特許第6515432号(P6515432)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6515432モバイル決済情報処理装置およびモバイル決済方法ならびにシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6515432
(24)【登録日】2019年4月26日
(45)【発行日】2019年5月22日
(54)【発明の名称】モバイル決済情報処理装置およびモバイル決済方法ならびにシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/32 20120101AFI20190513BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20190513BHJP
【FI】
   G06Q20/32 330
   G07G1/12 321L
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-9214(P2018-9214)
(22)【出願日】2018年1月23日
(65)【公開番号】特開2018-124995(P2018-124995A)
(43)【公開日】2018年8月9日
【審査請求日】2018年2月28日
(31)【優先権主張番号】201710057108.8
(32)【優先日】2017年1月23日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518026372
【氏名又は名称】上海訊聯数据服務有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100113608
【弁理士】
【氏名又は名称】平川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100138357
【弁理士】
【氏名又は名称】矢澤 広伸
(72)【発明者】
【氏名】趙 健
(72)【発明者】
【氏名】祝 振漢
(72)【発明者】
【氏名】虞 瑶
(72)【発明者】
【氏名】彭 徭
【審査官】 貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】 特表2016−507104(JP,A)
【文献】 特開2004−145772(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第105447687(CN,A)
【文献】 国際公開第2017/010793(WO,A1)
【文献】 国際公開第2016/137271(WO,A1)
【文献】 米国特許第07357319(US,B1)
【文献】 特表2003−515228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ受信装置、データ変換装置および送信装置を備えるモバイル決済情報処理装置であって、前記データ受信装置は、モバイル決済情報を受信して当該モバイル決済情報をデータ変換装置に送信し、前記データ変換装置は、移動端末が生成する一次元コード又は二次元コード中の前記モバイル決済情報をデジタル信号方式で送信装置に送信し、前記送信装置は、前記デジタル信号を磁気パルスに変換して送信することを特徴とするモバイル決済情報処理装置。
【請求項2】
前記データ変換装置は、前記モバイル決済情報を磁気ストライプカード情報に変換し、デジタル信号の形式で送信装置に送信することを特徴とする請求項1に記載のモバイル決済情報処理装置。
【請求項3】
前記データ受信装置はデータインタフェースを備えて、データ取得装置により取得され送信されたモバイル決済情報を受信することを特徴とする請求項1に記載のモバイル決済情報処理装置。
【請求項4】
前記データ受信装置はさらにデータ取得装置を備え、当該データ取得装置は、読込装置、音響波受信装置、カメラ、赤外信号受信器のうちの1以上の装置を備えて、モバイル決済情報を取得し、データインタフェースを介してデータ変換装置と接続または通信し、当該データ取得装置はデータ受信装置に集積されるかまたは独立ユニットとすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のモバイル決済情報処理装置。
【請求項5】
データ変換装置は変換制御モジュールを備え、前記変換制御モジュールは、データ受信装置が受信したモバイル決済情報をトラックフォーマットデータに変換し、当該データをデジタル信号で送信装置に送信することを特徴とする請求項1に記載のモバイル決済情報処理装置。
【請求項6】
前記送信装置は駆動回路および送信コイルを備え、前記駆動回路は、受信したデジタル信号により駆動電流を変調および増幅し、送信コイルは、駆動回路が変調および増幅した電流の作用下で磁気信号を生成し、当該磁気信号を送信することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のモバイル決済情報処理装置。
【請求項7】
前記モバイル決済情報処理装置がさらに信号処理装置を備え、当該信号処理装置は、復調装置およびセキュアチップを備えることを特徴とする請求項1または5に記載のモバイル決済情報処理装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のモバイル決済情報処理装置およびPOSレジスタを備え、前記POSレジスタは、モバイル決済情報処理装置が送信する磁気信号を受信することを特徴とするモバイル決済システム。
【請求項9】
さらに前記移動端末、決済代行プラットフォームおよびアクワイアラを備え、
前記移動端末上の決済代行プラットフォーム用アプリケーションモジュールが前記一次元コード又は二次元コードを生成し、
モバイル決済情報処理装置が、前記移動端末から得た前記一次元コード又は二次元コード中のモバイル決済データを読み取り、前記決済データを磁気信号に変換して送信し、
前記POSレジスタが磁気信号を受信し、トランザクション情報を生成してアクワイアラに送信し、
アクワイアラは当該トランザクション情報を次へ送って最後に対応する決済代行プラットフォームに送信し、
決済代行プラットフォームがトランザクション情報を受信してトランザクションを処理し、処理結果メッセージを返信する
ことを特徴とする請求項8に記載のモバイル決済システム。
【請求項10】
前記POSレジスタが、受信した決済データと注文書データとを合わせてトランザクション情報を生成してアクワイアラに送信することを特徴とする請求項9に記載のモバイル決済システム。
【請求項11】
移動端末上の決済代行プラットフォーム用アプリケーションモジュールがモバイル決済データを含む一次元コード又は二次元コードを生成するステップ、
モバイル決済情報処理装置が、移動端末から得た前記一次元コード又は二次元コード中の前記モバイル決済データを読み取り、前記決済データを磁気信号に変換して送信するステップ、
POSレジスタが磁気信号を受信し、トランザクション情報を生成してアクワイアラに送信するステップ、
アクワイアラが当該トランザクション情報を次へ送って最後に対応する決済代行プラットフォームに送信するステップ、
決済代行プラットフォームがトランザクション情報を受信してトランザクションを処理し、処理結果メッセージを返信するステップ、
を備えることを特徴とするモバイル決済方法。
【請求項12】
前記POSレジスタが、受信した決済データと注文書データとを合わせてトランザクション情報を生成し、アクワイアラに送信することを特徴とする請求項11に記載のモバイル決済システム。
【請求項13】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のモバイル決済情報処理装置を用いるか、または請求項8〜10のいずれか1項に記載のモバイル決済システムを用いることを特徴とする請求項11〜12のいずれか1項に記載のモバイル決済方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモバイル決済情報処理装置およびシステムに関し、特にモバイル決済情報変換装置およびモバイル決済方法ならびにシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフライン決済はPOSレジスタでカードを読み取ることにより完成され、モバイル決済は移動端末(通常は携帯電話)により完成されている。モバイル決済をオフラインで利用しようとすると、ほとんどの場合、ユーザは携帯の決済アプリ(APP)上の支払コードを提示しなければならず、売り手が支払コードをスキャンすることで完成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これまで、売り手が保有するPOSレジスタおよびERPシステムでは、モバイル決済トランザクションを直接処理することはできず、両立させるためには、売り手は既存のハードウェア端末やレジ用ソフトウェアシステムをアップグレードして改修する必要があった。ハードウェア機器にバーコードリーダーを追加したり、あるいはカメラを備えたPOSレジスタに交換したりするほか、売り手はさらに自社のレジシステムを変更し、POSレジスタ上の徴収プログラムをアップグレードし、ERPシステムを更新する等の措置をとる必要がある。売り手が大手の場合、すべてを改修するには長い周期とコストが必要である。売り手が小規模であれば、最初から改修を諦め、モバイル用の徴収システムを別に1組増やすなど、他の方法を選ぶ可能性もあるが、このことは2組の徴収設備をセッティングし、かつ2組のシステム間の資金繰りに耐えねばならないことを意味する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、従来のPOSレジスタに、モバイル決済トランザクションを速やかに両立させる手段を提供するもので、当該手段は、従来の端末用プログラムを変更することなく、モバイル決済トランザクション情報とPOSレジスタとの間における情報の変換および伝達の問題を解決する。
【0005】
本発明の目的は、下記の技術手段により実現される。移動デバイスに設定した第三者支払アプリケーションモジュールにより、モバイル決済を立ち上げて、支払証明書(一次元コード、二次元コード、音響波信号、または赤外放射線等)を生成し、モバイル決済情報処理装置により支払証明書中のモバイル決済情報を磁気ストライプカード中の第2トラック情報に変換し、かつ第2トラック情報に対応するデジタル信号を形成し、デジタル信号を磁気パルス信号に変換してPOS端末に送信し、次いでPOS端末によりトランザクションを従来のアクワイアラに伝送する。アクワイアラは要求を受け取ると、このトランザクションを処理し、それを次へ送って最後に決済代行プラットフォーム(ウィチャットペイ、アリペイ、ベストペイ等)に伝送する。決済代行プラットフォームはトランザクションを処理した後、引き落とし結果をアクワイアラを経由してPOS端末に返送する。
【0006】
本発明ではまた、その目的を実現するために、下記の技術手段を採用する。
【0007】
モバイル決済情報処理装置は、データ受信装置、データ変換装置、および送信装置を備え、ここでデータ受信装置は、モバイル決済情報を受信して当該モバイル決済情報をデータ変換装置に送信し、データ変換装置は、モバイル決済情報をデジタル信号方式で送信装置に送信し、送信装置は、デジタル信号を磁気パルスに変換して送信する。
【0008】
モバイル決済情報処理装置において、好適には、データ変換装置がモバイル決済情報を磁気ストライプカード情報に変換し、デジタル信号の形式で送信装置に送信する。
【0009】
モバイル決済情報処理装置において、好適には、データ受信装置がデータインタフェースを備えて、データ取得装置により取得され送信されたモバイル決済情報を受信する。
【0010】
モバイル決済情報処理装置において、好適には、データ受信装置がさらにデータ取得装置を備え、当該データ取得装置は、読込装置、音響波受信装置、カメラ、赤外信号受信器のうちの1以上の装置を備えてモバイル決済情報の取得用とし、データ取得装置はデータインタフェースを介してデータ変換装置と接続または通信する。データ取得装置は、データ受信装置に集積されるかまたは独立ユニットとする。
【0011】
モバイル決済情報処理装置において、好適には、データ変換装置が変換制御モジュールを備え、ここで、変換制御モジュールはデータ受信装置が受信したモバイル決済情報をトラックフォーマットデータに変換し、当該データをデジタル信号として送信装置に送信する。
【0012】
モバイル決済情報処理装置において、好適には、送信装置が駆動回路および送信コイルを備え、駆動回路は受信したデジタル信号により駆動電流を変調および増幅し、送信コイルは駆動回路が変調および増幅した電流の作用下で磁気信号を生成し、当該磁気信号を送信する。
【0013】
モバイル決済情報処理装置において、好適には、当該モバイル決済情報処理装置がさらに信号処理装置を備え、当該信号処理装置は復調装置およびセキュアチップを備える。
【0014】
モバイル決済情報処理装置において、好適には、音響波受信装置が、モバイル決済情報を含む音響波信号を受信した後、当該信号をデータインタフェースを介して復調装置に伝送し、復調装置は当該音響波信号を変調信号に復調してセキュアチップに出力し、セキュアチップは当該変調信号を復号して、得られたデータ源をデータ変換装置に出力する。
【0015】
モバイル決済情報処理装置において、好適には、トラックフォーマットデータのデータフォーマットは以下のとおりである。
第1ビット目:スタート識別子「;」
2〜7ビット:6ビットのBINコード
8〜16ビット:モバイル決済情報データの後ろ9ビット
17ビット目:2〜17ビットのデータチェックビット
18ビット目:分離記号「=」
19〜22ビット:4ビットの有効期間
23〜25ビット:サービスコード
26〜16+Lビット:モバイル決済データの残りビット
16+L〜38ビット:0を補う
39ビット目:エンドマーク「?」
40ビット目:データチェックビット
ここで、モバイル決済情報データのビット数がLである。
【0016】
モバイル決済システムは、本発明に係るいずれかのモバイル決済情報処理装置およびPOSレジスタを備え、POSレジスタは、モバイル決済情報処理装置が送信する磁気信号を受信する。
【0017】
モバイル決済システムにおいて、好適には、当該システムはさらに移動端末、決済代行
プラットフォームおよびアクワイアラを備え、ここで、
移動端末上の決済代行プラットフォーム用アプリケーションモジュールが支払証明書を生成し、
モバイル決済情報処理装置が、移動端末から得た支払証明書中のモバイル決済データを読み取り、決済データを磁気信号に変換して送信し、
POSレジスタは磁気信号を受信し、トランザクション情報を生成してアクワイアラに送信し、
アクワイアラは当該トランザクション情報を次へ送って最後に対応する決済代行プラットフォームに送信し、
決済代行プラットフォームはトランザクション情報を受信してトランザクションを処理し、処理結果メッセージを返信する。
モバイル決済システムにおいて、好適には、POSレジスタが、受信した決済データと注文書データとを合わせてトランザクション情報を生成し、アクワイアラに送信する。
モバイル決済システムにおいて、好適には、当該システムはさらに移動端末、決済代行プラットフォームおよびアクワイアラを備え、ここで、
移動端末上の決済代行プラットフォーム用アプリケーションモジュールが、決済情報を含む音響波情報を生成し、
決済代行プラットフォームが、移動端末に音響波情報を送信し、
移動端末が、決済代行プラットフォームが送信する音響波情報を受信した後、音響波信号を出力し、
モバイル決済情報処理装置のデータ受信装置が、音響波情報を受信した後、当該信号を復調装置に伝送し、
復調装置が、音響波信号を変調信号に復調してセキュアチップに出力し、
セキュアチップは当該変調信号を復号し、得られたデータ源を変換制御モジュールに出力し、
変換制御モジュールが、当該データ源をトラックフォーマットデータに変換して当該データをデジタル信号形式で出力し、
送信装置は受信したデジタル信号により駆動電流を変調および増幅し、駆動コイルが磁気信号を生成して当該磁気信号をPOS端末に送信し、
POS端末は、受信した磁気信号中の決済データと注文書データとを合わせてトランザクション情報とし、アクワイアラにより決済代行プラットフォームに送信し、
決済代行プラットフォームは、トランザクション情報を受信してトランザクションを処理し、完了後に処理結果を返送する。
【0018】
モバイル決済方法は、下記のステップを含む。
【0019】
移動端末上の決済代行プラットフォーム用アプリケーションモジュールが、支払証明書を生成するステップ、
モバイル決済情報処理装置が、移動端末から得た支払証明書中のモバイル決済データを読み取り、当該決済データを磁気信号に変換して送信するステップ、
POSレジスタが磁気信号を受信し、トランザクション情報を生成してアクワイアラに送信するステップ、
アクワイアラが当該トランザクション情報を次へ送って最後に対応する決済代行プラットフォームに送信するステップ、
決済代行プラットフォームがトランザクション情報を受信してトランザクションを処理し、処理結果メッセージを返信するステップ。
【0020】
モバイル決済システムにおいて、好適には、POSレジスタは、受信した決済データと注文書データとを合わせてトランザクション情報を生成し、アクワイアラに送信する。
【0021】
モバイル決済方法は、下記のステップを含む。
【0022】
移動端末上の決済代行プラットフォーム用アプリケーションモジュールが、決済情報を含む音響波情報を生成するステップ、
決済代行プラットフォームが移動端末に音響波情報を送信するステップ、
移動端末が、決済代行プラットフォームが送信する音響波情報を受信した後、音響波信号を出力するステップ、
モバイル決済情報処理装置のデータ受信装置が、音響波信号を受信した後、当該信号を復調装置に伝送するステップ、
復調装置が音響波信号を変調信号に復調して、セキュアチップに出力するステップ、
セキュアチップが当該変調信号を復号し、得られたデータ源を変換制御モジュールに出力するステップ、
変換制御モジュールが当該データ源をトラックフォーマットデータに変換し、当該データをデジタル信号形式で出力するステップ、
送信装置が、受信したデジタル信号により電流を変調および増幅し、駆動コイルが磁気信号を生成して当該磁気信号をPOS端末に送信するステップ、
POS端末が、受信した磁気信号中の決済データと注文書データとを合わせてトランザクション情報としてアクワイアラを介して次へ送って最後に決済代行プラットフォームに送信するステップ、
決済代行プラットフォームがトランザクション情報を受信してトランザクションを処理し、完了後に処理結果を返送するステップ。
【0023】
モバイル決済方法において、当該方法は、本発明に係るいずれかのモバイル決済情報処理装置またはモバイル決済システムを用いる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】モバイル決済情報処理装置の構造概略図である。
図2】モバイル決済方法システムの原理説明図である。
図3】音響波信号を用いたモバイル決済方法システムの原理説明図である。
図4】モバイル決済データのトラックフォーマットデータ変換を説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照し実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。
【0026】
図1に示すように、モバイル決済情報処理装置はデータ受信装置、データ変換装置および送信装置を備えている。データ受信装置は、モバイル決済情報を受信して当該決済情報をデータ変換装置に送信し、データ変換装置は、モバイル決済情報を従来の磁気ストライプカード情報に変換してデジタル信号方式で送信装置に送信し、送信装置は、デジタル信号を磁気パルス信号に変換して送信する。
【0027】
データ受信装置はデータインタフェースを備え、データインタフェース(例えばI/Oインタフェース、USBインタフェース、シリアルインタフェース、ブルートゥースインタフェース等)は、データ取得装置で得たモバイル決済情報を受信する。さらには、データ受信装置はデータ取得装置を備えていてもよく、当該データ取得装置は、読込装置、音響波受信装置(例えばマイクロホン)、カメラ、赤外信号受信器のうちの1以上の装置を備え、データ取得装置は、データインタフェースを介してデータ変換装置と接続または通信し(有線通信または無線通信)、データ取得装置は、データ受信装置に集積されるかまたは単独のデバイスとして存在させてもよい。
【0028】
データ変換装置は変換制御モジュールを備えている。変換制御モジュールは、データ受信装置が受信したデータ(モバイル決済情報)を、標準的な第2のトラックフォーマットデータに変換し、デジタル信号方式で送信装置に送信する。
【0029】
送信装置は駆動回路および送信コイルを備え、駆動回路は、受信したデジタル信号により駆動電流を変調および増幅し、送信コイルは、駆動回路が変調および増幅した電流の作用下に、高エネルギー磁気パルス信号を生成して当該磁気信号を送信する。この装置により磁気信号をPOSレジスタに送信することができ、これによりPOSレジスタがカードを読み取る動作をシミュレートすることで、トランザクションを継続してアクワイアラに伝送し最後に決済代行プラットフォームに送ることができ、モバイル決済からオフライン消費までが完成される。
【0030】
図2は、本発明のモバイル決済システムを構成する構造概略図であり、従来のPOSレジスタにモバイル決済トランザクションを速やかに両立させる本発明の実施の形態を示しており、当該モバイル決済システムは、モバイル決済情報処理装置、POSレジスタを少なくとも備え、さらには、移動端末、決済代行プラットフォーム、アクワイアラをさらに備えていてもよい。
【0031】
ユーザが買い物をする際には、まず移動端末上の決済代行プラットフォーム用アプリケーションモジュール(例えばアリペイ、ウィチャットペイ、ベストペイ、Baifuba、テンペイ、イーペイ等)により(移動端末のローカル側で生成しても、あるいは決済代行プラットフォーム用アプリケーションモジュールと遠隔決済代行プラットフォームのインタラクティブにより取得してもよい)支払証明書(一次元コード、二次元コード、決済データを含む赤外放射線または音響波等)を生成し、モバイル決済情報処理装置が、移動端末で得た支払証明書中のモバイル決済情報を読み取り、決済情報を磁気信号に変換して送信する。売り手のPOS端末は磁気信号を受信し、受信した決済データとレジシステムで生成された注文書データとを合わせてトランザクション情報を生成し、アクワイアラに送信する。アクワイアラは、トランザクション情報中の標識情報に基づき、それが決済代行トランザクションであることを判断し、対応する決済代行プラットフォームに送信する。決済代行プラットフォームはトランザクション要求を受信した後、トランザクションを処理し、完了後、応答返信する。標識情報は、モバイル決済情報処理装置が支払証明書情報を処理する際に加える、トランザクションのタイプを識別するための情報である。
【0032】
本発明のモバイル決済システムにより上記トランザクションを完了することで、売り手は既存のオフライン決済チャネルや既存のPOS端末を交換したり改造したりすることなく、モバイル決済情報処理装置を1台増設するだけで、オンラインの決済代行プラットフォームに対し、オフライントランザクションを完成することができる。この方法により、トランザクションの勘定情報を磁気カード取引の形式で既存の照合システムにそのまま導入すれば、既存の照合システムを変更する必要がなく、照合コストが大きく削減される。
【0033】
図3は、オンラインからオフライン決済に至る本発明の別の実施形態を示しており、当該方法では、音響波による決済を磁気ストライプカード読込による決済に変換しており、こうした決済方式を完成させるため、データ変換装置はさらに信号処理装置を備え、当該信号処理装置は復調装置およびセキュアチップを備えている。
当該方法の具体的なステップは以下のとおりである。
【0034】
・音響波装置(例えば移動端末)上の決済代行プラットフォーム用アプリケーションモジュールをトリガして、決済情報を含む音響波情報を生成する。
・音響波装置のスピーカーを、モバイル決済情報処理装置のマイクロホンMICにアラインし、音響波信号を出力する。
・モバイル決済情報処理装置のマイクロホンが音響波信号を受信すると、当該信号をデータインタフェースを介して復調装置に伝送する。
・復調装置は、音響波信号を変調信号に復調してセキュアチップに出力する。
・セキュアチップにより復号し、データ源を変換制御モジュールに出力する。
・変換制御モジュールにより第2トラックに変換する方法で、元のデータを標準的な第2のトラックフォーマットデータに変換し、デジタル信号方式で出力する。
・送信装置は受信したデジタル信号により駆動電流を変調および増幅し、駆動コイルが第2のトラックフォーマットデータを含む高エネルギー磁気パルスを生成してPOS端末に送信する。
・POS端末は受信した決済データとレジシステムで生成された注文書データとを合わせてトランザクション情報として、アクワイアラにより次へ伝達し、最後に決済代行プラットフォームに送って処理する。
・決済代行プラットフォームはトランザクション要求を受け取って取引を処理し、完了後、応答を返信する。
【0035】
上記2つの実施例において、変換制御モジュールは第2トラックに変換する方法で、元のデータ(モバイル決済情報)を標準的な第2のトラックフォーマットデータに変換しており、この変換方法の説明は下記のとおりである。
【0036】
磁気カードは磁気記録媒体カードであって、合計3つのトラックを有する。トラック1は数字、アルファベット、および他の一部の符号を記録することができ、最大で79の数字またはアルファベットを記録できる。トラック2および3に記録される文字は数字だけである。トラック2は最大で40の文字を記録でき、トラック3は最大で107の文字を記録できる。アクワイアリングバンクの違いによって、送信が求められるトラックデータも異なっている(一般的な有効データは第2のトラックのデータのみを伝送すれば足りる)。この背景に基づき、本発明はバーコード(一次元コードまたは二次元コード等)データおよび音響波データを、第2のトラックフォーマットデータに変換することで、磁気ストライプカードの読み取りをシミュレートし、こうして異なるアクワイアリングバンクおよび異なるPOSレジスタに適応して、より多くのトランザクションをカバーする。
【0037】
第2トラックデータは、次の複数の部分、即ち、スタート識別子「;」、(模擬的な)銀行カードのカード番号(カードの種類により変更可能)、分離記号「=」、有効期限、サービスコード、カスタムビット、エンドマーク「?」およびチェックビットから構成される。第2のトラックフォーマットに基づき、本発明に対応させて、モバイル決済データを第2のトラックフォーマットデータに変換する際の組成は、スタート識別子「;」、銀行カードのカード番号:受信したモバイル決済データを2つの部分AおよびBに分け、ここでデータAと、申請するカードのBIN番号(その取引が決済代行トランザクションであることの識別用)と、チェックビットとは、銀行カードのカード番号を構成する、分離記号「=」、有効期限:加盟店が設定してもよい、サービスコード:加盟店が設定してもよい、カスタムビット:データBがカスタムビットに充当する、エンドマーク「?」、およびチェックビットである。
【0038】
図4は、モバイル決済データをトラックフォーマットデータに変換する本発明の静的方法の1つを概略的に示している。この方法では、モバイル決済データを固定した2つの部分に直接分割し、その後、他のデータとともに第2のトラックフォーマットデータに構成する。この静的変換方法は以下のステップを含む。
【0039】
まず、カード発行バンクが設定したBIN番号を取得し、そのトランザクションが決済代行トランザクションであることを標識する。
【0040】
データ組成は下記を含むがこれらに限定されない。
・第1ビット:スタート識別子「;」
・2〜7ビット:6ビットのBINコード
・8〜16ビット:モバイル決済データの後ろの9ビット(Token2)
・17ビット:BINおよびToken2のデータチェックビット
・18ビット:分離記号「=」
・19〜22ビット:4ビットの有効期間YYMM、例:4912(1949年12月)・23〜25ビット:サービスコード(カード種類の区別:そのカードが磁気ストライプカードかチップカードかを区別するためのもの)
・26〜16+Lビット:モバイル決済データの残りビットL−9(Token1)
・16+L〜38ビット:0を補う
・39ビット:エンドマーク「?」
・40ビット:データチェックビット(前の39ビットをチェックする)
【0041】
本発明により、買い手(加盟店)は簡単な設備であるモバイル決済情報処理装置を増設するだけで、POSレジスタのカード読み取りをシミュレートした、決済代行によるトランザクション情報の処理を実現することができ、買い手(顧客)は特殊な移動端末を使用する、あるいは何らかのソフト、ハードウェアの導入を追加する必要がなくなる。本発明の技術手段を用いることで、バーコード、音響波、赤外放射線等を含む複数のモバイル決済方式を受付ることができる。適用範囲が広く、融通性が高い。同時に本発明は、POS端末によるモバイル決済の受付レベルを大きく向上させ、これによりモバイル決済の発展を促し、また顧客は複数のカードを携帯しなくてもよく、カードを紛失するリスクが回避される。
図1
図2
図3
図4