特許第6515452号(P6515452)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6515452
(24)【登録日】2019年4月26日
(45)【発行日】2019年5月22日
(54)【発明の名称】コントラストAF機能を備えたカメラ
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/28 20060101AFI20190513BHJP
   G02B 7/34 20060101ALI20190513BHJP
   G02B 7/36 20060101ALI20190513BHJP
   G03B 13/36 20060101ALI20190513BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20190513BHJP
【FI】
   G02B7/28 N
   G02B7/34
   G02B7/36
   G03B13/36
   H04N5/232 120
   H04N5/232 450
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-134774(P2014-134774)
(22)【出願日】2014年6月30日
(65)【公開番号】特開2016-12094(P2016-12094A)
(43)【公開日】2016年1月21日
【審査請求日】2017年6月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】311015207
【氏名又は名称】リコーイメージング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 圭
(72)【発明者】
【氏名】田中 弘之
【審査官】 登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−041380(JP,A)
【文献】 特開2009−151254(JP,A)
【文献】 特開2012−235333(JP,A)
【文献】 特開2006−301150(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/28
G02B 7/34
G02B 7/36
G03B 13/36
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影光学系を通った被写体光を、光学ファインダおよび位相差測距用撮像素子へ選択的に導くミラーと、
前記光学ファインダに導かれた被写体光が結像される測光用2次元撮像素子と、
前記測距用撮像素子を用いた位相差式焦点検出と前記2次元撮像素子を用いたコントラスト式焦点検出のいずれかを焦点検出方式として選択、設定する焦点検出方法選択部と、
設定された焦点検出方法に従い、前記測距用撮像素子から読み出される画素信号に基づいた位相差方式による焦点検出、および前記2次元撮像素子から読み出される画素信号に基づいたコントラスト方式による焦点検出のいずれかを実行する焦点検出部と、
前記撮影光学系を駆動させて合焦動作を実行する焦点調整部とを備え、
前記焦点検出方法選択部が、前記測距用撮像素子の焦点検出可能なエリア内の被写体が位相差式焦点検出では合焦/非合焦が判断できない場合、位相差式焦点検出からコントラスト式焦点検出へ切り替え可能であり、
前記焦点検出部が、位相差式焦点検出からコントラスト式焦点検出への切り替えに応じて、測光用に規定される分割測光エリアとは異なる測距用の分割合焦エリアを前記2次元撮像素子に対し定め、焦点検出を行うことを特徴とするカメラ。
【請求項2】
前記焦点検出方法選択部が、コントラスト式焦点検出から位相差式焦点検出へ切り替え設定可能であることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
前記焦点検出方法選択部が、被写体像の中で設定された焦点検出対象エリアが前記測距用撮像素子の焦点検出可能なエリアから外れる場合、位相差式焦点検出からコントラスト式焦点検出へ切り替えることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項4】
前記2次元撮像素子に規定される分割合焦エリアに応じたAF枠は、前記測距用撮像素子に規定される分割合焦エリアに応じたAF枠よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のカメラ。
【請求項5】
前記焦点検出方法選択部が、ユーザによる設定操作に応じて、位相差式焦点検出およびコントラスト式焦点検出いずれかを設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のカメラ。
【請求項6】
前記ミラーに対しカメラ後方に配置され、前記撮影光学系を通った被写体光が結像される撮影用撮像素子をさらに備え、
前記焦点検出方法選択部が、前記2次元撮像素子を用いたコントラスト式焦点検出と、前記撮影用撮像素子を用いたイメージセンサ対象コントスト式焦点検出のうちいずれかを、コントラスト式焦点検出として選択、設定し、
前記焦点検出部が、設定された焦点検出方法に従い、前記2次元撮像素子から読み出される画素信号に基づいたコントラスト式焦点検出、前記撮影用撮像素子から読み出される画素信号に基づいたイメージセンサ対象コントラスト式焦点検出のいずれかを実行することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のカメラ。
【請求項7】
前記2次元撮像素子から出力される画素信号に基づいて、カメラ背面に設けられた表示部に被写体像をライブビュー表示する表示制御部をさらに備え、
前記表示制御部が、設定されたコントラスト式焦点検出方法に従い、撮影用撮像素子による被写体像もしくは前記2次元撮像素子による被写体像を、前記表示部へ選択的にライブビュー表示することを特徴とする請求項1に記載のカメラ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラなどに適用可能な撮像装置に関し、特に、オートフォーカス(AF)処理に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラなどでは、フォーカスレンズを駆動することによって自動的に被写体像を合焦させるAF装置が備えられている。一眼レフ型カメラでは、位相差方式に基づくAF装置が備えられており、可動ミラー下方に配置された測距センサモジュールへ被写体光を導く。そして、被写体光を瞳分割し、投影像の位相差に基づいて合焦判断する。
【0003】
一方、コンパクト型カメラ、ミラーレス型カメラなどの場合、撮影用のイメージセンサを用いたコントラスト方式(山登り方式)によってAF処理を行う。コントラスト方式では、フォーカスレンズを一方向に移動させながら、イメージセンサから読み出される画像信号の輝度差(コントラスト)を検出し、輝度差がピークとなる位置を合焦位置と判断する。
【0004】
可動ミラー、専用測距センサモジュールを設けてないデジタルカメラにおいても、位相差方式に基づく焦点調整を行うことが可能である(特許文献1参照)。そこでは、撮影用の撮像素子の受光面の一部に測距用画素を配置する。そして、測距用画素から出力される画素信号に基づいて位相差を検出する。
【0005】
また、一眼レフ型カメラにおいても、コントラスト方式に基づく焦点調整を行うことが可能である(特許文献2参照)。そこでは、位相差式の測距センサモジュールとは別にセンサを外部に配置し、そのセンサから出力される画素信号に基づいて合焦判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3761383号公報
【特許文献2】特開2000−156823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一眼レフ型カメラの場合、可動ミラーをアップさせた状態では、ユーザが光学ファインダを通じて被写体を確認することができない。そのため、イメージセンサの受光面の一部に測距用センサを配置する構成では、ライブビューによる表示が必要不可欠となる。これは、撮影前に接眼レンズを通じた被写体の構図を決めるユーザの嗜好に合わず、一眼レフ型カメラの特性を生かせない。
【0008】
一方、一眼レフ型カメラに従来のAFセンサモジュールとは異なる専用の測距センサを外部に設ける場合、パララックスの問題が生じ、撮影レンズとの測距センサとの調整等などの必要性から、製造コストが上がる。
【0009】
したがって、従来のカメラ構成を大きく変えることなく、コントラスト方式によるAF処理、位相差方式によるAF処理を、撮影状況などに応じて選択できることが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の撮影装置は、撮影光学系を通った被写体光を、光学ファインダおよび測距用撮像素子へ選択的に導くミラー(可動ミラーなど)と、光学ファインダに導かれた被写体光が結像される2次元撮像素子と、測距用撮像素子を用いた位相差式焦点検出と2次元撮像素子を用いたコントラスト式焦点検出のいずれかを焦点検出方式として選択、設定する焦点検出方法選択部と設定された焦点検出方法に従い、測距用撮像素子から読み出される画素信号に基づいた位相差方式による焦点検出、および2次元撮像素子から読み出される画素信号に基づいたコントラスト方式による焦点検出のいずれかを実行する焦点検出部と、撮影光学系を駆動させて合焦動作を実行する焦点調整部とを備える。
【0011】
2次元撮像素子は、被写体像の明るさを測定する測光用2次元撮像素子(測光センサなど)によって構成される。焦点検出方法選択部は、ユーザによる設定操作に応じて、位相差式焦点検出およびコントラスト式焦点検出いずれかを設定してもよい。また、2次元撮像素子から出力される画素信号に基づいて、カメラ背面に設けられた表示部に被写体像をライブビュー表示する表示制御部を設けることも可能である。
【0012】
位相差式焦点検出が不能あるいは困難な撮影状況が生じることを考慮すれば、焦点検出方法選択部は、位相差式焦点検出が設定された状態において、位相差式焦点検出からコントラスト式焦点検出へ切り替え設定可能である。
【0013】
例えば、焦点検出方法選択部は、被写体像の中で設定された焦点検出対象エリアが測距用撮像素子の焦点検出可能なエリアから外れる場合、位相差式焦点検出からコントラスト式焦点検出へ切り替える。あるいは、焦点検出方法選択部は、空間周波数の高いパターンの被写体など、位相差式焦点検出では合焦/非合焦が判断できない、あるいは困難な場合、位相差式焦点検出からコントラスト式焦点検出へ切り替えることができる。
【0014】
焦点検出方法選択部は、2次元撮像素子を用いたコントラスト式焦点検出と、可動ミラーに対しカメラ後方に配置され、撮影光学系を通った被写体光が結像される撮影用撮像素子を用いたイメージセンサ対象コントスト式焦点検出のうちいずれかを、コントラスト式焦点検出として選択、設定することが可能である。
【0015】
焦点検出部が、設定された焦点検出方法に従い、2次元撮像素子から読み出される画素信号に基づいたコントラスト式焦点検出、撮影用撮像素子から読み出される画素信号に基づいたイメージセンサ対象コントラスト式焦点検出のいずれかを実行する。このとき、焦点検出方法選択部は、可動ミラーは光路退避位置に移動させればよい。
【0016】
また、表示制御部は、設定されたコントラスト式焦点検出方法に従い、撮影用撮像素子による被写体像もしくは2次元撮像素子による被写体像を、表示部へ選択的にライブビュー表示することができる。
【0017】
本発明の他の態様における撮像装置は、撮影光学系を通り、光学ファインダに導かれた被写体光が結像される2次元撮像素子と、2次元撮像素子から読み出される画素信号に基づき、被写体の明るさを検出する明るさ検出部と、焦点位置が連続的に変化している間に2次元撮像素子から読み出される画素信号に基づき、コントラスト方式による焦点検出を実行する焦点検出部を備える。
【0018】
本発明の他の態様における撮像方法は、撮影光学系を通り、光学ファインダに導かれた被写体光を、2次元撮像素子に結像させ、2次元撮像素子から読み出される画素信号に基づき、被写体の明るさを検出し、焦点位置(レンズ位置)が連続的に変化している間に2次元撮像素子から読み出される画素信号に基づき、コントラスト方式による焦点検出を実行する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、コントラスト式焦点検出、位相差式焦点検出を効果的に適用してAF処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1の実施形態であるデジタルカメラの概略的内部構成図である。
図2】デジタルカメラのブロック図である。
図3A】光学ファインダを通じて視認される合焦枠を示した図である。
図3B】位相差式の測距センサの焦点検出範囲を示した図である。
図3C】測光センサにおけるAF枠を示した図である。
図3D】測光センサの分割合焦エリアを示した図である。
図4】コントラスト式AF処理時のタイミングチャートである。
図5】AF処理のフローチャートである。
図6図5のステップS107におけるコントラスト式焦点検出処理のサブルーチンである。
図7】ライブビュー表示によるAFエリア表示、光学ファインダ表示によるAFエリア表示を示した図である。
図8】顔検知したときのライブビュー表示によるAFエリア表示、光学ファインダ表示によるAFエリア表示を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、図面を参照して本実施形態であるデジタルカメラについて説明する。
【0022】
図1は、本実施形態であるデジタルカメラの概略的内部構成図である。
【0023】
デジタルカメラ10は、撮影光学系12を収容する撮影レンズ(鏡筒)11を本体10Bへ着脱自在に装着可能な一眼レフ型カメラであり、モードダイヤル、設定ボタン(いずれも図示せず)に対する操作によって、撮影モード、再生モードなどが設定可能である。撮影光学系12は、ズームレンズ12A、絞り12B、フォーカスレンズ12Cを含む。
【0024】
電源ON状態となって撮影モードが設定されると、被写体からの反射光が、撮影光学系12を通過し、その一部がクイックリターンミラー(可動ミラー)19によって光学ファインダ15の方向へ導かれる。また、反射光の一部は、クイックリターンミラー19を透過し、ハーフミラー17によってAFセンサモジュール18へ導かれる。AFセンサモジュール18は、位相差式焦点検出に対応した測距センサ18Aを備えており、2次元測距センサ18Aは、CCDなどの撮像素子によって構成される。
【0025】
光学ファインダ15のピント板15Eに入射した光は、ペンタプリズム15A、ハーフミラー15Bで反射し、フォーカシングスクリーン15Cを経由して接眼レンズ15Dから射出する。これにより、ユーザは接眼レンズ15Dを通じて被写体像を確認することができる。また、ハーフミラー15Bを透過する被写体光の一部が、光学ファインダ15に配置されたAEセンサモジュール20の測光センサ(2次元撮像素子)20Aへ導かれ、被写体光が測光センサ20Aの受光面上において結像される。
【0026】
レリーズボタン(図示せず)が操作されると、一連の撮影動作が行われる。すなわち、レリーズボタンの半押しにより、AF処理、測光、露出演算処理が実行され、レリーズボタン全押しに応じて、クイックリターンミラー19のアップ動作、絞り12Bの駆動、シャッタ13の開閉動作が実行され、被写体光がイメージセンサ(撮影用撮像素子)14の受光面に結像される。
【0027】
再生モードが設定された場合、本体10Bの背面側に設置されたイメージLCD60に記録画像を再生表示することができる。撮影モードにおいては、シースルー画像を動画像としてイメージLCD60に表示し、イメージセンサ14、測光センサ20Aによって得られる被写体像を表示可能である。
【0028】
メニュー設定モードが選択されると、ユーザは、焦点検出方式としてコントラスト式焦点検出、位相差式焦点検出いずれを入力操作によって選択、設定することができる。さらに、コントラスト式焦点検出が設定された場合、AF処理時における表示モードとして、光学ファインダ15を利用する光学ファインダモードと、イメージLCD60を利用するライブビュー表示モードを選択、設定することができる。
【0029】
図2は、デジタルカメラのブロック図である。
【0030】
CPUを含むコントローラ30は、露出制御部32、ファインダLCD33、撮影レンズ駆動部36、画像信号処理回路40などになどに制御信号を出力し、レリーズスイッチ37によって検出されるレリーズ操作、モードダイヤルスイッチ42、ボタンスイッチ44などによって検出されるユーザ入力操作に基づき、露出制御、撮影/記録動作、再生表示、位相差式AF処理などカメラ全体の動作制御を行う。カメラ動作制御のプログラムは、不揮発性メモリ(図示せず)に記憶されている。
【0031】
焦点検出方法として位相差式焦点検出が設定されている場合、AFセンサモジュール18によって検出される位相差に基づき、フォーカスレンズ12CがAFドライバ34によって駆動される。AFセンサモジュール18から出力される画素信号に基づいてデフォーカス量が算出されると、デフォーカス量に応じてフォーカスレンズ12Cの光軸に沿った移動方向および駆動量が求められる。
【0032】
測光センサ20Aは、CCD、あるいはCMOSセンサなどで構成される2次元センサであり、測光センサ20Aには、R、Gr、Gb、Bの色要素をベイヤー配列させたカラーフィルタアレイが配置されている。測光センサ20Aでは、光学ファインダ15を通じてユーザに視認される被写体像に応じた画素信号が出力され、DSP(Digital Signal Processor)などによって構成される画像信号処理回路40へ順次送られる。
【0033】
測光センサ20Aでは、複数の分割測光エリアが規定されており、各分割測光エリアにおいて代表的輝度値(平均値など)が算出される。撮影対象となる被写体エリアの明るさが検出されると、露出制御部32は、シャッタスピード、絞り値など露出値を演算し、撮影動作時には露出値に基づいて絞り12B、シャッタ13が駆動制御される。
【0034】
画像信号処理回路40は、送られてくる画素信号のG成分画素信号に基づいて、分割測光エリア各々の輝度値を算出し、被写体の明るさを求める。一方、ライブビュー表示、撮影動作の場合、イメージセンサ14において生成される被写体像に応じた画素信号が、画像信号処理回路40へ送られる。
【0035】
撮影動作が行われると、画像信号処理回路40は、イメージセンサ14から出力された1フレーム分の画素信号に対してホワイトバランス調整、色変換処理などの画像信号処理などを施し、画像データを生成する。生成された画像データは、図示しないメモリへ一時的に格納し、圧縮、あるいは非圧縮状態でメモリカード46に記録される。
【0036】
一方、焦点検出方法としてコントラスト式焦点検出が設定されている場合、画像信号処理回路40は、送られてくる画素信号から被写体の明るさを検出する一方、画素信号に基づいてコントラスト式焦点検出を行う。焦点検出に関するプログラムは、あらかじめROM48に格納されている。
【0037】
具体的には、焦点位置が近接点〜無限大(∞)、無限大〜近接点のいずれか一方向に沿って移動するようにフォーカスレンズ12Cを駆動し、焦点位置が連続的に変化する間、AF処理対象である被写体部分の輝度差を算出し、合焦/非合焦判断を行う。そして、輝度差のピーク値が検出される位置を合焦位置として判断し、フォーカスレンズ12Cを合焦位置への駆動量分だけ駆動する。コントローラ30は、コントラスト式焦点検出の間、フォーカスレンズ12Cを駆動制御する。
【0038】
次に、図3A〜3D、図4を用いて、測距センサ18A、測光センサ20Aの焦点検出範囲について説明する。
【0039】
図3Aは、光学ファインダを通じて視認される合焦枠を示した図である。図3Bは、位相差式の測距センサ18Aの焦点検出範囲を示した図である。
【0040】
ユーザが光学ファインダ15によって被写体像を確認するとき、AF枠F0が視認される。測距センサ18Aでは、図3Bに示すように、中央部に20個、左右にそれぞれ2つの画素ブロックから成る分割合焦エリアDT0が設定されており、図3Aに示した光学ファインダ15を通じて視認されるAF枠T0に対応する。
【0041】
図3Cは、測光センサ20AにおけるAF枠を示した図である。測光センサ20Aから得られる1フレーム分の画像エリアの中で、画像中心点周りに水平方向に沿った長さX、垂直方向に沿った長さYの領域が、AF枠F1として規定されている。ただし、X、Yは、画像データの水平方向、垂直方向長さを1としたときの割合を表す。例えば、X、Yは、それぞれ0.4、0.3となる。
【0042】
図3Dは、測光センサ20Aの分割合焦エリアを示した図である。AF枠F1は、コントラスト/輝度差に基づく合焦動作を行うエリアを示し、位相差式のAFセンサモジュール18に対して規定された分割合焦エリアDT0と同様、複数(ここでは6×10)の分割合焦エリアDT1がAF枠F1に規定される。
【0043】
各分割合焦エリアは、測距センサ18Aに規定された分割合焦エリアと同じ画素数からなる画素ブロックで構成されており、測光処理時の16×16分割測光エリアとは異なる区画で画素ブロックが構成されている。コントラスト式AF処理では、このAF枠F1の中で合焦動作が実行可能であり、AF枠F1は、測距センサ18AにおけるAF枠F0よりも大きい。
【0044】
図4は、コントラスト式AF処理時のタイミングチャートである。測光センサ20Aでは、1/30秒間隔で1フレーム分の画素信号が順次読み出される。電子シャッタ機能によって電荷掃出しパルスの出力後、露光期間ETによる露光により、1フレーム分の画素信号が生成される。
【0045】
フォーカスレンズ12Cを駆動する駆動パルス信号DSは、垂直同期信号VDの立下りに同期して出力される。測光センサ20Aから出力される1フレーム分の画素信号に基づいて繰り返し合焦判断され、ピーク位置検出まで駆動パルス信号DSが出力される。駆動パルス信号DSのパルス数は、フォーカスレンズ12Cの繰り出し量などに基づいて定められる。
【0046】
測光センサ20Aを用いたコントスト式AF処理と、AFセンサモジュール18を用いた位相差式AF処理は、上述したようにユーザ設定で選択可能であるとともに、撮影状況に応じて設定、切り替えられる。以下、図5、6を用いて、AF処理について説明する。
【0047】
図5は、AF処理のフローチャートである。図6は、図5のステップS107におけるコントラスト式焦点検出処理のサブルーチンである。図7は、ライブビュー表示によるAFエリア表示、光学ファインダ表示によるAFエリア表示を示した図である。なお、ここでは、測光センサ20Aによる被写体像をライブビュー表示するモードが設定されている。
【0048】
レリーズボタンが半押しされると、AF方式としてコントラスト方式と位相差方式のいずれの方式が設定されているか判断される(S101、S102)。コントラストAF方式が選択、設定されていると判断されると、ステップS107へ進み、後述するコントラスト方式のAF処理が実行される。一方、従来の位相差AF方式が設定されている場合、ステップS103へ進む。
【0049】
ステップS103では、ユーザによってあらかじめ設定されたAFエリアが検出される。そしてステップS104では、検出されたAFエリアが位相差式AFにおける合焦判断可能な領域から外れているか否かが判断される。AFエリアは、所定数の分割合焦エリアから構成され、AF対象となる被写体領域を規定する。ここでは、4つの分割合焦エリアによってAFエリアを定めている。
【0050】
図3B図3Dに示すように、位相差式AF処理において合焦判断できる領域は、コントラスト式AF処理において定められる領域よりも狭い。したがって、ユーザによって設定されたAFエリアが位相差式AFの合焦判断可能領域を超える場合、コントラストAF方式に切り替えられ、ステップS107へ進む。
【0051】
図7に示すように、ユーザによってAFエリアT1を表すクロス状マークCRの位置変更によって、AFエリアT1が画像中心位置から右上方向へ切り替えられた場合、その位置でのAFエリアは位相差式AFの合焦判断可能領域を超える(図3B参照)。そのため、位相差式AFからコントラスト式AFに切り替えられる。
【0052】
ステップS105では、位相差式AF処理が実行される。このとき、AF処理対象となる被写体が位相差式AF処理の場合に合焦判断困難な被写体である場合、焦点検出不能と判断し、位相差式AF方式からコントラスト式AF方式に切り替えられる(S106)。
【0053】
例えば、空間周波数の高いパターンが繰り替えられる被写体の場合、位相差式AF処理では合焦状態であるか否かが判断困難となるため、コントラスト式AF方式に切り替えられる。ステップS107のコントラスト式AF処理へ進むと、図6のサブルーチンが実行開始される。
【0054】
ステップS201では、光学ファインダ表示方式と、ライブビュー表示方式いずれのAF表示方式が設定されているか判断される。測光センサ20Aを用いた光学ファインダ表示方式の場合、ステップS204へ進み、AFエリア設定処理が実行される。例えば、図3Cに示したAF対象範囲内で顔が検知された場合、AFエリアT2が設定される(図8参照)。また、上述したように、ユーザが特定のAFエリアT1を選択した場合、そのエリアが設定される。顔検知、ユーザ設定のないデフォルト状態では、図3Cに示したAF枠F1の全体をAFエリアT1として設定する。
【0055】
ステップS205では、フォーカスレンズ12Cを一方向に駆動しながら、AFエリアでの最大輝度値と最少輝度値との輝度差が順次算出される。そして、輝度差がピークとなる位置が検出される。そして、ステップS206では、ピーク位置を焦点位置としてフォーカスレンズの逆方向の駆動量が算出される。
【0056】
一方、イメージセンサ14を用いてコントラスト式AF処理を行うライブビュー表示方式が選択されている場合、クイックリターンミラー19がアップし(S202)、イメージセンサ14を駆動させることによって、測光センサ20Aを用いたライブビュー表示から、イメージセンサ14を用いたライブビュー表示に切り替えられる(S203)。そして、イメージセンサ14から読み出される被写体像の画素信号に基づいて、ステップS204〜S206に応じたAF処理が実行される。
【0057】
焦点位置までのフォーカスレンズ12Cの駆動量が決定されると、光学ファインダ表示方式の場合、そのままサブルーチンは終了する(S207)。一方、ライブビュー表示方式が選択されている場合、クイックリターンミラー19がダウンし、測光センサ20Aを用いたライブビュー表示方式に切り替えられる(S208、S209)。
【0058】
図5のステップS108では、フォーカスレンズ12Cが定められたレンズ駆動量だけ移動する。ステップS109では、合焦したAFエリアが、ファインダLCD33によるファインダ表示、イメージLCD60において表示される。光学ファインダ表示では、ファインダLCD33の駆動によって行われ、AFエリアT1に相当する分割合焦エリア(図7では4つの分割合焦エリアdt)が表示される。なお、合焦状態で測光センサ20Aから読み出された画素信号に基づいて、被写体の明るさが検出される。
【0059】
このように本実施形態によれば、測光センサ20A、測距センサ18Aを備えた一眼レフ型デジタルカメラ10において、測距センサ18Aを利用した位相差式焦点検出と、測光センサ20Aを用いたコントラスト式焦点検出をユーザ設定により選択的に実行することができる。また、位相差式焦点検出が設定されている場合においても、被写体特性、被写体エリアが位相差式焦点検出では合焦判断困難な場合、コントラスト式焦点検出に切り替えられる。
【0060】
2つの焦点検出方式を選択的に設定することにより、様々な撮影状況に適した焦点検出方法を設定することが可能となる。そして、露出制御に関連して設けられた測光センサ20Aを用いてコントラスト式焦点検出を行うため、パララックスの問題が生じない。さらに、ユーザが光学ファインダを利用して合焦した被写体像およびそのエリアを確認することが可能であり、従来の一眼レフ型カメラと同様の撮影操作を行いながら違和感なくコントラストAF処理を実行することができる。さらに、被写体の明るさ検出用の測光センサ20Aを利用するため、新たな撮像素子などの回路を設ける必要がない。
【0061】
また、ライブビュー表示において、測光センサ20Aあるいはイメージセンサ14を用いたコントラスト式AF処理を選択的に設定することが可能であり、画素数の多いイメージセンサ14を用いることによって、より精度ある焦点検出を行うことが可能となる。このとき、測光センサ20Aによるライブビュー表示と、イメージセンサ14によるライブビュー表示を連続的に切り替え可能であり、ライブビュー表示が途切れずに済む。
【0062】
なお、コントラスト式焦点検出が設定された状態において、位相差式焦点検出に切り替える構成にすることも可能である。例えば、被写体が遠距離にあると想定される場合、自動的に位相差式焦点検出に切り替えてもよい。
【0063】
コントラスト式焦点検出については、測光センサだけを用いた構成にすることも可能である。また、測光センサ以外の2次元撮像素子を、光学ファインダ内、付近に別途設け、光学ファインダへ導かれた被写体光をその撮像素子に結像させる構成にしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
10 デジタルカメラ
12 撮影光学系
14 イメージセンサ(撮影用撮像素子)
15 光学ファインダ
18 AFセンサモジュール
18A 測距センサ(測距用撮像素子)
19 クイックリターンミラー(可動ミラー)
20 AEセンサモジュール
20A 測光センサ(2次元撮像素子)
30 コントローラ(焦点調整部、焦点検出方法選択部)
40 画像信号処理回路(焦点検出部、明るさ検出部、表示制御部)
60 イメージLCD(表示部)
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8