特許第6514139号(P6514139)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6514139
(24)【登録日】2019年4月19日
(45)【発行日】2019年5月15日
(54)【発明の名称】動画像提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20190425BHJP
   H04N 21/854 20110101ALI20190425BHJP
   H04N 21/858 20110101ALI20190425BHJP
   H04N 21/2743 20110101ALI20190425BHJP
【FI】
   G06Q50/10
   H04N21/854
   H04N21/858
   H04N21/2743
【請求項の数】5
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-50434(P2016-50434)
(22)【出願日】2016年3月15日
(62)【分割の表示】特願2015-170259(P2015-170259)の分割
【原出願日】2015年8月31日
(65)【公開番号】特開2016-154021(P2016-154021A)
(43)【公開日】2016年8月25日
【審査請求日】2018年2月13日
(31)【優先権主張番号】特願2014-188860(P2014-188860)
(32)【優先日】2014年9月17日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514217392
【氏名又は名称】イーキューデザイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【弁理士】
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】▲広▼島 康則
【審査官】 鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−177554(JP,A)
【文献】 特開2008−042700(JP,A)
【文献】 特開2013−047930(JP,A)
【文献】 特開2004−199666(JP,A)
【文献】 特開2007−264812(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/00 − 50/20
H04N 21/00 − 21/858
H04N 5/225 − 5/257
H04N 5/76 − 5/956
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画を撮影する撮影装置と、前記撮影装置とネットワークを介して接続する管理サーバとを有する動画像提供システムであって、
前記撮影装置は、制御部と、記憶部と、撮影部と、表示部と、通信部とを備え、
前記記憶部に記憶された処理プログラムを前記制御部が読み込んで実行される機能実現手段として、
前記撮影部で動画撮影が為されると、撮影した動画データを前記記憶部に記憶する動画撮影手段と、
前記管理サーバにアクセスするための情報とイベントIDの情報及び撮影毎に付与されるユーザIDの情報を含む識別情報とを前記表示部に表示する表示手段と、
前記動画データに前記イベントID及び前記ユーザIDを付して前記通信部により前記管理サーバにアップロードするデータアップロード手段とを有し、
前記管理サーバは、制御装置と、記憶装置とを備え、
背景画像となる背景画像データが前記イベントIDに対応付けて前記記憶装置に記憶されており、
前記記憶装置に記憶された処理プログラムを前記制御装置が読み込んで実行される機能実現手段として、
前記撮影装置からアップロードされた前記動画データを前記イベントIDと前記ユーザIDの組み合わせに対応付けて前記記憶装置に格納する受付手段と、
前記動画データと前記背景画像データとを合成して合成動画データを生成し、前記イベントIDと前記ユーザIDの組み合わせに対応付けて前記記憶装置に記憶する動画合成手段と、
前記表示部に表示された前記識別情報を基にユーザの携帯端末から前記管理サーバにアクセスがあると、前記識別情報に含まれる前記イベントIDと前記ユーザIDの組み合わせに対応する合成動画データを前記携帯端末にダウンロードする動画データダウンロード手段とを有することを特徴とする動画像提供システム。
【請求項2】
動画を撮影する撮影装置と、前記撮影装置とネットワークを介して接続する管理サーバとを有する動画像提供システムであって、
前記撮影装置は、制御部と、記憶部と、撮影部と、表示部と、通信部とを備え、
背景画像となる背景画像データがイベントIDに対応付けて前記記憶部に記憶されており、
前記記憶部に記憶された処理プログラムを前記制御部が読み込んで実行される機能実現手段として、
前記撮影部で動画撮影が為されると、撮影した動画データを前記記憶部に記憶する動画撮影手段と、
前記撮影した動画データと前記背景画像データとを合成して合成動画データを生成し、前記記憶部に記憶する動画合成手段と、
前記管理サーバにアクセスするための情報と前記イベントIDの情報及び撮影毎に付与されるユーザIDを含む識別情報とを前記表示部に表示する表示手段と、
前記合成動画データに前記イベントID及び前記ユーザIDを付して前記通信部により前記管理サーバにアップロードするデータアップロード手段とを有し、
前記管理サーバは、制御装置と、記憶装置とを備え、
前記記憶装置に記憶された処理プログラムを前記制御装置が読み込んで実行される機能実現手段として、
前記撮影装置からアップロードされた前記合成動画データを前記イベントIDと前記ユーザIDの組み合わせに対応付けて前記記憶装置に格納する受付手段と、
前記表示部に表示された前記識別情報を基にユーザの携帯端末から前記管理サーバにアクセスがあると、前記識別情報に含まれる前記イベントIDと前記ユーザIDの組み合わせに対応する合成動画データを前記携帯端末にダウンロードする動画データダウンロード手段とを有することを特徴とする動画像提供システム。
【請求項3】
動画データダウンロード手段は、イベントIDに対応付けて記憶装置に記憶されている合成動画像データを携帯端末にダウンロードすることを特徴とする請求項1又は2記載の動画像提供システム。
【請求項4】
合成動画データには音声データが含まれていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の動画像提供システム。
【請求項5】
イベントIDに対応する合成動画データをイベントID単位に統合して統合動画データを生成する統合手段を撮影装置又は管理サーバのいずれかに有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の動画像提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画像を提供するシステムに係り、特に、イベントにおける記念となる動画像を容易にイベントの参加者に提供できる動画像提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来の写真撮影装置は、カーテンで仕切られた空間内で撮影された写真に様々なフレームを合成し、手書き文字を重ね合わせた写真を印刷するものとなっていた。
【0003】
[関連技術]
尚、従来の写真撮影装置に関連する先行技術文献として、特開2004−139267号公報「短時間印刷システム」(株式会社きど印刷所)[特許文献1]、特開2006−293580号公報「音声付き画像提供システム」(カシオ計算機株式会社)[特許文献2]、特許第4747848号公報「写真シール提供システム」(フリュー株式会社)[特許文献3]、特許第4746473号公報「自動写真作成装置」(辰巳電子工業株式会社)[特許文献4]、特許第5071568号公報「画像提供装置」(フリュー株式会社)[特許文献5]、特開2012−175324号公報「自動写真作成システム」(辰巳電子工業株式会社)[特許文献6]がある。
【0004】
以下、関連する先行技術文献について説明する。
特許文献1には、ブライダルアルバムを作成する技術が示されている。
特許文献2には、写真の枠外に2次元コードを印刷し、それを携帯端末で読み取ると音声データをダウンロードすることが示されている。
【0005】
特許文献3には、画像提供装置が複数の写真データを編集した「つなぎプリ」を携帯電話機の表示部の縦横比に一致させるよう加工して送信することが示されている。
特許文献4には、自動写真作成装置が外部から受信したデータに識別情報が付加されている場合に、写真を印刷し、又は写真データを端末に送信することが示されている。
【0006】
特許文献5には、顧客の個人IDに基づいて顧客毎に撮影画像を記憶し、テーマによって組み合わせ画像を生成し、組み合わせ画像のプレビューを携帯端末に表示させ、指示によりダウンロードすることが示されている。
特許文献6には、サーバがプリ写真を端末からの要求で配信し、隠れて重なって見えない部分の一部を表示可能とすることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−139267号公報
【特許文献2】特開2006−293580号公報
【特許文献3】特許第4747848号公報
【特許文献4】特許第4746473号公報
【特許文献5】特許第5071568号公報
【特許文献6】特開2012−175324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の写真撮影装置では、イベントとして例えば結婚披露宴の記念写真や記念動画を撮影するのは不向きであるとの問題点があった。
尚、上記特許文献1〜6には、結婚披露宴等のイベントに出席する参加者が個々に撮影した記念写真、記念動画を合成、編集して個々の参加者に効率的に配信することが配慮されていない。
【0009】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、結婚披露宴等のイベントの記念動画を撮影し、招待客等の参加者に提供するのに最適な動画像提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(印刷部がなく、タブレット型を想定した動画提供システム)
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、動画を撮影する撮影装置と、撮影装置とネットワークを介して接続する管理サーバとを有する動画像提供システムであって、
撮影装置が、制御部と、記憶部と、撮影部と、表示部と、通信部とを備え、記憶部に記憶された処理プログラムを制御部が読み込んで実行される機能実現手段として、撮影部で動画撮影が為されると、撮影した動画データを記憶部に記憶する動画撮影手段と、管理サーバにアクセスするための情報イベントIDの情報及び撮影毎に付与されるユーザIDの情報を含む識別情報とを表示部に表示する表示手段と、動画データにイベントID及びユーザIDを付して通信部により管理サーバにアップロードするデータアップロード手段とを有し、
管理サーバが、制御装置と、記憶装置とを備え、背景画像となる背景画像データがイベントIDに対応付けて記憶装置に記憶されており、記憶装置に記憶された処理プログラムを制御装置が読み込んで実行される機能実現手段として、撮影装置からアップロードされた動画データをイベントIDとユーザIDの組み合わせに対応付けて記憶装置に格納する受付手段と、動画データと背景画像データとを合成して合成動画データを生成し、イベントIDとユーザIDの組み合わせに対応付けて記憶装置に記憶する動画合成手段と、表示部に表示された識別情報を基にユーザの携帯端末から管理サーバにアクセスがあると、識別情報に含まれるイベントIDとユーザIDの組み合わせに対応する合成動画データを携帯端末にダウンロードする動画データダウンロード手段とを有することを特徴とする。
【0011】
(印刷部がなく表示部がある動画提供システム)
本発明は、動画を撮影する撮影装置と、撮影装置とネットワークを介して接続する管理サーバとを有する動画像提供システムであって、
撮影装置が、制御部と、記憶部と、撮影部と、表示部と、通信部とを備え、背景画像となる背景画像データがイベントIDに対応付けて記憶部に記憶されており、記憶部に記憶された処理プログラムを制御部が読み込んで実行される機能実現手段として、撮影部で動画撮影が為されると、撮影した動画データを記憶部に記憶する動画撮影手段と、撮影した動画データと背景画像データとを合成して合成動画データを生成し、記憶部に記憶する動画合成手段と、管理サーバにアクセスするための情報とイベントIDの情報及び撮影毎に付与されるユーザIDを含む識別情報とを表示部に表示する表示手段と、合成動画データイベントID及びユーザIDを付して通信部により管理サーバにアップロードするデータアップロード手段とを有し、
管理サーバが、制御装置と、記憶装置とを備え、記憶装置に記憶された処理プログラムを制御装置が読み込んで実行される機能実現手段として、撮影装置からアップロードされた合成動画データをイベントIDとユーザIDの組み合わせに対応付けて記憶装置に格納する受付手段と、表示部に表示された識別情報を基にユーザの携帯端末から管理サーバにアクセスがあると、識別情報に含まれるイベントIDとユーザIDの組み合わせに対応する合成動画データを携帯端末にダウンロードする動画データダウンロード手段とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明は、上記動画像提供システムにおいて、動画データダウンロード手段が、イベントIDに対応付けて記憶装置に記憶されている合成動画像データを携帯端末にダウンロードすることを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記動画像提供システムにおいて、合成動画データには音声データが含まれていることを特徴とする。
【0014】
本発明は、上記動画像提供システムにおいて、イベントIDに対応する合成動画データをイベントID単位に統合して統合動画データを生成する統合手段を撮影装置又は管理サーバのいずれかに有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、撮影装置で実現される動画撮影手段が、撮影部で動画撮影が為されると、撮影した動画データを記憶部に記憶し、表示手段が、管理サーバにアクセスするための情報とイベントIDの情報及び撮影毎に付与されるユーザIDの情報を含む識別情報とを表示部に表示し、データアップロード手段が、動画データイベントID及びユーザIDを付して通信部により管理サーバにアップロードし、管理サーバで実現される受付手段が、撮影装置からアップロードされた動画データをイベントIDとユーザIDの組み合わせに対応付けて記憶装置に格納し、動画合成手段が、動画データと背景画像データとを合成して合成動画データを生成し、イベントIDとユーザIDの組み合わせに対応付けて記憶装置に記憶し、動画データダウンロード手段が、表示部に表示された識別情報を基にユーザの携帯端末から管理サーバにアクセスがあると、識別情報に含まれるイベントIDとユーザIDの組み合わせに対応する合成動画データを携帯端末にダウンロードする動画像提供システムとしているので、イベントにおいて記念動画データで容易にお客に提供できる効果がある。
【0016】
本発明によれば、撮影装置で実現される動画撮影手段が、撮影部で動画撮影が為されると、撮影した動画データを記憶部に記憶し、動画合成手段が、撮影した動画データと背景画像データとを合成して合成動画データを生成し、記憶部に記憶し、表示手段が、管理サーバにアクセスするための情報とイベントIDの情報及び撮影毎に付与されるユーザIDを含む識別情報とを表示部に表示し、データアップロード手段が、合成動画データイベントID及びユーザIDを付して通信部により管理サーバにアップロードし、管理サーバで実現される受付手段が、撮影装置からアップロードされた合成動画データをイベントIDとユーザIDの組み合わせに対応付けて記憶装置に格納し、動画データダウンロード手段が、表示部に表示された識別情報を基にユーザの携帯端末から管理サーバにアクセスがあると、識別情報に含まれるイベントIDとユーザIDの組み合わせに対応する合成動画データを携帯端末にダウンロードする動画像提供システムとしているので、イベントにおいて記念動画データで容易にお客に提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本システムの概略図である。
図2】写真・動画撮影装置の構成ブロック図である。
図3】PCの内部構成を示す図である。
図4】写真・動画撮影装置の外観図であり、(a)が正面図、(b)が右側面図である。
図5】管理サーバ2の構成ブロック図である。
図6】ユーザデータ管理テーブルを示す概略図である。
図7】結婚式管理テーブルを示す概略図である。
図8】写真・動画撮影装置での処理を示すフローチャートである。
図9】管理サーバでの処理(1)を示すフローチャートである。
図10】管理サーバでの処理(2)を示すフローチャートである。
図11】前景画像、撮影画像、背景画像を示す図である。
図12】合成画像を示す図である。
図13】別の写真・動画撮影装置の外観図であり、(a)が正面図、(b)が右側面図である。
図14】携帯端末の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る動画像提供システムは、動画撮影装置で動画撮影が為されると、動画撮影装置が、管理サーバにアクセスするための情報とイベントIDの情報及び撮影毎に付与されるユーザIDの情報を含む識別情報とを表示部に表示し、撮影された動画データにイベントID及びユーザIDを付して管理サーバにアップロードし、管理サーバが、アップロードされた動画データと背景画像データとを合成して合成動画データを生成し、表示部に表示された識別情報を基にユーザの携帯端末から管理サーバにアクセスがあると、識別情報に含まれるイベントIDとユーザIDの組み合わせに対応する合成動画データを携帯端末にダウンロードするものであり、記念動画を容易にイベントの参加者に提供できるものである。
【0019】
本発明の実施の形態に係る動画像提供システムは、動画撮影装置で動画が撮影されると、動画撮影装置が、撮影した動画データと背景画像データとを合成して合成動画データを生成し、管理サーバにアクセスするための情報とイベントIDの情報及び撮影毎に付与されるユーザIDを含む識別情報とを表示部に表示し、合成動画データにイベントID及びユーザIDを付して管理サーバにアップロードし、表示部に表示された識別情報を基にユーザの携帯端末から管理サーバにアクセスがあると、管理サーバが、識別情報に含まれるイベントIDとユーザIDの組み合わせに対応する合成動画データを携帯端末にダウンロードするものであり、記念動画を容易に参加者に提供できるものである。
【0020】
[本システム:図1
本発明の実施の形態に係る写真・動画像提供システム(本システム)の概略について図1を参照しながら説明する。図1は、本システムの概略図である。
本システムは、図1に示すように、写真・動画撮影装置1と、管理サーバ2と、ネットワーク3と、基地局4とを有している。
本システムでは、写真・動画撮影装置1と管理サーバ2とがネットワーク3を介して接続している。
また、写真・動画撮影装置1とユーザが保有するスマートフォン又はタブレット等の携帯端末5は、無線通信を介してネットワーク3に接続している。
【0021】
[本システムの各部]
次に、本システムの各部について説明する。
[写真・動画撮影装置1]
写真・動画撮影装置1は、結婚披露宴等のイベントにおける招待客(参加者)の写真を撮影すると共に動画の撮影も行う。
そして、写真・動画撮影装置1は、撮影した写真データと予め写真・動画撮影装置1で撮影しておいた新郎新婦の写真データ及び予め準備された画像データと合成し、印刷を行う。
具体的には、写真・動画撮影装置1は、撮影した写真データの背景画像に予め準備しておいた背景画像データを合成して「撮影写真データ」を作成し、撮影した写真データの前景に予め準備しておいた写真データを配置し、背景に予め準備しておいた背景画像データを配置して合成して「合成写真データ」を作成する。
そして、写真・動画撮影装置1は、撮影写真データと合成写真データを1枚のシートに印刷する。
【0022】
また、写真・動画撮影装置1は、撮影した動画データと予め写真・動画撮影装置1で撮影しておいた新郎新婦の動画データ及び予め準備された動画データと合成して編集し、統合する。
具体的には、写真・動画撮影装置1は、撮影した動画データの前景に予め準備しておいた新郎新婦の動画データを配置し、背景に予め準備しておいた動画データを配置して合成して「合成動画データ」を作成し、更に複数の合成動画データを編集して統合して「統合動画データ」を作成する。
尚、合成動画データが一つだけの場合、統合を行わず、合成動画データをアップロードの対象とする。
【0023】
また、写真・動画撮影装置1は、撮影写真データ、合成写真データ及び統合動画データを管理サーバ2にアップロードする。
写真・動画撮影装置1の処理動作の詳細は、後述する。
【0024】
[管理サーバ2]
管理サーバ2は、写真・動画撮影装置1からアップロードされた撮影写真データと合成写真データ、更に統合動画データを受け取り、記憶部22における特定アドレスに格納する。
また、管理サーバ2は、招待客のスマートフォン等の携帯端末5からアクセスがあると、該当する合成写真データ及び撮影写真データを携帯端末5にダウンロード(配信)する。
更に、管理サーバ2は、携帯端末5からアクセスがあると、統合動画像データを携帯端末5にダウンロードする。
【0025】
[ネットワーク3、基地局4]
ネットワーク3は、インターネットを想定している。
基地局4は、無線通信を行うための中継基地局である。
【0026】
[携帯端末5]
携帯端末5は、スマートフォン又はタブレット等の情報端末であり、2次元バーコード(例えば、QRコード(登録商標))等の識別コードをカメラで読み取ると、そのコードに含まれるアクセス先(管理サーバ2)に接続し、更に2次元バーコードに含まれる情報を管理サーバ2に提供する。
2次元バーコードは、写真・動画撮影装置1で出力されるシートに印刷されるものであるが、写真・動画撮影装置1の表示画面に表示して、それを携帯端末5に読み取らせてもよい。
また、携帯端末5は、管理サーバ2から撮影写真データ、合成写真データ、統合動画データの配信を受ける(ダウンロードする)ものである。
【0027】
[本システムの動作概略]
本システムにおける動作概略を説明する。
結婚披露宴の招待客は、写真・動画像撮影装置1で写真撮影と動画撮影を行う。写真撮影は、撮影写真データ用に1回、合成写真データ用に1回と、計2回行う。
写真・動画像撮影装置1では、撮影写真データと合成写真データを生成し、統合動画データを生成して、撮影写真データ、合成写真データ、更に統合動画データを管理サーバ2にアップロードする。
そして、写真・動画像撮影装置1では、撮影写真データと合成写真データが1枚のシートに印刷され、そのシートには管理サーバ2にアクセスするためのアドレス、結婚式ID、ユーザIDの情報を含む2次元バーコードが付与されている。
結婚式ID、ユーザIDの情報については、ユーザデータ管理テーブルの説明で詳しく述べる。
【0028】
招待客は、シートに印刷された2次元バーコードを携帯端末5で読み込み、管理サーバ2にアクセスする。
管理サーバ2は、そのアクセスに対応して該当する撮影写真データ、合成写真データを携帯端末5にダウンロードする。
更に、動画撮影が終了し、動画データについて合成動画データが生成され、全ての合成動画データについて編集して統合し、統合動画データが生成されて管理サーバ2にアップロードされ、統合動画データが関係するユーザの携帯端末5にダウンロードされる。
【0029】
[写真・動画像撮影装置;図2
次に、本システムにおける写真・動画像撮影装置1について詳しく図2を参照しながら説明する。図2は、写真・動画撮影装置の構成ブロック図である。
写真・動画像撮影装置1は、図2に示すように、PC(パーソナルコンピュータ)10と、カメラ101と、フラッシュ102と、プリンタ103と、照明部104と、ランプ105と、冷却ファン106と、USB(Universal Serial Bus)等のデータポート107と、通信モジュール108と、バーコードリーダー109と、タッチパネルモニター110と、スピーカー111と、バッテリー112とを備えている。
【0030】
カメラ101は、写真・動画を撮影するもので、フラッシュ102は、写真撮影の時に発光し、プリンタ103は、合成写真等をシートに印刷し、照明部104は、撮影現場を明るくするものであり、ランプ105は、プリンタ103の動作状態を表示する。
冷却ファン106は、装置を冷却するためのファンであり、データポート107は、背景画像データ等や関連するプログラム等をインポートし、また、記憶部12内のデータをエクスポートする。
通信モジュール108は、ネットワーク3に接続するための通信機器であり、バーコードリーダー109は、2次元バーコードを読み取り、タッチパネルモニター110は、操作方法を表示し、指示を入力させ、スピーカー111は、操作の音声を出力し、バックグランドの音楽を出力するものである。
【0031】
バーコードリーダー109を用いているため、写真・動画撮影装置1はコイン投入式の装置ではなく、有効な2次元バーコードを読み取ることで、動作を開始するものとなっている。コイン投入式の装置であると、コイン投入口等を壊される恐れがあるが、バーコード読み取り式では、コインを保管しないので、その心配がない。
また、有効な2次元バーコードは、管理サーバ2から提供されて特定の用紙に印刷されたものであり、披露宴会場側から招待客に提供される。この2次元バーコードを用紙ではなく、披露宴会場側のスタッフのスマートフォンに管理サーバ2から送信して、そのスマートフォンの表示画面に2次元バーコードを表示させ、それを写真・動画撮影装置1に読み取らせるようにしてもよい。
【0032】
バッテリー112は、充電式で、各部へ電力を供給する電源である。写真・動画撮影装置1がバッテリー駆動であるため、使用時は電源コードを写真・動画撮影装置1の本体内に収納でき、本体を運搬・移動できるものである。
更に、各部はPC10に接続し、PC10が各部を制御するようになっている。
【0033】
また、写真・動画撮影装置1の正面に対向して、被写体の後方にはスクリーンが設けられている。スクリーンの色は緑で、被写体の背景を認識し、被写体部分の画像を抽出し易くしている。
尚、写真・動画撮影装置1とスクリーンの位置を保つために、両者を連結するプレートを床面に配置するようにしてもよい。
【0034】
[PCの内部構成; 図3
次に、写真・動画撮影装置1におけるPC10について図3を参照しながら説明する。図3は、PCの内部構成を示す図である。
PC10は、図3に示すように、制御部11と、記憶部12と、インタフェース部13とから構成されている。
【0035】
制御部11は、記憶部12に格納された処理プログラムを読み込み、処理を実行するものであり、処理プログラムの実行によって実現される機能実現手段は、事前画像設定手段、写真撮影手段、写真合成手段、動画撮影手段、動画合成手段、印刷手段、統合手段、写真・動画データアップロード手段等がある。これらの手段の詳細については後述する。
記憶部12には、処理プログラムが格納されると共に、結婚式ID毎に前景写真データ、背景画像データが記憶され、撮影された写真データ、動画データが結婚式IDとユーザIDの組み合わせに対応付けて記憶される。
また、記憶部12には、後述する結婚式管理テーブルを記憶している。
インタフェース部13は、写真・動画撮影装置1の各部が接続するインタフェースである。
【0036】
[写真・動画撮影装置の外観:図4
次に、写真・動画撮影装置1の外観について図4を参照しながら説明する。図4は、写真・動画撮影装置の外観図であり、(a)が正面図、(b)が右側面図である。
写真・動画撮影装置1は、図4に示すように、正面中央にタッチパネルモニター110が設けられ、その上にカメラ101、その左右にスピーカー111が配置されている。
また、写真・動画撮影装置1の背面には冷却ファン106が設けられ、上下に照明部とフラッシュ102が配置され、右側面にはバーコードリーダー109とプリンタの取り出し口103a、ランプ105が設けられている。取り出し口103aから合成写真等が印刷されたシートが出力される。
【0037】
[管理サーバ:図5
次に、管理サーバ2について図5を参照しながら説明する。図5は、管理サーバ2の構成ブロック図である。
管理サーバ2は、図5に示すように、制御部21と、記憶部22と、インタフェース部23とを有している。尚、請求項では、制御部21は制御装置と、記憶部22は記憶装置と表現している。
【0038】
制御部21は、記憶部22に格納された処理プログラムを読み込み、処理を実行するものであり、処理プログラムの実行によって実現される機能実現手段は、写真・動画データアップロード受付手段、写真・動画データダウンロード手段等がある。これらの手段の詳細については後述する。
【0039】
記憶部22は、処理プログラムの他に、撮影写真データ、合成写真データ、統合動画データを記憶し、更にそれらのデータを管理するためのユーザデータ管理テーブル、イベントに関する情報を管理するイベント管理テーブルを記憶している。尚、本実施の形態では、結婚披露宴を例にしているので、イベント管理テーブルは、結婚式管理テーブルとなる。
インタフェース部23は、ネットワークに接続するためのインタフェースである。
【0040】
[ユーザデータ管理テーブル:図6
ユーザデータ管理テーブルについて図6を参照しながら説明する。図6は、ユーザデータ管理テーブルを示す概略図である。
ユーザデータ管理テーブルは、図6に示すように、イベントIDとしての結婚式ID、ユーザID、写真データ格納アドレス(1)、写真データ格納アドレス(2)、動画像データ格納アドレスを記憶している。
【0041】
結婚式IDは、結婚披露宴を特定する識別子であり、ユーザIDは写真撮影を行う毎に付与される識別子(招待客の識別子)である。本システムでは、写真・動画撮影装置1で結婚式IDとユーザIDが付与され、合成写真データ等のアップロードの際に管理サーバ2に送信される。
尚、ユーザIDは、写真撮影毎に付与されるIDであるため、「撮影ID」とも称する。例えば、同じ招待客が何度も写真撮影を行うと、その度毎に異なった撮影IDが付与されることになる。
撮影IDは、撮影の順番を示すものであってもよいし、撮影の時刻を示すものであってもよい。
【0042】
写真データ格納アドレス(1)は、写真・動画撮影装置1からアップロードされた合成写真データを格納する記憶部22のアドレスである。
写真データ格納アドレス(2)は、写真・動画撮影装置1からアップロードされた撮影写真データを格納する記憶部22のアドレスである。
動画像データ格納アドレスは、写真・動画撮影装置1からアップロードされた統合動画データを格納する記憶部22のアドレスである。
【0043】
本システムにおけるユーザデータ管理テーブルでは、初期段階で情報は設定されておらず、合成写真データ等のアップロードの時に、写真・動画撮影装置1で付与された結婚式IDと撮影ID(ユーザID)が設定され、そして、合成写真データ、撮影写真データ、統合動画データの格納アドレスが設定される。
【0044】
[結婚式管理テーブル:図7
結婚式管理テーブルについて図7を参照しながら説明する。図7は、結婚式管理テーブルを示す概略図である。
結婚式管理テーブルは、図7に示すように、結婚式ID、日時データ、式場データ、担当者ID等を記憶している。
【0045】
結婚式IDは、結婚披露宴を特定する識別子であり、日時データは、結婚披露宴の日時を示すデータであり、式場データは、式場又は披露宴会場を示すデータであり、担当者IDは、結婚式場側の担当者を特定するための識別子である。
結婚式管理テーブルは、写真・動画撮影装置1にそのコピーが提供される。本システムでは、結婚式管理テーブルのコピーを管理サーバ2から提供するようにしているが、ネットワーク3に接続する別のコンピュータで結婚式管理テーブルを作成して、管理サーバ2と写真・動画撮影装置1にそのコピーを配信してもよい。
【0046】
[写真・動画撮影装置で実行される機能実現手段]
次に、写真・動画撮影装置1で実行される機能実現手段について説明する。
写真・動画撮影装置1で記憶部12に格納された処理プログラムが制御部11に読み込まれて実行される機能実現手段として、事前画像設定手段、写真撮影手段、写真合成手段、動画撮影手段、動画合成手段、統合手段、印刷手段、写真・動画データアップロード手段等がある。
以下、各機能実現手段について説明する。
【0047】
[事前画像設定手段]
事前画像設定手段(準備手段)は、予め写真・動画撮影装置1で撮影された写真データについて背景画像を取り除き、前景画像となる前景写真データを生成して記憶部12に記憶する。
また、事前画像設定手段は、新郎新婦との合成写真用の背景の画像データと、招待客だけで撮影された撮影写真用の背景の画像データを入力して記憶部12に記憶する。背景の画像データは、データポート107から入れ替えることができる。
尚、事前画像設定手段は、前景写真データと背景画像データを結婚式IDに関連付けて記憶部12に記憶しておく。
【0048】
前景写真データは、例えば、予め新郎新婦の写真を写真・動画撮影装置1で撮影し、新郎新婦の背景部分を取り除いて前景画像としての前景写真データが生成される。
また、背景画像データは、結婚式場の写真又は任意の写真(例えば、花の画像、自然の風景の画像)のデータを用いることができる。背景画像データとして、写真ではなく図柄又はイラストを用いてもよい。
【0049】
[写真撮影手段]
写真撮影手段は、結婚披露宴の当日、招待客が披露宴会場に来場し、披露宴会場の近くに設置された写真・動画撮影装置1で写真撮影を行う場合に動作する手段である。
写真・動画撮影装置1のタッチパネルモニター110で撮影の操作が為されると、カメラ101の前の被写体について顔を認識し、写真撮影を行い、撮影した写真データをPC10の記憶部12に記憶する。
撮影IDを付加するため、シートを必要数印刷するために、認識した顔の数をカウントし、記憶部12に記憶しておく。
【0050】
バーコードリーダー109で、用紙に印刷された2次元バーコードを読み取らせることで結婚式IDが付与され、撮影毎に撮影IDが付与され、その結婚式IDと撮影IDの組み合わせに対応付けて写真データを記憶部12に記憶する。この場合、撮影IDは、撮影毎に付与されることになるから、例えば、撮影の順番を示すものとなる。
尚、タッチパネルモニター110の操作で、結婚披露宴を特定させることで結婚式IDを付与してもよい。
【0051】
また、複数の招待客が合同で写真撮影した場合には、顔認識された招待客のそれぞれに異なる撮影IDが付与される。
尚、合同で複数人が写真撮影した場合に、顔認識された招待客すべてに同じ撮影IDを付与するようにしてもよい。つまり、結婚式IDと撮影IDの組み合わせが同じものになる。この場合、後述する印刷手段で印刷されるシートには、同じ2次元バーコードが付与されることになり、2次元バーコードを読み込んだ携帯端末5からの写真データのダウンロード要求に対して何度もダウンロード可能とするものである。
撮影ID(ユーザID)の付与の応用例については後述する。
【0052】
[写真合成手段]
写真合成手段は、結婚式IDと撮影IDの組み合わせ(結婚式ID+撮影ID)毎に記憶部12から撮影した写真データを読み込み、その写真データについて背景部分を取り除き、事前画面設定手段で準備された背景画像データを背景画像として用いて合成し、撮影写真データを生成し、「結婚式ID+撮影ID」に対応付けて記憶部12に記憶する。撮影写真データは、招待客だけが撮影された写真データとなる。
【0053】
また、写真合成手段は、「結婚式ID+撮影ID」毎に記憶部12から撮影した写真データを読み込み、その写真データについて背景部分を取り除き、前景写真データを前景に配置し、背景画像データを背景に配置して合成し、合成写真データを生成し、「結婚式ID+撮影ID」に対応付けて記憶部12に記憶する。この合成写真データは、新郎新婦と招待客が一緒に撮影されたような合成写真データとなる。
【0054】
[写真合成の例:図11図12
写真合成手段における写真合成の例について図11図12を参照しながら説明する。図11は、前景画像、撮影画像、背景画像を示す図であり、図12は、合成画像を示す図である。
図11(a)が、新郎新婦の写真データから背景画像を取り除いて前景画像データ(前景写真データ)を生成して得られた写真例であり、図11(b)が、招待客を撮影した写真データから背景画像を取り除いて撮影画像データを生成して得られた写真例であり、図11(c)が、背景画像データによる背景画像例である。
【0055】
そして、図11の(a)〜(c)の前景画像データ、撮影画像データ、背景画像データを重ね合わせて合成した図12の写真例となる合成画像データを生成する。
具体的には、図11(b)の撮影画像データの前景に図11(a)の前景画像データを配置し、図11(b)の撮影画像データの背景に図11(c)の背景画像データを配置して、重ね合わせて合成することで合成写真データが生成される。
【0056】
[動画撮影手段]
動画撮影手段は、写真撮影が終了すると続いて動作するもので、招待客を特定の時間(例えば、5秒程度)撮影し、動画像データ(動画データ)を生成し、「結婚式ID+撮影ID」に対応付けて記憶部12に記憶する。
動画データには、音声データを含めるようにしてもよいし、音声データを含めないようにしてもよい。尚、動画データに音声データを含める場合には、図2の構成に音声入力手段となるマイクを設けるものとする。
また、以下に説明する統合手段で統合動画データに編集する際に、音楽やナレーションのデータを付加することができる。
【0057】
[動画合成手段]
動画合成手段は、動画データについて、背景部分を切り取り、背景画像データと合成し、若しくは前景写真データ及び背景画像データと合成して合成動画像データを生成し、記憶部12に記憶する。更に、背景画像データを動画像データとしてもよく、また、前景写真データの代わりに前景部分に動画像データを用いて合成してもよい。
【0058】
[統合手段]
統合手段は、全ての合成動画像データの生成終了を認識すると、結婚式IDで関連付けられた合成動画データを統合して統合動画データを生成する編集処理を行う。
合成動画像データの生成終了の認識は、披露宴会場側の関係者が写真・動画撮影装置1のタッチパネルモニター110から終了の指示を入力することで行うことができる。また、結婚式管理テーブルの日時データから終了時間を写真・動画撮影装置1の制御部11が認識し、その終了時刻又はその終了時刻から一定時間経過時をタイムアップとして動画撮影終了を認識してもよい。
【0059】
編集は、撮影順番の時系列に動画データをつなぎ合わせて統合してもよいが、時系列に統合せず、ランダムに統合してもよい。
また、統合手段は、合成動画データを統合して統合動画データに編集する際に、音楽やナレーションのデータを付加することができる。
尚、統合する動画データの前後に、別の写真データ又は/及び動画データ(例えば、新郎新婦の写真データ又は/及び動画データ)を挿入するようにしてもよい。更に、招待客が写真撮影手段で撮影した写真データ又は/及び写真合成手段で合成された撮影写真データを動画データの前後に挿入するようにしてもよい。
統合動画データは、例えば、オープニングタイトル、招待客の合成動画(前景動画、招待客動画、及び背景静止画又は背景動画を合成した動画)、新郎新婦の合成動画(前景動画、新郎新婦の静止画又は動画、及び背景静止画又は背景動画を合成した動画)、エンドロールのデータで構成されるものである。
ここで、背景動画は、写真データを一方向又は多方向に移動させ、若しくは写真データを拡大又は縮小させるようにしたものであってもよい。
【0060】
また、統合手段は、結婚式IDで関連付けられた写真データを編集統合して編集写真データを作成するようにしてもよい。編集写真データとしては、新郎新婦の写真の背景に招待客全員の顔写真を配置したフォトコラージュを作成してもよい。フォトコラージュには、結婚式の年月日、新郎新婦の氏名を掲載する。
また、編集写真データとして、新郎新婦の写真データと複数の撮影写真データをつなぎ合わせた一連の電子的ミニアルバムを作成してもよい。この電子的なミニアルバムをスライドショー方式で再生させるファイル形式としてもよい。
更に、統合手段は、フォトコラージュの動画版(編集動画データ)を作成してもよい。この動画版は、前景動画に新郎新婦の動画データ又は写真データを配置し、背景に招待客全員の動画データを配置して合成した動画像データで、動画コラージュ(ムービーコラージュ、ビデオコラージュ)となる。
【0061】
[印刷手段]
印刷手段は、写真撮影が終了すると動作するもので、写真合成手段で生成された撮影写真データ、合成写真データをシートに印刷する処理を行う。
シート印刷は、写真撮影手段で顔認識を行っているため、認識した顔の人数分を印刷する。
また、印刷手段は、合成写真部分又はシートの余白部分に新郎新婦の名前、結婚式の年月日、式場を印刷するようにしてもよい。この場合、印刷手段は、記憶部12に記憶されている結婚式管理テーブルに設定されている情報を取得してから印刷を行う。
【0062】
更に、印刷手段は、シートへの印刷の際に、管理サーバ2へのアクセスアドレス情報、結婚式IDと撮影IDの情報を含む2次元バーコードをシートの一部に印刷する。
尚、写真撮影手段で招待客毎に異なる撮影IDを付与しているため、シートを複数枚印刷する場合には、撮影IDは異なるものとしておく。
本システムでは、2次元バーコードを用いているが、1次元バーコードを用いても、その他の識別情報を用いてもよい。
【0063】
[写真・動画データアップロード手段]
写真・動画データアップロード手段は、記憶部12に記憶された撮影写真データ、合成写真データ、統合動画データについて結婚式IDと撮影IDを付与して管理サーバ2にアップロードする。
招待客が複数人で写真撮影、動画撮影した場合には、その複数人ではデータは同じになるため、撮影写真データ、合成写真データ、統合動画データについて複数人分の異なる「結婚式ID+撮影ID」を付与してアップロードするのがデータの伝送効率を高めることになる。
【0064】
尚、招待客が複数人で写真撮影、動画撮影した場合で、すべての招待客に同じ「結婚式ID+撮影ID」を付与することとした場合には、撮影写真データ等にその「結婚式ID+撮影ID」を付してアップロードを行うことになり、管理サーバ2におけるユーザデータ管理テーブルでも、その一つの「結婚式ID+撮影ID」に対して受信した各種データの格納アドレスが設定される。
【0065】
そして、複数人分の異なる「結婚式ID+撮影ID」を付与した場合に、管理サーバ2では、複数人分の異なる「結婚式ID+撮影ID」と一種類の撮影写真データ、合成写真データ、動画データを受信し、ユーザデータ管理テーブルには複数の異なる「結婚式ID+撮影ID」を設定するものの、受信した各種のデータの格納アドレスは同じに設定される。
【0066】
[写真・動画撮影装置での処理フロー:図8
次に、写真・動画撮影装置での処理フローについて図8を参照しながら説明する。図8は、写真・動画撮影装置での処理を示すフローチャートである。
写真・動画撮影装置1では、写真撮影手段と動画撮影手段により、招待客が写真及び動画の撮影を行う処理が為される(S11)。
すると、写真・動画撮影装置1では、写真合成手段により、撮影した写真データと事前に撮影された新郎新婦の写真データから作成された前景写真データ、事前に準備された背景画像データとを合成する処理を行う(S12)。ここで合成された写真データが「合成写真データ」となる。
尚、撮影した写真データについても事前に準備された背景画像データと合成し、撮影写真データを生成する処理も行う。ここで合成された写真データが「撮影写真データ」となる。
合成写真データと撮影写真データは、結婚式IDと撮影IDが付与されて記憶部12に記憶される。
【0067】
また、動画合成手段により、撮影された動画データと事前に準備された背景画像データ(静止画像データ又は動画像データ)とを合成する処理を行う(S13)。ここで合成された動画データが「合成動画データ」となる。
尚、合成動画データについて、前景画像として、事前に準備された前景画像データ(静止画像データ又は動画像データ)、背景部分を取り除いた新郎新婦の動画データを用いて合成してもよい。
合成画像データは、結婚式IDと撮影IDが付与されて記憶部12に記憶される。
【0068】
次に、印刷手段により、合成写真と撮影写真を印刷する処理を行う(S14)。この印刷処理においては、管理サーバにアクセスするためのアドレス、結婚式ID及び撮影IDの情報を含む2次元バーコードを生成して合成写真等を掲載したシートに印刷する。
そして、写真・動画データアップロード手段により、合成写真データ、撮影写真データに「結婚ID+撮影ID」を付して管理サーバ2にアップロードし(S15)、処理を終了する。
【0069】
そして、統合手段により、複数の合成動画データを統合する処理を行う(S16)。ここで統合された動画データが「統合動画データ」となる。
次に、写真・動画データアップロード手段により、統合画像データに「結婚ID+撮影ID」を付して管理サーバ2にアップロードする(S17)。
【0070】
[管理サーバで実行される機能実現手段]
次に、管理サーバで実行される機能実現手段について説明する。
管理サーバ2で記憶部22に格納された処理プログラムが制御部21に読み込まれて実行される機能実現手段として、写真・動画データアップロード受付手段、写真・動画データダウンロード手段等がある。
以下、各機能実現手段について説明する。
【0071】
[写真・動画データアップロード受付手段]
写真・動画データアップロード受付手段は、写真・動画撮影装置1から写真・動画データのアップロードがあると、それらデータに付与された「結婚式ID+撮影ID」をユーザデータ管理テーブルに設定し、アップロードされた写真データ、動画データを記憶部22に格納すると共に、格納したデータのアドレスをユーザデータ管理テーブルに設定する。
【0072】
[写真・動画データダウンロード手段]
シートに印刷された2次元バーコードを招待客(ユーザ)の携帯端末5のカメラで読み込むと、携帯端末5が2次元バーコードから管理サーバ2のアドレスを認識して管理サーバ2にアクセスすることになる。当該アクセスでは、携帯端末5から結婚式ID、撮影IDの情報が提供される。
【0073】
2次元バーコードを携帯端末5が読み込んで管理サーバ2にアクセスし、ダウンロードを行う処理は、携帯端末5内のアプリケーションの動作によって為されるものである。
具体的には、携帯端末5のカメラが2次元バーコードを読み取ると、バーコード読み取りアプリで表示画面にリンクのパスが表示されるので、そのパスを選択すると、管理サーバ2にアクセスする。
そして、携帯端末5の表示画面に写真・動画のダウンロードを行うためのボタンを表示する。ボタンとしては、写真ダウンロードボタンと動画ダウンロードボタンがある。
【0074】
動画ダウンロードボタンは、統合動画データが整うまでは、表示されても、機能しないボタンとなる。または、動画ダウンロードボタンを押して、管理サーバ2に動画ダウンロード要求を行っても、動画データがまだアップロードされていない場合には、携帯端末5の表示画面に、準備が整っていない旨を表示して、改めて動画ダウンロード要求を行うよう指示を表示する。
ダウンロードボタンを選択すると、携帯端末5のダウンロードフォルダに写真データがダウンロードされる。
【0075】
写真・動画データダウンロード手段は、そのアクセスによって写真データのダウンロードか動画データのダウンロードかを判定して、写真データのダウンロードであれば、携帯端末5から提供される「結婚式ID+撮影ID」に基づいてユーザデータ管理テーブルにおけるその「結婚式ID+撮影ID」に対応する写真データ(撮影写真データ及び合成写真データ)をユーザの携帯端末5にダウンロード(配信)する。
また、動画データのダウンロードを判定した場合、携帯端末5から提供される「結婚式ID+撮影ID」に基づいてユーザデータ管理テーブルにおけるその「結婚式ID+撮影ID」に対応する統合動画データをユーザの携帯端末5にダウンロードする。
写真・動画データダウンロード手段は、統合動画データのダウンロードに加えて、またはそれに代えて、編集写真データを携帯端末5にダウンロードしてもよい。
【0076】
[管理サーバでの処理:図9図10
次に、管理サーバでの処理フローについて図9図10を参照しながら説明する。図9は、管理サーバでの処理(1)を示すフローチャートであり、図10は、管理サーバでの処理(2)を示すフローチャートである。
[写真データのアップロードとダウンロード処理]
管理サーバ2は、図9に示すように、写真・動画データアップロード受付手段により、写真・動画撮影装置1からの写真データのアップロードの受付処理を行う(S21)。受付処理は、写真データに付与された結婚式ID、撮影IDを読み取り、認識してユーザデータ管理テーブルに設定するものである。
【0077】
そして、「結婚式ID+撮影ID」に対応付けて写真データを記憶部22に格納し、それらデータの格納アドレスをユーザデータ管理テーブルに設定する(S22)。
次に、写真データダウンロード手段により、携帯端末5から管理サーバ2に写真データのダウンロード要求があったか否かを判定する(S23)。
【0078】
写真データのダウンロード要求は、携帯端末5が印刷シートの2次元バーコードを読み取って行うものであるから「結婚式ID+撮影ID」が管理サーバ2に提供される。
そして、ダウンロード要求がなければ(Noの場合)判定処理S23を繰り返し、ダウンロード要求があれば(Yesの場合)、ユーザデータ管理テーブルを参照して「結婚式ID+撮影ID」に対応して記憶部22に格納された写真データ(合成写真データと撮影写真データ)を要求があった携帯端末5にダウンロード(配信)する処理を行う(S24)。
【0079】
[動画データのアップロードとダウンロード処理]
また、管理サーバ2は、図10に示すように、写真・動画データアップロード受付手段により、写真・動画撮影装置1からの動画データのアップロードの受付処理を行う(S31)。受付処理は、動画データに付与された結婚式IDを読み取る。
【0080】
そして、結婚式IDに対応付けて動画データを記憶部22に格納し、動画データの格納アドレスをユーザデータ管理テーブルに設定する(S32)。ユーザデータ管理テーブルでは、「結婚式ID+撮影ID」に対応付けて動画像データの格納アドレスを設定するようになっているため、結婚式IDが一致する(共通する)動画データの格納アドレスの設定欄には、同一の格納アドレスが設定されることになる。
【0081】
次に、動画データダウンロード手段により、携帯端末5から管理サーバ2に動画データのダウンロード要求があったか否かを判定する(S33)。
動画のダウンロード要求は、携帯端末5において写真のダウンロード要求を行った同じ表示画面で行うようにしているので、携帯端末5から管理サーバ2に「結婚式ID+撮影ID」が提供される。
そして、ダウンロード要求がなければ(Noの場合)判定処理S33を繰り返し、ダウンロード要求があれば(Yesの場合)、ユーザデータ管理テーブルを参照して結婚式IDに対応して記憶部22に格納された動画データ(統合画像データ)を要求があった携帯端末5にダウンロード(配信)する処理を行う(S34)。
上記ダウンロード処理は、ストリーミング配信を含むものである。
【0082】
[グループ分けの編集]
写真・動画撮影装置1で写真・動画の撮影を行う場合に、タッチパネルモニター110の画面上で、グループ分けを行うようにしてもよい。
具体的には、画面上に「新郎側」「新婦側」のボタンを設け、招待客又は親族にいずれかのボタンを選択させることでグループ分けを行う。これにより、グループ毎に統合動画データを編集して作成できる。
【0083】
統合動画データの他に、編集写真データ、フォトコラージュ、ムービーコラージュ、ビデオコラージュを、クループ毎に編集するようにしてもよい。
また、グループは「新郎招待客」「新婦招待客」「親族」の3つに分けるようにしてもよい。
【0084】
[応用例]
次に、本システムの応用例について説明する。
応用例としては、結婚披露宴の招待状に招待客毎に結婚式IDとユーザIDの情報を含む2次元バーコード(識別コード)を印刷して配送する。従って、招待状毎にユーザIDが異なっている。尚、招待状に2次元バーコードを印刷しているが、招待状の用紙とは別の用紙に2次元バーコードを印刷して招待状に同封してもよいし、携帯端末5のメールアドレスを取得していれば、携帯端末5に配信してもよい。
応用例においては、ユーザIDは撮影IDではなく、招待客(ユーザ)毎に予め設定された識別子となる。
【0085】
そして、管理サーバ2のユーザデータ管理テーブルでは、予め結婚式IDとユーザID(結婚式ID+ユーザID)に対応付けて招待客の氏名、住所、グループ名等を登録しておく。
また、写真・動画撮影装置1にも、「結婚式ID+ユーザID」に対応付けて招待客の氏名、住所、グループ名等を登録したユーザ情報テーブルを記憶部12に記憶しておく。
【0086】
招待客は、写真・動画撮影装置1において、写真及び動画撮影を行う場合には、招待状の2次元バーコードをバーコードリーダー109で読み取ってから開始する。本システムでは、披露宴側の関係者が写真・動画撮影装置1を起動させるために2次元バーコードを読み込ませていたが、応用例では、招待客による招待状の2次元バーコードの読み取りで起動させるものである。
尚、2次元バーコードを読み取らせて写真・動画撮影装置1を起動させ、撮影を行うことができるのは1回限りである。一つの2次元バーコードで複数回の撮影はできないことになっている。
【0087】
複数の招待客が一緒に写真撮影する場合にも、一緒に撮影される招待客について全ての招待状の2次元バーコードを読み取ってもらうようタッチパネルモニター110に指示を出力する。2次元バーコードの数だけ合成写真データ、撮影写真データが印刷されるシートが出力される。
応用例では、招待状に印刷された2次元バーコードから結婚式IDとユーザIDを取得するものであり、本システムで撮影毎にユーザIDに撮影IDを付与するものとは異なっている。
【0088】
尚、写真撮影において顔認識した人数より2次元バーコードを読み取った人数が少ない場合には、2次元バーコードを読み取った招待客について処理を行えばよいが、人数一致しなかった人数分については新たなユーザID(この場合は「撮影ID」の意味となる)を付与して、上述した本システムにおける基本的な処理に従うようにしてもよい。
【0089】
写真・動画撮影装置1は、招待状の2次元バーコードをバーコードリーダー109で読み込むと、記憶部12に記憶されたユーザ情報テーブルを参照して、「結婚式ID+ユーザID」で特定されるユーザの氏名等を取得し、シートに氏名を印刷すると共に、管理サーバ2のアドレス、対応する結婚式IDとユーザIDの情報を含む2次元バーコードを印刷する。
【0090】
尚、招待状に印刷した2次元バーコードに含まれる結婚式IDとユーザIDを、予め管理サーバ2の記憶部22のユーザデータ管理テーブルに設定するようにしたが、写真・動画撮影装置1から合成写真データ等がアップロードされるときに、提供される結婚式IDとユーザIDを単純にユーザデータ管理テーブルにその都度設定してもよい。この場合、ユーザデータ管理テーブルでは、ユーザの氏名、住所、グループ等の情報を設定しないものとなる。
【0091】
そして、写真・動画撮影装置1の統合手段では、撮影の順番ではなく、予め設定されたユーザIDの順番で合成動画データを統合して統合動画データを生成し、編集写真データ又は編集動画データを生成することができる。
例えば、ユーザIDの1〜10が「新郎親族」のグループで、11〜20が「新婦親族」のグループで、21〜30が「新郎友人」のグループで、31〜40が「新婦友人」のグループであるとすると、グループ単位に動画データ等を編集して統合でき、整理された内容にすることができる。
【0092】
更に、統合手段で、動画データ等の表示前に「新郎親族」等の文字(グループ名)を記載した画面を挿入するようにしてもよいし、各動画データ等の表示前にグループ名又は/及びユーザの氏名を記載した画面を挿入してもよい。
尚、「新郎親族」又は/及び氏名の文字は、動画データ等の中に挿入するようにしてもよい。
【0093】
また、結婚披露宴の招待客は、披露宴会場に来場したときに、写真・動画撮影装置1で招待状に付された2次元バーコードを読み取ってもらうようにする。その際に、写真・動画撮影装置1では、カメラ101でその様子を撮影し、招待客の顔を認識し、招待客の顔の画像データと2次元バーコードから読み取った「結婚式ID+ユーザID」を対応付けて記憶部12に記憶する。この処理は、事前画像設定手段で行うようにしてもよく、別の手段で行うようにしてもよい。
【0094】
このように、事前に招待客の顔を認識できれば、写真・動画撮影装置1で写真・動画の撮影を開始する際に、カメラ101で顔を撮影して記憶部12に記憶された顔の画像データと照合を行い、ユーザが特定できた場合に、招待状に付された2次元バーコードを読み込ませる手間を省くことができる。
更に、写真・動画の撮影の場合に、複数人が同時に撮影されても、顔の画像データで招待客が認証できることになるので、撮影された招待客についてそれぞれの名前が付された合成写真等のシートを印刷出力できる。
【0095】
[別の写真・動画撮影装置の外観:図13
次に、本発明の実施の形態に係る別の写真・動画撮影装置(別の写真・動画撮影装置)について図13を参照しながら説明する。図13は、別の写真・動画撮影装置の外観図であり、(a)が正面図、(b)が右側面図である。
別の写真・動画撮影装置は、図13に示すように、正面中央にタッチパネルモニター210(第1のタッチパネルモニター)が設けられ、その上にカメラ201、その左右にスピーカー211が配置され、更に、上部左右に円形の照明部205a、モニター210の下側に照明部205bが設けられている。
照明部205a、205bは、ランプとフラッシュを備えている。
【0096】
装置の内部には、処理を実行するPC、プリンタ等が設けられている。
また、別の写真・動画撮影装置の側面には、プリンタ取り出し口203aとバーコードリーダー209が設けられている。
尚、別の写真・動画撮影装置の裏面に、タッチパネルモニター210とは別の(第2の)タッチパネルモニターを設けてもよい。このタッチパネルモニターに本装置の使用方法や広告を表示するようにしてもよい。
【0097】
別の写真・動画撮影装置のプリンタは、小型の白黒印刷を行うもので、レジのレシートのような小形のシートに、白黒の合成写真と2次元バーコードを印刷出力する。これにより、図4の装置と比べて、本体の小型化を図ることができ、安価に製造できるものである。
シートは、白黒印刷としたが、グレースケールにして、解像度を向上させることもできる。
【0098】
また、複数人で撮影を行った場合には、別の写真・動画撮影装置が顔認識処理で人数を特定して、人数分のシートを印刷してもよいが、シートを一枚印刷して、複数人がその一枚のシートの2次元バーコードを共有して各自の携帯端末5で読み取るようにしてもよい。その場合、一つの2次元バーコードに対して、一つ「結婚式ID+ユーザID」が付与されるので、別の写真・動画撮影装置が顔認識処理で人数を特定することにより、管理サーバ2に「結婚式ID+ユーザID」と人数を通知すると共に、合成写真データ、撮影写真データ、統合動画データのアップロードを行う。
【0099】
上記の例では、携帯端末5からの合成写真データ、撮影写真データ、統合動画データのダウンロードをユーザ毎に1度に限定しているが、同一ユーザがスマートフォンとパーソナルコンピュータ等の異なる端末で複数回ダウンロードするのには向いていない。このように、同一ユーザが複数回ダウンロードできるようにするには、特定期間内であれば何度でもダウンロード可能とするよう構成すればよく、ユーザの利便性を向上させることができる効果がある。
【0100】
そして、管理サーバ2は、ユーザ管理テーブルに「結婚式ID+ユーザID」を設定すると共に、アップロードされた合成写真データ、撮影写真データ、統合動画データの格納場所を設定して、人数を記憶する。
管理サーバ2は、合成写真データ、撮影写真データ、統合動画データのダウンロードを行う場合は、その人数分のユーザの携帯端末5に対してダウンロードを行う。
【0101】
尚、携帯端末5によっては動画のストリーミングは可能であるものの、動画のダウンロードができない機種がある。このような場合、動画をダウンロードするには、携帯端末5からダウンロードのアクセス先をユーザのパーソナルコンピュータ(PC)に転送して、そのPCでデータのダウンロードを行ってもらえるようにする。
ダウンロード又はストリーミングの期間を一定期間に限定して、管理サーバ2でのデータの記憶量を低減する。
【0102】
そして、ユーザが上記別の写真・動画撮影装置で写真撮影と動画撮影を行うと、シートに合成写真と2次元バーコードが印刷され、その2次元バーコードを携帯端末5で読み込むと、携帯端末5が管理サーバにアクセスし、撮影写真データと合成写真データをダウンロードし、ダウンロードが可能となった統合動画データのダウンロードを行う。
【0103】
上記別の写真・動画撮影装置において、プリンタを設けず、タッチパネルモニター210に2次元バーコードを表示して、携帯端末5に読み取らせるようにしてもよい。プリンタを不要にすると、更に装置を小型化にでき、安価に製造できる。
また、裏面の第2のタッチパネルモニターに2次元バーコードを表示させ、携帯端末5に読み取らせるようにすれば、ユーザがカメラ201の前に留まる時間を短くでき、撮影処理を効率的に行うことができる。
【0104】
[携帯端末での処理フロー:図14
本システムにおける携帯端末の処理について図14を参照しながら説明する。図14は、携帯端末の処理を示すフローチャートである。
図14に示すように、携帯端末5は、本システムに対応する専用アプリがインストールされているかどうかをユーザに判定させ(S40)、インストールされていなければ(Noの場合)、管理サーバ2又はアプリを提供するサイトにアクセスして専用アプリをダウンロードする(S41)。
判定処理S40で専用アプリがインストール済みの場合(Yesの場合)、また、処理S41で専用アプリをダウンロードした場合には、携帯端末5は、事前2次元バーコードの読み取りを行う(S42)。
【0105】
「事前2次元バーコード」とは、予めユーザを特定して配布されたバーコードであり、例えば、結婚式披露宴の招待状に招待客を個々に特定するために作成された2次元バーコードである。
処理S42により事前2次元バーコードを読み取ることで、携帯端末5は、管理サーバ2にアクセスして、ユーザ登録(ユーザエントリ)を行わせる(S43)。ユーザエントリは、2次元バーコードに基づいて、イベントID、ユーザID等が登録され、更にユーザによって氏名又はニックネーム等が登録される。
そして、事前2次元バーコードを携帯端末5が記憶部に記憶する(S44)。
【0106】
その後、披露宴会場の近くに設置された写真・動画撮影装置に対して、携帯端末5の表示部に事前2次元バーコードを表示して読み取らせ、撮影処理を行う(S45)。撮影された合成写真データ、撮影写真データ、統合動画データは、事前2次元バーコードに対応付けられた「結婚式ID(イベントID)+ユーザID」に関連付けられてアップロードされる。
そして、携帯端末5で専用アプリを使用して管理サーバ2にアクセスし(S46)、撮影写真データと合成写真データのダウンロードを行う(S47)。
【0107】
次に、統合画像データのダウンロード可能かどうかを判定し(S48)、可能であれば(Yesの場合)、統合動画データをダウンロードする(S49)。ダウンロード可能でなければ(Noの場合)、表示部に「ムービー作成中」を表示して(S50)、ユーザから入力された、統合画像データのダウンロードを行うか、又は行わないかの指示を判定し(S51)、行うの指示の場合(Yesの場合)、処理S48に戻り、行わないの指示の場合(Noの場合)は、処理を終了する。
【0108】
上記処理S42は、事前2次元バーコードを読み取ると、管理サーバ2にアクセスして判定処理を行うようになっている。
そして、処理S44,S46〜S50は、専用アプリによって為される処理であり、処理S45は、記憶した事前2次元バーコードを表示させる処理であるため、専用アプリによって為される必要はないが、専用アプリを起動して事前2次元バーコードを表示させるものであってもよい。
【0109】
図14に示した、事前2次元バーコードを携帯端末5に読み取らせる処理を用いれば、写真・動画撮影装置に事前2次元バーコードを読み取らせる必要はあるが、写真・動画撮影装置で2次元バーコードを印刷したり、表示したりする必要はなくなり、短時間で撮影処理を終了できる効果がある。
【0110】
[別のシステム]
次に、本発明の実施の形態に係る別のシステムについて説明する。
別のシステムでは、写真・動画撮影装置(撮影装置)1にタブレット端末又はスマートフォンを用いる。尚、タブレット端末等はタッチパネルスクリーン側の表面にカメラのレンズが設けられているので、ユーザがこれまで通り自ら撮影する。また、第三者に撮影してもらってもよい。
【0111】
そして、タブレット端末等において、本システムの写真・動画撮影装置1における同様の処理を行わせるようにしてもよいが、タブレット端末等における負荷が大きくなり、処理が遅くなる可能性があるので、タブレット端末等では、撮影した写真データと動画像データを管理サーバ2に送信し、管理サーバ2に接続するコントロールPC(パーソナルコンピュータ)で写真データの合成、動画像データの編集等を行わせるようにしてもよい。尚、管理サーバ2とコントロールPCを一体の処理装置とみることもできるし、また、コントロールPCの機能を管理サーバ2で実現できるようにしてもよい。
【0112】
コントロールPCは、管理サーバ2に送信された写真データと動画像データを入力し、写真・動画撮影装置で実現された事前画像設定手段、写真合成手段、動画合成手段、統合手段を処理プログラムで実行できるようになっている。
コントロールPCで作成された合成写真データ、撮影写真データ、統合動画データは、管理サーバ2に出力され、ユーザデータ管理テーブルで管理される。
【0113】
そして、タブレット端末等で写真・動画撮影を行った場合には、そのタッチパネルスクリーンに2次元バーコードを表示させ、ユーザの携帯端末5に読み取らせて、管理サーバ2にアクセスして、合成写真データ、撮影写真データ、統合動画データをダウンロードできるようにする。
【0114】
つまり、別のシステムでは、タブレット端末等の撮影装置1が、写真撮影された写真データを記憶部12に記憶する写真撮影手段と、撮影部で動画撮影が為されると、撮影した動画データを記憶部12に記憶する動画撮影手段と、管理サーバ2にアクセスするための情報、イベントIDの情報及び撮影毎に付与されるユーザIDの情報を含む識別情報とをタッチパネルスクリーン(タッチパネルモニター110)の表示部に表示する表示手段と、写真データと動画データとにイベントID及びユーザIDを付して通信部(通信モジュール108)により管理サーバ2にアップロードするデータアップロード手段とを有している。
【0115】
また、コントロールPC及び管理サーバ2、若しくはコントロールPCの機能を備える管理サーバ2は、前景画像となる前景写真データと、背景画像となる背景画像データとがイベントIDとユーザIDとの組み合わせに対応付けて記憶装置(コントロールPCの記憶部又は記憶部22)に記憶されており、撮影装置1からアップロードされた写真データと動画データとをイベントIDとユーザIDの組み合わせに対応付けて記憶装置に格納する受付手段と、写真データと前景写真データ及び背景画像データとを合成して合成写真データを生成し、イベントIDとユーザIDの組み合わせに対応付けて記憶装置に記憶する写真合成手段と、動画データと背景画像データとを合成して合成動画データを生成し、イベントIDとユーザIDの組み合わせに対応付けて記憶装置に記憶する動画合成手段と、イベントIDに対応する合成動画データをイベントID単位に統合して統合動画データを生成する統合手段と、表示部に表示された識別情報を基にユーザの携帯端末5から管理サーバ2にアクセスがあると、識別情報に含まれるイベントIDとユーザIDの組み合わせに対応する合成写真データを携帯端末5にダウンロードする写真データダウンロード手段と、イベントIDに対応する統合動画データを携帯端末5にダウンロードする動画データダウンロード手段とを有している。
【0116】
[課金方式]
本システム又は別のシステムで、本装置を観光客用の撮影、アトラクション等のイベントのための撮影、ゲームに対応した撮影に用いる場合には、専用アプリをインストールして立ち上げ、該当する2次元バーコードをインターネットの決済を用いて購入してダウンロードすることで、上記撮影の合成写真データ等を有料で提供できるものとなる。
【0117】
[個人用合成動画データをダウンロード]
本システム及び他のシステムでは、管理サーバ2から合成写真データ、撮影写真データ、統合動画データをユーザの携帯端末5にダウンロードするようになっているが、それらのデータに加えて個人用合成動画データをダウンロードするようにしてもよい。
【0118】
ここで、個人用合成画像データとは、ユーザIDに対応した合成写真データ、撮影写真データ、合成動画データ(ユーザが撮影された動画データについて背景部分を切り取り、背景画像データと合成したデータ)を統合(結合)したデータである。
具体的には、イベント名、開催日、会場等の表題を表示し、次に合成写真データを数秒表示し、撮影写真データを数秒表示してから、合成動画データを表示するものである。
尚、背景画像データは、写真データ又は動画データ、若しくは図柄のデータであってもよい。
【0119】
個人用合成画像データをダウンロードするためには、本システムの写真・動画撮影装置1から管理サーバ2に合成写真データ、撮影写真データをアップロードする際に、生成した合成動画データも、イベントIDとユーザIDを付与して管理サーバ2にアップロードする。
また、管理サーバ2では、ユーザデータ管理テーブルでアップロードされた合成写真データ、撮影写真データと共に合成動画データをイベントIDとユーザIDに対応付けて記憶し、これらデータを基に動画合成手段で個人用合成動画データを生成する。
尚、個人用合成動画データを写真・動画撮影装置1の動画合成手段で生成し、個人用合成動画データをデータアップロード手段でアップロードするようにしてもよい。
【0120】
[実施の形態の効果]
本システムによれば、写真・動画撮影装置1で結婚披露宴の招待客の写真と動画の撮影が為されると、予め撮影された新郎新婦の写真データを前景画像とし、予め準備された画像データを背景画像として、撮影された写真データにそれらデータを合成した合成写真データと、予め準備された画像データを背景画像として、撮影された写真データにそのデータを合成した撮影写真データが作成され、撮影された動画データを合成して統合した統合動画データが作成され、管理サーバ2に合成写真データ、撮影写真データ、統合動画データがアップロードされて、合成写真、撮影写真と管理サーバ2のアクセス情報、結婚式ID及びユーザIDの情報を含む2次元バーコードとを印刷したシートが出力され、その2次元バーコードを招待客の携帯端末5で読み込みと、管理サーバ2にアクセスして対応する合成写真データ、撮影写真データをダウンロードし、更に結婚式IDに関連する統合動画データを、ユーザの携帯端末5にダウンロードするものとしているので、結婚式等のイベントにおいて記念写真をシートで提供できると共に、記念写真データと記念動画データで容易に招待客に提供できる効果がある。
【0121】
また、応用例によれば、写真・動画撮影装置1で予め「結婚式ID+ユーザID」に対して、ユーザのグループ名又は/及び氏名を対応付けておき、そして、招待状等に結婚式IDとユーザIDの情報を含む2次元バーコードを印刷して、その2次元バーコードを写真・動画撮影装置1で読み込んで動作を開始し、撮影された写真データ、動画データに対応するユーザが特定されるので、写真データ、動画データにユーザのグループ名又は/及び氏名を付加でき、印刷されるシールにもユーザのグループ名又は/及び氏名を掲載でき、結婚式等のイベントにおいて記念写真をシートで提供できると共に、記念写真データと記念動画データを、更に整理された内容にて容易に招待客に提供できる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明は、結婚披露宴等のイベントの記念写真、記念動画を撮影し、招待客等の参加者に提供するのに最適な写真・動画像提供システムに好適である。
【符号の説明】
【0123】
1...写真・動画撮影装置、 2...管理サーバ、 3...ネットワーク、 4...基地局、 5...携帯端末、 10...PC、 11...制御部、 12...記憶部、 13...インタフェース部、 21...制御部、 22...記憶部、 23...インタフェース部、 101,201...カメラ、 102...フラッシュ、 103...プリンタ、 104...照明部、 105...ランプ、 106...冷却ファン、 107...データポート、 108...通信モジュール、 109,209...バーコードリーダー、 110,210...タッチパネルモニター、 111,211...スピーカー、 112...バッテリー、 205...照明部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14