(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
天板を支持して床面に自立する天板脚部を有する天板付き家具と、棚板を支持して前記床面に自立するとともに、前記天板付き家具を出没可能に収容する収容空間を形成する棚脚部を有する棚装置と、を組み合わせた組み合わせ家具であって、
前記天板脚部および前記棚脚部のうちの一方の脚部に設けられ、前記天板付き家具の出没方向に長手であり、前記天板付き家具の出没方向における前記一方の脚部の端部近傍に抜け止め面を有するガイドレールと、
前記天板脚部および前記棚脚部のうちの他方の脚部に着脱可能に取り付けられるとともに前記ガイドレールに係合し、前記天板付き家具の出没に伴い、前記ガイドレールに沿って移動して前記天板付き家具の出没を案内し、前記抜け止め面に当接して前記棚装置からの前記天板付き家具の抜け出しを防止するガイド部と、
を備え、
前記ガイド部は、
前記他方の脚部に形成された貫通孔に挿通して前記ガイドレールに摺動可能に嵌合し、前記ガイドレールに沿って摺動して前記天板付き家具の出没を案内し、前記抜け止め面に当接して前記棚装置からの前記天板付き家具の抜け出しを防止するガイド突起と、
前記ガイド突起を固定され、前記他方の脚部に着脱可能に取り付けられる基端部と、
を備えたことを特徴とする組み合わせ家具。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、添付図面を参照して、本発明にかかる組み合わせ家具の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態により、本発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、各図面において、同一構成部分には同一符号が付されている。
【0018】
(組み合わせ家具の構成)
まず、本発明の実施の形態にかかる組み合わせ家具の構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる組み合わせ家具の一構成例を示す斜視図である。
図2は、本発明の実施の形態にかかる組み合わせ家具の一構成例を示す正面図である。
図3は、本発明の実施の形態にかかる組み合わせ家具の一構成例を示す側面図である。
図4は、本発明の実施の形態にかかる組み合わせ家具の棚装置内から天板付き家具を引き出した状態を示す図である。
図5は、本発明の実施の形態にかかる組み合わせ家具の天板付き家具の一構成例を示す斜視図である。
図6は、本発明の実施の形態にかかる組み合わせ家具の棚装置の一構成例を示す斜視図である。
【0019】
図1〜6に示すように、本発明の実施の形態にかかる組み合わせ家具1は、自立式の机等として使用可能な天板付き家具2と、書籍等の物品を収容する収容棚等として使用可能な自立式の棚装置3とを備える。組み合わせ家具1は、棚装置3内に天板付き家具2を出没可能に収容できるように、天板付き家具2と棚装置3とを組み合わせて構成される。
【0020】
天板付き家具2は、
図1〜4に示すように棚装置3から出没可能な机状構造体である。本実施の形態において、天板付き家具2は、
図5に示すように、天板10と、天板10等を支持して自立する天板脚部11と、天板10上からの物品落下を防止する落下防止壁12と、棚装置3内からの天板付き家具2の出没を案内するガイド部13,14と、物品を収容可能な引き出し16とを備える。
【0021】
天板10は、机の天板等のように、使用者が天板付き家具2を学習等の用途に使用する際、この用途に応じた作業に用いられる平板部材である。天板10の上面(天板上面10a)には、天板付き家具2の用途に応じた物品が必要に応じて載置される。なお、天板上面10aに載置される物品として、例えば、書籍、文房具、パーソナルコンピュータ(パソコン)、タブレット端末や電子計算機等の情報機器等が挙げられる。
【0022】
天板脚部11は、天板付き家具2が床面に自立するための脚部として機能するものであり、
図5に示すように、天板10等を支持する一対の脚板11a,11bによって構成される。脚板11a,11bは、天板付き家具2の幅方向F12に所定の間隔をあけて離間するように配置される。これらの脚板11a,11bの各上面には、天板10の幅方向両端部の各下面が各々固定される。また、これらの脚板11a,11bの各上面のうち、天板付き家具2の奥行き方向F11の奥側には、落下防止壁12が取り付けられる。一方、脚板11a,11bの互いに対向する壁面(すなわち内壁面)の各々には、引き出し16を支持する支持部材が、脚板11a,11bに挟まれるように固定される。このような脚板11a,11bは、引き出し16の支持部材を幅方向F12から挟んで支持するとともに、天板10および落下防止壁12を支持する。このような状態を維持しながら、脚板11a,11bは、
図5に示すように、天板付き家具2の起立方向F13の上方に天板上面10aを向けて自立する。
【0023】
また、脚板11a,11bの奥行き方向F11の奥側には、
図5に示すように、ガイド部13,14と、切欠き部15a,15bとが設けられる。ガイド部13,14は、棚装置3内からの天板付き家具2の出没を案内するものであり、脚板11a,11bに各々着脱可能に取り付けられる。切欠き部15a,15bは、
図1〜3に示すように天板付き家具2を棚装置3内に収容する際、棚装置3の支柱34と天板脚部11との接触を回避するために、脚板11a,11bに各々形成される。
【0024】
一方、脚板11a,11bの起立方向F13の下端部には、
図5に示すように、車輪17および滑り止め部18が設けられる。車輪17は、棚装置3から天板付き家具2を出没する等の際、天板付き家具2の奥行き方向F11への移動を円滑に行えるようにするためのものである。このような車輪17は、脚板11a,11bにおける奥行き方向F11の奥側の各下部に、回転自在に軸支される。滑り止め部18は、床面における脚板11a,11bの摺動を抑止し、これにより、天板付き家具2の意図せぬ移動を防止するものである。このような滑り止め部18は、脚板11a,11bにおける奥行き方向F11の手前側の各下端部に形成される。
【0025】
引き出し16は、所望の物品を収容する箱型の収容手段である。引き出し16は、上述したように脚板11a,11bの各内壁面に固定された支持部材と天板10との間の空間に、出し入れ可能に配置される。引き出し16は、天板付き家具2の奥行き方向F11の手前側に引き出されて、物品を出し入れ可能な状態となる。また、引き出し16は、天板付き家具2の奥行き方向F11の奥側に押されて、天板付き家具2の空間内に収容される。なお、本実施の形態において、天板付き家具2には、
図5に示すように、2つの引き出し16が配置されているが、天板付き家具2の引き出し16の配置数は、2つに限定されず、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0026】
一方、棚装置3は、物品を出し入れ可能に収容する収容棚としての機能と、
図1〜4に示すように天板付き家具2を出没可能に収容する機能とを兼ね備え、床面に自立可能な構造体である。本実施の形態において、棚装置3は、
図6に示すように、棚板30と、棚板30等を支持して自立する棚脚部31と、棚装置3の構造を強固にする等のための後面板32,33および支柱34と、天板付き家具2を出没可能に収容する収容空間35と、天板付き家具2の出没時の移動範囲を規制するガイドレール36,37とを備える。また、棚装置3は、
図1〜4,6に示すように、棚板30上に物品収容部38a等の収容棚を形成する複数の仕切部材39a〜39dと、棚板30上の物品収容部38aを開閉可能に遮蔽する遮蔽部材40と、遮蔽部材40の開閉時の移動を案内する前側スライドガイド部47および後側スライドガイド部48と、照明装置50とを備える。
【0027】
棚板30は、物品を出し入れ可能に収容する収容棚の底板として機能する板部材である。具体的には、
図6に示すように、棚板30は、その幅方向両端部を側板31a,31bに固定され、自立した態様の棚脚部31によって床面から所定の高さの位置に支持される。この棚板30上には、
図2に示すように、仕切部材39a,39b等によって物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cが形成される。物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cは、いずれも物品の収容棚であり、棚板30は、これらの物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cの底面をなす。
【0028】
棚脚部31は、棚装置3が床面に自立するための脚部として機能するものであり、
図6に示すように、棚板30等を支持する一対の側板31a,31bによって構成される。側板31a,31bは、棚板30および後面板32,33の幅方向両端部に各々固定される。また、側板31a,31bの下部には、側板31a,31bの互いに対向する壁面(すなわち内壁面)の各々に挟まれるように支柱34が固定される。このような一対の側板31a,31bからなる棚脚部31は、棚板30および後面板32,33を支持して床面に起立(自立)するとともに、天板付き家具2の収容空間35を棚板30の下方に形成する。この際、棚脚部31は、床面に起立して、この床面から所定の高さの位置に棚板30を支持する。また、棚脚部31は、棚装置3の奥行き方向F1に天板付き家具2の収容空間35が開口し、棚装置3の幅方向F2に物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cが並び、棚装置3の起立方向F3の上方に棚板30の上面(収容棚の底面)が向くように自立する。
【0029】
後面板32は、
図6に示すように、側板31a,31bの奥行き方向F1の奥側端部近傍のうち、各上部の内壁面に固定配置される。後面板32は、その前面を棚板30の奥行き方向F1の奥側端面に接触させて、棚板30上の物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cの後面をなす。なお、後面板32の前面は、棚装置3の奥行き方向F1の手前側に向く後面板32の壁面である。一方、後面板33は、
図3,6に示すように、側板31a,31bの奥行き方向F1の奥側端部近傍のうち、棚板30よりも下方の各部分の内壁面に固定配置される。後面板33は、棚板30の下方に形成される収容空間35の後面をなす。
【0030】
支柱34は、
図3,6に示すように、側板31a,31bの奥行き方向F1の奥側における各端部内壁面と後面板33の下端面とに固定される。支柱34は、上述した後面板32,33と協同して、側板31a,31bによる棚脚部31の起立時の構造を強固に維持する。
【0031】
収容空間35は、天板付き家具2を出没可能に収容する空間である。具体的には、
図3,6に示すように、天板付き家具2の収容空間35は、棚装置3が床面に起立した際、この床面と棚板30の下端面との間に形成される。すなわち、収容空間35は、棚板30と側板31a,31bと後面板33とによって囲まれ且つ床面に連続して、棚装置3の奥行き方向F1の手前側に開口する。このような収容空間35には、床面に沿って棚装置3の奥行き方向F1に移動する天板付き家具2が、
図1〜4に示すように、出没可能に収容される。
【0032】
ガイドレール36,37は、棚装置3の収容空間35からの天板付き家具2の出没を案内する際に用いられるレールである。具体的には、
図2,6に示すように、ガイドレール36は、棚装置3の収容空間35からの天板付き家具2の出没方向(
図4参照)に長手となるよう、側板31aの内壁面に凹状に形成される。ガイドレール36は、天板付き家具2の脚板11aに取り付けられたガイド部13(
図5参照)の突起部分を受け入れる。一方、ガイドレール37は、上述したガイドレール36と同様に天板付き家具2の出没方向に長手となるよう、側板31bの内壁面に凹状に形成される。ガイドレール37は、
図2,6に示すように、天板付き家具2の脚板11bに取り付けられたガイド部14の突起部分を受け入れる。
【0033】
上述したようなガイドレール36,37は、棚装置3の収容空間35からの天板付き家具2の出没に伴って棚装置3に対し相対的に移動するガイド部13,14の移動方向および移動範囲を規制する規制手段として機能する。具体的には、ガイドレール36,37は、この天板付き家具2の出没に伴うガイド部13,14の移動方向を、この天板付き家具2の出没方向に規制する。また、ガイドレール36,37は、この天板付き家具2の出没に伴うガイド部13,14の移動範囲を、天板付き家具2が棚装置3から脱離しない(抜け出ない)範囲に規制する。これにより、ガイドレール36,37は、天板付き家具2の出没時の棚装置3に対する相対的な移動範囲を、
図3,4に示すように天板付き家具2の落下防止壁12が棚装置3における収容空間35から出ない範囲に規制する。
【0034】
物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cは、物品を出し入れ可能に収容する収容棚として機能するものであり、棚装置3の棚板30上に形成される。具体的には、
図2,6に示すように、物品収容部38aは、遮蔽部材40によって開閉可能に遮蔽される開閉型の収容棚である。物品収容部38aは、遮蔽部材40による遮蔽が解除された場合、棚装置3の奥行き方向F1の手前側および起立方向F3の上側を開放した開状態となって、物品を出し入れ可能になる。一方、物品収容部38aは、遮蔽部材40によって遮蔽された場合、棚装置3の奥行き方向F1の手前側および起立方向F3の上方側を覆われた閉状態となって、物品を遮蔽空間内に収容可能になる。
【0035】
開放型物品収容部38b,38cは、
図2,6に示すように、通常、棚装置3の奥行き方向F1の手前側および上方側(起立方向F3の上側)を開放した状態の収容棚である。開放型物品収容部38b,38cは、上述した物品収容部38aの遮蔽の解除に伴い遮蔽部材40によって遮蔽されない限り、この開放状態を維持して、物品を出し入れ可能に収容する。この際、開放型物品収容部38b,38cは、遮蔽部材40よりも高さが低い物品は勿論、遮蔽部材40よりも高い背高な物品(例えば辞典に例示される大型な書籍等)を収容可能である。
【0036】
上述した物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cは、
図2,6に示すように、棚板30を底面とし且つ後面板32を後面として、棚装置3の幅方向F2に並ぶように形成される。これらの物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cは、複数の仕切部材39a,39bによって仕切られる。
【0037】
仕切部材39a,39bは、
図2に示すように、棚装置3の幅方向F2に所定の間隔をあけて棚板30上に配置される。仕切部材39a,39bは、上述した開閉型の物品収容部38aの幅方向F2の右側面および左側面を各々形成する。また、仕切部材39a,39bは、物品収容部38aを挟んで棚装置3の幅方向F2に開放型の物品収容部を複数並ぶように形成する。本実施の形態においては、
図2に示すように、仕切部材39a,39bは、物品収容部38aを挟んで、棚装置3の幅方向F2の右側端に開放型物品収容部38bを形成し、棚装置3の幅方向F2の左側端に開放型物品収容部38cを形成する。この際、仕切部材39aは、右側端の開放型物品収容部38bの左側面を形成する。仕切部材39bは、左側端の開放型物品収容部38cの右側面を形成する。また、右側端の開放型物品収容部38bの右側面は側板31aによって形成され、左側端の開放型物品収容部38cの左側面は側板31bによって形成される。
【0038】
一方、仕切部材39c,39dは、上述した開放型物品収容部38b,38cの各収容空間を更に仕切るものである。具体的には、
図2,6に示すように、仕切部材39cは、棚板30における側板31aと仕切部材39aとの間の部分に配置される。仕切部材39cは、右側端の開放型物品収容部38bを、更に仕切って複数(本実施の形態では2つ)の物品収容部に細分化する。一方、仕切部材39dは、棚板30における側板31bと仕切部材39bとの間の部分に配置される。仕切部材39dは、左側端の開放型物品収容部38cを、更に仕切って複数(本実施の形態では2つ)の物品収容部に細分化する。
【0039】
遮蔽部材40は、上述した棚板30上の物品収容部38aを開閉可能に遮蔽するものである。具体的には、
図2,3,6に示すように、遮蔽部材40は、棚装置3の奥行き方向F1の手前側から物品収容部38aを遮蔽する遮蔽板、および、棚装置3の起立方向F3の上側から物品収容部38aを遮蔽する遮蔽板等を用いて構成される。遮蔽部材40は、物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cに亘って棚装置3の幅方向F2に移動(例えば摺動)するように、棚装置3に支持される。詳細には、
図3に示すように、遮蔽部材40の奥行き方向手前側の部分が棚板30上の前側スライドガイド部47によって支持され、遮蔽部材40の奥行き方向奥側の部分が後面板32の背面の後側スライドガイド部48によって支持される。遮蔽部材40は、このように棚装置3によって奥行き方向F1の手前側および奥側の双方から支持されるとともに、前側スライドガイド部47および後側スライドガイド部48によって移動方向および移動範囲を規制される。
【0040】
ここで、上述した物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cは、棚板30を底面とし且つ後面板32を後面として、棚装置3の奥行き方向F1の手前側および起立方向F3の上側(上方側)が開放された状態に形成される。遮蔽部材40は、前側スライドガイド部47および後側スライドガイド部48に沿って、物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cに亘り棚装置3の幅方向F2に移動する。これにより、遮蔽部材40は、物品収容部38aを開閉可能に遮蔽するとともに、開放型物品収容部38b,38cの奥行き方向手前側および上方側を開放する。また、遮蔽部材40は、上述したように前側スライドガイド部47および後側スライドガイド部48に沿って移動して、この物品収容部38aの遮蔽を解除するとともに、開放型物品収容部38b,38cのうちのいずれか一方の開閉型収容部の少なくとも一部分を遮蔽する。
【0041】
一方、遮蔽部材40には、物品を支持する物品支持部42が設けられる。具体的には、
図6等に示すように、物品支持部42は、遮蔽部材40の外壁面のうち、棚装置3の奥行き方向F1の手前側を向く前側の外壁面の下部に設けられる。物品支持部42は、この前側の外壁面に載置される物品を支持する。この物品支持部42を備えた遮蔽部材40の前側外壁面の部分は、遮蔽板としての機能と、書籍等の物品を受け支える書見台46としての機能とを兼ね備える。このような書見台46は、上述した遮蔽部材40と同様に、前側スライドガイド部47および後側スライドガイド部48に沿って棚装置3の幅方向F2に移動可能である。
【0042】
前側スライドガイド部47は、遮蔽部材40の幅方向の移動(スライド)を案内するスライドガイド部の一つである。具体的には、
図6に示すように、前側スライドガイド部47は、棚装置3の外側から視認できるように、棚板30の上面に設けられる。前側スライドガイド部47は、
図3に示すように、遮蔽部材40の奥行き方向手前側の部分を移動可能に支持するとともに、棚装置3の幅方向F2における遮蔽部材40の移動を案内する。
【0043】
後側スライドガイド部48は、遮蔽部材40の幅方向の移動(スライド)を案内するスライドガイド部の一つである。具体的には、
図3に示すように、後側スライドガイド部48は、棚装置3の背面側から視認できるように、後面板32の後面(背面)に設けられる。なお、後面板32の後面は、棚装置3の奥行き方向F1の奥側を向く後面板の壁面である。後側スライドガイド部48は、
図3に示すように、遮蔽部材40の奥行き方向奥側の部分を移動可能に支持するとともに、棚装置3の幅方向F2における遮蔽部材40の移動を案内する。
【0044】
照明装置50は、所定の機能を有する機能装置の一例である。照明装置50は、上述した開放型物品収容部38b,38cのうちの一方、例えば
図2,6等に示すように、左端側の開放型物品収容部38cに着脱可能に固定配置される。この際、照明装置50は、上述した遮蔽部材40の移動を阻害しないように、棚装置3の幅方向F2の端部、例えば側板31bの近傍に取り付けられる。照明装置50は、そのアーム等を操作することにより、照明光源の位置および方向を容易に調整可能である。このような照明装置50は、棚装置3の部分(棚板30の上面等)や天板付き家具2の部分(天板10および引き出し16内等)、
図1,4等に示す組み合わせ家具1の所望の部分を照明することができる。
【0045】
なお、本実施の形態において、天板付き家具2の奥行き方向F11、幅方向F12、および起立方向F13は、
図5に示すように定義される。すなわち、天板付き家具2の奥行き方向F11は、机等として天板付き家具2を使用する使用者(図示せず)が椅子に座る等して天板付き家具2に向かう方向である。この奥行き方向F11は、天板脚部11をなす脚板11a,11b同士の対向方向と、天板10に直交する方向(天板上面10aの法線方向)との双方に対して垂直である。天板付き家具2の幅方向F12は、脚板11a,11b同士の対向方向に対して平行な方向であり、且つ、天板10に直交する方向に対して垂直な方向である。天板付き家具2の起立方向F13は、床面に起立した状態の天板付き家具2の上下方向であり、上述した奥行き方向F11および幅方向F12に対して垂直である。これらの奥行き方向F11、幅方向F12、および起立方向F13は、天板付き家具2を構成する天板10等の各構成部についても同様である。
【0046】
一方、本実施の形態において、棚装置3の奥行き方向F1、幅方向F2、および起立方向F3は、
図6に示すように定義される。すなわち、棚装置3の奥行き方向F1は、収容棚等として棚装置3を使用する使用者(図示せず)が棚装置3に向かう方向である。この奥行き方向F1は、棚脚部31をなす側板31a,31b同士の対向方向と、棚板30に直交する方向との双方に対して垂直である。棚装置3の幅方向F2は、側板31a,31b同士の対向方向に対して平行な方向であり、且つ、棚板30に直交する方向に対して垂直な方向である。棚装置3の起立方向F3は、床面に起立した状態の棚装置3の上下方向であり、上述した奥行き方向F1および幅方向F2に対して垂直である。これらの奥行き方向F1、幅方向F2、および起立方向F3は、棚装置3を構成する棚板30等の各構成部についても同様である。
【0047】
上述した天板付き家具2および棚装置3を組み合わせて構成される組み合わせ家具1の奥行き方向、幅方向、および起立方向は、
図1〜4に示すように、棚装置3の奥行き方向F1、幅方向F2、および起立方向F3と各々同じである。また、
図1〜4に示すように天板付き家具2が棚装置3に対して出没可能に取り付けられた状態において、天板付き家具2の奥行き方向F11、幅方向F12、および起立方向F13は、棚装置3の奥行き方向F1、幅方向F2、および起立方向F3と各々同じである。例えば、
図4に示す棚装置3内からの天板付き家具2の出没方向は、棚装置3の奥行き方向F1と同じである。すなわち、この天板付き家具2の出没方向は、組み合わせ家具1の奥行き方向と同じであり、棚装置3に対して出没可能に取り付けられた天板付き家具2の奥行き方向F11と同じである。
【0048】
(棚装置内からの天板付き家具の出没)
つぎに、本発明にかかる組み合わせ家具1における棚装置3内からの天板付き家具2の出没について詳細に説明する。
図7は、棚装置内からの天板付き家具の出没を案内するガイド部およびその取付部分の各構成例を示す図である。
図8は、天板付き家具に取り付けたガイド部と棚装置に形成されたガイドレールとの係合構造の一例を示す断面図である。
図8には、棚装置3の奥行き方向F1の手前側から見たガイド部13およびガイドレール36の断面構造が図示されている。
図9は、棚装置に形成されたガイドレールの一構成例を示す図である。
【0049】
上述した組み合わせ家具1(
図1〜4参照)には、棚装置3内からの天板付き家具2の出没のガイド機構として、天板付き家具2の天板脚部11および棚装置3の棚脚部31のうちの一方の脚部(本実施の形態では棚脚部31)に、ガイドレール36,37が設けられる(
図2,6参照)。また、これらの天板脚部11および棚脚部31のうちの他方の脚部(本実施の形態では天板脚部11)に、ガイド部13,14が着脱可能に取り付けられる(
図2,5参照)。
【0050】
ガイド部13,14は、天板脚部11をなす脚板11a,11bに対して各々着脱可能に取り付けられるとともに、ガイドレール36,37に各々係合する。ガイド部13,14は、棚装置3内からの天板付き家具2の出没に伴い、ガイドレール36,37に沿って移動して、この天板付き家具2の出没を案内する。また、ガイド部13,14は、ガイドレール36,37に設けられた抜け止め面(後述する)に当接して、棚装置3からの前記天板付き家具2の抜け出しを防止する。
【0051】
上述したガイド部13,14は、天板脚部11における取付部分が異なること以外、互いに同様の構成を有する。以下では、これらのガイド部13,14を代表し、ガイド部13について説明する。
【0052】
図7,8に示すように、ガイド部13は、ガイド突起13aと、このガイド突起13aを固定される基端部13bとを備え、脚板11aの内壁面に設けられた嵌合凹部5に、この脚板11aの内壁面側から螺子止め等によって着脱可能に取り付けられる。
【0053】
嵌合凹部5は、天板脚部11にガイド部13を着脱可能に取り付ける取付部分として、脚板11aの内壁部分に設けられる。詳細には、嵌合凹部5は、天板脚部11の脚板11aの内壁、すなわち、側板31aに設けられたガイドレール36との対向面の反対側の壁面部分に、
図7に示すように凹状に形成される。この嵌合凹部5が形成される脚板11aの内壁部分は、天板付き家具2の出没方向における奥側の端部、すなわち、天板付き家具2の奥行き方向F11(
図5参照)における奥側の端部である。このような嵌合凹部5は、
図7に示すように、脚板11aを貫通する貫通孔5aと、天板付き家具2の出没方向からガイド部13に当接する当接部5bとを有する。また、嵌合凹部5には、ガイド部13を着脱可能に螺子止めするための螺子穴等の開口部が、必要数、形成されている。
【0054】
ガイド突起13aは、
図8に示すように凹状をなすガイドレール36内に嵌合する凸状(例えば円柱状等)に形成される凸状部材であり、螺子止め等によって基端部13bに固定される。ガイド突起13aは、
図7,8に示すように、脚板11aに形成された嵌合凹部5の貫通孔5aに、脚板11aの内壁面側から挿通して、この脚板11aの外壁面側に突出する。これと同時に、ガイド突起13aは、
図6等に示したような棚装置3の側板31aのガイドレール36に摺動可能に嵌合する。ガイド突起13aは、
図9に示すように、ガイドレール36に沿って摺動して、棚装置3内からの天板付き家具2の出没を案内する。また、ガイド突起13aは、
図9に示すガイドレール36の抜け止め面36aに当接して、棚装置3からの天板付き家具2の意図せぬ抜け出しを防止する。
【0055】
基端部13bは、ガイド突起13aの基端側端部を螺子止め等によって固定されて、このガイド突起13aを支持する部材である。基端部13bは、
図7,8に示すように、脚板11aの内壁面側から嵌合凹部5に嵌合し、螺子止め等によって脚板11a(具体的には嵌合凹部5)に着脱可能に取り付けられる。このように嵌合凹部5に取り付けられた基端部13bの外周面(基端外周面13c)は、
図7に示すように嵌合凹部5の一部分である当接部5bに、天板付き家具2の出没方向から当接する。
【0056】
一方、ガイドレール36,37は、棚装置3内からの天板付き家具2の出没に伴って棚装置3に対し相対的に移動するガイド部13,14の移動方向および移動範囲を規制するものであり、
図6等に示したように棚脚部31をなす側板31a,31bの各内壁面に各々形成される。本実施の形態において、ガイドレール36,37は、棚脚部31における形成部分が異なること以外、互いに同様の構成を有する。以下では、これらのガイドレール36,37を代表し、ガイドレール36について説明する。
【0057】
ガイドレール36は、棚脚部31の側板31aの内壁、すなわち、
図2,5に示したようにガイド部13(具体的にはガイド突起13a)が突出する天板脚部11の脚板11aの外壁面に対向する壁面部分に、凹状に形成される。ガイドレール36は、
図8,9に示すように、棚装置3内からの天板付き家具2の出没方向に長手であり、ガイド突起13aを摺動可能に受け入れる。また、ガイドレール36は、
図9に示すように、天板付き家具2の出没方向における側板31aの端部近傍、詳細には、この出没方向の手前側の端部近傍に、抜け止め面36aを有する。さらに、ガイドレール36は、この抜け止め面36aとは反対側(天板付き家具2の出没方向の奥側)の側板31aの端部近傍に、抜け止め面36bを有する。これらの抜け止め面36a,36bのうち、一方の抜け止め面36aは、棚装置3の奥行き方向F1の手前側から天板付き家具2が意図せず抜け出る事態を防止するためのものである。他方の抜け止め面36bは、棚装置3の奥行き方向F1の奥側からガイド部13がガイドレール36の外側に抜け出る事態を防止するためのものである。
【0058】
このような構成を有するガイドレール36は、
図9に示すように、自身の長手方向にガイド突起13aを摺動させる。これにより、ガイドレール36は、天板付き家具2の出没に伴うガイド部13の移動方向、すなわち、棚装置3内からの天板付き家具2の出没方向を、棚装置3の奥行き方向F1(=天板付き家具2の奥行き方向F11)に規制する。一方、ガイドレール36は、天板付き家具2の出没方向の手前側に向かって摺動するガイド突起13aを抜け止め面36aに当接させ、これにより、この出没方向手前側へのガイド部13の移動を止める。また、ガイドレール36は、天板付き家具2の出没方向の奥側に向かって摺動するガイド突起13aを抜け止め面36bに当接させ、これにより、この出没方向奥側へのガイド部13の移動を止める。これらの作用により、ガイドレール36は、上述した天板付き家具2の出没に伴うガイド部13の棚装置3に対する相対的な移動範囲を、これらの抜け止め面36a,36bの間の範囲に規制する。すなわち、ガイドレール36は、棚装置3内から天板付き家具2を出没する際の天板付き家具2の移動範囲を、棚装置3から天板付き家具2が脱離しない範囲に規制する。
【0059】
ここで、
図5,6等に示したガイド部14およびガイドレール37は、上述したガイド部13およびガイドレール36の場合と同様に作用する。これらのガイド部13,14およびガイドレール36,37を備える組み合わせ家具1において、天板付き家具2は、ガイド部13,14およびガイドレール36,37によって移動方向および移動範囲を規制されつつ、棚装置3内から出没する。
【0060】
図10は、棚装置内からの天板付き家具の引き出し動作を説明する図である。
図11は、棚装置内への天板付き家具の収容動作を説明する図である。使用者は、棚装置3の収容空間35内に収容されている天板付き家具2を机等として使用する際、
図10に示すように、棚装置3の奥行き方向F1の手前側に天板付き家具2を移動させて、収容空間35内から天板付き家具2を引き出す。
【0061】
具体的には、使用者は、奥行き方向F1における天板付き家具2の手前側部分を持ち上げて、天板脚部11の滑り止め部18を床面から離間させながら、天板付き家具2を引き出す。これにより、天板付き家具2は、滑り止め部18による床面上の滑り止め作用を解除し、車輪17の作用によって奥行き方向F1の手前側へ円滑に移動する。使用者は、天板付き家具2の用途に応じて必要な分の天板10を収容空間35の外側に引き出した後、天板付き家具2を下して床面に滑り止め部18を接触させる。この際、天板付き家具2は、天板脚部11によって床面に自立するとともに、滑り止め部18の作用により、床面上における天板脚部11の滑りを抑制して、自立位置を安定させる。この天板付き家具2の自立位置において、天板10は、
図10に示すように、天板上面10aのうちの用途に応じた必要な天板面積の使用部分10bを、棚装置3の奥行き方向F1の手前側から外部に露出させる。この際、天板上面10aのうちの用途に不要な非使用部分10cおよび落下防止壁12は、棚装置3の収容空間35内に収容されている(状態S1)。本実施の形態において、天板10の非使用部分10cは、天板上面10aのうちの棚装置3における収容空間35内に位置する天板部分である。また、天板10の使用部分10bは、天板上面10aのうちの収容空間35外に位置する(露出する)天板部分である。
【0062】
この状態S1において、棚装置3内から天板付き家具2を引き出す際の天板付き家具2の移動方向は、上述したガイド部13,14およびガイドレール36,37によって奥行き方向F1に制限される。この際、例えば
図10に示すように、ガイド部13は、ガイドレール36に沿って天板付き家具2とともに奥行き方向F1の手前側へ摺動する。このようなガイド部13,14およびガイドレール36,37の作用により、天板付き家具2は、天板10および落下防止壁12の各上面と棚装置3の棚板30の下面との間に、これら両者の接触を回避するに十分な間隙を確保して、奥行き方向F1の手前側へ移動する。この結果、天板付き家具2は、天板10および落下防止壁12のいずれも棚板30に接触させることなく、棚装置3内から引き出される。
【0063】
また、使用者は、天板付き家具2の天板10を可能な限り広く使用する際、上述したように天板付き家具2の手前側部分を持ち上げて滑り止め部18を床面から離間させながら、天板付き家具2を更に引き出す。これにより、天板付き家具2は、上述した状態S1の場合と同様に床面に対する滑り止め作用を解除し、車輪17の作用によって奥行き方向F1の手前側へ円滑に移動する。使用者は、天板10を収容空間35の外側に更に引き出した後、天板付き家具2を下して床面に滑り止め部18を接触させる。この際、天板付き家具2は、上述した状態S1の場合と同様に、天板脚部11によって床面に自立するとともに床面上における天板脚部11の滑りを抑制して、自立位置を安定させる。この天板付き家具2の自立位置において、天板10は、
図10に示すように、天板上面10aのうちの使用部分10bを可能な限り多く、棚装置3の奥行き方向F1の手前側から外部に露出させる。この際、天板上面10aのうちの非使用部分10cおよび落下防止壁12は、棚装置3の収容空間35内に収容されている(状態S2)。
【0064】
この状態S2において、棚装置3内から天板付き家具2を引き出す際の天板付き家具2の移動方向および移動範囲は、上述したガイド部13,14およびガイドレール36,37によって制限される。この際、例えば
図10に示すように、ガイド部13は、ガイドレール36に沿って天板付き家具2とともに奥行き方向F1の手前側へ摺動し、これにより、天板付き家具2の移動方向(引き出し方向)は、奥行き方向F1の手前側に制限される。また、天板付き家具2が天板10を棚装置3の外側に可能な限り露出させると同時に、ガイド部13は、ガイドレール36の抜け止め面36aにガイド突起13aを当接させて(
図9参照)、奥行き方向F1の手前側への移動を止める。これにより、天板付き家具2の移動範囲(引き出し範囲)は、上述した状態S2の範囲に制限される。このような状態S2においても、天板付き家具2は、上述した状態S1の場合と同様に、ガイド部13,14およびガイドレール36,37の作用により、天板10および落下防止壁12の各上面と棚装置3の棚板30の下面との間に十分な間隙を確保して、奥行き方向F1の手前側へ移動する。この結果、天板付き家具2は、天板10および落下防止壁12のいずれも棚板30に接触させることなく、且つ、棚装置3から抜け出ることなく、棚装置3内から可能な限り多く引き出される。
【0065】
なお、上述したガイド部13,14およびガイドレール36,37は、棚装置3の収容空間35内に収容された状態の天板付き家具2を、
図10に示す状態S2のように棚装置3内から最大限に引き出す際にも、上述した状態S1,S2の場合と同様の作用効果を奏する。
【0066】
一方、使用者は、棚装置3内から引き出した天板付き家具2を
図11に示すように棚装置3の収容空間35内に収容する際、上述したように天板付き家具2の手前側部分を持ち上げて滑り止め部18を床面から離間させながら、天板付き家具2を収容空間35内に押し入れる。これにより、天板付き家具2は、滑り止め部18による床面上の滑り止め作用を解除し、車輪17の作用により、棚装置3の後面板33に向かって奥行き方向F1の奥側へ円滑に移動する。使用者は、天板付き家具2を収容空間35内に収容し終えた後、天板付き家具2を下して床面に滑り止め部18を接触させる。この際、天板付き家具2は、収容空間35内から後面板33に近接し、天板脚部11によって床面に自立するとともに、滑り止め部18によって床面上における天板脚部11の滑りを抑制して、収容空間35内に収容された状態を安定させる(状態S3)。この状態S3において、天板10の全域は、
図11に示すように、棚装置3の収容空間35内に収容されている。また、落下防止壁12は、収容空間35における奥行き方向F1の奥端近傍に位置する。切欠き部15aは、
図5等に示した切欠き部15bと同様に、支柱34を受け入れる。
【0067】
この状態S3において、棚装置3内に天板付き家具2を収容する際の天板付き家具2の移動方向および移動範囲は、上述したガイド部13,14およびガイドレール36,37によって制限される。この際、例えば
図11に示すように、ガイド部13は、ガイドレール36に沿って天板付き家具2とともに奥行き方向F1の手前側から奥側へ摺動し、これにより、天板付き家具2の移動方向(押し入れ方向)は、奥行き方向F1の奥側に制限される。また、天板付き家具2が棚装置3の収容空間35内に収容し終えると同時に、ガイド部13は、ガイドレール36の抜け止め面36bにガイド突起13aを当接させて(
図9参照)、奥行き方向F1の奥側への移動を止める。これにより、天板付き家具2の移動範囲(押し入れ範囲)は、上述した状態S3の範囲に制限される。
【0068】
上述した状態S3におけるガイド部13,14およびガイドレール36,37の作用により、天板付き家具2は、天板10および落下防止壁12の各上面と棚装置3の棚板30の下面との間に十分な間隙を確保して、奥行き方向F1の奥側へ移動する。この結果、天板付き家具2は、天板10および落下防止壁12のいずれも棚板30に接触させることなく、且つ、ガイド部13,14のいずれもガイドレール36,37から抜け出ることなく、棚装置3の収容空間35内に円滑に収容される。
【0069】
(天板付き家具および棚装置の組み合わせ態様)
つぎに、本発明の実施の形態にかかる組み合わせ家具1を構成する天板付き家具2および棚装置3の組み合わせ態様について詳細に説明する。上述したガイド部13,14等によって棚装置3内からの出没時の移動方向および移動範囲が制限された天板付き家具2は、天板脚部11の脚板11a,11bからガイド部13,14を取り外すことにより、棚装置3内から容易に抜き出すことができる。
図12は、天板付き家具の天板脚部からガイド部を取り外した状態を示す図である。
図13は、棚装置から天板付き家具を取り外した状態を示す図である。
図14は、棚装置と天板とを組み合わせた組み合わせ家具の別態様の一例を示す図である。なお、
図13,14には、上述した照明装置50を図示しないが、棚装置3には
図1等に示したように照明装置50が設けられてもよい。
【0070】
図10,11等に示したように天板付き家具2の出没時の移動方向および移動範囲を制限するガイド部13,14は、上述したように、天板付き家具2の天板脚部11の脚板11a,11bに着脱可能に各々取り付けられている。すなわち、ガイド部13,14は、脚板11a,11bから各々取り外すことができる。例えば
図12に示すように、ガイド部14は、嵌合凹部6に対する螺子止め等の取付手段を解除することにより、脚板11bの嵌合凹部6から容易に取り外される。このことは、ガイド部13においても同様である。なお、嵌合凹部6は、脚板11bの内壁に形成されること以外、
図7に示したようにガイド部13を着脱可能に取り付ける嵌合凹部5と同様の構成を有する。
【0071】
このように脚板11a,11bからガイド部13,14を各々取り外すことにより、天板付き家具2は、ガイド部13,14およびガイドレール36,37の作用による移動制限を解除される。すなわち、
図10,11等に示したように棚装置3内から天板付き家具2を出没させる際の天板付き家具2の移動方向および移動範囲の制限が解除される。これにより、天板付き家具2は、
図13に示すように、棚装置3の側板31a,31bの各ガイドレール36,37による抜け止め作用から解放されて、棚装置3に対して自由になる。このような天板付き家具2は、
図10に示したように棚装置3の収容空間35内から引き出す場合と同様に、棚装置3の奥行き方向F1の手前側(
図13中の太線矢印の方向)に向かって移動することにより、棚装置3から容易に抜き出すことができる。この結果、天板付き家具2は、
図13に示すように棚装置3から離間可能な自由状態になる。なお、ガイド部13,14は、上述したように脚板11a,11bから取り外した後、棚装置3から抜き出して自由状態にした天板付き家具2の脚板11a,11bの嵌合凹部5,6に各々取り付けることが望ましい(例えば
図14に示すガイド部14参照)。これにより、ガイド部13,14(取り付けのための螺子等を含む)の紛失を防止することができる。
【0072】
棚装置3に対して天板付き家具2を自由状態にすることにより、天板付き家具2は、棚装置3に対して出没可能な机としてのみならず、多様な用途に応じて使用可能となる。この結果、天板付き家具2の用途に応じて、天板付き家具2と棚装置3との組み合わせ態様を多様に変更可能な組み合わせ家具1を実現することができる。
【0073】
このような用途に応じて変更可能な組み合わせ家具1の一態様は、例えば
図14に示すように、天板付き家具2の奥行き方向F11と棚装置3の幅方向とを平行にした態様に天板付き家具2と棚装置3とを組み合わせて構成される。
図14に示す組み合わせ態様の組み合わせ家具1において、天板付き家具2は、その奥行き方向F11の両側から使用可能な状態になる。棚装置3は、天板付き家具2の幅方向F12の右側から使用可能な状態となる。
【0074】
具体的には、
図14に示す組み合わせ家具1において、使用者は、椅子に座る等して天板付き家具2を使用し、天板付き家具2の幅方向F12の右側を向きながら棚装置3を容易に使用することができる。この際、使用者は、棚装置3の幅方向F2に遮蔽部材40を適宜スライドさせて、棚板30上の物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cを容易に使用することができる。また、使用者は、遮蔽部材40の対面部分を書見台46として使用することができる。さらに、使用者は、
図1等に示したように棚板30の開放型物品収容部38cに照明装置50を取り付けることにより、この天板付き家具2の天板10上の物品(書籍や文房具等)を照明し、または、書見台46上の物品(書籍や情報機器等)を照明する等の用途に、照明装置50を使用することができる。
【0075】
また、
図14に示すような組み合わせ家具1の天板付き家具2を児童用の学習机として使用することにより、使用者(児童)は、奥行き方向F11に天板付き家具2を挟んで親と対面しながら、親と一緒に学習(対面学習)することができる。
【0076】
以上、説明したように、本発明の実施の形態では、天板付き家具の天板脚部および棚装置の棚脚部のうちの一方の脚部に、天板付き家具の出没方向に長手であるガイドレールを設け、これら天板脚部および棚脚部のうちの他方の脚部に着脱可能に取り付けたガイド部を一方の脚部のガイドレールに係合し、このガイドレールに沿ったガイド部の移動により、棚装置に対する天板付き家具の出没を案内し、このガイドレールの長手方向端部に形成された抜け止め面に対するガイド部の当接により、棚装置からの天板付き家具の抜け出しを防止している。
【0077】
このため、棚装置に対する天板付き家具の出没時における天板付き家具の移動方向を、ガイドレールに沿ったガイド部の移動方向に規制し、且つ、この出没時における天板付き家具の移動範囲を、ガイドレール内の任意の位置から長手方向端部の抜け止め面の位置までのガイド部の移動範囲に規制することができる。また、一方の脚部のガイドレールに係合したガイド部を他方の脚部から取り外すことにより、ガイド部とガイドレールとの係合関係を一時的に解消して、上述したガイド部およびガイドレールによる天板付き家具の移動範囲の規制を容易に解除することができる。以上のことにより、棚装置に対する天板付き家具の出没の際、棚装置からの天板付き家具の意図せぬ脱離を防止しながら、棚装置内から天板付き家具を円滑に出し入れすることができるとともに、棚装置内からの天板付き家具の引き出し範囲の規制を一時的に解除して、棚装置から天板付き家具を簡易に抜き出すことができる。この結果、棚装置から天板付き家具を自由に離間できる状態となり、天板付き家具の使用態様をその用途に応じて多様化することができる。
【0078】
本発明にかかる組み合わせ家具を用いることにより、天板付き家具を、棚装置に対して円滑に出没可能な机等の家具としてのみならず、多様な用途に応じて使用することが可能となる。すなわち、組み合わせ家具の天板付き家具および棚装置を各々単独の家具として用途別に使用できることは勿論、組み合わせ家具を構成する天板付き家具と棚装置との組み合わせ態様を、天板付き家具の用途に応じて多様に変更することができる。例えば、天板付き家具を、その奥行き方向の両側から使用可能な状態にして棚装置と組み合わせ、これにより、児童等の使用者と親等の指導者との対面学習を行うことが可能な組み合わせ家具を簡易に実現することができる。このように、本発明によれば、組み合わせ家具を構成する天板付き家具および棚装置の各使い勝手を向上することができる。
【0079】
また、本発明の実施の形態では、ガイド部の突起部(ガイド突起)を脚部の貫通孔に挿通してガイドレールに摺動可能に嵌合し、このガイド部の基端部を同脚部に着脱可能に取り付けている。このため、棚装置の収容空間内に天板付き家具を組み入れた状態の組み合わせ家具の内側または外側に、ガイド部をガイドレールの開口方向から天板脚部または棚脚部に着脱可能に取り付ける作業に要する空間を十分に確保することができる。これにより、ガイド部の取り付けおよび取り外しの各作業を簡易に行えるとともに、ガイド部およびガイドレールによって天板付き家具の出没時の移動方向および移動範囲を規制した状態と、この天板付き家具に対する規制を解除した状態とを簡易に切り換えることができる。この結果、棚装置の収容空間内から天板付き家具を円滑に出し入れ可能な状態と、棚装置から天板付き家具を抜き出して棚装置と天板付き家具とを自由な態様に組み合わせ可能な状態とを、組み合わせ家具の用途に合わせて簡易に使い分けることができる。
【0080】
さらに、本発明の実施の形態では、ガイド部を着脱可能に取り付ける脚部(天板脚部または棚脚部)に、天板付き家具の出没方向からガイド部の基端部に当接する当接部を形成している。このため、ガイドレールの抜け止め面にガイド突起が衝突した際に、ガイド部の基端部に対して天板付き家具の出没方向に生じる力(以下、衝撃力という)を、当接部によって受け止めることができる。これにより、衝撃力に起因するガイド部の取付強度の劣化を抑制することができ、この結果、ガイド部を脚部に取り付けた状態をより堅牢に維持することができる。
【0081】
また、本発明の実施の形態では、天板脚部および棚脚部のうちの一方の脚部に、ガイド部を取り付ける他方の脚部に対向する壁面から凹陥するように、ガイドレールが凹状に形成され、このガイド部のガイド突起が、この凹状をなすガイドレール内に嵌合する凸状に形成されている。このため、天板脚部と棚脚部との対向面間の空間に対するガイド部およびガイドレールの露出を可能な限り低減することができる。これにより、天板脚部と棚脚部との対向面間の距離を可能な限り小さくすることができる。この結果、天板付き家具の天板下方に十分な幅の空間を確保できることから、この天板下方の空間幅を狭めて天板付き家具の使い勝手を損なう事態を防止することができる。
【0082】
さらに、本発明の実施の形態では、ガイド部を取り付ける脚部の、ガイドレールとの対向面と反対側の壁面に、ガイド部の基端部が嵌合する嵌合凹部を形成し、この嵌合凹部の一部分を、上述した当接部として機能させている。このため、ガイド部の取付作業時に当接部をより発見し易くなるとともに、脚部の壁面からガイド部の基端部を突出させずに、ガイド部を脚部に取り付けることができる。これにより、天板脚部または棚脚部の壁面からの不用な突起を無くすことができる。この結果、天板付き家具または棚装置の美観が壁面の突起に起因して損なわれる事態を防止するとともに、天板付き家具の天板下方の空間幅を狭めて天板付き家具の使い勝手を損なう事態を防止することができる。
【0083】
なお、上述した実施の形態では、棚装置3の棚板30上に、単一の物品収容部38aと、2つの開放型物品収容部38b,38cとを形成していたが、本発明は、これに限定されるものではない。棚板30上には、遮蔽部材40によって開閉可能に遮蔽される開閉型の物品収容部と、通常時に開放されている開放型物品収容部とが、各々1つずつ(合計2つ)形成されていてもよいし、各々複数ずつ(合計4つ以上)形成されていてもよい。あるいは、棚板30上に、開閉型の物品収容部が1つ形成され、開放型物品収容部が複数形成され、この結果、開閉型の物品収容部および開放型物品収容部が、合計3つ以上形成されてもよい。
【0084】
また、上述した実施の形態では、棚装置3の棚板30上に、開閉型の物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cの2種類の収容棚が形成していたが、本発明は、これに限定されるものではない。棚板30上には、開閉型の物品収容部または開放型物品収容部のいずれか1種類のみが、1つまたは複数、形成されてもよい。
【0085】
さらに、上述した実施の形態では、棚板30上の中央部分に開閉型の物品収容部38aが形成され、この物品収容部38aを挟んで棚装置3の幅方向F2の両側に開放型物品収容部38b,38cが形成されていたが、本発明は、これに限定されるものではない。物品収容部38aは、棚板30上の中央よりも幅方向右側(例えば右側端)に形成されてもよいし、棚板30上の中央よりも幅方向左側(例えば左側端)に形成されてもよい。この場合、開放型物品収容部38b,38cは、物品収容部38aを幅方向に挟むように形成されていなくてもよく、例えば、物品収容部38aよりも幅方向の右側または左側に並ぶように形成されてもよい。
【0086】
また、上述した実施の形態では、棚装置3の幅方向F2にスライドする遮蔽部材40によって物品収容部38aを開閉可能に遮蔽していたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明における遮蔽部材は、ヒンジ等を用いて上下または左右等の所定の方向に回動するように構成され、回動することによって物品収容部38aを開閉可能に遮蔽するものであってもよい。この場合、棚装置3の上端には、棚板30の上方を覆って棚装置3の天井をなす板状部材が設けられてもよい。
【0087】
さらに、上述した実施の形態では、左側端の開放型物品収容部38cに照明装置50を設けていたが、これに限定されず、右側端の開放型物品収容部38bに照明装置50を設けてもよい。あるいは、開放型物品収容部38b,38cのいずれか一方または双方に、時計や送風機等、照明装置50以外の機能装置を設けてもよい。すなわち、本発明において、棚装置3の棚板30上等に設けられる機能装置は、特に照明装置50に限定されず、所定の機能(例えば組み合わせ家具1を使用する使用者の用途に有用な機能)を有するものであればよい。また、棚装置3の棚板30上等に設けられる機能装置の数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0088】
また、上述した実施の形態では、棚装置3の開放型物品収容部38cに、機能装置の一例として照明装置50が設けられていたが、これに限定されず、棚装置3の開放型物品収容部38b,38cには、照明装置50等の機能装置を設けなくてもよい。この場合、開放型物品収容部38b,38cは、これらの各全域を物品の収容棚として使用されてもよい。
【0089】
さらに、上述した実施の形態では、棚装置3内からの天板付き家具2の出没の移動方向および移動範囲を規制するガイド部13,14およびガイドレール36,37のうち、ガイド部13,14は天板付き家具2の天板脚部11に着脱可能に設け、ガイドレール36,37は棚装置3の棚脚部31に設けていたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、ガイド部13,14は、棚装置3の棚脚部31をなす側板31a,31bに各々着脱可能に設け、ガイドレール36,37は、天板付き家具2の天板脚部11をなす脚板11a,11bに各々設けてもよい。この場合、側板31a,31bの各外壁に嵌合凹部5,6を各々形成し、脚板11a,11bの各外壁にガイドレール36,37を各々形成し、ガイド部13,14は、側板31a,31bの各外側から嵌合凹部5,6に各々着脱可能に嵌合して、脚板11a,11bのガイドレール36,37に各々摺動可能に係合してもよい。
【0090】
また、上述した実施の形態では、ガイドレール36,37を、凹状に形成された溝としていたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、ガイドレール36,37は、横断面がコの字状であり、長手方向の両端部に抜け止め面を有する細長のレール部材を用いて構成されてもよい。
【0091】
さらに、上述した実施の形態では、ガイドレール36,37に摺動可能に係合するガイド突起を有するようにガイド部13,14を構成していたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、ガイド部13,14は、回転自在に車輪を軸支する突起部を有し、ガイドレール36,37内に突起部の車輪を入れ、ガイドレール36,37に沿って天板付き家具2の出没方向に移動(スライド)するものであってもよい。
【0092】
また、上述した実施の形態では、嵌合凹部5,6にガイド部13,14を各々嵌合して、脚板11a,11bの内壁面からガイド部13,14の後端面が突出しないように構成していたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、ガイド部13,14は、その各基端部が脚板11a,11bの内壁面から突出するように、脚板11a,11bの各内壁に各々着脱可能に取り付けられてもよい。
【0093】
図15は、脚板の内壁にガイド部を取り付ける状態の一変形例を示す図である。例えば
図15に示すように、ガイド部13は、脚板11aに設けられた貫通孔5aにガイド突起13aを挿通して、側板31aのガイドレール36にガイド突起13aを係合させ、且つ、脚板11aの内壁面上に基端部13bを当接させる。ガイド部13は、
図15に示すように脚板11aの内壁面から基端部13bを突出させた状態にして、螺子止め等により、脚板11aの内壁に着脱可能に取り付けられる。また、このようにガイド部13が取り付けられる脚板11aの内壁部分には、
図15に示すように、天板付き家具2の出没方向からガイド部13の基端部13bに当接する当接部7が、この基端部13bを上記の出没方向に挟む凸状に形成されてもよい。このようなガイド部13の取付構成および当接部7の構成は、他方のガイド部14においても同様にしてもよい。
【0094】
一方、上述した実施の形態では、棚装置3の物品収容部38aを開閉可能に遮蔽する遮蔽部材40に書見台46としての機能をもたせていたが、これに限定されず、本発明における書見台46は、上述した遮蔽部材40と別体であってもよい。すなわち、本発明において、棚装置3は、棚板30上に、互いに別体に構成される遮蔽部材40と書見台46とを備えてもよい。この場合、物品支持部42は、遮蔽部材40に設けず、別体である書見台46の物品受け部の下側部分に設けられてもよい。また、書見台46は、遮蔽部材40と同様に前側スライドガイド部47によって棚装置3の幅方向F2にスライド可能に支持されてもよい。あるいは、前側スライドガイド部47と同様の構成を有するスライドガイド部を棚板30における奥行き方向F1の手前側の部分に別に設け、書見台46は、この別のスライドガイド部によって、棚装置3の幅方向F2にスライド可能に支持されてもよい。
【0095】
また、書見台46は、遮蔽部材40と別体である場合、棚装置3の棚板30に対して着脱可能に取り付けできるように構成され、棚板30の上面における奥行き方向手前側部分のうちの所望の位置に移動可能に取り付けられてもよい。あるいは、書見台46は、ヒンジ等を用いて上下または左右等の所定の方向に回動するように構成され、回動することによって、棚装置3における所定の位置、例えば遮蔽部材40の上端面に折りたためるように構成されてもよい。
【0096】
また、上述した実施の形態により本発明が限定されるものではなく、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。例えば、上述した実施の形態にかかる組み合わせ家具1を構成する天板付き家具2および棚装置3は、木製、金属製、または樹脂製のいずれのものであってもよいし、これらの素材を適宜組み合わせたものであってもよい。その他、上述した実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明に含まれる。