(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。以下の説明において、カテーテルの手元側を「基端側」、生体内へ挿入される側を「先端側」と称す。
【0015】
本実施形態に係るカテーテル1は、心臓や脳などの末梢血管まで到達させて、薬剤や造影剤を投与、注入するなどの処置や診断に用いられるマイクロカテーテルである。
【0016】
カテーテル1は、
図1〜3に示すように、カテーテル本体2と、カテーテル本体2の先端側に設けられた柔軟性に富むソフトチップ3と、カテーテル本体2の基端側に設けられたハブ4と、カテーテル本体2とハブ4とが連結されている部分に被せられる耐キンクプロテクタ5とを備えている。
【0017】
カテーテル本体2は、可撓性を有する管状体であり、そのほぼ中心部には、カテーテル本体2の全長にわたって、ルーメン21(内腔)が形成されている。ルーメン21は、ソフトチップ3の先端の先端開口部31で開放している。カテーテル本体2の内径は、例えば0.25〜2.00mmであるが、特に限定されない。カテーテル本体2の外径は、例えば0.57〜2.33mmであるが、特に限定されない。
【0018】
カテーテル本体2は、ルーメン21内にて内表面を形成する内層22と、外表面を形成する外層23と、内層22および外層23の間に配置される補強体6とを備えている。
【0019】
外層23の構成材料は、適度な柔軟性を有する合成樹脂により構成され得る。外層23の構成材料としては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、あるいはこれら二種以上の混合物等)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、フッ素系樹脂等の高分子材料あるいはこれらの混合物が挙げられる。
【0020】
内層22の構成材料は、適度な柔軟性を有する合成樹脂により構成され得る。内層22は、低摩擦材料により構成されてもよい。そのような低摩擦材料としては、ポリアミド、ポリエーテルポリアミド、ポリエステルポリアミド、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリウレタン、軟質ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、AS樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂等の各種樹脂材料が挙げられる。
【0021】
補強体6は、密着する内層22および外層23の間に挟まれて、カテーテル本体2を補強するものであり、複数の線材により構成されている。なお、補強体6については、後に詳述する。
【0022】
カテーテル本体2を構成する層の数や各層の構成材料、補強体6の有無等は、カテーテル本体2の長手方向に沿って異なっていてもよい。例えば、カテーテル本体2の先端側の部分は、より柔軟性を持たせるために、層の数を減らしたり、より柔軟な材料を用いたり、当該部分にのみ補強体6を配置しなかったりすることができる。
【0023】
ソフトチップ3は、柔軟性に富む材料で構成されており、その先端が好ましくは丸みを帯びた形状をなしている。このようなソフトチップ3を設けることにより、湾曲、屈曲、分岐した血管内でも、円滑かつ安全に走行させることができる。ソフトチップ3の構成材料としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の各種ゴム材料や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0024】
ハブ4は、カテーテル本体2の基端部に連結されている。ハブ4の基端部には、ルーメン21と連通して開口するポート部41が形成されている。ポート部41からは、例えば、ガイドワイヤー、カテーテル類(例えば、PTCA用のバルーンカテーテル、ステント搬送用カテーテル)、内視鏡、超音波プローブ、温度センサー等の長尺物(線状体)を挿入または抜去したり、造影剤、薬液、生理食塩水等の各種液体を注入することができる。また、ポート部41は、例えば、Y型分岐コネクタ等、他の器具と接続することもできる。
【0025】
耐キンクプロテクタ5は、弾性材料により形成され、カテーテル本体2とハブ4とを連結している部分に被せられることで、当該部分の付近での折れ曲がり(キンク)を防止する役割を果たす。
次に、補強体6について詳述する。
【0026】
補強体6は、
図2〜5に示すように、複数の線材によりメッシュ状に編組された編組部7と、螺旋状に巻回されるコイル部8とを備えている。コイル部8は、第1のコイル部81と、第2のコイル部82とを備えている。なお、
図3において、コイル部8は、2つの異なる螺旋状のコイル部材で第1のコイル部81と第2のコイル部82を構成しているが、これに限定されない。例えば、コイル部8は、コイル部8と編組部7との固定位置を調整することで、1つのコイル部材に第1のコイル部81と第2のコイル部82を設けてもよい。
【0027】
編組部7は、カテーテル本体2の先端部に配置される編組先端部71と、カテーテル本体2の中央部に配置される編組中央部72と、カテーテル本体2の基端部に配置される編組基端部73とを備えている。編組先端部71は、線材のピッチ(同一の線材が螺旋状に一周(360度)巻かれる間の軸心方向への長さ)が編組中央部72よりも短い。また、編組中央部72は、線材のピッチが編組基端部73よりも短い。なお、カテーテル本体2は、線材のピッチが短い部位ほど柔軟になる。このため、編組部7は、先端側ほど剛性が減少して柔軟な構造となっている。このような傾斜物性を備える編組部7を設けたカテーテル本体2は、先端側ほど剛性が減少し、先端部に柔軟性(フレキシビリティ)を付与しつつ、基端部に高い押し込み性(プッシャビリティ)を付与することができる。なお、本発明では、コイル部8によりカテーテル本体2の柔軟性を調整できるため、編組部7は、線材のピッチが編組先端部71、編組中央部72、及び編組基端部73で同じであってもよい。
【0028】
編組部7の線材の直径は、5〜50μmであることが好ましいが、これに限定されない。編組部7の線材のピッチは、100〜1500μmであることが好ましいが、これに限定されない。
【0029】
編組部7を構成する線材の構成材料は、金属線材や樹脂線材を適用できる。金属線材としては、例えば、ステンレス、銅、タングステン、ニッケル、チタン、ピアノ線、Ni−Ti合金、Ni−Ti−Co合金、Ni−Al合金、Cu−Zn合金、Cu−Zn−X合金(例えば、X=Be、Si、Sn、Al、Ga)のような超弾性合金、アモルファス合金等の各種金属素線が適用できる。樹脂線材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチレンテレフタレートのようなポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、熱可塑性ポリウレタン、ポリカーボネート、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリオキシメチレン、高張力ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−酢酸ビニルケン化物、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド、ケブラーに代表される芳香族ポリアラミドなど、これらのうちのいずれかを含むポリマーアロイ、カーボンファイバー、グラスファイバーが適用できる。また、金属線材および樹脂線材は、編組の線材として単独で用いてもよく、または集合体(例えば、線材を撚ったものや束ねたもの、さらには並列したもの)として用いてもよい。また、金属線材および樹脂線材を組み合わせて用いてもよい。
【0030】
第1のコイル部81および第2のコイル部81は、カテーテル本体2に対して、手元部(基端部)で発生する回転力を先端部へ伝達させるトルク伝達性を付与できる部材である。
【0031】
第1のコイル部81は、線材が螺旋状に巻回されて形成されており、外力が作用していない自然状態から軸心方向に沿って弾性的に延伸された状態で、編組部7の先端部に固定されている。第1のコイル部81は、編組部7に対して、先端側の第1先端固定部83で固定され、かつ基端側の第1基端固定部84で固定されている。第1のコイル部81は、常に収縮しようとする復元力が作用しており、この復元力により、編組部7の先端部にも、軸心方向に沿って収縮しようとする力が作用している。このため、カテーテル本体2が曲げられる際に、第1のコイル部81から曲がろうとする力が編組部7に作用し、カテーテル本体2の先端部の柔軟性が増加する。第1先端固定部83は、第1のコイル部81の先端部において周方向に複数設けられ、第1基端固定部84は、第1のコイル部81の基端部において周方向に複数設けられる。これにより、編組部7が第1のコイル部81から収縮力を受ける位置が周方向に偏らずに分散され、カテーテル本体2の意図しない曲がりの発生を抑制できる。そして、第1先端固定部83および第1基端固定部84は、編組部7に作用する収縮力が周方向に偏らないように、軸心方向に重ならない位置に設けられること、すなわち、第1先端固定部83および第1基端固定部84を結ぶ線がカテーテル本体2の軸心方向と平行とならないことが好ましい。第1先端固定部83および第1基端固定部84における固定は、接着剤、溶接、ろう付け等により固定される。
【0032】
第2のコイル部82は、線材が螺旋状に巻回されて形成されており、外力が作用していない自然状態から軸心方向に沿って弾性的に収縮された状態で、編組部7の基端部に固定されている。第2のコイル部82は、編組部7に対して、先端側の第2先端固定部85で固定され、基端側の第2基端固定部86で固定されている。第2のコイル部82は、常に延伸しようとする復元力が作用しており、この復元力により、編組部7の基端部にも、軸心方向に沿って延伸しようとする力が作用している。このため、カテーテル本体2が曲げられる際に、第2のコイル部82から直線状に戻ろうとする力が編組部7に作用し、カテーテル本体2の基端部の剛性が増加する。第2先端固定部85は、第2のコイル部82の先端部において周方向に複数設けられ、第2基端固定部86は、第2のコイル部82の基端部において周方向に複数設けられる。これにより、編組部7の第2のコイル部82から延伸力を受ける位置が周方向に偏らずに分散され、カテーテル本体2の意図しない曲がりの発生を抑制できる。そして、第2先端固定部85および第2基端固定部86は、編組部7に作用する延伸力が周方向に偏らないように、軸心方向に重ならない位置に設けられること、すなわち、第2先端固定部85および第2基端固定部86を結ぶ線がカテーテル本体2の軸心方向と平行とならないことが好ましい。第1先端固定部83および第1基端固定部84における固定は、接着剤、溶接、ろう付け等により固定される。
【0033】
コイル部8の構成材料は、弾性的に変形可能な材料であれば特に限定されないが、前述した編組部7の線材に適用可能な材料を適用できる。そのなかでも、特に、Ni−Ti合金、Ni−Ti−Co合金、Ni−Al合金、Cu−Zn合金、Cu−Zn−X合金(例えば、X=Be、Si、Sn、Al、Ga)のような超弾性合金を好適に適用できる。コイル部8は、その横断面形状が円形のものである場合、直径が10〜100μm程度のものが好ましいが、これに限定されない。なお、コイル部8の横断面形状は、円形に限定されず、楕円や角形であってもよい。
【0034】
補強体6は、編組部7に第1のコイル部81および第2のコイル部82を接合した後に、内層22の外周面に配置される。この後、内層22および補強体6の外側に外層23を形成することで、補強体6が、内層22および外層23の間に挟まれた構成となる。なお、内層22の外周面に編組部7を配置した後、その編組部7に第1のコイル部81および第2のコイル部82を接合することで、内層22の外周面に補強体6を形成してもよい。このような場合も、内層22の外周面6に補強体を形成した状態で、内層22および補強体6の外側に外層23を形成することで、補強体6が、内層22および外層23の間に挟まれた構成となる。
【0035】
なお、補強体6は、編組部7の上に1つのコイル部8を配置した後、コイル部8の一部を外力が作用していない自然状態から軸心方向に沿って弾性的に延伸された状態で編組部7に接合することで第1のコイル部81を形成し、第1のコイル部81とは異なるコイル部8の一部を外力が作用していない自然状態から軸心方向に沿って弾性的に収縮させた状態で編組部7に接合することで第2のコイル部82を形成することで構成してもよい。
【0036】
次に、本実施形態に係るカテーテル1の作用を説明する。
【0037】
カテーテル1は、傾斜物性を備えて先端方向へ剛性が減少する編組部7を備えることで、先端部の高い柔軟性と、基端部の高い押し込み性を両立している。さらに、カテーテル1は、編組部7の先端部に第1のコイル部81が固定されているため、カテーテル本体2の先端部において、トルク伝達性が高い。さらに、第1のコイル部81が弾性的に延伸した状態で編組部7の先端部に固定されているため、第1のコイル部81の収縮しようとする復元力が編組部7に作用している。このため、カテーテル本体2が曲げられる際に、編組部7に対して第1のコイル部81から曲がろうとする力が作用し、カテーテル1の先端部の柔軟性が増加する。このように、カテーテル1の先端部に、トルク伝達性を高めるために第1のコイル部81を設けても、第1のコイル部81の復元力が作用することで、先端部の柔軟性が阻害されないため、高い押し込み性および柔軟性に加えて、高いトルク伝達性をも両立できる。
【0038】
そして、カテーテル1の基端部では、編組部7の基端部に第2のコイル部82が設けられているため、カテーテル本体2の基端部において、トルク伝達性が高い。さらに、第2のコイル部82が、弾性的に収縮した状態で編組部7の基端部に固定されているため、第2のコイル部82の延伸しようとする復元力が編組部7に作用している。このため、カテーテル本体2が曲げられる際に、編組部7に対して第2のコイル部82から直線状に戻ろうとする力が作用し、カテーテル1の基端部の剛性が増加する。これにより、カテーテル1の基端部において、トルク伝達性および押し込み性を効果的に増加させることができる。
【0039】
そして、第1のコイル部81および第2のコイル部82は、編組部7の外側に配置されているため、第1のコイル部81および第2のコイル部82の動作が編組部7により阻害されず、第1のコイル部81および第2のコイル部82の復元力を効果的に発生させて、編組部7に作用させることができる。また、第1のコイル部81および第2のコイル部82は、編組部7の外側に配置されることで、編組部7の内側に配置される場合と比較して、カテーテル本体2の横断面において径方向外側に位置することになる。補強体からカテーテルに作用する力は、中心部側よりも径方向の外側で作用する力の方が、曲りに対して影響力が大きいと考えられる。そのため、コイル部8は、第1のコイル部81において発生する曲がろうとする力や、第2のコイル部82において発生する直線状に戻ろうとする力を、カテーテル本体2に対して最大限に作用させることができる。
【0040】
以上のように、本実施形態に係るカテーテル1は、内層22と、内層22の外表面側に配置される外層23と、内層22および外層23の間に挟まれる補強体6と、を有し、補強体6は、2以上の線材により管状に形成される編組部7と、自然状態から弾性的に変形した状態で編組部7に固定されたコイル部8と、を有する。上記のように構成したカテーテル1は、コイル部8の元の形状に戻ろうとする復元力を編組部7に作用させることで、補強体6の編組部7の柔軟性を調節することができる。
【0041】
また、コイル部8の少なくとも一部は、収縮または延伸した状態で編組部7に固定される。コイル部8が、収縮した状態で編組部7に固定される場合には、コイル部8に延伸しようとする復元力常に作用しているため、カテーテル1が曲げられた際にコイル部8の復元力により編組部7に直線状に戻ろうとする力が作用し、剛性が増加する。また、コイル部8が、延伸した状態で編組部7に固定される場合には、コイル部8に収縮しようとする復元力が常に作用しているため、カテーテル1が曲げられた際にコイル部8の復元力により編組部7に曲がろうとする力が作用し、柔軟性が増加する。
【0042】
また、コイル部8は、編組部7の外周面を囲むように配置されるため、コイル部8の動作が編組部7により阻害されず、コイル部8の復元力を効果的に発生させることができる。
【0043】
また、コイル部8は、延伸した状態で編組部7の先端側に固定された第1のコイル部81を有するため、第1のコイル部81が設けられる編組部7の先端側の位置で、トルク伝達性が増加するとともに柔軟性が増加し、曲がりくねった管腔への到達性が向上する。
【0044】
また、コイル部8は、収縮した状態で編組部7の基端側に固定された第2のコイル部82を有するため、第
2のコイル部8
2が設けられる編組部7の基端側の位置では、トルク伝達性および押し込み力を効果的に増加させることができる。
【0045】
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、本実施形態では、コイル部8は、第1のコイル部81と第2のコイル部82の2つが設けられているが、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。また、コイル部が複数のコイル部材で形成されている場合、複数設けられるコイル部は、剛性(バネ定数)が異なってもよい。多様な剛性のコイル部を複数配置することで、多様な形態のカテーテルを製造可能となる。
【0046】
また、カテーテルの用途は、生体管腔内へ挿入されて使用されるものであれば、特に限定されない。生体管腔は、血管に限定されず、例えば、脈管、尿管、胆管、卵管、肝管等であってもよい。
【0047】
また、カテーテル本体の内層および外層は、同一の材料により一体的に形成されてもよい。
【0048】
また、本実施形態における編組部7は、線材のピッチが先端方向へ向かって変化することで、剛性が減少する傾斜物性を備えているが、線材のピッチを一定として、傾斜物性を備えなくてもよい。
【0049】
また、カテーテル本体2は、少なくとも一部が湾曲していてもよい。湾曲していることで、カテーテル1の用途に応じて、挿入する部位に適した形状とすることができ、または、目的部位に係合(エンゲージ)しやすくすることができる。
【0050】
また、
図6に示すコイル部の変形例のように、第1のコイル91の両端に、環状に360度巻回する環状部93が形成され、第2のコイル92の両端に、環状に360度巻回する環状部94が形成されてもよい。なお、前述の実施形態と共通する機能を有する部位には、同一の符号を付し、説明を省略する。そして、第1環状部93および第2環状部94の編組部7と接触する部位のできるだけ広い範囲を、編組部7に接合する。このようにすれば、第1のコイル91の収縮力が、周方向に偏らずに確実に分散されて編組部7に伝達され、かつ第2のコイル92の延伸力が、周方向に偏らずに確実に分散されて編組部7に伝達され、カテーテル本体2の意図しない曲がりの発生をより確実に抑制できる。