(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6514274
(24)【登録日】2019年4月19日
(45)【発行日】2019年5月15日
(54)【発明の名称】無停電電源システム用の昇圧モジュール
(51)【国際特許分類】
H02J 9/06 20060101AFI20190425BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20190425BHJP
H02M 7/12 20060101ALI20190425BHJP
H02M 3/155 20060101ALI20190425BHJP
【FI】
H02J9/06 120
H02J7/00 302A
H02M7/12 F
H02M7/12 S
H02M3/155 H
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-121124(P2017-121124)
(22)【出願日】2017年6月21日
(65)【公開番号】特開2018-137971(P2018-137971A)
(43)【公開日】2018年8月30日
【審査請求日】2017年6月21日
(31)【優先権主張番号】106105877
(32)【優先日】2017年2月22日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】503189169
【氏名又は名称】亞源科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
(72)【発明者】
【氏名】葉承欣
(72)【発明者】
【氏名】李長潭
【審査官】
坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−282485(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 9/06
H02J 7/00
H02M 3/155
H02M 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インバータおよび電池に電気的に接続された無停電電源システム用の昇圧モジュールであって、前記無停電電源システムは、ラインモードおよび電池モードを有し、前記昇圧モジュールは、
第1の端部と第2の端部とを有し、前記第1の端部が電圧入力端に電気的に接続された第1のインダクタンスと、
第1の端部と第2の端部とを有し、前記第1の端部が前記第1のインダクタンスの第2の端部及び前記インバータに電気的に接続され、前記第2の端部が基準電位に電気的に接続された第1のコンデンサと、
第1の端部と第2の端部とを有し、前記第1の端部が前記第1のコンデンサの第2の端部および基準電位に電気的に接続され、前記第2の端部が前記インバータ、前記電池および前記第1のインダクタンスの第2の端部に電気的に接続された第2のコンデンサと、
一端部が前記第1のインダクタンスの第2の端部、前記第1のコンデンサの第1の端部及び前記第2のコンデンサの第2の端部に電気的に接続され、他端部が前記第1のコンデンサの第2の端部および前記第2のコンデンサの第1の端部に電気的に接続される第1のスイッチユニットと、
一端部が前記第2のコンデンサの第2の端部及び前記電池に電気的に接続され、他端部が前記基準電位に電気的に接続される第2のスイッチユニットと、
一端部が前記第1のインダクタンスの第1の端部に電気的に接続され、他端部が前記電池に電気的に接続される第3のスイッチユニットと、
を備え、
前記無停電電源システムがラインモードにある時、前記第1のスイッチユニットはオンになり、前記第2および第3のスイッチユニットはオフになり、前記第1のインダクタンスは、前記電圧入力端から入力される電圧によって充電され、前記第1のインダクタンスが放電され、且つ入力電圧が正の半サイクルである時、前記第1、第2および第3のスイッチユニットはオフになり、前記第1のコンデンサは、前記第1のインダクタンスの出力電圧を受け、前記第1のインダクタンスが放電され、且つ入力電圧が負の半サイクルである時、前記第1、第2および第3のスイッチユニットはオフになり、前記第2のコンデンサは、前記第1のインダクタンスの出力電圧を受け、
前記無停電電源システムが電池モードにある時、前記第1、第2および第3のスイッチユニットはオンになり、前記第1のインダクタンスは前記電池から入力される電圧によって充電され、前記第1のインダクタンスが放電され、且つ入力電圧が正の半サイクルである時、前記第1のスイッチユニットはオフになり、前記第2および第3のスイッチユニットはオンになり、前記第1のコンデンサは前記第1のインダクタンスの出力電圧を受け、前記第1のインダクタンスが放電され、且つ入力電圧が負の半サイクルである時、前記第1および第3のスイッチユニットはオンになり、前記第2のスイッチユニットはオフになり、前記第2のコンデンサは前記第1のインダクタンスの出力電圧を受けることを特徴とする無停電電源システム用の昇圧モジュール。
【請求項2】
前記第1のスイッチユニットは、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを備え、前記第2のスイッチユニットは、第3のトランジスタを備え、前記第3のスイッチユニットは、第4のトランジスタを備え、各前記トランジスタは、入力端、出力端および制御端をそれぞれ有し、前記第1のトランジスタの出力端は、前記第1のインダクタンスの第2の端部、前記第1のコンデンサの第1の端部および前記第2のコンデンサの第2の端部に電気的に接続され、前記第1のトランジスタの入力端は、前記第2のトランジスタの入力端に電気的に接続され、前記第2のトランジスタの出力端は、前記基準電位に電気的に接続され、前記第3のトランジスタの入力端は、前記第2のコンデンサの第2の端部および前記電池に電気的に接続され、前記出力端は前記基準電位に電気的に接続され、前記第4のトランジスタの出力端は、前記電池に電気的に接続され、前記入力端は前記第1のインダクタンスの第1の端部に電気的に接続される、
請求項1に記載の昇圧モジュール。
【請求項3】
前記無停電電源システムがラインモードにある時、第1および第2のトランジスタの制御端は信号を受信してオンになり、前記第3および第4のトランジスタはオフになり、前記第1のインダクタンスが放電され、且つ入力電圧が正の半サイクルである時、前記第1、第2、第3および第4のトランジスタはオフになり、前記第1のインダクタンスが放電され、且つ入力電圧が負の半サイクルである時、前記第1、第2、第3および第4のトランジスタはオフになり、また前記無停電電源システムが電池モードにある時、前記第1、第2、第3および第4のトランジスタの制御端は信号を受信してオンになり、前記第1のインダクタンスが放電され、且つ入力電圧が正の半サイクルである時、前記第1および第2のトランジスタはオフになり、前記第3および第4のトランジスタの制御端は信号を受信してオンになり、前記第1のインダクタンスが放電され、且つ入力電圧が負の半サイクルである時、前記第1、第2および第4のトランジスタの制御端は信号を受信してオンになり、前記第3のトランジスタはオフになる、
請求項2に記載の昇圧モジュール。
【請求項4】
第1のダイオードと、第2のダイオードと、第3のダイオードと、第4のダイオードとをさらに備え、各前記ダイオードは入力端と出力端とを有し、前記第1のダイオードの入力端は前記第1のインダクタンスの第2の端部および前記第1のトランジスタの出力端に電気的に接続され、前記第1のダイオードの出力端は、前記第1のコンデンサの第1の端部および第2のダイオードの出力端に電気的に接続され、前記第2のダイオードの入力端は、前記第2のコンデンサの第2の端部、前記インバータおよび前記第3のダイオードの入力端に電気的に接続され、前記第3のダイオードの出力端は、前記第3のトランジスタの入力端および前記電池に電気的に接続され、前記第4のダイオードの入力端は前記第4のトランジスタの入力端に電気的に接続され、出力端は前記第1のインダクタンスの第1の端部に電気的に接続される、
請求項2に記載の昇圧モジュール。
【請求項5】
前記インバータは、第5のトランジスタと、第6のトランジスタと、第2のインダクタンスとを備え、各前記トランジスタは、入力端、出力端および制御端をそれぞれ有し、前記第2のインダクタンスは、第1の端部および第2の端部を有し、前記第5のトランジスタの出力端は、前記第1のコンデンサの第1の端部に電気的に接続され、入力端は前記第6のトランジスタの出力端および前記第2のインダクタンスの第1の端部に電気的に接続され、前記第6のトランジスタの入力端は、前記第2のコンデンサの第2の端部に電気的に接続され、前記第2のインダクタンスの第2の端部は、出力端に電気的に接続される、
請求項2に記載の昇圧モジュール。
【請求項6】
各トランジスタはそれぞれボディダイオードに電気的に接続され、前記ボディダイオードは入力端および出力端を有し、前記ボディダイオードの入力端は、対応する各トランジスタの入力端に電気的に接続され、前記ボディダイオードの出力端は、対応する各トランジスタの出力端に電気的に接続される、
請求項2または請求項5に記載の昇圧モジュール。
【請求項7】
制御スイッチをさらに備え、前記制御スイッチは、前記第1のインダクタンスの前記第1の端部と前記電圧入力端との間に電気的に接続され、前記無停電電源システムがラインモードにある時、前記制御スイッチはオンになり、前記無停電電源システムが電池モードにある時、前記制御スイッチはオフになる、
請求項1に記載の昇圧モジュール。
【請求項8】
前記電池はリチウム電池である、
請求項1に記載の昇圧モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無停電電源システム用の昇圧モジュールに関し、より詳細には、回路を効果的に簡素化することができる無停電電源システム用の昇圧モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
無停電電源装置(UPS)においては、電池電力が信頼できる電気エネルギーを供給するため、中断されないシステムが安定した動作することを保障できる。従来の無停電電源装置(UPS)のほとんどは、鉛蓄電池を使用し、プッシュプルコンバータを介して電池の電圧を上昇させ、昇圧された電圧をインバータへ出力する。
【0003】
しかしながら、従来の無停電電源システムの電池は、電圧を高めるためにプッシュプルコンバータを介さなければならず、回路全体の複雑さを増大させ、無停電電源システムにも、プッシュプルコンバータの回路の設置に合わせ、体積を増加する必要がある。そして、電池がプッシュプルコンバータに介して電圧を出力すると、電圧出力効率が低下する。
【0004】
したがって、プッシュコンバータを介さなくても、電池から直接電圧を出力できる設計ができれば、回路の簡素化、システム全体的体積の減少、および電池の電圧出力効率を向上させることができる。以上は本発明が重点的に検討しようとする問題である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、効果的に回路を簡素化する無停電電源システム用の昇圧モジュールを提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、回路設計を簡素化し回路面積を縮小する無停電電源システム用の昇圧モジュールを提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、電池の電圧出力効率を高める無停電電源システム用の昇圧モジュールを提供することにある。
【0008】
本発明は、インバータおよび電池に電気的に接続可能な無停電電源システム用の昇圧モジュールであって、前記無停電電源システムは、ラインモードおよび電池モードを有し、前記昇圧モジュールは、第1のインダクタンスと、第1のコンデンサと、第2のコンデンサと、第1のスイッチユニットと、第2のスイッチユニットと、第3のスイッチユニットとを備える。第1のインダクタンスは、第1の端部および第2の端部を有し、前記第1のインダクタンスの第1の端部は電圧入力端に電気的に接続され、第1のコンデンサは、第1の端部および第2の端部を有し、前記第1のコンデンサの第1の端部は、前記インダクタンスの第2の端部および前記インバータに電気的に接続され、前記第2の端部は、基準電位に電気的に接続され、第2のコンデンサは、第1の端部および第2の端部を有し、前記第2のコンデンサの第1の端部は、前記第1のコンデンサの第2の端部および基準電位に電気的に接続され、前記第2のコンデンサの第2の端部は、前記インバータ、前記電池および前記第1のインダクタンスの第2の端部に電気的に接続され、第1のスイッチユニットは、前記インダクタンスの第2の端部、前記第1のコンデンサの第1の端部および前記第2のコンデンサの第2の端部に電気的に接続され、前記第1のスイッチユニットの他端は、前記第1のコンデンサの第2の端部および第2のコンデンサの第1の端部に電気的に接続され、第2のスイッチユニットは、前記第2のコンデンサの第2の端部および前記電池に電気的に接続され、第2のスイッチユニットの他端は、前記基準電位に電気的に接続され、第3のスイッチユニットは、前記第1のインダクタンスの第1の端部に電気的に接続され、前記第3のスイッチユニットの他端は、前記電池に電気的に接続される。
【0009】
前記無停電電源システムがラインモードにある時、前記第1のスイッチユニットはオンになり、前記第2および第3のユニットはオフになり、前記第1のインダクタンスは、前記電圧入力端から入力される電圧によって充電される。前記第1のインダクタンスが放電され、且つ入力電圧が正の半サイクルである時、前記第1、第2および第3のスイッチユニットはオフになり、前記第1のコンデンサは、前記第1のインダクタンスの出力電圧を受ける。前記第1のインダクタンスが放電され、且つ入力電圧が負の半サイクルである時、前記第1、第2および第3のスイッチユニットはオフになり、前記第2のコンデンサは、前記第1のインダクタンスの出力電圧を受ける。
【0010】
前記無停電電源システムが電池モードにある時、前記第1、第2および第3のスイッチユニットはオンになり、前記第1のインダクタンスは、前記電池から入力される電圧によって充電される。前記第1のインダクタンスが放電され、且つ入力電圧が正の半サイクルである時、前記第1のスイッチユニットはオフになり、前記第2および第3のスイッチユニットはオンになり、前記第1のコンデンサは、前記第1のインダクタンスの出力電圧を受ける。前記第1のインダクタンスが放電され、且つ入力電圧が負の半サイクルである時、前記第1および第3のスイッチユニットはオンになり、前記第2のスイッチユニットはオフになり、前記第2のコンデンサは、前記第1のインダクタンスの出力電圧を受ける。
【0011】
本発明は、無停電電源システム用の昇圧モジュールであって、各スイッチユニットを制御することによって元の回路設計を簡素化することができ、元のプッシュプルコンバータを削除することができる。そして、昇圧モジュールと電池を直接電気的に接続することにより、電力効率が向上すると同時に、回路面積も縮小することができる。以上すべての目的を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る無停電電源装置用の昇圧モジュールの回路図である。
【
図2】
図1がラインモードにある時の電流概略図である。
【
図3】
図1がラインモードにある時の電流概略図である。
【
図4】
図1がラインモードにある時の電流概略図である。
【
図5】
図1が電池モードにある時の電流概略図である。
【
図6】
図1が電池モードにある時の電流概略図である。
【
図7】
図1が電池モードにある時の電流概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1によれば、昇圧モジュール1は、インバータ2および電池3に電気的に接続されることができ、本実施例の無停電電源システムは、電源を受けるためのラインモードと、電源がオフの時の電池モードとを有する。本発明において、電池3は、例えばリチウム電池である。本発明の昇圧モジュールは、第1のインダクタンスL1と、第1のコンデンサC1と、第2のコンデンサC2と、第1のスイッチユニット11と、第2のスイッチユニット12と、第3のスイッチユニット13とを備える。第1のインダクタンスL1は、第1の端部L11および第2の端部L12を有し、第1の端部L11は電圧入力端AC inputに電気的に接続され、第1のコンデンサC1は、第1の端部C11および第2の端部C12を有し、第1の端部C11は、インダクタンスL1の第2の端部L12およびインバータ2に電気的に接続され、第2の端部C12は、基準電位VSSに電気的に接続され、第2のコンデンサC2は、第1の端部C21および第2の端部C22を有し、第1の端部C21は、第1のコンデンサC1の第2の端部C12および基準電位VSSに電気的に接続され、第2のコンデンサC2の第2の端部C22は、インバータ2、電池3および第1のインダクタンスL1の第2の端部L12に電気的に接続され、第1のスイッチユニット11は、インダクタンスL1の第2の端部L12、第1のコンデンサC1の第1の端部C11および第2のコンデンサC2の第2の端部C22に電気的に接続され、第1スイッチユニット11の他端は、第1のコンデンサC1の第2の端部C12および第2のコンデンサC2の第1の端部C21に電気的に接続され、第2のスイッチユニット12は、第2のコンデンサC2の第2の端部C22および電池3に電気的に接続され、他端は、基準電位VSSに電気的に接続され、第3のスイッチユニット13は、第1のインダクタンスL1の第1の端部L11に電気的に接続され、他端は、電池3に電気的に接続される。
【0014】
図2〜4は、本発明の無停電電源システムがラインモードにある時の、電流の方向を説明するための回路図である。最初に、第1のスイッチユニット11はオンになり、第2および第3のスイッチユニット12、13はオフになり、第1のインダクタンスL1は、電圧入力端AC inputから入力される電圧によって充電される(
図2に示すように)。第1のインダクタンスL1が放電され、且つ電圧入力端AC inputから入力される電圧が正の半サイクルである時、第1、第2および第3のスイッチユニット11、12、13はオフになり、第1のコンデンサC1は、第1のインダクタンスL1から出力された電圧によって充電される(
図3に示すように)。次に、第1のスイッチユニット11はオンになり、第2および第3のスイッチユニット12、13はオフになり、第1のインダクタンスL1は、もう一度電圧入力端AC inputから入力される電圧によって充電される(
図2に示すように)。第1のインダクタンスL1がもう一度放電されたら、今度電圧入力端AC inputから入力される電圧が負の半サイクルであるので、第1、第2および第3のスイッチユニット11、12、13はオフになり、第2のコンデンサC2は、第1のインダクタンスL1から出力された電圧によって充電される(
図4に示すように)。
【0015】
図5〜7は、本発明の無停電電源システムが電池モードにある時の、電流の方向を説明するための回路図である。最初に、第1、第2および第3のスイッチユニット11、12、13はオンになり、第1のインダクタンスL1は電池3から入力される電圧によって充電される(
図5に示すように)。第1のインダクタンスL1が放電され、且つ電池3から入力される電圧が正の半サイクルである時、第1のスイッチユニット11はオフになり、第2および第3のスイッチユニット12、13はオンになり、第1のコンデンサC1は第1のインダクタンスL1から出力された電圧によって充電される(
図6に示すように)。次に、第1、第2および第3のスイッチユニット11、12、13はオンになり、第1のインダクタンスL1はもう一度電池3から入力される電圧によって充電される(
図5に示すように)。第1のインダクタンスがもう一度放電されたら、今度電池3から入力される電圧が負の半サイクルであるので、第1および第3のスイッチユニット11、13はオンになり、第2のスイッチユニット12はオフになり、第2のコンデンサC2は第1のインダクタンスL1の出力電圧によって充電される(
図7に示すように)。
【0016】
第1のスイッチユニット11は、第1のトランジスタQ1および第2のトランジスタQ2を備え、第2のスイッチユニット12は、第3のトランジスタQ3を備え、前記第3のスイッチユニット13は、第4のトランジスタQ4を備え、各トランジスタQ1〜Q4は、入力端、出力端および制御端をそれぞれ有し、第1のトランジスタQ1の出力端Q12は、第1のインダクタンスL1の第2の端部L12、第1のコンデンサC1の第1の端部C11および第2のコンデンサC2の第2の端部C22に電気的に接続され、第1のトランジスタQ1の入力端Q11は、第2のトランジスタQ2の入力端Q21に電気的に接続され、第2のトランジスタQ2の出力端Q22は、基準電位VSSに電気的に接続され、第3のトランジスタQ3の入力端Q31は、第2のコンデンサC2の第2の端部C22および電池3に電気的に接続され、出力端Q32は基準電位VSSに電気的に接続され、第4のトランジスタQ4の出力端Q42は、電池3に電気的に接続され、入力端Q41は第1のインダクタンスL1の第1の端部L11に電気的に接続される。
【0017】
したがって、無停電電源システムがラインモードにある時、第1および第2のトランジスタQ1、Q2の制御端は信号を受信してオンになり、第3および第4のトランジスタQ3、Q4はオフになり(
図2に示すように)、第1のインダクタンスL1が放電され、且つ入力された電圧が正の半サイクルである時、第1、第2、第3および第4のトランジスタQ1〜Q4はオフになり、第1のコンデンサC1は第1のインダクタンスL1から出力された電圧を受け(
図3に示すように)、第1のインダクタンスL1が放電され、且つ入力された電圧が負の半サイクルである時、第1、第2、第3および第4のトランジスタQ1〜Q4はオフになり、第2のコンデンサC2は第1のインダクタンスL1から出力された電圧を受ける(
図4に示すように)。
【0018】
無停電電源システムが電池モードにある時、第1、第2、第3および第4のトランジスタQ1〜Q4の制御端は信号を受信してオンになり(
図5に示すように)、第1のインダクタンスL1が放電され、且つ入力された電圧が正の半サイクルである時、第1および第2のトランジスタQ1、Q2はオフになり、第3および第4のトランジスタQ3,Q4の制御端は信号を受信してオンになり、第1のコンデンサC1は第1のインダクタンスL1から出力された電圧を受け(
図6に示すように)、第1のインダクタンスL1が放電され、且つ入力された電圧が負の半サイクルである時、第1、第2および第4のトランジスタQ1、Q2、Q4の制御端は信号を受信してオンになり、第3のトランジスタQ3はオフになり、第2のコンデンサC2は第1のインダクタンスL1から出力された電圧を受ける(
図7に示すように)。
【0019】
一方、本発明の昇圧モジュールは、第1のダイオードD1と、第2のダイオードD2と、第3のダイオードD3と、第4のダイオードD4とをさらに備え、各ダイオードD1〜D4は入力端と出力端とをそれぞれ有し、第1のダイオードD1の入力端は第1のインダクタンスL1の第2の端部L12および第1のトランジスタQ1の出力端Q12に電気的に接続され、第1のダイオードD1の出力端は、第1のコンデンサC1の第1の端部C11および第2のダイオードD2の出力端に電気的に接続され、第2のダイオードD2の入力端は、第2のコンデンサC2の第2の端部C22、インバータ2および第3のダイオードD3の入力端に電気的に接続され、第3のダイオードD3の出力端は、第3のトランジスタQ3の入力端Q31および電池3に電気的に接続され、第4のダイオードD4の入力端は第4のトランジスタQ4の入力端に電気的に接続され、出力端は第1のインダクタンスL1の第1の端部L11に電気的に接続される。
【0020】
本発明のインバータ2は、第5のトランジスタQ5と、第6のトランジスタQ6と、第2のインダクタンスL2とを備え、各トランジスタQ5、Q6は、入力端、出力端および制御端をそれぞれ有し、第2のインダクタンスL2は、第1の端部L21および第2の端部L22を有し、第5のトランジスタQ5の出力端Q52は、第1のコンデンサC1の第1の端部C11に電気的に接続され、入力端Q51は第6のトランジスタQ6の出力端Q62および第2のインダクタンスL2の第1の端部L21に電気的に接続され、第6のトランジスタQ6の入力端Q61は、第2のコンデンサC2の第2の端部C22に電気的に接続され、第2のインダクタンスL2の第2の端部L22は、出力端AC outputに電気的に接続される。
【0021】
本実施例において、各トランジスタはさらにそれぞれボディダイオードに電気的に接続されることができ、ボディダイオードは入力端および出力端を有し、ボディダイオードの入力端は、対応する各トランジスタの入力端に電気的に接続され、ボディダイオードの出力端は、対応する各トランジスタの出力端に電気的に接続される。
【0022】
本発明の昇圧モジュール1は、制御スイッチSWをさらに備えることができ、制御スイッチSWは、第1のインダクタンスL1の第1の端部L11と電圧入力端AC inputとの間に電気的に接続され、無停電電源システムがラインモードにある時、制御スイッチSWはオンになり、無停電電源システムが電池モードにある時、制御スイッチSWはオフになる。
【0023】
本発明は、無停電電源システム用の昇圧モジュールであって、制御信号によって各スイッチユニットを制御し、昇圧モジュールの回路を共有できるように、元のプッシュプルコンバータの回路構造に置換する。このようにして、元の回路設計を簡素化することができるだけでなく、昇圧モジュールと電池を直接電気的に接続することにより、電力効率が向上すると同時に、回路面積も縮小することができる。以上すべての目的を達成する。
【0024】
以上、本発明は、好ましい実施例として開示されているが、本発明を限定するものではなく、当業者に一般的な知識があり、本発明の精神及び範囲内において、少しの変更を加えたり修正したりすることができる。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって規定される。
【符号の説明】
【0025】
1 昇圧モジュール
2 インバータ
3 電池
L1 第1のインダクタンス
L2 第2のインダクタンス
C1 第1のコンデンサ
C2 第2のコンデンサ
11 第1のスイッチユニット
12 第2のスイッチユニット
13 第3のスイッチユニット
L11、L21、C11、C21 第1の端部
L12、L22、C12、C22 第2の端部
Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6 第1〜第6のトランジスタ
Q11、Q21、Q31、Q41、Q51、Q61 入力端
Q12、Q22、Q32、Q42、Q52、Q62 出力端
D1、D2、D3、D4 第1〜第4のダイオード
VSS 基準電位
AC input 電圧入力端
AC output 出力端
SW 制御スイッチ