(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記供給部は、載置状態の前記被圧着シートと前記供給ローラとが当接するように、前記供給ローラ側および前記被圧着シート側の少なくとも一方側から付勢する付勢手段を有する
請求項1〜4の何れか1項に記載のラミネータ。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
実施形態の一態様に係るラミネータは、ラミネートフィルムと被ラミネート体とが重ねられた被圧着シートを圧着して一体状のラミネートシートにする本体部と、前記被圧着シートを前記本体部に供給する供給部とを備え、前記供給部は、1枚以上の前記被圧着シートを載置する載置台と、前記載置台に載置されている前記被圧着シートに当接する状態で回転する供給ローラとを備える。
実施形態の別態様に係るラミネータにおいて、前記供給部は、載置状態の前記被圧着シートと前記供給ローラとが当接するように、前記供給ローラ側および前記被圧着シート側の少なくとも一方側から付勢する付勢手段を有する。これにより被圧着シートを供給できる。
実施形態の別態様に係るラミネータにおいて、排出部をさらに備え、前記排出部は、前記本体部から前記供給部側と反対側に送り出された前記ラミネートシートを送り出し方向の下流へと排出する排出ローラを有する。これにより、ラミネートシートを排出できる。
実施形態の別態様に係るラミネータにおいて、本体部は圧着ローラを有し、前記圧着ローラの回転は前記供給ローラの回転より速く、前記圧着ローラのトルクは前記供給ローラのトルクよりも大きい。これにより、被圧着シートが圧着ローラにより搬送される。
実施形態の別態様に係るラミネータにおいて、前記供給部は、供給した被圧着シート同士が干渉しないように、前記被圧着シートを供給する。これにより、被圧着シート同士の干渉を防ぐことができる。
実施形態の別態様に係るラミネータにおいて、前記供給部により供給された前記被圧着シートが前記圧着ローラの上流側で検出する上流側センサと、前記圧着ローラと前記供給ローラとの回転駆動を制御する制御部とをさらに備え、前記制御部は、前記上流側センサが前記被圧着シートを検出してから所定時間経過すると、前記供給ローラの回転駆動を停止させる。これにより、省エネルギ化を図ることができる。
実施形態の別態様に係るラミネータにおいて、前記加熱ローラから送り出される前記ラミネートシートを検出する下流側センサと、前記制御部は、前記下流側センサが前記ラミネートシートの下流端の通過を検出した後、前記供給ローラの回転駆動を開始する。これにより、効率よく被圧着シートを供給できる。
実施形態の別態様に係るラミネータにおいて、前記本体部に供給された前記被圧着シートの枚数をカウントするカウンタと、前記本体部のクリーニングが必要であることを報知する報知手段とをさらに備え、前記制御部は、前記カウンタのカウント数が閾値となると、前記報知手段に報知させる。これにより、使用者がクリーニングのタイミングであることを把握できる。
実施形態の別態様に係るラミネータにおいて、前記供給部により供給された供給シートがクリーニング用シートである場合、前記制御部は前記クリーニング用シートを前記本体部内を1又は複数回往復移動させる。これにより、本体部をきれいにクリーニングできる。
実施形態の別態様に係るラミネータにおいて、前記供給シートがクリーニング用シートである場合に、前記制御部は前記報知部に報知を終了させる。これにより、使用者がクリーニングの終了を把握できる。
実施形態の一態様に係る被圧着シートは、上記記載のラミネータに使用される被圧着シートであって、ラミネートフィルムは2枚のフィルム部の一端同士が接続され、被ラミネート体は前記2枚のフィルム部の間に配されている。これにより、被ラミネート体を容易にラミネートできる。
実施形態の一態様に係る配置方法は、上記記載の被圧着シートにおける被ラミネート体を2枚のフィルム部間に配するための配置方法であって、前記被ラミネート体を補助シート上に載置し、前記被ラミネート体を載置する前記補助シートを前記2枚のフィルム間に配し、前記被ラミネート体を残して前記補助シートを抜き取る。これにより、ラミネート体を容易にフィルム間に配置できる。
実施形態の一態様に係る補助シートは、上記記載の配置方法に使用される補助シートであって、当該補助シートの抜取方向と反対側端部に、前記抜取方向と反対向きに開放する切欠きを有する。これにより、補助シートを容易に抜き取りできる。
実施形態の一態様に係るラミネートフィルムセットは、上記記載の被圧着シートに使用されるラミネートフィルムと、上記記載の配置方法に使用される補助シートとを備える。これにより、容易に補助シートが得られる。
【0009】
<第1の実施形態>
1.全体構成
本実施形態に係るラミネータ1の概要について
図1及び
図2を用いて説明する。
ラミネータ1は少なくとも本体部2と供給部3とを備える。
本体部2は被圧着シート8を圧着してラミネートシート9とする。供給部3は被圧着シート8を本体部2に供給する。ラミネータ1は本体部2からラミネートシート9を排出するための排出部4を備える。
ラミネータ1は本体部2と供給部3との動作を制御する制御部5を備える。制御部5は所定の条件で本体部2や供給部3を稼働させる。なお、ラミネータ1として排出部4を備える場合は、制御部5は排出部4の動作を制御する。
【0010】
ラミネータ1は商用電源から各部に電力を供給する電源部(図示省略)を備える。ラミネータ1は、電源スイッチ、開始スイッチ61、報知手段63を備えてもよい。電源スイッチは装置への電力供給用である。開始スイッチ61はラミネート動作を開始させるためのものである。報知手段63は、使用者に対して何らかの情報を報知するためのものであり、本実施形態では本体部2のクリーニングが必要になると報知する。
供給部3から被圧着シート8が本体部2に供給され、供給された被圧着シート8が本体部2で圧着され、圧着されたラミネートシート9が排出部4で排出される経路を搬送路という。なお、被圧着シート8やラミネートシート9が搬送されて行く側を下流側とし、反対側を上流側とする。
【0011】
ここでの被圧着シート8は、
図4に示すように、ラミネートの対象物である被ラミネート体82と、被ラミネート体82を厚み方向から挟むラミネートフィルム81とから構成される。
ラミネートフィルム81の対向面には熱接着剤が塗布されている。つまり、本体部2は被圧着シート8を加熱圧着してラミネートする。
なお、本体部2に供給される供給シートとして、少なくとも被圧着シートとクリーニングシートとがある。
以下、各部について説明する。
【0012】
2.各部構成
(1)本体部
主に
図1を用いて説明する。
本体部2は、供給された被圧着シート8を直接的又は/及び間接的に加熱する加熱手段と、加熱された被圧着シート8を加圧する加圧手段とをハウジング20内に備える。ここでは、加熱手段の一例として加圧手段を加熱するヒータ21を利用でき、加圧手段の一例としてローラ22を利用できる。
ローラ22は例えばニップローラにより構成されている。なお、ローラ22は加圧により加熱した被圧着シート8を圧着させる機能を有することから圧着ローラ22とする。なお、ヒータ21と圧着ローラ22は、近接して配され、カバー27により覆われている。
【0013】
本体部2は、ハウジング20内における圧着ローラ22の下流側に加圧ローラ23を備える。加圧ローラ23の一例としてニップローラを利用できる。加圧ローラ23は加熱圧着後のラミネートシート9が反るのを防止する機能を有する。また、加圧ローラ23はラミネートシート9を冷却する冷却機能を有する。
本体部2は、圧着ローラ22及び加圧ローラ23を同方向に回転駆動させる駆動機構を備える。ここでの駆動機構は、駆動モータ71(
図2参照)と、駆動モータ71の駆動を圧着ローラ22や加圧ローラ23に伝達する伝達手段とを備える。駆動モータ71を他の駆動モータ(63)と区別するために本体側駆動モータ71とする。
伝達手段としては、例えば、ギア、ベルト等を利用できる。駆動モータ71は制御部5により制御される。ここで、被圧着シート8を圧着する際の圧着ローラ22の回転を正回転とし、正回転の回転方向と逆方向の回転を逆回転とする。なお、圧着ローラ22や加圧ローラ23の正回転は、被圧着シート8やラミネートシート9を搬送路の上流から下流へと搬送させる方向でもある。
【0014】
本体部2は供給された被圧着シート8を圧着ローラ22に案内する上ガイド24を備える。上ガイド24の一例として一対の板状部間に搬送路を有するガイド板を利用できる。
本体部2は加熱圧着されたラミネートシート9を加圧ローラ23に案内する中ガイド25を備える。中ガイド25の一例として一対の板状部間に搬送路を有するガイド板を利用できる。
本体部2は加圧ローラ23で加圧されたラミネートシート9をハウジング20の外部へと案内する下ガイド26を備える。下ガイド26の一例として一対の板状部間に搬送路を有するガイド板を利用できる。
【0015】
ラミネータ1は、供給された被圧着シート8を圧着ローラ22の上流側で検出する上流側センサ75をハウジング20の内部又は外部(ここでは内部である。)に備える。なお、上流側センサ75の信号は制御部5へと出力される(
図2参照)。
ラミネータ1は、加圧ローラ23から送り出されたラミネートシート9を検出する下流側センサ76を本体部2の内部又は外部(ここでは内部である。)に備える。なお、下流側センサ76の信号は制御部5へと出力される(
図2参照)。
上流側センサ75及び下流側センサ76は例えば透過タイプであり、被圧着シート8の有無、供給シートの種類等により受光量が異なる。
【0016】
(2)供給部
供給部3は少なくとも載置台31と供給手段とを備える。載置台31は1枚以上の供給シートを載置する。供給シートとしては、被圧着シート8やクリーニングシート等があり、以下、被圧着シート8等とする。供給手段は載置台31に載置されている被圧着シート8等を本体部2に供給する。供給手段の一例としてローラ32を利用できる。他のローラと名称で区別できるように、ローラ32を供給ローラ32とする。供給ローラ32は被圧着シート8等に当接する状態で回転可能に設けられている。
【0017】
載置台31は載置ユニット33を構成する。ここでの載置ユニット33は、載置台31の他、側方ガイド34を備える。
載置台31は、1枚又は複数枚の被圧着シート8等を下方から支持する支持板により構成されている。側方ガイド34は、載置台31上の1枚又は複数枚の被圧着シート8等における供給方向と平行な側面(1枚の場合側辺となる。)を当接する。これにより、例えば被圧着シート8等をまっすぐの状態で本体部2側に案内できる。
側方ガイド34は被圧着シート8等の両側面と当接する一対の当接面を有する。当接面は、例えば、供給方向と平行な方向に延伸し且つ載置面に対して直交する板材により構成される。ここでの側方ガイド34は、当接面を内側に有する一対の板材を供給方向と被圧着シート8等の主面とに直交する方向にスライド自在に備える。これによりサイズが異なる被圧着シート8等にも適用できる。
【0018】
供給部3は供給ローラ32を載置台31上の被圧着シート8等に当接させる当接機構を有してもよい。これにより、被圧着シート8を確実に本体部2に供給できる。当接機構の一例としては、載置状態の被圧着シート8等と供給ローラ32とが当接するように、供給ローラ32側または被圧着シート8等側の少なくとも一方側から付勢する付勢手段を利用できる。ここでの付勢手段35は供給ローラ32側から被圧着シート8等側へと付勢している。なお、付勢手段35として、例えば、ばね、錘等を利用できる。
【0019】
ラミネータ1は供給部3にセンサ77を備える。なお、センサ77を他のセンサと名称上区別するために載置センサ77とする。
載置センサ77は供給ローラ32の上流側に設けられている。載置センサ77は載置台31に被圧着シート8等が載置されているか否かを検出する。載置センサ77の信号は制御部5へと出力される(
図2参照)。載置センサ77は例えば透過タイプであり、被圧着シート8等の有無、供給シートの種類等により受光量が異なる。
供給部3は供給ローラ32を回転駆動させる駆動機構(図示省略)を備える。駆動機構は、本体部2側の駆動機構とは別であり、名称上区別できるように供給側駆動機構とする。ここでは、供給側駆動機構は、駆動モータ72(
図2参照)と、駆動モータ72の駆動を供給ローラ32に伝達する伝達手段とを備える。駆動モータ72を、本体側駆動モータ71と区別するため、供給側駆動モータ72とする。なお、伝達手段としては、例えば、ギア、ベルト等を利用できる。また、供給側駆動モータ72は制御部5により制御される。
【0020】
供給ローラ32は回転駆動されていない状態ではフリーな状態となる。つまり、供給ローラ32の回転駆動の停止は、供給ローラ32を回転させるための駆動を停止することであり、駆動停止状態の供給ローラ32は、回転可能であり、所謂従動ローラとなる。
供給ローラ32の回転は圧着ローラ22の回転よりも遅く設定されている。供給ローラ32のトルクは圧着ローラ22のトルクよりも小さく設定されている。これにより、被圧着シート8等が圧着ローラ22で搬送されるようになると、供給ローラ32をフリーな状態にしても、被圧着シート8等は本体部2へと供給される。
【0021】
供給部3は、本体部2に対して、着脱自在に取り付けられてもよいし、折り畳み自在(開閉自在)に取り付けられてもよい。これにより、装置全体を小型化できる。
供給部3は、本体部2において被圧着シート8等が詰まった場合に、本体部2から被圧着シート8等を取り除くジャム除去機構を有している。
ジャム除去機構は、圧着ローラ22、加圧ローラ23を逆回転させた際に、被圧着シート8等の搬送路と異なる別の搬送路を有する。供給部3は、例えば、供給ローラ32から圧着ローラ22までの搬送路を下流側に進むにしたがって上方に膨出する膨出部分37と、膨出部分37の下流側に逆方向に搬送される被圧着シート8等を取り出す取出口38とを備える。なお、膨出部分37の搬送面は傾斜面となっている。圧着ローラ22や加圧ローラ23が逆回転すると、被圧着シート8、ラミネートシート9、クリーニングシート等は膨出部分37の下側を通り、取出口38から取り出される。逆回転時の被圧着シート8、ラミネートシート9、クリーニングシート等が搬送される前記経路が上記の別の搬送路となる。
【0022】
(3)排出部
排出部4は少なくとも排出手段を備える。排出手段は本体部2から送出されるラミネートシート9やクリーニングシート(ラミネートシート9等とする。)をより下流側に搬送する。排出手段の一例としてローラ41が利用される。ローラ41は、他のローラと名称で区別できるように排出ローラ41とする。排出ローラ41はラミネートシート9等に当接する状態で回転可能に設けられている。なお、排出ローラ41はラミネートシート9等の下面に当接するように設けられている。
【0023】
排出部4は、本体部2の駆動機構を利用して排出ローラ41を回転駆動させる。つまり、排出部4は本体側駆動モータ71から排出ローラ41へ駆動を伝達する伝達手段を備える。なお、伝達手段としては、例えば、ギア、ベルト等が利用できる。また、排出ローラ41の駆動は制御部5により制御される。
【0024】
排出部4は、本体部2に対して、着脱自在に取り付けられてもよいし、折り畳み自在(開閉自在)に取り付けられてもよい。これにより、装置全体を小型化できる。
【0025】
(4)制御部
(4−1)ブロック図
図2を用いて説明する。
制御部5は、
図2に示すように、CPU51、ROM52、RAM53等を備えたマイクロコンピュータで構成されている。制御部5は電源部の電源スイッチ操作により動作する。制御部5は、CPU51がROM52に格納されているプログラムやデータに基づき、RAM53を作業領域として利用しながら各種の制御などを行う。ここでの制御部5は、圧着ローラ22のクリーニング管理やジャムの処理等を行うため、カウンタ54及びタイマ55を備える。
【0026】
(4−2)処理
制御部5は、被圧着シート8の供給、被圧着シート8の圧着、ラミネートシート9の排出等のラミネート処理を実行する。制御部5は、ジャムが発生した場合に、被圧着シート8又はラミネートシート9を排除するジャム対応処理を実行する。制御部5はクリーニングが必要な場合に、クリーニングに関連するクリーニング処理を実行する。
制御部5は、上記処理を行うため、例えば、上流側センサ75、下流側センサ76、載置センサ77及び温度センサ78から各種信号を入手する。なお、温度センサ78は圧着ローラ22に近接配置されている。
【0027】
(4−2−1)ラミネート処理
制御部5は、被圧着シート8の圧着条件が満たされると、被圧着シート8等を供給すべく供給ローラ32を駆動させる。被圧着シート8の圧着条件は、換言すると、被圧着シート8を構成するラミネートフィルム81同士を効率よく圧着でき、前回供給した被圧着シート8等と本体部2内で干渉しないような条件である。なお、供給シートがクリーニングシートであっても、制御部5は被圧着シート8と同じ制御を行う。
条件の例としては、(a)圧着ローラ22のローラ面の温度Teが溶着可能な第1の温度Te1以上であること、(b)載置台31に被圧着シート8等が1枚以上載置されていること、(c)本体部2内を被圧着シート8等が搬送されていないこと等がある。これらの条件は、載置センサ77、上流側センサ75及び下流側センサ76並びに温度センサ78等を利用することで検出できる。
【0028】
制御部5は、使用者からラミネート処理を開始する開始スイッチ61の受け付けに伴い、圧着ローラ22、加圧ローラ23及び排出ローラ41に対して正回転の駆動を開始する。本実施形態では、制御部5は、供給ローラ32の駆動の前に、圧着ローラ22、加圧ローラ23及び排出ローラ41を駆動させている。これにより、圧着ローラ22のローラ面の温度斑を小さくできる。
【0029】
(4−2−2)ジャム対応処理
制御部5は、ジャムを検出すると、被圧着シート8やラミネートシート9やクリーニングシート等を取り出すように制御する。ジャムの検出の例としては、制御部5は、上流側センサ75が被圧着シート8等を検出してからの時間(タイマ55の計測時間)Tiが第1の時間Ti1となるまでに下流側センサ76がラミネートシート9を検出しない場合に、ジャム発生と判断している。
制御部5は、ジャムを検出すると、圧着ローラ22、加圧ローラ23及び排出ローラ41を第2の時間Ti2だけ逆回転に駆動させる。
【0030】
(4−2−3)クリーニング処理
制御部5は、本体部2で圧着した被圧着シート8の累計枚数であるラミネート数LNが閾値を超えると、本体部2の内部をクリーニングする時期であると判断している。ラミネート数LNは本体部2(圧着ローラ22)を通過したラミネートシート9の枚数をカウンタ54でカウントすることで行っている。なお、ラミネート数LNは、圧着ローラ22を通過する前の被圧着シート8の枚数をカウントしてもよい。
制御部5は、クリーニング時期と判断すると、報知手段63にクリーニングを行う旨を報知させる。この報知をクリーニング表示とする。制御部5はクリーニング表示中にクリーニングがなされると、報知手段63にクリーニング表示を終了させる。
ここでの報知手段63は、有色ランプであり、制御部5からクリーニング表示の信号を受けると点灯し、クリーニング表示の終了の信号を受けると消灯する。
クリーニングは、例えば、供給シートとしてクリーニングシートを本体部2に供給することで行われる。具体的には、クリーニングシートを本体部2で加熱圧着及び加圧することで、圧着ローラ22や加圧ローラ23に付着したごみや糊を除去する。クリーニングシートにはラミネートフィルムと区別可能なマークが付されており、制御部5は本体部2内を通過している供給シートがクリーニングシートである場合に、クリーニングが行われたと判断している。なお、クリーニングシートは上流側センサ75、下流側センサ76、載置センサ77で検知できる。
【0031】
(4−3)フローチャート
制御部5の動作について
図3のフローチャートを利用して説明する。
制御部5は、電源スイッチが入ると、ROM52に格納されているプログラムをスタート(S1)し、開始スイッチ(図中、「スイッチ」と表示している。)61がONされる(S2の「Yes」である。)と、ヒータ21をONにして圧着ローラ22の昇温を開始し(S3)、圧着ローラ22、加圧ローラ23及び排出ローラ41の(回転)駆動を開始させる(S4)。
制御部5は、載置台31に供給シートがある(S5の「Yes」である。)と、圧着ローラ22の温度TeがTe1より高い場合(S6の「Yes」である。)、供給ローラ32の駆動を開始させ且つヒータ21をOFFする(S7)。供給ローラ32の駆動により供給された供給シートが上流側センサ75で検出される(S8の「Yes」である。)と、タイマ55をスタートさせる(S9)。
制御部5は、ラミネートシート9が下流側センサ76で検出される(S10の「Yes」である。)と、供給ローラ32の駆動を停止させ(S11)、タイマ55をリセットし(S12)、下流側センサ76でラミネートシート9の検出がされなくなるのを待って(S13の「No」である。)、検出がされなくなる(S13の「Yes」である。)と次の処理へと進む。
なお、ステップS3〜S13が上述のラミネート処理に相当する。また、ステップS10で加圧ローラ23から送出されるラミネートシート9等を検出し、ステップS13でラミネートシート9等の下流端を検出することで、ラミネートシート9等が圧着ローラ22や加圧ローラ23を通過したことを検出できる。
【0032】
制御部5は、ステップS14において、供給シートがクリーニングシートでない場合(S14の「No」である。)、本体部2で圧着した被圧着シート8の累計枚数を示すラミネート数LNに「1」を加算(S15)して、ラミネート数LNが閾値以上であるか否かを判定する(S16)。
制御部5は、ステップS16において、ラミネート数LNが閾値以上である場合(「Yes」である。)、報知手段63にクリーニング表示させ(S17)、載置台31に次の供給シートがある場合、つまり、載置センサ77がONの場合(S18で「Yes」である。)、ヒータ21をON(S19)した後ステップS6へと進む。ラミネート数LNが閾値以上でない場合(S16の「No」である。)場合、ステップS18へと進む。
制御部5は、ステップS18において、載置センサ77がONでない場合(「No」である。)、開始スイッチがOFFされる(S20の「Yes」である。)と、圧着ローラ22、加圧ローラ23及び排出ローラ41の駆動を停止(S21)してステップS2に進み、開始スイッチがOFFされない(S20の「No」である。)と、ステップS18に進む。
【0033】
制御部5は、ステップS10において、ラミネートシート9等が下流側センサ76で検出されず(「No」である。)、タイマ55の計測時間Tiが第1の時間Ti1を経過すると(S22の「Yes」である。)と、供給ローラ32の駆動を停止して(S23)、圧着ローラ22、加圧ローラ23及び排出ローラ41を第2の時間Ti2逆回転させて(S24)、タイマ55をリセットして(S25)してステップS4に進む。なお、ステップS24がジャム対応処理に相当する。
【0034】
制御部5は、ステップS14において、供給されたシートがクリーニングシートである場合(「Yes」である。)、クリーニング表示されている(S27の「Yes」である。)と、そのクリーニング表示を終了させた(S28)後、ラミネート数LNのカウントをリセット(LN=0)して(S29)、ステップS18に進む。
なお、制御部5は電源スイッチがOFFされるとプログラムを終了する。
【0035】
3.被圧着シート
主に
図4を用いて説明する。
被圧着シート8は、上述のように、ラミネートフィルム81と被ラミネート体82とが重ねられてなる。なお、使用者は、準備した被ラミネート体82をラミネートフィルム81で挟んで、ラミネータ1の供給部3にセットする。
【0036】
(1)ラミネートフィルム
ラミネートフィルム81は2枚のフィルム部83の一端同士が接続されるようにして構成される。つまり、ラミネートフィルム81は、一枚のフィルムが第1の方向の中央で折り曲げられたような形状をし、対向する部分がフィルム部83である。なお、第1の方向は、被圧着シート8が供給部3により本体部2に供給される方向である。ここでのラミネートフィルム81は、第1の方向に長い矩形状をしている。
【0037】
(2)作成方法
被圧着シート8の作成方法について
図4を用いて説明する。
ここでは、被圧着シート8の作成に補助シート85を利用している。
補助シート85は被ラミネート体82より大きいか、略同じ大きさをしている。補助シート85には切欠き部85aが設けられている。
一例である被圧着シート8の作成は、(a)被ラミネート体82を補助シート85上に載置し、(b)被ラミネート体82を載置する補助シート85を2枚のフィルム部83間に配し、(c)被ラミネート体82を残して補助シート85を抜き取る、ことで行われる。
【0038】
被ラミネート体82を載置した補助シート85のフィルム部83間への配置は、例えば、
図4の(a)に示すようにフィルム部83間にスライドさせながら挿入させてもよい。この場合、補助シート85は、スライド時のフィルム部83との摩擦により折り曲がらない程度の剛性を有しているのが好ましい。
【0039】
補助シート85を抜き取る際には、
図4の(b)に示すように各フィルム部83における補助シート85の切欠き部85aに対応する部分を外側から挟んで、補助シート85を引き出してもよい。切欠き部85aは、補助シート85の引き出す方向と反対向きに開放する形状をしている。これにより、一対のフィルム部83間から補助シート85だけを容易に引き出すことができる。
ここでの切欠き部85aは補助シート85の引き出す方向の反対側に位置する端部に形成されている。切欠き部85aは、補助シート85における引き出す方向の反対側の端部であって引き出す方向と直交する方向(幅方向)の略中央に形成されている。なお、切欠き部85aは半円状、半楕円状をしているが、例えば、矩形状等の他の形状をしてもよい。
【0040】
(3)補助シート
補助シート85の材料は特に限定するものではない。材料として、例えば、金属材料、紙材料、樹脂材料等を利用できる。補助シート85の厚みは特に限定するものではないが、ラミネートフィルム81における一端(一対のフィルム部83が接続されている部分)の隙間に挿入できる厚みであればよい。
補助シート85の先端部(挿入方向が決まっていない場合は両端部)は先端に近づくにしたがって厚みが小さくなっていてもよい。また、厚みがある場合、補助シート85を被ラミネート体82より小さく(短く)して、被ラミネート体82における挿入方向の前端よりも補助シート85を少し(例えば1[mm]〜5[mm])後退させた状態で挿入するようにしてもよい。
【0041】
<第2の実施形態>
第1の実施形態のラミネータ1は加圧ローラ23を備えていたが、第2の実施形態では加圧ローラを備えていないラミネータ101について説明する。また、第2の実施形態の付勢手段は供給ローラ32を被圧着シート8側にのみ付勢する。なお、第1の実施形態と同じ構成について、同じ符号を利用し、説明は省略する。
ラミネータ101は、
図5に示すように、本体部102、供給部103、排出部4及び制御部105(図示省略)を備える。
【0042】
本体部102は、ヒータ21、圧着ローラ22、上ガイド24、下ガイド26及びカバー27を備える。排出部4は、排出ローラ41を備え、下ガイド26から送出されたラミネートシート9を排出する。
供給部103は、載置台131、供給ローラ132、側方ガイド34、付勢手段135を備える。ここでの付勢手段135は、上述の通り、供給ローラ132を載置台131側に付勢する。供給ローラ132は上下方向に移動可能に設けられ、供給ローラ132の自重により供給ローラ132が被圧着シート8を押圧するように構成されている。なお、載置ユニット133は載置台131と側方ガイド34とから構成されている。
制御部105は、第1の実施形態と略同じ処理をしているが、下流側センサ76の位置が圧着ローラ22に近づいたため、
図3におけるステップS23でジャム発生の判断の基準となる第1の時間Ti1を変更している。
【0043】
以上、第1及び第2の実施形態を説明したが、これらの実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってよい。
また、実施形態や変形例に記載していていない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0044】
<変形例>
1.構成
(1)供給部3の側方ガイド34は一対の板材をスライド自在に備えているが、例えば、一方の板材を固定で、他方の板材を一方の板材に対してスライド自在に備えた側方ガイドでもよい。
(2)載置センサ77は載置面に載置された供給シート(被圧着シート8やクリーニングシート)を検出できればよく、載置センサは、例えば、供給ローラが供給シートの中央に存在する場合、供給ローラの下流側に設けられてもよい。
(3)供給ローラ32の駆動は、圧着ローラ22や加圧ローラ23の駆動機構と別に設けられた供給側駆動モータ72を利用しているが、圧着ローラ22や加圧ローラ23の駆動モータ71を利用してもよい。この場合、供給ローラ用の伝達手段を備えることで実施できる。
また、供給ローラ32、圧着ローラ22、加圧ローラ23及び排出ローラ41を1つの駆動手段で回転させることも可能である。この場合、圧着ローラ22に対して供給ローラ32の回転速度を遅くし、トルクを小さくするための回路構成や制御が複雑になり、部品点数も増え、モータの種類も変わるため、駆動手段を別々に設ける方が簡易に設計することが可能である。
【0045】
(4)ジャム除去機構の取出口38は供給部3内の搬送路中に設けられているが、取出口は、例えば、本体部と供給部との連結部分を利用して設けられてもよいし、本体部内に設けられてもよい。なお、取出口は載置台の下流側にある方が供給部の構造を簡単にできる。また、取出口は膨出部分と共に本体部内にあってもよい。
(5)排出ローラ41はラミネートシート9の下面に当接するように設けられているが、例えばラミネートシート9の上面に当接する排出ローラでもよい。
(6)本体部2のヒータ21は圧着ローラ22を加熱しているが、例えば、被圧着シートを直接加熱するヒータでもよい。圧着ローラ22は外部のヒータ21により加熱されているが、圧着ローラはヒータを内蔵してもよいし、ローラは内部にヒータを備え且つ外側から加熱されてもよい。
(7)載置センサ77、上流側センサ75及び下流側センサ76は、発光部と受光部とを対向して備える透過型であったが、例えば、発光部と受光部とが同一側にある反射型のセンサや他のセンサを利用してもよい。
(8)ラミネータ1は供給部3を開閉自在や着脱自在に備えているが、供給部は、本体部に固定されてもよいし、本体部内に組み込まれてもよい。組み込む例としては本体部のハウジング内に供給部を設ける等がある。
【0046】
(9)ラミネータ1は排出部4を備えているが、ラミネータは、排出部を備えなくてもよいし、排出部を本体部内に組み込んだ状態で備えてもよい。組み込む例としては本体部のハウジング内に排出部を設ける等がある。
(10)付勢手段35は供給ローラ32側を被圧着シート8等側へと付勢しているが、付勢手段は、例えば、載置台31側から供給ローラ32側へと付勢してもよいし、載置台31側から供給ローラ32側への方向と供給ローラ32側から載置台31側への方向との2方向に付勢してもよい。
(11)補助シート85の切欠き部85aは引き出す方向の反対側の端部側の略中央に形成されているが、端部側の幅方向の端に切欠き部があってもよい。なお、端に切欠き部が存在すると、引き出し方向を、供給方向の反対方向と、供給方向と直交する方向の2方向とできる。また、切欠き部は、1箇所でなく複数個所に設けられてもよい。
(12)補助シートは、専用のシートであってもよいし、被ラミネート体として、一般的によく使用される用紙サイズに合わせて寸法が決められていてもよい。この場合、よく使用されるA3,A4,B5等のサイズごとに、そのサイズより少し大きいか、略同じ寸法の補助シートを作製するようにしてもよい。
(13)クリーニングシート
クリーニングシートについて特に限定はないが、例えば厚紙を利用できる。これにより、ローラが厚紙に強く当たり、ローラ面の糊等が厚紙に付着しやすい。なお、クリーニングシートとして、布や樹脂シート等も利用できる。
【0047】
2.制御
(1)供給ローラ駆動のための条件
(1−1)第1の実施形態では、供給ローラ32を駆動させるための条件の一例を説明したが、他の条件で供給ローラ32を駆動させてもよい。
例えば、制御部は使用者からの開始スイッチの操作を受け付けると、供給ローラの駆動を開始してもよい。
例えば、供給スイッチを別に設け、使用者の供給スイッチ操作を受け付けると供給ローラを駆動させるようにしてもよい。
例えば、載置台31に被圧着シート8等が載置されていない場合でも、供給ローラを駆動させてもよい。但し、被圧着シート等の載置を条件にする方が装置の消費電力を抑えることができる。
(1−2)第1の実施形態では、圧着ローラ22の温度TeがTe1より高い場合に、供給ローラ32を駆動しているが、例えば、被圧着シート8を直接加熱する場合や圧着ローラの加熱に準備時間を要しない場合には、圧着ローラ22の温度に関係なく、先に供給ローラを駆動してもよい。
【0048】
(2)供給ローラ駆動停止
第1の実施形態では下流側センサ76がラミネートシート9を検出すると、供給ローラ32の回転駆動を停止させている(
図3におけるステップS11である。)。しかしながら、他の条件で回転駆動を停止させてもよい。
(2−1)他の条件の例としては、上流側センサ75が被圧着シート8を検出した後にタイマ55の計測時間Tiが第3の時間Ti3を経過した後に回転駆動を停止するようにしてもよい。この場合、制御部は、
図6に示すように、
図3のステップS9のタイマ55をスタートさせた後に、タイマ55の計測時間Tiが時間Ti3以上になる(S91の「Yes」である。)と、供給ローラ32の駆動を停止し(S92)、ステップS10へと進む。
ここでの時間Ti3は、本発明の「所定時間」の一例に相当する。時間Ti3は上流側センサ75にて被圧着シート8を検知してから圧着ローラ22に到達するまでに相当する時間である。これにより、供給ローラ32の停止が早い段階で行われ、省エネルギ化が図れる。なお、時間Ti3は、供給ローラの回転速度やセンサと圧着ローラまでの距離等からの計算や試験等から得られる。ステップS10では、下流側センサ76がラミネートシート9を検出する(「Yes」である。)と、ジャムは発生しておらず、タイマ55をリセットとし(S12)、
図4のステップS13へと進む。
図6のステップS10において、下流側センサ76がラミネートシート9を検出できない(「No」である。)と、
図3のステップS22に進んで、タイマ55の計測時間Tiが第1の時間Ti1を経過するまで、下流側センサ76のラミネートシート9の検出を待った後、ステップS24に進む。
【0049】
(2−2)他の条件の例としては、供給ローラの駆動を停止させても、惰性で供給ローラが回転して、被圧着シート8等が圧着ローラ22に到着する場合、上流側センサ75が被圧着シート8を検出した後に回転駆動を停止するようにしてもよい。
図3において、ステップS11をステップS8とステップS10との間で行えばよい。
【0050】
(3)供給ローラの連続駆動
第1の実施形態では、供給ローラ32の駆動を開始したり、停止したりしている。しかしながら、供給ローラの駆動を圧着ローラと同じように連続で駆動させてもよい。連続で駆動するには、例えば、供給ローラ32の回転を圧着ローラ22等よりも遅く且つ供給ローラ32のトルクを圧着ローラ22等よりも小さくし、供給された被圧着シート8等が圧着ローラ22を通過した後に、次に供給された被圧着シート8等が圧着ローラ22に達するようにすればよい。例えば、供給ローラ32と圧着ローラ22との間隔や、供給ローラ32と圧着ローラ22の回転速度を調整することで実施できる。
【0051】
3.ジャム対応処理
(1)ジャム検出
第1の実施形態では、ラミネートシート9が正常に搬送される時間を超えてもラミネートシート9が搬送されない場合にジャムが発生したとしているが、他の方法でジャム発生を検出してもよい。
他の方法としては、例えば、圧着ローラ及び加圧ローラのそれぞれの上流側で、被圧着シート8、ラミネートシート9、クリーニングシート等の搬送路の上方にセンサを備え、被圧着シート8、ラミネートシート9、クリーニングシート等が折れ曲がると前記センサで検出するようにしてもよい。
【0052】
(2)ジャム処理
第1の実施形態では、ジャムが検出されると、圧着ローラ22、加圧ローラ23及び排出ローラ41を逆回転に駆動させているが、制御部は別の方法で対処してもよい。
(2−1)例えば、ジャムの発生位置を検出し、発生位置の上流側に位置するローラのみを逆回転で駆動してもよい。なお、各ローラを独立して駆動・制御する構成とすれば実施できる。
(2−2)例えば、圧着ローラ22,加圧ローラ23及び排出ローラ41の回転を停止させ、作業者が手動で詰まった被圧着シート8やラミネートシート9を除去するようにしてもよいし、作業者が逆回転用のスイッチを操作して詰まった被圧着シート8やラミネートシート9を除去するようにしてもよい。なお、場合によっては、ヒータ21をOFFするようにしてもよい。
【0053】
4.供給ローラと圧着ローラ
第1の実施形態において、供給ローラ32の回転は圧着ローラ22の回転よりも遅く設定され、供給ローラ32のトルクは圧着ローラ22のトルクよりも小さく設定されている。しかしながら、各ローラの速度及びトルクは制御部が制御するようにしてもよい。
【0054】
5.クリーニング処理
(1)報知手段等について
第1の実施形態において、クリーニング表示を行う報知手段63として有色のランプを利用している。しかしながら、使用者にクリーニングを行う旨を他の手段で報知してもよい。他の報知として、例えば、ブザー等の音を発する音発生手段や、「クリーニング」等の文字を表示する表示手段等でもよい。
さらに、制御部は、クリーニング時期になると、供給ローラ32の回転駆動を停止した状態を維持するようにしてもよい。これにより、使用者がクリーニング時期であると把握できる。
なお、他の報知として、ランプ、音発生手段、表示手段、回転停止等を2以上組み合わせてもよい。
【0055】
(2)クリーニング
(2−1)第1の実施形態のクリーニング処理は、クリーニングシートを本体部2に供給することで行われ、被圧着シート8が本体部2を通過する条件(以下、単に「通過条件」ともいう。)と同じ条件で、クリーニングシートが本体部2を通過する。
しかしながら、制御部は、クリーニングシートの通過条件を、被圧着シート8の通過条件と異なるようにしてもよい。例えば、クリーニングシートであることを検出又は入力されると、圧着ローラの温度を高くするようにしてもよいし、圧着ローラの回転速度を遅くしてもよいし、クリーニングシートが圧着ローラを1回往復又は複数回往復するようにしてもよい。
【0056】
圧着ローラの往復は、例えば、上流側センサ75や下流側センサ76のクリーニングシートの検出で回転方向を変えることで実施できる。例えば、制御部は、上流側センサ75でクリーニングシートの搬送方向の上流側の端を検出すると、本体側駆動モータ71を逆回転させ、下流側センサ76でクリーニングシートの搬送方向の下流側の端を検出すると、本体側駆動モータ71を正回転に戻すという制御を1回以上繰り返すことで実施できる。なお、逆回転又は正回転の変更は、クリーニングシートの端検出から所定時間経過後であってもよい。
なお、クリーニングシートの通過条件を変更するには、クリーニング用の温度や速度等のデータをROM52に保存し、クリーニングシートの場合にこれらの条件に変更して処理することで実施できる。
【0057】
(2−2)第1の実施形態のクリーニング処理は、被圧着シート8が搬送される搬送路と同じ搬送路で、クリーニングシートが搬送される。
しかしながら、制御部は、クリーニングシートの搬送路を、被圧着シート8の搬送路と異なるようにしてもよい。例えば、クリーニングシートであることを検出又は入力されると、圧着ローラ22を正回転した後に逆回転させて、ジャム処理時に利用する逆搬送路(取出口38)からクリーニングシートを取り出すようにしてもよい。
なお、クリーニングシートの搬送路の変更はジャム対処処理(
図3におけるステップS24)と同じ処理を行うことで実施できる。
【0058】
(2−3)第1の実施形態のクリーニング処理は、装置を停止させることなく、実行されているが、例えば、クリーニング表示すると、圧着ローラ22等の回転を停止させ、使用者からクリーニングスイッチの操作信号を受け取った後、圧着ローラ22が回転してクリーニング処理を行うようにしてもよい。
なお、クリーニング表示されると、圧着ローラ22等の回転を停止させずに、使用者がクリーニングシートを載置台に載置した後に、クリーニングスイッチを操作するようにしてもよい。
【0059】
(2−4)フローチャート
(2−1)や(2−2)で説明したように、クリーニング処理がラミネート処理と異なる場合の制御部のフローチャートを
図7で説明する。なお、
図7では、ジャム処理については説明していないが、
図3で説明したステップS23及びステップS24を行うことで実施できる。
制御部は、電源スイッチが入るとプログラムをスタート(S101)し、開始スイッチがONされる(S102の「Yes」である。)と、載置台に供給シートの有無を判断する(S103)。
ステップS103において供給シートがある(「Yes」である。)と、その供給シートが被圧着シート8であるかクリーニングシートであるかを判断する。なお、判断には載置センサ77を利用できる。
【0060】
供給シートが被圧着シート8の場合、ラミネート処理を行い(S105)、ラミネート数LNに「1」を加算する(S106)。ラミネート数LNが閾値以上である場合(107の「Yes」である。)と、クリーニング表示を行う(S108)。
その後、載置台に供給シートがある(S109の「Yes」である。)と、ステップS104に進み、供給シートがない(S109の「No」である。)と、ステップS110に進む。
ステップS110で、スイッチがOFFである(「No」である。)と、ステップS103に進む。
【0061】
ステップS104にて供給シートがクリーニングシートの場合、クリーニング処理を行い(S111)、クリーニング表示中である(S112の「Yes」である。)と、クリーニング表示を終了(S113)し、ラミネート数LNをリセット(S114)して、ステップS109に進む。なお、ステップS112でクリーニング表示中でない(「No」である。)と、ステップS114に進む。
【0062】
(3)クリーニングシートの検出
クリーニングシートの検出は、載置センサ77、上流側センサ75及び下流側センサ76の何れかで行えばよいし、例えば、クリーニングスイッチを設け、使用者がクリーニングシートを使用する際にクリーニングスイッチの操作の有無で検出してもよい。
【0063】
(4)クリーニング時期
ラミネート数LNは、被圧着シート8又はラミネートシート9の枚数をカウントしているが、例えば、圧着ローラ22に供給された供給シートや圧着ローラ22を通過したシートをカウントしてもよい。この場合、クリーニングシートもカウントされるが、クリーニングシートの通過に合わせてカウンタ54のカウントをリセットするため、大きな問題はない。
【0064】
(5)報知内容
制御部5は、クリーニングの時期になると報知手段63としての有色のランプを点灯させている。しかしながら、クリーニングを早く行うように表示してもよい。
また、前回の使用でクリーニングが必要でそのままスイッチOFFした場合等、新たなスイッチONで、最初にクリーニングを行うように促す表示をしてもよい。ラミネート処理する前にクリーニング処理を行うと、糊やごみ等がきれいに除去できる。
【0065】
6.制御部
制御部は、電源スイッチが入ると自動的にプログラムの実行を開始しているが、例えば、ラミネータに電力が供給されると、プログラムを開始してもよいし、さらに、電力が供給されると
図3のステップS3から実行してもよい。この場合、例えば、コンセントの商用電源の接続及び非接続が第1の実施形態の開始スイッチ61として機能する。