特許第6514995号(P6514995)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6514995自転車用ガードおよびこれを備えるドライブユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6514995
(24)【登録日】2019年4月19日
(45)【発行日】2019年5月15日
(54)【発明の名称】自転車用ガードおよびこれを備えるドライブユニット
(51)【国際特許分類】
   B62J 23/00 20060101AFI20190425BHJP
   B62M 7/02 20060101ALI20190425BHJP
【FI】
   B62J23/00 F
   B62M7/02 C
【請求項の数】31
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-171193(P2015-171193)
(22)【出願日】2015年8月31日
(65)【公開番号】特開2017-47742(P2017-47742A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2017年9月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】西川 裕輔
【審査官】 杉田 隼一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−138975(JP,A)
【文献】 特開2014−37203(JP,A)
【文献】 特開2000−6877(JP,A)
【文献】 特開2001−180565(JP,A)
【文献】 特表2015−514629(JP,A)
【文献】 特開平11−278359(JP,A)
【文献】 特開平10−230890(JP,A)
【文献】 特開2014−139065(JP,A)
【文献】 特開平10−95387(JP,A)
【文献】 特開平7−35164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 23/00
B62M 7/02
B62M 7/04
B62M 6/40
B62M 6/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランク軸を回転可能に支持するハウジングと自転車のフレームとを連結する第1の連結部に取り付け可能な第1の取付部を含み、
前記第1の取付部は、前記第1の取付部を貫通し、第1のボルトが挿入される第1の穴を有し、
前記ハウジングは、前記ハウジングを貫通し、前記第1のボルトが挿入される第4の穴を有し、
前記フレームは、前記フレームを貫通し、前記第1のボルトが挿入される第5の穴を有する、自転車用ガード。
【請求項2】
クランク軸を回転可能に支持するハウジングと自転車のフレームとを連結する第1の連結部に取り付け可能な第1の取付部を含み、
前記第1の取付部は、前記フレームに設けられる凹部、および、前記ハウジングに設けられる凹部の少なくとも一方に配置可能である、自転車用ガード。
【請求項3】
前記第1の連結部は、前記クランク軸の軸線に平行な方向に間隔を空けて前記フレームに設けられる一対のフレーム側連結部の一方と、前記クランク軸の軸線に平行な方向に間隔を空けて前記ハウジングに設けられる一対のハウジング側取付部の一方とを連結し、前記一対のフレーム側連結部の他方と前記一対のハウジング側取付部の他方とを連結し、
前記第1の取付部は、前記一対のフレーム側連結部および前記一対のハウジング側取付部の少なくとも一方の間に配置可能である、請求項1または2に記載の自転車用ガード。
【請求項4】
クランク軸を回転可能に支持するハウジングと自転車のフレームとを連結する第1の連結部に取り付け可能な第1の取付部を含み、
前記第1の連結部は、前記クランク軸の軸線に平行な方向に間隔を空けて前記フレームに設けられる一対のフレーム側連結部の一方と、前記クランク軸の軸線に平行な方向に間隔を空けて前記ハウジングに設けられる一対のハウジング側取付部の一方とを連結し、前記一対のフレーム側連結部の他方と前記一対のハウジング側取付部の他方とを連結し、
前記第1の取付部は、前記一対のフレーム側連結部および前記一対のハウジング側取付部の少なくとも一方の間に配置可能である、自転車用ガード。
【請求項5】
前記第1の取付部が前記第1の連結部に取り付けられた状態において、前記ハウジングの下部の少なくとも一部を覆うことが可能なガード本体を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の自転車用ガード。
【請求項6】
クランク軸を回転可能に支持するハウジングと自転車のフレームとを連結する第1の連結部に取り付け可能な第1の取付部と、
前記第1の取付部が設けられ、前記第1の取付部が前記第1の連結部に取り付けられた状態において、前記ハウジングの下部の少なくとも一部を覆うことが可能なガード本体とを含む、自転車用ガード。
【請求項7】
前記ガード本体は、前記第1の取付部が前記第1の連結部に取り付けられた状態において、前記ハウジングの下部の全体を覆うことが可能である、請求項5または6に記載の自転車用ガード。
【請求項8】
第2の取付部をさらに含み、
前記第2の取付部は、前記ハウジングと前記フレームとを前記第1の連結部とは異なる位置において連結する第2の連結部、前記ハウジング、および、前記フレームの少なくとも1つに取り付け可能である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の自転車用ガード。
【請求項9】
前記第2の取付部は、前記ハウジングと前記フレームとが連結された状態において、前記第2の連結部、前記ハウジング、または、前記フレームに着脱可能である、請求項8に記載の自転車用ガード。
【請求項10】
前記第2の連結部は、第2のボルトを含み、
前記第2の取付部は、前記第2のボルトが挿入される第2の穴を有する、請求項8または9に記載の自転車用ガード。
【請求項11】
前記第2の取付部は、前記フレームに設けられるボルト取付部に装着可能な第3のボルトが挿入される第3の穴を有し、前記第3のボルトにより前記フレームに連結可能である、請求項8または9に記載の自転車用ガード。
【請求項12】
前記第2の取付部は、前記フレームに連結可能なガード側フックを含む、請求項8または9に記載の自転車用ガード。
【請求項13】
クランク軸を回転可能に支持するハウジングと自転車のフレームとを連結する第1の連結部に取り付け可能な第1の取付部と、
前記ハウジングと前記フレームとを前記第1の連結部とは異なる位置において連結する第2の連結部、前記ハウジング、および、前記フレームの少なくとも1つに取り付け可能な第2の取付部とを含み、
前記第2の連結部は、第2のボルトを含み、
前記第2の取付部は、前記第2のボルトが挿入される第2の穴を有する、自転車用ガード。
【請求項14】
クランク軸を回転可能に支持するハウジングと自転車のフレームとを連結する第1の連結部に取り付け可能な第1の取付部と、
前記ハウジングと前記フレームとを前記第1の連結部とは異なる位置において連結する第2の連結部、前記ハウジング、および、前記フレームの少なくとも1つに取り付け可能な第2の取付部とを含み、
前記第2の取付部は、前記フレームに設けられるボルト取付部に装着可能な第3のボルトが挿入される第3の穴を有し、前記第3のボルトにより前記フレームに連結可能である、自転車用ガード。
【請求項15】
前記第1の取付部が前記第1の連結部に取り付けられた状態において、前記ハウジングの下部の少なくとも一部を覆うことが可能なガード本体を含む、請求項13または14に記載の自転車用ガード。
【請求項16】
前記ガード本体は、第1の端部および第2の端部を含み、
前記第1の取付部は、前記ガード本体の前記第1の端部および前記第2の端部の一方に設けられ、
前記第2の取付部は、前記ガード本体の前記第1の端部および前記第2の端部の他方に設けられる、請求項5〜7のいずれか一項を引用する請求項8、その請求項8を引用する請求項9〜12のいずれか一項、または、請求項15に記載の自転車用ガード。
【請求項17】
前記ガード本体は、第1の端部および第2の端部を含み、
前記第1の取付部は、前記ガード本体の前記第1の端部および前記第2の端部の一方寄りに設けられ、
前記第2の取付部は、前記ガード本体の前記第1の端部および前記第2の端部の他方寄りに設けられる、請求項5〜7のいずれか一項を引用する請求項8、その請求項8を引用する請求項9〜12のいずれか一項、または、請求項15に記載の自転車用ガード。
【請求項18】
クランク軸を回転可能に支持するハウジングと自転車のフレームとを連結する第1の連結部に取り付け可能な第1の取付部と、
前記第1の取付部が前記第1の連結部に取り付けられた状態において、前記ハウジングの下部の少なくとも一部を覆うことが可能なガード本体と、
前記ハウジングと前記フレームとを前記第1の連結部とは異なる位置において連結する第2の連結部、前記ハウジング、および、前記フレームの少なくとも1つに取り付け可能な第2の取付部と、を含み、
前記ガード本体は、第1の端部および第2の端部を含み、
前記第1の取付部は、前記ガード本体の前記第1の端部および前記第2の端部の一方に設けられ、
前記第2の取付部は、前記ガード本体の前記第1の端部および前記第2の端部の他方に設けられる、自転車用ガード。
【請求項19】
クランク軸を回転可能に支持するハウジングと自転車のフレームとを連結する第1の連結部に取り付け可能な第1の取付部と、
前記第1の取付部が前記第1の連結部に取り付けられた状態において、前記ハウジングの下部の少なくとも一部を覆うことが可能なガード本体と、
前記ハウジングと前記フレームとを前記第1の連結部とは異なる位置において連結する第2の連結部、前記ハウジング、および、前記フレームの少なくとも1つに取り付け可能な第2の取付部と、を含み、
前記ガード本体は、第1の端部および第2の端部を含み、
前記第1の取付部は、前記ガード本体の前記第1の端部および前記第2の端部の一方寄りに設けられ、
前記第2の取付部は、前記ガード本体の前記第1の端部および前記第2の端部の他方寄りに設けられる、自転車用ガード。
【請求項20】
前記第1の取付部および前記第2の取付部の少なくとも一方に設けられる振動吸収材をさらに含む、請求項8〜19のいずれか一項に記載の自転車用ガード。
【請求項21】
前記第1の連結部は、前記クランク軸の軸線に平行な方向に間隔を空けて前記フレームに設けられる一対のフレーム側連結部の一方と、前記クランク軸の軸線に平行な方向に間隔を空けて前記ハウジングに設けられる一対のハウジング側取付部の一方とを連結し、前記一対のフレーム側連結部の他方と前記一対のハウジング側取付部の他方とを連結し、
前記第1の取付部は、前記一対のフレーム側連結部および前記一対のハウジング側取付部の少なくとも一方の間に配置可能である、請求項6〜20のいずれか一項に記載の自転車用ガード。
【請求項22】
前記第1の取付部は、前記ハウジングと前記フレームとが連結された状態において、前記第1の連結部に着脱可能である、請求項1〜21のいずれか一項に記載の自転車用ガード。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれか一項に記載の自転車用ガードと、
前記ハウジングとを含む、ドライブユニット。
【請求項24】
クランク軸を回転可能に支持するハウジングと自転車のフレームとを連結する第1の連結部に取り付け可能な第1の取付部を含み、前記第1の取付部は、前記フレームに設けられる凹部、および、前記ハウジングに設けられる凹部の少なくとも一方に配置可能である、自転車用ガードと、
前記ハウジングとを含む、ドライブユニット。
【請求項25】
前記第1の連結部は、前記クランク軸の軸線に平行な方向に間隔を空けて前記フレームに設けられる一対のフレーム側連結部の一方と、前記クランク軸の軸線に平行な方向に間隔を空けて前記ハウジングに設けられる一対のハウジング側取付部の一方とを連結し、前記一対のフレーム側連結部の他方と前記一対のハウジング側取付部の他方とを連結し、
前記第1の取付部は、前記一対のフレーム側連結部および前記一対のハウジング側取付部の少なくとも一方の間に配置可能である、請求項24に記載のドライブユニット。
【請求項26】
前記一対のハウジング側取付部は、前記クランク軸の軸線に平行な方向に延びる第4の穴を有する、請求項3、4、21のいずれか一項を直接的もしくは間接的に引用する請求項23、または、請求項25に記載のドライブユニット。
【請求項27】
前記第4の穴には、雌ねじが形成されている、請求項26に記載のドライブユニット。
【請求項28】
前記一対のハウジング側取付部は、前記一対のフレーム側連結部の間に配置可能である、請求項3、4、21のいずれか一項を直接的もしくは間接的に引用する請求項23、または、請求項25〜27のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項29】
前記第1の取付部は、前記一対のハウジング側取付部の間に配置可能である、請求項28に記載のドライブユニット。
【請求項30】
前記ハウジングに設けられ、前記クランク軸に与えられる人力駆動力をアシストするモータをさらに含む、請求項23〜29のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項31】
前記ハウジングに設けられ、前記自転車の変速比を変更する変速機をさらに含む、請求項23〜30のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車用ガードおよびこれを備えるドライブユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に記載される電動自転車は、パワーユニットの下部を保護するプロテクターを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3640359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パワーユニット等のドライブユニットを保護するための部材の取り付けのために必要な部品の数は、少ないことが望まれる。
本発明の目的は、取り付けのために必要な部品の数が少ない自転車用ガードおよびドライブユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
〔1〕本発明に従う自転車用ガードの一形態は、クランク軸を回転可能に支持するハウジングと自転車のフレームとを連結する第1の連結部に取り付け可能な第1の取付部を含む。
【0006】
〔2〕前記自転車用ガードの一例によれば、前記第1の取付部は、前記ハウジングと前記フレームとが連結された状態において前記第1の連結部に着脱可能である。
〔3〕前記自転車用ガードの一例によれば、前記第1の連結部は、第1のボルトを含み、前記第1の取付部は、前記第1のボルトが挿入される第1の穴を有する。
【0007】
〔4〕前記自転車用ガードによれば、前記第1の取付部が前記第1の連結部に取り付けられた状態において、前記ハウジングの下部の少なくとも一部を覆うことが可能なガード本体を含む。
【0008】
〔5〕前記自転車用ガードの一例によれば、前記ガード本体は、前記第1の取付部が前記第1の連結部に取り付けられた状態において、前記ハウジングの下部の全体を覆うことが可能である。
【0009】
〔6〕前記自転車用ガードの一例によれば、第2の取付部をさらに含み、前記第2の取付部は、前記ハウジングと前記フレームとを前記第1の連結部とは異なる位置において連結する第2の連結部、前記ハウジング、および、前記フレームの少なくとも1つに取り付け可能である。
【0010】
〔7〕前記自転車用ガードの一例によれば、前記第2の取付部は、前記ハウジングと前記フレームとが連結された状態において、前記第2の連結部、前記ハウジング、または、前記フレームに着脱可能である。
【0011】
〔8〕前記自転車用ガードの一例によれば、前記第2の連結部は、第2のボルトを含み、前記第2の取付部は、前記第2のボルトが挿入される第2の穴を有する。
〔9〕前記自転車用ガードの一例によれば、前記第2の取付部は、前記フレームに設けられるボルト取付部に装着可能な第3のボルトが挿入される第3の穴を有し、前記第3のボルトにより前記フレームに連結可能である。
【0012】
〔10〕前記自転車用ガードの一例によれば、前記第2の取付部は、前記フレームに連結可能なガード側フックを含む。
〔11〕前記自転車用ガードの一例によれば、前記ガード本体は、第1の端部および第2の端部を含み、前記第1の取付部は、前記ガード本体の前記第1の端部および前記第2の端部の一方に設けられ、前記第2の取付部は、前記ガード本体の前記第1の端部および前記第2の端部の他方に設けられる。
【0013】
〔12〕前記自転車用ガードの一例によれば、前記ガード本体は、第1の端部および第2の端部を含み、前記第1の取付部は、前記ガード本体の前記第1の端部および前記第2の端部の一方寄りに設けられ、前記第2の取付部は、前記ガード本体の前記第1の端部および前記第2の端部の他方寄りに設けられる。
【0014】
〔13〕前記自転車用ガードの一例によれば、前記第1の取付部および前記第2の取付部の少なくとも一方に設けられる振動吸収材をさらに含む。
〔14〕前記自転車用ガードの一例によれば、前記第1の連結部は、前記クランク軸の軸線に平行な方向に間隔を空けて前記フレームに設けられる一対のフレーム側連結部の一方と、前記クランク軸の軸線に平行な方向に間隔を空けて前記ハウジングに設けられる一対のハウジング側取付部の一方とを連結し、前記一対のフレーム側連結部の他方と前記一対のハウジング側取付部の他方とを連結し、前記第1の取付部は、前記一対のフレーム側連結部および前記一対のハウジング側取付部の少なくとも一方の間に配置可能である。
【0015】
〔15〕本発明に従うドライブユニットの一形態は、自転車用ガードと、前記ハウジングとを含む。
〔16〕前記ドライブユニットの一例によれば、前記一対のハウジング側取付部は、前記クランク軸の軸線に平行な方向に延びる第4の穴を有する。
【0016】
〔17〕前記ドライブユニットの一例によれば、前記第4の穴には、雌ねじが形成されている。
〔18〕前記ドライブユニットの一例によれば、前記一対のハウジング側取付部は、前記一対のフレーム側連結部の間に配置可能である。
【0017】
〔19〕前記ドライブユニットの一例によれば、前記第1の取付部は、前記一対のハウジング側取付部の間に配置可能である。
〔20〕前記ドライブユニットの一例によれば、前記ハウジングに設けられ、前記クランク軸に与えられる人力駆動力をアシストするモータをさらに含む。
【0018】
〔21〕前記ドライブユニットの一例によれば、前記ハウジングに設けられ、前記自転車の変速比を変更する変速機をさらに含む。
【発明の効果】
【0019】
上記自転車用ガードおよびこれを備えるドライブユニットは、取り付けに必要な部品の数を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】フレームに取り付けられた状態における第1の実施形態のドライブユニットの側面図。
図2図1のX2−X2線の断面図。
図3図1のX3−X3線の断面図。
図4】フレームに取り付けられた状態における第2の実施形態のドライブユニットの断面図。
図5】フレームに取り付けられた状態における第3の実施形態のドライブユニットの側面図。
図6図5のX6−X6線の断面図。
図7】フレームに取り付けられた状態における第4の実施形態のドライブユニットの断面図。
図8】フレームに取り付けられた状態における第5の実施形態のドライブユニットの側面図。
図9】フレームに取り付けられた状態における第6の実施形態のドライブユニットの側面図。
図10図9のX10−X10線の断面図。
図11】フレームに取り付けられた状態における第7の実施形態のドライブユニットの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
図1に示されるとおり、自転車10は、フレーム12、クランク軸16、および、ドライブユニット20を備える。フレーム12は、ブラケット14を含む。ドライブユニット20は、ブラケット14に取り付けられる。
【0022】
ドライブユニット20は、ハウジング30および自転車用ガード60を含む。ドライブユニット20は、好ましくはモータ22および変速機24を含む。ドライブユニット20は、少なくとも1つの連結部50によりブラケット14に取り付けられる。連結部50は、少なくとも第1の連結部50Aを含む。第1の連結部50Aは、第1のボルト52を含む。連結部50は、さらに第1の連結部50Aと異なる連結部を含む。その一例は、第3のボルト56、および、第4のボルト58である。
【0023】
第1のボルト52は、ブラケット14とハウジング30とを連結する。自転車用ガード60は、第1の連結部50Aに取り付けられ、ドライブユニット20を障害物から保護する。一例では、自転車用ガード60は、第1のボルト52に取り付け可能である。第3のボルト56は、ブラケット14と自転車用ガード60とを連結する。第4のボルト58は、ブラケット14とハウジング30とを連結する。一例では、第1のボルト52の本数は2本であり、第3のボルト56の本数は1本であり、第4のボルト58の本数は4本である。
【0024】
ハウジング30は、自転車10のクランク軸16を回転可能な状態で支持する。変速機24は、ハウジング30に設けられる。一例では、ドライブユニット20は、モータ22の回転を減速する減速機(図示略)をさらに備える。減速機は、ハウジング30に設けられる。モータ22は、ハウジング30に設けられ、クランク軸16に与えられる人力駆動力をアシストする。一例では、ハウジング30の内部にモータ22の少なくとも一部が配置される。
【0025】
ハウジング30には、フロントスプロケットが装着される出力部(いずれも図示略)が設けられる。出力部の形状は、スリーブ状である。出力部は、クランク軸16に連結される。ハウジング30とモータ22および変速機24との関係は、任意に変更可能である。第1の例では、モータ22がハウジング30に設けられ、変速機24がハウジング30に設けられない。第2の例では、モータ22がハウジング30に設けられず、変速機24がハウジング30に設けられる。
【0026】
モータ22が駆動力を与える部分は、任意に選択可能である。第1の例では、モータ22は、クランク軸16とフロントスプロケットとの間の駆動力の伝達経路に駆動力を与える。第2の例では、モータ22は、フロントスプロケットに巻き掛けられるチェーンにプーリー(いずれも図示略)を介して駆動力を与える。出力部の回転軸線とクランク軸16の回転軸線との関係は、任意に選択可能である。第1の例では、出力部の回転軸線は、クランク軸16の回転軸線と同軸線上に設けられる。第2の例では、出力部の回転軸線は、クランク軸16の回転軸線と平行に設けられる。
【0027】
変速機24は、ハウジング30に設けられ、自転車10の変速比を変更する。一例では、ハウジング30の内部に変速機24が配置される。変速機24は、クランク軸16とフロントスプロケットとの間の駆動力の伝達経路に設けられる。変速機24は複数の伝達経路を構成可能な複数の歯車または複数のスプロケットを含み、複数の歯車または複数のスプロケットの間の伝達経路を変更することにより変速比を変更する。変速機24は、複数の歯車を含む場合、遊星歯車機構を構成する歯車を少なくとも1つ含むことができる。変速機24は、複数のスプロケットを含む場合、複数のスプロケットの間でチェーンまたはベルトを掛け替えることができる。
【0028】
ハウジング30は、クランク軸16の延びる方向に垂直であり予め定められる第1の方向Xにおいて、第1の端部32および第2の端部34を含む。ハウジング30は、クランク軸16の延びる方向と第1の方向Xとに垂直な第2の方向Yにおいて、第3の端部36および第4の端部38を含む。
【0029】
第1の端部32は、ハウジング30がブラケット14に取り付けられたとき、ハウジング30のうちの自転車10の後方側に位置する部分である。第2の端部34は、ハウジング30がブラケット14に取り付けられたとき、ハウジング30のうちの自転車10の前方側に位置する部分である。第3の端部36は、ハウジング30がブラケット14に取り付けられたとき、ハウジング30のうちの自転車10の上方側に位置する部分である。第4の端部38は、ハウジング30がブラケット14に取り付けられたとき、ハウジング30のうちの自転車10の下方側に位置する部分である。このように、ハウジング30の第4の端部38は、ハウジング30の下部を構成する。
【0030】
ハウジング30は、第1の端部32から第2の端部34に向けて上方に傾斜するように、自転車10の前後方向に対して傾斜している。ハウジング30はさらに、複数のハウジング側取付部40を含む。複数のハウジング側取付部40は、一対の第1のハウジング側取付部42、第2のハウジング側取付部44、および、第3のハウジング側取付部46を含む。図1では、一対の第1のハウジング側取付部42の一方が示されている。
【0031】
一対の第1のハウジング側取付部42は、第1の端部32から第1の方向Xの一方に突出し、第1のボルト52によりブラケット14に連結される。一対の第2のハウジング側取付部44は、第3の端部36から第2の方向Yの一方に突出し、第4のボルト58によりブラケット14に連結される。一対の第3のハウジング側取付部46は、第3の端部36のうちの第2のハウジング側取付部44よりもハウジング30の第1の方向Xの他方側から上方に突出し、第4のボルト58によりブラケット14に連結される。
【0032】
ブラケット14は、ブラケット本体14A、および、ブラケット本体14Aからドライブユニット20側に向けて突出する一対のフレーム側連結部14Bを備える。図1では、一対のフレーム側連結部14Bの一方が示されている。ブラケット本体14Aは、例えば、ダウンチューブ、シートチューブ、および、シートステイ(図示略)の少なくともいずれかに接続される。
【0033】
ブラケット本体14Aおよび一対のフレーム側連結部14Bは、ハウジング30のクランク軸16まわりの外周部の形状に沿う形状を有し、ハウジング30のクランク軸16まわりの外周部に沿うように湾曲している。ブラケット本体14Aは、ハウジング30の第1の端部32の少なくとも一部、ハウジング30の第2の端部34の少なくとも一部、および、ハウジング30の第3の端部36を外囲する。ハウジング30の第4の端部38は、ブラケット14に覆われていない。
【0034】
図2に示されるとおり、一対のフレーム側連結部14Bは、クランク軸16の軸線に平行な方向(以下では「第3の方向」)に間隔を空けて設けられる。一対のフレーム側連結部14Bはそれぞれ、第3の方向に延びる第5の穴14C、および、第1のボルト52のヘッド52Aを収容可能な凹部14Dを有する。凹部14Dは、一対のフレーム側連結部14Bのうち、相互に対面する面とは反対側の面に設けられる。第5の穴14Cおよび凹部14Dは、フレーム側連結部14Bのうちのハウジング30の第1の端部32を覆う部分に設けられる。
【0035】
一対の第1のハウジング側取付部42は、クランク軸16の軸線に平行な方向である第3の方向に間隔を空けて設けられる。一対の第1のハウジング側取付部42はそれぞれ、第3の方向に延びる第4の穴42Aを有する。一例では、第4の穴42Aを形成する第1のハウジング側取付部42の面は、円筒形状を有し、雌ねじ42Bが設けられる。一対の第1のハウジング側取付部42は、一対のフレーム側連結部14Bの間に配置される。一方の第1のハウジング側取付部42は、一方のフレーム側連結部14Bに接触する。他方の第1のハウジング側取付部42は、他方のフレーム側連結部14Bに接触する。
【0036】
自転車用ガード60を構成する材料は金属および樹脂の少なくとも一方である。自転車用ガード60は、クランク軸16まわりの外周部の形状に沿う形状を有し、ハウジング30のクランク軸16まわりの外周部に沿うように湾曲している。一例では、自転車用ガード60は、第3の方向から見たときにU字形状となるように構成される。自転車用ガード60は、ハウジング30のクランク軸16まわりの外周部のうち、ブラケット14に覆われていない部分を覆う。
【0037】
自転車用ガード60は、第1の取付部70を含む。第1の取付部70は、第1の連結部50Aに取付け可能に構成される。第1の取付部70は、一対の第1のハウジング側取付部42の間に配置される。第3の方向における第1の取付部70の寸法は、一対の第1のハウジング側取付部42の間の距離以下である。第1の取付部70は、第1のハウジング側取付部42とフレーム側連結部14Bとが連結された状態において、すなわち、ハウジング30とフレーム12とが連結された状態において、第1の連結部50Aの一例である第1のボルト52に着脱可能である。ハウジング30とフレーム12とが第1のボルト52により連結されている場合、第1のボルト52の先端部が一対の第1のハウジング側取付部42の間の空間に突出していなければ、自転車用ガード60を第1のボルト52から取り外すことができる。自転車用ガード60は、好ましくはガード本体62および第2の取付部72をさらに含む。
【0038】
ガード本体62は、中間部64、第1の端部66、および、第2の端部68を含む。中間部64は、自転車10の下方からハウジング30の第4の端部38の中間部分を覆う。第1の端部66は、自転車10の後方からハウジング30の第4の端部38のうちの第1の端部32側の部分を覆う。第2の端部68は、自転車10の前方からハウジング30の第4の端部38のうちの第2の端部34側の部分を覆う。このように、ガード本体62は、自転車10の下方、後方、および、前方からハウジング30の第4の端部38の全体を覆うことが可能である。
【0039】
第1の取付部70は、第1の端部66に設けられる。第1の取付部70は、第1のボルト52が挿入される第1の穴70Aを有する。第2の取付部72は、第2の端部68に設けられる。第2の取付部72は、第3のボルト56が挿入される第3の穴72A、および、第3のボルト56のヘッド56Aが配置される凹部72Bを有する。
【0040】
図2に示されるとおり、一例では、2本の第1のボルト52により一対のフレーム側連結部14B、一対の第1のハウジング側取付部42、および、第1の取付部70が連結される。これらの要素は、具体的には以下のように連結される。一方の第1のボルト52の先端が第1の取付部70の第1の穴70Aに配置されるように、その第1のボルト52が一方のフレーム側連結部14B、一方の第1のハウジング側取付部42、および、第1の取付部70に挿入される。第1のボルト52は、第4の穴42Aに挿入される。第1のボルト52のヘッド52Aは、凹部14Dに収容される。他方の第1のボルト52も同様に、その先端が第1の取付部70の第1の穴70Aに配置されるように、他方のフレーム側連結部14B、他方の第1のハウジング側取付部42、および、第1の取付部70に挿入される。このように、第1の取付部70は、クランク軸16を回転可能に支持するハウジング30と自転車10のフレーム12に設けられたブラケット14とを連結する第1の連結部の一例である第1のボルト52に取り付け可能である。
【0041】
ガード本体62は、少なくとも1本の第1のボルト52によりフレーム側連結部14B、第1のハウジング側取付部42、および、第1の取付部70が連結された状態において、第1のボルト52の軸線まわりに回転できるように構成される。別の例では、ガード本体62は、少なくとも1本の第1のボルト52によりフレーム側連結部14B、第1のハウジング側取付部42、および、第1の取付部70が連結された状態において、第1のボルト52の軸線まわりに回転できないように構成される。その構成は、第1の取付部70の第1の穴70Aに雌ねじが設けられる。第1の穴70Aに第1のボルト52がねじ込まれた場合、第1のボルト52によりフレーム側連結部14B、第1のハウジング側取付部42、および、第1の取付部70が連結された状態において、ガード本体62は、第1のボルト52の軸線まわりで回転不能である。
【0042】
ガード本体62が、第1のボルト52の軸線まわりでハウジング30に接近する方向に回転することにより、ガード本体62の中間部64、第1の端部66、および、第2の端部68がそれぞれハウジング30の第4の端部38を覆い、ガード本体62が第4の端部38の全体を覆う。一例では、ガード本体62は、ハウジング30の第4の端部38に接触しないように、ハウジング30の第4の端部38との間に空間を隔てて設けられる。別の例では、ガード本体62は、ハウジング30の第4の端部38の一部分に接触するように設けられる。このように、ガード本体62は、第1のボルト52により第1の取付部70が第1のハウジング側取付部42に取り付けられた状態において、ハウジング30の第4の端部38の全体を覆うことが可能である。
【0043】
図3に示されるとおり、ブラケット14は、第3のボルト56を装着可能なボルト取付部14E、および、第3のボルト56が挿入される第6の穴14Fを有する。第6の穴14Fを形成するボルト取付部14Eの面には、雌ねじ14Gが形成されている。ガード本体62の第2の取付部72は、一対の側壁72Cをさらに含む。一対の側壁72Cは、第3の方向に間隔を空けて設けられる。ボルト取付部14Eは、一対の側壁72Cの間に配置される。一方の側壁72Cは、ボルト取付部14Eに接触する。ガード本体62がハウジング30の第4の端部38を覆う状態において、第6の穴14Fの軸および第3の穴72Aの軸は、同軸上に設けられる。このため、第6の穴14Fおよび第3の穴72Aに第3のボルト56を挿入できる。このように、第3の穴72Aは、フレーム12の一部であるブラケット14に設けられるボルト取付部14Eに装着可能な第3のボルト56が挿入される。
【0044】
第3のボルト56が第2の取付部72の第3の穴72Aに挿入され、ボルト取付部14Eの雌ねじ14Gにねじ込まれることにより、第2の取付部72とボルト取付部14Eとが連結される。すなわち、第2の取付部72は、第3のボルト56によりフレーム12の一部であるブラケット14に設けられるボルト取付部14Eに連結可能である。第3のボルト56のヘッド56Aは、第2の取付部72の凹部72Bに配置される。第2の取付部72は、第1のハウジング側取付部42とフレーム側連結部14Bとが連結された状態において、フレーム12の一部であるブラケット14のボルト取付部14Eに着脱可能である。
【0045】
第1の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)自転車用ガード60は、フレーム12とハウジング30とを連結する第1の連結部50Aの一例である第1のボルト52に取り付け可能な第1の取付部70を含むため、ドライブユニット20の取り付けに必要な部品の数が少なくなる。
【0046】
(2)ガード本体62は、第1の取付部70が第1のボルト52に取り付けられた状態において、ハウジング30の第4の端部38の全体を覆うことが可能である。この構成によれば、障害物等がハウジング30の第4の端部38に接触することがガード本体62により妨げられ、ドライブユニット20が損傷するおそれが低減される。
【0047】
(3)第2の取付部72は、第1のボルト52および第4のボルト58の少なくとも一方によりフレーム12とハウジング30とが連結された状態において、フレーム12に着脱可能である。この構成によれば、ハウジング30をフレーム12から取り外さなくてもガード本体62の第2の端部68をフレーム12に着脱できるため、着脱の作業にかかる手間が軽減される。
【0048】
(4)第1の取付部70は、一対の第1のハウジング側取付部42の間に配置可能である。この構成によれば、ガード本体62がドライブユニット20またはフレーム12に取り付けられるため、ガード本体62が第3の方向に大きくなることが抑制される。
【0049】
(第2の実施形態)
図4は、図1のX2−X2線の断面図に対応する第2の実施形態のドライブユニット20の断面図である。第2の実施形態のドライブユニット20は、自転車用ガード60の第1の端部66の取り付け構造が異なる点において第1の実施形態のドライブユニット20と相違し、その他の点において第1の実施形態のドライブユニット20と実質的に同一の構成を備える。
【0050】
一対の第1のハウジング側取付部42は、第4の穴42Aの内周面に雌ねじ42Bが形成されていない。自転車用ガード60は、第1の取付部70に設けられる振動吸収材74をさらに含む。振動吸収材74を構成する材料の一例は、ゴム、スポンジ、または、ウレタン樹脂である。振動吸収材74は、筒状を有する。振動吸収材74は、第1の取付部70の第1の穴70Aに挿入され、第1の取付部70に取り付けられる。振動吸収材74は、第1のボルト52を挿入可能な大きさの穴を有する。振動吸収材74の穴の内径は、振動吸収材74の穴の面と第1のボルト52の外径部とが密着するような大きさであることが好ましい。
【0051】
第1のボルト52のヘッド52Aは、他方のフレーム側連結部14Bの凹部14Dに収容される。第1のボルト52のねじ部52Bは、一方の第1のハウジング側取付部42の凹部14Dに収容されるナット18にねじ込まれる。第1のボルト52により、一対のフレーム側連結部14B、一対の第1のハウジング側取付部42、および、第1の取付部70が連結される。
【0052】
第2の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(5)自転車用ガード60は、第1の取付部70に設けられる振動吸収材74をさらに含むため、ガード本体62に力が加えられた場合、その力が振動吸収材74により低減される。第2の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(4)の効果と同様の効果も得られる。
【0053】
(第3の実施形態)
図5および図6に示される第3の実施形態のドライブユニット20は、自転車用ガード60の第2の端部68の取り付け構造が異なる点において第1の実施形態のドライブユニット20と相違し、その他の点において第1の実施形態のドライブユニット20と実質的に同一の構成を備える。
【0054】
連結部50は、第1の連結部50Aの他に、第2の連結部50Bを含む。第2の連結部50Bは、第2のボルト54を含む。第2のボルト54は、フレーム12のブラケット14とハウジング30とを第1のボルト52とは異なる位置において連結する。自転車用ガード60は、第2の連結部50Bに取り付け可能に構成される。
【0055】
複数のハウジング側取付部40は、一対の第4のハウジング側取付部48をさらに含む。一対の第4のハウジング側取付部48は、一対の第1のハウジング側取付部42と類似した構造を有する。一対の第4のハウジング側取付部48は、ハウジング30の第2の端部34からハウジング30の第1の方向Xに突出する。第4のハウジング側取付部48は、第2のボルト54によりブラケット14に連結される。第2の取付部72は、第1の実施形態に例示された第2の取付部72の構造に代えて、第1の取付部70と実質的に同じ構造を有する。第2の取付部72は、第2の連結部50Bに取り付け可能に構成される。第2の取付部72は、第2のボルト54が挿入される第2の穴72Dを有する。一例では、第2の穴72Dは、その内径が第2のボルト54のねじ部54Bの外径以上となるように構成される。別の例では、第2の穴72Dは、第2のボルト54がねじ込まれる雌ねじが設けられる。
【0056】
図6に示されるとおり、一対のフレーム側連結部14Bはそれぞれ、第3の方向に延びる第7の穴14H、および、第2のボルト54のヘッド54Aを収容可能な凹部14Iを有する。凹部14Iは、一対のフレーム側連結部14Bのうち、相互に対向する面とは反対側の面に設けられる。第7の穴14Hおよび凹部14Iは、フレーム側連結部14Bのうちのハウジング30の第2の端部34の少なくとも一部を覆う部分に設けられる。一対の第4のハウジング側取付部48は、第3の方向に間隔を空けて設けられる。一対の第4のハウジング側取付部48はそれぞれ、第3の方向に延びる第8の穴48Aを有する。第8の穴48Aを形成する第4のハウジング側取付部48の面には、雌ねじ48Bが設けられる。
【0057】
一対の第4のハウジング側取付部48は、一対のフレーム側連結部14Bの間に配置される。一方の第4のハウジング側取付部48は、一方のフレーム側連結部14Bに接触する。他方の第4のハウジング側取付部48は、他方のフレーム側連結部14Bに接触する。第2の取付部72は、一対の第4のハウジング側取付部48の間に配置される。第3の方向における第2の取付部72の寸法は、一対の第4のハウジング側取付部48の間の距離以下である。一例では、2本の第2のボルト54により一対のフレーム側連結部14B、一対の第4のハウジング側取付部48、および、第2の取付部72が連結される。これらの要素は、第1の実施形態における第1のボルト52による一対のフレーム側連結部14B等の連結形態と同様の形態により連結される。少なくとも1本の第2のボルト54によりフレーム側連結部14B、第4のハウジング側取付部48が連結され、第2の取付部72が支持される。
【0058】
第2の取付部72は、ハウジング側取付部40とフレーム側連結部14Bとが連結された状態において、第2のボルト54および第4のハウジング側取付部48に着脱可能である。第2のボルト54によりハウジング30とフレーム12とが連結された場合、第2のボルト54の先端部が一対の第4のハウジング側取付部48の間の空間に突出していなければ、自転車用ガード60を第2のボルト54から取り外すことができる。
【0059】
第3の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(6)第1の取付部70と第2の取付部72とが実質的に同じ構造を有するため、第1の取付部70および第2の取付部72に関する着脱作業の内容を共通化できる。第3の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(4)の効果と同様の効果も得られる。
【0060】
(第4の実施形態)
図7は、図1のX3−X3線の断面図に対応する第4の実施形態のドライブユニット20の断面図である。第4の実施形態のドライブユニット20は、自転車用ガード60の第2の端部68の取り付け構造が異なる点において第1の実施形態のドライブユニット20と相違し、その他の点において第1の実施形態のドライブユニット20と実質的に同一の構成を備える。
【0061】
ボルト取付部14Eに形成される第6の穴14Fは、第1の実施形態に例示された第6の穴14Fとは異なり、ボルト取付部14Eを第3の方向に貫通する。第6の穴14Fを形成するボルト取付部14Eの面には、雌ねじ14Gが形成されている。第2の取付部72に形成される第3の穴72Aは、第1の実施形態に例示された第3の穴72Aとは異なり、一対の側壁72Cのそれぞれに形成される。第3の穴72Aは、側壁72Cを第3の方向に貫通する。ガード本体62がハウジング30の第4の端部38を覆う状態において、第6の穴14Fの軸および第3の穴72Aの軸は、同軸上に設けられる。このため、第6の穴14Fおよび第3の穴72Aに第3のボルト56を挿入できる。第3のボルト56が第3の方向の外側から側壁72Cの第3の穴72Aに挿入され、ボルト取付部14Eの雌ねじ14Gにねじ込まれることにより、自転車用ガード60がフレーム12に連結される。第4の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(4)の効果と同様の効果が得られる。
【0062】
(第5の実施形態)
図8に示される第5の実施形態のドライブユニット20は、自転車用ガード60の第2の端部68の取り付け構造が異なる点において第1の実施形態のドライブユニット20と相違し、その他の点において第1の実施形態のドライブユニット20と実質的に同一の構成を備える。
【0063】
ブラケット14は、第1の実施形態に例示されたボルト取付部14Eに代えてフレーム側フック14Jを含む。第2の取付部72は、第1の実施形態に例示された第3の穴72Aに代えてガード側フック72Eを含む。ガード側フック72Eは、フレーム側フック14Jに連結可能である。フレーム側フック14Jは、自転車10の前方に開口する開口部14Kを有する。一例では、開口部14Kは、ブラケット14において、第3の方向の一方の端部から他方の端部にわたり設けられる。別の例では、フレーム側フック14Jの開口部14Kは、ブラケット14において、第3の方向の一部分に設けられる。
【0064】
ガード側フック72Eは、フレーム側フック14Jの開口部14Kに係合する係合部72Fを有する。係合部72Fは、自転車用ガード60がブラケット14に取り付けられた状態において、少なくともフレーム側フック14Jの開口部14Kに対応する位置に設けられる。
【0065】
好ましい例では、フレーム側フック14Jおよびガード側フック72Eの少なくとも一方に、フレーム側フック14Jおよびガード側フック72Eの第3の方向への相対的な移動を規制する規制部が設けられる。規制部は、例えばガード側フック72Eの第3の方向の両端部に設けられる一対の壁部を含む。一対の壁部は、自転車用ガード60がブラケット14に取り付けられた状態において、ブラケット14の第3の方向の両端面にそれぞれ接触する。自転車用ガード60の第3の方向への移動を規制可能な構成であれば、規制部の構成は上記構成に限られず、任意に変更可能である。
【0066】
自転車用ガード60は、第2の取付部72の一部であるガード側フック72Eに設けられる振動吸収材74をさらに含むことが好ましい。振動吸収材74は、第2の取付部72のガード側フック72Eに設けられる。振動吸収材74は、ガード側フック72Eがフレーム側フック14Jに連結された状態において、ガード側フック72Eとフレーム側フック14Jとの間に挟まれるようにガード側フック72Eに設けられる。別の例では、振動吸収材74は、フレーム側フック14Jに設けられる。
【0067】
第5の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(7)第2の取付部72は、フレーム12に連結可能なガード側フック72Eを含む。この構成によれば、第2の取付部72をフレーム12に取り付ける場合、工具を用いる必要ない。
【0068】
(8)自転車用ガード60は、第2の取付部72に設けられる振動吸収材74をさらに含む。この構成によれば、ガード本体62に力が加えられたときに、その力が振動吸収材74により低減される。第5の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(4)の効果と同様の効果が得られる。
【0069】
(第6の実施形態)
図9および図10に示される第6の実施形態のドライブユニット20は、自転車用ガード60の第2の端部68の取り付け構造が異なる点において第5の実施形態のドライブユニット20と相違し、その他の点において第5の実施形態のドライブユニット20と実質的に同一の構成を備える。
【0070】
図9および図10に示されるとおり、フレーム側フック14Jおよびガード側フック72Eは、第5の実施形態に例示されたフレーム側フック14Jおよびガード側フック72Eの構造に代えて、ガード側フック72Eによりフレーム側フック14Jを挟み込む構造を備える。
【0071】
フレーム側連結部14Bは、一対のフレーム側フック14Jを含む。一方のフレーム側フック14Jは、第2の取付部72の一方の側壁72Cと面する部分に設けられる。他方のフレーム側フック14Jは、第2の取付部72の他方の側壁72Cと面する部分に設けられる。
【0072】
第2の取付部72は、一対のガード側フック72Eを含む。一方のガード側フック72Eは、一方の側壁72Cの端部に設けられる。他方のガード側フック72Eは、他方の側壁72Cの端部に設けられる。好ましい例では、ガード側フック72Eとフレーム側フック14Jとの間に振動吸収材74が配置されるように、ガード側フック72Eまたはフレーム側フック14Jに振動吸収材74が設けられる。一対のガード側フック72Eは、第3の方向の外側から一対のフレーム側フック14Jを挟み込むように一対のフレーム側フック14Jに取り付けられる。第6の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(4)の効果、および、第5の実施形態の(7)の効果と同様の効果が得られる。
【0073】
(第7の実施形態)
図11は、図1のX2−X2線の断面図に対応する第7の実施形態のドライブユニット20の断面図である。第7の実施形態のドライブユニット20は、ドライブユニット20とフレーム12との取り付け構造が異なる点において第1の実施形態のドライブユニット20と相違し、その他の点において第1の実施形態のドライブユニット20と実質的に同一の構成を備える。
【0074】
ブラケット14およびハウジング30は、第1の実施形態に例示された一対のフレーム側連結部14Bおよび一対の第1のハウジング側取付部42の構造に代えて、一対の第1のハウジング側取付部42の間に一対のフレーム側連結部14Bが配置される構造を備える。
【0075】
一対のフレーム側連結部14Bは、第1の実施形態に例示された一対のフレーム側連結部14Bと異なり、凹部14Dが形成されていない。第5の穴14Cを形成するフレーム側連結部14Bの面には、雌ねじ14Gが形成されている。一対の第1のハウジング側取付部42は、第1の実施形態に例示された一対の第1のハウジング側取付部42とは異なり、それぞれ第1のボルト52のヘッド52Aを収容可能な凹部42Cを有する。一対のフレーム側連結部14Bは、一対の第1のハウジング側取付部42の間に配置される。フレーム側連結部14Bは、第1のハウジング側取付部42に接触する。
【0076】
第1の取付部70は、一対のフレーム側連結部14Bの間に配置される。第3の方向における第2の取付部72の寸法は、一対のフレーム側連結部14Bの間の距離以下である。一例では、2本の第1のボルト52により一対のフレーム側連結部14B、一対の第2のハウジング側取付部44、および、第1の取付部70が連結される。第7の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(4)の効果と同様の効果が得られる。
【0077】
(変形例)
上記各実施形態に関する説明は本発明に従う自転車用ガードおよびドライブユニットが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う自転車用ガードおよびドライブユニットは上記各実施形態以外に例えば以下に示される実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。
【0078】
・第1の取付部70、ハウジング側取付部40、および、フレーム側連結部14Bの位置関係は、任意に変更可能である。第1の例では、一対のフレーム側連結部14Bは、一対の第1のハウジング側取付部42の間に配置される。第1の取付部70は、一対のフレーム側連結部14Bの間に配置される。第2の例では、一対の第1の取付部70は、ガード本体62に設けられる。一対の第1の取付部70は、一対のフレーム側連結部14Bの間に配置される。ハウジング側取付部40は、一対の第1の取付部70の間に配置される。第3の例では、一対の第1の取付部70は、ガード本体62に設けられる。一対のフレーム側連結部14Bは、一対の第1の取付部70の間に配置される。ハウジング側取付部40は、一対のフレーム側連結部14Bの間に配置される。第4の例では、一対の第1の取付部70は、ガード本体62に設けられる。一対のハウジング側取付部40は、一対の第1の取付部70の間に配置される。フレーム側連結部14Bは、一対のハウジング側取付部40の間に配置される。
【0079】
・ガード本体62の形状は、第1の取付部70が第1のボルト52により第1のハウジング側取付部42に取り付けられた状態において、ハウジング30の下部の少なくとも一部分を覆うことが可能な任意の形状に変更可能である。
【0080】
・第1の連結部50Aの構成は任意に変更可能である。第1の例は、バンドである。バンドの材料の一例は、樹脂または金属である。樹脂の一例は、硬質ポリエチレンである。第2の例は、第1のボルト52およびナット18の組である。連結部50および第2の連結部50Bも同様に変更可能である。
【0081】
・第1の実施形態のガード本体62における第1の取付部70および第2の取付部72の位置は任意に変更可能である。一例では、第1の取付部70は、ガード本体62の第1の端部66寄りに設けられ、第2の取付部72は、ガード本体62の第2の端部68寄りに設けられる。
【0082】
・振動吸収材74は、第2の実施形態に例示された部位以外にも配置可能である。第1の例では、振動吸収材74は、第1の実施形態または第7の実施形態における第1の取付部70の第1の穴70Aに挿入され、第1の取付部70に取り付けられる。第2の例では、振動吸収材74は、第1の実施形態におけるフレーム12とガード本体62との間に設けられる。
【0083】
・フレーム12およびハウジング30の構成は、任意に変更可能である。第1の例では、フレーム12に代えて、ハウジング30にボルト取付部14Eが設けられる。第2の例では、フレーム側フック14Jに代えて、フレーム側フック14Jと同様にガード側フック72Eを連結可能なフックがハウジング30に設けられる。
【0084】
・各実施形態の自転車用ガード60およびドライブユニット20は、各種自転車、例えばシティサイクル、マウンテンバイク、および、ロードバイクに適用することができる。
【符号の説明】
【0085】
10…自転車、12…フレーム、14B…フレーム側連結部、14E…ボルト取付部、14J…フレーム側フック、16…クランク軸、20…ドライブユニット、22…モータ、24…変速機、30…ハウジング、38…第4の端部、40…ハウジング側取付部、42A…第4の穴、42B…雌ねじ、50…連結部、50A…第1の連結部、50B…第2の連結部、52…第1のボルト、54…第2のボルト、56…第3のボルト、60…自転車用ガード、62…ガード本体、66…第1の端部、68…第2の端部、70…第1の取付部、70A…第1の穴、72…第2の取付部、72A…第3の穴、72D…第2の穴、72E…ガード側フック、74…振動吸収材。
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