特許第6513979号(P6513979)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6513979
(24)【登録日】2019年4月19日
(45)【発行日】2019年5月15日
(54)【発明の名称】船外機
(51)【国際特許分類】
   B63H 20/00 20060101AFI20190425BHJP
   B63H 20/32 20060101ALI20190425BHJP
【FI】
   B63H20/00 100
   B63H20/00 410
   B63H20/32 510
   B63H20/32 710
【請求項の数】12
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-46696(P2015-46696)
(22)【出願日】2015年3月10日
(65)【公開番号】特開2016-165959(P2016-165959A)
(43)【公開日】2016年9月15日
【審査請求日】2017年12月15日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】宮武 勇太
(72)【発明者】
【氏名】沼口 良太
【審査官】 稲垣 彰彦
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭53−154593(JP,U)
【文献】 特開2007−283857(JP,A)
【文献】 米国特許第02676559(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63H 20/00−20/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、
前記エンジンを覆うエンジンカバーと、
前記エンジンから鉛直方向に延びており、前記エンジンによって回転するドライブシャフトと、
前記ドライブシャフトを覆うアッパーケースと、
前記ドライブシャフトに対して垂直に延びるプロペラシャフトと、
前記プロペラシャフトを覆うロワーケースと、
前記ドライブシャフトの前方、且つ、前記エンジンカバーの下方に配置される前ハンドルと、
前記ドライブシャフトの後方、且つ、前記エンジンカバーの下方に配置される後ハンドルと、
を備え、
前記後ハンドルは、前記前ハンドルよりも低い位置に配置され、
前記ロワーケースは、キャビテーションプレートを含み、
前記後ハンドルは、前記キャビテーションプレートに設けられる、
船外機。
【請求項2】
側面視において、前記前ハンドルと前記後ハンドルとを結ぶ直線は、前記ドライブシャフトの軸線に対して傾斜している、
請求項1に記載の船外機。
【請求項3】
アイドリング回転時の前記エンジンからの排気ガスを大気中に排出するためのアイドリング排気口をさらに備え、
前記後ハンドルは、前記アイドリング排気口よりも下方に配置される、
請求項1又は2に記載の船外機。
【請求項4】
前記アイドリング排気口は、前記エンジンカバー又は前記アッパーケースを通って外部に開放されている、
請求項3に記載の船外機。
【請求項5】
前記船外機の底部からの前記後ハンドルの高さは、700mm以下である、
請求項1からのいずれかに記載の船外機。
【請求項6】
前記後ハンドルと異なる高さ位置に配置される第2後ハンドルをさらに備える、
請求項1からのいずれかに記載の船外機。
【請求項7】
前記第2後ハンドルは、前記後ハンドルよりも上方に配置される、
請求項に記載の船外機。
【請求項8】
前記後ハンドルよりも高い剛性を有する支持部をさらに備え、
前記後ハンドルは、前記支持部に取り付けられる、
請求項1からのいずれかに記載の船外機。
【請求項9】
エンジンと、
前記エンジンを覆うエンジンカバーと、
前記エンジンから鉛直方向に延びており、前記エンジンによって回転するドライブシャフトと、
前記ドライブシャフトを覆うアッパーケースと、
前記ドライブシャフトに対して垂直に延びるプロペラシャフトと、
前記プロペラシャフトを覆うロワーケースと、
前記ドライブシャフトの前方、且つ、前記エンジンカバーの下方に配置される前ハンドルと、
前記ドライブシャフトの後方、且つ、前記エンジンカバーの下方に配置される後ハンドルと、
前記エンジンカバーの下方に配置され、前記エンジンからの排気が通るチャンバーと、
前記後ハンドルよりも高い剛性を有する支持部と、
を備え、
前記支持部は前記チャンバーに設けられ、
前記後ハンドルは、前記前ハンドルよりも低い位置に配置され、
前記後ハンドルは、前記支持部に取り付けられる、
船外機。
【請求項10】
前記ロワーケースの底部はスケグを含む、
請求項1からのいずれかに記載の船外機。
【請求項11】
前記プロペラシャフトの後端に取り付けられるプロペラをさらに備える、
請求項1から10のいずれかに記載の船外機。
【請求項12】
前記エンジンカバーと前記アッパーケースとは互いに別体である、
請求項1から11のいずれかに記載の船外機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船外機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、船外機には船外機を持ち運ぶためのハンドルが設けられている。例えば、特許文献1に開示されている船外機は、前ハンドルと後ハンドルとを有しており、前ハンドルと後ハンドルとは同じ高さに配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許US6,352,456
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人が船外機を運ぶときに、船外機の下部を地面に接触させないようにするためには、船外機を高く持ち上げたり、或いは、船外機を傾けたりする必要がある。しかし、上述の船外機では、前ハンドルと後ハンドルとが比較的高い位置に配置されている。そのため、人が、船外機を高く持ち上げたり、或いは、船外機を傾けたりするためには、肘を曲げて船外機を運ぶ必要がある。このような姿勢では、船外機を運ぶ人の腕に大きな負荷が掛かるため、船外機の持ち運びが容易ではない。
【0005】
本発明の課題は、持ち運びの容易な船外機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る船外機は、エンジンと、エンジンカバーと、ドライブシャフトと、アッパーケースと、プロペラシャフトと、ロワーケースと、前ハンドルと、後ハンドルと、を備える。エンジンカバーは、エンジンを覆う。ドライブシャフトは、エンジンから鉛直方向に延びており、エンジンによって回転する。アッパーケースは、ドライブシャフトを覆う。プロペラシャフトは、ドライブシャフトに対して垂直に延びる。ロワーケースは、プロペラシャフトを覆う。前ハンドルは、ドライブシャフトの前方、且つ、エンジンカバーの下方に配置される。後ハンドルは、ドライブシャフトの後方、且つ、エンジンカバーの下方に配置される。後ハンドルは、前ハンドルよりも低い位置に配置される。
【0007】
本態様に係る船外機では、後ハンドルは、前ハンドルよりも低い位置に配置される。従って、後ハンドルが低い位置に配置される場合と比べて、船外機を運搬する際に、運搬者は、肘を伸ばした姿勢で船外機を持つことができ、力を入れやすい。このため、船外機を容易に持ち運ぶことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、持ち運びの容易な船外機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る船外機の側面図である。
図2】ブラケット及びその周囲の構造を示す斜視図である。
図3】前ハンドルの斜視図である。
図4】アッパーケース及びその周囲の構造を示す斜視図である。
図5】アッパーケースの内部の構造を示す断面図である。
図6】チャンバーの斜視図である。
図7】後ハンドルの斜視図である。
図8】後ハンドルの斜視図である。
図9】後ハンドルの断面図である。
図10】後ハンドル及びその周囲の構造を下方から見た図である。
図11】第1変形例に係る船外機を示す側面図である。
図12】第2変形例に係る船外機を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。図1は、実施形態に係る船外機1の側面図である。船外機1は、エンジンカバー2と、エンジン3と、動力伝達機構4と、アッパーケース5と、ロワーケース6とを含む。エンジンカバー2は、エンジン3を覆っている。エンジン3は、クランクシャフト11を含む。クランクシャフト11は、上下方向に延びている。
【0011】
動力伝達機構4は、エンジン3からの駆動力をプロペラ12に伝達する。動力伝達機構4は、ドライブシャフト13と、プロペラシャフト14と、シフト機構15とを含む。
【0012】
ドライブシャフト13は、上下方向に延びている。ドライブシャフト13は、クランクシャフト11に連結されており、エンジン3によって回転する。プロペラシャフト14は、シフト機構15を介してドライブシャフト13の下部に連結されている。プロペラシャフト14は、前後方向に延びている。プロペラシャフト14は、ドライブシャフト13に対して垂直に延びる。
【0013】
プロペラシャフト14の後端にはプロペラ12が取り付けられる。プロペラシャフト14は、ドライブシャフト13からの駆動力をプロペラ12に伝達する。プロペラ12は、船外機1の下部に配置されている。プロペラ12は、エンジン3からの駆動力により回転駆動される。シフト機構15は、ドライブシャフト13からプロペラシャフト14へ伝達される動力の回転方向を切り換える。
【0014】
アッパーケース5は、エンジンカバー2の下方に配置される。エンジンカバー2とアッパーケース5とは互いに別体である。アッパーケース5は、ドライブシャフト13を覆っている。
【0015】
ロワーケース6は、アッパーケース5の下方に配置される。ロワーケース6は、プロペラシャフト14を覆っている。ロワーケース6は、キャビテーションプレート16を含む。キャビテーションプレート16は、ロワーケース6の左右に突出する板状の部材である(図12参照)。キャビテーションプレート16は、プロペラシャフト14よりも上方に配置される。ロワーケース6の底部はスケグ17を含む。スケグ17は、プロペラシャフト14より下方に配置される。スケグ17の前後方向の寸法は、下方に向かって小さくなっている。
【0016】
船外機1は、ブラケット18を有する。ブラケット18は、アッパーケース5の前方に配置される。船外機1は、ブラケット18を介して船体に取り付けられる。ブラケット18は上方に向かって凹んだ凹部21を有する。ブラケット18の先端には、クランプ22が取り付けられている。凹部21に船尾の縁が配置され、クランプ22によって挟み込まれることで、船外機1が船体に取り付けられる。
【0017】
船外機1は、チラーハンドル23を有する。チラーハンドル23は、エンジンカバー2の前方に配置される。チラーハンドル23は、ブラケット18の上方に配置される。
【0018】
船外機1は、前ハンドル24と後ハンドル25とを有する。前ハンドル24は、ドライブシャフト13の前方、且つ、エンジンカバー2の下方に配置される。前ハンドル24は、ブラケット18に取り付けられている。前ハンドル24は、クランプ22の上方に配置される。前ハンドル24は、エンジンカバー2の下縁201よりも下方に配置される。
【0019】
側面視において、前ハンドル24と後ハンドル25とを結ぶ直線L1は、ドライブシャフト13の軸線に対して傾斜している。後ハンドル25は、アッパーケース5の鉛直方向における中央付近に設けられる。船外機1の底部からの後ハンドル25の高さH1は、700mm以下である。すなわち、スケグ17の下端部からの後ハンドル25の高さH1は、700mm以下である。船外機1の底部からの後ハンドル25の高さH1は、600mm以下であってもよい。
【0020】
図2は、ブラケット18及びその周囲の構造を示す斜視図である。図3は、前ハンドル24の斜視図である。図2に示すように、ブラケット18は、第1ブラケット部材26と第2ブラケット部材27とを有する。第1ブラケット部材26と第2ブラケット部材27とは左右に間隔をおいて配置される。前ハンドル24は、第1ブラケット部材26と第2ブラケット部材27との間に配置されている。
【0021】
図3に示すように、前ハンドル24はU字型に屈曲した形状を有する。前ハンドル24は、把持部241と第1連結部242と第2連結部243とを有する。第1連結部242と第2連結部243とは、把持部241の左右の端部に接続されている。第1連結部242の端部にはボス部244が設けられている。第2連結部243の端部には孔245が設けられている。図2に示すように、第1ブラケット部材26の内側面には、円形の凹部261が設けられている。ボス部244は、凹部261に挿入される。孔245には、図2に示すボルト28が通される。ボルト28は、第2ブラケット部材27の内側面に固定される。これにより、前ハンドル24がブラケット18に固定される。
【0022】
図1に示すように、後ハンドル25は、ドライブシャフト13の後方、且つ、エンジンカバー2の下方に配置される。後ハンドル25は、前ハンドル24よりも低い位置に配置される。
【0023】
図4は、アッパーケース5及びその周囲の構造を示す斜視図である。図4に示すように、船外機1は、アイドリング排気口31を有する。アイドリング排気口31を通って、アイドリング回転時のエンジン3からの排気ガスが大気中に排出される。アイドリング排気口31は、アッパーケース5を通って外部に開放されている。後ハンドル25は、アイドリング排気口31よりも下方に配置される。
【0024】
図4に示すように、アッパーケース5は、左エプロン32と右エプロン33とアッパーケース下部34とを有する。左エプロン32と右エプロン33とアッパーケース下部34とは互いに別体である。左エプロン32と右エプロン33とアッパーケース下部34とはアッパーケース下部34の上方に配置される。アイドリング排気口31は、左エプロン32と右エプロン33とによって形成される開口35を通って外部に露出している。
【0025】
左エプロン32と右エプロン33との下縁部には、上方に向かって凹んだ凹部36が設けられている。後ハンドル25は、凹部36に配置されている。後ハンドル25は、アッパーケース下部34と左右のエプロン32,33との間に配置されている。
【0026】
図5は、アッパーケース5の内部の構造を示す断面図である。図5に示すように、アッパーケース5内には、オイルパン41とチャンバー42とが配置されている。図1に示すように、オイルパン41は、エンジン3の下方に配置される。チャンバー42及びオイルパン41は、エンジンカバー2の下方に配置される。チャンバー42は、オイルパン41の後方に配置される。チャンバー42は、オイルパン41に取り付けられている。上述したアイドリング排気口31は、チャンバー42に接続されており。チャンバー42から後方へ突出している。チャンバー42にはエンジン3からの排気が通る。
【0027】
チャンバー42は、後ハンドル25よりも高い剛性を有する。チャンバー42は、左右のエプロン32,33よりも高い剛性を有する。例えば、チャンバー42はアルミ合金等の金属製である。後ハンドル25及び左右のエプロン32,33は樹脂製である。ただし、後ハンドル25は、樹脂製に限らずチャンバー42よりも剛性の低い金属製であってもよい。左右のエプロン32,33は、樹脂製に限らずチャンバー42よりも剛性の低い金属製であってもよい。
【0028】
後ハンドル25よりも高い剛性を有するチャンバー42に後ハンドル25が取り付けられることにより、後ハンドル25を強固に取り付けることができる。また、チャンバー42は、オイルパン41よりも低温である。従って、後ハンドル25がオイルパン41に取り付けられる場合と比べて、熱膨張による取り付けの緩みが生じ難い。
【0029】
図6は、チャンバー42の斜視図である。図6に示すように、チャンバー42の底部には、支持部43が設けられている。後ハンドル25は、チャンバー42の支持部43に取り付けられる。支持部43は、第1ボス部44と第2ボス部45とを含む。第1ボス部44にはボルト孔441が設けられている。第2ボス部45にはボルト孔451が設けられている。後ハンドル25は、ボルトによって支持部43に固定される。
【0030】
図7及び図8は、後ハンドル25の斜視図である。図9は、後ハンドル25の断面図である。図9に示すように、後ハンドル25は、上方へ向かって凹んだ凹部51を有する。図7及び図8に示すように、後ハンドル25は、壁部52と把持部53とを有する。凹部51は壁部52と把持部53とによって形成される。壁部52は、凹部51内の空間の前方を覆う。壁部52は、把持部53の下端部よりも下方の位置まで延びている。図5に示すように、壁部52の下端部は、アッパーケース下部34と重なるように配置される。
【0031】
把持部53は、壁部52の後方に配置される。把持部53は、上面部54と側面部55とを有する。上面部54は、凹部51内の空間の上方を覆う。上面部54は、前後方向よりも左右方向に長い形状を有する。側面部55は、凹部51内の空間の後方と左右の側方とを覆う。図8に示すように、上面部54には孔541,542が設けられている。孔541,542は、上面部54を上下方向に貫通している。
【0032】
図5に示すように、上面部54は、チャンバー42の支持部43の下方に配置される。図10は、後ハンドル25及びその周囲の構造を下方から見た図である。図5及び図10に示すように、上面部54は、ボルト48,49によって支持部43に固定される。ボルト48,49は、上述した上面部54の孔541,542と、支持部43のボルト孔441,451に通される。
【0033】
後ハンドル25は、エプロン取付部56を有する。エプロン取付部56は、把持部53から上方に突出している。エプロン取付部56は、上面部54よりも後方に位置する。エプロン取付部56には、孔561,562が設けられている。孔561,562は、エプロン取付部56を前後方向に貫通している。
【0034】
図10に示すように、左エプロン32には孔321が設けられている。右エプロン33には孔322が設けられている。図4に示すように、左右のエプロン32,33は、エプロン取付部56にボルト46,47によって固定される。ボルト46は、右エプロン33の孔322とエプロン取付部56の孔561に通される。ボルト47は、左エプロン32の孔321とエプロン取付部56の孔562に通される。
【0035】
図6に示すように、チャンバー42の後面は、傾斜面421と段部422とを有する。傾斜面421はアイドリング排気口31の下方に配置される。図5に示すように、傾斜面421は、左右のエプロン32,33の内面に沿って配置される。段部422は、傾斜面421よりも前方に配置されている。後ハンドル25のエプロン取付部56は、エプロン32,33と段部422との間に配置される。
【0036】
なお、図1に示す前ハンドル24と後ハンドル25とを結ぶ直線L1は、前ハンドル24の把持部241の下端部と後ハンドル25の把持部53の下端部とを結ぶ線である。ただし、前ハンドル24と後ハンドル25とを結ぶ直線L1は、前ハンドル24の取付位置と後ハンドル25の取付位置とを結ぶ線であってもよい。或いは、前ハンドル24と後ハンドル25とを結ぶ直線L1は、前ハンドル24の他の部分と後ハンドル25の他の部分とを結ぶ線であってもよい。
【0037】
船外機1の底部からの後ハンドル25の高さH1とは、船外機1の底部から後ハンドル25の把持部53の下端部までの高さを意味する。ただし、船外機1の底部からの後ハンドル25の高さH1は、船外機1の底部から後ハンドル25の取付位置までの高さであってもよい。或いは、船外機1の底部からの後ハンドル25の高さH1は、船外機1の底部から後ハンドル25の他の部分までの高さであってもよい。
【0038】
以上説明した本実施形態に係る船外機1では、後ハンドル25は、前ハンドル24よりも低い位置に配置される。従って、後ハンドル25が低い位置に配置される場合と比べて、船外機1を運搬する際に、運搬者は、肘を伸ばした姿勢で船外機1を持つことができ、力を入れやすい。このため、船外機1を容易に持ち運ぶことができる。
【0039】
また、船外機1をチルトアップした状態で船体から取り外すときに、後ハンドル25を握って船外機1を持ち上げることができるため、船外機1を容易に船体から取り外すことができる。
【0040】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0041】
船外機1は、上記の実施形態にかかる後ハンドル25と異なる高さ位置に配置される第2後ハンドル57をさらに備えてもよい。この場合、船外機1の運搬姿勢の自由度を増やすことができる。図11は第1変形例に係る船外機1を示す側面図である。図11に示すように、第2後ハンドル57は、後ハンドル25よりも上方に配置されてもよい。第2後ハンドル57は、前ハンドル24と同じ高さに配置されてもよい。
【0042】
前ハンドル24の位置及び構造は、上記の実施形態の位置及び構造に限らず変更されてもよい。後ハンドル25の位置及び構造は、上記の実施形態の位置及び構造に限らず、変更されてもよい。
【0043】
例えば、後ハンドル25は、ロワーケース6に設けられてもよい。図12は、第2変形例に係る船外機1の一部を示す斜視図である。図12に示すように、後ハンドル25は、ロワーケース6のキャビテーションプレート16に設けられてもよい。後ハンドル25は、キャビテーションプレート16に設けられた貫通孔161,162によって構成される。この場合、図12に示すように、左右一対の貫通孔161,162がキャビテーションプレート16に設けられてもよい。また、上記の実施形態の後ハンドル25と共に、キャビテーションプレート16に貫通孔161,162が第2後ハンドルとして設けられてもよい。
【0044】
上記の実施形態では、アイドリング排気口31は、アッパーケース5を通って外部に開放されている。しかし、アイドリング排気口31の位置は、アッパーケース5に限らず、変更されてもよい。例えば、アイドリング排気口31は、エンジンカバー2を通って外部に開放されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明によれば、持ち運びの容易な船外機を提供することができる。
【符号の説明】
【0046】
3 エンジン
2 エンジンカバー
13 ドライブシャフト
5 アッパーケース
14 プロペラシャフト
6 ロワーケース
24 前ハンドル
25 後ハンドル
31 アイドリング排気口
16 キャビテーションプレート
57 第2後ハンドル
43 支持部
42 チャンバー
17 スケグ
12 プロペラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12