(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうしたコネクタカバーには、コネクタの上側を覆う上側カバーと下側を覆う下側カバーを組み付ける形で構成するものがある。この場合、下側カバーにコネクタを配置し、位置ずれしないよう指で押さえつけた上で、その下側カバーに上側カバーを組み付けなければならないため、作業性が悪い。また、コネクタを指で押さえることはできるが、配線部材までは押さえつけられないため、上側カバーと下側カバーの組み付け時に配線部材を噛み込んでしまう恐れもある。
【0005】
本発明の課題は、コネクタ組み付け時の作業性を改善し、かつその際の配線部材の噛み込みも防止できるコネクタカバーを提供することにある。
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のコネクタカバーは、
コネクタの端子部を外部に露出し、かつそのコネクタに接続する配線部材を引き出した形で、そのコネクタを内部に収容するコネクタカバーであって、
上側カバーと、前記コネクタを係合固定するカバー側係合部とそのコネクタから引き出される配線部材を配置する配線配置部とを有した下側カバーと、が係合固定される形で構成されるとともに、
前記下側カバーに対して、前記コネクタを前記カバー側係合部に係合固定させ、かつそのコネクタから引き出される配線部材のコネクタ側端部を前記配線配置部に配置した形で、前記上側カバーを係合固定可能であり、当該係合固定によって内部に前記コネクタと前記配線部材のコネクタ側端部との双方を収容可能
な構成であることを前提とする。
【0007】
上記本発明の
前提構成によれば、下側カバーにコネクタを仮固定した上で、その下側カバーに上側カバーを組み付けることができるから、コネクタを指で押し付ける煩わしい作業が無くなる。また、従来までコネクタを押し付けていた指を、配線部材がズレないよう配線部材を押し付けるために使うこともできるため、下側カバーに上側カバーを組み付ける際の配線部材の噛み込みを防ぐこともできる。さらに、下側カバーには、コネクタを仮固定したときに、そのコネクタから引き出される配線部材を、例えば凹状の配線配置部に収容しておくことで位置決めされ、上側カバーを組み付ける際の配線部材の噛み込みを防止することができる。また、コネクタと配線部材との接続箇所は、外部からの衝撃に比較的弱い箇所であるが、本発明によればこの箇所を保護できる利点もある。
【0008】
そして、上記本発明において、前記上側カバー及び前記下側カバーのいずれかまたは双方は、それら上側カバー及び下側カバーが係合固定され、かつ前記コネクタを前記カバー側係合部に係合固定して収容した状態において、収容したコネクタの端子部を外部に露出させる開口部(後述の第一開口部)からの抜けを阻止する抜け止め部を有す
る。この構成によれば、カバー側係合部と抜け止め部とにより、収容したコネクタに対する二重の脱落防止状態を形成できる。さらにいえば、上側カバーと下側カバーとが係合固定してケース内部にコネクタが収容された状態で、仮に、下側カバーにコネクタを仮固定している部位が破損したとしても、この抜け止め部が存在することにより、ケース内部のコネクタがコネクタカバーから脱落してしまうことを防ぐことができる。
【0009】
また、上記本発明のコネクタカバーには、上側カバーと下側カバーとが係合固定した状態において、収容したコネクタの端子部を外部に露出させる第一開口部が形成される。この構成において、下側カバーのカバー側係合部に対するコネクタの組み付けは、下側カバーに対しコネクタをこの第一開口部側からカバー内部側へと接近させ、それとは逆向きに抜け止めされる形で係合固定され
る。つまり、この構成における下側カバーのカバー側係合部は、カバー内部側から第一開口部側への抜けを阻止するものである。この場合、上述の抜け止め固定部もカバー内部側から第一開口部側への抜けを阻止するものであるから、上述のようなカバー側係合部の破損があってもコネクタの脱落を確実に防ぐことができる。
【0010】
また、上記本発明において、上側カバー及び下側カバーは、互いが係合固定した状態において、コネクタを収容するコネクタ収容部と、配線部材のコネクタ側端部を収容する配線収容部と、を形成し、コネクタ収容部に上記の第一開口部を有する。この場合、コネクタは、第一開口部から配線配置部側にスライドさせてカバー側係合部に係合さ
れる。下側カバーとコネクタの組み付け方向と、下側カバーと上側カバーの組み付け方向が異なるため、コネクタが固定された下側カバーに上側カバーを組み付けるときに、コネクタがずれにくい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第一実施例であるコネクタカバーにコネクタを収容した状態を示す斜視図。
【
図3A】
図1のコネクタカバーを構成する上側カバーの第一の斜視図。
【
図3B】
図1のコネクタカバーを構成する上側カバーの第二の斜視図。
【
図4A】
図1のコネクタカバーを構成する下側カバーの第一の斜視図。
【
図4B】
図1のコネクタカバーを構成する下側カバーの第二の斜視図。
【
図8A】
図1のコネクタカバー内のコネクタに接続相手を接続した状態を示す斜視図。
【
図8B】
図8Aのコネクタカバーを厚さ方向(上下方向)中央で切断した断面図。
【
図9A】
図1の下側カバーにコネクタを固定する手順を、コネクタカバーの幅方向(左右方向)の中央で切断した断面で示した第一の図。
【
図10】
図1のコネクタカバーのコネクタ収容部を切断した断面を示す斜視図。
【
図11】
図1のコネクタカバーをその幅方向(左右方向)の中央で切断した断面を示す斜視図。
【
図12A】
図1のコネクタに接続相手を接続する手順を、コネクタカバーの幅方向(左右方向)の中央で切断した断面で示した第一の図。
【
図13】本発明の第二実施例であるコネクタカバーにコネクタを収容した状態を示す斜視図。
【
図15A】
図13のコネクタカバーを構成する上側カバーの第一の斜視図。
【
図15B】
図13のコネクタカバーを構成する上側カバーの第二の斜視図。
【
図16A】
図13のコネクタカバーを構成する下側カバーの第一の斜視図。
【
図16B】
図13のコネクタカバーを構成する下側カバーの第二の斜視図。
【
図18A】
図13のコネクタカバー内のコネクタに接続相手を接続した状態を示す斜視図。
【
図18B】
図18Aのコネクタカバーを厚さ方向(上下方向)中央で切断した断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施例のコネクタカバー1は、
図1及び
図2に示すように、コネクタ5を内部に収容するものであり、収容したコネクタ5の端子部59を外部に露出させる第一開口部1Aと、収容したコネクタ5に接続する配線部材6(
図8B参照)が引き出される第二開口部1Bと、を有する。さらに、本実施例のコネクタカバー1は、上側カバー2と下側カバー3とが係合固定される形で構成され、その内部に、コネクタ5とそのコネクタ5から引き出される配線部材6のコネクタ側端部6A(
図8B参照)とが共に収容される。つまり、コネクタカバー1は、コネクタ5だけでなく、配線部材6の根本部分6Aも収容して保護するものである。したがって、本実施例の上側カバー2及び下側カバー3は、互いが係合固定した状態において、
図11に示すように、コネクタ5を収容するコネクタ収容部11と、配線部材6の根本をなすコネクタ側端部6Aを収容する配線収容部12と、を形成している。コネクタ収容部11は第一開口部1Aを有し、他方、配線収容部12は第二開口部1Bを有しており、コネクタカバー1は、それらの開口部1A,1Bを有した筒状をなしている。
【0014】
なお、配線部材6は1以上のものとすることができる。ここではコネクタ5に接続する複数のワイヤーハーネスとしている。
【0015】
また、上側カバー2及び下側カバー3は、
図8Bに示すように、互いが係合固定した状態において、第二開口部1B側の端部に、配線部材6を内部に貫通配置させる筒状部材7を抜け止め状態で配置する筒状部材配置部14を有する。
【0016】
なお、本実施例の筒状部材7は、
図8Aに示すように、その軸線方向に向かって外周表面に環状の凹凸が繰り返し形成されるチューブ体、いわゆるコルゲートチューブである。他方、筒状部材配置部14には、その凹凸と嵌合する凹凸嵌合部が内周表面に形成される。コルゲートチューブ7は、
図8Bに示すように、自身の凹凸を筒状部材配置部14の凹凸嵌合部に嵌め込む形で配置される。これにより、コネクタカバー1の軸線方向1Xにおける第二開口部1B側及び第一開口部1A側(カバー内部側)への位置ずれと、第二開口部1B側からの抜けとを阻止している。
【0017】
上側カバー2は、
図3A及び
図3Bに示すように、コネクタ収容部11側(第一開口部1A側)において、内部に収容されるコネクタ5の上側に位置する上面部20Aと、収容されたコネクタ5を左右方向外側から挟む左側面部21L及び右側面部21Rと、を有する。上面部20Aは、第一開口部1A側に偏って形成され、左側面部21L及び右側面部21Rをそれらの上端で連結する。上面部20Aの配線収容部12側(軸線方向1Xにおける第二開口部1B側)は、解除操作用開口部27として上方及び配線収容部12側に開放されており、
図1に示すように、収容されるコネクタ5に設けられた操作部500を露出させて操作可能にする。また、上側カバー2は、配線収容部12側において、収容される配線部材6の上側に位置する上面部20Bと、収容された配線部材6を左右方向の外側から挟む左側面部23L及び右側面部23Rと、を有する。
【0018】
下側カバー3は、
図4A及び
図4Bに示すように、コネクタ収容部11側(第一開口部1A側)において、収容されたコネクタ5の下側に位置する下面部30Aと、収容されたコネクタ5を左右方向の外側から挟む左側面部31L及び右側面部31Rと、を有する。また、下側カバー3は、配線収容部12側(第二開口部1B側)において、収容される配線部材6の下側に位置する下面部30Bと、収容された配線部材6を左右方向の外側から挟む左側面部33L及び右側面部33Rと、を有する。これら下面部30Bと、左側面部33L及び右側面部33Rとにより、上側カバー2を組み付ける際に配線部材6のコネクタ側端部6Aが配置・収容される凹状の配線配置部30Cが構成される。
【0019】
また、下側カバー3は、
図4Bに示すように、コネクタ5を係合固定するカバー側係合部35を有する。他方、コネクタ5は、
図6Bに示すように、カバー側係合部35と係合固定するコネクタ側係合部55を有する。これらにより、下側カバー3に対し、コネクタ5を仮固定した状態で、上側カバー2を組み付けることができるので、作業性を向上できる。従来の場合、一方の手でコネクタ5を下側カバー3上の所定位置に保持しながら、もう一方の手で上側カバー2を組み付ける必要があったが、本実施例によればその作業性は大幅に改善される。
【0020】
ここで、本実施例における下側カバー3とコネクタ5との係合固定について説明する。
【0021】
コネクタ側係合部55は、
図6Aに示すように、コネクタ5を下側カバー3に対し第一開口部1A側からカバー内部側へと移動させる形で、下側カバー3のカバー側係合部35に係合固定される。本実施例のコネクタ5は、第一開口部1Aから配線配置部12側にスライドさせて下側カバー3のカバー側係合部35に係合される。
【0022】
ここでの下側カバー3のカバー側係合部35及びコネクタ5のコネクタ側係合部55は、一方が他方に向かって突出する突出係合部として形成され、他方がその突出係合部を受け入れて係合する受け入れ係合部として形成される。具体的にいえば、
図4Aに示すように、下側カバー3のカバー側係合部35は、第一開口部1A側に向かってカバー内部から突出する突出係合部35であり、他方、コネクタ5のコネクタ側係合部55は、
図6Bに示すように、その突出係合部35をその突出先端側から進入させることにより係合する受け入れ係合部55である。
【0023】
ここでのコネクタ5のコネクタ側係合部55は、
図9Aに示すように、コネクタ5の本体部50に対し下側で対向し、第一開口部1A側からカバー内部側へと突出し、その突出先端側が弾性変形によって揺動可能な弾性部53を有して構成される受け入れ係合部55である。弾性部53は、第一開口部1A側にて本体部50に対し連結しており、その連結部54(
図6B参照)を起点にして突出先端側が上下に揺動可能である。また、弾性部53は、その突出先端側にその突出方向に直交する方向(ここでは上向き)に突出する係止爪部53Tを有する。コネクタ5を下側カバー3に係合固定させる際、コネクタ5は、下側カバー3の突出係合部35を本体部50と弾性部53との間に受け入れるようにして、下側カバー3接近する。このとき、弾性部53の先端の係止爪部53Tが、下側カバー3の突出係合部35の先端部(係止部)35Sに対し、第一開口部1A側からカバー内部側(第二開口部1B側)に向かって当接する。このとき、さらに接近させる力を付与することにより、弾性部53は、上記弾性変形を伴う形で揺動して先端部35Sを乗り越える。そして、弾性部53は、乗り越えて進入した先で係止爪部53Tを爪収容部35Uに進入させる形で弾性復帰する。これにより、係止爪部53Tは、乗り越えた先端部35Sに対しカバー内部側から当接して係止され、コネクタ5は、下側カバー3に対し第一開口部1A側へ抜け止めされた係合固定状態となる。
【0024】
このようにしてカバー側係合部35にコネクタ5が係合固定された下側カバー3は、
図9Bに示すように、この抜け止め状態(係合固定状態)において、そのコネクタ5から引き出される配線部材6のコネクタ側端部6Aを凹状の配線配置部30C(30B,33L,33R)内に配置・収容し、その状態で上側カバー2を係合固定することができる(
図11参照)。この係合固定により、コネクタ5とそのコネクタ5から引き出される配線部材6のコネクタ側端部6Aとが共にコネクタカバー1の内部に収容される。
【0025】
上側カバー2と下側カバー3との組み付けは、それぞれの組み付け係合部22,32を係合させる係合固定によりなされる(
図1及び
図10参照)。
【0026】
本実施例において、下側カバー3の組み付け係合部32は、
図4A及び
図4Bに示すように、下側カバー3の左側面部31L,33L及び右側面部31R,33Rの上端側にて、左右方向の外向きに突出する突出係合部32である。他方、上側カバー2の組み付け係合部22は、
図3A及び
図3Bに示すように、上側カバー2の左側面部21L,23L及び右側面部21R,23Rから外向きに突出してその突出先端側が下方に延出した外側下方延出部22として形成され、上記突出係合部32を受け入れて係合する受け入れ係合部22である。
【0027】
具体的にいえば、下側カバー3の突出係合部32は、左側面部31L,33L及び右側面部31R,33Rの上端から外向きに突出する係止爪部32である。他方、上側カバー2の受け入れ係合部22は、その下端側が弾性変形によって外向きに揺動可能な弾性部22である。弾性部22は、上側カバー2を上方から下方に向かって下側カバー3に接近させて組み付ける際に、下側カバー3の係止爪部32を下方から受け入れることになるが、その係止爪部32に対し自身22の先端部(係止部)22Sが下方から当接する。このとき、上側カバー2にさらに下方への力を付与することにより、弾性部22は、弾性変形を伴う形で外向きに揺動して先端部22Sが係止爪部32を乗り越える。そして、弾性部22は、係止爪部32を乗り越えて進入した先で、該係止爪部32を爪収容部22U(
図5A及び
図5B参照)に進入させる形で弾性復帰する。これにより、乗り越えた先端部22Sは、係止爪部32に対し下方から上方に向かって当接して係止され、上側カバー2は、下側カバー3に対し上方へ抜け止めされた係合固定状態となる。
【0028】
ところで、上側カバー2及び下側カバー3のいずれか又は双方は、互いが係合固定され、かつコネクタ5を係合固定して収容した状態において、収容したコネクタ5の第一開口部1Aからの抜けを阻止する抜け止め部21T,201Cを有する。
【0029】
なお、本実施例の抜け止め部21T,201Cは、
図5A及び
図5Bに示すように、上側カバー2にのみ形成される。したがって、抜け止め部21T,201Cは、コネクタ5が係合固定した下側カバー3に対し上側カバー2が組み付けられることではじめて、その役割を果たす。
【0030】
第一の抜け止め部21Tについて説明する。
【0031】
本実施例の上側カバー2は、第一開口部1Aを正面視したときに、その左右方向の両側からそれぞれが下方に延出してコネクタ5の左右両側面を外側から覆う左側面部21L及び右側面部21Rを有する。それら左側面部21L及び右側面部21Rのいずれかまたは双方には、
図3Aに示すように、抜け止め部21Tとして、内向きに突出する係合凸部21Tが形成される。本実施例においては、上側カバー2の左側面部21L及び右側面部21Rの一方(ここでは左側面部21L)にのみ係合凸部21Tが形成される。他方、
図6Aに示すように、コネクタ5には、左右両側面のうちの対応する側の側面に係合凹部51Uが形成される。上側カバー2を上方から下方に向かって下側カバー3に接近させて組み付ける際、上側カバー2の係合凸部21Tは、コネクタ5の係合凹部51Uに対し上方からその内側に進入する。これにより、係合凸部21Tは、
図8Bに示すように、係合凹部51Uに対し、軸線方向1Xにおける第一開口部1A側と第二開口部1B側(カバー内部側)との双方にて対向するため、コネクタ5は、上側カバー2に対し第一開口部1A側とカバー内部側との双方に抜け止めされた抜け止め状態となる。このようにして、係合凸部21Tは、抜け止め部21Tとして機能する。
【0032】
この抜け止め部21Tによるコネクタ5の抜け止め状態が存在することにより、コネクタ5は、下側カバー3のカバー側係合部35との係合状態の有無とは無関係に、第一開口部1A側への抜け止め状態となる。つまり、仮に下側カバー3のカバー側係合部35とコネクタ5のコネクタ側係合部55とのいずれかが破損して、それらによる係合状態が維持されなくなったとしても、コネクタ5が第一開口部1Aから脱落することはない。
【0033】
本実施例の係合凸部21Tは、上下方向に延出する突条部(リブ)21Tとして形成されている。さらにいえば、ここでの係合凸部21T,21Tは、上下方向に延出する形で軸線方向1Xに併設された対をなす突条部21T,21Tとして形成されている。また、本実施例の係合凹部51Uは、対をなす係合凸部21T,21Tを収容する1つの収容凹部51Uとして形成されており、係合凸部21T,21Tを、軸線方向1Xにおける第一開口部1A側とカバー内部側(第二開口部1B側)との双方で対向し、それら双方への移動を規制している。
【0034】
なお、本実施例の左側面部31L及び右側面部31Rは、
図4Aに示すように、下面部30Aの左右両端からそれぞれが上方に延出して、上側カバー2の左側面部21L及び右側面部21Rの先端部21Aを左右方向の外側を覆う形で上方から収容する左側収容部31L及び右側収容部31Rとして形成される。上側カバー2を、コネクタ5が係合固定された下側カバー3に組み付ける際、下側カバー3の左側面部31L及び右側面部31Rは、上側カバー2の左側面部21L及び右側面部21Rの先端部21Aを収容する収容部として機能する(
図3A及び
図3B参照)。このとき、下側カバー3の左側面部31L及び右側面部31Rは、収容した上側カバー2の左側面部21L及び右側面部21Rの先端部21Aに対し、軸線方向1Xにおける第一開口部1A側で対向して位置する移動規制壁部31L1,31R1と第二開口部1B側(カバー内部側)で対向して位置する移動規制壁部31L2,31R2と挟んでおり、それら双方の側への移動を規制している。つまり、上側カバー2と下側カバー3との係合組み付けと同時に、上側カバー2と下側カバー3とは互いに位置決め状態となる。
【0035】
第二の抜け止め部201Cについて説明する。
【0036】
その前にまずはコネクタ5について詳説する。
図6A及び
図6Bに示すように、コネクタ5は、端子部59に接続された接続相手9を抜け止め状態で固定する抜け止め係合部58と、その抜け止め状態を解除する解除操作部57と、を有する。上側カバー2は、下側カバー3に係合固定した状態において、解除操作部57を解除操作用開口部27から外部に露出させているため、ユーザーによる操作が可能とされている。
【0037】
本実施例のコネクタ5は、
図6Aに示すように、解除操作部57と、抜け止め係合部58と、を有した揺動操作部500を備える。本実施例の揺動操作部500は、軸線方向1Xにおける第一開口部1A側に抜け止め係合部58が設けられ、第二開口部1B側に解除操作部57が設けられ、それらの間に設けられる揺動起点部56を有する。コネクタ5は、ユーザーによって解除操作部57を下方へ押す押下操作がなされると、揺動起点部56を起点にして抜け止め係合部58が上方に持ち上がり、接続相手9との抜け止め固定状態が解除される。なお、揺動起点部56は、揺動操作部500を左右方向の両側から空隙を介して挟む上端左側壁部501L及び上端右側壁部501Rに連結している。
【0038】
コネクタ5の接続相手9の端子部99は、
図7に示すように、コネクタ5の凹状の端子部59に対し圧入される形で接続状態となる。また、コネクタ5の接続相手9は、上面側において上方に突出する係止爪部98Tを有する。コネクタ5の揺動操作部500は、軸線方向1Xにおける第一開口部1A側の抜け止め係合部58と、第二開口部1B側の解除操作部57とが、それらの間の揺動起点部56を起点にして弾性変形することにより、上下方向に揺動可能である。係合固定状態の上側カバー2と下側カバー3とに収容されたコネクタ5の端子部59に対し接続相手9の端子部99が第一開口部1Aから接続される際(
図12A参照)に、揺動操作部500は、抜け止め係合部58の先端部(係止部)58Sに対し第一開口部1A側から係止爪部98Tが当接する。ところが、さらに奥行き方向の奥側(カバー内部側)に係止爪部98Tを進入させる力を接続相手9に付与することにより、揺動操作部500は、弾性変形を伴う形で抜け止め係合部58側が上方に揺動して、先端部58Sを乗り越える。そして、揺動操作部500は、乗り越えて進入した先で自身の爪収容部58Uに係止爪部98Tが進入する形で弾性復帰する。これにより、弾性復帰した揺動操作部500は、先端部58Sに対し係止爪部98Tがカバー内部側とは逆の第一開口部1A側から当接して係止され、接続相手9は、コネクタ5に対し第一開口部1A側へ抜け止めされた係合固定状態となる(
図12B参照)。
【0039】
コネクタ5の揺動操作部500は、
図6Aに示すように、抜け止め係合部58側が解除操作部57側よりも左右方向において狭幅となる形状を有する。また、コネクタ5は、揺動操作部500を左右方向の両側から空隙を介して挟む上端左側壁部501L及び上端右側壁部501Rを有する。上端左側壁部501L及び上端右側壁部501Rは、揺動操作部500と同様、抜け止め係合部58側が解除操作部57側よりも狭幅で対向する形状をなす。他方、上側カバー2は、
図5Aに示すように、左右方向の両側からそれぞれが下方に延出してコネクタ5の左右両側面を覆う左側面部21L及び右側面部21Rを有する。左側面部21L及び右側面部21Rは、コネクタ5の上端左側壁部501L及び上端右側壁部501Rと同様、抜け止め係合部58が解除操作部57側よりも狭幅な形状をなす。そして、上側カバー2の左側面部21L及び右側面部21Rと、コネクタ5の上端左側壁部501L及び上端右側壁部501Rとは、それぞれにおける抜け止め係合部58側から解除操作部57側にかけて左右方向の対向幅が広がる幅拡大部201C,201C,501C,501Cを有しており、それらが軸線方向1Xにおいて互いに当接する。その当接により、上側カバー2は、コネクタ5の第一開口部1Aからの抜けを阻止している。このように、上側カバー2の幅拡大部201Cは、コネクタ5の幅拡大部501Cに当接することにより、第二の抜け止め部201Cとして機能する。
【0040】
なお、上側カバー2の上面部20Aと、左側面部21L及び右側面部21Rとは、幅拡大部201C,201Cから解除操作部57側にかけて解除操作用開口部27を形成する。解除操作用開口部27を形成する左側面部21L及び右側面部21Rは、幅拡大部201C,201Cよりも解除操作部57側の区間において、下方に下る傾斜側面部をなす。これにより、解除操作用開口部27は、ユーザーが解除操作部57を押した指の下方への移動を、左側面部21L及び右側面部21Rが妨げることがない。
【0041】
また、上側カバー2の左側面部21L及び右側面部21Rは、
図10に示すように、コネクタ5の本体部50を左右方向両側から挟む左側面主部21L1及び右側面主部21R1と、当該本体部50の上側に位置し、抜け止め係合部58を左右方向両側から挟む左側面上部21L2及び右側面上部21R2と、左側面主部21L1及び右側面主部21R1から左側面上部21L2及び右側面上部21R2にかけて上側ほど左右方向の幅が狭くなる左側面上部21LC及び右側面上部21RCと、を有する。このように幅縮小部をなす左側面上部21LC及び右側面上部21RCは、コネクタ5の本体部50に対し上方から当接する。この当接により、コネクタ5の上方への抜けが阻止されている。
【0042】
以上、本発明の一実施例を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、追加及び省略等の種々の変更が可能である。
【0043】
以下、上記実施例とは異なる別の実施例や変形例について説明する。なお、上記実施例と共通の機能を有する部位には同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、上記実施例と下記変形例とは、技術的な矛盾を生じない範囲において適宜組み合わせて実施できる。
【0044】
図13〜
図18は、上記実施例の変形例である。コネクタ収容部11については共通の構造を有しており、コネクタ5の下側カバー3への係合固定や、上側カバー2と下側カバー3との係合組み付けについては、共通の構造によりなされる。異なる点は、配線収容部12が屈曲形状をなす点である。