(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記領域設定部は、前記着色領域より内方に、前記各線分に関連付けられた属性情報に基づく色が付加されない非着色領域を設定する、請求項1に記載のスライスモデル生成装置。
前記色付加部が前記複数の着色領域に対して前記各線分に関連付けられた属性情報に基づく色をピクセル単位で付加し、かつ、前記各線分を含む各ピクセルに色を付加するとき、
前記領域設定部は、前記各ピクセル内かつ前記領域の外部に位置する複数の外部領域を設定し、
前記色付加部は、前記複数の外部領域に対して前記各線分に関連付けられた属性情報に基づく色を付加する、請求項1または2に記載のスライスモデル生成装置。
前記各線分のうち第1の線分に関連付けられた第1の属性情報に基づく第1の色が付加されるピクセルに、前記各線分のうち第2の線分に関連付けられた第2の属性情報に基づく第2の色が付加される場合、前記色付加部は、前記第1の色と前記第2の色との中間色を前記ピクセルに付加する、請求項3に記載のスライスモデル生成装置。
前記色付加部は、前記各線分のいずれか一つの線分に関連付けられた属性情報に基づく色が付加されるピクセルには、前記各線分の他のいずれか一つの線分に関連付けられた属性情報に基づく色を付加しない、請求項3に記載のスライスモデル生成装置。
前記領域が前記3次元モデルを所定の間隔でスライスするときのスライス面と重なる面であるとき、前記色付加部は、前記各線分に関連付けられた属性情報に基づく色を用いて前記領域の全体を塗りつぶす、請求項1から5のいずれか一項に記載のスライスモデル生成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は、コンピュータプログラムにおいて、STLデータから3次元モデルを読み込み、3次元モデルを所定の間隔でスライスし、スライス面(法線ベクトルがZ軸に平行な平面)と3次元モデルとの交差点を求めていた。求められた交差点を繋ぐことによって、複数の線分から構成される輪郭ポリラインが生成されていた。その後、生成された輪郭ポリラインを出力用の画像座標系に変換し、スキャンコンバージョンを用いて輪郭ポリラインによって囲われた領域内部を白、外部を黒で塗りつぶすことによってスライスモデルを生成していた。
【0005】
ところで、従来のスライスモデルの生成方法では、生成の過程において輪郭ポリラインに座標の情報しか関連付けられておらず、色情報等の属性情報は考慮されていなかった。このため、フルカラーで描写されたスライスモデルを生成することができなかった。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、造形する3次元造形物の3次元モデルを所定の間隔でスライスしたスライスモデルにおいて、フルカラーのスライスモデルのデータを生成することが可能なスライスモデル生成装置および3次元造形システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るスライスモデル生成装置は、造形する3次元造形物の3次元モデルを所定の間隔でスライスした断面を表すスライスモデルを生成するスライスモデル生成装置であって、少なくとも色情報を含む属性情報を備えた3次元モデルを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記3次元モデルを所定の間隔でスライスし、複数の線分から構成される輪郭ポリラインを生成する生成部と、前記各線分に前記3次元モデルの属性情報を関連付ける情報付加部と、前記属性情報が関連付けられた前記輪郭ポリラインを画像座標系に変換する変換部と、前記変換された輪郭ポリラインに囲われた領域において、前記各線分に隣接する複数の着色領域を設定する領域設定部と、前記複数の着色領域に対して前記各線分に関連付けられた属性情報に基づく色を付加して、スライスモデルを生成する色付加部と、を備えている。
【0008】
本発明のスライスモデル生成装置によれば、色情報等を含む属性情報を備えた3次元モデルから、色が付加されたフルカラーのスライスモデルを生成することができる。即ち、スライスモデル生成装置は、3次元モデルを構成する各三角形の面の法線ベクトルおよび各三角形の3つの頂点の座標値の情報に加えて色情報等の属性情報が付加された3次元モデルに基づいて、フルカラーのスライスモデルを生成することができる。また、別途用意した3次元造形装置において、生成されたフルカラーのスライスモデルを用い、例えば粉末材料にバインダを塗布し、該スライスモデルに沿った断面形状の粉末材料の層を順次積層することによって、フルカラーの3次元造形物を造形することができる。
【0009】
本発明の一態様によれば、前記領域設定部は、前記着色領域より内方に、前記各線分に関連付けられた属性情報に基づく色が付加されない非着色領域を設定する。
【0010】
上記態様によれば、輪郭ポリラインによって囲われた領域には、非着色領域が設定されている。このため、生成されたスライスモデルにおいて、該領域の内部の全てについては色が付加されない。これにより、造形する3次元造形物の3次元モデルが中空構造でない場合であっても、中空構造のスライスモデルが生成される。また、別途用意した3次元造形装置において、生成された中空構造のスライスモデルを用いることによって、3次元造形の際に使用する材料を削減することができる。
【0011】
本発明の一態様によれば、前記色付加部が前記複数の着色領域に対して前記各線分に関連付けられた属性情報に基づく色をピクセル単位で付加し、かつ、前記各線分を含む各ピクセルに色を付加するとき、前記領域設定部は、前記各ピクセル内かつ前記領域の外部に位置する複数の外部領域を設定し、前記色付加部は、前記複数の外部領域に対して前記各線分に関連付けられた属性情報に基づく色を付加する
【0012】
上記態様によれば、色情報等を含む属性情報を備えた3次元モデルから、色が付加されたフルカラーのスライスモデルをより確実に生成することができる。
【0013】
本発明の一態様によれば、前記各線分のうち第1の線分に関連付けられた第1の属性情報に基づく第1の色が付加されるピクセルに、前記各線分のうち第2の線分に関連付けられた第2の属性情報に基づく第2の色が付加される場合、前記色付加部は、前記第1の色と前記第2の色との中間色を前記ピクセルに付加する。
【0014】
上記態様によれば、付加された第1の色と第2の色との境界において色が滑らかに変化したスライスモデルが生成される。
【0015】
本発明の一態様によれば、前記色付加部は、前記各線分のいずれか一つの線分に関連付けられた属性情報に基づく色が付加されるピクセルには、前記各線分の他のいずれか一つの線分に関連付けられた属性情報に基づく色を付加しない。
【0016】
上記態様によれば、付加された色と色との境界が明確に表されたスライスモデルが生成される。
【0017】
本発明の一態様によれば、前記領域が前記3次元モデルを所定の間隔でスライスするときのスライス面と重なる面であるとき、前記色付加部は、前記各線分に関連付けられた属性情報に基づく色を用いて前記領域の全体を塗りつぶす。
【0018】
上記態様によれば、色情報等を含む属性情報を備えた3次元モデルから、色が付加されたフルカラーのスライスモデルをより確実に生成することができる。
【0019】
本発明の一態様によれば、前記属性情報は、さらに反射情報を含み、前記色付加部は、前記複数の着色領域に対して前記各線分に関連付けられた前記色情報と前記反射情報とに基づく色を付加する。
【0020】
上記態様によれば、色情報等を含む属性情報を備えた3次元モデルから、色および光沢が付加されたフルカラーのスライスモデルをより正確に生成することができる。
【0021】
本発明に係る3次元造形システムは、フルカラーの3次元造形物を造形する3次元造形装置と、上述したいずれかに記載のスライスモデル生成装置と、を備えている。
【0022】
上記態様によれば、上述したいずれかに記載されたスライスモデル生成装置を備えた3次元造形システムを提供することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、造形する3次元造形物の3次元モデルを所定の間隔でスライスしたスライスモデルにおいて、フルカラーのスライスモデルのデータを生成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るスライスモデル生成装置を備えた3次元造形システムについて説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
【0026】
図1は、本実施形態に係る3次元造形システム10の断面図である。
図2は、3次元造形システム10の平面図である。なお、図面中の符号F、Re、L、R、Up、Dnは、それぞれ前、後、左、右、上、下を示している。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、3次元造形システム10の設置態様を何ら限定するものではない。
【0027】
3次元造形システム10は、フルカラーの3次元造形物を造形するシステムである。
図1に示すように、3次元造形システム10は、3次元造形装置10Aと、スライスモデル生成装置100とを備えている。3次元造形装置10Aは、3次元造形物の断面形状を表すフルカラーのスライスモデルを用意し、粉末材料にバインダ(接着剤)を塗布し、粉末材料を硬化させて、フルカラーのスライスモデルに沿った断面形状の粉末材料の槽を順次積層することによって、フルカラーの3次元造形物を造形する装置である。なお、3次元造形装置10Aは、インクを吐出してフルカラーの3次元造形物を造形することができれば、粉末材料にバインダを塗布する態様に限定されない。ここで、「断面形状」とは、3次元造形物を所定の厚み(例えば、0.1mm)ごとにスライスしたときの断面の形状である。「粉末材料」としては、例えば、石膏、セラミックス、金属、プラスチック等が挙げられる。「接着剤」は、上記粉末材料同士を固着することが可能な材料であれば特に限定されない。3次元造形装置10Aは、造形部31と、粉末材料供給部41と、バインダ供給ヘッド12と、インクヘッド14と、制御装置16とを備えている。
【0028】
造形部31では、3次元造形物18が造形される。造形部31は、造形槽33と、造形テーブル32と、テーブル昇降装置34とを備えている。造形槽33において、造形テーブル32上に粉末材料層18Aが積層され、3次元造形物18が造形される。造形槽33内には、粉末材料供給部41から供給された粉末材料19が収容される。造形テーブル32は、造形槽33内を上下方向に移動する。造形テーブル32は、テーブル昇降装置34と接続している。テーブル昇降装置34は、造形テーブル32を上下方向に移動させる。造形テーブル32上に、1層の粉末材料層18Aが形成されると、テーブル昇降装置34は、造形テーブル32を下方に移動させる。
【0029】
粉末材料供給部41は、造形部31に粉末材料19を供給する。粉末材料供給部41は、粉末材料供給槽43と、粉末材料供給テーブル42と、テーブル昇降装置44と、粉末材料供給ローラ15と、を備えている。粉末材料供給槽43には、粉末材料19が収容される。粉末材料供給テーブル42は、粉末材料供給槽43内を上下方向に移動する。粉末材料供給テーブル42は、テーブル昇降装置44と接続している。テーブル昇降装置44は、粉末材料供給テーブル42を上下方向に移動させる。粉末材料供給槽43から造形槽33に粉末材料19が供給されると、テーブル昇降装置44は、粉末材料供給テーブル42を上方に移動させる。このとき、粉末材料供給テーブル42を上方に移動させるときの移動量は、造形テーブル32を下方に移動させるときの移動量と同じである。粉末材料供給ローラ15は、粉末材料供給槽43に収容された粉末材料19を、造形槽33内に供給する。粉末材料供給ローラ15は、図示しないモータにより粉末材料供給槽43上を左右方向に移動する。なお、
図1および
図2に示すように、粉末材料供給ローラ15が停止しているとき、粉末材料供給ローラ15は、粉末材料供給部41に設けられたローラ載置部45に位置する。粉末材料供給ローラ15が、ローラ載置部45から右方に移動することによって、粉末材料供給槽43内の粉末材料が造形槽33内に供給される。粉末材料供給ローラ15がローラ載置部45に戻った後、テーブル昇降装置44は、粉末材料供給テーブル42を上方に移動させる。
【0030】
バインダ供給ヘッド12は、造形槽33に供給された粉末材料19にバインダを塗布する。バインダ供給ヘッド12は、造形槽33に収容された粉末材料19のうち、フルカラーのスライスモデルに沿った断面形状に対応する領域にバインダを塗布する。バインダ供給ヘッド12は、バインダを吐出するノズル12Aを備えている。ノズル12Aは、図示しないバインダ収容タンクに接続されている。バインダ供給ヘッド12は、図示しない駆動装置に接続され、造形槽33上を前後方向および左右方向に移動可能に構成されている。
【0031】
インクヘッド14は、バインダが塗布された粉末材料19にインクを塗布する。インクヘッド14は、フルカラーのスライスモデルに基づいた色のインクをバインダが塗布された粉末材料19に塗布する。インクヘッド14は、インクを吐出するノズル14Aを備えている。ノズル14Aは、図示しない複数のインク収容タンクに接続されている。インクヘッド14は、図示しない駆動装置に接続され、造形槽33上を前後方向および左右方向に移動可能に構成されている。本実施形態では、バインダ供給ヘッド12とインクヘッド14とは一体に形成されているが、別体であってもよい。
【0032】
制御装置16は、バインダ供給ヘッド12、インクヘッド14、粉末材料供給ローラ15、テーブル昇降装置34、テーブル昇降装置44、および、スライスモデル生成装置100に接続されている。制御装置16は、テーブル昇降装置34を駆動することによって、造形テーブル32を上方または下方に移動させる。制御装置16は、テーブル昇降装置44を駆動することによって、粉末材料供給テーブル42を上方または下方に移動させる。制御装置16は、バインダ供給ヘッド12からのバインダの吐出およびバインダ供給ヘッド12の移動を制御する。制御装置16は、インクヘッド14からのインクの吐出およびインクヘッド14の移動を制御する。制御装置16は、粉末材料供給ローラ15の移動を制御する。制御装置16には、スライスモデル生成装置100からフルカラーのスライスモデルのデータが出力される。なお、制御装置16の構成は特に限定されない。例えば、制御装置16は、コンピュータであり、中央演算処理装置(以下、CPUという。)と、CPUが実行するプログラムなどを格納したROMと、RAMなどを備えていてもよい。
【0033】
以上、本実施形態に係る3次元造形装置10Aの構成について説明した。本実施形態に係るスライスモデル生成装置100では、造形する3次元造形物に対応した3次元モデルを用意する。ここでは、3次元モデルとは、ポリゴンメッシュモデルのことである。そして、3次元モデルを所定の間隔で水平方向にスライスすることによって、3次元造形物の断面形状に対応した2次元のスライスモデルを複数生成する。ただし、3次元モデルをスライスする方向は、水平方向に限定されず、例えば、垂直方向であってもよい。3次元造形装置10Aは、粉末材料19にバインダを塗布し、スライスモデルに沿った断面形状の粉末材料層18Aを順次積層することによって、3次元造形物18を造形する。
【0034】
スライスモデル生成装置100は、造形する3次元造形物の3次元モデルを所定の間隔でスライスした断面を表すフルカラーのスライスモデルを生成する。スライスモデル生成装置100は、3次元造形装置10Aと別体であってもよく、3次元造形装置10Aに内蔵されていてもよい。例えば、スライスモデル生成装置100は、コンピュータであり、CPUが実行するプログラムなどを格納したROMおよびRAMなどを備えていてもよい。ここでは、コンピュータ内に保存されたプログラムを使用して、フルカラーのスライスモデルを生成する。スライスモデル生成装置100は、3次元造形システム10のための専用のコンピュータであってもよく、汎用のコンピュータであってもよい。
【0035】
図3に示すように、スライスモデル生成装置100は、フルカラーのスライスモデルを生成する。まず、ステップS10では、複数の切断線分から構成される輪郭ポリラインが生成される。次に、ステップS20では、各切断線分に属性情報が関連付けられる。次に、ステップS30では、属性情報が関連付けられた輪郭ポリラインがビットマップ出力用の画像座標系に変換される。次に、ステップS40では、ビットマップ出力用の画像座標系に変換された輪郭ポリラインにおいて、走査線が設定される。次に、ステップS50では、輪郭ポリラインと、走査線とが交差する交差点が特定される。次に、ステップS60では、色が付加される領域が設定される。次に、ステップS70では、色が付加される領域に色が付加され、フルカラーのスライスモデルが生成される。
【0036】
図4に示すように、スライスモデル生成装置100は、記憶部50と、生成部52と、情報付加部54と、変換部56と、走査線設定部58と、交差点特定部60と、領域設定部62と、色付加部64とを備えている。
【0037】
記憶部50は、属性情報を備えた3次元モデルを記憶する。記憶部50は、造形する3次元造形物の3次元モデルを構成する各三角形の面の法線ベクトルと各三角形の3つの頂点の座標値とが記録されたSTLデータを記憶する。属性情報は、色情報および反射情報を含む。属性情報は、少なくとも色情報を含む。色情報は、RGB値で表される。反射情報は、拡散反射係数、環境反射係数および鏡面反射係数等で表される。
図5Aおよび
図5Bに示すように、記憶部50は、3次元モデル80の情報を公知の境界表現で管理する。即ち、頂点V
iは、(x
i,y
i,z
i)で表される3次元座標値を持つ。稜線E
iは、両端の頂点の情報を持つ。面F
iは、面を囲む3本の稜線の情報を持つ。なお、面の稜線の順序は、面の法線ベクトルの進行方向の右回りになるようにする。ここでは、例として四角錐の3次元モデル80を示している。
図5Cに示すように、記憶部50は、公知の境界表現で管理された3次元モデル80の情報に属性情報A
iが付加された3次元モデル80Aを記憶する。なお、
図5Cでは、説明の便宜上
図5Bに示す境界表現の一部についてのみ図示している。
図5Cに示す例では、面F
1、稜線E
1、E
2、E
5および頂点V
1、V
2、V
5には、それぞれ属性情報A
1が付加されている。記憶部50は、スライスモデル生成装置100と別体であってもよい。
【0038】
生成部52(
図4参照)は、記憶部50に記憶された3次元モデルを所定の間隔でスライスし、複数の切断線分から構成される輪郭ポリラインを生成する。具体的には、生成部52は、記憶部50に記憶されたSTLデータから3次元モデルの情報を読み込む。生成部52は、3次元モデルを任意のZ座標の平面(即ちスライス面)で切断し、そのときの輪郭形状である輪郭ポリラインを得る。即ち、3次元モデルの各稜線と、スライス面(法線ベクトルがZ軸に平行な平面)との交差点の座標を求める。交差点の座標は、各稜線と関連付けられる。ここで、輪郭ポリラインの進行方向は、3次元モデルをZ軸の上方から下方に見たときに、時計回り(右回り)となるように設定する。交差点の座標が関連付けられている一の稜線に着目し、一の稜線に接続する面に接続する他の一の稜線にも交差点の座標が関連付けられている場合、一の稜線の交差点と他の一の稜線の交差点とを繋いで1つの切断線分を得る。一の稜線の交差点と他の一の稜線の交差点とを繋ぐ方向は以下のように決定する。なお、生成部52は、
図3のステップS10の処理を行う。
【0039】
図6Aに示すように、第1の稜線E
1xの一方の端点V
1xと第2の稜線E
2xの一方の端点V
1xとが、スライス面SよりZ軸方向の上方において同じ座標である場合、第2の稜線E
2xの下向きのベクトルH
2xから第1の稜線E
1xの下向きのベクトルH
1xへ回転する方向R
1xが、第1の面F
1xの法線ベクトルN
1xと同じ向きとなるように、始点および終点を選ぶ。この場合、第1の稜線E
1xが始点側であり、第2の稜線E
2xが終点側である。これにより、第1の稜線E
1xとスライス面Sとの交差点P
1xおよび第2の稜線E
2xとスライス面Sとの交差点P
2xが得られる。そして、交差点P
1xと交差点P
2xとを繋いで1つの切断線分L
1xを得る。
【0040】
一方、
図6Bに示すように、第2の稜線E
2xの一方の端点V
2xと第3の稜線E
3xの一方の端点V
2xとが、スライス面SよりZ軸方向の下方において同じ座標である場合、第2の稜線E
2xの上向きのベクトルH
2から第3の稜線E
3の上向きのベクトルH
3へ回転する方向R
2xが、第2の面F
2xの法線ベクトルN
2xと同じ向きとなるように、始点および終点を選ぶ。この場合、第2の稜線E
2xが始点側であり、第3の稜線E
3xが終点側である。これにより、第2の稜線E
2xとスライス面Sとの交差点P
2xおよび第3の稜線E
3xとスライス面Sとの交差点P
3xが得られる。そして、交差点P
2xと交差点P
3xとを繋いで1つの切断線分L
2xを得る。これらの処理を、追跡を開始した交差点(例えば交差点P
1x)に戻るまで繰り返すことによって、複数の切断線分から構成される輪郭ポリラインが生成される。なお、
図6Cでは、説明の便宜上3つの切断線分L
1x〜L
3xから構成される輪郭ポリラインLを図示している。
【0041】
なお、
図6Dに示すように、記憶部50に記憶された3次元モデル80を所定の間隔でスライスし、複数の切断線分L
1z〜L
3zから構成される輪郭ポリラインLの内部の面F
zとスライス面Sとが重なる場合、生成部52は、輪郭ポリラインLを三角形パッチ単位で生成する。
図6A〜
図6Dでは、
図5Aとは異なる形態の3次元モデル80を示している。
【0042】
情報付加部54(
図4参照)は、生成された輪郭ポリラインの各切断線分に3次元モデルの属性情報を関連付ける。情報付加部54は、生成された輪郭ポリラインLの各切断線分L
iに各切断線分L
iを含む面F
iの属性情報A
iを関連づける。情報付加部54は、生成された輪郭ポリラインの各切断線分L
iに各切断線分L
iを含む面F
iの法線ベクトルN
iを関連づける。なお、
図6Cに示す例では、情報付加部54は、輪郭ポリラインLのうち、切断線分L
1xに属性情報A
1xと法線ベクトルN
1xとを関連付ける。情報付加部54は、輪郭ポリラインLのうち、切断線分L
2xに属性情報A
2xと法線ベクトルN
2xとを関連付ける。情報付加部54は、輪郭ポリラインLのうち、切断線分L
3xに属性情報A
3xと法線ベクトルN
3xとを関連付ける。また、
図6Dに示す例では、情報付加部54は、輪郭ポリラインLのうち、各切断線分L
1zからL
3zに面F
zの属性情報を関連付ける。なお、情報付加部54は、
図3のステップS20の処理を行う。
【0043】
変換部56(
図4参照)は、属性情報が関連付けられた輪郭ポリラインをビットマップ出力用の画像座標系に変換する。変換部56は、ワールド座標系で表された輪郭ポリラインの各交差点の座標値を、ビットマップ出力用の画像座標系で表された輪郭ポリラインの各交差点の座標値に変換する。
図7Aは、ワールド座標系を示している。
図7Bは、画像座標系を示している。ここで、ワールド座標値を(X
w,Y
w)とし、ワールド座標系から画像座標系へのスケーリング係数を(s
x,s
y)とし、画像座標原点の平行移動量を(t
x,t
y)とし、変換行列をHとすると、画像座標系での座標値(u,v)は下記の(1)式で求められる。なお、変換部56は、
図3のステップS30の処理を行う。
【0045】
ここで、ワールド座標系の幅をW[mm]、高さをH[mm]とし、ビットマップ出力用の画像座標系の幅をw
bmp、高さをh
bmpとしたとき、変換行列Hの各パラメータは下記の(2)式で表される。なお、w
bmpおよびh
bmpは、任意の画像サイズを設定できる。
【0047】
走査線設定部58(
図4参照)は、ビットマップ出力用の画像座標系に変換された輪郭ポリラインにおいて、輪郭ポリラインを構成する各切断線分と交差するように所定の方向に向かって走査させる縦方向の走査線および横方向の走査線を設定する。
図8に示す例では、走査線設定部58は、輪郭ポリラインL
cを構成する各切断線分L
c1〜L
c5と交差するように縦方向の走査線21VLおよび横方向の走査線21LLを設定する。ここでは、走査線21VLは、
図8の上から下へ向かう方向に延びる。走査線21LLは、
図8の左から右へ向かう方向に延びる。
図8において、1つの正方形のマスがビットマップ画像の1つのピクセルを表す。なお、
図8に示す例では、切断線分L
c1には、属性情報A
1と法線ベクトルN
1とが関連付けられている。切断線分L
c2には、属性情報A
2と法線ベクトルN
2とが関連付けられている。切断線分L
c3には、属性情報A
3と法線ベクトルN
3とが関連付けられている。切断線分L
c4には、属性情報A
4と法線ベクトルN
4とが関連付けられている。切断線分L
c5には、属性情報A
5と法線ベクトルN
5とが関連付けられている。なお、走査線設定部58は、
図3のステップS40の処理を行う。
【0048】
交差点特定部60(
図4参照)は、輪郭ポリラインと、縦方向の走査線および横方向の走査線とが交差する交差点を特定する処理を行う。
図8に示す例では、交差点特定部60は、輪郭ポリラインL
cと、走査線21VLおよび走査線21LLとが交差する交差点5A〜5AAを特定する処理を行う。即ち、交差点特定部60は、輪郭ポリラインL
cを構成する各切断線分L
c1〜L
c5と、走査線21VLおよび走査線21LLとが交差する交差点5A〜5AAを特定する処理を行う。なお、交差点特定部60は、
図3のステップS50の処理を行う。
【0049】
領域設定部62(
図4参照)は、変換部56によって変換された輪郭ポリラインによって囲まれた領域において、色が付加される領域である着色領域を設定する。
図9に示す例では、領域設定部62は、輪郭ポリラインL
cによって囲まれた領域Xにおいて、色が付加される領域である着色領域Q
iを設定する。着色領域Q
iは、各切断線分L
c1〜L
c5に隣接し、かつ、各切断線分L
c1〜L
c5に関連付けられた法線ベクトルN
1〜N
5の逆方向に位置する領域である。領域設定部62は、着色領域Q
iより内方に各切断線分L
c1〜L
c5に関連付けられた属性情報に基づく色が付加されない非着色領域B
iを設定してもよい。即ち、領域設定部62は、領域Xを着色領域Q
iと非着色領域B
iとに分けてもよい。なお、領域設定部62は、
図3のステップS60の処理を行う。
【0050】
領域設定部62は、色付加部64が着色領域Q
iに対して各切断線分L
c1〜L
c5に関連付けられた属性情報A
1〜A
5に基づく色をピクセル単位で付加し、かつ、各切断線分L
c1〜L
c5を含む各ピクセルG
iに色を付加するとき、各ピクセルG
i内かつ領域Xの外部に位置する外部領域M
iを設定する。なお、着色領域Q
iをピクセル単位で表す場合、着色領域Q
iの範囲は任意のピクセル数に設定できる。
【0051】
図10Aに示すように、領域設定部62は、切断線分L
cxと走査線21LLとが交差する交差点I
xを含む第1ピクセルG
1および第2ピクセルおよびG
2を基準にして、着色領域Q
1、Q
2および外部領域M
1、M
2を設定する。
【0052】
図10Bに示すように、領域設定部62は、第1ピクセルG
1において、第1ピクセルG
1を囲う各ピクセルへの各ベクトルPVを算出し、第1ピクセルG
1と重なる切断線分L
cxに関連付けられた法線ベクトルN
xとの内積値をそれぞれ算出する。それらの内積値のうち、−1に最も近くなるベクトルP
1V
1の方向が着色領域を設定する方向として決定される。
図10Cに示すように、例えば、着色領域の範囲を切断線分L
cxから1ピクセルに設定した場合には、第1ピクセルG
1のうち、切断線分L
cxからベクトルP
1V
1(
図10B参照)に向かう方向に位置する領域Q
1xが着色領域Q
1として設定される。着色領域Q
1は、斜線が引かれた領域である。また、第1ピクセルG
1のうち、切断線分L
cxから法線ベクトルN
xに向かう方向に位置する領域が外部領域M
1として設定される。なお、着色領域の範囲を切断線分L
cxから2ピクセルに設定した場合には、領域Q
1xおよび第3ピクセルG
3が着色領域として設定される。領域設定部62は、着色領域の範囲を切断線分L
cxから所定のピクセル(例えば、1ピクセル〜20ピクセル)に設定する。
【0053】
図10Dに示すように、領域設定部62は、第2ピクセルG
2において、第2ピクセルG
2を囲う各ピクセルへの各ベクトルPVを算出し、第2ピクセルG
2と重なる切断線分L
cxに関連付けられた法線ベクトルN
xとの内積値をそれぞれ算出する。それらの内積値のうち、−1に最も近くなるベクトルP
2V
2の方向が着色領域を設定する方向として決定される。
図10Eに示すように、例えば、着色領域の範囲を切断線分L
cxから1ピクセルに設定した場合には、第2ピクセルG
2のうち、切断線分L
cxからベクトルP
2V
2(
図10D参照)に向かう方向に位置する領域Q
2xが着色領域Q
2として設定される。着色領域Q
2は、斜線が引かれた領域である。また、第2ピクセルG
2のうち、切断線分L
cxから法線ベクトルN
xに向かう方向に位置する領域が外部領域M
2として設定される。なお、着色領域の範囲を切断線分L
cxから2ピクセルに設定した場合には、領域Q
2xおよび第4ピクセルG
4が着色領域として設定される。
【0054】
図11Aに示すように、領域設定部62は、切断線分L
cyと走査線21VLとが交差する交差点I
yを含む第5ピクセルG
5および第6ピクセルおよびG
6を基準にして、着色領域Q
5、Q
6および外部領域M
5、M
6を設定する。
【0055】
図11Bに示すように、領域設定部62は、第5ピクセルG
5において、第5ピクセルG
5を囲う各ピクセルへの各ベクトルPVを算出し、第5ピクセルG
5と重なる切断線分L
cyに関連付けられた法線ベクトルN
yとの内積値をそれぞれ算出する。それらの内積値のうち、−1に最も近くなるベクトルP
3V
3の方向が着色領域を設定する方向として決定される。
図11Cに示すように、例えば、着色領域の範囲を切断線分L
cyから1ピクセルに設定した場合には、第5ピクセルG
5のうち、切断線分L
cyからベクトルP
3V
3(
図11B参照)に向かう方向に位置する領域Q
5xが着色領域Q
5として設定される。着色領域Q
5は、斜線が引かれた領域である。また、第5ピクセルG
5のうち、切断線分L
cyから法線ベクトルN
yに向かう方向に位置する領域が外部領域M
5として設定される。なお、着色領域の範囲を切断線分L
cyから2ピクセルに設定した場合には、領域Q
5xおよび第7ピクセルG
7が着色領域として設定される。
【0056】
図11Dに示すように、領域設定部62は、第6ピクセルG
6において、第6ピクセルG
6を囲う各ピクセルへの各ベクトルPVを算出し、第6ピクセルG
6と重なる切断線分L
cyに関連付けられた法線ベクトルN
yとの内積値をそれぞれ算出する。それらの内積値のうち、−1に最も近くなるベクトルP
4V
4の方向が着色領域を設定する方向として決定される。
図11Eに示すように、例えば、着色領域の範囲を切断線分L
cyから1ピクセルに設定した場合には、第6ピクセルG
6のうち、切断線分L
cyからベクトルP
4V
4(
図11D参照)に向かう方向に位置する領域Q
6xが着色領域Q
6として設定される。着色領域Q
6は、斜線が引かれた領域である。また、第6ピクセルG
6のうち、切断線分L
cyから法線ベクトルN
yに向かう方向に位置する領域が外部領域M
6として設定される。なお、着色領域の範囲を切断線分L
cyから2ピクセルに設定した場合には、領域Q
6xおよび第8ピクセルG
8が着色領域として設定される。
【0057】
図12に示すように、切断線分L
czと走査線21VLおよび走査線21LLとが交差する交差点I
zについては、領域設定部62は、交差点I
zを含みかつ切断線分L
czと重なる第9ピクセルG
9および第10ピクセルG
10を基準にして、上記と同様の方法によって着色領域Q
9、Q
10および外部領域M
9、M
10を設定する。また、領域設定部62は、交差点I
zを含みかつ切断線分L
czと重ならない第11ピクセルG
11および第12ピクセルG
12について、交差点I
zから第11ピクセルG
11および第12ピクセルG
12への各ベクトルPVを算出し、切断線分L
czに関連付けられた法線ベクトルN
zとの内積値をそれぞれ算出する。それらの内積値のうち、−1に最も近くなるベクトルP
5V
5の方向が着色領域を設定する方向として決定される。着色領域の範囲を切断線分L
czから1ピクセルに設定した場合には、第11ピクセルG
11が着色領域Q
11として設定される。このとき、領域設定部62は、切断線分L
czから法線ベクトルN
zに向かう方向に位置する第12ピクセルG
12に外部領域を設定しない。
【0058】
図13に示すように、領域設定部62は、輪郭ポリラインL
cが三角形パッチ単位で生成された場合、輪郭ポリラインL
cで囲まれた領域Xおよび領域Xを含むピクセルGを着色領域Q
i(
図13の斜線部分)に設定する。
【0059】
色付加部64(
図4参照)は、変換された輪郭ポリラインに囲われた領域において、各切断線分に隣接する複数の着色領域に対して各切断線分に関連付けられた属性情報に基づく色を付加して、フルカラーのスライスモデルを生成する。
図10Cに示す例では、色付加部64は、切断線分L
cxに隣接する着色領域Q
1に対して切断線分L
cxに関連付けられた属性情報A
xに基づく色を付加する。
図9に示ように、色付加部64は、例えば、切断線分L
c1に隣接する着色領域Q
c1に対して切断線分L
c1に関連付けられた属性情報A
1に基づく色を付加する。
図9に示す例では、切断線分L
c1〜L
c5から1ピクセル内の領域に色を付加している。なお、色付加部64は、
図3のステップS70の処理を行う。
【0060】
色付加部64は、着色領域に対して各切断線分に関連付けられた属性情報に基づく色をピクセル単位で付加し、各切断線分を含む各ピクセルに色を付加する場合、各ピクセル内かつ領域の外部に位置する外部領域に対して各切断線分に関連付けられた属性情報に基づく色を付加する。
図10Cに示す例では、色付加部64は、外部領域M
1に対して切断線分L
cxに関連付けられた属性情報A
xに基づく色を付加する。
図9に示ように、色付加部64は、例えば、外部領域M
c1に対して切断線分L
c1に関連付けられた属性情報A
1に基づく色を付加する。
【0061】
各切断線分のうち第1の切断線分と第2の切断線分とが一つのピクセルに含まれる場合、該ピクセルには、第1の切断線分に関連付けられた第1の属性情報に基づく第1の色と、第2の切断線分に関連付けられた第2の属性情報に基づく第2の色とが付加される。色付加部64は、各切断線分のうち第1の切断線分に関連付けられた第1の属性情報に基づく第1の色が付加されるピクセルに、各切断線分のうち第2の切断線分に関連付けられた第2の属性情報に基づく第2の色が付加される場合、第1の色と第2の色との中間色をピクセルに付加する。
図9に示す例では、切断線分L
c1に関連付けられた属性情報A
1に基づく第1の色が付加されるピクセルG
c1に、切断線分L
c2に関連付けられた属性情報A
2に基づく第2の色が付加される場合、色付加部64は、第1の色と第2の色との中間色をピクセルG
c1に付加する。ピクセルG
c2には、第2の色と切断線分L
c3に関連付けられた属性情報A
3に基づく第3の色との中間色が付加される。ピクセルG
c3には、第3の色と切断線分L
c4に関連付けられた属性情報A
4に基づく第4の色との中間色が付加される。ピクセルG
c4には、第4の色と切断線分L
c5に関連付けられた属性情報A
5に基づく第5の色との中間色が付加される。ピクセルG
c5には、第5の色と第1の色との中間色が付加される。
【0062】
なお、色付加部64は、各切断線分のいずれか一つの切断線分に関連付けられた属性情報に基づく色が付加されるピクセルには、各切断線分の他のいずれか一つの切断線分に関連付けられた属性情報に基づく色を付加しないように構成されていてもよい。
図9に示す例では、切断線分L
c1に関連付けられた属性情報A
1に基づく第1の色が付加されるピクセルG
c1には、色付加部64は、第1の色を付加し、切断線分L
c2に関連付けられた属性情報A
2に基づく第2の色、または第1の色と第2の色との中間色を付加しないようにしてもよい。なお、色付加部64は、第2の色をピクセルG
c1に付加してもよい。
【0063】
色付加部64は、各切断線分に関連付けられた属性情報が色情報のみの場合、RGB値に対応する色を着色領域および/または外部領域に付加する。また、色付加部64は、各切断線分に関連付けられた属性情報が色情報に加えて反射情報を含む場合、公知のフォンの反射モデルに基づいて算出されたRGB値に対応する色を着色領域および/または外部領域に付加する。
【0064】
なお、
図13に示すように、色付加部64は、変換された輪郭ポリラインL
cに囲われた領域Xが3次元モデルを所定の間隔でスライスするときのスライス面S(
図6D参照)と重なる面であるとき(即ち、輪郭ポリラインが三角形パッチ単位で生成された場合)、各切断線分L
c1zからL
c3zに関連付けられた属性情報に基づく色を用いて領域Xの全体および領域Xを含むピクセルGを塗りつぶす。このとき、各切断線分L
c1zからL
c3zに関連付けられた属性情報は互いに同じである。
【0065】
以上のように、スライスモデル生成装置100によれば、色情報等を含む属性情報を備えた3次元モデルから、色が付加されたフルカラーのスライスモデルを生成することができる。即ち、スライスモデル生成装置100は、3次元モデルを構成する各三角形の面の法線ベクトルおよび各三角形の3つの頂点の座標値の情報に加えて色情報等の属性情報が付加された3次元モデルに基づいて、フルカラーのスライスモデルを生成することができる。また、別途用意した3次元造形装置10Aにおいて、生成されたフルカラーのスライスモデルを用い、粉末材料19にバインダを塗布し、該スライスモデルに沿った断面形状の粉末材料層18Aを順次積層することによって、フルカラーの3次元造形物18を造形することができる。
【0066】
本実施形態のスライスモデル生成装置100によれば、
図9に示すように、領域設定部62(
図4参照)は、着色領域Q
iより内方に、各切断線分L
c1〜L
c5に関連付けられた属性情報A
1〜A
5に基づく色が付加されない非着色領域B
iを設定する。非着色領域B
iが設定されているため、生成されたスライスモデルにおいて、輪郭ポリラインL
cによって囲われた領域Xの内部の全てについては色が付加されない。このため、造形する3次元造形物の3次元モデルが中空構造でない場合であっても、中空構造のスライスモデルが生成される。また、別途用意した3次元造形装置10Aにおいて、生成された中空構造のスライスモデルを用いることによって、3次元造形の際に使用する材料を削減することができる。
【0067】
本実施形態のスライスモデル生成装置100によれば、
図9に示すように、領域設定部62(
図4参照)は、外部領域M
iに対して各切断線分L
c1〜L
c5に関連付けられた属性情報A
1〜A
5に基づく色を付加する。これにより、色情報等を含む属性情報を備えた3次元モデルから、色が付加されたフルカラーのスライスモデルをより確実に生成することができる。
【0068】
本実施形態のスライスモデル生成装置100によれば、
図9に示すように、色付加部64は、切断線分L
c1に関連付けられた属性情報A
1に基づく第1の色と切断線分L
c2に関連付けられた属性情報A
2に基づく第2の色との中間色をピクセルG
c1に付加する。これにより、付加された第1の色と第2の色との境界において色が滑らかに変化したスライスモデルが生成される。
【0069】
本実施形態のスライスモデル生成装置100によれば、色付加部64は、切断線分L
c1に関連付けられた属性情報A
1に基づく第1の色が付加されるピクセルG
c1には、切断線分L
c2に関連付けられた属性情報A
2に基づく第2の色を付加しなくてもよい。これにより、付加された色と色との境界が明確であるスライスモデルが生成される。
【0070】
本実施形態のスライスモデル生成装置100によれば、
図13に示すように、色付加部64は、領域Xが3次元モデルを所定の間隔でスライスするときのスライス面S(
図6D参照)と重なる面であるとき、各切断線分L
c1z〜L
c3zに関連付けられた属性情報に基づく色を用いて領域Xの全体を塗りつぶす。これにより、色情報等を含む属性情報を備えた3次元モデルから、色が付加されたフルカラーのスライスモデルをより確実に生成することができる。
【0071】
本実施形態のスライスモデル生成装置100によれば、色付加部64は、着色領域Q
iおよび外部領域M
iに対して各切断線分L
c1〜L
c5に関連付けられた色情報と反射情報とに基づく色を付加してもよい。これにより、色情報等を含む属性情報を備えた3次元モデルから、色および光沢が付加されたフルカラーのスライスモデルをより正確に生成することができる。