(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6515513
(24)【登録日】2019年4月26日
(45)【発行日】2019年5月22日
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 11/33 20160101AFI20190513BHJP
H02K 5/04 20060101ALI20190513BHJP
【FI】
H02K11/33
H02K5/04
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-249135(P2014-249135)
(22)【出願日】2014年12月9日
(65)【公開番号】特開2015-116119(P2015-116119A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2017年11月17日
(31)【優先権主張番号】201310681206.0
(32)【優先日】2013年12月12日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(72)【発明者】
【氏名】張鉄城
(72)【発明者】
【氏名】李 鵬
(72)【発明者】
【氏名】張東旭
(72)【発明者】
【氏名】孫英萍
【審査官】
安池 一貴
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−138576(JP,A)
【文献】
実開昭61−088483(JP,U)
【文献】
特開2006−109575(JP,A)
【文献】
特開2001−128432(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/33
H02K 5/04
H02K 21/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータであって、
上下方向に伸びる中心軸を中心として回転する回転部と、
前記回転部を支持する静止部と
を備え、
前記回転部は、
前記中心軸に沿って伸びるシャフトと、
前記シャフトと共に回転するロータホルダと、
前記ロータホルダに保持されるロータマグネットと、
を有し、
前記静止部は、
前記シャフトを回転自在に支持する軸受部材と、
前記軸受部材を保持するハウジングと、
前記ハウジングに保持され、前記ロータマグネットと径方向に対向するステータと、
前記ハウジングに直接又は間接的に保持され、前記ロータホルダの軸方向下方に位置し、前記ステータと電気的に接続される回路基板と、
前記ハウジングと一体、または、前記ハウジングに直接または間接的に保持され、装置本体に直接または間接的に取り付けられ、前記回路基板を軸方向に支持する回路基板支持部と、
を有し、
前記回路基板は、
前記回路基板支持部の軸方向上方に位置する第1回路基板と、
前記回路基板支持部の軸方向下方に位置する第2回路基板と、
を有し、
前記第1回路基板と前記第2回路基板とは接続部材を介して電気的に接続され、
前記第1回路基板と前記第2回路基板とは軸方向において少なくとも一部が重なっており、
前記回路基板支持部の外周面には、前記モータを装置に取り付けるための取付部が位置し、
前記取付部は、周方向に沿って複数、均等に分布される。
【請求項2】
請求項1に記載のモータにおいて
前記取付部は、3個以上設けられる。
【請求項3】
請求項1または2に記載のモータにおいて、
前記取付部は、前記回路基板支持部の外周面から径方向内側への凹部である。
【請求項4】
請求項3に記載のモータにおいて、
固定部材を径方向外側から前記取付部に挿入することにより、装置へ固定される。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のモータにおいて、
前記第2回路基板の軸方向下側の面に、電子部品が載置される。
【請求項6】
請求項5に記載のモータにおいて、
前記電子部品は、制御ICである。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載のモータにおいて、
前記第1回路基板の軸方向上側の面には、回転位置検出部材が載置される。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載のモータにおいて、
電子部品が前記回路基板に取り付けられ
前記電子部品が前記第1回路基板と前記第2回路基板の間の空間に位置する。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載のモータにおいて、
前記第2回路基板は、その一部が、軸方向にシャフトと重なる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアカーラーなどの使用者が手に持って使う、いわゆるハンディな電子製品に搭載されるモータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭用電化製品の小型化にしたがって、モータの小型化が求められる。
【0003】
例えば、小型化されたヘアカーラーなどの電化製品に搭載されるモータは、使用者が手で本体を把持する部位に内蔵されたり、流体の流路内に配置されることが多い。したがって、モータの外径を小さくすることがヘアカーラーなど電化製品の軽薄短小化に直結するため、モータには小型化が求められる。
【特許文献1】特開2005−184950
【特許文献2】特開平7−75315
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、モータを小型化する上では、回路基板も小型化する必要が出てくる。更に、モータを電化製品の本体に取り付けるためには、取付部が回路基板の実装面積の一部と重なる為、回路基板の実装面積が不足するという問題がある。
【0005】
本発明は、モータの小型化に伴う、回路基板の実装面積の不足を解決し、実装面積を確保することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の例示的な一実施形態では、モータは上下方向に伸びる中心軸を中心として回転する回転部と、前記回転部を支持する静止部とを備える。回転部は、中心軸に沿って伸びるシャフトと、シャフトと共に回転するロータホルダと、ロータホルダに保持されるロータマグネットとを備える。静止部は、シャフトを回転自在に支持する軸受部材と、軸受部材を保持するハウジングと、ハウジングに保持されロータマグネットと径方向に対向するステータと、前記ハウジングに直接又は間接に保持され、ロータホルダの軸方向下方に位置し、ステータと電気的に接続される回路基板と、ハウジングと一体、または、ハウジングに直接または間接に保持され、装置本体に直接または間接に取り付けられ、回路基板を軸方向に支持する回路基板支持部とを備える。その特徴は、回路基板は、回路基板支持部の軸方向上方に位置する第1回路基板と、回路基板支持部の軸方向下方に位置する第2回路基板と、を含み、第1回路基板と第2回路基板とは接続部材を介して電気的に接続され、第1回路基板と第2回路基板とは軸方向に少なくとも一部が重なっており、回路基板支持部の外周面には、モータを装置に取り付けるための取付部が位置する。
取付部は、周方向に沿って複数、均等に分布される。
【発明の効果】
【0007】
本願の例示的な一実施形態によれば、モータの小型化が実現できるとともに、回路基板の実装面積が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施例1に関わる本発明のモータの断面図である。
【
図2】
図2は、実施例1に関わる本発明のモータの回路基板保持部の平面図である。
【
図3】
図3は、実施例1に関わる本発明のモータの変形例の断面図である。
【
図4】
図4は、実施例2に関わる本発明のモータの断面図である。
【
図5】
図5は、実施例2に関わる本発明のモータの変形例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下で本願の実施例1について、図面を参照しながら説明する。なお、本願では、モータの中心軸と平行な方向を「軸方向」、モータの中心軸に対して垂直に沿う方向を「径方向」、モータの中心軸を中心とする円周方向を「周方向」と称する。また、本願では、軸方向を上下方向とし、回路基板支持部に対してロータホルダ側を上として各部の形状や位置関係を説明する。ただし、この上下方向の定義により、本発明に係るモータの製造時および使用時の向きを限定する意図はない。また、本願では、径方向を内外方向とし、シャフトに対してステータ側を外として、各部の形状や位置関係を説明する。ただし、この内外方向の定義により、本発明に係るモータの製造時および使用時の向きを限定する意図はない。
【0010】
図1は、本願の実施例1に関わる本発明のモータの断面図である。本発明のモータは、
図1に示すように、アウターロータ型のモータ10である。アウターロータ型のモータ10は、上下方向に伸びる中心軸J1を中心として回転する回転部110と、回転部110を回転可能な状態で支持する静止部120とを備える。回転部110は、中心軸J1に沿って伸びるシャフト111と、シャフト111と共に回転するロータホルダ112と、ロータホルダ112に保持されるロータマグネット113と、を備える。静止部120は、シャフト111を回転自在に支持する軸受部材121と、軸受部材121を保持するハウジング122と、ハウジング122に保持され、ロータマグネット113と径方向に対向するステータ123と、ハウジング122に直接又は間接的に保持され、ロータホルダ112の軸方向下方に位置し、ステータ123と電気的に接続される回路基板124と、ハウジング122と一体であり、回路基板124を軸方向に支持する回路基板支持部125と、を備える。本実施形態では、回路基板支持部125はハウジング122と一体であるが、ハウジング122に直接または間接的に保持されてもよく、また、装置本体に直接または間接的に取り付けられてもよい。回路基板124は、回路基板支持部125の軸方向上方に位置する第1回路基板1241と、回路基板支持部125の軸方向下方に位置する第2回路基板1242と、を含む。第1回路基板1241と第2回路基板1242とは接続部材126を介して電気的に接続され、第1回路基板1241と第2回路基板1242とは軸方向に重なっており、回路基板支持部125の外周面には、前記モータ10を装置に取り付けるための取付部1251が位置する。
【0011】
より具体的には、
図1に示すように、ロータホルダ112はシャフト111に固定される円筒状の固定部と、固定部から径方向に広がる円板状の蓋部と、蓋部の径方向外端から伸びる円筒状の円筒部を有する。ロータマグネット113は、例えば接着剤などで前記ロータホルダ112の円筒部の内周面に固定される。ステータ123は、ロータマグネット113よりも径方向内側に位置し、ロータマグネット113と径方向に対向する。ステータ123はステータコアを有しており、ステータコアには銅線やアルミ線などにより構成されたコイルが巻回される。コイルが回路基板124と電気的に接続されることにより、ステータ123は、回路基板124と電気的に接続される。コイルが第1回路基板1241と電気的に接続されることにより、ステータ123は磁場を発生させる。これにより、ステータ123は、ロータマグネット113との間で回転力を発生させる。
【0012】
回路基板124は、回路基板支持部125の軸方向上方に位置する第1回路基板1241と、回路基板支持部125の軸方向下方に位置する第2回路基板1242とを含む。第1回路基板1241の軸方向上面には、ランド部が配置され、コイルが半田付けされる。また、第1回路基板1241には、例えばホール素子などの回転検出素子が実装される。第1回路基板1241は、ロータマグネット113と軸方向に近接して対向している。これにより、ホールIC等の回転検出素子がロータマグネット113の磁束を検出することができる。
本実施例において、回路基板支持部125と、ハウジング122とは一体に形成される。すなわち、ハウジング122は、軸受部材121を保持している部位から軸方向下側に伸び、回路基板支持部125を構成する。回路基板支持部125は、径方向外側に広がる略円板形状である。回路基板支持部125は、径方向外側の領域が軸方向上側および下側に突出しており、断面がH字形状である。回路基板支持部125は、前記軸方向上側に突出した領域で、第1回路基板1241を支持している。また、回路基板支持部125は、軸方向下側に突出した領域で、第2回路基板1242を支持している。
【0013】
図2は、回路基板支持部125の平面図である。
図2に示すように、回路基板支持部125の周方向に沿って、複数の取付部1251が配置される。好ましくは、複数の取付部1251が周方向に沿って均等に配置されている。更に好ましくは、取付部1251が3個以上である。
【0014】
好ましくは、
図2に示すように、取付部1251は、回路基板保持部125の外周面から径方向内側への凹部である。当該モータを装置本体に装着するとき、固定部材を径方向外側から凹部に挿入することにより、取付部1251が固定される。固定部材がネジなどの挿入部材であっても良い。
【0015】
図3は、実施例1に関わる本発明のモータの変形例の断面図である。
図1の実施例1と同じ構造については説明を省略して、異なる部分だけを説明する。
【0016】
図3に示すように、第2回路基板1242の軸方向下側の面には、電子部品66が載置される。当該電子部品66は、制御ICなどサイズが大きい電子部品または発熱量が多い電子部品である。たとえば、電源制御ICやDC−DCコンバータなどの電子部品である。
【0017】
好ましくは、
図3に示すように、第1回路基板1241の軸方向上側の面には、回転位置検出部材67が載置される。回転位置検出部材67は、ホール素子またはホールICなどの磁気検出部材である。回転位置検出部材67が、ロータマグネット113と近くに配置され、ロータマグネット113の磁界を検出することにより回転部110の回転位置を検出する。
【0018】
好ましくは、
図3に示すように、第1回路基板1241と第2回路基板1242には、抵抗やコンデンサなどサイズが小さい電子部品68が載置される。これらの電子部品68が第1回路基板1241と第2回路基板1242の間の空間に位置する。
【0019】
好ましくは、回路基板支持部125が樹脂などの絶縁部材からなる。
【0020】
好ましくは、回路基板支持部125が円盤状である。
【0021】
好ましくは、第2回路基板1242の一部が、軸方向に前記シャフト111と重なる。
【0022】
好ましくは、シャフト111は、ロータホルダ112の上端から軸方向上側に突出する。
【0023】
図4は、本願の実施例2に関わるモータの断面図である。本モータは、
図4に示すように、インナーロータ型のモータ20である。インナーロータ型のモータ20は、上下方向に伸びる中心軸J2を中心として回転する回転部210と、回転部210を支持する静止部220とを備える。回転部210は、中心軸J2に沿って伸びるシャフト211と、シャフト211と共に回転するマグネットホルダ212と、マグネットホルダ212に保持されるロータマグネット213と、を備える。静止部220は、シャフト211を回転自在に支持する軸受部材221と、軸受部材221を保持するハウジング222と、ハウジング222に保持され、ロータマグネット213と径方向に対向するステータ223とを有する。静止部220は、更にハウジング222に直接又は間接的に保持され、マグネットホルダ212の軸方向下方に位置し、ステータ223と電気的に接続される回路基板224を有する。ハウジング222はハウジング222に直接的に保持され、なおかつ装置本体に直接または間接的に取り付けられ、回路基板224を軸方向に支持する回路基板支持部225を備える。なお、回路基板支持部225はハウジング222と一体でもよく、または、ハウジング222に間接的に保持されてもよい回路基板224は、回路基板支持部225の軸方向上方に位置する第1回路基板2241と、回路基板支持部225の軸方向下方に位置する第2回路基板2242と、を含む。第1回路基板2241と第2回路基板2242とは接続部材226を介して電気的に接続され、第1回路基板2241と第2回路基板2242とは軸方向に重なっており、前記回路基板支持部225の外周面には、モータを装置に取り付けるための取付部2251が位置する。
【0024】
具体的には、
図4に示すように、マグネットホルダ212は円筒状の円筒部を有し、ロータマグネット213が接着剤などでマグネットホルダ212の円筒部の外周面に固定される。ステータ223は、ロータマグネット213よりも径方向外側に位置し、ロータマグネット213と径方向に対向する。ステータ223には、銅線やアルミ線などにより構成されたコイルが巻回される。コイルが回路基板224と電気的に接続されることにより、ステータ223は、回路基板224と電気的に接続される。好ましくは、コイルが第1回路基板2241と電気的に接続される。
【0025】
図5は、実施例2に関わる本発明に電子部品を追加した断面図面である。電子部品以外の構成は
図4と同様であり、また、電子部品の構成は実施例1に関わる電子部品を追加した変形例(
図3)と同様である。したがって、ここでは説明を割愛する。
【0026】
実施例1に関わる本発明のモータは、
図1に示すように、アウターロータ型のモータ10である。アウターロータ型のモータ10は、上下方向に伸びる中心軸J1を中心として回転する回転部110と、回転部110を支持する静止部120とを備える。回転部110は、中心軸J1に沿って伸びるシャフト111と、シャフト111と共に回転するロータホルダ112と、ロータホルダ112に保持されるロータマグネット113とを備える。静止部120は、前記シャフト111を回転自在に支持する軸受部材121と、軸受部材121を保持するハウジング122と、前記ハウジング122に保持され、ロータマグネット113と径方向に対向するステータ123と、ハウジング122に直接又は間接に保持され、ロータホルダ112の軸方向下方に位置し、ステータ123と電気的に接続される回路基板124と、ハウジング122と一体、または、ハウジング122に直接または間接に保持され、装置本体に直接または間接に取り付けられ、回路基板124を軸方向に支持する回路基板支持部125と、を備える。回路基板124は、回路基板支持部125の軸方向上方に位置する第1回路基板1241と、回路基板支持部125の軸方向下方に位置する第2回路基板1242とを含む。第1回路基板1241と第2回路基板1242とは接続部材126を介して電気的に接続され、第1回路基板1241と第2回路基板1242とは軸方向に重なっており、回路基板支持部125の外周面には、前記モータを装置に取り付けるための取付部1251が位置する。
【0027】
ロータホルダ112は円筒状の円筒部を有し、ロータマグネット113が接着剤などでロータホルダ112の円筒部の内周面に固定される。ステータ123は、ロータマグネット113よりも径方向内側に位置し、ロータマグネット113と径方向に対向する。ステータ123には、銅線やアルミ線などにより構成されたコイルが巻き回される。コイルが回路基板124と電気的に接続されることにより、ステータ123は、回路基板124と電気的に接続される。好ましくは、コイルが第1回路基板1241と電気的に接続される。
【0028】
この発明では、回路基板124は、第1回路基板1241と第2回路基板1242とにより構成されるので、径方向の幅を増やさずに回路基板124の実装面積を増やすことができる。また、回路基板支持部125の外周面に取付部1251を設けることにより、モータを装置本体に装着するとき、回路基板124との干渉がない。これにより、モータの装着工程が容易になるとともに、回路基板124の実装面積も確保できる。
【0029】
実施例1に関わる本発明のモータは、
図3に示す回路基板保持部125を備える。
図3に示すように、回路基板保持部125が複数の取付部1251を有す。そのため、モータを装置本体に装着するとき、より確実にモータを装置本体に装着できる。当該取付部1251が周方向に複数、均等に分布される。そのため、モータから発生した振動は、複数の各取付部1251を介して、周方向に平均等に装置本体へ伝わる。そのため、各取付部1251に受けた振動衝撃を低くすることができ、製品の寿命が向上できる。
【0030】
実施例1に関わる本発明のモータでは、取付部1251が回路基板支持部125の外周面から径方向への凹部であるので、取付部1251が容易に形成できる。また、ネジなどの固定部材を径方向外側から凹部に挿入することができる。これにより、モータの装置本体への装着が容易にできる。
【0031】
実施例1に関わる本発明のモータでは、
図3に示すように、第2回路基板1242の軸方向下側の面に、電子部品66が載置される。電子部品66は、制御ICなどサイズが大きい電子部品または発熱量が多い電子部品である。このように、サイズが大きい電子部品または発熱量が多い電子部品を第2回路基板1242の軸方向下側の面に載置することにより、第1回路基板1241の実装面積が確保できるとともに、モータの放熱性が向上できる。それに、サイズが大きい電子部品がステータ123と干渉することも防止できる。
【0032】
実施例1に関わる本発明のモータでは、
図3に示すように、第1回路基板1241の軸方向上側の面には、ホール素子またはホールICなどの磁気検出部材が載置される。上記のような省スペース化ができるから、ホール素子またはホールICなどの磁気検出部材に対して、装着スペースが厳しくない。したがって、精度の低いホール素子またはホールICを使うことができる。その結果、モータをコストダウンすることができる。また、ホール素子またはホールICをロータマグネット113とより近くに配置でき、回転部110の回転位置を精度よく検出できる。
【0033】
実施例1に関わる本発明のモータでは、
図3に示すように、第1回路基板1241と第2回路基板1242が対向する面には、抵抗やコンデンサなどサイズや発熱量が小さい電子部品68が載置される。これらの電子部品68が第1回路基板1241と第2回路基板1242の間の空間に位置する。このような構造で、第1回路基板1241と第2回路基板1242の空間も利用でき、更にモータの省スペース化が実現できる。
【0034】
実施例1に関わる本発明のモータでは、回路基板支持部125が樹脂などの絶縁部材からなる。これにより、基板同士の絶縁の効果が実現できると同時に、回路基板支持部125が容易に形成できる。また、回路基板支持部125の外形について、いろいろな形状を形成することができる。
【0035】
実施例1に関わる本発明のモータでは、回路基板支持部125が円盤状である。これにより、円盤状の回路基板支持部125が容易にモータへ装着できる。
【0036】
実施例1に関わる本発明のモータでは、第2回路基板1242は、その一部が、軸方向にシャフト111と重なる。このようにすれば、第2回路基板1242には、シャフト111を露出するための貫通孔がなくても良いので、第2回路基板1242の実装面積を増加させることができる。
【0037】
実施例1に関わる本発明のモータでは、シャフト111は、ロータホルダ112の上端から軸方向上側に突出する。このような構造で、モータを小型の電化製品に装着するとき、シャフト111の先端には、ギアなど動力伝送部材が装着でき、用途の多様化が実現できる。
【0038】
実施例2に関わる本発明のモータは、実施例1と同様の構造を有している箇所については同じ効果が得られる為、重複箇所については説明を省略する。
【0039】
実施例2に関わる本発明のモータは、インナーロータ型のモータである。このような、インナーロータ型のモータを採用する電子製品も省スペース化が適用できる。
【0040】
上記の説明の通り、本発明に関わるモータは、2枚回路基板を採用するとともに回路基板支持部を有する。回路基板支持部の外周面に取付部が設けられ、当該取付部によりモータが電子製品の本体に装着される。このような構造を採用すると、回路基板の実装面積を増加させるとともに、省スペース化が実現できる。
【0041】
また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
【0042】
本発明に関わるモータが、モータを内蔵する電子製品のすべてに適用できる。