特許第6514334号(P6514334)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6514334
(24)【登録日】2019年4月19日
(45)【発行日】2019年5月15日
(54)【発明の名称】熱マッピング・カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20190425BHJP
   A61B 5/0408 20060101ALI20190425BHJP
【FI】
   A61B18/14
   A61B5/04 300Z
【請求項の数】16
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2017-533401(P2017-533401)
(86)(22)【出願日】2016年1月28日
(65)【公表番号】特表2018-503435(P2018-503435A)
(43)【公表日】2018年2月8日
(86)【国際出願番号】US2016015449
(87)【国際公開番号】WO2016123390
(87)【国際公開日】20160804
【審査請求日】2017年8月17日
(31)【優先権主張番号】62/108,945
(32)【優先日】2015年1月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511177374
【氏名又は名称】セント・ジュード・メディカル,カーディオロジー・ディヴィジョン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カルロ パッポーネ
(72)【発明者】
【氏名】アラン デ ラ ラマ
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエル ヴァイスドミニ
(72)【発明者】
【氏名】キャリー ハタ
(72)【発明者】
【氏名】タオ ホアン グエン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター チェン
【審査官】 後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−510826(JP,A)
【文献】 特表2012−508083(JP,A)
【文献】 米国特許第05868743(US,A)
【文献】 国際公開第2014/113612(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12−18/14
A61M 25/00
A61B 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、
近位端部および遠位端部を有するカテーテル・シャフトと、
前記カテーテル・シャフトの前記遠位端部に接続された可撓性フレームワークであって、複数の加熱電極と温度センサと複数のマッピング電極とを有する前記可撓性フレームワークと、を備え、
前記複数の加熱電極が、第1の温度に加熱されるように構成され、前記第1の温度は、RF(radio frequencyの略)アブレーションが実行される温度よりも低く、
前記複数のマッピング電極が、前記複数の加熱電極が前記第1の温度に加熱されている間に、前記複数の加熱電極によって加熱される組織からマッピング信号を収集するように構成され、
前記複数の加熱電極が、前記マッピング信号が特定の電気的パターンを示す場合に、第2の温度に加熱されるように構成され、前記第2の温度は、RFアブレーションが実行される温度である、カテーテル。
【請求項2】
前記可撓性フレームワークが、前記複数の加熱電極及び前記複数のマッピング電極が配置された複数の長手方向延在アームを有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記マッピング電極および前記加熱電極が、長手方向に交互するパターンで、前記複数の長手方向延在アームの各々に配置される、請求項1又は2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記第1の温度が、摂氏35〜65度の範囲内であり、前記第2の温度が、摂氏42〜70度の範囲内である、請求項1から3のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記可撓性フレームワークが、平面アレイを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記加熱電極と連通するエネルギー源をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記エネルギー源が、前記加熱電極を介して組織に単極のRFエネルギーを送達するように構成されたRF発生器である、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記エネルギー源が、前記加熱電極を介して組織に双極のRFエネルギーを送達するように構成されたRF発生器であり、
前記加熱電極が、正の加熱電極および負の加熱電極を含む、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項9】
熱マッピングおよびアブレーションのためのシステムの作動方法であって、
前記システムは、少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
可撓性フレームワーク上に配置された複数の加熱電極を、規定された時間の間、RFアブレーションが実行される温度よりも低い第1の温度に加熱するステップと、
前記規定された時間の間、前記可撓性フレームワーク上に配置された複数のマッピング電極から複数のマッピング信号を受信するステップと、
前記複数のマッピング信号のうちのいずれかが、特定の電気的パターンを示すのか否かを決定するステップと、
前記決定に基づいて、前記可撓性フレームワーク上に配置された前記複数の加熱電極のうちの1つ以上を、RFアブレーションが実行される第2の温度に加熱するステップと、
を実行する、作動方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、前記複数のマッピング信号のうちの1つ以上が前記特定の電気的パターンを示すという決定に応じて、前記複数の加熱電極のうちの1つ以上を前記第2の温度に加熱するステップを実行する、請求項9に記載の作動方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、前記複数のマッピング電極のうちの1つ以上のマッピング電極から前記特定の電気的パターンを示すマッピング信号が受信される場合に、前記複数の加熱電極のうち、前記1つ以上のマッピング電極に隣接して配置された1つ以上の加熱電極を前記第2の温度に加熱するステップを実行する、請求項9又は10に記載の作動方法。
【請求項12】
前記複数の加熱電極のうちの前記1つ以上の加熱電極が、前記複数のマッピング電極のうちの1つ以上のマッピング電極の長手方向および短手方向の少なくとも一方に隣接して配置される、請求項9から11のいずれか一項に記載の作動方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、前記可撓性フレームワークの特定の部分に配置された前記複数の加熱電極のうちの1つ以上を前記第2の温度に加熱させるステップを実行する、請求項11に記載の作動方法。
【請求項14】
前記複数のマッピング信号のうちのいずれかが前記特定の電気的パターンを示すのか否かを決定するステップが、前記複数のマッピング信号のうちの1つ以上にフィルタを適用するステップを含む、請求項9から13のいずれか一項に記載の作動方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、前記可撓性フレームワーク上に配置された前記複数の加熱電極を用いて、RFアブレーションが実行される温度よりも低い温度に心臓組織を加熱するステップを実行する、請求項9から14のいずれか一項に記載の作動方法。
【請求項16】
前記特定の電気的パターンが、ブルガダ症候群に関連する、請求項9から15のいずれか一項に記載の作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年1月28日に出願された「THERMAL MAPPING CATHETER」と題する米国仮特許出願第62/108,945号の優先権を主張するものであり、該出願の全体を本明細書に記述されているものとして参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本開示は、熱マッピング・カテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
カテーテルは、長年にわたって心臓医療処置に使用されてきた。カテーテルは、例えば、より侵襲的な処置なしに、他の方法ではアクセスできない身体内の特定の位置に配置されながら、心臓不整脈を診断および治療するために使用できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のマッピング・カテーテルは、例えば、カテーテルの長手方向軸を取り囲み、白金または他の金属から構成された複数の隣接するリング電極を含む場合がある。これらのリング電極は、比較的剛性が高い。同様に、従来のアブレーション・カテーテルは、治療を行う(例えば、RFアブレーション・エネルギーを送る)ための比較的剛性が高いチップ電極を備える場合があり、複数の隣接するリング電極も含む場合がある。これらの従来のカテーテルおよびそれらの比較的剛性が高い(または規格外の)金属電極を使用するとき、特に、鋭い勾配および起伏が存在するときには、心臓組織との良好な電気的接触を維持することが困難となり得る。
【0005】
心臓内で病変をマッピングまたは形成するかどうかにかかわらず、心臓の鼓動は、特に不安定または不規則な場合、状況を複雑にし、電極と組織との間の適切な接触を十分な長さの時間にわたって保つのを困難にする。これらの問題は、輪郭表面または肉柱(trabeculated)表面で深刻となる。電極と組織との間の接触が十分に維持できない場合、良質の病変または正確なマッピングという結果にはなりにくい。
【0006】
前述の議論は、本分野を例示することのみを意図するものであり、特許請求の範囲を否定するものとして解釈されるべきではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の様々な実施形態は、カテーテルを有してもよい。カテーテルは、近位端部および遠位端部を有するカテーテル・シャフトを備えてもよい。可撓性フレームワークが、カテーテル・シャフトの遠位端部に接続されてもよく、可撓性フレームワークは、複数の加熱電極と、温度センサを有する。複数の加熱電極は、第1の温度に加熱されるように構成されてもよく、第1の温度は、RF(radio frequencyの略)アブレーションが実行される温度よりも低い。複数の加熱電極は、第2の温度に加熱されるように構成されてもよく、第2の温度は、RFアブレーションが実行される温度である。
【0008】
本開示の様々な実施形態は、カテーテルを有してもよい。カテーテルは、近位端部および遠位端部を有するカテーテル・シャフトを備えてもよい。可撓性フレームワークが、カテーテル・シャフトの遠位端部に接続されてもよい。可撓性フレームワークは、その上に配置された複数の電極を有してもよい。流体嚢が、可撓性フレームワークに接続されてもよい。流体嚢は、ヒータを有してもよく、流体で満たされるように構成されてもよい。
【0009】
本開示の様々な実施形態は、熱マッピングおよびアブレーションのための方法を有してもよい。その方法は、可撓性フレームワーク上に配置された複数の加熱電極を、規定された時間の間、RFアブレーションが実行される温度よりも低い第1の温度に加熱させるステップを備えてもよい。その方法は、規定された時間の一部の間、可撓性フレームワーク上に配置された複数のマッピング電極から複数のマッピング信号を受信するステップを備えてもよい。その方法は、複数のマッピング信号のうちのいずれかが、特定の電気的パターンを示すのか否かを決定するステップを備えてもよい。その方法は、その決定に基づいて、可撓性フレームワーク上に配置された複数の加熱電極のうちの1つまたは複数を、RFアブレーションが実行される第2の温度に加熱させるステップを備えてもよい。
【0010】
本開示の様々な実施形態は、カテーテルを有してもよい。カテーテルは、近位端部および遠位端部を有するカテーテル・シャフトを備えてもよい。可撓性フレームワークが、カテーテル・シャフトの遠位端部に接続されてもよく、可撓性フレームワークは、その上に配置された複数の電極を有する。灌注チャネルが、カテーテル・シャフトを通って延在してもよく、灌注ポートが、カテーテル・シャフトの遠位端部に配置され、灌注チャネルと流体連通してもよい。カテーテルは、加熱された流体を灌注ポートから排出し、可撓性フレームワーク上に配置された複数の電極を介して、組織によって生成されたマッピング信号を監視するように構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】本開示の様々な実施形態による熱マッピング・カテーテルの上面図である。
【0012】
図1B】本開示の様々な実施形態による、図1Aに示す熱マッピング・カテーテルの正面、側面、および上面の等角図である。
【0013】
図2A】本開示の様々な実施形態による、熱マッピング・カテーテルの第2の実施形態の上面図である。
【0014】
図2B】本開示の様々な実施形態による、図2Aに示す熱マッピング・カテーテルの第2の実施形態の正面、側面、および上面の等角図である。
【0015】
図2C】本開示の様々な実施形態による、図2Aに示すような熱マッピング・カテーテルの第2の実施形態の流体嚢の断面正面図である。
【0016】
図2D】本開示の様々な実施形態による、図2Aに示すような熱マッピング・カテーテルの第2の実施形態の、膨張状態における流体嚢の断面正面図である。
【0017】
図3A】本開示の様々な実施形態による、第3の実施形態の熱マッピング・カテーテルの上面図である。
【0018】
図3B】本開示の様々な実施形態による、図3Aに示す熱マッピング・カテーテルの第3の実施形態の正面、側面、および上面の等角図である。
【0019】
図3C】本開示の様々な実施形態による、図3Aに示すような熱マッピング・カテーテルの第3の実施形態の流体嚢の断面正面図である。
【0020】
図3D】本開示の様々な実施形態による、図3Aに示すような熱マッピング・カテーテルの第3の実施形態の、膨張状態における流体嚢の断面正面図である。
【0021】
図4】本開示の様々な実施形態による、熱マッピング・カテーテルの第4の実施形態の上面図である。
【0022】
図5A】本開示の様々な実施形態による、第1の数の電極を有する熱マッピング・カテーテルの第5の実施形態の上面図である。
【0023】
図5B】本開示の様々な実施形態による、第2の数の電極を有する熱マッピング・カテーテルの第5の実施形態の上面図である。
【0024】
図5C】本開示の様々な実施形態による、図5Bに示す熱マッピング・カテーテルの第5の実施形態の正面、側面、および上面の等角図である。
【0025】
図5D】本開示の様々な実施形態による、図5A図5Cに示す灌注アセンブリの側面図である。
【0026】
図6A】本開示の様々な実施形態による、第1の数の電極を有する熱マッピング・カテーテルの第6の実施形態の上面図である。
【0027】
図6B】本開示の様々な実施形態による、第2の数の電極を有する熱マッピング・カテーテルの第6の実施形態の上面図である。
【0028】
図7】本開示の様々な実施形態による、マッピング電極と、加熱電極と、熱電対とを含む熱マッピング・カテーテルの上面図である。
【0029】
図8】本開示の様々な実施形態による方法に関連するフロー図である。
【0030】
図9A】本開示の実施形態による、熱マッピングおよびアブレーションのためのシステムの図である。
【0031】
図9B】本開示の様々な実施形態による、熱マッピングおよびアブレーションのためのコンピューティング・デバイスの一例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
Flexible High−Density Mapping Catheter Tips and Flexible Ablation Catheter Tips with Onboard High−Density Mapping Electrodesと題する国際出願第PCT/US2014/011940号の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
一例では、いくつかの症候群は、心室細動を引き起こす場合があり、それは、健康上のリスクおよび/または死につながる場合がある。例えば、ブルガダ症候群(BrS)などの症候群は、ブルガダ心電図(ECG)パターン発現の原因といわれている異なるチャネルを含む16以上の異なる遺伝子を有する異種遺伝的基盤を有する場合がある。SCN5A変異は、BrSの患者の15〜30%で最も一般的に見つかる変異であり、全体の構造異常がない右前胸部誘導における連続する負のT波を伴うST上昇によって特徴付けられる常染色体優性遺伝性不整脈性障害である。BrSの患者は、心室細動による心臓突然死のリスクがある。BrSにおけるSCN5A変異は、不完全浸透および発現度の差異(variable expressivity)にも関連し、その変異を有する多くの患者は、疾病の症状を発症することはない。したがって、どの患者が致命的な不整脈を発症する可能性があり、だれが予備治療を必要とする場合があるのかについて、大変な議論および困難がある。
【0034】
BrSの診断は、しばしば、断続的な正常であるのかまたは端的に正常であるのかの境界線となる安静時ECGのため、高レベルの疑いを必要とする。遺伝子検査は、敏感ではなく、解釈するのが難しい結果をもたらし得る。フレカイニド、アジマリン、pilsidcainide、およびプロカインアミドなどのナトリウム・チャネル遮断薬の静脈内投与による薬理学的誘発試験は、ST部分上昇を引き起こすことによって、BrSの患者におけるECGパターンを明らかにするために使用されてきた。しかしながら、研究は、これらの薬剤が100%よりもはるかに低い感度であり、BrSに特異的であることを示している。
【0035】
発熱は、ナトリウム・チャネル障害の患者の心室性不整脈に関する役割を果たす場合がある。正確なメカニズムは、不明のままであるが、1つの説では、BrSに関連する変異が、ナトリウム・チャネルの急速な不活性化の温度感受性を変化させることである。
【0036】
本開示の実施形態によれば、一例では、ブルガダ・パターンを明らかにするために体温の上昇を模倣するために、心臓の一部が加温されてもよい。本開示のいくつかの実施形態は、心臓の一部を加温し、心臓によって生成される電気信号を収集するように構成されることができる熱マッピング・カテーテルを有してもよい。本開示のいくつかの実施形態は、電気信号の収集に基づいて、アブレーションが実行されるべき場所に関連するマッピング点を取得するように構成されることができる熱マッピング・カテーテルを有してもよい。本開示のいくつかの実施形態は、組織(例えば、心臓組織)をアブレーションするように構成された熱マッピング・カテーテルを有してもよい。
【0037】
本開示のいくつかの実施形態は、心臓組織(例えば、心外膜組織)の温度を上昇させるために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、心臓組織の温度は、ナトリウム遮断薬注入(例えば、フレカイニド、アジマリン、pilsidcainide、プロカインアミドの注入)が実行された後、上昇させることができる。組織からの電気信号を収集するために、本開示の実施形態を使用して、詳細な電子解剖学的電圧マップ(例えば、心外膜電圧マップ)が作成されてもよく、組織からの電気信号は、次いで、電子解剖学的電圧マップに組み込まれてもよい。
【0038】
本開示の様々な実施形態によると、図1Aは、熱マッピング・カテーテル101の上面図であり、図1Bは、熱マッピング・カテーテル101の正面、側面、および上面の等角図である。いくつかの実施形態では、熱マッピング・カテーテル101は、微小電極の可撓性アレイを有してもよい。微小電極のこの平面アレイ(または「パドル」構成)は、リング電極106がその上に担持された可撓性フレームワークを形成することができる4つの並んだ長手方向延在アーム102、103、104、105を備える。4つのリング電極担持アームは、第1の外側アーム102と、第2の外側アーム105と、第1の内側アーム103と、第2の内側アーム104とを備える。これらのアームは、互いに横方向に離間されてもよい。4つのアームの各々は、複数のリング電極106を担持してもよい。例えば、4つのアームの各々は、4つのアームの各々の長さに沿って離間されたリング電極106を担持してもよい。図1Aおよび図1Bに示すパドル・カテーテルは、4つのアームを有するが、パドルは、より多くの、またはより少ないアームを備えてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、熱マッピング・カテーテル101は、カテーテル・シャフト107を有してもよい。カテーテル・シャフト107は、近位端部と遠位端部を有してもよい。遠位端部は、カテーテル・シャフト107の遠位端部を平面アレイ(例えば、可撓性フレームワーク)の近位端部に結合できるコネクタ108を有してもよい。カテーテル・シャフト107は、患者の曲がりくねった脈管構造に通すことができるように、可撓性材料から作製されてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、流体嚢が、第1の外側アーム102と第1の内側アーム103との間、第1の内側アーム103と第2の内側アーム104の間、および第2の内側アーム104と第2の外側アーム105の間に配置されてもよい。一例では、流体嚢は、平面アレイの近位端部から平面アレイの遠位端部まで延在してもよい。例えば、第1の流体嚢109は、第1の外側アーム102と第1の内側アーム103との間に配置されてもよく、第2の流体嚢110は、第1の内側アーム103と第2の内側アーム102との間に配置されてもよく、第3の流体嚢111は、第2の内側アーム104と第2の外側アーム105との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の流体嚢が、長手方向延在アーム102、103、104、105の少なくとも1つの対の間に配置されてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、流体嚢は、ゴム(例えば、ラテックス)および/またはプラスチックなどの可撓性材料で形成されてもよい。さらに、カテーテルの遠位端部においてパドル構造(または、マルチアーム電極担持可撓性フレームワーク)を備えるアーム(またはアームの下部構造)は、好ましくは、ニチノールなどの可撓性またはバネ状材料から構成される。アームおよび/または流体嚢の(例えば、アームの長さおよび/または直径、および/または、流体嚢の長さおよび/または厚さを含む)構造および材料は、例えば、単一のアームの近位端部からそのアームの遠位端部までに変化し得る、または単一のパドル構造を備える複数のアーム間で変化し得る1つ以上の特性を含む、所望の弾力性特性、可撓性特性、折り畳み性特性、順応性特性、および高剛性特性に作成されるように調整または適合されてもよい。一例では、熱マッピング・カテーテル101は、いくつかの実施形態では、患者の脈管構造への挿入を可能にするように折り畳まれてもよい。カテーテルが形成される材料からの材料の折り畳み性は、体内へのカテーテルの送達中、または処置の終了時の身体からのカテーテルの除去中のいずれにおいても、パドル構造の送達カテーテルまたは導入器への挿入を容易にする追加の利点を提供する。
【0042】
いくつかの実施形態では、流体嚢は、ヒータ112、113、114を有してもよい。ヒータ112、113、114は、導電性可撓性ワイヤから形成されてもよい。一例では、可撓性ワイヤに電気が供給されてもよく、これは、ワイヤを抵抗加熱することができる。ヒータ112、113、114からの熱は、流体嚢109、110、111内に含まれる流体に伝達されてもよい。一例では、流体は、生理食塩水であってもよい。いくつかの実施形態では、流体嚢109、110、111の各々は、温度センサ115、116、117(例えば、熱電対)を有してもよい。温度センサ115、116、117は、流体嚢109、110、111の各々の内側に取り付けられてもよく、流体嚢109、110、111の各々に含まれる流体と流体連通されてもよい。したがって、流体の温度は、温度センサ115、116、117によって感知されることができ、温度センサによって生成される信号が、ヒータによる流体の加熱を制御するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、流体は、摂氏50度から摂氏60度の範囲内の温度に加熱されてもよい。しかしながら、流体は、いくつかの実施形態では、摂氏50度未満の温度および/または摂氏60度よりも高い温度に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、流体は、摂氏40度から摂氏60度の温度に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、流体は、摂氏40度から摂氏48度の温度に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、流体は、摂氏35度から摂氏65度の範囲内の温度に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、流体は、摂氏38度から摂氏42度の範囲内の温度に加熱されてもよい。流体嚢109、110、111と組織との間の接触時に、組織が、加温されてもよく、これは、ブルガダ・パターンを明らかにするのを助けることができる。いくつかの実施形態では、組織は、流体嚢109、110、111を介して、摂氏38度から摂氏42度の範囲内の温度に加温されてもよく、これは、ブルガダ・パターンとして認識可能なECGパターンを組織に示させることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、組織は、摂氏42度よりも高い温度に加温されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、組織は、摂氏38度から摂氏45度、摂氏38度から摂氏50度、摂氏42度から摂氏48度、および/または摂氏42度から摂氏50度の範囲内の温度に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、ブルガダ・パターンとして認識可能なECGパターンを組織に示させるために、上記および下記の範囲内の上の範囲に組織を加熱するとき、組織は、組織への損傷を回避するために、その温度に瞬間的に加熱されてもよい。
【0043】
電極106を介して組織から電気信号が収集されてもよい。組織は、次いで、いくつかの実施形態では、本明細書で論じるように、アブレーションの実行に関連する温度に電極を加熱することによって、電極106を用いてアブレーションされてもよい。いくつかの実施形態では、ヒータ112、113、114、温度センサ115、116、117、および/または電極106は、図9Aおよび図9Bに関して論じるシステムおよび/またはコンピューティング・デバイスを介して制御されてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、流体嚢109、110、111は、カテーテル・シャフトを通って延在する1つ以上の供給管と流体連通してもよい。一例では、流体嚢109、110、111の近位端部が、1つ以上の供給管と流体連通してもよい。熱マッピング・カテーテル101は、例えば、熱マッピング・カテーテル101の近位端部において(例えば、カテーテル・ハンドル内、カテーテル・ハンドルの近位に)、1つ以上の供給管を介して流体を流体嚢109、110、111内に注入するように構成された流体ポンプを有してもよい。流体は、静的あるいは動的であってもよい。例えば、流体嚢109、110、111が満たされる流体は、静止したままであってもよく、および/または、流体嚢109、110、111の各々を通って循環されてもよい。
【0045】
一例では、流体嚢109、111は、互いに流体連通してもよい。例えば、流体嚢109、111は、流体導管118を介して流体連通してもよい。流体は、流体嚢109、111のうちの1つに供給され、他の流体嚢を通って戻されてもよい。例えば、流体は、流体嚢109に供給され、流体嚢111を通って戻されてもよい。代替的には、流体は、流体嚢111に供給され、流体嚢109を通って戻されてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、流体嚢109、110、111は、アーム102、103、104、105に接続されてもよい。例えば、第1の流体嚢109が、第1の外側アーム102および第1の内側アーム103に接続されてもよく、第2の流体嚢110が、第1の内側アーム103および第2の内側アーム104に接続されてもよく、第3の流体嚢が、第2の内側アーム104および第2の外側アーム105に接続されてもよい。一例では、流体嚢109、110、111の各々は、図4にさらに示すように、接続タブを介して、互いに接続されてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、流体嚢109、110、111の幅は、アームの各々の間に適合するように構成されてもよい。例えば、流体嚢109の幅は、第1の外側アーム102と第1の内側アーム103との間に適合するように構成されてもよく、第2の流体嚢110の幅は、第1の内側アーム103と第2の内側アーム104との間に適合するように構成されてもよく、第3の流体嚢111の幅は、第2の内側アーム104と第2の外側アーム111との間に適合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、図3Cおよび図3Dに関してさらに論じるように、満たされた状態での流体嚢109、110、111の高さは、それぞれのアーム102、103、104、105の各々の高さよりも低くなるように構成されてもよい。
【0048】
図2Aは、熱マッピング・カテーテル101’の第2の実施形態の上面図である。熱マッピング・カテーテル101’は、リング電極106’が担持される可撓性フレームワークを形成することができる長手方向延在アーム102’、103’、104’、105’を有してもよい。熱マッピング・カテーテル101’は、カテーテル・シャフト107’とコネクタ108’を有してもよい。熱マッピング・カテーテル101’は、図1Aに関して論じたように、流体嚢125、126、127を有してもよい。いくつかの実施形態では、流体嚢125、126、127は、独立した流体嚢(すなわち、互いに接続されていない)であってもよい。例えば、流体嚢125、127は、互いに分離されてもよく、図1Aに関して論じたように、流体導管118を介して互いに流体連通しなくてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、熱マッピング・カテーテル101’は、流体を加熱するための加熱要素として機能することができる可撓性電気回路128、129、130を有してもよい。いくつかの実施形態では、可撓性電気回路は、図1Aに関して論じたように、温度センサ131、132、133を有してもよい。可撓性電気回路は、いくつかの実施形態では、折り畳まれてもよい。一例では、熱マッピング・カテーテル101’が折り畳まれ、長手方向延在アーム102’、103’、104’、105’が互いにより接近するにつれて、可撓性電気回路は、折り畳まれた電気回路の横幅が減少するように、長手方向で折り畳まれてもよい。例えば、可撓性電気回路128、129、130は、熱マッピング・カテーテル101’が展開されていない状態にあるとき、可撓性電気回路128、129、130の各々の幅が減少するように、それぞれの可撓性電気回路128、129、130の長手方向軸に沿って縦半分に折り畳まれてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、可撓性電気回路130に関して図2Aに示すように、可撓性電気回路130は、ヒータ要素バス135から延在する、1つ以上の長手方向かつ遠位方向に延在するヒータ要素(例えば、遠位ヒータ要素134−1、134−2)と、1つ以上の長手方向かつ近位方向に延在するヒータ要素(例えば、近位ヒータ要素134−3、134−4)とを有してもよい。いくつかの実施形態では、遠位ヒータ要素134−1、134−2および近位ヒータ要素134−3、134−4は、ヒータ・バス135を介して電気的に結合されてもよい。ヒータ要素134−1、134−2、134−3、134−4は、いくつかの実施形態では、プリント電気回路基板(PCB)などの基板上に形成されてもよく、カテーテル・シャフト107’を通って延在する、可撓性電気回路に電気的に結合された1つ以上のリード線を介して、電源に電気的に結合されてもよい。可撓性ヒータ回路130について論じているが、可撓性電気回路128、129は、可撓性ヒータ回路130に関して論じたものと同様の特徴を有してもよい。
【0051】
上記で論じたように、いくつかの実施形態では、流体は、摂氏50度から摂氏60度の範囲内の温度に加熱されてもよい。しかしながら、流体は、摂氏50度未満の温度および/または摂氏60度よりも高い温度に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、流体は、摂氏40度から摂氏60度の温度に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、流体は、摂氏40度から摂氏48度の温度に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、流体は、摂氏35度から摂氏65度の範囲内の温度に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、流体は、摂氏38度から摂氏42度の範囲内の温度に加熱されてもよい。
【0052】
図2Bは、図2Aに示す熱マッピング・カテーテル101’の第2の実施形態の前面、側面、および上面の等角図である。一例では、図2Cおよび図2Dは、流体嚢125−C、125−Dおよび可撓性電気回路128の断面を示す。流体嚢126、127は、流体嚢125に関して論じたものと同様の特徴を有してもよい。流体嚢126、127の断面(例えば、幅および/または高さ)は、流体嚢125の断面と同じ、より小さい、またはより大きくてもよい。図2Cは、流体嚢125−Cが流体で部分的に満たされているときの流体嚢125−Cの断面を示す。例えば、流体嚢125−Cは、図2Cにおいて部分的に拡大されて示されている。図2Dは、流体嚢125−Dが図2Cに示すものよりも大きい程度に満たされたときの流体嚢125−Dの断面を示す。流体嚢125は満たされるにつれて、流体嚢125は、流体嚢125の断面が長方形を形成するように膨張することができる。一例では、流体嚢125は、流体嚢125の高さが電極106’の高さよりも低くなるように満たされてもよい。代替的には、流体嚢125は、流体嚢125の高さが電極106’の高さと等しくなるようにおよび/または電極106’の高さよりも高くなるように満たされてもよい。
【0053】
図3Aは、熱マッピング・カテーテル101”の第3の実施形態の上面図である。熱マッピング・カテーテル101”は、リング電極106”が担持される可撓性フレームワークを形成することができる長手方向延在アーム102”、103”、104”、105”を有してもよい。熱マッピング・カテーテル101”は、カテーテル・シャフト107”とコネクタ108”を有してもよい。熱マッピング・カテーテル101”は、図1Aに関して論じたように、流体嚢146、147、148を有してもよい。いくつかの実施形態では、熱マッピング・カテーテル101”は、薄膜加熱要素143、144、145を有してもよい。一例では、薄膜加熱要素は、いくつかの実施形態ではシリコンから形成されてもよい薄膜層を含んでもよい。いくつかの実施形態では、薄膜の上に導電層が配置されてもよく、それによって、加熱要素を形成してもよい。例えば、導電層は、熱蒸着および/または化学蒸着などの蒸着プロセスによって薄膜上に蒸着されてもよい。いくつかの実施形態では、導電層は、金属であってもよく、薄膜上に特定のパターンで形成されてもよい。いくつかの実施形態では、温度センサ140、141、142が、膜上に配置され、流体の温度を感知するように構成されてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、薄膜加熱要素143に関して図3Aに示すように、電気リード線149が、薄膜加熱要素143を電源または1つもしくは複数のコンピュータに接続してもよく、1つ以上のコンピュータは、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な非一過性のコンピュータに読み込み可能な命令を記憶するメモリと、を備え、熱電対電気リード線150が、熱電対140を電源、および/または、例えば、図9Aおよび/もしくは図9Bに関して論じるものなどの1つ以上のコンピュータに接続してもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、図3A図3C、および図3Dに示すように、薄膜加熱要素143、144、145は、平面であってもよい。薄膜加熱要素143、144、145は、流体嚢146、147、148の各々の形状に一致するように構成されてもよい。薄膜加熱要素143および流体嚢146を特に参照すると、薄膜加熱要素は、張り出し部(例えば、張り出し部151)を含む場合があり、いくつかの実施形態では、張り出し部は、流体嚢146がアーム(例えば、第1の内側アーム103”)に取り付けられる部分である。したがって、薄膜加熱要素143、144、145の形状を流体嚢146、147、148のそれぞれ1つの形状と一致させることによって、流体嚢146、147、148の各々に含まれる流体は、より均一に加熱されることができる。いくつかの実施形態では、薄膜加熱要素143、144、145は、流体嚢146、147、148のそれぞれ1つに接続されてもよい。例えば、薄膜加熱要素143、144、145は、流体嚢146、147、148のそれぞれのうちの1つの壁に接着剤で接着されてもよい。したがって、熱マッピング・カテーテルが未展開状態から展開状態に移行するとき、流体嚢146、147、148は、薄膜加熱要素143、144、145とともに広がることができる。
【0056】
上記で論じたように、いくつかの実施形態では、流体は、摂氏50度から摂氏60度の範囲内の温度に加熱されてもよい。しかしながら、流体は、摂氏50度未満の温度および/または摂氏60度よりも高い温度に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、流体は、摂氏40度から摂氏60度の温度に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、流体は、摂氏40度から摂氏48度の温度に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、流体は、摂氏35度から摂氏65度の範囲内の温度に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、流体は、摂氏38度から摂氏42度の範囲内の温度に加熱されてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、組織は、流体嚢146、147、148を介して、摂氏38度から摂氏42度の範囲内の温度に加温されてもよく、これは、ブルガダ・パターンとして認識可能なECGパターンを組織に示させることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、組織は、摂氏42度よりも高い温度に加温されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、組織は、摂氏38度から摂氏45度、摂氏38度から摂氏50度、摂氏42度から摂氏48度、および/または、摂氏42度から摂氏50度の範囲内の温度に加熱されてもよい。
【0058】
図3Bは、図3Aに示す熱マッピング・カテーテル101”の第3の実施形態の前面、側面、および上面の等角図である。いくつかの実施形態では、流体嚢146、147、148は、長手方向延在アーム102”、103”、104”、105”に取り付けられてもよい。一例では、可撓性フレームワークが拡張されるとき、流体嚢146、147、148もまた拡張することができ、流体で満たされる。
【0059】
一例では、図3Cおよび図3Dは、流体嚢146および可撓性電気回路143の断面を示す。流体嚢147、148の断面は、流体嚢146の断面と同じ、より小さい、またはより大きくてもよい。図3Cは、流体嚢146が流体で部分的に満たされているときの流体嚢146の断面を示す。例えば、流体嚢146は、図3Cにおいて部分的に拡大されて示されている。図3Dは、流体嚢146が図3Cに示すものよりも大きい程度に満たされたときの流体嚢146の断面を示す。流体嚢146が満たされるにつれて、流体嚢146は、流体嚢146の断面が長方形を形成するように膨張できる。一例では、流体嚢146は、流体嚢146の高さが電極106”の高さよりも低くなるように満たされてもよい。
【0060】
図4は、熱マッピング・カテーテルの第4の実施形態の上面図である。熱マッピング・カテーテル101’’’は、リング電極106’’’が担持される可撓性フレームワークを形成することができる長手方向延在アーム102’’’、103’’’、104’’’、105’’’を有してもよい。熱マッピング・カテーテル101’’’は、カテーテル・シャフト107’’’およびコネクタ108’’’を有してもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル・シャフト107’’’は、1つ以上のリング電極167を有してもよい。熱マッピング・カテーテル101’’’は、図1Aに関して論じたように、流体嚢158、159、160を有してもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、各流体嚢158、159、160は、加熱および温度感知アセンブリを有してもよい。一例では、各加熱および温度感知アセンブリは、近位電極156および遠位電極155を備え、近位電極156および遠位電極155は、各流体嚢158、159、160内に含まれる流体を加熱するために、双極RF技法を使用する。一例では、温度センサ157は、近位電極156と遠位電極155との間に取り付けられてもよい。流体嚢158、159、160は、本明細書において前述したような範囲内の温度に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、組織は、流体嚢158、159、160を介して、本明細書において前述したような範囲内の温度に加熱されてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、近位電極156、遠位電極155、および温度センサ157は、支持構造161上に取り付けられてもよい。他の支持構造(例えば、支持構造162、163)が、流体嚢159、158内に配置された追加の温度センサおよび熱電対を支持してもよい。一例では、支持構造161を特に参照すると、その構造は、各電極155、156が互いに絶縁されるように、非導電性材料から形成されてもよい。いくつかの例では、支持構造161は、ニチノール製のワイヤであってもよい。いくつかの実施形態では、支持構造161は、近位電極156、遠位電極155、および温度センサ157との電気的接続を提供するためにワイヤが通過する管であってもよい。代替的には、ワイヤは、支持構造161の外側に沿って延びていてもよい。いくつかの実施形態では、灌注経路が、支持構造161を通過してもよく、流体嚢158、159、160に流体を供給するように構成されてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、温度センサ157は、支持構造161に対して軸外に配置されてもよい。一例では、軸外熱電対リード線および/またはリード線を収容する管164が、支持構造161から延び、温度センサ157と電気機械的に結合してもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、線Aによって画定される各流体嚢の内側の幅は、約2.25ミリメートル(mm)であってもよく、2.25mmよりも小さいまたは大きくてもよい。いくつかの実施形態では、線Bによって画定される各流体嚢の長さは、約15.5mmであってもよく、15.5mmよりも小さいまたは大きくてもよい。いくつかの実施形態では、線Cによって画定される各流体嚢の遠位端とコネクタ108’’’の遠位端との間の各流体嚢の長さは、約20.5mmであってもよく、20.5mmよりも小さいまたは大きくてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、図4に示すように、熱マッピング・カテーテル101’’’は、流体嚢支持構造165を備えてもよい。一例では、流体嚢支持構造165は、一体の材料片(unitary piece of material)であってもよく、その第1の端部は、コネクタ108’’’の遠位端部から遠位に延在し、第1の外側アーム102’’’の内側表面に沿って延在する。流体嚢支持構造165の遠位端部は、第1の内側アーム103’’’の近位部分を横切り、第1の内側アーム103’’’の内側表面に沿って遠位方向に延在する前に、第1の内側アーム103’’’に向かうように第1の内側アーム103’’’の外側表面に沿って近位方向に延在してもよい。支持構造165は、第2の内側アーム104’’’および第2の外側アーム105’’’の内側表面および/または外側表面に沿ってこのパターンを繰り返してもよい。いくつかの実施形態では、支持構造は、流体嚢158、159、160内に配置されてもよく、熱マッピング・カテーテル101’’’の展開時に流体嚢158、159、160の拡張を助けることができる。いくつかの実施形態では、流体嚢158、159、160は、1つ以上の流体嚢取り付け部(例えば、流体嚢取り付け部166−1、166−2)を有してもよい。流体嚢取り付け部166−1、166−2は、流体嚢158、159、160を、第1の外側アーム102’’’、第1の内側アーム103’’’、第2の内側アーム104’’’、および第2の外側アーム105’’’のうちの1つまたは複数に接続してもよい。一例では、各流体嚢158、159、160は、流体嚢158、159、160をアームに接続するように構成されることができる1つ以上の流体嚢取り付け部166−1、166−2を有してもよい。いくつかの実施形態では、各流体嚢取り付け部166−1、166−2は、それぞれのアームの一部を取り囲む材料の帯であってもよい。例えば、流体嚢取り付け部166−1は、電極106−1と電極106−2との間に位置するアームの一部に沿って第2の外側アーム105’’’を取り囲んでもよい。いくつかの実施形態では、流体嚢取り付け部は、流体嚢と同じ材料から形成されてもよく、流体嚢および取り付け部は、一体の構造であってもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、流体嚢取り付け部166−2は、隣接する流体嚢(例えば、流体嚢158、159)をアーム(例えば、第1の内側アーム103’’’)に接続してもよい。一例では、流体嚢取り付け部166−2は、流体嚢158、159の両方に接続され、流体嚢158と流体嚢159との間に位置する第1の内側アームを取り囲んでもよい。流体嚢取り付け部166−2は、上記で論じたように、第1の内側アーム103’’’上に配置された電極間に位置する第1の内側アーム103’’’の一部を取り込んでもよい。いくつかの実施形態では、流体嚢158、159、160は、図4に示すように、流体嚢の近位部分において互いに接続されてもよい。流体嚢158、159、160は、近位に接続されるので、流体嚢158、159、160は、互いに流体連通することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ108’’’の遠位端部は、流体嚢158、159、160と流体連通する流体管腔を有してもよく、流体嚢158、159、160の内外に流体を移送するように構成されてもよい。
【0067】
図5Aは、第1の数の電極を備える熱マッピング・カテーテル170の第5の実施形態の上面図である。熱マッピング・カテーテル170は、リング電極171が担持される可撓性フレームワークを形成することができる長手方向延在アーム172、173、174、175、176、177を備えてもよい。いくつかの実施形態では、可撓性フレームワークは、64個の電極171を備えてもよい。64個の電極が図示されているが、64個よりも多いまたは少ない電極が可撓性フレームワーク上に配置されてもよい。熱マッピング・カテーテル170はまた、カテーテル・シャフト180およびコネクタ178を備えてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル・シャフト180は、1つ以上のリング電極179を有してもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、カテーテル・シャフト180は、灌注ポート181と流体連通する灌注チャネルを有してもよい。一例では、流体182(例えば、生理食塩水)が、灌注チャネルを通って移動し、灌注ポート181を通って排出されてもよい。一例では、流体182は、流体182が灌注ポート181を通って排出される前に加熱されてもよく、または、流体182がポート181を通過するときに加熱されてもよい。流体182は、図1図4に関して前述した範囲内の温度に加熱されてもよい。例えば、流体182は、摂氏50度から摂氏60度の範囲内の温度に加熱されてもよい。しかしながら、流体は、摂氏50度未満の温度および/または摂氏60度よりも高い温度に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、流体は、摂氏40度から摂氏60度の範囲内の温度に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、流体は、摂氏40度から摂氏48度の範囲内の温度に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、流体は、摂氏35度から摂氏65度の範囲内の温度に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、流体は、摂氏38度から摂氏42度の範囲内の温度に加熱されてもよい。
【0069】
その一方、流体が流体嚢内に導入される代わりに、流体は、灌注ポート181から排出され、組織と直接接触してもよい。流体182は、流体182が電極171を十分に覆うように、灌注ポート181から排出されてもよい。例えば、流体182は、最も遠位の電極171に到達するように排出されてもよい。いくつかの実施形態では、灌注ポート181は、高さよりも幅のほうが大きく、図示のように、可撓性フレームワーク上に配置された電極171の上の流体182の流れ(例えば、扇形の流れ)を排出するように構成された平面灌注ポートを形成してもよい。
【0070】
図5Bは、第2の数の電極を備える熱マッピング・カテーテル170’の第5の実施形態の上面図である。熱マッピング・カテーテル170’は、リング電極171’が担持される可撓性フレームワークを形成することができる長手方向延在アーム172’、173’、174’、175’、176’、177’を備えてもよい。いくつかの実施形態では、可撓性フレームワークは、32個の電極171’を備えてもよい。32個の電極が図示されているが、32個よりも多いまたは少ない電極が可撓性フレームワーク上に配置されてもよい。熱マッピング・カテーテル170’は、カテーテル・シャフト180’およびコネクタ178’を備えてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル・シャフト180’は、リング電極179’を有してもよい。
【0071】
熱マッピング・カテーテルは、図5Aに関して論じたように、灌注ポート181’を備えてもよく、灌注ポート181’は、図示のように、可撓性フレームワーク上に配置された電極171’の上に流体182’を排出するように構成されてもよい。流体182’は、電極171’に隣接した組織を加温してもよく、これは、本明細書で論じるように、ブルガダ・パターンを明らかにするのを助けることができる。例えば、組織は、流体182’を介して、摂氏38度から摂氏42度の範囲内の温度に加温されてもよく、これは、ブルガダ・パターンとして認識可能なECGパターンを組織に示させることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、組織は、摂氏42度よりも高い温度に加温されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、組織は、摂氏38度から摂氏45度、摂氏38度から摂氏50度、摂氏42度から摂氏48度、および/または摂氏42度から摂氏50度の範囲内の温度に加熱されてもよい。
【0072】
図5Cは、本開示の様々な実施形態による、図5Aに示す熱マッピング・カテーテル170の第5の実施形態の前面、側面、および上面の等角図である。図5Cは、可撓性フレームワークの上に流体を向かわせるように構成された、図5Aおよび図5Bに関して論じた灌注ポート181をさらに示す。図5Dは、本開示の様々な実施形態による、図5A図5Cに示す灌注アセンブリ185の側面図である。灌注アセンブリ185は、流体182を第1の灌注ポート181−1および第2の灌注ポート181−2に供給する第1の灌注管腔184−1および第2の灌注管腔184−2を有してもよい。灌注ポートは、図5Aに示す可撓性支持構造(例えば、可撓性フレームワーク、平面アレイ)の各側の上に流体182を排出してもよい。いくつかの実施形態では、灌注管腔184−1、184−2は、可撓性、高剛性、および/または半剛性の材料から作製されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、灌注管腔184−1、184−2は、プラスチックまたは金属から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、図示のように、灌注ポート181−1、181−2は、平面形状であってもよく(すなわち、高さよりも幅のほうが大きくてもよく)、したがって、可撓性フレームワークの上に概ね平面状の流体流を作る。いくつかの実施形態では、灌注ポート181−1、181−2(例えば、灌注ポート181−1、181−2の遠位開口部)の各々によって画定される平面は、可撓性支持構造(例えば、平面アレイ)によって画定される平面と平行であってもよい。これは、流体182が平面アレイおよびその上に配置された電極の上に均一に散布されることを可能にすることができる。
【0073】
灌注アセンブリ185は、長手方向延在アームを挿入し、固定できるソケット183−1、183−2を有してもよいコネクタ178を有してもよい。第3のソケットが、第1のソケット183−1の反対側に配置される場合があり、第3のソケットは、図では隠れていて見えない。いくつかの実施形態では、コネクタ178は、接続ソケット186を有してもよく、コネクタをカテーテル・シャフト180の遠位端部に固定するために、接続ソケット186を通ってピンが挿入されてもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、流体182’は、流体182’が十分に電極171を覆うように、灌注ポート181’から排出されてもよい。加熱された流体は、心臓組織にBrSを示す徴候を示させることができる。いくつかの実施形態では、電極171は、マッピングおよび/またはアブレーションのために使用されてもよい。例えば、電極は、組織によって生成されたマッピング信号を監視するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、マッピング信号は、ブルガダ症候群に関連する場合がある電気的パターンを示すことができる。いくつかの実施形態では、電極は、流体182’が灌注ポート181から排出されている間、流体182’が灌注ポート181’から排出されている時間の一部の間、および/または流体182’が灌注ポート181’から排出される前もしくは後に、組織によって生成されたマッピング信号を監視してもよい。
【0075】
図6Aは、第1の数の電極を有する熱マッピング・カテーテル190の第6の実施形態の上面図である。熱マッピング・カテーテル190は、リング電極191が担持される可撓性フレームワークを形成することができる長手方向延在アーム192、193、194、195、196、197を備えてもよい。いくつかの実施形態では、可撓性フレームワークは、64個の電極191を有してもよいが、64個よりも多いまたは少ない電極が可撓性フレームワーク上に配置されてもよい。熱マッピング・カテーテル190は、カテーテル・シャフト198およびコネクタ199を備えてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル・シャフト198は、1つ以上のリング電極200を有してもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、電極191は、心臓組織を加熱するためにアブレーションを実行するように低下したレベルでRFエネルギー201を送達してもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の温度センサが、可撓性フレームワーク上に配置されてもよく、電極191がBrSの診断のための本明細書で論じたような温度範囲に心臓組織を加熱することを可能にすることができる。一例では、温度センサは、1つ以上の電極191内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、電極191は、エネルギー源(例えば、RF発生器)と連通(例えば、電気的に結合)されてもよく、エネルギー源が、1つ以上の電極191を介して組織(例えば、心臓組織)にエネルギー(例えば、RFエネルギー)を送達するように構成されてもよく、このエネルギーの送達によって、組織を加熱することができる。本開示のいくつかの実施形態は、電極191を介して単極RFエネルギーを組織に送達するように構成されてもよい。例えば、単極RFエネルギーは、電極191のうちの1つまたは複数に送達されてもよく、RFエネルギーは、組織および/または電極191を加熱するために、組織を通って、通常は患者の背中上に位置するパッチに伝わることができる。
【0077】
図6Bは、第2の数の電極を有する熱マッピング・カテーテル190’の第6の実施形態の上面図である。熱マッピング・カテーテル190’は、リング電極191’が担持される可撓性フレームワークを形成することができる長手方向延在アーム192’、193’、194’、195’、196’、197’を備えてもよい。いくつかの実施形態では、可撓性フレームワークは、32個の電極191’を有してもよい。熱マッピング・カテーテル190’は、カテーテル・シャフト198’およびコネクタ199’を備えてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル・シャフト198’は、リング電極200’を有してもよい。図6Aに関して論じたように、電極191は、心臓組織を加熱するためにアブレーションを実行するように低下したレベルでRFエネルギーを送達してもよく、可撓性フレームワーク上に配置された1つ以上の温度センサから受信したフィードバックに基づいて制御されてもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、図6Aおよび図6Bに示す実施形態に関連する電極(例えば、電極201、201’)は、特定の温度に、および/または、特定の時間加熱されてもよい。電極は、ブルガダ・パターンを明らかにするために組織を加熱させるように組織(例えば、心臓組織)に対して配置されてもよい。いくつかの実施形態では、電極は、摂氏50度から摂氏60度の範囲内の温度に加熱されてもよい。しかしながら、電極は、摂氏50度未満の温度および/または摂氏60度よりも高い温度に加熱されてもよい。例えば、電極は、摂氏35度から摂氏65度の範囲内の温度に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、電極は、摂氏38度から摂氏42度の範囲内の温度に加熱されてもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、電極は、隣接する組織を加温するために加熱され、それから、マッピング機能を実行するためにオフにされてもよい。いくつかの実施形態では、組織は、電極を介して、摂氏38度から摂氏42度の範囲内の温度に加温されてもよく、これは、ブルガダ・パターンとして認識可能なECGパターンを組織に示させることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、組織は、摂氏42度よりも高い温度に加温されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、組織は、摂氏38度から摂氏45度、摂氏38度から摂氏50度、摂氏42度から摂氏48度、および/または摂氏42度から摂氏50度の範囲内の温度に加熱されてもよい。
【0080】
図7は、本開示の様々な実施形態による熱マッピングおよびアブレーション兼用カテーテル206を示す。いくつかの実施形態では、熱マッピングおよびアブレーション・カテーテル206は、いくつかの電極が配置されてもよい可撓性フレームワーク(例えば、平面アレイ)を形成することができる長手方向延在アーム210、212、214、216、218、220を備えてもよい。いくつかの実施形態では、熱マッピングおよびアブレーション・カテーテルは、6本よりも多いまたは少ない長手方向延在アームを備えてもよい。一例では、いくつかの電極は、図7に負の記号によって示された負の加熱電極230−1、230−2、230−n(以下、総称して負の加熱電極230と呼ぶ)と、図7に正の記号によって示されたいくつかの正の加熱電極232−1、232−2、232−n(以下、総称して正の加熱電極232と呼ぶ)とを含むいくつかの加熱電極を含んでもよい。いくつかの実施形態では、負の加熱電極230および正の加熱電極232は、交互に長手方向延在アーム上に配置されてもよい。例えば、図示のように、負の加熱電極230は、第1の外側アーム210上に配置されてもよく、正の加熱電極232は、第1の中間アーム212上に配置されてもよく、負の加熱電極230は、第1の内側アーム214上に配置されてもよく、正の加熱電極232は、第2の内側アーム216上に配置されてもよく、負の加熱電極230は、第2の中間アーム218上に配置されてもよく、正の加熱電極232は、第2の外側アーム220上に配置されてもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、負の加熱電極230および正の加熱電極232は、エネルギー源(例えば、RF発生器)と連通してもよく、エネルギー源が、1つ以上の電極230、232を介して組織(例えば、心臓組織)にエネルギー(例えば、RFエネルギー)を送達するように構成されてもよく、このエネルギーの送達によって、組織を加熱することができる。本開示のいくつかの実施形態は、電極230、232を介して多極(例えば、双極)RFエネルギーを組織に送達するように構成されてもよい。例えば、双極RFエネルギーは、正の加熱電極232のうちの1つまたは複数に送達されてもよく、RFエネルギーは、組織および/または電極230、232を加熱するために、組織を通って、負の加熱電極230のうちの1つまたは複数に伝えられてもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、図7に「M」として示されるマッピング電極228が、長手方向延在アーム210、212、214、216、218、220のうちの1つまたは複数に配置されてもよい。一例では、図示のように、マッピング電極228は、長手方向延在アーム210、212、214、216、218、220の各々に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、加熱電極およびマッピング電極228は、長手方向に交互するパターンで、長手方向延在アーム210、212、214、216、218、220の各々に配置されてもよい。例えば、加熱電極の各々は、図7に示すように、マッピング電極を介して、アームの1つに配置された隣接する加熱電極から離間されてもよい。例えば、第1の外側アーム210では、負の加熱電極230は、マッピング電極228によって離間されてもよい。第1の中間アーム212では、正の加熱電極232−1は、マッピング電極228によって離間されてもよい。いくつかの実施形態では、正の加熱電極232および負の加熱電極230は、横方向において交互するパターンで、長手方向延在アーム210、212、214、216、218、220の各々に配置されてもよい。例えば、加熱電極の各々は、図7に示すように、マッピング電極228を介して、隣接するアームに配置された隣接する加熱電極から離間されてもよい。いくつかの実施形態では、電極の半分が、マッピング電極228であり、電極の残りの半分が、加熱電極であってもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、1つ以上の熱電対が、長手方向延在アーム210、212、214、216、218、220のうちの1つまたは複数に沿って配置されてもよい。図示のように、熱電対226−1、226−2、226−3、226−4が、熱マッピングおよびアブレーション・カテーテル206の可撓性フレームワークの四分区画(quadrant)の近位区画および遠位区画に配置されてもよい。例えば、熱電対226−1、226−2、226−3、226−4は、第1の外側アーム210および第2の外側アーム220の各々の近位部分および遠位部分に配置されてもよい。しかしながら、熱電対は、第1の外側アーム210および第2の外側アーム220の他の部分に沿うことに加えて、可撓性フレームワークを形成する長手方向延在アームの他の部分に沿って配置されてもよい。いくつかの実施形態では、熱電対は、加熱電極上に、または加熱電極に隣接して配置されてもよい。例えば、熱電対226−1、226−2が、負の加熱電極上に配置され、熱電対226−3、226−4が、正の加熱電極上に配置されてもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、加熱電極(例えば、負の加熱電極230および正の加熱電極232)は、ブルガダ・パターン(例えば、ECGにおいて認識可能なパターン)を明らかにするように設定された温度に加温されてもよい。一例では、電極は、本明細書において前述した範囲内の温度に加熱されてもよい。温度が、ユーザによって決定されてもよく、いくつかの実施形態では、コンピュータの実行可能な命令に予めプログラムされてもよい。いくつかの実施形態では、加熱電極は、摂氏50度から摂氏60度の範囲内の温度に加熱されてもよい。しかしながら、加熱電極は、摂氏50度未満の温度および/または摂氏60度よりも高い温度に加熱されてもよい。例えば、加熱電極は、摂氏35度から摂氏65度の範囲内の温度に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、加熱電極は、摂氏38度から摂氏42度の範囲内の温度に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、組織が、電極を介して、摂氏38度から摂氏42度の範囲内の温度に加温されてもよく、これは、ブルガダ・パターンとして認識可能なECGパターンを組織に示させることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、組織は、摂氏42度よりも高い温度に加温されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、組織は、摂氏38度から摂氏45度、摂氏38度から摂氏50度、摂氏42度から摂氏48度、および/または摂氏42度から摂氏50度の範囲内の温度に加熱されてもよい。
【0085】
いくつかの実施形態では、熱電対226−1、226−2、226−3、226−4は、電極が加熱された温度、および/または、電極によって加熱されている組織の温度に関するフィードバックを提供してもよい。そのフィードバックは、フィードバックに基づいて電極の温度を変化させるために、電極に提供されるRFエネルギーの量を制御するために解析されてもよい。加熱電極が加熱されるのと同時、加熱電極が加熱される前、および/または、加熱電極が加熱された後に、マッピング電極228は、組織からECGデータを収集してもよい。いくつかの実施形態では、マッピング電極228は、加温された組織(例えば、心臓の心膜領域内に位置する組織)からECGデータを収集してもよい。ECGデータは、ECGデータがブルガダ・パターンを示すかどうかを決定するために解析されてもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、加熱電極は、特定の期間の間、特定の温度に加熱されてもよい。一例では、加熱電極は、特定の期間の間、上限温度に加熱され、それから、特定の期間の間、下限温度に加熱されてもよい。したがって、加熱電極は、上限温度と下限温度との間の温度に組織を加熱してもよい。いくつかの実施形態では、上限温度は、アブレーションの実行に関連する温度であってもよい。しかしながら、加熱電極は、アブレーションの実行に関連する温度に組織を加熱させないような期間の間、上限温度に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、上限温度が上昇するにつれて、加熱電極が上限温度に加熱される期間が、短縮されてもよく、および/または、加熱電極が下限温度に加熱される期間が、増加してもよい。そうであるから、加熱電極がアブレーションの実行に関連する温度に加熱され得るにも関わらず、加熱電極によって加熱されている組織は、組織がBrSに関連するパターンを示し得る低い温度(例えば、上限温度と下限温度との間の温度)に加熱され得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、1つ以上の加熱電極は、治療処置(例えば、アブレーション)を実行するのに十分な温度に加熱電極を加熱させることができる増大したRFエネルギーを受け取ってもよい。いくつかの実施形態では、治療処置を実行するのに十分な温度は、摂氏42度から摂氏70度の範囲内であってもよいが、温度は、摂氏70度よりも高いか、または摂氏42度未満であってもよい。いくつかの実施形態では、加熱電極は、治療処置を実行するために、摂氏50度から摂氏70度、摂氏60度から摂氏70度、および/または摂氏65度から摂氏70度の範囲内の温度(例えば、上限温度と下限温度との間の温度)に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、加熱電極のうちの1つまたは複数は、ECGデータにおいて認識されているブルガダ・パターンに応答して、増大したRFエネルギーを受け取るように選択されてもよい。したがって、熱マッピングおよびアブレーション・カテーテル206は、ブルガダ・パターンとして認識可能なECGパターンを組織に示させるために、加熱電極を用いて制御可能に組織(例えば、心臓組織)を加熱するように構成されてもよい。熱マッピングおよびアブレーション・カテーテル206は、ブルガダ・パターンを識別するために、マッピング電極228を用いてECGパターンを検出するように構成されてもよい。加えて、いくつかの実施形態では、熱マッピングおよびアブレーション・カテーテル206は、選択された数の加熱電極を、組織のアブレーションの実行と一致する温度に加熱してもよい。
【0088】
図8は、本開示の様々な実施形態による、熱マッピングおよびアブレーションの方法240に関連するフロー図を示す。方法240は、図6A図7に示すような、本明細書で論じる実施形態に関して実行されてもよい。いくつかの実施形態では、方法240は、ブロック242において、可撓性フレームワーク上に配置された複数の加熱電極を、規定された時間の間、RFアブレーションが実行されるよりも低い第1の温度に加熱するステップを備えてもよい。いくつかの実施形態では、規定された時間は、ユーザによって選択可能であってもよい。一例では、電極は、組織(例えば、心外膜組織)と接触してもよく、組織が、ブルガダ・パターンを明らかにするために組織を加熱させるために、上記のような範囲内の温度に加熱されてもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、ブロック244において、方法240は、規定された時間の間、可撓性フレームワーク上に配置された複数のマッピング電極から複数のマッピング信号を受信するステップを備えてもよい。いくつかの実施形態では、可撓性フレームワーク上に配置された複数のマッピング電極からのマッピング信号は、規定された時間の一部の間に受信されてもよい。ブロック246において、マッピング信号は、複数のマッピング信号のうちのいずれかが特定の電気的パターンを示すのか否かを決定するために解析されてもよい電気信号(例えば、ECG信号)であってもよい。一例では、マッピング信号のうちの1つまたは複数がBrSに関連するパターンを示すのか否かを決定するために、マッピング信号にフィルタが適用されてもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、方法240は、ブロック248において、その決定に基づいて、可撓性フレームワーク上に配置された複数の加熱電極のうちの1つまたは複数をRFアブレーションが実行される第2の温度に加熱するステップを備えてもよい。一例では、方法240は、1つ以上のマッピング信号が特定の電気的パターンを示すという決定に応答して、複数の加熱電極のうちの1つまたは複数をRFアブレーションが実行される温度に加熱するステップを備えてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のマッピング信号が特定の電気的パターンを示すことを認識したとき、(例えば、ユーザ・インターフェースを介して)ユーザに指示が表示されてもよく、および/または、加熱電極が、RFアブレーションが自動的に実行される温度に加熱されてもよい。
【0091】
いくつかの実施形態では、方法240は、特定のパターンを示すマッピング信号を受信した1つ以上のマッピング電極に隣接して配置された複数の加熱電極のうちの1つまたは複数を第2の温度に加熱させるステップを備えてもよい。これにより、特定のパターン(例えば、BrSに関連するパターン)を示す組織を正確に標的にすることができる。例えば、図7に示す熱マッピングおよびアブレーション・カテーテル206は、32個のマッピング電極228を備えるが、マッピング電極228のうちのいくつかのみが、BrSに関連する電気的パターンを示す組織と接触し得る。したがって、BrSに関連するパターンを示す電気信号を収集したこれらのマッピング電極228を取り囲む加熱電極は、RFアブレーションが実行される温度に加熱されてもよい。これにより、BrSに関連するパターンを示す電気信号を生成する組織は、マッピング電極228を取り囲む電極を介してアブレーションされることができる。図7に示すように、複数の加熱電極のうちの1つまたは複数は、電極が配置されるカテーテルおよび/または可撓性フレームワークの長手方向軸に対して、長手方向および短手方向の少なくとも一方で1つ以上のマッピング電極に隣接して配置されてもよい。いくつかの実施形態では、方法240は、可撓性フレームワークの特定の部分に配置された複数の加熱電極のうちの1つまたは複数をRFアブレーションが実行される第2の温度に加熱させるステップを備えてもよい。一例では、近位側の半分、遠位側の半分、左側、右側、中央、および/または、それらの組合せに配置された加熱電極が、第2の温度に加熱されてもよい。
【0092】
いくつかの実施形態では、RFアブレーションが実行された後、方法は、例えば、組織がBrSに関連するパターンを依然として示すかどうかを検査するために繰り返されてもよい。例えば、加熱電極が、第1の温度に加熱され、組織は、マッピング電極から受信した複数のマッピング信号のうちのいずれかがBrSに関連するパターンを示すかどうかを決定するために、マッピング電極を介してマッピングされてもよい。RFアブレーションは、上記のように、BrSに関連するパターンを示す複数のマッピング信号のうちの1つまたは複数に応じて実行されてもよい。
【0093】
図9Aは、本開示の実施形態による、熱マッピングおよびアブレーションのためのシステム250の図を示す。システム250は、データ・ストア252、熱マッピングおよび/もしくはアブレーション・システム254、ならびに/またはいくつかのエンジンを備えてもよい。熱マッピングおよび/またはアブレーション・システム254は、データ・ストア252と通信してもよい。熱マッピングおよび/またはアブレーション・システム254は、いくつかのエンジン(例えば、熱エンジン256、受信エンジン258、決定エンジン260、熱エンジン262など)を備えてもよい。熱マッピングおよび/またはアブレーション・システム254は、本明細書で説明する様々な機能を実行するために、追加のエンジンまたは例示したよりも少ないエンジンを備えてもよい。いくつかのエンジンは、本明細書で説明するいくつかの機能(例えば、受信、決定など)を実行するためのハードウェアとプログラミングとの組合せを有してもよい。エンジンの各々は、モジュール(例えば、特定のモジュール)を実行するように指定または設計されたハードウェア、またはハードウェアとプログラミングとの組合せを有してもよい。プログラミングは、メモリ・リソース(例えば、コンピュータ可読媒体)に記憶された命令(例えば、ソフトウェア、ファームウェアなど)、ならびにハード・ワイヤード・プログラム(例えば、ロジック)を含んでもよい。
【0094】
システム254は、本明細書で図9Bに関して論じたものと類似のコンピューティング・デバイスを備えてもよい。いくつかの実施形態では、コンピューティング・デバイスは、電子データの表示に適したグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)などのデジタル・ディスプレイを有してもよい。ユーザ・インターフェースは、ハードウェア構成要素および/またはコンピュータ可読命令構成要素を有してもよい。例えば、ハードウェア構成要素は、入力構成要素(例えば、マウス、タッチスクリーン、キーボード、ダイヤル、およびボタンなど)および/または出力構成要素(例えば、ディスプレイ、振動発生デバイス、スピーカなど)を有してもよい。例示的なユーザ・インターフェースは、熱マッピングおよび/またはアブレーションに関連するデータをデジタルで表すことができるGUIを有してもよい。
【0095】
熱エンジン256は、可撓性フレームワーク上に配置された複数の加熱電極を、規定された時間の間、RFアブレーションが実行される温度よりも低い第1の温度に加熱させるために、ハードウェア、および/または、ハードウェアとプログラミングとの組合せを有してもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の加熱電極を加熱させるために、特定の量のRFエネルギーが生成され、複数の加熱電極のうちの1つまたは複数に印加されてもよい。いくつかの実施形態では、温度センサ(例えば、熱電対)が、1つもしくは複数の電極および/または1つもしくは複数の電極によって加熱されている組織の特定の温度を感知してもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の温度センサの温度は、1つ以上の加熱電極に供給される特定の量のRFエネルギーを調整するためにシステム254にフィードバックとして提供されてもよい。
【0096】
受信エンジン258は、規定された時間の一部の間に、可撓性フレームワーク上に配置された複数のマッピング電極から複数のマッピング信号を受信するためのハードウェアおよび/または、ハードウェアとプログラミングとの組合せを有してもよい。いくつかの実施形態では、心臓組織(例えば、心外膜組織)によって生成された電気信号は、組織が第1の温度(例えば、RFアブレーションが実行される温度よりも低い温度)に加熱されている間にマッピングされてもよい。いくつかの実施形態では、複数のマッピング信号は、規定された時間全体の間、または規定された時間全体よりも短い時間の間に、受信されてもよい。
【0097】
決定エンジン260は、複数のマッピング信号のうちのいずれかが特定の電気的パターンを示すかどうかを決定するためのハードウェア、および/または、ハードウェアとプログラミングとの組合せを有してもよい。いくつかの実施形態では、上記のように、複数のマッピング信号のうちの1つまたは複数がBrSに関連する特定の電気的パターンを示すかどうかを決定するために、マッピング信号にフィルタが適用されてもよい。
【0098】
熱エンジン262は、決定に基づいて、可撓性フレームワーク上に配置された複数の加熱電極のうちの1つまたは複数をRFアブレーションが実行される第2の温度に加熱させるためのハードウェア、および/または、ハードウェアとプログラミングとの組合せを有してもよい。いくつかの実施形態では、複数の加熱電極は、第2の規定された期間の間、第2の温度に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、BrSに関連する電気的パターンを生成する要因である組織がアブレーションを確実にされるために、加熱電極が第2の温度に加熱されている間に、および/または、加熱電極が第2の温度に加熱された後に、マッピング信号がマッピング電極から受信されてもよい。
【0099】
図9Bは、本開示による熱マッピングおよびアブレーションのためのコンピューティング・デバイス270の一例の図を示す。コンピューティング・デバイス270は、本明細書で説明するいくつかの機能を実行するために、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、および/または、ロジックを利用してもよい。
【0100】
コンピューティング・デバイス270は、情報を共有するためのハードウェアと命令との組合せであってもよい。ハードウェアは、例えば、処理リソース272および/またはメモリ・リソース276(例えば、コンピュータ可読媒体(CRM)、データベースなど)を有してもよい。本明細書で使用する処理リソース272は、メモリ・リソース276によって記憶された命令を実行することができるいくつかのプロセッサを有してもよい。処理リソース272は、単一のデバイスに組み込まれてもよく、または、複数のデバイスにわたって分散されてもよい。命令(例えば、コンピュータ可読命令(CRI))は、(例えば、複数のマッピング信号のうちのいずれかが特定の電気的パターンを示すかどうかを決定するなど)所望の機能を実施するために、メモリ・リソース276に記憶され、処理リソース272によって実行可能な命令を有してもよい。
【0101】
メモリ・リソース276は、処理リソース272と通信してもよい。本明細書で使用されるメモリ・リソース276は、処理リソース272によって実行できる命令を記憶することができるいくつかのメモリ構成要素を有してもよい。そのようなメモリ・リソース276は、非一時的CRMであってもよい。メモリ・リソース276は、単一のデバイスに組み込まれてもよく、または、複数のデバイスにわたって分散されてもよい。さらに、メモリ・リソース276は、処理リソース272と同じデバイスに完全にまたは部分的に組み込まれてもよく、または、別個であるが、そのデバイスおよび処理リソース272にアクセス可能であってもよい。したがって、コンピューティング・デバイス270は、支持デバイス上および/または支持デバイスの集合上、モバイル・デバイス上および/またはモバイル・デバイスの集合上、および/または、支持デバイスおよびモバイル・デバイスの組合せ上に実装されてもよい。
【0102】
メモリ276は、通信リンク274(例えば、経路)を介して処理リソース272と通信してもよい。通信リンク274は、処理リソース272に関連するコンピューティング・デバイスに対してローカルデバイスまたはリモートデバイスであってもよい。ローカル通信リンク274の例は、コンピューティング・デバイスの内部の電子バスを有してもよく、メモリ・リソース276は、電子バスを介して処理リソース272と通信する揮発性記憶媒体、不揮発性記憶媒体、固定記憶媒体、および/または、リムーバブル記憶媒体のうちの1つである。
【0103】
リンク274(例えば、ローカル・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、地域ネットワーク、またはグローバル・ネットワーク)は、遠隔通信リンク、赤外線リンク、RFリンク、および/または、電子通信を提供する他のコネクタもしくはシステムを介する、ケーブル、ワイヤレス、光ファイバ、またはリモート接続を表す。すなわち、リンク274は、例えば、他の通信インターフェースの中でも、イントラネットへのリンク、インターネットへのリンク、またはその両方の組合せを含んでもよい。リンク274は、中間プロキシ、例えば、中間プロキシ・サーバ(図示せず)、ルータ、スイッチ、負荷分散装置などを含んでもよい。
【0104】
メモリ・リソース276は、熱モジュール278、受信モジュール280、決定モジュール282、および熱モジュール284などのいくつかのモジュールを有してもよい。いくつかのモジュール278、280、282、284は、処理リソース272によって実行されたときに多数の機能を実行することができるCRIを有してもよい。いくつかのモジュール278、280、282、284は、他のモジュールのサブモジュールであってもよい。例えば、受信モジュール278および特徴付けモジュール280は、サブモジュールであってもよく、および/または、同じコンピューティング・デバイス内に含まれてもよい。別の例では、いくつかのモジュール278、280、282、284は、別々の別個の場所(例えば、CRMなど)に個々のモジュールを備えてもよい。
【0105】
モジュール278、280、282、284の各々は、処理リソース272によって実行されたときに、本明細書で説明するように対応するエンジンとして機能する場合がある命令を有してもよい。例えば、決定モジュール282は、処理リソース272によって実行されたときに決定エンジン260として機能することができるCRIを含んでもよい。例えば、決定モジュール282は、処理リソース232によって実行されたときに、複数のマッピング信号のうちのいずれかが特定の電気的パターンを示すかどうかをコンピューティング・デバイスに決定させることができるCRIを含んでもよい。
【0106】
本明細書では、様々な装置、システム、および/または、方法の実施形態について説明する。明細書で説明され、添付図面に示されているように、実施形態の全体的な構造、機能、製造、および使用の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が示されている。しかしながら、実施形態がそのような特定の詳細なしで実施され得ることは、当業者によって理解されるであろう。他の例では、明細書で説明した実施形態を不明瞭にしないために、周知の動作、構成要素、および要素は、詳細には説明されていない。本明細書で説明し、図示した実施形態が非限定的な例であることは、当業者には明らかであり、したがって、本明細書で開示した特定の構造的および機能的詳細が、典型的なものである場合があり、実施形態の範囲を必ずしも限定せず、その範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ規定されることは、理解され得る。
【0107】
本明細書を通して、「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、または「実施形態」などへの言及は、実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じた所々の「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、または「実施形態」などの語句の表現は、必ずしもすべて同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、具体的な特徴、構造、または特性は、1つ以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わされ得る。したがって、1つの実施形態に関連して図示または説明した具体的な特徴、構造、または特性は、全体または一部において、そのような組合せが非論理的または非機能的ではないならば、限定されることなく、1つ以上の他の実施形態の特徴、構造、または特性と組み合わされ得る。
【0108】
「近位」および「遠位」という用語が、本明細書を通して、患者を処置するために使用される器具の一端を操作する臨床医に関して使用される場合があることは理解されよう。「近位」という用語は、臨床医に近い器具の部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から遠くに位置する部分を指す。簡潔さおよび明瞭さのために、「垂直」、「水平」、「上方」、および「下方」などの空間的用語が図示の実施形態に関して本明細書で使用される場合があることは、さらに理解されよう。しかしながら、外科用器具は、様々な向きおよび位置で使用される場合があり、これらの用語は、限定的で絶対的なものであることを意図されない。
【0109】
熱マッピング・カテーテルに関する少なくとも1つの実施形態について、ある程度の特殊性で上記に説明したが、当業者は、本開示の要旨または範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に多数の変更を加えることができる。すべての方向の参照(例えば、上部、下部、上向き、下向き、左、右、左側、右側、上部、下部、より上、より下、垂直、水平、時計回り、および反時計回り)は、本開示の読者の理解を助ける識別目的のためにのみ使用され、特にデバイスの位置、向き、または使用に関して制限しない。併合(joinder)の参照(例えば、添付された、取り付けられた、結合された、接続されたなど)は、広く解釈されるべきであり、要素の接続と要素間の相対的な移動との間の中間のメンバーを含み得る。そのように、併合の参照は、必ずしも、2つの要素が直接接続され、互いに固定された関係にあることを推論しない。上記の説明に含まれるか、また添付図面に示されたすべての事項は、単なる例示として解釈されるべきであり、限定として解釈されるべきではない。詳細または構造の変化は、添付の特許請求の範囲に規定された本開示の要旨から逸脱することなくなされ得る。
【0110】
参照により本明細書に組み込まれると考えられている任意の特許、刊行物、または他の開示資料は、全体または一部において、組み込まれた資料が、本開示に示す既存の定義、声明、または他の開示資料と矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれる。そのように、そして必要な程度まで、本明細書に明示的に示された開示は、参照により本明細書に組み込まれるいかなる矛盾する資料よりも優先される。参照により本明細書に組み込まれるといわれているが、本明細書に示された既存の定義、声明、または他の開示資料と矛盾する任意の資料またはその一部は、組み込まれる資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない程度でのみ組み込まれることになる。以下の項目は、国際出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
[項目1]
カテーテルであって、
近位端部および遠位端部を有するカテーテル・シャフトと、
前記カテーテル・シャフトの前記遠位端部に接続された可撓性フレームワークであって、複数の加熱電極および温度センサを有する前記可撓性フレームワークと、を備え、
前記複数の加熱電極が、第1の温度に加熱されるように構成され、前記第1の温度は、RF(radio frequencyの略)アブレーションが実行される温度よりも低く、
前記複数の加熱電極が、第2の温度に加熱されるように構成され、前記第2の温度は、RFアブレーションが実行される温度である、カテーテル。
[項目2]
前記可撓性フレームワークが、前記複数の加熱電極によって加熱される組織から電気信号を収集するように構成された複数のマッピング電極を有する、項目1に記載のカテーテル。
[項目3]
前記複数のマッピング電極が、前記複数の加熱電極が前記第1の温度に加熱されている間に、前記組織から前記電気信号を収集するように構成される、項目2に記載のカテーテル。
[項目4]
前記可撓性フレームワークが、前記複数の電極が配置された複数の長手方向延在アームを有する、項目3に記載のカテーテル。
[項目5]
前記マッピング電極および前記加熱電極が、長手方向に交互するパターンで、前記複数の長手方向延在アームの各々に配置される、項目4に記載のカテーテル。
[項目6]
前記第1の温度が、摂氏35〜65度の範囲内であり、前記第2の温度が、摂氏42〜70度の範囲内である、項目1に記載のカテーテル。
[項目7]
前記可撓性フレームワークが、平面アレイを備える、項目1に記載のカテーテル。
[項目8]
前記加熱電極と連通するエネルギー源をさらに備える、項目1に記載のカテーテル。[項目9]
前記エネルギー源が、前記電極を介して組織に単極のRFエネルギーを送達するように構成されたRF発生器である、項目8に記載のカテーテル。
[項目10]
前記エネルギー源が、前記電極を介して組織に双極のRFエネルギーを送達するように構成されたRF発生器であり、
前記電極が、正の加熱電極および負の加熱電極を含む、項目8に記載のカテーテル。
[項目11]
カテーテルであって、
近位端部および遠位端部を含むカテーテル・シャフトと、
前記カテーテル・シャフトの前記遠位端部に接続され、複数の電極が配置された可撓性フレームワークと、
前記可撓性フレームワークに接続され、ヒータを有し、流体で満たされるように構成される流体嚢と、
を備える、カテーテル。
[項目12]
前記流体嚢が、前記可撓性フレームワークに接続される複数の流体嚢のうちの1つである、項目11に記載のカテーテル。
[項目13]
前記複数の流体嚢のうちの2つ以上の間で、流体を循環させるように構成される、項目12に記載のカテーテル。
[項目14]
前記複数の流体嚢の各々が、温度センサを有する、項目12に記載のカテーテル。
[項目15]
前記可撓性フレームワークが、前記複数の電極が配置される複数の長手方向延在アームを有し、
前記複数の長手方向延在アームが、前記カテーテル・シャフトの前記遠位端部から延在し、
前記流体嚢が、複数の流体嚢のうちの1つであり、
前記複数の流体嚢が、少なくとも1対の前記長手方向延在アーム間に配置される、項目11に記載のカテーテル。
[項目16]
前記複数の流体嚢の各々の中に配置されたヒータをさらに備え、
前記ヒータが、前記複数の流体嚢の各々の中の前記流体を、摂氏35度から摂氏65度の範囲内の温度に加熱するように構成される、項目15に記載のカテーテル。
[項目17]
前記ヒータが、導電性ワイヤ、可撓性電気回路、および薄膜のうちの少なくとも1つから形成される、項目16に記載のカテーテル。
[項目18]
前記可撓性フレームワークが、平面アレイを備える、項目11に記載のカテーテル。
[項目19]
熱マッピングおよびアブレーションのための方法であって、
可撓性フレームワーク上に配置された複数の加熱電極を、規定された時間の間、RFアブレーションが実行される温度よりも低い第1の温度に加熱するステップと、
前記規定された時間の間、前記可撓性フレームワーク上に配置された複数のマッピング電極から複数のマッピング信号を受信するステップと、
前記複数のマッピング信号のうちのいずれかが、特定の電気的パターンを示すのか否かを決定するステップと、
前記決定に基づいて、前記可撓性フレームワーク上に配置された前記複数の加熱電極のうちの1つ以上を、RFアブレーションが実行される第2の温度に加熱するステップと、
を備える、方法。
[項目20]
前記複数のマッピング信号のうちの1つ以上が前記特定の電気的パターンを示すという決定に応じて、前記複数の加熱電極のうちの1つ以上を前記第2の温度に加熱するステップをさらに備える、項目19に記載の方法。
[項目21]
前記複数のマッピング電極のうちの1つ以上のマッピング電極から前記特定のパターンを示すマッピング信号が受信される場合に、前記複数の加熱電極のうち、前記1つ以上のマッピング電極に隣接して配置された1つ以上の加熱電極を前記第2の温度に加熱するステップをさらに備える、項目19に記載の方法。
[項目22]
前記複数の加熱電極のうちの前記1つ以上の加熱電極が、前記複数のマッピング電極のうちの1つ以上のマッピング電極の長手方向および短手方向の少なくとも一方に隣接して配置される、項目21に記載の方法。
[項目23]
前記可撓性フレームワークの特定の部分に配置された前記複数の加熱電極のうちの1つ以上を前記第2の温度に加熱させるステップをさらに備える、項目21に記載の方法。
[項目24]
前記複数のマッピング信号のうちのいずれかが特定の電気的パターンを示すのか否かを決定するステップが、前記複数のマッピング信号のうちの1つ以上にフィルタを適用するステップを含む、項目19に記載の方法。
[項目25]
前記可撓性フレームワーク上に配置された前記複数の加熱電極を用いて、RFアブレーションが実行される温度よりも低い温度に心臓組織を加熱するステップをさらに備える、項目19に記載の方法。
[項目26]
前記特定の電気的パターンが、ブルガダ症候群に関連する、項目19に記載の方法。
[項目27]
カテーテルであって、
近位端部および遠位端部を有するカテーテル・シャフトと、
前記カテーテル・シャフトの前記遠位端部に接続され、複数の電極が配置される可撓性フレームワークと、
前記カテーテル・シャフトを通って延在する灌注チャネルと、
前記カテーテル・シャフトの前記遠位端部に配置され、前記灌注チャネルと流体連通する灌注ポートと、を備え、
前記カテーテルは、
加熱された流体を前記灌注ポートから排出し、
前記可撓性フレームワーク上に配置された前記複数の電極を介して、組織によって生成されたマッピング信号を監視するように構成される、カテーテル。
[項目28]
前記可撓性フレームワークが、平面アレイを備える、項目27に記載のカテーテル。
[項目29]
前記灌注ポートの形状が、平面状である、項目28に記載のカテーテル。
[項目30]
前記灌注ポートの遠位開口部によって画定される平面が、前記平面アレイによって画定される平面と平行である、項目29に記載のカテーテル。
[項目31]
前記加熱された流体が、摂氏38度から摂氏42度の範囲内の温度に加熱される、項目27に記載のカテーテル。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B