(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6514058
(24)【登録日】2019年4月19日
(45)【発行日】2019年5月15日
(54)【発明の名称】水道用継手及び水道メータユニット
(51)【国際特許分類】
E03B 7/07 20060101AFI20190425BHJP
G01F 1/00 20060101ALI20190425BHJP
G01F 15/18 20060101ALI20190425BHJP
【FI】
E03B7/07 Z
G01F1/00 G
G01F15/18
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-143977(P2015-143977)
(22)【出願日】2015年7月21日
(65)【公開番号】特開2017-25543(P2017-25543A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2018年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000151025
【氏名又は名称】株式会社タブチ
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(74)【代理人】
【識別番号】100138416
【弁理士】
【氏名又は名称】北田 明
(72)【発明者】
【氏名】徳田 雅也
(72)【発明者】
【氏名】三ツ橋 浩二
【審査官】
荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】
実開平06−087468(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3195103(JP,U)
【文献】
特開2007−139001(JP,A)
【文献】
特開2011−196971(JP,A)
【文献】
特開2005−172710(JP,A)
【文献】
特開2005−315612(JP,A)
【文献】
特開平11−093226(JP,A)
【文献】
特開2005−163436(JP,A)
【文献】
米国特許第04872338(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03B 1/00−11/16
G01F 1/00−1/30
G01F 1/34−1/54
G01F 3/00−9/02
G01F 15/00−15/18
F16L 17/00−19/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道の配管中に水道用機器を交換可能に接続する際に用いられる水道用継手において、
水道用機器の1次側に位置し、設置状態において不動である1次側支持部と、
前記1次側支持部から2次側に進退可能に設けられ、内部に位置調整部内通水路が貫通している位置調整部と、
前記位置調整部から2次側に進退可能に設けられ、水道用機器の1次側端部に対して接続可能であって、内部に押え部材内通水路が貫通している押え部材と、を備え、
前記押え部材は、前記押え部材内通水路から径方向に延び、当該押え部材の外周面を貫通する貫通孔を有することを特徴とする、水道用継手。
【請求項2】
前記位置調整部には、前記押え部材の外周面に当接することで前記位置調整部と前記押え部材との間の漏水を防止する止水部材を備え、
前記貫通孔は、前記水道用機器の接続状態で、前記止水部材よりも1次側であり、かつ、前記押え部材の1次側端部寄りに位置することを特徴とする、請求項1に記載の水道用継手。
【請求項3】
前記押え部材は、水圧を受けることにより当該押え部材を2次側に移動させる力を生じさせるために1次側を向いた受圧面を備え、
前記押え部材内通水路は、1次側部分が大径に、2次側部分が小径に形成され、前記両部分の境界には段差が存在し、当該段差が前記受圧面を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の水道用継手。
【請求項4】
前記位置調整部内通水路における2次側部分の径寸法は、前記位置調整部内通水路における1次側部分の径寸法よりも大きいことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の水道用継手。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の水道用継手と、
前記水道用機器としての水道メータの2次側に位置し、設置状態において不動である2次側支持部と、
前記1次側支持部と前記2次側支持部とを一定距離で固定するベース部と、を備える水道メータユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道の配管中に水道メータ等の水道用機器を交換可能に接続する際に用いられる水道用継手、及び、これを備えた水道メータユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
水道の配管中に水道メータ等の水道用機器を接続する際、水道用機器を交換可能に接続できる水道用継手が、本願出願人による特許文献1に記載されている。
【0003】
この特許文献1に記載の水道用継手(特許文献1の圧接継手)は、水道メータの一次側に位置する位置調整部(特許文献1の「スピンドル部」)と押え部材(特許文献1の「圧着部」)とを備えている。位置調整部は、当該位置調整部が螺合された継手本体に対して軸線方向に進退可能とされている。押え部材は、位置調整部の二次側に位置し、水圧を受けて二次側に移動できるように構成されている。
【0004】
この構成により、外気温の変動や外力等の影響で位置調整部と水道メータとの距離が広がったとしても、水圧により押え部材が位置調整部から押し出される。このため、例えば位置調整部と水道メータとの間に隙間を生じさせないことにより、漏水を発生しにくくできる。
【0005】
ここで、水道用機器の取り替えの際等に、水道用継手から水道用機器を取り外すことがある。取り外しに当たって位置調整部を1次側に移動させるに伴い、水道用継手内の残存水圧に押え部材が押されることで、押え部材が位置調整部から飛び出て外れてしまうことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−139001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、水道用機器を取り外す際でも、残存水圧により押え部材が外れてしまうことを抑制できる水道用継手、及び、これを備えた水道メータユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、水道の配管中に水道用機器を交換可能に接続する際に用いられる水道用継手において、水道用機器の1次側に位置し、設置状態において不動である1次側支持部と、前記1次側支持部から2次側に進退可能に設けられ、内部に位置調整部内通水路が貫通している位置調整部と、前記位置調整部から2次側に進退可能に設けられ、水道用機器の1次側端部に対して接続可能であって、内部に押え部材内通水路が貫通している押え部材と、を備え、前記押え部材は、前記押え部材内通水路から径方向に延び、当該押え部材の外周面を貫通する貫通孔を有する。
【0009】
また、本発明は、前記水道用継手と、前記水道用機器としての水道メータの2次側に位置し、設置状態において不動である2次側支持部と、前記1次側支持部と前記2次側支持部とを一定距離で固定するベース部と、を備える水道メータユニットである。
【0010】
前記各構成によれば、押え部材が、押え部材内通水路から径方向に延び、当該押え部材の外周面を貫通する貫通孔を有する。この貫通孔は、押え部材が2次側に移動した際に押え部材内通水路の水を押え部材の外部に逃がすことができる。このため、水道用機器を取り外す際に、押え部材内通水路の残存水圧により押え部材が飛び出て外れてしまうことを抑制できる。
【0011】
そして、前記位置調整部には、前記押え部材の外周面に当接することで前記位置調整部と前記押え部材との間の漏水を防止する止水部材を備え、前前記貫通孔は、前記水道用機器の接続状態で、前記止水部材よりも1次側であり、かつ、前記押え部材の1次側端部寄りに位置するものとできる。
【0012】
前記構成によれば、貫通孔は前記止水部材よりも1次側であり、かつ、前記押え部材の1次側端部寄りに位置することから、押え部材内通水路の水を押え部材の外部に逃がすことを、押え部材の2次側への移動の後期にできる。よって、押え部材の2次側への移動の初期には水が貫通孔から噴出しないようにできる。
【0013】
また、前記押え部材は、水圧を受けることにより当該押え部材を2次側に移動させる力を生じさせるために1次側を向いた受圧面を備え、前記押え部材内通水路は、1次側部分が大径に、2次側部分が小径に形成され、前記両部分の境界には段差が存在し、当該段差が前記受圧面を備えるものとできる。
【0014】
前記構成によれば、段差の形成に伴って受圧面も形成されるため、受圧面を備えた押え部材の加工が容易であり、段差の形成により押え部材の中実部分の体積を減少させられることから、前記体積の減少分だけ押え部材の軽量化も可能である。
【0015】
そして、前記位置調整部内通水路における2次側部分の径寸法は、前記位置調整部内通水路における1次側部分の径寸法よりも大きいものとできる。
【0016】
前記構成によれば、位置調整部内通水路の断面積につき1次側部分よりも2次側部分の方が拡大されている。このため、水道用継手の呼び径を内部で確保しつつ、水圧を受けることにより2次側に移動できる力を生じさせるために押え部材が有する受圧面の面積を確保できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、水道用機器を取り外す際でも、残存水圧により押え部材が外れてしまうことを抑制できる水道用継手、及び、これを備えた水道メータユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る水道メータユニットの全体図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る1次側配管ユニットの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明につき、一実施形態を取り上げて説明を行う。なお、上下方向は
図1及び
図2に示す状態における方向である。また、軸線方向Sは、ベース部2の長手方向に平行な方向である。
【0020】
本実施形態は集合住宅のパイプシャフト等に取り付けられる水道メータユニット1であり、水道の配管中に水道用機器としての水道メータ(量水器)Mを交換可能に接続する際に用いられる水道用継手Jを備えている。本実施形態では水道用機器として水道メータMが用いられているがこれに限定されず、水道用機器として、例えば緊急遮断弁等の弁やセンサーユニット等を単独または組み合わせて用いることができる。
【0021】
本実施形態の水道メータユニット1は、
図1に示すように、ベース部2、水道メータMの1次側に位置する1次側配管ユニット3、水道メータMの2次側に位置する2次側配管ユニット4を備える。本実施形態の1次側配管ユニット3は、
図1または
図2に示すように、1次側から順に止水栓31、エルボ32、1次側支持部33、位置調整部34、押え部材35で構成されている。前記水道用継手Jは1次側配管ユニット3の一部を構成する。また、2次側配管ユニット4は2次側支持部41を備える。
【0022】
ベース部2は、配管延長方向に沿うような細長い形状を有している。このベース部2は例えばアルミダイカストからなる。ただし、材質はあくまでも一例であってこれに限定されない。このベース部2は、集合住宅のパイプシャフト床面やブラケット等に固定される。このため、長手方向両端部に平板状に台座部21が形成されており、この台座部21を貫通するように固定ボルト取付孔211が形成されている。そして図示上下方向に、1次側支持部33及び2次側支持部41を固定するためのボルトB1,B2が貫通する貫通孔22が形成されている。また、ベース部2において、水道メータMの1次側端部の下方には、樹脂製のメータ受け部材5が取り付けられている。メータ受け部材5は、水道メータMの1次側における接続ねじ部M1に下方から当接することで水道メータMを支持できる。なお前記当接は、水道メータMの軸線方向Sへの移動を許容するようになされる。
【0023】
1次側支持部33は、固定部331と通水部332とを備える。固定部331は、ボルトB1によりベース部2に固定される。このため1次側支持部33は設置状態において不動である。通水部332は、内部に通水可能な空間を貫通するように有し、略筒状に形成されている。この通水部332の1次側にはエルボ32が取り付けられており、更に、このエルボ32の1次側には止水栓31が設けられている。エルボ32は通水部332に対して、軸線周りで任意の方向に向けることができる。なお、1次側支持部33よりも1次側の構成は本実施形態の構成に限定されない。例えば、エルボ32と止水栓31の間に減圧弁を組み込むこともでき、その他種々の構成とできる。
【0024】
通水部332の1次側における外周部には、端部から順にOリング333、止め輪334、止めねじ335が位置している。Oリング333により、通水部332とエルボ32との間の漏水が防止されている。止め輪334は、通水部332に対して軸線周りにエルボ32が回動することを許容しつつ、通水部332からエルボ32が抜けてしまうことを防止する。止めねじ335は、エルボ32を径方向に貫通して先端が通水部332の外周面に当接する。これにより、軸線方向Sに対して一定角度を保ってエルボ32を通水部332に固定できる。そして、通水部332の2次側における内面には内ねじ336が形成されており、位置調整部34を螺合できる。
【0025】
2次側支持部41は、1次側支持部33と同様に固定部411と通水部412とを備える。1次側支持部33と同様、固定部411は、ボルトB2によりベース部2に固定される。通水部412は、内部に通水可能な空間が貫通しており、略筒状に形成されている。2次側支持部41の通水部412には、検圧栓413がねじ込まれている。検査時には、この検圧栓413を通水部412から取り外して圧力計を取り付けることができる。また、この通水部412にはカートリッジ状に形成された逆止弁414が組み込まれており、通水部412において2次側から1次側への逆流を防止している。
【0026】
位置調整部34は、内部に1次側から流される水が通る位置調整部内通水路341が貫通した、略筒状の部分である。この位置調整部34の外周の一部には外ねじ342が形成されており、1次側支持部33の内ねじ336と螺合する。よって、位置調整部34を軸線回りに回転させることにより、1次側支持部33に対して位置調整部34を軸線方向Sに進退させられる。この回転を行うため、位置調整部34の2次側端部の外周部には複数の回転用突起343が突出している。この回転用突起343に手を掛けるか工具を係合して、位置調整部34を回転させることができる。
【0027】
位置調整部34を1次側に移動(後退)させることにより、1次側配管ユニット3の2次側端面と2次側配管ユニット4の1次側端面との距離が広がる。この状態で、前記両端面間に水道メータMを配置して、2次側配管ユニット4に水道メータMの2次側端部を差し込むことにより接続する。その後、位置調整部34を1次側に移動(前進)させて1次側配管ユニット3に水道メータMの1次側端部を差し込むことにより接続する。水道メータMを取り外す際には前記と逆の手順となる。よって水道メータMの着脱を行うことができる。このように位置調整部34は、水道メータMの着脱を目的として、1次側支持部33に対して進退可能となっている。
【0028】
位置調整部34の外周部における1次側にはOリング344が取り付けられており、位置調整部34と1次側支持部33との間の漏水が防止されている。
【0029】
位置調整部34の2次側端部には、内径が拡大された拡径部345が形成されている。この拡径部345に押え部材35が位置する。拡径部345の内周部には、止水部材としてのOリング346が取り付けられており、このOリング346が押え部材35の外周面に当接することで、位置調整部34と押え部材35との間の漏水が防止されている。
【0030】
位置調整部内通水路341は、1次側部分が相対的に径寸法の小さい小径部3411とされており、2次側部分が相対的に径寸法の大きい大径部3412とされている。本実施形態では、小径部3411の径寸法が18mm、大径部3412の径寸法が21.5mmである。小径部3411と大径部3412とは、各々、軸線方向Sにおいて一定の内径とされており、小径部3411と大径部3412との境界部分に段差3413が形成されている。流路面積が拡大することにより、位置調整部内通水路341を通る水流の流速は大径部3412にて低下することになる。
【0031】
このように本実施形態では、位置調整部内通水路341の断面積につき1次側部分(小径部3411)よりも2次側部分(大径部3412)の方が拡大されている。このため、水道用継手Jの呼び径を内部で確保しつつ(水道用継手Jの内部に呼び径よりも縮小された部分を形成することなく)、水圧を受けることにより2次側に移動できる力を生じさせるために押え部材35が有する受圧面354の面積を確保できる。
【0032】
押え部材35は樹脂製で略円盤状とされている。この押え部材35は軸線方向Sに貫通しており位置調整部内通水路341から流される水が通る押え部材内通水路351を有している。このため、押え部材内通水路351を介して位置調整部34から水道メータMへと通水可能である。
【0033】
押え部材内通水路351は、1次側の部分である大径部3511では位置調整部内通水路341の大径部3412と同径であり、2次側の部分である小径部3512は大径部3511よりも小径とされている。なお、大径部3511と小径部3512とは同心に形成されている。大径部3511と小径部3512とは径寸法が異なるため、大径部3511における2次側端部には段差が存在する。本実施形態では、この段差が軸線方向Sに対して直交する平面を有しており、この平面が受圧面354として機能する。
【0034】
受圧面354は小径部3512の1次側端部に位置しており1次側を向いている。このため、受圧面354に水圧を受けた押え部材35には、水道メータMに向かう押圧力が発生する。よって、押え部材35を水道メータM側へ押圧するための機構を前記段差と共に形成できるため、この機構を例えば押え部材35の1次側端面に形成することに比べると、押え部材35における中実部分の体積を減少させられる。従って、押圧力の発生する機能を有する押え部材35を前記体積の減少分だけ軽量化できる。また、段差の形成と共に受圧面354も形成できるため、受圧面354を備えた押え部材35の加工が容易である。
【0035】
押え部材35の2次側には、水道メータMを差し込んだ状態で支持するためのメータ支持部352が形成されており、水道メータMの1次側端部が接続される。一方、2次側端面にはOリング353が取り付けられており、押え部材35と水道メータMとの間の漏水が防止されている。
【0036】
この押え部材35は、位置調整部34から2次側に進退可能に設けられている。特に、押え部材35の2次側への移動(進出)は、押え部材35にかかる水圧を受けてなされる。
【0037】
押え部材35の内部に前記受圧面354が存在することにより、押え部材内通水路351を通過する水流の水圧を受圧面354が受けることで押え部材35に2次側(水道メータユニット1の側)へ向かう力が生じる。このため、水道メータユニット1と1次側配管ユニット3との間で漏水が発生することを抑制できる。
【0038】
前述のように、本実施形態の受圧面354は軸線方向Sに対して直交する平面であるから、水圧を効率良く2次側へ向かう力に変換できる。
【0039】
押え部材内通水路351の大径部3511における周縁に位置する側面3513には、押え部材35を径方向に貫通する貫通孔355が形成されている。この貫通孔355は受圧面354よりも1次側に位置する。
【0040】
この貫通孔355により、押え部材35が2次側に移動した際(具体的には貫通孔355がOリング346よりも2次側に移動した際)に押え部材内通水路351の水を押え部材35の外部に逃がすことができる。このため、押え部材35にかかる水圧を減少させられるため、水道メータMを取り外す際に、取り外しに当たって位置調整部34を1次側に移動させるに伴い、押え部材内通水路351の水圧で押え部材35が位置調整部34から飛び出して外れてしまうことを抑制できる。また、この貫通孔355は、押え部材35の1次側端面から貫通孔355までの距離が、貫通孔355から2次側端面までの距離よりも小さい。そして、水道用継手Jへの水道メータMの接続状態で、貫通孔355がOリング346よりも1次側であり、かつ、押え部材35の1次側端部寄りに位置する。なお、前記「1次側端部寄り」とは、水道メータMの接続状態における押え部材35の外周面とOリング346との当接部分から、押え部材35の1次側端部までの距離の1/2よりも更に1次側端部に近いことを意味する。この構成により、押え部材35の2次側への移動の後期までは貫通孔355がOリング346よりも2次側に位置して通水するようにならないので、押え部材内通水路351の水を押え部材35の外部に逃がすことを、押え部材35の2次側への移動の後期にできる。よって、押え部材35の2次側への移動の初期(少し移動しただけの状態)には水が貫通孔355から噴出しないようにできる。
【0041】
以上のように構成された、本実施形態の水道用継手、及び、これを備えた水道メータユニット1は、押え部材35の受圧面354により、押え部材35に水道メータMに向かう押圧力を発生させられる。この押圧力により、押え部材35と水道メータMとの間に隙間が生じにくくなるため、漏水を発生しにくくできる。つまり、押え部材35は漏水防止を目的として、位置調整部34に対して進退可能となっていると言える。
【0042】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0043】
例えば、1次側支持部33は内部に通水される構造でなくてもよく、例えばエルボ32を外方から支持するものであって、位置調整部34はエルボ32に対して進退可能に設けられることもできる。
【0044】
また、本実施形態の受圧面354は軸線方向Sに対して直交する平面であったが、軸線方向Sに対して傾斜した平面とすることもできる。また、湾曲面とすることもできる。
【0045】
また、本実施形態の受圧面354は押え部材35の軸線方向Sにおける中間位置に設けられていたが、例えば押え部材内通水路351を軸線方向Sにおいて同径に形成し(大径部3511と小径部3512とを形成せず)、押え部材35の1次側端面を受圧面354とすることもできる。
【0046】
また、位置調整部34の位置調整部内通水路341における小径部3411と大径部3422との間には、本実施形態では段差3423が存在するが、小径部3411及び大径部3422を2次側に向かうにつれ順次拡径するものとして、段差なく両者が接続されるよう構成されることもできる。
【符号の説明】
【0047】
1 水道メータユニット
2 ベース部
33 1次側支持部
34 位置調整部
341 位置調整部内通水路
3411 小径部
3412 大径部
3413 段差
346 止水部材、Oリング
35 押え部材
351 押え部材内通水路
3511 大径部
3512 小径部
354 受圧面
355 貫通孔
41 2次側支持部
J 水道用継手
M 水道用機器、水道メータ
S 軸線方向