特許第6514208号(P6514208)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6514208再資源化を容易にする収縮包装ラベルコーティング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6514208
(24)【登録日】2019年4月19日
(45)【発行日】2019年5月15日
(54)【発明の名称】再資源化を容易にする収縮包装ラベルコーティング
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/04 20060101AFI20190425BHJP
   B65D 23/00 20060101ALI20190425BHJP
   B65D 23/08 20060101ALI20190425BHJP
   B65D 75/06 20060101ALI20190425BHJP
   B29B 17/00 20060101ALI20190425BHJP
【FI】
   G09F3/04 C
   B65D23/00 HBRH
   B65D23/00 T
   B65D23/08 Z
   B65D75/06
   B29B17/00ZAB
【請求項の数】28
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-536098(P2016-536098)
(86)(22)【出願日】2014年7月24日
(65)【公表番号】特表2016-530564(P2016-530564A)
(43)【公表日】2016年9月29日
(86)【国際出願番号】US2014048057
(87)【国際公開番号】WO2015026479
(87)【国際公開日】20150226
【審査請求日】2017年7月10日
(31)【優先権主張番号】61/868,261
(32)【優先日】2013年8月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507385165
【氏名又は名称】サン ケミカル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ショットランド
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・マチウスジクジーク
(72)【発明者】
【氏名】サヴェリオ・ルッチ
(72)【発明者】
【氏名】ヨンピン・ザ
【審査官】 谷垣 圭二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−118102(JP,A)
【文献】 特表平11−512134(JP,A)
【文献】 特開2002−091316(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0018098(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 3/00−3/20
B65D 23/00
B65D 23/08
B65D 75/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベル基材にコーティング組成物を塗布することを含む方法であって、
a)前記ラベル基材がプラスチック製品に適用され、
b)前記コーティングが高温腐食性溶液の前記ラベルの取り外しを可能とし、
c)前記コーティング組成物が、
i)約25℃を超えるTgを有する少なくとも1種の第1の樹脂と、
ii)50℃を超えるTgを有する少なくとも1種の第2の樹脂と、を含み、
前記コーティング組成物が高温腐食性溶液中で少なくとも部分的に加水分解性であり、
前記高温腐食性溶液が65℃から90℃の間の温度を有する、方法。
【請求項2】
ラベル基材にコーティング組成物を塗布することを含む方法であって、
a)前記ラベル基材がプラスチック製品に適用され、
b)前記コーティングが高温腐食性溶液の前記ラベルの取り外しを可能とし、
c)前記コーティング組成物が、
i)約25℃を超えるTgを有する少なくとも1種の第1の樹脂と、
ii)50℃を超えるTgを有する少なくとも1種の第2の樹脂と、を含み、
前記コーティング組成物における前記樹脂の各々が高温腐食性溶液中で少なくとも部分的に加水分解性であり、
前記高温腐食性溶液が65℃から90℃の間の温度を有する、方法。
【請求項3】
コーティング組成物がコートされたラベル基材であって、前記コーティング組成物が、
a)約25℃を超えるTgを有する少なくとも1種の第1の樹脂と、
b)50℃を超えるTgを有する少なくとも1種の第2の樹脂と、を含み、
前記コーティング組成物が高温腐食性溶液中で少なくとも部分的に加水分解性であり、
前記高温腐食性溶液が65℃から90℃の間の温度を有する、ラベル基材。
【請求項4】
コーティング組成物がコートされたラベル基材であって、前記コーティング組成物が、
a)約25℃を超えるTgを有する少なくとも1種の第1の樹脂と、
b)50℃を超えるTgを有する少なくとも1種の第2の樹脂と、を含み、
前記コーティング組成物における前記樹脂の各々が高温腐食性溶液中で少なくとも部分的に加水分解性であり、
前記高温腐食性溶液が65℃から90℃の間の温度を有する、ラベル基材。
【請求項5】
請求項1または2に記載の方法によって塗布されたスリーブラベルを巻き付けた製品。
【請求項6】
a)約25℃を超えるTgを有する第1の樹脂と、
b)約50℃を超えるTgを有する第2の樹脂と、
c)第3の樹脂と、を含み、
少なくとも1種の前記樹脂が高温腐食性溶液中で少なくとも部分的に加水分解性であり、
前記高温腐食性溶液が65℃から90℃の間の温度を有する、コーティング組成物。
【請求項7】
前記第1の樹脂および前記第2の樹脂の少なくとも1つがポリエステル樹脂である、請求項6に記載のコーティング組成物。
【請求項8】
なくとも1種の前記樹脂が高温腐食性溶液中で少なくとも部分的に溶解性である、請求項6に記載のコーティング組成物。
【請求項9】
前記第1の樹脂および前記第2の樹脂の少なくとも1つがポリエステル樹脂である、請求項8に記載のコーティング組成物。
【請求項10】
前記第3の樹脂が25以上の酸価を有する、請求項6から9のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
【請求項11】
a)約25℃を超えるTgを有する第1の樹脂と、
b)約50℃を超えるTgを有する第2の樹脂と、
c)第3の樹脂と、を含むコーティング組成物であって、
前記コーティング組成物が高温腐食性溶液中で少なくとも部分的に加水分解性であり、
前記高温腐食性溶液が65℃から90℃の間の温度を有する、コーティング組成物。
【請求項12】
前記第1の樹脂および前記第2の樹脂の少なくとも1つがポリエステル樹脂である、請求項11に記載のコーティング組成物。
【請求項13】
前記コーティング組成物または少なくとも1種の前記樹脂が高温腐食性溶液中で少なくとも部分的に溶解性である、請求項11に記載のコーティング組成物。
【請求項14】
1つの樹脂が25以上の酸価を有する、請求項11に記載のコーティング組成物。
【請求項15】
ラベル基材にコーティング組成物を塗布することを含む方法であって、
a)前記ラベル基材がプラスチック製品に適用され、
b)前記コーティングが高温腐食性溶液の前記ラベルの取り外しを可能とし、
c)前記コーティング組成物が、
i)約25℃を超えるTgを有する第1の樹脂と、
ii)約50℃を超えるTgを有する第2の樹脂と、
iii)第3の樹脂と、を含み、
前記コーティング組成物が高温腐食性溶液中で少なくとも部分的に加水分解性であり、
前記高温腐食性溶液が65℃から90℃の間の温度を有する、方法。
【請求項16】
前記コーティング組成物または少なくとも1種の前記樹脂が高温腐食性溶液中で少なくとも部分的に溶解性である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
1つの樹脂が25以上の酸価を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
請求項1から4のいずれかのコーティング組成物がコートされたラベル基材。
【請求項19】
請求項15に記載の方法によってコーティング組成物が塗布されたラベル基材を巻きつけた製品であって、前記ラベル基材がスリーブラベルである、製品。
【請求項20】
製品からラベル基材を取り外す方法であって、
請求項18に記載のラベル基材が取り付けられた製品を高温腐食性溶液中に配置する段階と、
前記製品から前記ラベル基材を取り外す段階であって、前記コーティング組成物を前記高温腐食性溶液に十分な期間曝露することによって前記取り外す段階が起こる、取り外す段階と、を含む、方法。
【請求項21】
前記ラベル基材が、前記製品に適合するように収縮した収縮スリーブラベル基材である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ラベル基材が、前記コーティング組成物を含む継ぎ目を有し、前記取り外す段階が前記継ぎ目を開放する段階を含む、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
ラベル基材を備えた製品を再資源化する方法であって、
請求項18に記載のラベル基材が取り付けられた製品を高温腐食性溶液中に配置する段階と、
前記製品から前記ラベル基材を取り外す段階であって、前記コーティング組成物を前記高温腐食性溶液に十分な期間曝露することによって前記取り外す段階が起こる、取り外す段階と、
前記ラベル基材が取り外された前記製品を再資源化する段階と、
を含む、方法。
【請求項24】
前記ラベル基材が、前記製品に適合するように収縮した収縮スリーブラベル基材である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ラベル基材が、前記コーティング組成物を含む継ぎ目を有し、前記取り外す段階が前記継ぎ目を開放する段階を含む、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
前記高温腐食性溶液が12以上のpHを有する、請求項1、2及び15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記高温腐食性溶液が12以上のpHを有する、請求項3または4に記載のラベル基材。
【請求項28】
前記高温腐食性溶液が12以上のpHを有する、請求項6または11に記載のコーティング組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年8月21日に出願された米国仮出願番号第61/868,261号に対する優先権を主徴する。この仮出願は、これによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、プラスチック容器の再資源化を容易にする材料およびプロセスの分野に関する。本発明は、プラスチック容器用のラップアラウンドおよびスリーブラベル、特に収縮包装ラベルを含むラベルに塗布して、継ぎ目で良好な結合を促進すると共にその後の再資源化を容易にするコーティングを提供する。本発明のコーティングは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性PET(PET−G)、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン(COC)ならびに配向ポリプロピレン(OPP)、配向ポリスチレン(OPS)およびポリエチレン(PE)などのアルファポリオレフィン、またはポリ塩化ビニル(PVC)を含むラベル上への使用に特に有用である。ラベル基材は、モノリシックまたは多層であってよく、また、通常、共押出プロセスにより製造される1種または複数種のポリマー層を含んでもよい。本発明の材料およびプロセスは、容器に適用されるラベルの優れた密封性、収縮に対する耐性、および冷水に対する耐性の実現を可能とし、同時に、効果的デシーミングおよび再資源化プロセス中のラベルの取り外しを可能とする。
【背景技術】
【0003】
プラスチック容器の再資源化は、この数年間で益々広がってきている。しかし、プラスチック容器は再資源化が可能であっても、容器に適用される収縮包装ラベルを作製するために使われる材料は再資源化可能でない場合が多い。したがって、プラスチック容器から収縮包装ラベルを取り外すか、または容器材料からラベル材料を分離して、プラスチック容器の再資源化を可能にする必要がある。ラベルが容器から容易に分離可能ではない場合、分離されれば再資源化されたはずの多くの容器が再資源化されず、再資源化収率が低下する。したがって、容易に分離可能なラベルを作製して再資源化の効率を高めることに対するニーズが存在する。
【0004】
ブランドオーナーのプラスチックリサイクラー協会(Association of Plastics Recyclers)のガイドライン、およびPET容器資源協会(NAPCOR)の出版物は全て、再資源化システムにおける全面スリーブラベルにより引き起こされる問題を指摘している。スリーブは、選別プロセス中に自動検出システムから覆い隠す傾向がある。その結果、スリーブで覆われたボトルは最終的には透明なPET容器から分離され、廃棄されてしまう傾向があるので、PET再資源化設備の収率が低下してしまう。
【0005】
この選別に伴う問題を改善するために、再資源業者およびブランドオーナーは紙ラベル、またはポリオレフィンなどの低密度熱可塑性材料で作られた部分スリーブを推奨する傾向がある。しかし、このような材料は、PET−Gなどのより高密度基材の所望の収縮特性または印刷適性を持たない。
【0006】
さらに、現状では、ラベルを継ぎ目で密閉して継ぎ目を強力に結合させることを確実にする必要がある場合、収縮包装ラベルを適用する際に一定の制約がある。例えば、それらを一緒に接着または溶剤接着する前に、収縮包装構造物のマージン部に印刷することを避ける必要がある。加えて、それらを一緒に接着または溶剤接着する前に、収縮包装構造物のマージン部の継ぎ合わされる領域を掃除するか、または拭く必要がある。
【0007】
収縮スリーブのPET容器からの分離は、通常、PET再資源化プロセス全体の一部として沈降/浮上タンク中で行われ、このプロセスは多量のPET容器から出発して、容器製造用に再資源化される透明な再生PET(R−PET)フレークで終わる。Exxon、Toppas、およびCryovacを含むいくつかのフィルム/樹脂供給業者、またはFujisealなどの加工業者は、低密度フィルムまたは低密度の共押出フィルム構造物(1.0未満、または少なくとも1.05未満)を導入し、収縮スリーブ分離問題に対処している。このようなフィルムは、通常、ポリオレフィンなどの低密度コアを中心に形成されたポリマー、または微細空孔形成/空洞形成ポリマーを含む単層または多層構造をベースにしており、任意選択で、PET−G皮膜が巻き付けられてもよく、必要に応じ、コアとPET−Gとの間に結合層が巻き付けられてもよい。フィルム全体の密度は、沈降/浮上タンク中で浮上可能になるように設計される。しかし、印刷する前の密度が充分低くないと、印刷されたスリーブの密度が高くなりすぎ、それにより、再資源化される標準的PETから分離できなくなる可能性がある。
【0008】
PET−Gは収縮包装ラベル用としては好ましい材料である。しかし、PET−Gはより高い密度(約1.3)であり、沈降/浮上タンク中での分離を妨害する。押出フィルム中に気孔が形成されると、PET−Gの密度を下げることができる。コーティング中への発泡剤の導入により、各種手段を使って発泡剤を活性化させた後で全ラベル構造体の密度を大きく低下させることができ、適切な液体中での浮上により容器から分離することができるという利点が生ずる。原理的には、この方式は、ラベル全体、およびラベルと容器の粉砕混合物の両方に対し有効に機能すると思われる。コーティングは2つの理由からインクより利点があると思われる。第1に、ラベル全体のコーティングは、発泡剤がラベル全体に均一に分布すると思われるので、いずれか1つの領域がより高濃度の発泡剤を有することはないことを意味する。逆に、発泡剤が選択領域中のみに印刷されたインク中に取り込まれる場合は、これらの領域はより高濃度の発泡剤を含むことになる。コーティング中の発泡剤はより均一に分配されるので、このことは、より小さい粒径および/またはより小さいコート重量の発泡剤を使用することができ、それでも、所望のレベルの密度低下を達成することができることを意味する。さらには、このことは、収縮ラベル構造体の全体で高水準の透過性、光沢、および滑らかさを維持することができることを意味する。
【0009】
第2に、ラベル全体の均一な100%のコーティングは、広範囲の塗布範囲パーセンテージで印刷することが可能なインクに比べて、異なるラベル設計の間で一貫した密度低減が行われるであろう。これにより、再資源化プロセスが単純化され、標準化される。
【0010】
さらに、微細空孔形成または空洞形成フィルムは不透明な白色であるが、発泡性コーティング手法は、透過性または半透明性を与えることができる。熱、pH変化、光子放射線および/または熱エネルギーへの曝露時にガスを生成する発泡剤は、当業者に既知のいずれのタイプを含んでもよい(例えば、http://en.wikipedia.org/wiki/Blowing_agentおよびhttp://www.eiwa-chem.co.jp/en/product/types.htmlを参照されたい)。また、発泡剤には、金属炭酸塩および重炭酸塩、アジ化物、アゾジカルボンアミド、およびジアゾニウム塩を含めてもよい。
【0011】
さらに、インクが所望の部位から、印刷物の好ましくない位置に、あるいは印刷物を持つ人の身体の一部上に裏抜けする(後者の場合、汗または唾液などの体液により促進されることがある)場合があることは当業者には公知である。適切なコーティングにより裏抜けの問題を改善することができる。
【0012】
ガスバリアコーティングもまた有利なことがある。ガスバリアコーティングは、当技術分野において既知である。しかし、「デシーミング可能な」コーティングとして機能して再資源化を改善する能力と組み合わされた既知のガスバリアコーティングは存在しない。
【0013】
したがって、印刷可能材料を中心に構成されたPET再資源化プロセスにおける収縮スリーブ問題に対処する実用的なまたは経済的な解は現状では存在しない。製造者は、PET−Gより低い密度のあまり好ましくない基材を使うか、またはより複雑で、おそらくより高価な浮上性フィルム構造物に移行する必要がある。したがって、継ぎ目で良好な結合強度を有するが、それでも再資源化プロセス中にプラスチック容器から容易に分離可能であるラベル得る方法を提供する必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、容器用の、ラップアラウンドおよびスリーブラベル、特に収縮包装ラベルを含むラベル用の新規コーティングを提供する。本明細書で使用する場合、用語の「コーティング」、「コーティング(単一または複数)」、「本発明のコーティング」または「本発明のコーティング(単一または複数)」は、種々の手段で基材上に堆積させることができる液体組成物を意味し、これらの手段には、限定されないが、印刷(限定されないが、例えば、アナログまたはデジタル、インクジェット、オフセット、フレキソ、リソグラフ、グラビア、スクリーン印刷)、ロールコーティング、スプレーコーティング、ダイコーティング、収縮スリーブフィルムのインライン継ぎ合わせのために最近行われているニードルまたはウイック(wick)堆積などの液体投与システムの使用、などが含まれる。本発明のコーティングの塗布および使用のための方法およびプロセスもまた提供される。本発明のコーティングは、継ぎ目での良好な結合を促進し、その後の容器の再資源化のための取り外しを容易にする。本発明のコーティングは、プラスチック容器に適用されるラップアラウンドおよびスリーブラベル、特に収縮包装ラベルを含むラベルのコーティングに有用である。本発明のコーティングは、PET、PET−G、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン(COC)ならびにOPP、およびポリエチレン(PE)、OPSなどのアルファポリオレフィンまたはPVCを含むラベル上への使用に特に有用である。本発明のコーティングは、容器に適用されるラベルの優れた密封性、収縮に対する耐性、および冷水に対する耐性の実現を可能とし、同時に、効果的デシーミングおよび再資源化プロセス中のラベルの取り外しを可能とする。
【0015】
一態様では、本発明は、ラベル基材にコーティング組成物を塗布することを含む方法を提供し、
a)ラベル基材がプラスチック製品に適用され、
b)コーティングが再資源化中のスリーブラベルの取り外しを可能とする。
【0016】
一態様では、本発明は、デシーミング可能なラベルを生成する新規コーティング組成物を提供し、
a)コーティングは、基材への継ぎ合わせ後に、基材に対するコーティングの5N/インチを超える結合強度、または基材の引張強度を超える結合強度をもたらし、
b)コーティングは、容器または製品の周りの熱収縮に適する結合をもたらし、
c)高温腐食性環境中に置かれた場合、コーティングは剥離される。
【0017】
特定の実施形態では、コーティング組成物は、基材への継ぎ合わせ後、基材に対するコーティングの9N/インチを超える結合強度をもたらす。
【0018】
別の実施形態では、コーティング組成物は、基材への継ぎ合わせ後、基材に対するコーティングの30N/インチを超える結合強度をもたらす。
【0019】
一態様では、本発明は、上述の新規コーティング組成物を提供し、該組成物は、
a)約25℃を越える、好ましくは約50℃を越えるTgを有する少なくとも1種の第1の樹脂と、
b)再資源化条件下で加水分解性または溶解性の少なくとも1種の第2の樹脂と、
を含み、
第1および第2の樹脂は、同じであってもまたは異なっていてもよい。
【0020】
一実施形態では、コーティングは、溶剤またはヒートシーリングプロセスにより基材と強力な結合を形成する。
【0021】
一実施形態では、コーティングそれ自体が継ぎ合わせ材料として機能し、それにより、追加の溶剤またはヒートシーリングプロセスは必要ではなくなり、従来の継ぎ合わせ溶剤に置き換わる。
【0022】
別の実施形態では、コーティング組成物は、ポリエステル、ニトロセルロース、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シェラック、およびポリウレタン、からなる群から選択される約25℃を越える、好ましくは50℃を越えるTgを有する少なくとも1種の樹脂を含む。
【0023】
特定の実施形態では、コーティング組成物は、12以上のpHの水性媒体中で少なくとも部分的に溶解するかまたは加水分解される少なくとも1種の第2の樹脂をさらに含む。
【0024】
別の実施形態では、第2の樹脂は、ポリヒドロキシカルボン酸、スルホポリエステル、アクリル系樹脂、スルホンアミド官能基を含むポリマー、および約50以上のヒドロキシル価を有するポリマー、からなる群から選択される。
【0025】
一実施形態では、ドライフィルムを基準にしたコーティング組成物の酸価は、20超である。
【0026】
特定の態様では、本発明は、本発明のコーティングでコートされた収縮スリーブラベルフィルム基材を提供する。
【0027】
一実施形態では、収縮スリーブラベルフィルム基材全体は、コーティングでコートされる。
【0028】
別の実施形態では、基材はコーティング組成物で部分的にコートされる。
【0029】
別の実施形態では、コーティングは、継ぎ目領域で部分的な塗布範囲を形成するパターンとして基材に塗布される。
【0030】
特定の実施形態では、収縮スリーブラベル基材は、少なくとも、継ぎ合わせ領域において本発明のコーティングでコートされる。
【0031】
特定の実施形態では、本発明は、少なくとも継ぎ合わせ領域で本発明のコーティングの2つの外層でコートされた収縮スリーブラベル基材を提供し、この組み合わせは、再資源化条件下で少なくとも部分的に加水分解性または溶解性であるコーティング系であり、
a)約25℃を越える、好ましくは約50℃を越えるTgを有する少なくとも1種の樹脂を含むスリーブフィルム基材と接触している第1のコーティング層と、
b)第1のコーティング層上に塗布された第2のコーティング層と、を含む。
【0032】
一実施形態では、第1のコーティング層は、基材上に印刷されたインクとさらに接触している。
【0033】
一実施形態では、第2のコーティング層は、基材上に印刷されたインクとさらに接触している。
【0034】
別の実施形態では、第1のコーティング層および第2のコーティング層の両方は、基材上に印刷されたインクとさらに接触している。
【0035】
一実施形態では、2つのコーティング層は、再資源化条件下で少なくとも部分的に加水分解性または溶解性であるコーティング系を提供する。
【0036】
特定の態様では、本発明は、上述のスリーブラベルを含む製品を提供する。
【0037】
一態様では、本発明は、再資源化プロセスの高温腐食性洗浄工程中に容器から取り外すことができるプラスチック容器のラベリング用のスリーブの新規作製方法を提供する。
【0038】
別の態様では、本発明は、再資源化プロセスの溶剤洗浄工程中に容器からから取り外すことができるプラスチック容器のラベリング用スリーブの新規作製方法を提供する。
【0039】
一態様では、再資源化プロセスの高温腐食性洗浄工程または溶剤洗浄工程中に容器から取り外すことができるプラスチック容器のラベリング用スリーブを作製する方法は、スリーブラベル基材に本発明のコーティングを塗布することを含む。
【0040】
特定の実施形態では、スリーブはデシーミングにより容器から取り外される。
【0041】
一態様では、本発明は、上述のように塗布されたスリーブラベルを巻き付けた製品を提供する。
【0042】
一実施形態では、製品が高温腐食性洗浄液中に置かれると、ラベルは製品から分離する。
【0043】
別の実施形態では、ラベルは、継ぎ合わされた基材から成る。
【0044】
別の実施形態では、継ぎ合わされた基材は、プラスチック基材である。
【0045】
特定の実施形態では、ラベルは65℃、5分未満で分離する。
【0046】
別の実施形態では、ラベルは65℃、3.5分未満で分離する。
【0047】
別の実施形態では、ラベルは75℃、2分未満で分離する。
【0048】
別の実施形態では、ラベルは85℃、1分未満で分離する。
【0049】
特定の実施形態では、本発明のコーティングが塗布されているスリーブラベルは、溶剤でデシーミングすることができる。適切な溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、などの酢酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
一実施形態では、ラベルは、全面包装ラベルである。
【0051】
別の実施形態では、ラベルは、部分包装ラベルである。
【0052】
特定の実施形態では、ラベルは、収縮包装ラベルである。
【0053】
特定の実施形態では、ホットメルト接着剤または水溶性接着剤組成物ではないコーティング組成物が、ラベルに塗布される。
【0054】
特定の実施形態では、コーティング組成物は、上記コーティング組成物を含む。
【0055】
一実施形態では、製品はプラスチック製品である。
【0056】
特定の実施形態では、本発明のコーティングは、より多い含量の固形物を有するように調節して、容器上に直接に配置され継ぎ合わされるインラインラップアラウンドラベルの継ぎ合わせに適するコーティングを提供することができる。いくつかの実施形態では、ラベルフィルムは、本発明のコーティングで標的領域中がコートされ、容器の周りに巻き付けられ、容器上にヒートシールされる。このようにして適用されたラベルは、容器が高温腐食性浴中に置かれると、容器からデシーミングされる。ラベルを容器上に直接継ぎ合わせることにより、追加の収縮工程が必要でなくなるであろう。ホットメルト接着剤で継ぎ合わされたラベルで取り付けられた容器と比較して、これらの実施形態の容器は、より高い耐熱性を有するはずであり、容器の高温充填には有利である。水系接着剤で継ぎ合わされたラップアラウンドラベル容器に比べて、これらの実施形態により継ぎ合わされた容器は、ウオーターバス(飲料容器が長時間冷水中に浸漬される場合などの)に対する耐性が改善されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本発明は、容器用の、ラップアラウンドおよびスリーブラベル、特に収縮包装ラベルを含むラベル用の新規コーティングを提供する。本発明のコーティングは、継ぎ目での良好な結合を促進し、その後の容器の再資源化のための取り外しを容易にする。本発明のコーティングは、プラスチック容器に適用されるラップアラウンドおよびスリーブラベル、特に収縮包装ラベルを含むラベルのコーティングに有用である。本発明のコーティングは、PET、PET−G、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン(COC)ならびにOPP、およびポリエチレン(PE)、OPSなどのアルファポリオレフィンまたはPVCを含むラベル上への使用に特に有用である。本発明のコーティングは、容器に適用されるラベルに優れた密封性、収縮に対する耐性、および冷水に対する耐性の実現を可能とし、同時に、効果的デシーミングおよび再資源化プロセス中のラベルの取り外しを可能とする。
【0058】
本発明は、特殊なマニュアルによるまたは機械的な取り外し設備を必要とせずに、再資源化中にPETボトルなどの容器からスリーブラベルを容易に分離する方法を提供し、同時に、スリーブ内で十分な結合特性を維持してそのスリーブが通常のスリーブとしての役割を果たすのを可能とする。さらに、本発明のコーティングおよび方法は、基材に制約を課さない。すなわち、本発明のコーティングおよび方法は、ポリオレフィンまたはPET−Gなどの低または高密度基材に対応する。さらに、本発明のコーティングは、インク層を保護するのを支援し、再資源化で使われる水/腐蝕液中へのインクの浸出を最小化するかまたは解消することができる。
【0059】
本発明の別の利点は、現在実行されて良好な結合が得られているものとは対照的に、これにより、継ぎ合わせ領域を含むグラフィックスでスリーブを印刷することができるということである。産業界で現在使われている方法を使った場合の、グラフィックスに関して印刷されていない継ぎ目の正確な位置決めは、ラベル加工業者にとって印刷から分割および切断までの追加の課題を作り出す。本発明のコーティングは、たとえ継ぎ目に印刷がある場合でも、コーティングと基材(PET−Gなど)との間の良好な結合を与えるように設計されている。
【0060】
本発明は、ラップアラウンドおよびスリーブラベル、特に収縮スリーブラベルを含むラベルと共に使用するための新規コーティング組成物に関し、これらのラベルは、再資源化中、特に高温腐食性洗浄工程、または溶剤洗浄工程中に、容器からラベルの容易な分離を可能にするであろう。容器からラベルを分離する方法は、継ぎ目領域に、結合可能で、腐食液によるデシーミング可能な本発明のコーティング層を塗布することを含む。
【0061】
先行技術は、スリーブラベルは、良好な溶剤結合性を確保するために継ぎ目領域にインクまたはコーティングが残らないように印刷する必要があることを教示しているが、本発明のコーティングは、溶剤により継ぎ合わされたスリーブに対して良好な結合強度を与えるように開発された。特定の実施形態では、本発明のコーティングは、それ自体が継ぎ合わせ材料として機能して、別の継ぎ合わせ溶剤を塗布する追加の工程の必要性を省き、従来の継ぎ合わせ溶剤を置き換えて、スリーブラベルの継ぎ目を形成するように開発された。
【0062】
良好な結合は、継ぎ目方向に対し垂直に引っ張り、継ぎ目を分離するのに必要な力を求めることにより測定された結合強度値により定義される。収縮スリーブラベルの典型的な溶剤結合は、9.8N/インチ〜34N/インチの結合強度である(例えば、米国特許出願公開第2008/0197540号を参照)。継ぎ合わされた試料は、3/16インチ〜1インチ幅のストリップに切り出して、両端をクランプで保持する。インストロン張力計を使って、15cm/分の引張速度で結合を破壊するのに必要な力を測定する。結果はNまたはN/インチで表される。本発明の場合には、「良好な」結合は、室温で測定して、5N/インチより大きい結合強度値、または好ましくは9N/インチより大きい結合強度値、またはより好ましくは30N/インチより大きい強度値として定義することができる。
【0063】
本発明の適切な組成物は、所望のラベル基材上にコーティング層を形成し、溶剤または熱継ぎ合わせプロセスにより良好な結合強度を与えて、または1工程でコーティングおよび継ぎ合わせ材料として機能し(継ぎ合わせ溶剤を塗布する追加の工程の必要なく)、従来の継ぎ合わせ溶剤を置き換えて、スリーブを形成する。本発明のコーティングは、熱収縮プロセスに耐え、それにより、ラベルが収縮して容器の周りにぴったりと適合して、十分な強度を有する継ぎ目を与えて容器の周りにラベルを保持する。熱収縮中、熱は、蒸気トンネル、IRトンネル、対流トンネルにより、または熱い空気への直接暴露により加えることができる。典型的な温度および滞留時間は、材料、容器形状、所望の収縮率、および熱を与えるために使われる技術に依存する。例えば、PET−Gスリーブに使われる蒸気トンネルは、70℃〜95℃に達し、典型的な滞留時間は5〜8秒であり、これで75%の収縮率を得るためには充分である。PET−Gスリーブでは、収縮後に85℃で15秒の水中への浸漬も行われる。本発明のコーティングは、冷水にも耐性がある。
【0064】
本発明のコーティングは、再資源化プロセスの一部である容器全体洗浄工程中に使われるものなどの、高温腐食性環境中に置かれると、デシーミングされる。洗浄工程は、通常、2%〜3%のNaOHを使って、85℃〜90℃で行われる。
【0065】
特定の実施形態では、本発明のコーティングは、溶剤洗浄液中に置かれると、デシーミングされる。
【0066】
継ぎ合わせおよび成形試験に使われるスリーブを、産業界の収縮ラベルに関する慣例に従った大きさに作製した。溶剤継ぎ合わせ用の典型的なスリーブは、継ぎ合わせ領域とオーバーラップを考慮に入れ、容器の最大周囲長プラス7mmに等しい全体長さに切断されるであろう。7mmのマージン部は、通常、良好な継ぎ目に充分な幅の領域を与え、かつ、最大周囲長で容器の周りの滑合も与えて、熱収縮プロセス中に所定位置でスリーブを保持する。多少の追加の収縮を誘導する可能性のある熱プロセス(コーティングの乾燥など)による収縮を勘案して、追加のマージン部を加えてもよい。容器の周りにより大きなスリーブを使って、収縮後のより緩い適合などの所望の効果を得ることができる。
【0067】
一実施形態では、本発明のコーティングは、約25℃を越える、好ましくは約50℃を越える、より好ましくは約65℃を越える、最も好ましくは約80℃を越えるTgを有する少なくとも1種の樹脂と、高温腐食性溶液中で加水分解性または可溶性である1種の樹脂とを含む。第1および第2の樹脂は、同じであってもまたは同じでなくてもよい。加水分解性または可溶性樹脂には、4以上の(好ましくは15以上の、より好ましくは25以上の)酸価の樹脂、5より大きいヒドロキシル価の樹脂、およびポリ乳酸などの高温腐食性環境中で分解する樹脂が含まれる。コーティングは溶剤系または水系でよく、または水/アルコール組成物などの水/溶剤混合物を使ってもよい。適切な樹脂の例には、実施例で特定されるように、特定のポリエステル、ポリウレタン、さらにはポリビニルアルコールおよびこれらのブレンドが挙げられる。
【0068】
別の実施形態では、デシーミングコーティングは、約25℃を越える、好ましくは約50℃を越える、より好ましくは約65℃を越える、最も好ましくは約80℃を越えるTgを有する樹脂を含むポリエステル樹脂と、高酸性基官能価を有する約35℃未満のTgを有する樹脂とのブレンドである。さらに別の実施形態では、デシーミングコーティングは、高温腐食性環境中で分解するポリ乳酸などのポリマーをさらに含む。
【0069】
デシーミングコーティングは、通常、スリーブラベル基材の裏面(印刷中および取り扱い中のダストの蓄積を防ぐために帯電防止コーティングで前処理されてもよい)上に塗布される。通常、スリーブ基材が不透明である場合(この場合は、インクは表面に印刷される)を除き、インクも裏側面上に塗布される。コーティングは、継ぎ合わせ領域の少なくとも一部上に塗布される。それらはスリーブ全体に塗布してもよく、または部分的な塗布範囲のみであってもよい。それらは均一なコーティングとして、または継ぎ合わせ、収縮およびデシーミング特性の適切なバランスを得るように設計されたハーフトーンのパターンの形として塗布することができる。それらをインクとオーバーラップをさせてもよい。一実施形態では、インクをスリーブの縁部に印刷し、継ぎ合わせ領域中をコーティングで重ね刷りして、なおも適切な継ぎ合わせ、収縮およびデシーミング性を可能にすることができる。
【0070】
コーティングは、グラビアまたはフレキソ印刷などの印刷プロセスを介して塗布するのが好ましいが、コーティング組成物を特定の技術で適切な堆積を行うのに必要なレオロジー特性に調節することにより、ロール、スプレー、ダイコーティング、ニードルもしくはウイッキング(wicking)による塗布、またはスクリーン印刷、などのその他の堆積方法も可能である。
【0071】
コーティング量は、使われる堆積技術に依存するが、一般には、乾燥重量で0.5〜10g/m、より好ましくは1〜6g/m、さらにより好ましくは1.5〜4g/mであろう。
【0072】
コーティング組成物は、染料、顔料、タガント、またはフルオロフォアなどの着色剤を任意に含めて、堆積を可視化するか、またはラベル上に特殊デシーミングコーティングが存在することを最終ユーザーに警告する手段を与えてもよい。
【0073】
スリーブの良好な取り扱いおよび容器上への容易な取り付けを確保するために、コーティングは、通常、0.3またはそれ未満、好ましくは0.10〜0.40、より好ましくは0.15〜0.35の摩擦係数を有する。
【0074】
所望の印刷、継ぎ合わせ、収縮およびデシーミング特性を得るために、1種または複数種のコーティング層を使用してもよい。一実施形態では、高温腐食性環境中で、加水分解性、分解性または可溶性の第1のコーティング層を塗布し、スリーブの良好な継ぎ合わせ特性を確保するように設計された第2のコーティング層で重ね刷りする。あるいは、コーティング層を逆にしてもよく、この場合、第1のコーティング層はスリーブの良好な継ぎ合わせ特性を確保するように設計され、第2のコーティング層は高温腐食性環境中で、加水分解性、分解性または可溶性である。2種のコーティング層の塗布後、スリーブの継ぎ目を溶剤またはヒートシーリングプロセスにより結合することができ、またはコーティング層/系を継ぎ合わせ材料としてさらに機能させて、従来の継ぎ合わせ溶剤を置き換えることができる。
【0075】
実施例中に示されているように、本発明の方法は、PET−Gスリーブだけでなく、OPP、PVC、またはOPSなどのその他の基材にもモノリシック基材または多層構造物として適用され、それらは、均質な組成であるか、または異なる組成(例えば、PETG/OPS/PETGまたはPETG/OPP/PETGベース構造物またはさらに結合層を含む類似の共押出構造物)の層を含む。
【0076】
一実施形態では、デシーミングコーティングは、1種または複数種の再生可能な樹脂を含む。このような樹脂の非限定的例には、ポリ乳酸および/またはコーティンググレードの再資源化ポリエステル、例えば、JD2−25が含まれる。
実施例
【0077】
表1および2には、実施例1〜5で使用された材料の基本特性および供給元をまとめている。ポリマーが既に溶液形態で供給されている場合には、樹脂または樹脂ワニスに溶剤を加えることにより、コーティング溶液を配合した。試験を行うために、全ての試料を、約20℃のブルックフィールドスピンドル粘度計により測定して、約50cpsの粘度まで下げた。ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、およびニトロセルロースの粘度を酢酸エチルの添加により調節した。シェラック樹脂およびポリビニルアルコール(Aquaseal X2281)の粘度をエタノールの添加により調節した。実施例1〜5の継ぎ目を、従来の溶剤またはヒートシーリングプロセスにより形成した。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
他に指定されない限り、K−Coater(RK Printcoat Instruments Ltd.,Royston−英国)を使ってNo.2Kバーで基材の裏面(印刷面)側にコーティングを行った。
【0081】
その後、コート側が非コート側(基材の前側)と向き合うように、溶剤でフィルムを継ぎ合わせた。好適な溶剤には、限定されないが、Newark,NJ,USAのFlexcraft Industries,Inc.により販売されているもの、例えば、Flexcraft 12−103OBの名称の主成分としてテトラヒドロフラン(THF)を含む溶剤ブレンドが含まれる。継ぎ合わせ溶剤組成物は、蒸発速度、引火点、安定性および毒性の観点から産業上の適用要件に適合すると同時に、与えられた特定の基剤に対し最良の継ぎ目強度を与えるように最適化することができる。PET−Gで構成される継ぎ合わせフィルムにはTHFを含む溶剤ブレンドがよく使われるが、その他の溶剤も他の収縮包装基材と共に都合よく採用することができる。
【0082】
Ryback & Ryback(Monroe,NC,USA)製のマニュアル継ぎ合わせ機械と組み合わせて、ソルベントペン(フェルトペン)を使って溶剤を塗布した。これにより、スリーブラベルを形成した後、空のボトルの周りに配置し、ホットエアガン、熱水(95℃)浴中への浸漬、またはスチームポットの使用により、技術に応じて5〜10秒間生成された熱で収縮させた。スリーブは、通常、一晩静置させて、収縮試験の前に溶剤が完全に蒸発したことを確かなものにした。
【0083】
上記試験用として使用されたPETボトル容器は、約2.8インチの外径と約9インチの円周であった。スリーブラベル上の継ぎ目領域は、6インチの長さであり、スリーブは、継ぎ目領域およびインクの重なり用に約7mmを残して約9.25インチの継ぎ合わせ後スリーブ周囲長を有するボトルの周りで滑合を与えるように継ぎ合わされた。
【0084】
次に、収縮後にラベルをチェックして、継ぎ目が完全なままであるか(すなわち、検査に合格)または離れている(失敗)かどうかを調べた。その後、合格した継ぎ合わせ済みボトルを85℃の純粋な熱水中に15秒間入れて、蒸気トンネル中での起こり得るシール部の露出過多に対する感受性を評価した。
【0085】
最終的に、全てのその他の試験に合格したスリーブで覆ったボトルを2%NaOH水溶液を含む85℃のウオーターバス中に入れて、再資源化「ボトル洗浄」条件をシミュレートし、時間を計測して、継ぎ目が離れるまでに要する時間を求めた。
【0086】
1インチ幅の試料を使って、フィルムのコート側と非コート側との間の溶剤継ぎ目を作ることにより、継ぎ合わされた領域の収縮方向の結合強度を測定した。その後、印刷物の両端をインストロン張力計(インストロン(Norwood,MA−USA)製:モデル番号3342)中に配置し、継ぎ目方向に垂直の方向に15cm/分の速度で引っ張った。
【0087】
実施例1:
異なる樹脂組成物およびそれらのブレンドをベースにしたコーティングを、新しくコロナ処理した収縮グレードPET−Gフィルム基材(Eastman Embraceフィルム/50ミクロン厚)に塗布し、継ぎ合わせ性能を試験した。次に、継ぎ合わせ試験に合格した試料のボトル容器の周りの収縮性能を評価し、その後、該当する場合は、上述のデシーミング性能試験および高温非腐食性浴耐性試験で評価した。継ぎ合わせ実験用に使用した溶剤は、Flexcraft 12−103OBのカスタム混合物で、Flexcraft Industries,Inc.,から入手した溶剤ブレンドであり、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、およびキシレンを含み、追加のテトラヒドロフランとブレンド(85:15の比で)したものとした。結果を表3に示す。
【0088】
【表3-1】
【0089】
【表3-2】
【0090】
12−103OBは、Flexcraft Industries,Inc.(Newark,NJ−USA)製のTHF系溶剤ブレンドで、PET−Gスリーブの継ぎ合わせ用としてよく使われる。
【0091】
フィルム基材と継ぎ合わせ溶剤の選択された組み合わせに対して、ほんのわずかのコーティング組成物のみが高インストロン結合強度値を含む所望特性の組み合わせを有する継ぎ目を与え、収縮試験後に完全なまま残ったが、これらも高温腐食性浴中で剥離した。ポリエステルコーティング組成物が単独で、またはポリウレタン樹脂とのブレンドとして、この試験において最良の性能を与えるように思われた。特に、より高いTgのポリマー(ポリエステル、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂またはポリウレタン)と、より高い酸価を有するより低いTgのポリエステルのブレンドが、溶剤系コーティング組成物用として最も効果的であるように思われた。高および低Tgポリマーの組み合わせは、通常、より良好なフィルム形成特性および全体的コーティング特性を与えるので、単一樹脂に比べて、ポリエステルブレンドの性能が向上していることは、完全に予想外のことではない。
【0092】
ポリエステル組成物に対しポリ乳酸(VyloEcol BE−400(東洋紡 JP))が20重量%までの少量成分として添加され、Vylon360とVylon390またはVylon390と880の1:1の混合物などで良好な結合強度が得られた表3で報告されていない追加の実施例では、デシーミング可能なコーティングとして所望の特性を有する組成物も得られている。通常ではpH12以上の水性媒体での処理を含む、再資源化条件下でポリ乳酸などの、追加の加水分解性材料の投入は、高温腐食性浴中でのデシーミングの加速を支援し、また、摩擦係数を約0.30(静的)および0.26(動的)から0.21(静的)および0.19(動的)へ低減するように思われた。カプロラクトン由来のポリマーなどの、その他のポリヒドロキシカルボン酸の場合も、これらはポリビニルアルコール、デンプンおよびセルロース系樹脂、スルホポリエステル、アクリル系樹脂、およびスルホンアミド官能基を含むポリマーなどの50以上のヒドロキシル価を有するポリマーであるので、同様に利点がある。収縮ラベリング製作装置で収縮スリーブとして適切な結果を得るためには、0.3以下の摩擦係数(CoF)が望ましいことに留意されたい。New Castle,DE 19720,USAのTesting Machine製の、2.5インチx2.2インチの寸法の200グラムの重りを備えた計測器モデル番号32−06−02を使い、速度設定6で、CoFを測定した。また、表3の結果は、試験を行ったNo.2Kバーで塗布した水系ポリビニルアルコール組成物(印刷粘度で、11重量%の固形分、46重量%の水および43重量%のアルコールを含む)は、デシーミングコーティング用として好適な特性を与えることも示している。
【0093】
まとめると、実施例1は、デシーミングコーティングを溶剤系または水系組成物として配合することができ、少なくとも1種の50℃を越えるTgの樹脂、および加水分解性または高酸価樹脂の必要性が重要視されるべきであることを示している。
【0094】
実施例2:
継ぎ合わせ溶剤として単一のFlexcraft 12−103OBを使い、異なる基材(PET−G、OPPおよびPVC)で追加の実験を行った。興味深いことに、ポリウレタン系などのいくつかの組成物は、OPPおよびPVC上に塗布の場合に、PET−G上の場合よりも良好な性能を与えた。また、ポリビニルアルコールから作製した水系コーティングは、PET−G上では優れた結果を示したが、OPPおよびPVC上では良好に機能しなかった。結果を表4に示す。
【0095】
【表4】
【0096】
これらの結果は、接着ならびに継ぎ合わせ特性を適切に選択した樹脂系を使って、PET−G以外の他の収縮ラベル基材、例えば、OPPおよびPVCに、デシーミング可能なコーティングの概念を適用できることを示す。単一層または多層、均質または不均質系としてこれら材料をベースにしたいずれかの構造物は、少なくとも継ぎ合わせ領域に塗布される最適化コーティング組成物の選択を経て、デシーミング可能なスリーブを生成する候補とすることができる。
【0097】
実施例3:
印刷および非印刷PET−G収縮スリーブに対し、ポリエステル樹脂(Vylon360/Vylon390)の9:1の比率での組み合わせをベースにしたコーティングの性能を試験した。コーティングを約50cpsの粘度に調節し、No.2Kバーを使って塗布した。Flexcraft 12−103OB溶剤を使って継ぎ合わせを行った。コーティングは、両基材に対し許容可能な継ぎ合わせおよび収縮性能を与え、高温腐食性浴中に入れた場合、4分未満でデシーミング可能であった。
【0098】
No.2Kバーを使って、1:1の比率のポリエステル樹脂(Vylon360/Vylon880)の組み合わせを、印刷および非印刷PET−Gスリーブの上面に塗布して類似の実験を行った。Flexcraft 12−103OB溶剤を使って継ぎ合わせを行った。コーティングは、両基材に対し許容可能な継ぎ合わせおよび収縮性能を与え、高温腐食性浴中に入れた場合、4分未満でデシーミング可能であった。
【0099】
実施例4:
PET−G収縮ラベルフィルム試料(この内のいくつかはインクで印刷した)を、50℃超のTgを有する主要樹脂を含む第1の加水分解性コーティングでコートした。基材(ポリエステルなど)への溶剤継ぎ合わせ特性で選択された第2のコーティングを第1のコーティングの上面上に塗布した。2つのコーティングの組み合わせにより、良好な溶剤継ぎ合わせ特性および再資源化洗浄工程中の高温腐食性浴中での急速なデシーミングが得られた。
【0100】
実施例5:
実施例4に類似の構造物を使って、第1の加水分解性コーティングを基材上へ塗布し、続けて、ヒートシール特性で選択した第2のコーティングを塗布した。その後、ヒートシーリングプロセスを使って継ぎ目を形成(無溶剤プロセス)してスリーブ形成した後、容器/製品の周りで収縮させた。2つのコーティングの組み合わせにより、良好な熱継ぎ合わせ特性および再資源化洗浄工程中の高温腐食性浴中で急速なデシーミングが得られた。
【0101】
実施例6〜8:
発明のコーティングを作製し、コーティングを、継ぎ合わせ材料としてさらに機能させて、従来の継ぎ合わせ溶剤を置き換え、溶剤またはヒートシーリングの追加の工程の必要性をなくした。実施例6〜8のコーティングは、強力な結合をもたらし、高温腐食性洗浄工程中で容易にデシーミング可能であった。表4は、実施例6〜8で使用した代表的成分の材料特性を示す。表5は、従来の継ぎ合わせ溶剤を置き換えると思われるコーティング溶液の非限定的例を示す。
【0102】
全体として、適用可能な場合には、試験方法はASTM規格の手順に従った。しかし、いくつかの試料が小さいサイズであったことから、または装置の制約から、ASTMの手順に対し若干の修正が必要であった。
【0103】
コーティング溶液の固形分含有量は、10gの試料を150℃で30分間加熱することにより蒸発させる前と後の重量差により決定した。
【0104】
粘度は、約20℃で、60rpmのスピンドルLV−1(61)を使ってブルックフィールドDV−E粘度計により測定した。コーティング溶液の粘度を約25〜約50cpsに調節した。
【0105】
継ぎ目の「T字剥離」結合強度は、インストロンモデル3342シングルコラム万能試験機を使い、50Nの荷重と300mm/分のクロスヘッド速度で、ASTM D1876に準拠して、継ぎ合わせ方向に沿って測定した。平均値(積分値)での平均剥離荷重を最初と最後のピーク間の自動記録曲線から決定した。「T字剥離」結合強度は、グラム重/インチ継ぎ目幅(ニュートン/インチ継ぎ目幅)で表した接着スリーブを分離するのに必要な平均剥離荷重である。
【0106】
収縮方向(継ぎ目に垂直方向)での継ぎ目の破壊強度は、「T字剥離」結合強度と同じ一般的方法により測定した。破壊強度は、グラム重/インチ継ぎ目幅(ニュートン/インチ継ぎ目幅)で表した最大剥離荷重で、接着スリーブを分離するのに必要な荷重である。
【0107】
収縮試験は、継ぎ合わされた収縮スリーブが巻き付けられた空のボトルをRybackおよびRyback S3スチームマシン中に、技術に応じて5〜10秒間投入することにより行った。スリーブがぴったりと(snuggly)ボトルの周りに収縮し、スチームポットから出てくる継ぎ目が完全なままである場合に、試験は合格と見なされる。
【0108】
デシーミングは、スリーブで覆ったボトルを腐食性溶液を含むウオーターバス中に、典型的な湿式粉砕PET再資源化で使われるボトル全体(予備)洗浄プロセスの条件をシミュレートすることを目的とした温度で、浸漬することにより測定した。特に指示がない限り、この浴の条件は、65℃で1重量%NaOHとした。デシーミング時間は、ボトルの腐食剤への浸漬からスリーブラベルが完全にボトルから分離するまでの間の測定時間とした。
【0109】
【表5】
【0110】
実施例6〜8を使って、PET−G収縮スリーブの重なり合った長手方向縁部に連続的な、接着接合した継ぎ目を形成した。継ぎ合わせは、Stanford AccraSeam(登録商標)収縮スリーブシーマーにより行った。ラインスピードを300m/分とした。DSS容量設定値は実施例6と7に対しては36ml/分、実施例8に対しては20ml/分とした。継ぎ目幅は、約3〜3.5mmであった。継ぎ合わされた収縮スリーブに対する全ての試験は、継ぎ合わせ後少なくとも3時間後に行った。実施例6〜8、およびそれらにより継ぎ合わされた収縮スリーブの特性を表6にまとめている。
【0111】
【表6】
【0112】
【表7】
【0113】
実施例6〜8は、本発明のコーティングは、従来の継ぎ合わせ溶剤を置き換えて、良好な結合強度を与えることができ、同時に、再資源化プロセス中で容易にデシーミング可能であることを示す。
【0114】
実施例9(比較例):
比較例として、本発明のコーティング溶液の代わりに、市販の継ぎ合わせ溶剤、12−103(Flexcraft)を使って、収縮スリーブの継ぎ合わせを行った(すなわち、先行技術で認められる従来の方式で継ぎ合わせを行った)。継ぎ合わせ手順および測定条件は、実施例6〜8と同じとした。表7に試験結果を示す。
【0115】
【表8】
【0116】
表7は、従来の溶剤継ぎ合わせは、良好な結合強度を与えるが、このようにして作製した収縮スリーブ包装は、容易にデシーミングされないことを示す。したがって、本発明のコーティングは、良好な結合強度を与えるのみでなく、再資源化プロセスの高温腐食性洗浄工程で容易にデシーミング可能なスリーブを作りだし、より効率的にPETボトルの再資源化を可能にする点で優れている。
【0117】
実施例10〜12:
実施例10〜12のコーティングをPET−Gスリーブに塗布し、続けて熱継ぎ合わせを行った。実施例10および11のコーティングは、強力な結合をもたらし、高温腐食性洗浄工程中で容易にデシーミングされた。表8は、実施例10〜12の組成を示す。
【0118】
【表9】
【0119】
No.2Kバーを用いて、実施例10〜12のコーティングを新たにコロナ処理した収縮グレードPET−Gフィルム基材上に塗布した。完全に乾燥後、Uline Impulse Sealer H−190を使い、3.5の加熱設定で1.5秒間、コートしたフィルムを熱継ぎ合わせした。継ぎ目の破壊強度は、Theller Mini Tensile Tester Model Dを使って、フィルムから切り取った1インチの継ぎ合わされたストリップで測定した。収縮およびデシーミング試験用の手順は、実施例6〜9に記載のものと同じとした。表9に試験結果を示す。
【0120】
【表10】
【0121】
実施例10〜11は、本発明のコーティングは、熱継ぎ合わせ用途に使用して、良好な結合強度を与えることができ、同時に、再資源化プロセス中で容易にデシーミング可能であることを示す。実施例11は、組成物中のより高いTg樹脂の存在に起因して、特に、デシーミング可能なコーティングとして適する。
【0122】
実施例13(比較例):
比較例として、非コートPET−Gフィルム基材(Eastman Embraceフィルム/50ミクロン厚)を熱継ぎ合わせを行い、実施例10〜12で記載のものと同じ手順を使って試験を行った。結果を表10に示す。
【0123】
【表11】
【0124】
表10は、非コートPET−G収縮フィルムは、高温腐食性条件中でデシーミングできなかったが、その継ぎ目強度は実施例10〜11と同等であったことを示す。したがって、本発明のコーティングは、良好な結合強度を与えるのみでなく、再資源化プロセスの高温腐食性洗浄工程で容易にデシーミング可能な熱継ぎ合わせスリーブを作りだし、より効率的なPETボトルの再資源化を可能にする点で優れている。
【0125】
実施例14:
実施例6〜8のコーティングを調節して、より高い含量の固形分を含めることができる。調節されたコーティングは、容器上に配置して、直接継ぎ合わされるインラインラップアラウンドラベルに塗布することができる。コーティングおよびこのコーティングで継ぎ合わされたラベルの特性は、上述のようにして試験することができる。
【0126】
実施例15:
実施例11のコーティングをラベルフィルムの標的継ぎ目領域に塗布し、ラベルを容器の周りに巻き付けてヒートシールすることができる。コーティングおよびこのコーティングで継ぎ合わされたラベルの特性は、上述のようにして試験することができる。
【0127】
好ましい実施形態を含めて、これまで本発明を詳細に記載してきた。しかし、当業者なら、本開示を考慮すれば、本発明の範囲と趣旨の範囲内に入る修正、および/または、改善を行うことができることは理解されよう。