(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6514916
(24)【登録日】2019年4月19日
(45)【発行日】2019年5月15日
(54)【発明の名称】絶縁同期整流型DC/DCコンバータ、2次側モジュール、それを用いた電源装置、電源アダプタおよび電子機器
(51)【国際特許分類】
G05F 1/00 20060101AFI20190425BHJP
H02M 3/28 20060101ALI20190425BHJP
H02M 7/21 20060101ALI20190425BHJP
【FI】
G05F1/00 M
H02M3/28 Z
H02M7/21 A
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-41610(P2015-41610)
(22)【出願日】2015年3月3日
(65)【公開番号】特開2016-162301(P2016-162301A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2018年2月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】菊池 弘基
(72)【発明者】
【氏名】清水 亮
【審査官】
佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2005/0248964(US,A1)
【文献】
特開2004−312954(JP,A)
【文献】
特開2011−200083(JP,A)
【文献】
特開2006−054961(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0169050(US,A1)
【文献】
特開2002−247844(JP,A)
【文献】
特開2010−074959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 1/00
H02M 3/28
H02M 7/21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁同期整流型のDC/DCコンバータの2次側に配置される2次側モジュールであって、
同期整流トランジスタを制御する同期整流コントローラと、
前記DC/DCコンバータの出力電圧とその目標値の誤差に応じた電流を生成するシャントレギュレータと、
を備え、単一のパッケージに収容され、
前記シャントレギュレータと接続される複数のピンのすべてが、パッケージの第1辺に沿って配置されるとともに、前記同期整流コントローラと接続される複数のピンのうち前記同期整流トランジスタと接続されて電位が変動するピンが、前記第1辺と対向する第2辺に沿って配置されることを特徴とする2次側モジュール。
【請求項2】
前記同期整流コントローラと接続される複数のピンのすべてが、前記第2辺に沿って配置されることを特徴とする請求項1に記載の2次側モジュール。
【請求項3】
絶縁同期整流型のDC/DCコンバータの2次側に配置される2次側モジュールであって、
同期整流トランジスタを制御する同期整流コントローラと、
前記DC/DCコンバータの出力電圧とその目標値の誤差に応じた電流を生成するシャントレギュレータと、
を備え、単一のパッケージに収容され、
前記シャントレギュレータと接続される複数のピンのすべてが、パッケージの第1辺に沿って配置され、
前記同期整流コントローラと接続される複数のピンのうち、前記同期整流トランジスタのドレインと接続されるピンは、前記第1辺側に配置されることを特徴とする2次側モジュール。
【請求項4】
前記同期整流コントローラと前記シャントレギュレータは、別々の独立した半導体チップに集積化されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の2次側モジュール。
【請求項5】
絶縁同期整流型のDC/DCコンバータの2次側に配置される2次側モジュールであって、
同期整流トランジスタを制御する同期整流コントローラと、
前記DC/DCコンバータの出力電圧とその目標値の誤差に応じた電流を生成するシャントレギュレータと、
を備え、単一のパッケージに収容され、
前記同期整流コントローラと接続されるピンの数がM個(Mは2以上の整数)、前記シャントレギュレータと接続されるピンの数がN個(Nは2以上の整数)、パッケージの1辺あたりのピンの個数がK個(Kは2以上の整数)であり、K<M、K>Nであり、
前記シャントレギュレータと接続されるすべてのピンが前記パッケージの第1辺に沿って配置され、
前記同期整流コントローラと接続される複数のピンのうちK個が、前記パッケージの前記第1辺と対向する第2辺に沿って配置され、前記同期整流コントローラと接続される複数のピンのうち(M−K)個が、前記パッケージの前記第1辺に沿って配置されることを特徴とする2次側モジュール。
【請求項6】
絶縁同期整流型のDC/DCコンバータの2次側に配置される2次側モジュールであって、
同期整流トランジスタを制御する同期整流コントローラと、
前記DC/DCコンバータの出力電圧とその目標値の誤差に応じた電流を生成するシャントレギュレータと、
を備え、単一のパッケージに収容され、
前記同期整流コントローラと接続されるピンの数がM個(Mは2以上の整数)、前記シャントレギュレータと接続されるピンの数がN個(Nは2以上の整数)、パッケージの1辺あたりのピンの個数がK個(Kは2以上の整数)であり、K≧M、K≧Nであり、前記シャントレギュレータと接続されるすべてのピンが前記パッケージの第1辺に沿って配置され、前記同期整流コントローラと接続されるすべてのピンが前記パッケージの前記第1辺と対向する第2辺に沿って配置されるとともに、前記M個のピンのうち少なくともひとつは、前記同期整流トランジスタと接続されて電位が変動することを特徴とする2次側モジュール。
【請求項7】
絶縁同期整流型のDC/DCコンバータであって、
1次巻線および2次巻線、補助巻線を有するトランスと、
前記トランスの前記1次巻線と接続されるスイッチングトランジスタと、
前記トランスの前記2次巻線と接続される同期整流トランジスタと、
前記トランスの前記補助巻線と接続されるアノードを有するダイオードと、
前記ダイオードのカソードと前記同期整流トランジスタのソースの間に設けられるキャパシタと、
フォトカプラと、
前記フォトカプラの出力側と接続され、前記フォトカプラからのフィードバック信号に応じて前記スイッチングトランジスタをスイッチングする1次側コントローラと、
前記同期整流トランジスタを制御する請求項1から6のいずれかに記載の2次側モジュールと、
を備えることを特徴とするDC/DCコンバータ。
【請求項8】
商用交流電圧をフィルタリングするフィルタと、
前記フィルタの出力電圧を全波整流するダイオード整流回路と、
前記ダイオード整流回路の出力電圧を平滑化し、直流入力電圧を生成する平滑キャパシタと、
前記直流入力電圧を降圧し、負荷に供給する請求項7に記載のDC/DCコンバータと、
を備えることを特徴とする電源装置。
【請求項9】
負荷と、
商用交流電圧をフィルタリングするフィルタと、
前記フィルタの出力電圧を全波整流するダイオード整流回路と、
前記ダイオード整流回路の出力電圧を平滑化し、直流入力電圧を生成する平滑キャパシタと、
前記直流入力電圧を降圧し、負荷に供給する請求項7に記載のDC/DCコンバータと、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項10】
商用交流電圧をフィルタリングするフィルタと、
前記フィルタの出力電圧を全波整流するダイオード整流回路と、
前記ダイオード整流回路の出力電圧を平滑化し、直流入力電圧を生成する平滑キャパシタと、
前記直流入力電圧を降圧し、負荷に供給する請求項7に記載のDC/DCコンバータと、
を備えることを特徴とする電源アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁同期整流型DC/DCコンバータに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビや冷蔵庫をはじめとするさまざまな家電製品は、外部からの商用交流電力を受けて動作する。ラップトップ型コンピュータ、携帯電話端末やタブレット端末をはじめとする電子機器も、商用交流電力によって動作可能であり、あるいは商用交流電力によって、機器に内蔵の電池を充電可能となっている。こうした家電製品や電子機器(以下、電子機器と総称する)には、商用交流電圧をAC/DC(交流/直流)変換する電源装置(AC/DCコンバータ)が内蔵される。あるいは電子機器の外部の電源アダプタ(ACアダプタ)にAC/DCコンバータが内蔵される場合もある。
【0003】
図1は、本発明者が検討したAC/DCコンバータ100rの基本構成を示すブロック図である。AC/DCコンバータ100rは主としてフィルタ102、整流回路104、平滑キャパシタ106およびDC/DCコンバータ200rを備える。
【0004】
商用交流電圧V
ACは、ヒューズおよび入力キャパシタ(不図示)を介してフィルタ102に入力される。フィルタ102は、商用交流電圧V
ACのノイズを除去する。整流回路104は、商用交流電圧V
ACを全波整流するダイオードブリッジ回路である。整流回路104の出力電圧は、平滑キャパシタ106によって平滑化され、直流電圧V
INに変換される。
【0005】
絶縁型のDC/DCコンバータ200rは、入力端子P1に直流電圧V
INを受け、それを降圧して、目標値に安定化された出力電圧V
OUTを生成し、出力端子P2と接地端子P3の間に接続される負荷(不図示)に供給する。
【0006】
DC/DCコンバータ200rは、1次側コントローラ202、フォトカプラ204、シャントレギュレータ206、出力回路210、同期整流コントローラ300r、およびその他の回路部品を備える。出力回路210は、トランスT1、ダイオードD1、出力キャパシタC1、スイッチングトランジスタM1、同期整流トランジスタM2を含む。出力回路210のトポロジーは、一般的な同期整流型のフライバックコンバータのそれであるため、説明を省略する。
【0007】
トランスT1の1次巻線W1と接続されるスイッチングトランジスタM1がスイッチングすることにより、入力電圧V
INが降圧され、出力電圧V
OUTが生成される。そして1次側コントローラ202は、スイッチングトランジスタM1のスイッチングのデューティ比を調節する。
【0008】
DC/DCコンバータ200rの出力電圧V
OUTは、抵抗R1、R2により分圧される。シャントレギュレータ206のカソード(K)端子は、フォトカプラ204の入力側の発光素子(発光ダイオード)と接続され、アノード(A)端子は接地される。シャントレギュレータ206の基準(REF)端子には、分圧された電圧(電圧検出信号)V
OUT_Sが入力される。シャントレギュレータ206は誤差増幅器を含み、電圧検出信号V
OUT_Sと所定の基準電圧V
REF(不図示)の誤差を増幅し、誤差に応じた誤差電流I
ERRを生成し、フォトカプラ204の入力側の発光素子(発光ダイオード)から引き込む(シンク)。
【0009】
フォトカプラ204の出力側の受光素子(フォトトランジスタ)には、2次側の誤差電流I
ERRに応じたフィードバック電流I
FBが流れる。このフィードバック電流I
FBが、抵抗およびキャパシタにより平滑化され、1次側コントローラ202のフィードバック(FB)端子に入力される。1次側コントローラ202は、FB端子の電圧(フィードバック電圧)V
FBにもとづいてスイッチングトランジスタM1のデューティ比を調節する。
【0010】
同期整流コントローラ300rは、スイッチングトランジスタM1のスイッチングと同期して、同期整流トランジスタM2をスイッチングする。同期整流コントローラ300rは、スイッチングトランジスタM1のスイッチングと同期したパルス信号を生成する。たとえばパルス発生器は、スイッチングトランジスタM1がターンオフすると、パルス信号を、同期整流トランジスタM2のオンを指示する第1状態(たとえばハイレベル)とする。また同期整流コントローラ300rは、同期整流トランジスタM2のオン期間に2次巻線W2に流れる電流I
Sが実質的にゼロになると、パルス信号を同期整流トランジスタM2のオフを指示する第2状態(ローレベル)とする。同期整流コントローラ300rは、このパルス信号に応じて同期整流トランジスタM2をスイッチングする。
【0011】
トランスT1の2次側には補助巻線W4が設けられる。補助巻線W4、ダイオードD4、キャパシタC4は、第2のコンバータを形成しており、スイッチングトランジスタM1のスイッチングに応じてキャパシタC4の両端間には、直流電圧V
DCが発生する。
【0012】
同期整流コントローラ300rの接地(GND)端子は、同期整流トランジスタM2のソースと接続され、同期整流コントローラ300rの電源(VCC)端子は、ダイオードD4とキャパシタC4の接続点の電圧V
CC1が供給される。同期整流トランジスタM2のソース電圧V
Sは、スイッチングトランジスタM1のスイッチングに応じてダイナミックに変動し、したがって同期整流コントローラ300rの基準電圧もダイナミックに変動するが、このときVCC端子の電圧V
CC1は、V
CC1=V
S+V
DCを保ちながら変動するため、同期整流コントローラ300rは、V
DCを電源電圧として動作する。
【0013】
以上がAC/DCコンバータ100rの全体構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2010−074959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明者らは、
図1のAC/DCコンバータ100rにおいて、シャントレギュレータ206とフォトカプラ204を、同一モジュールに1パッケージ化することを検討した。以下、このモジュールを2次側モジュール400rと称する。
【0016】
図2は、本発明者らが検討した2次側モジュール400rのピン配置を示す図である。たとえば2次側モジュール400rは、SOP(Small Outline Package)構造あるいはDIP(Dual Inline Package)構造を有する。
【0017】
2次側モジュール400rは、ドレイン(DRAIN)ピン(端子)、スイッチングレギュレータ用の接地(SR_GND)ピン、ゲート(GATE)ピン、電源(VCC)ピン、設定(SET)ピン、シャントレギュレータ用入力(SH_IN)ピン、シャントレギュレータ用出力(SH_OUT)ピン、シャントレギュレータ用接地(SH_GND)ピン、を備える。
【0018】
DRAINピンは、DC/DCコンバータ200rの実装基板上で、同期整流トランジスタM2のドレイン、すなわち出力端子P2と接続される。またDRAINピンは、2次側モジュール400rの内部において、同期整流コントローラ300rの半導体チップに形成された、VD端子に対応するVDパッドと接続される。
【0019】
SR_GNDピンは、DC/DCコンバータ200rの実装基板上で、同期整流トランジスタM2のソースと接続される。またSR_GNDピンは、2次側モジュール400rの内部において、同期整流コントローラ300rの半導体チップに形成された、GND端子に対応するGNDパッドと接続される。
【0020】
GATEピンは、DC/DCコンバータ200rの実装基板上で、同期整流トランジスタM2のゲートと接続される。またGATEピンは、2次側モジュール400rの内部において、同期整流コントローラ300rの半導体チップに形成された、OUT端子に対応するOUTパッドと接続される。
【0021】
VCCピンは、DC/DCコンバータ200rの実装基板上で、キャパシタC4の一端と接続される。またVCCピンは、2次側モジュール400rの内部において、同期整流コントローラ300rの半導体チップに形成された、VCC端子に対応するVCCパッドと接続される。
【0022】
SETピンには、同期整流コントローラ300rの動作パラメータを設定するための回路素子が接続される。たとえばSETピンには、同期整流コントローラ300rにおいて使用されるタイマー時間を設定するための抵抗R
SET、あるいは時定数を設定するためのキャパシタ、電流値を設定するための抵抗などが接続されてもよい。
【0023】
SH_INピンは、DC/DCコンバータ200rの実装基板上で、抵抗R1とR2の接続ノードと接続される。またSH_INピンは、2次側モジュール400rの内部において、シャントレギュレータ206の半導体チップに形成された、基準(REF)端子に対応するREFパッドと接続される。
【0024】
SH_OUTピンは、DC/DCコンバータ200rの実装基板上で、フォトカプラ204の入力側の発光素子と接続される。またSH_OUTピンは、2次側モジュール400rの内部において、シャントレギュレータ206の半導体チップに形成された、カソード(K)端子に対応するKパッドと接続される。
【0025】
SH_GNDピンは、DC/DCコンバータ200rの実装基板上で接地される。またSH_GNDピンは、2次側モジュール400rの内部において、シャントレギュレータ206の半導体チップに形成された、アノード(A)端子に対応するAパッドと接続される。
【0026】
図2のDC/DCコンバータ200rでは以下の問題が発生する。
スイッチングトランジスタM1のオン期間において、同期整流トランジスタM2のソース電圧V
Sは、(V
OUT+V
F)付近となる。V
Fは同期整流トランジスタM2のボディダイオードの順方向電圧である。反対に、同期整流トランジスタM2のソース電圧V
Sは、スイッチングトランジスタM1のオフ期間において−V
IN×N
S/N
Pとなる。N
S、N
Pはそれぞれ、2次巻線W2、1次巻線W1の巻数である。
【0027】
したがって、同期整流トランジスタM2のソース電圧V
Sは、スイッチングトランジスタM1のスイッチングに応じて、非常に広い電圧範囲で変動し、同期整流コントローラ300rの基準電位(グランドプレーン)も、スイッチングトランジスタM1のスイッチングに応じてダイナミックに変動する。その一方で、シャントレギュレータ206の基準電位(グランドプレーン)は、接地電圧V
GNDである。
【0028】
図2のレイアウトでは、基準電位が異なる2つのチップに接続されるSR_GNDピンとSH_INピンが隣接して配置される。また、基準電位が異なる2つのチップに接続されるSETピンとSH_GNDピンが隣接して配置される。
【0029】
ここで、これらの電源プレーン(基準電位)が異なる回路に属する隣接する2個のピンが短絡(本明細書において、この短絡をクリティカルな隣接ピンショートという)すると、同期整流コントローラ300rのチップに形成される回路素子、および/またはシャントレギュレータ206のチップに形成される回路素子、あるいは同期整流トランジスタM2やトランスT1、ダイオードD4などの回路部品に、過電圧が印加され、および/または、過電流が流れて、回路の信頼性が低下するおそれがある。
【0030】
なおこの問題を当業者の一般的な認識と捉えてはならず、本発明者らが独自に認識したものである。
【0031】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、信頼性を高めた2次側モジュールの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明のある態様は、絶縁同期整流型のDC/DCコンバータの2次側に配置される2次側モジュールに関する。2次側モジュールは、同期整流トランジスタを制御する同期整流コントローラと、DC/DCコンバータの出力電圧とその目標値の誤差に応じた電流を生成するシャントレギュレータと、を備え、単一のパッケージに収容される。シャントレギュレータと接続される複数のピンすべては、パッケージの第1辺に沿って配置される。
【0033】
シャントレギュレータと接続される複数のピンを、複数の辺に分散して配置した場合、複数の辺それぞれにおいて、シャントレギュレータのピンと同期整流コントローラのピンとが隣接することとなる。これに対してこの態様によれば、第1辺以外の辺においては、シャントレギュレータのピンと同期整流コントローラのピンが隣接しなくなり、言い換えれば、シャントレギュレータのピンと同期整流コントローラのピンが隣接している辺の個数を減らすことができ、信頼性を高めることができる。
【0034】
同期整流コントローラと接続される複数のピンのすべてが、パッケージの第1辺と対向する第2辺に沿って配置されてもよい。
この場合、シャントレギュレータのピンと同期整流コントローラのピンの隣接箇所がゼロとなるため、信頼性をさらに高めることができる。
【0035】
同期整流コントローラと接続される複数のピンのうち、同期整流トランジスタのドレインと接続されるピンは、第1辺側に配置されてもよい。
同期整流トランジスタのドレインは、DC/DCコンバータの出力電圧が発生する出力端子と接続され、DC/DCコンバータの出力電圧は、接地電圧を基準に生成され、スイッチングトランジスタのスイッチングに応じたダイナミックな変動は起こらず、実質的に一定レベルとなる。したがって、同期整流トランジスタのドレインと接続されるピンが、隣接するシャントレギュレータのピンとショートしたとしても、信頼性の低下を抑制できる。
【0036】
同期整流コントローラとシャントレギュレータは、別々の独立した半導体チップに集積化されてもよい。
【0037】
本発明の別の態様は、絶縁同期整流型のDC/DCコンバータに関する。DC/DCコンバータは、1次巻線および2次巻線、補助巻線を有するトランスと、トランスの1次巻線と接続されるスイッチングトランジスタと、トランスの2次巻線と接続される同期整流トランジスタと、トランスの補助巻線と接続されるアノードを有するダイオードと、ダイオードのカソードと同期整流トランジスタのソースの間に設けられるキャパシタと、フォトカプラと、フォトカプラの出力側と接続され、フォトカプラからのフィードバック信号に応じてスイッチングトランジスタをスイッチングする1次側コントローラと、同期整流トランジスタを制御する上述のいずれかの態様の2次側モジュールと、を備える。
【0038】
本発明の別の態様は、電源装置(AC/DCコンバータ)に関する。電源装置は、商用交流電圧をフィルタリングするフィルタと、フィルタの出力電圧を全波整流するダイオード整流回路と、ダイオード整流回路の出力電圧を平滑化し、直流入力電圧を生成する平滑キャパシタと、直流入力電圧を降圧し、負荷に供給する上述のDC/DCコンバータと、を備える。
【0039】
本発明の別の態様は、電子機器に関する。電子機器は、負荷と、商用交流電圧をフィルタリングするフィルタと、フィルタの出力電圧を全波整流するダイオード整流回路と、ダイオード整流回路の出力電圧を平滑化し、直流入力電圧を生成する平滑キャパシタと、直流入力電圧を降圧し、負荷に供給する上述のDC/DCコンバータと、を備える。
【0040】
本発明の別の態様は、ACアダプタに関する。ACアダプタは、商用交流電圧をフィルタリングするフィルタと、フィルタの出力電圧を全波整流するダイオード整流回路と、ダイオード整流回路の出力電圧を平滑化し、直流入力電圧を生成する平滑キャパシタと、直流入力電圧を降圧し、直流出力電圧を生成する上述のDC/DCコンバータと、を備える。
【0041】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0042】
本発明のある態様によれば、2次側モジュールの信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本発明者が検討したAC/DCコンバータの基本構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明者らが検討した2次側モジュールのピン配置を示す図である。
【
図3】実施の形態に係る2次側モジュールを備えるDC/DCコンバータのレイアウト図およびピン配置図である。
【
図4】第1変形例に係る2次側モジュールを備えるDC/DCコンバータのレイアウト図およびピン配置図である。
【
図5】第2変形例に係る2次側モジュールを備えるDC/DCコンバータのレイアウト図およびピン配置図である。
【
図6】第3変形例に係る2次側モジュールを備えるDC/DCコンバータのレイアウト図およびピン配置図である。
【
図7】第4変形例に係る2次側モジュールを備えるDC/DCコンバータのレイアウト図およびピン配置図である。
【
図8】
図8(a)、(b)は、シャントレギュレータの構成例を示す回路図である。
【
図9】第3変形例に係るDC/DCコンバータの回路図である。
【
図10】AC/DCコンバータを備えるACアダプタを示す図である。
【
図11】
図11(a)、(b)は、AC/DCコンバータを備える電子機器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0045】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合や、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0046】
図3は、実施の形態に係る2次側モジュール400を備えるDC/DCコンバータ200のレイアウト図およびピン配置図である。このDC/DCコンバータ200は、
図1のDC/DCコンバータ200rと同様に、AC/DCコンバータに使用可能である。またDC/DCコンバータ200の基本構成は
図1のDC/DCコンバータ200rの構成と同様である。
【0047】
2次側モジュール400は、同期整流コントローラ300が形成される半導体チップと、シャントレギュレータ206が形成される半導体チップ(ダイ)を備え、単一のパッケージに収容される。同期整流コントローラ300は、一次側におけるスイッチングトランジスタM1のスイッチングと同期して、同期整流トランジスタM2のターンオン、ターンオフを制御する。シャントレギュレータ206は、DC/DCコンバータ200の出力電圧V
OUTとその目標値の誤差に応じた誤差電流I
ERRを生成し、フォトカプラ204の発光ダイオードからシンクする。同期整流コントローラ300およびシャントレギュレータ206の具体的な構成は特に限定されず、公知技術あるいは将来利用可能な構成を採用すればよい。
【0048】
2次側モジュール400には、VCCピン、SR_GNDピン、GATEピン、DRAINピン、SETピン、SH_INピン、SHOUTピン、SH_GNDピンが設けられる。各ピンについては、
図2を参照して説明した通りである。なおSETピンの機能は特に限定されず、あるいはSETピンは省略されてもよい。
【0049】
たとえば2次側モジュール400は、SOP構造あるいはDIP構造でありえるが、QFP(Quad Flat Package)構造やその他のパッケージ構造を有してもよい。
【0050】
パッケージの複数のピンは、第1辺E1、第2辺E2に沿って第1方向に配置される。第1辺E1、第2辺E2それぞれのピン数Kは、
図3では4個である。同期整流コントローラ300が形成される半導体チップと、シャントレギュレータ206が形成される半導体チップは、第1方向に並べられている。
【0051】
シャントレギュレータ206と接続される複数N個(Nは2以上の整数)のピンはすべて、つまりSH_INピン、SH_OUTピン、SH_GNDピンはすべて、パッケージの第1辺E1に沿って隣接して配置される。なおシャントレギュレータ206と接続される複数のピン、すなわちSH_INピン、SH_OUTピン、SH_GNDピンの並び順は特に限定されず、シャントレギュレータ206のチップレイアウト、2次側モジュール400の外付け部品のレイアウト、DC/DCコンバータ200が実装される基板上の配線の引き回し等を考慮して決めればよい。同様に同期整流コントローラ300と接続される複数のピン、すなわちDRAINピン、SR_GNDピン、GATEピン、SETピンの並び順も特に限定されない。
【0052】
残りのピン、すなわち同期整流コントローラ300と接続される複数M個(Mは2以上の整数)のピンは、第1辺E1と対向している第2辺E2に集中的に配置される。同期整流コントローラ300と接続されるピン数Mが第2辺E2のピン数Kより多い場合、同期整流コントローラ300と接続される一部のピン(たとえばM−K個)は第1辺E1に配置してもよい。
【0053】
図3の2次側モジュール400では、VCCピンが、第1辺E1に配置され、DRAINピン、SR_GNDピン、GATEピン、SETピンは、第2辺E2に配置される。これにより、第1辺E1、第2辺E2のピン数が揃う。
【0054】
同期整流コントローラ300には、複数のピンに対応づけられる複数のパッドが形成される。DRAINピンにはVDパッドが、VCCピンにはVCCパッドが、SR_GNDピンにはGNDパッドが、GATEピンにはOUTパッドが、SETピンにはSETパッドが対応する。
【0055】
同様にシャントレギュレータ206には、複数のピンに対応づけられる複数のパッドが形成される。SH_INピンにはREFパッドが、SH_OUTピンにはカソード(K)パッドが、SH_GNDピンにはアノード(A)パッドが、対応する。
【0056】
互いに対応するパッドとピンは、ボンディングワイヤを介して電気的に接続される。したがって各パッドの位置は対応するピンの位置を考慮して、ワイヤボンディングが可能な位置に配置される。また各ピンに対応するパッドの個数は例示であり、特に限定されない。
【0057】
以上が2次側モジュール400およびそれを用いたDC/DCコンバータ200の構成である。続いてその利点を説明する。
【0058】
実施の形態に係る2次側モジュール400の利点は、
図2の2次側モジュール400rとの比較により明確となる。
【0059】
図2の2次側モジュール400rでは、シャントレギュレータ206と接続される複数のピンREF,K,Aが、複数の辺(
図3のE1,E2)に分散して配置される。その結果、ある辺E1において、シャントレギュレータ206のピン(
図2ではSH_IN)と同期整流コントローラ300rのピン(
図2ではSR_GND)とが隣接することとなる。また別の辺E2において、シャントレギュレータ206のピン(
図2ではSH_GND)と同期整流コントローラ300rのピン(
図2ではSET)とが隣接することとなる。つまり2つの辺において、クリティカルな隣接ピンショートによる信頼性の低下のリスクが存在する。
【0060】
これに対して本実施の形態に係る2次側モジュール400によれば、シャントレギュレータ206の複数のピンをすべて、第1辺E1に集中的に配置しているため、第1辺E1以外の辺E2においては、シャントレギュレータ206のピンと同期整流コントローラ300のピンが隣接しなくなる。
【0061】
図3の2次側モジュール400では、同期整流コントローラ300のピン数M(ここでは5個)が、1つの辺に配置可能なピン数K(ここでは4個)よりも多いため、同期整流コントローラ300のVCCピンが、第1辺E1側に配置される。第2辺E2側においてクリティカルな隣接ピンショートによる信頼性低下は生じない。第1辺E1側においては、VCCピンとSH_INピンのクリティカルな隣接ピンショートが、信頼性低下の要因となりうるが、抵抗R3を挿入することで、信頼性を高めることができる。
【0062】
このように、本実施の形態によれば、シャントレギュレータ206のピンと同期整流コントローラ300のピンが隣接している辺の個数が1もしくはゼロとなり、
図2に比べて少なくなる。その結果、クリティカルな隣接ピンショートが発生する確率を低下させ、クリティカルな隣接ピンショートによる信頼性の低下を抑制し、また信頼性を高めることができる。
【0063】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0064】
(第1変形例)
図4は、第1変形例に係る2次側モジュール400aを備えるDC/DCコンバータ200aのレイアウト図およびピン配置図である。この変形例では、同期整流コントローラ300と接続される複数のピンのうち、同期整流トランジスタM2のドレインと接続されるDRAINピンが、第1辺E1側に配置される。
【0065】
同期整流トランジスタM2のドレインは、DC/DCコンバータ200aの出力電圧V
OUTが発生する出力端子P2と接続される。ここでDC/DCコンバータ200aの出力電圧V
OUTは、接地電圧V
GNDを基準に生成されるため、スイッチングトランジスタM1のスイッチングに応じたダイナミックな変動は起こらず、実質的に一定レベルとなる。言い換えれば、DRAINピンは、シャントレギュレータ206と共通の接地電位V
GNDを基準とするピンといえる。したがって、同期整流トランジスタ300aのDRAINピンが、隣接するシャントレギュレータ206のピン(SH_IN)とショートしたとしても、クリティカルな隣接ピンショートとはならず、信頼性の低下を抑制できる。
【0066】
(第2変形例)
図5は、第2変形例に係る2次側モジュール400bを備えるDC/DCコンバータ200bのレイアウト図およびピン配置図である。この変形例では、SETピンは設けられず、したがって同期整流コントローラ300bと接続されるピンの個数(M=4個)は、1辺に配置可能なピン数(K=4個)以下(M≦K)となる。この場合、同期整流コントローラ300bと接続される複数のピンのすべてを、第2辺E2に沿って配置することができる。第1辺E1側の1個のピンは、非接続(NC:Non-Connection)とされ、あるいはGNDピンとして使用される。
【0067】
この変形例によれば、シャントレギュレータ206のピンと、同期整流コントローラ300bのピンの隣接箇所がゼロとなるため、クリティカルな隣接ピンショートが生じなくなり、信頼性をさらに高めることができる。
【0068】
(第3変形例)
図6は、第3変形例に係る2次側モジュール400cを備えるDC/DCコンバータ200cのレイアウト図およびピン配置図である。この変形例では、同期整流コントローラ300cのピン数(5個)は、
図3や
図4の同期整流コントローラ300と同じであるが、第1辺E1、第2辺E2それぞれに配置されるピン数Kを5個に増やして、同期整流コントローラ300cの複数M個のピンをすべて、第2辺E2側に配置している。この変形例によっても、
図5の変形例と同様に、クリティカルな隣接ピンショートが生じなくなり、信頼性をさらに高めることができる。
【0069】
(第4変形例)
図7は、第4変形例に係る2次側モジュール400dを備えるDC/DCコンバータ200dのレイアウト図およびピン配置図である。この変形例において、シャントレギュレータ206は、REF端子、K端子、A端子に加えて、さらに追加の端子AUXを備える。端子AUXの機能は特に限定されない。AUX端子に対応するAUXパッドがシャントレギュレータ206dの半導体チップ上に形成され、AUXパッドに対応するAUXピンが、第1辺E1側に、SH_IN,SH_OUT,SH_GNDと隣接して配置される。
【0070】
図8(a)、(b)は、シャントレギュレータ206の構成例を示す回路図である。シャントレギュレータ206は、出力トランジスタ500、エラーアンプ502、電圧源504を備える。電圧源504は基準電圧V
REFを生成する。出力トランジスタ500はNチャンネルMOFETあるいはNPN型バイポーラトランジスタであり、カソード端子Kとアノード端子Aの間に設けられる。エラーアンプ502は、REF端子の電圧V
OUT_Sとその目標値である基準電圧V
REFの誤差を増幅し、誤差信号を出力トランジスタ500の制御端子に供給する。
【0071】
出力トランジスタ500は、PチャンネルMOSFETあるいはPNP型バイポーラトランジスタであってもよい。この場合、エラーアンプ502の反転入力端子にV
OUT_Sが、非反転入力端子にV
REFが入力される。
【0072】
通常、シャントレギュレータ206の電源端子(つまりエラーアンプ502の電源)は、カソード端子Kと兼用されるが、
図8(a)のシャントレギュレータ206においては、カソード端子Kとは別に、シャントレギュレータ206の電源端子VCCが、AUX端子として設けられる。
【0073】
図8(b)のシャントレギュレータ206は、2次側の保護機能、たとえば過電圧保護(OVP)機能、過電流保護(OCP)機能あるいは高温保護(サーマルシャットダウンTSD)機能を有する。AUX端子には、電圧、電流もしくは温度など、2次側の状態を示す信号が入力される。保護回路506は、AUX端子の信号を、所定のしきい値電圧と比較し、2次側の異常を検出する。保護回路506は、異常を検出すると保護トランジスタ508をオンし、出力トランジスタ500とは別経路で、第2電流I
SINK2を引き込む。第2電流I
SINK2が流れると、フォトカプラ204が駆動され、
図1のフィードバック電流I
FBが増大する。その結果、フィードバック電圧V
FBが0V付近まで低下し、スイッチングトランジスタM1のスイッチングが停止し、回路が保護される。
【0074】
(第5変形例)
同期整流コントローラとシャントレギュレータは、同一の半導体チップ(ダイ)に集積化されてもよい。同一の半導体チップ上において、2つのグランドプレーンをアイソレーションして形成可能な場合には、同期整流コントローラ300とシャントレギュレータ206を同じチップ上に形成できる。
【0075】
(第6変形例)
実施の形態では、同期整流トランジスタM2が2次巻線W2の出力端子P2側に配置される場合を説明したが、同期整流トランジスタM2は2次巻線W2と接地の間に設けられてもよい。
図9は、第3変形例に係るDC/DCコンバータ200aの回路図である。同期整流コントローラ300のVCC端子には、DC/DCコンバータ200aの出力電圧V
OUTが供給され、GND端子は同期整流トランジスタM2のソースと接続されるとともに接地され、VD端子は同期整流トランジスタM2のドレインと接続され、OUT端子は同期整流トランジスタM2のゲートと接続される。同期整流コントローラ300の内部は、
図2と同様に構成される。この構成においても、実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0076】
(第7変形例)
実施の形態では、フライバックコンバータを説明したが、本発明はフォワードコンバータにも適用可能である。この場合にはトランスT1の2次側に、複数の同期整流用のトランジスタが配置されることとなる。同期整流コントローラは、複数の同期整流トランジスタをスイッチングするよう構成されてもよい。またコンバータは疑似共振型であってもよい。
【0077】
(第8変形例)
スイッチングトランジスタや同期整流トランジスタの少なくとも一方は、バイポーラトランジスタやIGBTであってもよい。
【0078】
(用途)
最後に、実施の形態で説明したDC/DCコンバータ200の用途を説明する。
図10は、AC/DCコンバータ100を備えるACアダプタ800を示す図である。ACアダプタ800は、プラグ802、筐体804、コネクタ806を備える。プラグ802は、図示しないコンセントから商用交流電圧V
ACを受ける。AC/DCコンバータ100は、筐体804内に実装される。AC/DCコンバータ100により生成された直流出力電圧V
OUTは、コネクタ806から電子機器810に供給される。電子機器810は、ノートPC、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話、携帯オーディオプレイヤなどが例示される。
【0079】
図11(a)、(b)は、AC/DCコンバータ100を備える電子機器900を示す図である。
図11(a)、(b)の電子機器900はディスプレイ装置であるが、電子機器900の種類は特に限定されず、オーディオ機器、冷蔵庫、洗濯機、掃除機など、電源装置を内蔵する機器であればよい。
プラグ902は、図示しないコンセントから商用交流電圧V
ACを受ける。AC/DCコンバータ100は、筐体804内に実装される。AC/DCコンバータ100により生成された直流出力電圧V
OUTは、同じ筐体904内に搭載される、マイコン、DSP(Digital Signal Processor)、電源回路、照明機器、アナログ回路、デジタル回路などの負荷に供給される。
【0080】
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0081】
P1…入力端子、P2…出力端子、P3…接地端子、M1…スイッチングトランジスタ、M2…同期整流トランジスタ、C1…出力キャパシタ、T1…トランス、W1…1次巻線、W2…2次巻線、W4…補助巻線、C4…キャパシタ、100…AC/DCコンバータ、102…フィルタ、104…整流回路、106…平滑キャパシタ、200…DC/DCコンバータ、202…1次側コントローラ、204…フォトカプラ、206…シャントレギュレータ、210…出力回路、300…同期整流コントローラ、400…2次側モジュール、500…出力トランジスタ、502…エラーアンプ、504…電圧源、506…保護回路、508…保護トランジスタ、E1…第1辺、E2…第2辺、800…ACアダプタ、802…プラグ、804…筐体、806…コネクタ、810,900…電子機器、902…プラグ、904…筐体。