特許第6514501号(P6514501)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6514501
(24)【登録日】2019年4月19日
(45)【発行日】2019年5月15日
(54)【発明の名称】皮膚掻痒感改善剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/644 20150101AFI20190425BHJP
   A61P 17/04 20060101ALI20190425BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20190425BHJP
【FI】
   A61K35/644
   A61P17/04
   A23L33/10
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-253861(P2014-253861)
(22)【出願日】2014年12月16日
(65)【公開番号】特開2016-113413(P2016-113413A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2017年10月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】598162665
【氏名又は名称】株式会社山田養蜂場本社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100176773
【弁理士】
【氏名又は名称】坂西 俊明
(72)【発明者】
【氏名】浅間 孝志
(72)【発明者】
【氏名】福島 忍
(72)【発明者】
【氏名】木村 友香
(72)【発明者】
【氏名】佐道 哲也
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 信一郎
【審査官】 佐々木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−190010(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/019971(WO,A1)
【文献】 特開2006−016387(JP,A)
【文献】 特許第3994120(JP,B2)
【文献】 日本薬学会年会要旨集, 2012, Vol.132nd, No.3, p.127, 30E05-pm14S欄
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 35/00−35/768
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
Japio−GPG/FX
日経テレコン
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酵素分解ローヤルゼリーを有効成分として含有する、経口投与用皮膚掻痒感改善剤であって、
前記酵素が、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有する酵素である、経口投与用皮膚掻痒感改善剤。
【請求項2】
酵素分解ローヤルゼリーを有効成分として含有する、皮膚掻痒感改善剤であって、
前記酵素が、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有する酵素である、皮膚掻痒感改善剤(但し、外用塗布剤を除く。)。
【請求項3】
前記エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有する酵素が、ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)産生ペプチダーゼである、請求項1又は2に記載の皮膚掻痒感改善剤。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の皮膚掻痒感改善剤を含む、皮膚掻痒感改善用食品、皮膚掻痒感改善用健康食品、皮膚掻痒感改善用機能性食品、皮膚掻痒感改善用栄養補助食品、皮膚掻痒感改善用サプリメント又は皮膚掻痒感改善用特定保健用食品。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の皮膚掻痒感改善剤を含む、皮膚掻痒感改善用医薬品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚掻痒感改善剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ローヤルゼリーは、成長促進作用、延命効果、抗腫瘍作用等多くの生理活性を持つことが知られている。例えば、特許文献1には、ローヤルゼリー又はその水溶性画分を有効成分として含有する抗うつ性組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−131407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ローヤルゼリーの新規な用途を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、ローヤルゼリーに「皮膚のかゆみ」に関する症状を改善する作用があることを見出した。本発明は、この新規な知見に基づくものである。
【0006】
すなわち、本発明は、ローヤルゼリー又はその処理物を有効成分として含有する、皮膚掻痒感改善剤を提供する。
【0007】
本発明の皮膚掻痒感改善剤は、皮膚掻痒感改善用食品、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、サプリメント若しくは特定保健用食品又は医薬品として使用することもできる。ローヤルゼリーは、従来から食品等として使用されており、生体への安全性が確立されている。したがって、当該皮膚掻痒感改善用食品、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、サプリメント若しくは特定保健用食品又は医薬品は、長期間に亘って継続的に摂取することもできる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ローヤルゼリー又はその処理物を有効成分として含有する、皮膚掻痒感改善剤が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0010】
本発明の皮膚掻痒感改善剤は、ローヤルゼリー又はその処理物を有効成分として含有する。
【0011】
ローヤルゼリーは、ミツバチ産品としてよく知られている。ローヤルゼリーは、働き蜂が下咽頭腺から分泌するタンパク質に富んだ透明な液状物に大顎腺から分泌する脂肪酸類が加わってできる乳状物である。ローヤルゼリーには、水、タンパク質、炭水化物、脂質、灰分、遊離アミノ酸、ビタミン、ミネラル等が含まれていることが知られている。
【0012】
ローヤルゼリーの処理物としては、ローヤルゼリーの生理作用(例えば、皮膚掻痒感改善作用)を有するものであれば、特に制限されない。ローヤルゼリーの処理物の具体例としては、ローヤルゼリーを濃縮又は希釈したローヤルゼリー濃縮物又は希釈物、ローヤルゼリーを乾燥させて粉末化したローヤルゼリー粉末、ローヤルゼリーをエタノール等の有機溶媒で抽出したローヤルゼリーエタノール抽出物等のローヤルゼリー有機溶媒抽出物、ローヤルゼリーをタンパク質分解酵素で処理した酵素分解ローヤルゼリーが挙げられる。これらの中でも、皮膚掻痒感改善効果をより一層顕著に奏することから、酵素分解ローヤルゼリーが好ましい。
【0013】
本発明の皮膚掻痒感改善剤には、上述したローヤルゼリー及びローヤルゼリーの処理物を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】
ローヤルゼリーは、例えば、常法に従い養蜂産品として入手することができる。
【0015】
ローヤルゼリー濃縮物は、例えば、ローヤルゼリーから水分を除去することにより得ることができる。ローヤルゼリー希釈物は、例えば、ローヤルゼリーに水分を添加することにより得ることができる。
【0016】
ローヤルゼリー粉末は、例えば、凍結乾燥及び噴霧乾燥等の本技術分野における公知の方法によりローヤルゼリーを粉末化することにより得ることができる。また、凍結乾燥又は噴霧乾燥後に粉砕機(例えば、ピンミル、ハンマーミル、ボールミル、ジェットミル)により粉砕してローヤルゼリー粉末を得てもよい。
【0017】
酵素分解ローヤルゼリーは、例えば、ローヤルゼリーをタンパク質分解酵素で処理することで得ることができる。タンパク質分解酵素としては、例えば、エンドペプチダーゼ作用を有する酵素、エキソペプチダーゼ作用を有する酵素、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有する酵素が挙げられる。タンパク質分解酵素としては、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の少なくとも一方を有している酵素であればよく、少なくともエンドペプチダーゼ作用を有する酵素が好ましく、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方の作用を有する酵素がより好ましい。ここで、エンドペプチダーゼ作用は、非末端のアミノ酸のペプチド結合を分解する作用であり、エキソペプチダーゼ作用は、末端のアミノ酸のペプチド結合を分解する作用である。
【0018】
タンパク質分解酵素には、エキソペプチダーゼ作用のみを有する酵素、エンドペプチダーゼ作用のみを有する酵素、エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有する酵素が存在する。エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有する酵素は、エンドペプチダーゼ作用の方が強い場合には、「エンドペプチダーゼ作用を有する酵素」とし、エキソペプチダーゼ活性の方が強い場合には、「エキソペプチダーゼ作用を有する酵素」とし、エキソペプチダーゼ作用とエンドペプチダーゼ作用が同等又はほぼ同等の場合には、「エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有する酵素」とする。なお、同等又はほぼ同等とは、エキソペプチダーゼ作用に対するエンドペプチダーゼ作用の割合(活性比)が、0.8倍〜1.2倍であることを意味する。
【0019】
エンドペプチダーゼ作用を有する酵素としては、例えば、動物由来のエンドペプチダーゼ(例えば、トリプシン、キモトリプシン等)、植物由来のエンドペプチダーゼ(例えば、パパイン等)、又は乳酸菌、酵母、カビ、枯草菌若しくは放線菌等の微生物由来のエンドペプチダーゼが挙げられる。エンドペプチダーゼ作用を有する酵素のより具体的な例としては、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)産生ペプチダーゼ(商品名:オリエンターゼ22BF、ヌクレイシン)、バチルス・リシェニフォルミス(Bacillus licheniformis)産生ペプチダーゼ(商品名:アルカラーゼ)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillusstearothermophilus)産生ペプチダーゼ(商品名:プロテアーゼS)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)産生ペプチダーゼ(商品名:ニュートラーゼ)、バチルス属産生ペプチダーゼ(商品名:プロタメックス)を挙げることができる。
【0020】
エキソペプチダーゼ作用を有する酵素としては、例えば、カルボキシペプチダーゼ、アミノペプチダーゼ、又は乳酸菌、アスペルギルス属菌若しくはリゾープス属菌等の微生物由来のエキソペプチダーゼが挙げられる。エキソペプチダーゼ作用を有する酵素のより具体的な例としては、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus orizae)産生ペプチダーゼ(商品名:ウマミザイムG、Promod 192P、Promod 194P、スミチームFLAP)、アスペルギルス・ソーエ(Aspergillus sojae)産生ペプチダーゼ(商品名:Sternzyme B15024)、アスペルギルス属産生ペプチダーゼ(商品名:コクラーゼP)、リゾプス・オリゼー(Rhizopus oryzae)産生ペプチダーゼ(商品名:ペプチダーゼR)を挙げることができる。
【0021】
エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有する酵素としては、例えば、パンクレアチン、ペプシン等が挙げられる。エンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方の作用を有する酵素のより具体的な例としては、ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)産生ペプチダーゼ(商品名:アクチナーゼAS)、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus orizae)産生ペプチダーゼ(商品名:プロテアーゼA、フレーバーザイム)、アスペルギルス・メレウス(Aspergillus melleus)産生ペプチダーゼ(商品名:プロテアーゼP)を挙げることができる。
【0022】
ローヤルゼリーをタンパク質分解酵素で処理する際の反応条件(タンパク質分解酵素の使用量、反応時の温度、pH、反応時間等)は、使用するタンパク質分解酵素の種類等に応じて、適宜設定すればよい。具体的な反応条件として、例えば、タンパク質分解酵素としてエンドペプチダーゼ作用とエキソペプチダーゼ作用の両方を有するアクチナーゼAS(科研製薬)を用いる場合、タンパク質分解酵素の使用量はローヤルゼリー100gあたり1g、反応時の温度45〜55℃、pH8.5〜9.5、反応時間2〜4時間を例示することができる。
【0023】
ローヤルゼリー有機溶媒抽出物は、例えば、エタノール、メタノール、プロパノール、アセトン等の有機溶媒を溶媒としてローヤルゼリーを抽出することで得ることができる。抽出時間は、原料として用いられるローヤルゼリーの形態、溶媒の種類及び量、抽出の際の温度及び攪拌条件等に応じて適宜設定することができる。抽出後、ろ過、遠心分離等により固形分を除去してもよい。また、抽出された溶液をそのまま用いてもよいし、当該溶液から溶媒を除去して、濃縮液又は粉末として用いてもよい。ローヤルゼリー有機溶媒抽出物としては、ローヤルゼリーエタノール抽出物であることが好ましい。
【0024】
ローヤルゼリー及びローヤルゼリーの処理物は、市販されているものを用いてもよい。ローヤルゼリー及びローヤルゼリーの処理物の具体例としては、例えば、ローヤルゼリーFD末((株)中原製)、ローヤルゼリーエキスSF(松浦薬業株式会社製)、脱蛋白ローヤルゼリー粉末F(丸善製薬株式会社製)、脱蛋白ローヤルゼリーエキス(アピ株式会社製)等が挙げられる。
【0025】
本発明の皮膚掻痒感改善剤は、ローヤルゼリー又はローヤルゼリーの処理物を有効成分として含有しているため、皮膚の掻痒感(特に、皮膚のかゆみ)を改善すること、すなわち、皮膚の掻痒感の発生を抑制すること、皮膚の掻痒感の発生頻度を低減することができる。
【0026】
本発明の皮膚掻痒感改善剤は、有効成分であるローヤルゼリー又はローヤルゼリーの処理物のみを含有するものであってもよく、本発明による効果を妨げない限り、他の成分を更に含有していてもよい。他の成分としては、例えば、薬学的に許容される成分(例えば、賦形剤、結合材、滑沢剤、崩壊剤、乳化剤、界面活性剤、基剤、溶解補助剤、懸濁化剤)、食品として許容される成分(例えば、ミネラル類、ビタミン類、フラボノイド類、キノン類、ポリフェノール類、アミノ酸、核酸、必須脂肪酸、清涼剤、結合剤、甘味料、崩壊剤、滑沢剤、着色料、香料、安定化剤、防腐剤、徐放調整剤、界面活性剤、溶解剤、湿潤剤)を挙げることができる。
【0027】
本発明の皮膚掻痒感改善剤は、有効成分量換算で、体重60kgの成人に一日当たり1mg以上10g以下の用量で用いることができ、50mg以上8g以下の用量で用いることが好ましく、300mg以上3g以下の用量で用いることがより好ましく、300mg以上1.5g以下の用量で用いることが更に好ましい。当該用量は、摂取する人の健康状態、投与方法及び他の剤との組み合わせ等の因子に応じて、上記範囲内で適宜設定することができる。
【0028】
本発明の皮膚掻痒感改善剤は、経口投与(摂取)されてもよく、非経口投与されてもよい。本発明の皮膚掻痒感改善剤は、一日当たりの有効成分量が上述した範囲内にあれば、一日一回投与されてもよいし、一日二回、一日三回等、複数回に分けて投与されてもよい。
【0029】
皮膚掻痒感改善効果をより顕著に奏することから、本発明の皮膚掻痒感改善剤は、有効成分量換算で体重60kgの成人に300mg以上1.5g以下となる量を、一日一回経口投与するように用いられることが好ましい。
【0030】
本発明の皮膚掻痒感改善剤は、固体、液体、ペースト等のいずれの形状であってもよい。本発明の皮膚掻痒感改善剤の形態は、例えば、素錠、糖衣錠、顆粒、粉末、タブレット、カプセル(ハードカプセル、ソフトカプセル、シームレスカプセル)であってもよい。本発明の皮膚掻痒感改善剤は、例えば、有効成分であるローヤルゼリー又はローヤルゼリーの処理物と、必要に応じて他の成分とを混合して上記剤形に成形することによって調製することができる。
【0031】
本発明の皮膚掻痒感改善剤は、医薬品、医薬部外品及び食品そのものとして、並びに医薬品、医薬部外品及び食品に添加して使用することができる。食品としては、食品の3次機能(体調調節機能。すなわち、皮膚掻痒感改善機能等。)が強調された食品であることが好ましい。食品の3次機能が強調された食品としては、例えば、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、サプリメント及び特定保健用食品を挙げることができる。
【0032】
本発明の皮膚掻痒感改善剤からなる医薬品、医薬部外品若しくは食品、又は本発明の皮膚掻痒感改善剤を含む医薬品、医薬部外品若しくは食品は、皮膚掻痒感改善用であってよく、「皮膚の掻痒感を改善する旨」、「皮膚のかゆみを改善する旨」、「乾燥による皮膚の痒みを軽減する旨」等の表示が付されていてもよい。
【0033】
医薬品、医薬部外品及び食品における本発明の皮膚掻痒感改善剤の含有量は、一日当たり摂取する有効成分量が上述した範囲内となるように、医薬品、医薬部外品及び食品の種類等に応じて適宜設定すればよい。
【0034】
本発明の皮膚掻痒感改善剤を食品そのものとして、又は食品に添加して使用する場合、食品の形態は特に限定されず、例えば、飲料類(コーヒー、ジュース、茶飲料等の清涼飲料、乳飲料、乳酸菌飲料、ヨーグルト飲料、炭酸飲料等);スプレッド類(カスタードクリーム等);ペースト類(フルーツペースト等);洋菓子類(チョコレート、ドーナツ、パイ、シュークリーム、ガム、ゼリー、キャンデー、クッキー、ケーキ、プリン等);和菓子類(大福、餅、饅頭、カステラ、あんみつ、羊羹等);氷菓類(アイスクリーム、アイスキャンデー、シャーベット等);食品類(カレー、牛丼、雑炊、味噌汁、スープ、ミートソース、パスタ、漬物、ジャム等);調味料類(ドレッシング、ふりかけ、旨味調味料、スープの素等)であってもよい。
【0035】
本発明の皮膚掻痒感改善剤を食品の3次機能が強調された食品(例えば、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、サプリメント又は特定保健用食品)そのものとして、又は食品の3次機能が強調された食品に添加して使用する場合、食品の3次機能が強調された食品の形態は、上述した食品の形態に加えて、例えば、素錠、糖衣錠、顆粒、粉末、タブレット、カプセル(ハードカプセル、ソフトカプセル、シームレスカプセル)であってもよい。
【0036】
本発明の皮膚掻痒感改善剤を医薬品若しくは医薬部外品そのものとして、又は医薬品若しくは医薬部外品に添加して使用する場合、医薬品又は医薬部外品の形態は特に限定されず、例えば、素錠、糖衣錠、顆粒、粉末、タブレット、カプセル(ハードカプセル、ソフトカプセル、シームレスカプセル)であってもよい。
【0037】
本発明の皮膚掻痒感改善剤を添加した医薬品、医薬部外品又は食品の製法は特に限定されず、適宜公知の方法に従うことができる。例えば、医薬品、医薬部外品又は食品の製造工程における中間製品又は最終製品に、本発明の皮膚掻痒感改善剤を混合等して、上記の用途に用いられる医薬品、医薬部外品又は食品を得ることができる。
【実施例】
【0038】
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0039】
〔試験方法〕
健常なボランティア250人を対象とし、8週間毎日、酵素分解ローヤルゼリー(商品名:アピセラピー調製ローヤルゼリー粉末,山田養蜂場本社製,1,333mg/日)を飲用してもらった。エントリー時(飲用開始前)、及び8週間の飲用後に「皮膚のかゆみ」という症状を4段階のスコア(1:ほとんどない、2:まれにある、3:時々ある、4:頻繁にある)で評価するアンケートを実施した。
【0040】
アンケート結果からクロス集計表を作成し、飲用開始前と飲用後のスコアをWilcoxon符号付順位和検定により解析した。表1に解析結果を示す。
【表1】
【0041】
ローヤルゼリーの飲用により「皮膚のかゆみ」という症状の発生頻度の低減、又は症状の発生の抑制が観察され、当該症状はp=0.0269で有意に改善された(表1)。