電した電気エネルギーと発電装置101が生成した電気エネルギーの両方を直流から交流に変換する。各電気器具は、使用できる電力に限界がある。この限界は、瞬間的な限界と長時間使用した時の限界があるが、長時間用いても機器が損傷することがなく、無理をせず使用できる最大電力により定格電力が定められている。直流/交流コンバータ103の効率を最大化するためには、エネルギー貯蔵システム113と発電装置101は、直流/交流コンバータ103がこのような定格電力の70%〜90%程度を用いるように電力を供給しなければならない。
【0031】
交流フィルタ105は、交流に変換された電力のノイズをフィルタリングする(S113)。先に説明したように、実施形態によっては、ノイズフィルタリング動作を省略することができる。
【0032】
交流/交流コンバータ107は、フィルタリングされた交流電力の電圧の大きさを変換して電力を系統109または負荷117に供給する(S115)。先に説明したように、実施形態によっては、交流/交流コンバータ107の変換を省略することができる。
電力供給システム100は、変換された電力を系統109または負荷117に供給する(S117)。
【0033】
図4は、本発明の一実施形態に係る発電装置を含まない電力供給システムの動作フローチャートである。
【0034】
充電制御部111は、系統109または負荷117に電力供給が必要であるか否かを判断する(S151)。系統109または負荷117に電力供給が必要であるか否かは、系統109または負荷117が過負荷であるか、それとも低負荷であるかを基準に判断することができる。
【0035】
系統109または負荷117に電力供給が必要でなければ(S151のNO)、充電制御部111は、外部の電力供給源から供給された電力がエネルギー貯蔵システム113を充電するように制御する(S153)。
【0036】
系統109または負荷117に電力供給が必要な場合(S151のYES)、充電制御部111は、エネルギー貯蔵システム113の放電が必要であるか否かを判断する(S155)。すなわち、充電制御部111は、エネルギー貯蔵システム113が放電する程に十分な電気エネルギーを貯蔵しているかを判断する。
【0037】
エネルギー貯蔵システム113の放電が必要であれば(S155のYES)、充電制御部111は、エネルギー貯蔵システム113が放電するように制御する(S157)。
【0038】
直流/交流コンバータ103は、エネルギー貯蔵システム113が放電した電気エネルギーと発電装置101が生成した電気エネルギーを直流から交流に変換する(S159)。
【0039】
交流フィルタ105は、交流に変換された電力のノイズをフィルタリングする(S161)。先に説明したように、実施形態によっては、ノイズフィルタリング動作を省略することができる。
【0040】
交流/交流コンバータ107は、フィルタリングされた交流電力の電圧の大きさを変換して(S163)、変換された電力を系統109または負荷117に供給する(S165)。先に説明したように、実施形態によっては、交流/交流コンバータ107のコンバーティングを省略することができる。
【0041】
電力供給システム100において、直流/交流コンバータ103、交流フィルタ105及び交流/交流コンバータ107のように発電装置101が生産した電力を負荷117または系統109に供給する役割をする装置をまとめて電力変換システム(Power Conversion System、PCS)という。このような電力変換システムは、電力供給システム100で生成された電力を変換して供給するシステムの中核的な役割を果たす。また、電力変換システムは、一定の寿命を有するので、管理者は、電力変換システムを適切な時期に取り替えなければならない。ただ、電力供給システム100は一般的な住居地や遠隔地から遠く離れた地域に位置する場合が多く、迅速に電力変換システムの問題に対処できないという問題がある。従って、電力供給システム100は、電力変換システムの異常に備えて複数の電力変換システムを含む必要がある。また、電力変換システムは、定格容量によって最大電力変換効率を発揮する電力変換の大きさが異なる。従って、電力供給システム100は、電力変換の大きさによって複数の電力変換システムを選択的に稼働させれば、電力変換効率を最大化することができる。ただし、この場合、電力供給システム100は、複数の電力変換システムに効率よく制御命令を伝送する必要がある。
【0042】
これについて、下記の図面を通して説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る電力供給システムが含む電力変換システムの二重化ブロック図を示す。
【0043】
図1乃至
図2の実施形態において、電力供給システム100は、一つの電力変換システムを含む。先に説明したように、電力供給システム100は、安定性と電力変換効率のために複数の電力変換システムを含むことができる。
【0044】
図5の実施形態において、電力供給システム100は、発電装置101、充電制御部111、エネルギー貯蔵システム113、第1電力変換システム151、第2電力変換システム153及びシステム制御部115を含む。
このとき、発電装置101、充電制御部111及びエネルギー貯蔵システム113の動作は、
図1と
図2の実施形態により説明したとおりであってよい。また、先に説明したように、電力供給システム100が発電装置101と独立して存在する場合には、発電装置101を省略することができる。
【0045】
第1電力変換システム151と第2電力変換システム153のそれぞれは、発電装置101が生成した電力またはエネルギー貯蔵システム113が放電する電力を変換して、負荷117または系統109に供給する。このとき、第1電力変換システム151と第2電力変換システム153のそれぞれは、先に説明した直流/交流コンバータ103、交流フィルタ105及び交流/交流コンバータ107の少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0046】
システム制御部115は、電力供給システム100が含む構成の動作を制御する。システム制御部115は、制御命令を伝送して電力供給システム100が含む構成の動作を制御することができる。例えば、システム制御部115は、制御命令を伝送して複数の電力変換システムを制御することができる。具体的に、システム制御部115は、制御命令を伝送して複数の電力変換システムの状態を確認することができる。電力変換システムの状態は、電力変換システムの内部の温度、電力変換システムの外部の温度、電力変換システムの総稼働時間、電力変換システムの総稼働回数、電力変換システムの定格容量及び電力変換システムの異常発生の有無を示すフォールト信号発生の有無の少なくともいずれか一つを含むことができる。また、システム制御部115は、制御命令を伝送して複数の電力変換システムの稼働を設定することができる。具体的には、システム制御部115は、制御命令を伝送して電力変換システムが含む直流/交流コンバータ設定値及び充電開始時の出力電力の上昇傾きの少なくともいずれか一つを設定することができる。また、具体的な実施形態において、システム制御部115は、分散ネットワークプロトコル(Distributed Network Protocol、DNP)に基づいて制御命令を複数の電力変換システムに伝送することができる。
【0047】
また、システム制御部115は、IP(Internet Protocol)に基づくパケット形態で複数の電力変換システムに制御命令を伝送することができる。例えば、システム制御部115は、DNPに基づいてIPパケット形態で制御命令を複数の電力変換システムに伝送することができる。
【0048】
本発明の一実施形態に係る複数の電力変換システムを含む電力供給システムの具体的な動作については、
図6を通して説明する。
【0049】
図6は、本発明の一実施形態に係る電力供給システムの電力変換システムの動作フローチャートである。
システム制御部115は、電力変換システムに対する制御命令を生成する(S201)。具体的には、システム制御部115は、電力変換システムの状態確認のための制御命令を生成することができる。このとき、電力変換システムの状態は、電力変換システムの内部の温度、電力変換システムの外部の温度、電力変換システムの総稼働時間、電力変換システムの総稼働回数、電力変換システムの定格容量及び電力変換システムの異常発生の有無を示すフォールト信号発生の有無の少なくともいずれか一つを含むことができる。また、システム制御部115は、電力変換システムの稼働を設定する制御命令を生成することができる。このとき、電力変換システムの稼働を設定する制御命令は、電力変換システムが含む直流/交流コンバータ設定値及び充電開始時の出力電力の上昇傾きの少なくともいずれか一つを設定することができる。
【0050】
システム制御部115は、電力変換システムに対する制御命令を伝送する(S203)。本発明の実施形態において、システム制御部115は、複数の電力変換システムに対する制御命令を順次伝送することができる。具体的には、システム制御部115は、伝送制御プロトコル(Transmission Control Protocol、TCP)に基づいて複数の電力変換システムに制御命令を順次に伝送することができる。より具体的には、システム制御部115は、DNPに基づくTCPを用いることができる。例えば、システム制御部115は、DNPに基づいて制御命令をTCPによるIPパケットで複数の電力変換システムに伝送することができる。
【0051】
電力変換システムは、制御命令を受信する(S205)。例えば、電力変換システムは、システム制御部115から制御命令を受信することができる。具体的な実施形態において、電力変換システムは、システム制御部115からTCPに基づいて制御命令を受信することができる。例えば、電力変換システムは、システム制御部115からTCPに基づいてIPパケットを受信し、IPパケットから制御命令を抽出することができる。
【0052】
電力変換システムは、制御命令に基づいて動作する(S207)。具体的には、制御命令が電力変換システムの状態を確認するための命令である場合、電力変換システムは、電力変換システムの状態をシステム制御部115に伝送することができる。より具体的には、電力変換システムは、電力変換システムの状態を確認し、電力変換システムの状態をシステム制御部115に伝送することができる。このとき、電力変換システムの状態は、先に説明したように、電力変換システムの内部の温度、電力変換システムの外部の温度、電力変換システムの総稼働時間、電力変換システムの総稼働回数、電力変換システムの定格容量及び電力変換システムの異常発生の有無を示すフォールト信号発生の有無の少なくともいずれか一つを含むことができる。また、電力変換システムは、制御命令によって電力変換システムの稼働を設定することができる。このとき、電力変換システムの稼働を設定する制御命令は、電力変換システムが含む直流/交流コンバータ103の設定値及び充電開始時の出力電力の上昇傾きの少なくともいずれか一つを設定することができる。例えば、電力変換システムは、制御命令によって直流/交流コンバータ103を設定することができる。
【0053】
先に説明したように、システム制御部115が電力変換システムに対する制御命令を順次に複数の電力変換システムに伝送する場合、複数の電力変換システムは、同時に制御命令を受信することができない。従って、複数の電力変換システムは、制御命令に対する動作をそれぞれ異なる時点から開始する。このような場合、電力変換システムの動作によって電力変換システムの故障を生じさせる循環電流が発生し得る。また、電力変換システム動作の効率を低下させ得る。これを防止できる制御命令伝送方法が必要である。これについては、下記の図面を通して説明する。
【0054】
図7は、本発明の他の実施形態に係る複数の電力変換システムを含む電力供給システムの動作フローチャートである。
【0055】
システム制御部115は、電力変換システムに対する制御命令を生成する(S301)。具体的には、先に説明したように、システム制御部115は、電力変換システムの状態確認のための制御命令を生成することができる。このとき、電力変換システムの状態は、電力変換システムの内部の温度、電力変換システムの外部の温度、電力変換システムの総稼働時間、電力変換システムの総稼働回数、電力変換システムの定格容量及び電力変換システムの異常発生の有無を示すフォールト信号発生の有無の少なくともいずれか一つを含むことができる。また、システム制御部115は、電力変換システムの稼働を設定する制御命令を生成することができる。このとき、電力変換システムの稼働を設定する制御命令は、電力変換システムが含む直流/交流コンバータ設定値及び充電開始時の出力電力の上昇傾きの少なくともいずれか一つを設定することができる。
【0056】
システム制御部115は、制御命令の属性を判断する(S303)。これについては、
図8を通して説明する。
図8は、本発明の他の実施形態に係る制御命令の分類を示す。
システム制御部115は、制御命令が電力変換システムの動作設定のための第1制御命令であるか、または制御命令が電力変換システムの状態確認のための第2制御命令であるかを確認することができる。第1制御命令は、電力変換システムが含む直流/交流コンバータ設定値及び充電開始時の出力電力の上昇傾きの少なくともいずれか一つを設定するためのものであってよい。また、第2制御命令は、先に説明したように、電力変換システムの内部の温度、電力変換システムの外部の温度、電力変換システムの総稼働時間、電力変換システムの総稼働回数、電力変換システムの定格容量及び電力変換システムの異常発生の有無を示すフォールト信号発生の有無の少なくともいずれか一つを確認するためのものであってよい。再び
図7に戻り、電力供給システム100の動作を説明する。
【0057】
システム制御部115は、制御命令の属性に基づいて電力変換システムに対する制御命令を伝送する(S305)。本発明の実施形態において、システム制御部115は、制御命令の属性に基づいて複数の電力変換システムに制御命令を同時に伝送することができる。具体的には、制御命令が電力変換システムの稼働を設定する第1制御命令に該当する場合、システム制御部115は、複数の電力変換システムに制御命令を同時に伝送することができる。より具体的には、制御命令が電力変換システムの稼働を設定する第1制御命令に該当する場合、システム制御部115は、複数の電力変換システムに制御命令を使用者データグラムプロトコル(User Datagram Protocol、UDP)を利用してマルチキャスト(multicast)で伝送することができる。これは、先に説明したように、複数の電力変換システムが順次に動作する場合、電力供給システム100の異常が発生し得るためである。制御命令が電力変換状態の確認のための第2制御命令に該当する場合、システム制御部115は、複数の電力変換システムに制御命令を順次に伝送することができる。具体的には、制御命令が電力変換状態の確認のための第2制御命令に該当する場合、システム制御部115は、複数の電力変換システムに制御命令をTCPを利用してユニキャスト(unicast)で伝送することができる。電力変換システムの状態確認は、複数の電力変換システムで同時になされなくても電力供給システム100の異常動作を起こさないためである。また、先に説明したように、システム制御部115の制御命令は、DNPに基づくものであってよい。
【0058】
電力変換システムは、制御命令を受信する(S307)。具体的には、電力変換システムは、システム制御部115から制御命令を受信することができる。本実施形態において、電力変換システムは、システム制御部115からUDPに基づいて第1制御命令を受信することができる。また他の実施形態において、電力変換システムは、システム制御部115からTCPに基づいて第2制御命令を受信することができる。例えば、電力変換システムは、システム制御部115からTCPに基づいてIPパケットを受信し、IPパケットから第2制御命令を抽出することができる。
好ましくは、第1制御命令と第2制御命令は、それぞれ電力変換システムに送信される場合、優先的に第1制御命令が送信され、第2制御命令は、前記第1制御命令の次に送信され得る。即ち、第1制御命令と第2制御命令は、システム制御部115において、伝送制御プロトコルに基づいて制御命令配置順序により第1制御命令を先頭に配置し、第2制御命令を第1制御命令の次に配置することができる。
従って、第1制御命令は、第2制御命令に比べて優先して電力変換システムに送信され得る。
【0059】
電力変換システムは、制御命令に基づいて動作する(S309)。具体的には、制御命令が第1制御命令である場合、電力変換システムは、制御命令によって電力変換システムの稼働を設定することができる。このとき、電力変換システムの稼働を設定する制御命令は、電力変換システムが含む直流/交流コンバータ103の設定値及び充電開始時の出力電力の上昇傾きの少なくともいずれか一つを設定することができる。例えば、電力変換システムは、制御命令によって直流/交流コンバータ103を設定することができる。また、制御命令が第2制御命令である場合、電力変換システムは、電力変換システムの状態をシステム制御部115に伝送することができる。具体的には、電力変換システムは、電力変換システムの状態を確認し、電力変換システムの状態をシステム制御部115に伝送することができる。このとき、電力変換システムの状態は、先に説明したように、電力変換システムの内部の温度、電力変換システムの外部の温度、電力変換システムの総稼働時間、電力変換システムの総稼働回数、電力変換システムの定格容量及び電力変換システムの異常発生の有無を示すフォールト信号発生の有無の少なくともいずれか一つを含むことができる。
このような動作を通して、複数の電力変換システムがシステム制御部115の制御命令によって同時に動作することができる。従って、電力供給システムの効率を高め、異常動作の発生を防止することができる。
【0060】
また他の実施形態において、システム制御部115は、制御命令が実行される時間を挿入して制御命令を生成することができる。このような場合、電力変換システムは、制御命令から制御命令が実行される時間を抽出し、該当時間に制御命令を行うことができる。これを通して、複数の電力変換システムは同時に動作できる。ただし、このような実施形態の場合、制御命令のデータ大きさが増え、制御命令の実行速度が低下し得る問題がある。ただし、システム制御部115は、既存の制御命令伝送プロトコルをそのまま用いることができる長所がある。
【0061】
また他の実施形態において、システム制御部115は、電力変換システムから第2制御命令の応答で電力変換システムの状態を受信し、状態に対応して電力変換システムの異常を知らせることができる。
より具体的には、システム制御部115は、電力変換システムの内部の温度、電力変換システムの外部の温度、電力変換システムの総稼働時間、電力変換システムの総稼働回数、電力変換システムの定格容量及び電力変換システムの異常発生の有無を示すフォールト信号発生の有無の少なくともいずれか一つを受信する。
以後、システム制御部115は、電力変換システムの状態に対する情報の種類によって予め設定された基準値を選別し、選別された基準値と受信された電力変換システムの状態を比較する。
システム制御部115は、比較の結果、電力変換システムに異常が発生したと判断すると、電力変換システムの管理者または管理端末に異常発生を知らせる異常信号を送信することができる。
【0062】
以上の実施形態において説明された特徴、構造、効果等は、本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれているが、必ずしも一つの実施形態にのみ限定されるものではない。さらには、各実施形態において例示された特徴、構造、効果等は、実施形態の属する分野における通常の知識を有する者によって他の実施形態に対しても組み合わせまたは変形されて実施可能である。従って、このような組み合わせと変形に関する内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【0063】
以上において、実施形態を中心に説明したが、これは単に例示であるだけで、本発明を限定するものではなく、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、本実施形態の本質的な特性を外れない範囲で例示されていない種々の変形と応用が可能であることが分かるだろう。例えば、実施形態に具体的に示された各構成要素は、変形して実施できるものである。そして、このような変形と応用に関する相違点は、添付の請求の範囲において規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。