(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係る入浴装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。たたし、本発明の理解を容易にするために、本出願人が先行して開発した入浴装置と、その課題について先に説明してから、本発明の実施形態に係る入浴装置の説明に入る。
<先行開発の入浴装置>
【0018】
図1及び
図2は、先行開発の入浴装置100を模式的に示した側面図である。
図1は、入浴者を入浴させる前の待機状態を示した図である。
図2は、入浴者を入浴させる状態を示した図である。
図1及び
図2においては、入浴装置100を側面から見た場合に本来見えない部分が、一部見えるように描かれている。
【0019】
図1及び
図2に示すように、先行開発の入浴装置100は、床F上に固定配置される架台1と、この架台1上に配置される浴槽2とを備えている。その他、入浴装置100は、
図1及び
図2おいては不図示の担架を備える。入浴者は、担架に載せられた状態で、浴槽2内に溜められた湯に浸かる。
【0020】
架台1には、上下方向(鉛直方向)に延びる支柱11が立設されている。支柱11は、浴槽2の底壁21を液密に貫通している。浴槽2は、支柱11に沿って昇降動可能に設けられている。浴槽2の昇降は、架台1上に設けられる不図示の昇降手段によって行われる。
【0021】
なお、昇降手段の構成は特に限定されるものではないが、入浴装置100においては、昇降手段は、Xリンク機構と昇降シリンダー(例えば油圧シリンダー)とを用いて構成されている。昇降シリンダーのピストンの伸縮によって、Xリンク機構が上下方向に伸縮し、このXリンク機構の伸縮によって、浴槽2が昇降する。
図1は浴槽2が最下位まで下げられた状態を示し、
図2は浴槽2が最上位まで上げられた状態を示している。
【0022】
支柱11の上面部には、支持フレーム12(本発明の支持部の一例)が固設されている。支持フレーム12は、支柱11から浴槽2の長手方向の一方側(足が配置される側)に向けて大きく延び出し、担架を載せる担架台13を回動可能に支持している。当該回動の中心は、支持フレーム12に固定配置され、担架台13の一端部側(浴槽2の長手方向に平行な方向の一端部側、
図1及び
図2において左端側)に連結されるシャフト14が担う。担架台13は、シャフト14を中心として回動することにより、傾斜角度を変更する。
【0023】
担架台13の下面側には、例えば油圧シリンダーで構成されるチルトシリンダー3(本発明のチルト手段の一例)のピストン31の先端側が連結されている。チルトシリンダー3の本体部分は、中空に設けられる支柱11内に固定配置されている。チルトシリンダー3のピストン31は、支柱11の上面を液密に貫通し、支柱11の上面から突出している。ピストン31の支柱11上面からの突出量の変動によって、担架台13はシャフト14を中心として回動し、その傾斜角度を変える。なお、
図1は、担架台13が水平な状態(傾斜角度0°)を示している。
図2は、担架台13が水平から所定角度だけ傾いた状態を示している。
【0024】
その他、担架台13の上面には、担架を移動可能に支持するためのレール131が設けられている。レール131は、浴槽2の長手方向に垂直な方向(
図1及び
図2において紙面と垂直な方向)に延びている。
【0025】
次に、以上のように構成される入浴装置100を用いて、入浴者が入浴する場合の入浴装置100の動作について、
図1及び
図2に加えて、
図3から
図5も参照しながら説明する。なお、
図3から
図5は、先行開発の入浴装置100の動作を説明するための概略側面図である。
図3は、
図1に、入浴者Mが載った担架4を追加した図である。
図5は、
図2に、入浴者Mが載った担架4を追加した図である。
図4は、
図3の状態から
図5の状態に移行する途中の状態を示す図である。
【0026】
入浴者Mが入浴装置100を用いて入浴を行う場合、
図1に示すように、浴槽2は最下位まで下げられ、担架台13は水平とされる。この状態では、担架台13は、浴槽2の上縁よりも少し高い位置に位置する(浴槽外に出ている)。また、担架台13が水平姿勢になっている状態では、チルトシリンダー3のピストン31は、支柱11の上面から大きく突出している。
【0027】
次に、
図1に示す状態の浴槽2の側面(長手方向の側面)に、担架4(入浴者Mが載っている)が載せられたストレッチャー(不図示)が横付けされる。そして、
図3に示すように、ストレッチャー上の担架4が、浴槽2の側面から担架台13に移送される。担架4の下部側には、ローラーR1、R2が取り付けられており、当該ローラーR1、R2がレール131に沿って転がることによって、担架4は担架台13に移送される。
【0028】
なお、ローラーR1は、レール131の上面に当接し、ローラーR2は、レール131の側面に当接する。また、担架台13に移された担架4が脱落しないように、担架4は、不図示のロック機構によって担架台13に固定される。
【0029】
担架台13の所定の位置に担架4が載せられると、浴槽2が不図示の昇降手段によって最上位まで上昇される。これにより、
図4に示すように、担架4を載せた担架台13が、浴槽外から浴槽内に入る。この際、担架4も浴槽内に入るが、担架4に載った入浴者Mは、一部が湯に浸かるだけで、上半身の多くの部分が湯から出ている。すなわち、入浴者Mは、十分な入浴状態を得られていない。
【0030】
浴槽2が最上位まで上昇されると、次に、チルトシリンダー3のピストン31が縮められ、担架4を載せた担架台13が、
図5に示すように、水平姿勢から所定の角度(例えば20°程度)に傾けられる。担架台13が傾くと、担架4も傾く。この際、担架4の、入浴者Mの上半身側が載せられる部分は、浴槽2の底壁に押されて折れ曲がるようになっている。このために、担架台13を傾斜させることによって、入浴者Mの頭が湯の中に入ってしまうことを避けつつ、入浴者Mを肩口まで湯に浸からせることができる。
【0031】
入浴装置100によれば、チルトシリンダー3を用いて担架台13を水平姿勢から傾斜姿勢とできるために、浴槽2を上昇させる量を抑制しつつ、入浴者Mを肩口まで湯に浸からせることが可能である。このために、背の低い介助者でも、入浴中における介助作業を楽に行うことができる。なお、出浴時には、以上と逆の動作が行われる。
【0032】
ところで、先行開発の入浴装置100における担架4は、入浴者Mの安全面等を考慮して、担架4の足先側が曲がらない構成になっている。このために、担架台13が水平姿勢から傾斜姿勢になった場合に、
図5に示すように、入浴者Mの足先が湯から出てしまうことがあった。足先が湯から出てしまうと、入浴者Mは十分に体を温められず、快適な入浴ができない。本発明の実施形態に係る入浴装置は、このような点を改善するための工夫が施されている。以下、本発明の実施形態(本実施形態)に係る入浴装置について説明する。
<本実施形態の入浴装置>
【0033】
本実施形態の入浴装置は、入浴者を載せる担架の一部の構成と、担架を載せる担架台及びその周辺の一部の構成とが、先行開発の入浴装置100と異なるのみである。このため、先行開発の入浴装置100と異なる部分に絞って説明を行う。また、先行開発の入浴装置100と重複する部分については同一の符号を付し、特に説明の必要がない場合には、その説明を省略する。
【0034】
図6は、本発明の実施形態に係る入浴装置が備える担架4の一部を拡大して示した概略斜視図である。担架4は、ベースフレーム部41と、ベースフレーム部41に対して回動可能に設けられる脚フレーム部42と、を備えている。なお、ベースフレーム部41は、本発明の第1のフレーム部の一例であり、脚フレーム部42は、本発明の第2のフレーム部の一例である。また、ベースフレーム部41及び脚フレーム部42には、適宜、不図示のカバー部材が取り付けられる。
【0035】
ベースフレーム部41は、担架台13に設けられるレール131と係合する2種類のローラーR1、R2を備え、担架台13に対して固定可能に設けられている。なお、ベースフレーム部41には、脚フレーム部42が取り付けられる側とは反対側に、背凭れフレーム部43(後述の
図9参照)が回動可能に取り付けられている。
【0036】
脚フレーム部42は、主に入浴者Mの足先が載せられる部分を構成する。脚フレーム部42は、ベースフレーム部41に回動可能に支持される脚部回動支軸421を備える。すなわち、脚フレーム部42は、脚部回動支軸421を中心としてベースフレーム部41に対して回動可能になっている。脚フレーム部42は、担架4としての機能を発揮するために、通常は
図6に示すようにベースフレーム部41からほぼ真っ直ぐに延び出していることが望まれる。このために、重力の作用によって脚フレーム部42が下向き(
図6のX1方向)回動しないように、ロック手段50が設けられている。
【0037】
なお、脚フレーム部42は、
図6の矢印X2方向(脚フレーム部42を持ち上げる方向)に多少回動できるようになっているが、ベースフレーム部41との衝突によって、その回動量は限られている。
【0038】
ロック手段50は、
図6に示すように、ベースフレーム部41に回動可能に支持されるロック解除用回動支軸411の一端部に固着される第1のロック片51と、脚部回動支軸421の一端部(第1のロック片51が設けられるのと同じ側の端部)に固着される第2のロック片52と、を含む。脚フレーム部42がベースフレーム部42に対してほぼ真っ直ぐに延び出した状態(
図6に示す状態が該当)になった場合、第1のロック片51の一辺と第2のロック片52の一辺とが当接する。このために、重力の作用によって脚フレーム部42が回動しようとしても、第2のロック片52の回動が第1のロック片51によって邪魔される。したがって、
図6に示す状態において、脚フレーム部42が、重力の作用によって下向き(X1方向)に回動することはない。
【0039】
なお、第1のロック片51は、ロック解除用回動支軸411の一端部に設けられているが、場合によっては両端部に設けられてもよい。また、第2のロック片52は、脚部回動支軸421の一端部に設けられているが、場合によっては両端部に設けられてもよい。
【0040】
本実施形態の入浴装置は、
図6及び
図7に示すように、担架4が担架台13に載せられた場合に、ロック手段50によるロックを解除するロック解除手段60を備える。ロック解除手段60は、担架4のみならず、担架台13及び担架台13を支持する支持台12にも備えられている。なお、
図7は、本発明の実施形態に係る入浴装置が備える担架台13の周辺構成を示す概略斜視図である。
【0041】
ロック解除手段60は、
図6に示すように、略矩形状に設けられる脚フレーム部42の幅方向の略中央部に設けられる持ち上げ用ドック61を含む。持ち上げ用ドック61は、脚フレーム部42の下面から突出する。持ち上げ用ドック61は、側面視略台形の枠体形状に設けられ、下端部611の両側面部には、斜め上方に向けて突出する一対のベロ部612が設けられている。
【0042】
また、ロック解除手段60は、
図6に示すように、ロック解除用回動支軸411の幅方向の略中央部に設けられるロック解除レバー62を含む。ロック解除レバー62は、ロック解除用回動支軸411から斜め下方(ベースフレーム部41に向かう方向)に向けて突出する。ロック解除レバー62は、丸棒状に設けられ、その先端部は丸みを帯びている。
【0043】
また、ロック解除手段60は、
図7に示すように、支持部12の長手方向の一端から突出する突片121上に設けられる持ち上げ用ブロック63を含む。持ち上げ用ブロック63は、略角錐台状に設けられる。
【0044】
また、ロック解除手段60は、
図7に示すように、担架台13の長手方向の一端から突出する突片132上に設けられるロック解除用ブロック64を含む。ロック解除用ブロック64は略台形柱状に設けられる。
【0045】
持ち上げ用ブロック63とロック解除用ブロック64は、一例として、いずれも浴槽2の幅方向(
図7の矢印Y方向、
図1の紙面と直交する方向)の中央に配置されている。ただし、持ち上げ用ブロック63の方が、ロック解除用ブロック64に比べて、浴槽2の幅方向の長さが大きく設けられている。
【0046】
図8は、本発明の実施形態に係る入浴装置が備えるロック解除手段60の作用を説明するための概略側面図である。
図8を参照しながら、ロック解除手段60の作用について説明する。
図8(a)は、第1のロック片51と第2のロック片52とが当接して、ロック手段50によって、第2のフレーム部42が第1のフレーム部41に対して回動しないようにロックされた状態である。例えば担架4がストレッチャー上に載っている場合には、ロック手段50は
図8(a)に示す状態になっている。
【0047】
ストレッチャー上の担架4が浴槽2の側面から担架台13に移送される場合、移送の途中で、持ち上げ用ドック61のベロ部612が持ち上げ用ブロック63に当たる。両者が当たった状態で担架4の移送を続けると、脚フレーム部42が持ち上げられる方向(
図6のX2方向)に回動して、持ち上げ用ドック61が持ち上げ用ブロック63上に乗り上げた状態になる(
図8(b)参照)。
【0048】
持ち上げ用ドック61の下端部611(
図6参照)が持ち上げ用ブロック63の上面に載って脚フレーム部42が持ち上げられると、第1のロック片51と第2のロック片52との間に隙間が生じる(
図8(b)参照)。これにより、第1のロック片51は回動可能になる。この状態で更に担架4の移送を続けると、次に、ロック解除レバー62がロック解除用ブロック64に当たる。この状態で更に移送を続けると、ロック解除レバー62は、ロック解除用ブロック64に押し上げられる。これにより、ロック解除用回動支軸411(
図6参照)と共に第1のロック片51が回動(
図6のX1方向に回動)し、第2のロック片52の回動が第1のロック片52によって阻止される状態が解消する(
図8(c)参照)。すなわち、ロック手段50によるロックが解除される。
【0049】
なお、担架4の担架台13への移送が完了した状態においては、ロック手段50及びロック解除手段60は、
図8(c)に示す状態になる。
図8(c)に示す状態では、持ち上げ用ドック61は持ち上げ用ブロック63に載った状態である。このために、ロック手段50によるロックが解除されても、脚フレーム部42がベースフレーム部41に対して即座に相対回動するわけではない。
【0050】
図8(c)に示す状態(すなわち担架4の担架台13への移送が完了した状態)で、チルトシリンダー3を用いて担架台13を水平姿勢から傾斜姿勢へと変更すると、ロック手段50によるロックが解除されているために、脚フレーム部42はベースフレーム部41に対して相対回動する。詳細には、ベースフレーム部41と脚フレーム部42とのうち、ベースフレーム部41のみが担架台13と動きを共にする。そして、脚フレーム部42は、重力の作用によってベースフレーム部41に対して相対回動して折れ曲がった状態になる(
図8(d)参照)。なお、本実施形態では、この状態でも、脚フレーム部42は、持ち上げ用ブロック63に支持された状態になっている。
【0051】
この結果、
図9に示すように、本実施形態では、脚フレーム部42に載せられた入浴者Mの足先が、浴槽2内の湯から出てしまうという事態を抑制できる。担架台13を傾斜姿勢から水平姿勢へと戻し、担架4を担架台13からストレッチャーに移送する際には、ロック手段50及びロック解除手段60は以上と逆の動作を行う。なお、
図9は、本発明の実施形態に係る入浴装置における、入浴者Mの入浴状態を模式的に示した側面図である。
【0052】
ところで、担架台13が水平状態から傾斜される場合に、浴槽2内に溜められた湯から受ける浮力によって、脚フレーム部42が適切に下向きに折れ曲がった状態にならない事態が起こり得る。脚フレーム42が適切に下向きに折れ曲がらないと、入浴者Mの足先が湯から出てしまう可能性がある。例えば、脚フレーム部42にブロー成形等によって形成されたカバーが取り付けられる場合等に、浮力の影響を受けやすくなる。
【0053】
そこで、本実施形態においては、
図10に示すように、担架台13が水平状態から傾斜される場合に、脚フレーム部42のベースフレーム部41に対する回動を第1の方向に規制する第1規制手段70が設けられている。第1の方向は、
図10において反時計回り方向であり、浴槽2内の湯から受ける浮力によって脚フレーム部42がベースフレーム部41に対して回動する方向とは反対方向である。
【0054】
なお、
図10は、本発明の実施形態に係る入浴装置が備える規制手段について説明するための概略側面図である。
図10は、担架4の担架台13への移送が完了した状態(
図8(c)と同様の状態)を示している。
図10に示す状態では、担架台13は水平(傾斜角度0°)である。
【0055】
図10における持ち上げ用ドック61及び持ち上げ用ブロック63は、先に説明したものと形状が多少異なるが、その作用は概ね同様であるために詳細な説明は省略する。ただし、
図10に示す構成では、持ち上げ用ブロック63の上部に窪みが設けられている。この影響で、担架4が所定の位置に配置された状態(担架4の担架台13への移送が完了した状態)で、脚フレーム部42は、ベースフレーム部41からほぼ水平方向に真っ直ぐに延出した状態になっている。
【0056】
図10に示すように、第1規制手段70は、担架4の持ち上げ用ドック61に固着される丸型の棒状部材71を含む。棒状部材71は、
図10において、紙面と垂直な方向に延在している。また、第1規制手段70は、板状部材を折り曲げ加工して得られる折り曲げ部材72を含む。折り曲げ部材72は、担架台13を支持する支持部12(より詳細には支持部12から延出する部分)に固着される。
【0057】
図11は、第1規制手段70を構成する棒状部材71及び折り曲げ部材72を上から見た概略平面図である。
図10及び
図11に示すように、折り曲げ部材72は、その傾斜部72aで棒状部材71を覆うように配置される。なお、
図11に示すように、折り曲げ部72には切り欠き72bが設けられるが、これは、持ち上げ用ドック61が折り曲げ部材72に衝突するのを防ぐためである。
【0058】
図12は、本発明の実施形態に係る入浴装置が備える規制手段の作用を説明するための概略側面図である。
図12(a)は、
図10に示す状態から担架台13が10°程度傾斜された状態を示す図である。
図12(b)は、
図10に示す状態から担架台13が20°程度傾斜された状態を示す図である。
【0059】
水平状態にある担架台13が傾斜を開始すると、
図12(a)に示すように、棒状部材71が折り曲げ部材72と当接するようになる。このために、担架台13の傾斜角を大きくしていく場合、たとえ脚フレーム部42に浮力が加わっても、脚フレーム部42のベースフレーム部41に対する回動は、下向きに折れ曲がる方向(
図12において反時計回り方向)に規制される。したがって、
図12(b)に示すように、担架台13の傾斜を大きくしていくと、脚フレーム部42はベースフレーム部41に対して十分曲がった状態になり、入浴者Mの足先が湯から出てしまうことを防止できる。
【0060】
なお、担架台13を
図12(b)に示す傾斜状態から
図10に示す水平状態に戻す場合には、持ち上げ用ドック61が持ち上げ用ブロック63に当接するために、脚フレーム部42のベースフレーム部41に対する回動は、上向き方向(
図12において時計回り方向)に規制される。したがって、担架台13の傾斜角を小さくしていくと、脚フレーム部41は、ベースフレーム部41に対してほぼ真っ直ぐに延出した状態に戻る。
【0061】
前述の上向き方向は、第1規制手段70による規制方向と逆向きであり、本発明の第2の方向に相当する。すなわち、持ち上げ用ドック61と持ち上げ用ブロック63とは、担架台13を傾斜角が小さくなる方向に動かす場合に、脚フレーム部42のベースフレーム部41に対する回動を第2の方向に規制する第2規制手段80と言える。
<その他>
【0062】
以上に示した実施形態は、本発明の例示にすぎない。以上に示した実施形態の構成は、本発明の技術的思想を超えない範囲で適宜変更されて構わない。
【0063】
例えば、担架台13を傾斜角が大きくなる方向に動かす場合に、脚フレーム部42のベースフレーム部41に対する回動を第1の方向(
図10において反時計回り方向)に規制する第1規制手段は、
図13に示すような引っ張りバネ90を用いる構成等としてもよい。
【0064】
図13において、引っ張りバネ90は、一端が脚フレーム部42の一部に取り付けられ、他端がベースフレーム部41に支持されるロック解除用回動支軸411に取り付けられている。引っ張りバネ90は、その付勢力によって、担架台13が水平姿勢から傾斜姿勢へと変更される際に、脚フレーム部42が回動する方向を
図13におけるX1方向(第1の方向)に規制する。なお、引っ張りバネ70の数や取付け位置は適宜変更して構わない。
【0065】
また、以上においては、チルト手段として油圧式のシリンダーを利用したが、これは一例にすぎない。チルト手段は、例えばモーターで駆動するスクリューネジを用いて構成する等しても構わない。
【0066】
また、以上においては、浴槽2が昇降するタイプの入浴装置に本発明が適用される場合を示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。すなわち、本発明は、浴槽の昇降機能の有無にかかわらず、担架台をチルト(傾斜)させる機能を有する入浴装置に広く適用可能である。