特許第6515024号(P6515024)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6515024滞在予想時間修正システム、滞在予想時間修正方法、及び滞在予想時間修正プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6515024
(24)【登録日】2019年4月19日
(45)【発行日】2019年5月15日
(54)【発明の名称】滞在予想時間修正システム、滞在予想時間修正方法、及び滞在予想時間修正プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20190425BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20190425BHJP
【FI】
   G01C21/26 A
   G09B29/10 A
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-239338(P2015-239338)
(22)【出願日】2015年12月8日
(65)【公開番号】特開2017-106774(P2017-106774A)
(43)【公開日】2017年6月15日
【審査請求日】2018年5月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100768
【氏名又は名称】アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】加藤 和哉
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 健児
(72)【発明者】
【氏名】郷司 悠平
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 和紀
(72)【発明者】
【氏名】中村 元裕
【審査官】 東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−038741(JP,A)
【文献】 特開2005−233630(JP,A)
【文献】 特開2002−365076(JP,A)
【文献】 特開平09−198439(JP,A)
【文献】 特開2007−010570(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 − 21/36
G08G 1/00 − 1/16
G09B 29/00 − 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が出発地から目的地まで移動する間の経由地における滞在予想時間を取得する取得手段と、
前記車両が前記経由地に存在するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段にて前記車両が前記経由地に存在すると判定している間における、前記車両に乗車している人数の増減、又は、前記車両の電源オンの継続時間に基づいて、前記取得手段にて取得した滞在予想時間を修正する修正手段と、を備える、
滞在予想時間修正システム。
【請求項2】
車両に乗車している人数である乗車人数に関する乗車人数情報と、経由地にて車両から降車した人数である降車人数に関する降車人数情報と、前記滞在予想時間の修正内容に関する修正情報と、を相互に関連付けて格納する修正情報格納手段と、
前記経由地における乗車人数、及び降車人数を特定する人数特定手段と、を備え、
前記修正手段は、前記人数特定手段にて特定された乗車人数、及び降車人数に基づいて、前記修正情報格納手段に格納された乗車人数情報、降車人数情報、及び修正情報を参照して修正情報を特定し、当該特定した修正情報に基づいて前記滞在予想時間を修正する、
請求項1に記載の滞在予想時間修正システム。
【請求項3】
前記修正手段は、前記判定手段にて前記車両が前記経由地に存在すると判定している間における、前記車両に乗車している人数の増減、及び、前記車両の電源オンの継続時間に基づいて、前記取得手段にて取得した滞在予想時間を修正する、
請求項1又は2に記載の滞在予想時間修正システム。
【請求項4】
取得手段が、車両が出発地から目的地まで移動する間の経由地における滞在予想時間を取得する取得ステップと、
判定手段が、前記車両が前記経由地に存在するか否かを判定する判定ステップと、
前記修正手段が、前記判定手段にて前記車両が前記経由地に存在すると判定している間における、前記車両に乗車している人数の増減、又は、前記車両の電源オンの継続時間に基づいて、前記取得手段にて取得した滞在予想時間を修正する修正ステップと、を含む、
滞在予想時間修正方法。
【請求項5】
コンピュータを、
車両が出発地から目的地まで移動する間の経由地における滞在予想時間を取得する取得手段と、
前記車両が前記経由地に存在するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段にて前記車両が前記経由地に存在すると判定している間における、前記車両に乗車している人数の増減、又は、前記車両の電源オンの継続時間に基づいて、前記取得手段にて取得した滞在予想時間を修正する修正手段と、として機能させる、
滞在予想時間修正プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、滞在予想時間修正システム、滞在予想時間修正方法、及び滞在予想時間修正プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両が出発地から目的地まで移動する間の経由地における滞在予想時間を、「施設カテゴリ(例えば、スーパーマーケット、サービスエリア等)」の如き経由地の特性に応じて設定することが可能な情報提供システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなシステムでは、施設カテゴリと、各施設カテゴリに対応する滞在予想時間とを予め相互に関連付けてデータベース等に格納しておき、このデータベースの情報に基づいて、経由地の施設カテゴリに対応する滞在予想時間を取得し、当該取得した滞在予想時間に基づいて、目的地到着予想時刻を案内することが可能であった。また、上記のような「施設カテゴリ」に加えて、「利用者毎の滞在時間の特性(例えば、経由地における利用者の過去の平均滞在時間)」を考慮して滞在予想時間を取得するシステムも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−069857号公報
【特許文献2】特開2013−124974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1や特許文献2に記載の技術では、上述したように滞在予想時間を設定する際には、「施設カテゴリ」や「利用者毎の滞在時間の特性」のみが考慮されていた。しかしながら、ユーザの状況によっては、施設カテゴリや利用者毎の滞在時間の特性に基づいて設定した滞在予想時間と、実際の滞在予想時間が大きく乖離する場合があるが、上記システムではこのような場合に対応することが困難であった。例えば、滞在予想時間が30分である施設カテゴリであっても、ユーザが急いでいる場合等には数分(例えば5分)しか滞在しない場合も考えられる。この場合には、滞在予想時間を30分と計算して目的地到着予想時刻を案内しているため、実際に目的地に到着する時間と25分のずれが生じてしまい、好ましくなかった。そこで、ユーザの置かれた詳細な状況を考慮して滞在予想時間を特定でき、目的地到着予想時刻の精度を向上できるシステムが要望されていた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、目的地到着予想時刻を設定する際において、ユーザの置かれた詳細な状況を考慮して滞在予想時間を特定でき、目的地到着予想時刻の精度を向上できる滞在予想時間修正システム、滞在予想時間修正方法、及び滞在予想時間修正プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る滞在予想時間修正システムは、車両が出発地から目的地まで移動する間の経由地における滞在予想時間を取得する取得手段と、前記車両が前記経由地に存在するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段にて前記車両が前記経由地に存在すると判定している間における、前記車両に乗車している人数の増減、又は、前記車両の電源オンの継続時間に基づいて、前記取得手段にて取得した滞在予想時間を修正する修正手段と、を備える。
【0007】
また、本発明に係る滞在予想時間修正方法は、取得手段が、車両が出発地から目的地まで移動する間の経由地における滞在予想時間を取得する取得ステップと、判定手段が、前記車両が前記経由地に存在するか否かを判定する判定ステップと、前記修正手段が、前記判定手段にて前記車両が前記経由地に存在すると判定している間における、前記車両に乗車している人数の増減、又は、前記車両の電源オンの継続時間に基づいて、前記取得手段にて取得した滞在予想時間を修正する修正ステップと、を含む。
【0008】
また、本発明に係る滞在予想時間修正プログラムは、コンピュータを、車両が出発地から目的地まで移動する間の経由地における滞在予想時間を取得する取得手段と、前記車両が前記経由地に存在するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段にて前記車両が前記経由地に存在すると判定している間における、前記車両に乗車している人数の増減、又は、前記車両の電源オンの継続時間に基づいて、前記取得手段にて取得した滞在予想時間を修正する修正手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る滞在予想時間修正システム、滞在予想時間修正方法、及び滞在予想時間修正プログラムによれば、車両に乗車している人数の増減、又は、車両の電源オンの継続時間に基づいて滞在予想時間を修正するので、目的地到着予想時刻を設定する際において、経由地においてユーザが置かれた詳細な状況を考慮して滞在予想時間を特定でき、目的地到着予想時刻の精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態に係る滞在予想時間修正システムを例示するブロック図である。
図2】修正DBに格納された情報を例示する図である。
図3】制御処理のフローチャートである。
図4】判定処理のフローチャートである。
図5】修正処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態)
以下、本発明に係る滞在予想時間修正システム、滞在予想時間修正方法、及び滞在予想時間修正プログラムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0012】
[実施の形態の基本的概念]
まずは、本実施の形態の基本的概念について説明する。
【0013】
本発明に係る滞在予想時間修正システムは、経由地における滞在予想時間を修正するためのシステムである。ここで、「経由地」とは、車両が出発地から目的地まで移動する間に経由する地点であって、例えば、スーパーマーケット、サービスエリア、パーキングエリア、又はコンビニエンスストア等の様々な施設を含む概念である。「車両」とは、例えば、四輪自動車、二輪自動車、及び自転車等を含む概念であるが、以下では、車両が四輪自動車である場合について説明する。「出発地」とは、車両が走行を開始する地点であって、例えば走行ルート案内を設定した際における車両の現在位置である。「目的地」とは、車両が走行を終了する地点であって、例えば走行ルート案内のゴール地点として設定される地点である。「滞在予想時間」とは、車両が経由地において滞在すると予想される時間であって、滞在予想時間修正システムによる修正の対象となる時間である。この滞在予想時間は、車両が経由地に到着する前の任意のタイミング(例えば、走行ルート案内の開始時)において車載装置に取得される。例えば、本実施の形態では施設カテゴリ毎に予め定められた値が取得される。具体的にはスーパーマーケットであれば「30分」、サービスエリアであれば「15分」、パーキングエリアであれば「10分」、コンビニエンスストアであれば「5分」が取得される。ただし、このような施設カテゴリ毎ではなく、施設毎に異なる滞在予想時間が取得されても良い。「滞在する」とは、本実施の形態では「車速=0の状態」とするが、これに限らず、例えば車両が所定速度(例えば、時速5km)よりも遅い速度で走行している状態(例えば、経由地に入場するための列に並んでいる状態等)を含めても構わない。
【0014】
[実施の形態の具体的内容]
続いて、本実施の形態の具体的内容について説明する。
【0015】
(構成)
まずは、本実施の形態に係る滞在予想時間修正システムの構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る滞在予想時間修正システムを例示するブロック図である。この図1に示すように、滞在予想時間修正システムは、車載装置1を備えて構成される。ここで、「車載装置」1とは、車両に搭載される装置であり、具体的には、車載用ナビゲーション装置等を含む概念である。なお、滞在予想時間修正システムを車載装置1以外の装置で構成しても構わない。
【0016】
(構成−車載装置)
まず、本実施の形態に係る車載装置1について説明する。この車載装置1は、概略的に、タッチパッド2、ディスプレイ3、スピーカ4、現在位置検出部5、重量センサ6、通信部7、制御部8、及びデータ記録部9を備えている。
【0017】
(構成−車載装置−タッチパッド)
タッチパッド2は、ユーザの指等で押圧されることにより、当該ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段である。このタッチパッド2の具体的な構成は任意であるが、例えば、抵抗膜方式や静電容量方式等による操作位置検出手段を備えた公知のものを用いることができる。
【0018】
(構成−車載装置−ディスプレイ)
ディスプレイ3は、各種の画像を表示する表示手段である。このディスプレイ3の具体的な構成は任意であるが、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等を用いることができる。なお、上記のタッチパッド2と当該ディスプレイ3をタッチパネルとして一体形成しても構わない。
【0019】
(構成−車載装置−スピーカ)
スピーカ4は、情報を音声にて出力する音声出力手段である。このスピーカ4から出力される音声の具体的な態様は任意であり、必要に応じて生成された合成音声や、予め録音された音声を出力することができる。
【0020】
(構成−車載装置−現在位置検出部)
現在位置検出部5は、車載装置1の現在位置を検出する現在位置検出手段である。この現在位置検出部5は、GPS又は地磁気センサ(いずれも図示省略)を有し、現在の車載装置1の位置(座標)及び方位等を公知の方法にて検出する。
【0021】
(構成−車載装置−重量センサ)
重量センサ6は、車両の重量を測定して乗車人数の増減を検知する検知手段であり、経由地における乗車人数、及び降車人数を特定する人数特定手段である。この重量センサ6の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば公知の感圧式重量センサを用いることができる。
【0022】
(構成−車載装置−通信部)
通信部7は、センター装置(図示省略)との間でネットワークを介した通信を行う通信手段である。この通信手段の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の移動体無線通信手段や、FM多重放送やビーコンを介した公知のVICS(登録商標)システム用の無線通信手段を用いることができる。
【0023】
(構成−車載装置−制御部)
制御部8は、車載装置1を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態に係る滞在予想時間修正プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して車載装置1にインストールされることで、制御部8の各部を実質的に構成する。
【0024】
また、この制御部8は、機能概念的に、取得部8a、判定部8b、及び修正部8cを備えている。取得部8aは、車両が出発地から目的地まで移動する間の経由地における滞在予想時間を取得する取得手段である。判定部8bは、車両が経由地に存在するか否かを判定する判定手段である。修正部8cは、判定部8bにて車両が経由地に存在すると判定している間における、車両に乗車している人数の増減、又は、車両の電源オン(後述する)の継続時間に基づいて、取得部8aにて取得した滞在予想時間を修正する修正手段である。なお、これらの制御部8の各部で実行される具体的な処理については、後述する。
【0025】
(構成−車載装置−データ記録部)
データ記録部9は、車載装置1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
【0026】
また、このデータ記録部9は、地図データベース(以下、DB)9a、及び修正DB9bを備えている。
【0027】
図DB9aは、地図情報を格納する地図情報格納手段である。ここで、「地図情報」とは、ユーザに対して地図を提示するための情報であり、具体的には、道路、道路の交差点、道路構造物、施設等を含む各種の位置の特定に必要な情報であり、例えば、道路上に設定された各ノードに関するノードデータ(例えばノードID、座標等)や、道路上に設定された各リンクに関するリンクデータ(例えばリンクID、リンク名、接続ノードID、道路座標、道路種別(例えば、細街路、一般道路、主要国道、及び高速道路等)、道路幅、車線数等)、地物データ(例えば信号機、道路標識、ガードレール、施設、施設カテゴリ等)、地形データ等を含んで構成されている。このような地図DB9aの地図情報については、所定の記録媒体を介して入力することにより記録されたり、不図示の地図配信センターから配信された情報を受信することにより記録されたりする。
【0028】
また、修正DB9bは、車両に乗車している人数、つまり経由地に到着後、車両に残ったまま車両に乗っている人数である乗車人数に関する乗車人数情報と、経由地にて車両から降車した人数である降車人数に関する降車人数情報と、滞在予想時間の修正内容に関する修正情報と、を相互に関連付けて格納する修正情報格納手段である。ここで、図2は、修正DB9bに格納された情報を例示する図である。なお図2は、「滞在予想時間が15分の施設に関する情報」であるが、修正DB9bにはこれ以外にも、「滞在予想時間が30分の施設に関する情報」や「滞在予想時間が20分の施設に関する情報」等といったように、滞在予想時間毎に図2の如き表が格納されている。ただし、これらはいずれも同様に構成できるので、本実施の形態では図2のように「滞在予想時間が15分の施設に関する情報」についてのみ説明する。
【0029】
この図2に示すように、修正DB9bには、行の項目「乗車人数」、列の項目「降車人数」、が設けられている。そして、行の項目「乗車人数」に対応する情報としては、経由地にて車両に乗車している人数である乗車人数に関する乗車人数情報が格納されており、列の項目「降車人数」に対応する情報としては、経由地にて車両から降車した人数である降車人数に関する降車人数情報が格納されている。具体的には、項目「乗車人数」は、乗車人数がそれぞれ0人、1人、2人等であることを特定する小項目「0人」、「1人」、「2人」等が設けられており、項目「降車人数」は、降車人数がそれぞれ1人、2人、3人、4人、5人等であることを特定する小項目「1人」、「2人」、「3人」、「4人」、「5人」等が設けられている。そして、これらの行列の各項目の組み合わせに対応する情報として、「修正後時間」が格納されている。ここで、「修正後時間」とは、取得した滞在予想時間(図2の例では15分)をどのように修正するかに関する情報であって、例えば「降車人数」=「1人」の項目には、滞在予想時間を3分に修正する「3」、滞在予想時間を7.5分に修正する「7.5」、滞在予想時間を5分に修正する「5」等が格納されている。すなわち、乗車人数が「1人」で降車人数が「2人」の場合には、滞在予想時間を「8分」に修正することを意味し、乗車人数が「2人」で降車人数が「3人」の場合には、滞在予想時間を「7分」に修正することを意味する。なお、本実施の形態では、修正後時間として具体的な時間を格納したが、これに限らず例えば「50%」、「70%」といったように、取得した滞在予想時間に対する百分率を格納しても良い。
【0030】
(制御処理)
次に、このように構成される滞在予想時間修正システムによって実行される制御処理について説明する。なお、以下の各処理の説明において、制御主体を特記しない処理については、車載装置1の制御部8にて実行されるものとし、情報の取得元や取得経路を特記しない場合については、公知のタイミング及び公知の方法にて、車載装置1のデータ記録部9に予め格納されており、あるいは、車載装置1のタッチパッド2を介してユーザ等によって入力されるものとする。また、ステップを「S」と略記する。
【0031】
図3は、制御処理のフローチャートである。この制御処理の起動タイミングは任意であるが、本実施の形態では、車両が電源オンの状態で、出発地から経由地を介して目的地までの走行ルートが設定された際に実行される。ここで、「電源オン」とは、常時電源(例えば、キーを回さずに常に出力され、時計やセキュリティ等に用いられる電源)を除くいずれかの電源が出力されている状態を示し、例えば、エンジンが始動している状態(IG−ON)や、アクセサリ電源が出力されている状態(ACC−ON)を含む。なお、以下では「電源オン」=「ACC電源オン」とする。また、「出発地から経由地を介して目的地までの走行ルートが設定された際」とは、例えば、車載装置1の制御部8が、ユーザがタッチパッド2を操作して入力した経由地や目的地に関する情報(例えば、施設名称)に基づいて経由地及び目的地を設定し、また、現在位置検出部5にて検出された現在位置を出発地として設定し、これらの設定された出発地、経由地、及び目的地の情報に基づいて、公知の方法で出発地から経由地を介して目的地に至る最短の走行ルートが設定された際等が含まれる。なお、以下では「経由地」=「サービスエリア」として説明する。
【0032】
なお、制御処理の実行中に車両が電源オフとなった場合には、制御処理は一時的に中断され、再度電源オンとなった場合に中断した処理から再度実行される。また、制御処理を終了するタイミングは任意であるが、本実施の形態では、車両が目的地に到着して走行ルート案内を終了する際に終了する。
【0033】
SA1にて、取得部8aは、滞在予想時間を取得してディスプレイ3に表示する。この取得の具体的な方法は任意であるが、例えば設定された経由地に基づいて、滞在予想時間DB(図示省略)を参照して特定できる。「滞在予想時間DB」は、施設カテゴリを特定する施設カテゴリ情報(例えば、「スーパーマーケット」、「サービスエリア」、「パーキングエリア」、又は「コンビニエンスストア」等)と、滞在予想時間を特定する滞在予想時間情報(例えば、それぞれ「30分」、「15分」、「10分」、「5分」等)とを相互に対応付けて格納した滞在予想時間格納手段である。具体的には、取得部8aは、ユーザに設定された経由地の施設カテゴリを地図DB9aから特定し、特定した施設カテゴリに対応する滞在予想時間を滞在予想時間DBに基づいて特定する。なお、以下ではサービスエリアの滞在予想時間として、「15分」を取得したものとして説明する。
【0034】
また、表示の具体的な内容については任意であるが、本実施の形態においては、一例として、「出発時刻」=「9:00」、「経由地到着予想時刻」=「10:00」、「滞在予想時間」=「15分」、「経由地出発予想時刻」=「10:15」、「目的地到着予想時刻」=「11:15」と表示する。このように滞在予想時間を考慮して最終的な目的地に到着する時刻を予想することができる。なお、経由地が複数地点設定されている場合、「経由地到着予想時刻」、「滞在予想時間」、及び「経由地出発予想時刻」については、それぞれの経由地に関して表示しても良い。
【0035】
SA2にて、判定部8bは、判定処理を実行する。図4は、判定処理のフローチャートである。この判定処理は、概略的に、車両が経由地に滞在しているか否かを判定する処理である。
【0036】
まず、SB1にて、判定部8bは、車両の現在位置=経由地(サービスエリア)となったか否かを判定する。この判定の具体的な方法は任意であるが、例えば現在位置検出部5にて検出された車両の現在位置座標と、地図DB9aに格納された経由地の位置座標とが一致(又は、所定距離以内(例えば、100m以内))したか否かを判定する。そして、両位置座標が一致するまで待機し(SB1、No)、一致した場合(SB1、Yes)、車両が経由地に到着したものとし、SB2に移行する。
【0037】
SB2にて、判定部8bは、車両の車速=0となったか否かを判定する。この判定の具体的な方法は任意であるが、例えば、車両に設けられた公知の車速センサ(図示省略)からの車速パルスに基づいて車速を特定することで、判定しても良い。そして、車速=0となるまで待機し(SB2、No)、車速=0となった場合(SB2、Yes)、車両が経由地で停止したものとし、判定処理を終了する。
【0038】
図3に戻り、SA3にて、修正部8cは、修正処理を実行する。図5は、修正処理のフローチャートである。この修正処理は、概略的に、上記のSB1において取得した滞在予想時間を、ユーザの置かれた詳細な状況を考慮して修正する処理である。なお、「ユーザの置かれた詳細な状況」とは、以下では「車両に乗車している人数(乗車人数)の増減」、及び「車両の電源オンの継続時間」とするが、これらのいずれか一方のみでも構わない。
【0039】
SC1にて、修正部8cは、車両が経由地から移動するまでの間、SC1からSC7までの処理をループする。ここで、「車両が経由地から移動」とは、車両が経由地から出発したことを示す。このように経由地を出発した場合には、既に経由地に滞在していた正確な時間(経由地に到着してから経由地を出発するまでの時間)を特定できるので、滞在予想時間を修正する必要はない。すなわち、本願にて滞在予想時間を修正することの目的は、経由地出発予想時刻と、実際の経由地出発時刻とがずれてしまうことにより、目的地到着予想時刻が実際の到着時刻とずれてしまうことを防止するためである。したがって、既に経由地を出発しており、正確な経由地出発時刻が特定できるのであれば、当該経由地出発時刻に、目的地までに要する時間を加えた値を目的地到着予想時刻として修正すれば足りるので、滞在予想時間を修正する必要はない。要するに、本実施の形態に係る滞在予想時間修正システムは、車両が経由地に居る状態(経由地を出発する前の状態)で、滞在予想時間を修正するシステムである。
【0040】
なお、車両が経由地から移動したか否かの具体的な判定方法は任意で、例えば現在位置検出部5にて検出した車両の現在位置座標が、地図DB9aに格納された経由地の位置座標から所定距離(例えば、100m)離れたか否かを判定しても良い。また、このように複数回にわたって繰り返すループにおいて、以下では、説明の対象となるループを「今回ループ」と称し、初回のループを「初回ループ」と称し、今回ループの直前のループを「前回ループ」と称する。
【0041】
SC2にて、修正部8cは、現在の乗車人数を特定する。この特定の具体的な方法は任意で、例えば重量センサ6にて車両に乗車している人の総重量を測定し、この総重量を基準値(例えば成人の平均体重である60kg)で除して、小数点以下を切り捨てることにより整数値で特定しても良い。
【0042】
SC3にて、修正部8cは、車両の乗車人数が増減したか否かを判定する。この判定の具体的な方法は任意で、例えば今回ループ時のSC2において特定した乗車人数が、前回ループ時のSC2において特定した乗車人数と比べて増減しているかを判定しても良い。そして、乗車人数が増減していない場合(SC3、No)、SC7に移行して、車両が経由地から移動するまでループを行い、乗車人数が増減した場合(SC3、Yes)、SC4に移行する。例えば以下では、前回ループ時の乗車人数が「3人」であったのに対し、今回ループ時の乗車人数が「2人」であったものとし、乗車人数が増減したと判定する。なお、修正処理の初回ループ時には、乗車人数が増減していない(SC3、No)と判断して次のループへ移行する。
【0043】
SC4にて、修正部8cは、SC3の処理から1分経過したか否かを判定する。この判定の具体的な方法は任意で、例えば修正部8cは、乗車人数が増減した場合(SC3、Yes)に公知の計時手段にて計時を開始し、1分を経過したか否かを判定しても良い。そして、1分経過するまで待機し(SC4、No)、経過した場合(SC4、Yes)、SC5に移行する。このように1分の経過を待つ理由については後述する。なお、本実施の形態では1分であるが、これに限らず、滞在予想時間未満の任意の時間を当該判定に用いて良い。
【0044】
SC5にて、修正部8cは、現在の降車人数を特定する。この特定の具体的な方法は任意であるが、例えば、初回ループ時におけるSC2にて特定した乗車人数(すなわち、全員が乗車している場合における乗車人数)と、今回ループ時におけるSC2にて特定した乗車人数との差を、現在の降車人数として特定する。例えば、初回ループ時の乗車人数が「3人」で、今回ループ時の乗車人数が「2人」である場合、現在の降車人数を「1人」と判定する(すなわち、車両に乗って経由地まで来た3人のうち1人が経由地で車外に降りて、2人が車内に残っている状態であると判定する)。
【0045】
SC6にて、修正部8cは、滞在予想時間の修正を実行する。具体的には、修正部8cは、図2の修正DB9bを参照し、今回ループ時のSC2において特定した「乗車人数」に対応する行と、今回ループ時のSC5において特定した「降車人数」に対応する列との組み合わせに対応する「修正後時間」を特定する。例えば図2では、乗車人数が「2人」で、降車人数が「1人」の場合、修正後時間は「5分」であるため、滞在予想時間を5分に修正する。
【0046】
ここで、修正DB9bの「修正後時間」に格納する具体的な時間の決定基準は任意であるが、以下では決定基準の一例について図2を参照して説明する。まず、乗車人数が「0人」の場合(図2の「乗車人数」=「0人」の行参照。すなわち、車両がACC電源オンとなっているにも関わらず車内の全員が降車した場合)、セキュリティ上の観点から全員が長時間車外に出ていることは想定し辛いので、早急に車内に戻ってくる可能性が高いと考えられ、修正後時間は例えば3分等の短い時間としている。
【0047】
また、乗車人数が「1人」以上居る場合(図2の「乗車人数」=「1人」の行、及び「2」の行参照。すなわち、車内に1人以上が待機し、他の者が車外に出てサービスエリア等に立ち寄っている場合)、車内の1人によりセキュリティ上の問題は緩和され、降車した人が車内に戻ってくるまでに要する時間は、乗車人数が「0人」の場合の時間(3分)よりも長くなると想定できる。具体的には、「乗車人数」=「1人」の行、及び「2人」の行には、「3分」以上の時間が格納されている。
【0048】
また、このように乗車人数が「1人」以上居る場合、乗車人数と降車人数の人数比に応じて、修正後時間を決定しても良い。すなわち、乗車人数に比べて降車人数が少ない場合、降車した人は、乗車している人に気を使って、経由地で用事を済ませた後に早急に車内に戻ってくる可能性が高い。一方、乗車人数に比べて降車人数が多い場合、降車した人は、乗車している人に特に気を使わず、経由地で時間をかけて用事を済ませてから車内に戻ってくる可能性が高い。したがって、乗車人数に比べて降車人数が少ない程、修正後時間は短くなるよう決定し、乗車人数に比べて降車人数が多い程、修正後時間は長くなるように決定しても良い。具体的には、例えば図2では同一の乗車人数(例えば「乗車人数」=「2人」の行参照)であっても、降車人数が少ない程、修正後時間として短い時間が格納されている。また、同一の降車人数(例えば「降車人数」=「3人」の列参照)であっても、乗車人数が多い程、修正後時間として短い時間が格納されている。なお、上記のように説明した修正後時間の決定の基準は一例に過ぎず、これに限らない。
【0049】
そして、修正部8cは、このように修正した滞在予想時間、及び滞在予想時間の修正に基づいて修正した他の時刻をディスプレイ3に表示することが好ましい。例えば本実施の形態では、「出発時刻」=「9:00」、「経由地到着予想時刻」=「10:00」、「滞在予想時間」=「5分」、「経由地出発予想時刻」=「10:05」、「目的地到着予想時刻」=「11:05」と表示する。例えば、「経由地出発予想時刻」と「目的地到着予想時刻」は、SA1で算定した経由地出発予想時刻と目的地到着予想時刻を、SA1で算定した滞在予想時間とSC6で取得した修正後時間との増減分だけ増減することにより、それぞれ算定することができる。ここで、従来技術では経由地を出発するまで経由地での正確な滞在時間が分からなかったので、経由地を出発した際に初めて目的地到着予想時刻を修正できた。したがって、車両が経由地を出発するまでの間は、目的地到着予想時刻と、実際の目的地到着時刻が大きく乖離してしまう可能性があった。しかし、本実施の形態ではこのように経由地を出発する前に(未だ車両が経由地に居る状態で)、ユーザが置かれた詳細な状況を考慮して滞在予想時間を修正でき、より正確な目的地到着予想時刻を算出できる。
【0050】
以上のように、本実施の形態では、乗車人数の増減(SC3)、及びACC電源の継続時間(SC4)に基づいて、滞在予想時間を修正するので、ユーザの置かれた詳細な状況を考慮して滞在予想時間を特定できる。すなわち、車速=0で人が降車した場合、降車した人が長時間車内に戻って来ないのであれば通常は電源オフにすると考えられるが、車内に短時間で戻って来るのであればACC電源オンにしたままとする可能性がある。そこで本実施の形態では、「車速=0で人が降車した場合に、ACC電源オン」=「車内に短時間で戻ってくる」という考え方の下に、滞在予想時間を初期取得値よりも短縮している。また、本実施の形態では、SC3の処理から1分経過、すなわち、ACC電源オンの継続時間が1分を経過した場合にのみSC5に移行するので、この間に電源オフになった場合等には制御処理が終了してSC5に移行せず、滞在予想時間の修正は行わない。したがって、ACC電源オンの状態で乗車人数の増減があってから(SC3、Yes)、乗員達自身が長時間戻らないことを認識して1分経過前に電源オフにしたにも関わらず、滞在予想時間が短縮されてしまうことを防止できる。すなわち、乗員達自身が長時間戻らないことを認識している場合であっても、降車後に数秒(例えば10秒)してから電源オフにすることもあるが、この場合にすぐに滞在予想時間を短縮することは好ましくないので、1分の経過を待つことで、乗員が意図的に「車速=0でACC電源オン」としていることを確定できる。
【0051】
SC7にて、修正部8cは、車両が経由地から移動するまでの間SC1からSC7の処理を繰り返し実行する。したがって、乗車人数の増減がある度に(SC3、Yes)、滞在予想時間が適宜修正されていく。例えば、上記の説明では、人が降車して滞在予想時間が短縮されるまでについて記載したが、この後にさらに人が降車した場合等には、滞在予想時間が延長されることもある。具体例を挙げると、図2において、「乗車人数」=「2人」で、「降車人数」=「3人」である場合、「修正後時間」=「7分」であるが、この後に、乗車している2人のうち1人がさらに降車して「乗車人数」=「1人」で、「降車人数」=「4人」となった場合、「修正後時間」=「11分」に延長される。逆に、一旦降車した人が車内に戻って来た場合には、滞在予想時間は短縮されることもある。具体例を挙げると、図2において、「乗車人数」=「1人」で、「降車人数」=「3人」である場合、「修正後時間」=「9分」であるが、降車した3人のうち1人が戻って来て「乗車人数」=「2人」で、「降車人数」=「2人」となった場合、「修正後時間」=「6分」に短縮される。そして、経由地から移動した場合、修正処理を終了して図3の制御処理に戻る。
【0052】
また、経由地が複数地点設定されている場合、経由地の数だけ判定処理(SA2)及び修正処理(SA3)を繰り返し実行しても構わない。これに制御処理を終了する。
【0053】
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、車両に乗車している人数の増減、又は、車両の電源オンの継続時間に基づいて滞在予想時間を修正するので、目的地到着予想時刻を設定する際において、経由地においてユーザが置かれた詳細な状況を考慮して滞在予想時間を特定でき、目的地到着予想時刻の精度を向上できる。
【0054】
また、修正DB9bに格納された乗車人数情報、降車人数情報、及び修正情報を参照して修正情報を特定し、当該特定した修正情報に基づいて滞在予想時間を修正するので、乗車人数及び降車人数に基づいて、対応する修正情報を極めて容易に特定することができる。
【0055】
また、車両に乗車している人数の増減、及び、車両の電源オンの継続時間に基づいて滞在予想時間を修正するので、目的地到着予想時刻を設定する際において、ユーザが置かれた詳細な状況をより一層考慮して滞在予想時間を特定でき、目的地到着予想時刻の精度をより一層向上できる。
【0056】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0057】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決することや、上述した効果の一部のみを奏することがある。
【0058】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。本出願における「システム」とは、複数の装置によって構成されたものに限定されず、単一の装置によって構成されたものを含む。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。例えば、車載装置1の各部を、相互に通信可能に構成された複数の装置に分散して構成し、これら複数の装置が互いに通信することにより、車載装置1と同様な機能を発揮するようにしてもよい。
【0059】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0060】
(人数特定手段について)
本実施の形態においては、経由地における乗車人数及び降車人数を特定する人数特定手段は、重量センサ6であるものとして説明したが、これに限らず、例えば公知の人感センサや画像認識等を用いても構わない。
【0061】
(修正処理について)
また、本実施の形態においては、車両が経由地に存在する間における、乗車人数の増減、及び車両のACC電源オンの継続時間に基づいて、滞在予想時間を修正したが、これに限らず、乗車人数の増減、又は車両のACC電源オンの継続時間のいずれか一方のみに基づいて、滞在予想時間を修正しても良い。例えば、乗車人数の増減のみに基づいて修正する場合、乗車人数が増減した場合に直ちに(1分経過を待たずに)滞在予想時間を修正DB9bに基づいて修正しても良い。また、ACC電源オンの継続時間のみに基づいて修正する場合、ACC電源オンの継続時間が第一継続時間(例えば、1分)を超えた場合に、滞在予想時間を第一滞在予想時間(例えば、3分)に修正し、ACC電源オンの継続時間が第二継続時間(例えば、3分)を超えた場合に、滞在予想時間を第二滞在予想時間(例えば、5分)に修正し、ACC電源オンの継続時間が第三継続時間(例えば、5分)を超えた場合に、滞在予想時間を第三滞在予想時間(例えば、8分)に修正するといったように段階的に修正しても良い。
【0062】
また、本実施の形態においては、経由地にて人が降車する場合(初回ループ時よりも人が減った場合)について説明したが、これに限らず、経由地にて人が乗車する場合についても同様に説明できる。例えば、図5の修正処理における初回ループ時よりも乗車人数が増えた場合、経由地で人をピックアップすることが目的であり、他に経由地に目的が無くすぐに経由地を移動すると考えられるので、例えば修正後時間=2分としても良い。
【0063】
また、本実施の形態においては、滞在予想時間を、施設カテゴリに基づいて取得した時間よりも短い時間に修正したが、取得した時間よりも長い時間に修正しても構わない。また、降車した人が全員戻って来た場合、すぐに出発することが考えられるので、滞在予想時間を大幅に短縮しても構わない。
【0064】
〔実施の形態の特徴と効果の一部〕
最後に、これまでに説明した実施の形態の特徴と効果の一部を、以下に例示する。ただし、実施の形態の特徴と効果は、以下の内容に限定されず、以下の特徴の一部のみを具備することによって以下の効果の一部のみを奏する場合や、以下の特徴以外の他の特徴を具備することによって以下の効果以外の他の効果を奏する場合がある。
【0065】
実施の形態の1つの側面1に係る滞在予想時間修正システムは、車両が出発地から目的地まで移動する間の経由地における滞在予想時間を取得する取得手段と、前記車両が前記経由地に存在するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段にて前記車両が前記経由地に存在すると判定している間における、前記車両に乗車している人数の増減、又は、前記車両の電源オンの継続時間に基づいて、前記取得手段にて取得した滞在予想時間を修正する修正手段と、を備える。
【0066】
上記側面1に係る滞在予想時間修正システムによれば、車両に乗車している人数の増減、又は、車両の電源オンの継続時間に基づいて滞在予想時間を修正するので、目的地到着予想時刻を設定する際において、経由地においてユーザが置かれた詳細な状況を考慮して滞在予想時間を特定でき、目的地到着予想時刻の精度を向上できる。
【0067】
実施の形態の他の側面2に係る滞在予想時間修正システムは、上記側面1に係る滞在予想時間修正システムにおいて、車両に乗車している人数である乗車人数に関する乗車人数情報と、経由地にて車両から降車した人数である降車人数に関する降車人数情報と、前記滞在予想時間の修正内容に関する修正情報と、を相互に関連付けて格納する修正情報格納手段と、前記経由地における乗車人数、及び降車人数を特定する人数特定手段と、を備え、前記修正手段は、前記人数特定手段にて特定された乗車人数、及び降車人数に基づいて、前記修正情報格納手段に格納された乗車人数情報、降車人数情報、及び修正情報を参照して修正情報を特定し、当該特定した修正情報に基づいて前記滞在予想時間を修正する。
【0068】
上記側面2に係る滞在予想時間修正システムによれば、修正情報格納手段に格納された乗車人数情報、降車人数情報、及び修正情報を参照して修正情報を特定し、当該特定した修正情報に基づいて滞在予想時間を修正するので、乗車人数及び降車人数に基づいて、対応する修正情報を極めて容易に特定することができる。
【0069】
実施の形態の他の側面3に係る滞在予想時間修正システムは、上記側面1又は側面2に係る滞在予想時間修正システムにおいて、前記判定手段にて前記車両が前記経由地に存在すると判定している間における、前記車両に乗車している人数の増減、及び、前記車両の電源オンの継続時間に基づいて、前記取得手段にて取得した滞在予想時間を修正する。
【0070】
上記側面3に係る滞在予想時間修正システムによれば、車両に乗車している人数の増減、及び、車両の電源オンの継続時間に基づいて滞在予想時間を修正するので、目的地到着予想時刻を設定する際において、経由地においてユーザが置かれた詳細な状況をより一層考慮して滞在予想時間を特定でき、目的地到着予想時刻の精度をより一層向上できる。
【0071】
実施の形態の他の側面4に係る滞在予想時間修正方法は、取得手段が、車両が出発地から目的地まで移動する間の経由地における滞在予想時間を取得する取得ステップと、判定手段が、前記車両が前記経由地に存在するか否かを判定する判定ステップと、前記修正手段が、前記判定手段にて前記車両が前記経由地に存在すると判定している間における、前記車両に乗車している人数の増減、又は、前記車両の電源オンの継続時間に基づいて、前記取得手段にて取得した滞在予想時間を修正する修正ステップと、を含む。
【0072】
上記側面4に係る滞在予想時間修正方法によれば、車両に乗車している人数の増減、又は、車両の電源オンの継続時間に基づいて滞在予想時間を修正するので、目的地到着予想時刻を設定する際において、経由地においてユーザが置かれた詳細な状況を考慮して滞在予想時間を特定でき、目的地到着予想時刻の精度を向上できる。
【0073】
実施の形態の他の側面5に係る滞在予想時間修正プログラムは、コンピュータを、車両が出発地から目的地まで移動する間の経由地における滞在予想時間を取得する取得手段と、前記車両が前記経由地に存在するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段にて前記車両が前記経由地に存在すると判定している間における、前記車両に乗車している人数の増減、又は、前記車両の電源オンの継続時間に基づいて、前記取得手段にて取得した滞在予想時間を修正する修正手段と、として機能させる。
【0074】
上記側面5に係る滞在予想時間修正プログラムによれば、車両に乗車している人数の増減、又は、車両の電源オンの継続時間に基づいて滞在予想時間を修正するので、目的地到着予想時刻を設定する際において、経由地においてユーザが置かれた詳細な状況を考慮して滞在予想時間を特定でき、目的地到着予想時刻の精度を向上できる。
【符号の説明】
【0075】
1 車載装置
2 タッチパッド
3 ディスプレイ
4 スピーカ
5 現在位置検出部
6 重量センサ
7 通信部
8 制御部
8a 取得部
8b 判定部
8c 修正部
9 データ記録部
9a 地図DB
9b 修正DB
図1
図2
図3
図4
図5