特許第6513872号(P6513872)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6513872
(24)【登録日】2019年4月19日
(45)【発行日】2019年5月15日
(54)【発明の名称】水やり補助具
(51)【国際特許分類】
   A01G 25/14 20060101AFI20190425BHJP
【FI】
   A01G25/14 Z
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-231574(P2018-231574)
(22)【出願日】2018年12月11日
【審査請求日】2018年12月11日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】318017213
【氏名又は名称】株式会社フラワーベース
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】服部 健夫
【審査官】 竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3093277(JP,U)
【文献】 特表2010−524490(JP,A)
【文献】 実開平7−1748(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 25/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切花が差し込まれる吸水スポンジに対して水やりを行う際に用いられる水やり補助具であって、
底壁及び側壁を有し、上方に開放された受け部と、前記受け部の前記側壁から外方に向かって突出するとともに前記受け部の内外を連通する注水部と、を有する本体部と、
前記本体部の下面に突設され、前記吸水スポンジに差し込まれる差込部と、を備える、
水やり補助具。
【請求項2】
前記差込部は、前記注水部の下面に設けられている、
請求項1に記載の水やり補助具。
【請求項3】
前記受け部の前記底壁には、前記注水部の突出方向に対して交差する方向に沿って延在する邪魔板が突設されている、
請求項1または請求項2に記載の水やり補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば切花が差し込まれる吸水スポンジに対して水やりを行う際に用いられる水やり補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、水を収容するペットボトルなどの容器と、容器の口部に着脱可能な取付部と、植木鉢内の土に容器を起立可能に差し込まれるノズルとを備えた植木用給水具が開示されている。こうした植木用給水具によれば、容器内に水が収容された状態の給水具のノズルを植木鉢内の土に差し込むことにより、容器内の水がノズルを通じて土に対して供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−199822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の給水具の場合、容器内の水が無くなると、ノズルを土から引き抜き、容器の口部からノズルを取り外して容器内に水を再充填し、給水具のノズルを植木鉢内の土に再び差し込む必要がある。そのため、水やり作業が煩雑になるという問題がある。
【0005】
また、特許文献1に記載の給水具の場合、植木鉢内の土にノズルが差し込まれることで容器が起立した状態となる。そのため、花器に収容された吸水スポンジの上面に切花が密集して差し込まれたフラワーアレンジメントに対して用いる場合には、給水具を差し込むスペースを確保することが困難であるといった別の問題も生じる。
【0006】
本発明の目的は、スポンジの上面と切花との間のスペースが小さい場合であっても、スポンジに対して水やりを容易に行うことのできる水やり補助具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための水やり補助具は、切花が差し込まれる吸水スポンジに対して水やりを行う際に用いられるものであって、底壁及び側壁を有し、上方に開放された受け部と、前記受け部の前記側壁から外方に向かって突出するとともに前記受け部の内外を連通する注水部と、を有する本体部と、前記本体部の下面に突設され、前記吸水スポンジに差し込まれる差込部と、を備える。
【0008】
同構成によれば、本体部の下面に突設された差込部を吸水スポンジの上面や側面に差し込むことで水やり補助具がスポンジに支持されるようになる。そして、受け部に対して上方から水を注ぐと、水は受け部の底壁を伝って側壁から外方に向かって突出する注水部に流入し、注水部からスポンジの上面や側面に対して注がれるようになる。ここで、本体部を寝かした姿勢で差込部がスポンジに差し込まれることから、本体部の高さが低く抑えられる。したがって、スポンジの上面と切花との間のスペースが小さい場合であっても、スポンジに対して水やりを容易に行うことができる。
【0009】
上記水やり補助具において、前記差込部は、前記注水部の下面に設けられていることが好ましい。
同構成によれば、注水部の下面に設けられた差込部をスポンジの上面や側面に差し込んだ状態において、受け部をスポンジから離間した位置に配置することが可能となるため、受け部に対して水を注ぐ際に、切花が邪魔になることが抑制される。したがって、水やりを一層容易に行うことができる。
【0010】
上記水やり補助具において、前記受け部の前記底壁には、前記注水部の突出方向に対して交差する方向に沿って延在する邪魔板が突設されていることが好ましい。
同構成によれば、受け部に注がれた水は、注水部に向かって流れる途中で邪魔板に衝突するため、受け部から注水部へ流入する水の勢いが弱められる。したがって、注水部から水が溢れたり、スポンジに注がれる水が溢れたりすることを抑制できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、スポンジの上面と切花との間のスペースが小さい場合であっても、スポンジに対して水やりを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態における水やり補助具を示す斜視図。
図2】同実施形態の水やり補助具を示す平面図。
図3図2の3−3線に沿った断面図。
図4】同実施形態の水やり補助具を吸水スポンジの側面に差し込んだ状態を示す側面図。
図5】同実施形態の水やり補助具を吸水スポンジの上面に差し込んだ状態を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1図4を参照して、水やり補助具の一実施形態について説明する。
図1に示すように、水やり補助具10は、底壁13及び側壁14を有し、上方に開放された受け部12と、側壁14から外方に向かって突出するとともに受け部12の内外を連通する注水部15と、本体部11の下面から突出する差込部19とを備えており、硬質樹脂材料によって一体成形されている。
【0014】
図1及び図2に示すように、本実施形態の底壁13は、平面視略菱形状をなしており、葉の形状を模している。
側壁14は、底壁13の周縁から上方に向かって突出するとともに底壁13の略全周にわたって延在している。
【0015】
図1図3に示すように、底壁13は、底壁13の幅方向(図3の左右方向であり、以下、幅方向W)の中央部18に近接するほど下方に位置するように傾斜している。
底壁13には、注水部15の突出方向(図2の左右方向であり、以下、突出方向L)に対して交差する方向に沿って延在する複数(同実施形態では4つ)の邪魔板17a,17b,17c,17dが突設されている。各邪魔板17a,17b,17c,17dは、突出方向Lにおける注水部15からの距離が大きい順に配置されている。2つの邪魔板17a,17cは、底壁13のうち幅方向Wの一方側の部分13aに設けられており、互いに平行に配置されている。また、残りの2つの邪魔板17b、17dは、底壁13のうち幅方向Wの他方側の部分13bに設けられており、互いに平行に配置されている。各邪魔板17a,17b,17c,17dは、幅方向Wの中央部18に近接するほど突出方向Lにおいて注水部15に近接するように傾斜している。
【0016】
図1及び図2に示すように、注水部15は、樋状をなしており、上方に開放されている。注水部15の突端部には、流出口16が設けられている。
図1に示すように、差込部19は注水部15の突出方向Lに沿う板状をなしており、注水部15の下面から突出している。差込部19の下端は、円弧状をなしている。
【0017】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図4に示すように、花器20内に載置された吸水スポンジ(以下、スポンジ21)に差し込まれた切花22に対して水やりを行う際には、水やり補助具10の差込部19及び注水部15をスポンジ21の側面24に差し込む。これにより、水やり補助具10がスポンジ21に支持されるようになる。そして、受け部12に対して上方から水Aを注ぐと、同図に一点鎖線にて示すように、水Aは受け部12の底壁13を伝って注水部15に流入し、注水部15からスポンジ21の側面24に対して注がれるようになる。ここで、本体部11を寝かした姿勢で差込部19及び注水部15がスポンジ21に差し込まれることから、本体部11の高さが低く抑えられる(以上、作用1)。
【0018】
また、差込部19をスポンジ21の側面24に差し込んだ状態において、受け部12をスポンジ21から離間した位置に配置することが可能となるため、受け部12に対して水を注ぐ際に、切花22が邪魔になることが抑制される(以上、作用2)。
【0019】
また、受け部12に注がれた水Aは、注水部15に向かって流れる途中で邪魔板17a,17b,17c,17dに衝突するため、受け部12から注水部15へ流入する水の勢いが弱められる(以上、作用3)。
【0020】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)水やり補助具10は、底壁13及び側壁14を有し、上方に開放された受け部12と、受け部12の側壁14から外方に向かって突出するとともに受け部12の内外を連通する注水部15とを有する本体部11と、本体部11の下面から突設され、スポンジ21に差し込まれる差込部19とを備える。
【0021】
こうした構成によれば、上記作用1を奏する。したがって、スポンジ21の上面23と切花22との間のスペースが小さい場合であっても、スポンジ21に対して水やりを容易に行うことができる。
【0022】
(2)差込部19は、注水部15の下面に設けられている。
こうした構成によれば、上記作用2を奏する。したがって、水やりを一層容易に行うことができる。
【0023】
(3)受け部12の底壁13には、注水部15の突出方向Lに対して交差する方向に沿って延在する邪魔板17a,17b,17c,17dが突設されている。
こうした構成によれば、上記作用3を奏する。したがって、注水部15から水Aが溢れたり、スポンジ21に注がれる水Aが溢れたりすることを抑制できる。
【0024】
<変更例>
上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0025】
図5に示すように、水やり補助具10の差込部19のみをスポンジ21の上面23に差し込むようにしてもよい。
・例えば受け部12の底壁13を平面視楕円形状にしたり、長方形状にしたりすることもできる。また、底壁13の上面を湾曲面にしたり、一つの平面にしたりすることもできる。
【0026】
・例えば注水部15を筒状にすることもできる。
・邪魔板17a,17b,17c,17dの数や形状を適宜変更することができる。
・邪魔板17a,17b,17c,17dを省略することもできる。
【0027】
・上記実施形態では、菱形状をなす底壁13の対角線のうち長手側の対角線と注水部15の突出方向Lとが一致していたが、同対角線と注水部15の突出方向とが交差する構成であってもよい。
【0028】
・差込部19を受け部12側に向けて延在させるようにしてもよい。また、例えば受け部12の突出方向Lにおける体格が大きい場合には、差込部19を受け部12の下面のみに設け、差込部19をスポンジ21の上面23に差し込んで用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0029】
10…水やり補助具、11…本体部、12…受け部、13…底壁、13a,13b…部分、14…側壁、15…注水部、16…流出口、17a,17b,17c,17d…邪魔板、18…中央部、19…差込部、20…花器、21…スポンジ、22…切花、23…上面、24…側面。
【要約】
【課題】スポンジの上面と切花との間のスペースが小さい場合であっても、スポンジに対して水やりを容易に行うこと。
【解決手段】水やり補助具10は、切花が差し込まれる吸水スポンジに対して水やりを行う際に用いられる。水やり補助具10は、底壁13及び側壁14を有し、上方に開放された受け部12と、受け部12の側壁14から外方に向かって突出するとともに受け部12の内外を連通する注水部15とを有する本体部11と、本体部11の下面に突設され、吸水スポンジに差し込まれる差込部19とを備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5