特許第6515739号(P6515739)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6515739
(24)【登録日】2019年4月26日
(45)【発行日】2019年5月22日
(54)【発明の名称】放射線検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/163 20060101AFI20190513BHJP
【FI】
   G01T1/163
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-165565(P2015-165565)
(22)【出願日】2015年8月25日
(65)【公開番号】特開2017-44516(P2017-44516A)
(43)【公開日】2017年3月2日
【審査請求日】2018年7月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100132067
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 喜雅
(72)【発明者】
【氏名】加藤 勉
(72)【発明者】
【氏名】村田 靖
【審査官】 伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−196077(JP,A)
【文献】 特開平09−101370(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0190620(US,A1)
【文献】 特開2014−74701(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/163
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲のうち一方のみに開放口が形成され該開放口を通じ被験者が進入可能な内部空間を有する第1遮蔽壁と、
前記内部空間に配置され放射線の入射に応じ信号を生成する放射線検出器と、
前記開放口の前方に間隔を有して設置され、当該間隔により両側に2つの出入口を形成する第2遮蔽壁と、
を備えることを特徴とする放射線検出装置。
【請求項2】
前記第2遮蔽壁のそれぞれの端部が、外部からの放射線が前記2つの出入口を通じ前記放射線検出器に直接入射することのないように、第2の遮蔽壁の端部が中央部側よりも第1遮蔽壁側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。
【請求項3】
前記内部空間に設置される椅子を更に備え、
前記椅子は、前記被検者が着座する着座部と背もたれ部とを含み、
前記放射線検出器は、前記背もたれ部に配置される第1検出器と、前記着座部に配置される第2検出器とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の放射線検出装置。
【請求項4】
前記第1遮蔽壁は、2つの側壁部と該2つの側壁部をつなぐ後壁部とを含み、
前記2つの側壁部が、前記放射線検出器よりも前記第2遮蔽壁側まで延びていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の放射線検出装置。
【請求項5】
前記第1遮蔽壁と前記第2遮蔽壁との上部をつなぐ第3遮蔽壁を更に備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の放射線検出装置。
【請求項6】
前記第3遮蔽壁は、前記第1遮蔽壁の上縁の端部と前記第2遮蔽壁の上縁の端部とをつないでいることを特徴とする請求項5に記載の放射線検出装置。
【請求項7】
前記第1遮蔽壁の上縁または前記第2遮蔽壁の上縁と前記第3遮蔽壁との間に外部から光を取入可能な光取入構造を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の放射線検出装置。
【請求項8】
一端が前記第1遮蔽壁または前記第2遮蔽壁に連結され他端が移動可能な連結機構と、
前記連結機構の他端に連結され前記内部空間に進入する甲状腺モニタと、
を更に備え、
前記甲状腺モニタの放射線検出素子が、前記内部空間のうち、外部からの放射線が前記2つの出入口を通じ前記放射線検出器に直接入射することのない位置に設置可能であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の放射線検出装置。
【請求項9】
放射線の入射に応じ信号を生成する放射線検出器と、
放射線検出素子を有する甲状腺モニタと、
少なくとも1つの出入口を有し、外部からの放射線が該出入口を通じ前記放射線検出器および前記放射線検出素子に直接入射しないように該放射線検出器および該放射線検出素子の周囲を囲繞することで被験者が進入可能な内部空間を形成した遮蔽壁と、
を備えることを特徴とする放射線検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放射線検出装置に関し、特に、外部からの直接放射線を遮蔽し測定対象の放射線量を測定する放射線検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
体内被ばく量を測定する放射線検出装置として、ホールボディカウンタというものが存在する。ホールボディカウンタは、被検者の姿勢に応じて主にベッド式、チェア式、立位式の3パターンに大別される。ベッド式では、ベッドに寝ている被検者の真上に放射線を検出する検出器が設けられており、ベッド上の被検者と検出器とが水平方向に相対移動されることで全身にわたって放射線量が測定される(特許文献1−3参照)。チェア式では、椅子の背もたれ部分に検出器が設けられており、被検者の背面から放射線量が測定される(特許文献1−4参照)。立位式では、壁に沿って立つ被検者の正面に検出器が設けられており、被検者の正面から放射線量が測定される(特許文献5参照)。特に、ベッド式のホールボディカウンタにあっては、重量物である検出器が被検者の真上に設けられているため、測定時に被検者に対して圧迫感を与える原因となっていた。そこで、チェア式や立位式を採用することにより、被検者に対する圧迫感(負担)が軽減されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3301913号公報
【特許文献2】特開平09−101370号公報
【特許文献3】特許第3532736号公報
【特許文献4】特許第3934495号公報
【特許文献5】特開2014−24497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、チェア式のホールボディカウンタでは、椅子の周囲が遮蔽壁によって覆われており、外部からの放射線が直接検出器に入射しないように構成されている。特に、特許文献2−4では、椅子の周囲全体が遮蔽壁によって覆われており、被検者の出入口が一箇所しか設けられていない。このため、例えば、お年寄りや体の不自由な人等、介助者が必要な被検者にあっては、装置の出入りが困難であるという問題があった。
【0005】
また、従来から甲状腺から発せられる放射線量を測定する甲状腺モニタが存在する。昨今、ホールボディカウンタでの体内被ばく量の測定と共に、甲状腺モニタにて甲状腺の放射線量の測定が求められる場合が多い。しかし、一般の甲状腺モニタにあっては、専用の測定室内に椅子と検出器が備えられ、ホールボディカウンタとは別々の装置として設けられていた。そのため、ホールボディカウンタでの測定と甲状腺モニタでの測定との双方を実施する場合、その作業が煩雑となっていた。
【0006】
また、特許文献5に記載の立位式のホールボディカウンタでは、被検者の背面にのみ遮蔽壁が設けられており、装置の左右両端が開放されている。このため、被検者の出入りが容易となっている。しかしながら、特許文献5では、外部からの放射線を遮蔽した内部空間内で被験者から発せられる放射線量を測定するという概念が全くない。この場合、被験者から発せられて放射線検出器に入射する放射線と、外部放射線との弁別が出来ず、安定した測定精度が得られないという問題がある。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、測定対象の放射線量を簡便かつ高精度に測定することができる放射線検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る放射線検出装置は、周囲のうち一方のみに開放口が形成され該開放口を通じ被験者が進入可能な内部空間を有する第1遮蔽壁と、前記内部空間に配置され放射線の入射に応じ信号を生成する放射線検出器と、前記開放口の前方に間隔を有して設置され、当該間隔により両側に2つの出入口を形成する第2遮蔽壁と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、測定対象の放射線量を簡便かつ高精度に測定することができる放射線検出装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態に係るホールボディカウンタを前方から見た斜視図である。
図2】本実施の形態に係るホールボディカウンタを後方から見た斜視図である。
図3】本実施の形態に係るホールボディカウンタの断面図である。
図4】本実施の形態に係るホールボディカウンタの測定フローの説明図である。
図5】第2の実施の形態に係るホールボディカウンタの説明図である。
図6】第1の変形例に係るホールボディカウンタの説明図である。
図7】第2の変形例に係るホールボディカウンタの説明図である。
図8】第3の変形例に係るホールボディカウンタの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
従来、人間の体内から発せられる放射線量を測定するホールボディカウンタにおいては、外部からの放射線(バックグラウンド)が測定空間内に入射するのを防止するため、鉛を含んだ金属製の遮蔽壁によって被検者及び検出器(放射線検出器)の周囲空間が遮蔽されている。これにより、外部からの放射線の影響を受けることなく、放射線の検出精度を高めることができる。しかしながら、遮蔽壁は、ホールボディカウンタの重量の大部分を占める重量物であり、その重量に耐え得る据付け面の強度確保や、材料コストの観点から、可能な限り使用量を削減することが好ましい。
【0012】
そこで、本件発明者等は、遮蔽壁の左右両側を開放することで被検者の出入口を設け、遮蔽壁を特徴的な形状にした。これにより、遮蔽壁の使用量が削減される結果、ホールボディカウンタ全体として重量及び材料費を削減することに成功した。さらに、遮蔽壁の左右両側に被検者の出入口を設けたことにより、被検者の出入りを容易にすることも実現している。
【0013】
以下、添付図面を参照して、本実施の形態に係るホールボディカウンタについて説明する。図1は、本実施の形態に係るホールボディカウンタを前方から見た斜視図である。図2は、本実施の形態に係るホールボディカウンタを後方から見た斜視図である。図3は、本実施の形態に係るホールボディカウンタの断面図である。図3Aは本実施の形態に係るホールボディカウンタの横断面図を示し、図3Bは本実施の形態に係るホールボディカウンタの縦断面図を示す。なお、本実施の形態では、放射線検出装置としてホールボディカウンタを例に挙げるが、放射線検出装置はこれに限定されるものではない。例えば、内部被ばく量の測定用途に限らず、体表面の汚染を検出する体表面モニタ等にも適用可能である。また、本実施の形態に係るホールボディカウンタは、以下に示す構成に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。さらに、以下の説明において、椅子に着座する被検者の正面側を前方、背面側を後方、被検者の左側を左方、右側を右方とする。
【0014】
図1から図3に示すように、ホールボディカウンタ1は、椅子2に着座した被検者Hの体内から発せられる放射線量を測定する、いわゆるチェア式のホールボディカウンタである。本実施の形態では、全身だけでなく、特定箇所(甲状腺)の放射線量も測定可能である。なお、ここで示す「全身」とは、体幹(頭、手足を除いた胴体部分(例えば、胸部、腹部、腰部、背部))及び大腿部を含むものとする。
【0015】
ホールボディカウンタ1は、放射線の入射に応じ信号を生成する放射線検出器3(図3参照)を備えた椅子2をベース4の上に設置して構成される。椅子2の周囲は鉛を含んだ金属(例えば鉄)製の遮蔽壁5によって覆われている。このため、外部からの放射線(直接線)が放射線検出器3に対して直接入射することを抑制することができる。
【0016】
椅子2は、被検者が着座する着座部(シート)20の後端に、鉛直方向に延びる背もたれ部(バックレスト)21を設け、背もたれ部21の上端に頭蓋支持部(ヘッドレスト)22を設けて構成される。着座部20の左右両端には、肘掛部(アームレスト)23が設けられている。放射線検出器3は、測定体勢にある(着座した)被検者の測定部位に近接して対向配置されており、背もたれ部21の後方に配置される第1検出器30と、着座部20の下方に配置される第2検出器31とを有している。
【0017】
第1検出器30及び第2検出器31は、共にNaI(Tl)シンチレーション検出器で構成され、測定対象は主にγ線とする。放射線検出器3では、放射線の入射によってシンチレータ(不図示)が蛍光する。そして、その光が光電子増倍管等を経て検出信号に変換され、所定の制御機器に入力される。なお、放射線検出器3は、上記した構成に限定されず、他のタイプの検出器で構成されてもよい。
【0018】
第1検出器30は、背もたれ部21の下端から上端に向かって延びている。第1検出器30は、椅子に着座する被検者Hの後方から放射線を検出する。より具体的には、第1検出器30では、被検者の腰から肩周辺までの放射線量を測定することができる。
【0019】
第2検出器31は、着座部20の前端から後方に向かって延びている。第2検出器31では、被検者の腰下から膝周辺までの放射線量を測定することができる。このように、椅子2の背もたれ部分からシート下方(被検者の大腿部下)まで放射線検出器3を設けたことにより、着座した被検者Hの略全身にわたって放射線量を測定することが可能になっている。
【0020】
遮蔽壁5は、周囲のうち一方(前方)のみに開放口が形成された第1遮蔽壁50と、開放口を覆う第2遮蔽壁51とを含んで構成される。第1遮蔽壁50は、開放口を通じ被験者Hが進入可能な内部空間6を形成する。この内部空間6には、上記した椅子2及び放射線検出器3が設置(配置)されている。詳細は後述するが、第1遮蔽壁50と第2遮蔽壁51との間には間隔が設けられており、当該間隔により左右両側に2つの出入口60が形成されている。
【0021】
第1遮蔽壁50は、椅子2に着座する被検者H及び放射線検出器3を囲い、前方が開放された上面視U字形状に形成される。第1遮蔽壁50は、椅子2の側方(肘掛部23の外側)を遮蔽する左右一対(2つ)の側壁部52と、椅子2の後方(背もたれ部21及び第1検出器30の後方)を遮蔽する後壁部53とを有している。
【0022】
各側壁部52は、上面視において肘掛部23に沿って後方に延び、肘掛部23の後端部分で左右方向内側に僅かに屈曲した後、第1検出器30の後方まで延びている。また、2つの側壁部52は、放射線検出器3よりも第2遮蔽壁51側まで延びている。より具体的には、側壁部52の前端部分が、第2検出器31の先端よりも前方に突出しており、放射線検出器3(第1検出器30及び第2検出器31)は、第1遮蔽壁50(側壁部52)の後方側に配置されている。
【0023】
後壁部53は、2つの側壁部52をつないでおり、背もたれ部21の後方を覆う第1後壁部54と、被検者Hの後頭部(頭蓋支持部22)の周囲を覆う第2後壁部55とによって構成される。第1後壁部54は、第1検出器30の後方において着座部20の下方から背もたれ部21と略同一の高さで鉛直方向に延びている。第2後壁部55は、第1後壁部54の後壁部53の上端から前上方に向かって傾斜しており、先端が側壁部52の上縁まで延びている。
【0024】
上記したように、第2遮蔽壁51は、第1遮蔽壁50に形成された開放口を覆うように、開放口の前側に設置されている。より具体的には、図3に示すように、第1遮蔽壁50の開放口が形成された側(前側)の視認点Aから開放口を視認した場合に、視認点Aと開放口との間に第2遮蔽壁51が設置されている。第2遮蔽壁51は、第1遮蔽壁50の開放口から放射線検出器3(特に第2検出器31)に向かって直接入射する直接放射線を遮蔽する。図3A中、最も厳しい角度で外部から直接入射する放射線Rを図示する。放射線Rは、第2遮蔽壁51(側面部57)の端部と第1遮蔽壁50(側壁部52)の端部とを結ぶ直線上に入射する。
【0025】
また、第2遮蔽壁51は、第1遮蔽壁50の開放口から所定の間隔を空けて設けられ、左右方向及び上下方向に延びて形成されている。この間隔により、被検者Hが装置に出入りするための出入口60が、装置の左右両側に2つ形成される。なお、所定の間隔は、例えば人が通ることができる程度や、車椅子が通ることができる程度であることが好ましい。さらに、第2遮蔽壁51は、上面視において、左右方向に延びる正面部56と、正面部56の両端から左右方向外側でかつ後方に延びる一対の側面部57とによって構成される。
【0026】
一対の側面部57は、上面視において正面部56に対して所定の角度を成すように連結されており、外部からの放射線が放射線検出器3に直接入射する範囲(図3A、放射線R参照)で左右方向に延びている。特に、第2遮蔽壁51のそれぞれの端部(一対の側面部57の端部)は、外部からの放射線が2つの出入口60を通じ放射線検出器3に直接入射することのない位置関係まで第1遮蔽壁50側に延びている。換言すれば、内部空間6のうち、放射線Rよりも内側の範囲に放射線検出器3が設置されている。このように、第2遮蔽壁51を用いて、外部からの直接放射線が出入口60を通じて放射線検出器3に直接入射するのを遮ることができる。
【0027】
また、上記したように、2つの側壁部52が放射線検出器よりも第2遮蔽壁51側まで延びているため、装置の前後方向において、第2遮蔽壁51(特に側面部57)が側壁部52と重なる位置まで延長されなくても、放射線検出器3に対する外部からの直接線の入射を防止することができる。このため、第2遮蔽壁51の使用量を抑えることができ、装置全体の重量削減及びコスト削減に寄与することができる。
【0028】
なお、第2遮蔽壁51のそれぞれの端部が、外部からの放射線が2つの出入口60を通じ放射線検出器3に直接入射することのないように、第2の遮蔽壁51の端部が中央部側よりも第1遮蔽壁50側に位置していれば、第2遮蔽壁51の形態は限定されない。例えば、上面視で「C」字形状であったり、「く」字形状であったりしてもよい。
【0029】
また、正面部56の内側には、ホールボディカウンタ1の操作メニューや検出結果等、各種情報を表示するディスプレイ40が設けられている。ディスプレイ40は、タッチパネル式であり、オペレータがディスプレイ40上でホールボディカウンタ1の動作を制御することができる。例えば、測定条件の設定や測定開始の指令等の各種操作をこのディスプレイ40上で行うことができる。
【0030】
着座部20の下方には、第2検出器31を遮蔽する下壁部58(図3B参照)が設けられている。下壁部58は、第2検出器31の下方において、第1後壁部54の下端から前方に向かって延び、第2検出器31の先端側で上向きに屈曲した断面視略L字状に形成されている。また、ホールボディカウンタ1の上側には、装置の上方を遮蔽する第3遮蔽壁59が設けられている。
【0031】
第3遮蔽壁59は、第1遮蔽壁50と前記第2遮蔽壁51との上部をつないでいる。より具体的には、第3遮蔽壁59は、第1遮蔽壁50(側壁部52)の上縁から第2遮蔽壁51の上縁にかけて延びており、側壁部52の上縁の端部と第2遮蔽壁51の上縁の端部とをつないでいる。また、上面視において、第3遮蔽壁59は、側壁部52に前端から第2遮蔽壁51(側面部57)の両端に向かって拡幅した後、第2遮蔽壁51の外形に沿うように形成される。これにより、第2遮蔽壁51の上方空間が遮蔽される。
【0032】
さらに、第1遮蔽壁50の上縁または第2遮蔽壁51の上縁と、第3遮蔽壁59との間には、外部から光を取入可能な光取入構造が設けられている。具体的には、第3遮蔽壁59は、側壁部52の上端に複数の柱41を介して取り付けられており、側壁部52と第3遮蔽壁59との間、及び第3遮蔽壁59と第2後壁部55との間に僅かに隙間が設けられている。この隙間から外部の光を装置(内部空間6)内に取り込むことができる。
【0033】
このように構成されるホールボディカウンタ1では、第1遮蔽壁50の開放口両端(側壁部52の両端)と第2遮蔽壁51とによって、被検者Hが装置内に出入りするための出入口60が左右に形成される。これにより、第1遮蔽壁50と第2遮蔽壁51との間の空間には、被検者Hが通り抜け可能な通路が形成される。
【0034】
例えば、車椅子に乗った被検者を装置内に案内するには介助者による介助が必須であり、出入口が1つしかない場合は、介助者と一緒に装置に出入りすることができない。本実施の形態では、上記したように、装置の左右両側に出入口60を形成したことで、一方の出入口60から被検者Hが装置内に入る際に他方の出入口60から介助者が被検者Hを介助することができる。このように、介助の必要な被検者Hであっても容易に装置に出入りすることが可能になっている。
【0035】
また、椅子2の前方空間に両側開放の通路が形成されることで、複数の被検者が列に並んで順番に放射線量を測定する場合、測定後の被検者が一方の出入口60から退室するときに、他方の出入口60から次の被検者が装置内に入室することができる。すなわち、被検者の移動経路が一方向に定められることで、被検者の動線を確保することができる。これにより、スムーズな測定が可能になる。
【0036】
また、本実施の形態では、上記したように、椅子2や放射線検出器3の形状に合わせて側壁部52を屈曲させたり、背もたれ部21上方の第2後壁部55を傾斜させることで、デッドスペースを可能な限り削減している。さらに、装置の左右両方に出入口60を設けたことにより、遮蔽壁5の使用量(遮蔽面積)を極力削減している。このように、測定に影響が出ない程度に遮蔽面積を極力小さくすることで、ホールボディカウンタ1の重量の大部分を占める遮蔽壁5の重量を抑えることができると共に、コスト削減を実現することができる。
【0037】
次に、本実施の形態に係るホールボディカウンタ1の別の特徴である甲状腺モニタについて説明する。一般に、放射性ヨウ素(ヨウ素131)は、体内に取り込まれると甲状腺に集積し易い。そこで、特定箇所(甲状腺)の放射線量測定に特化した放射線検出装置として、甲状腺に集積した放射性ヨウ素を検出する甲状腺モニタが提案されている。
【0038】
一般の甲状腺モニタにあっては、専用の測定室内に椅子と検出器が備えられ、ホールボディカウンタとは別々の装置として設けられていた。このため、全身と甲状腺の両方の放射線量を測定したい場合には、ホールボディカウンタ及び甲状腺モニタが別々に必要となる。よって、装置の導入コストがかかるだけでなく、装置の据付スペースの確保や、測定の煩雑さに伴う被検者の負担増加等の問題があった。
【0039】
そこで、本実施の形態では、図1から図3に示すように、チェア式のホールボディカウンタ1に甲状腺モニタ7を設ける構成とした。より具体的には、甲状腺から発せられる放射線量を測定する甲状腺モニタ7を、装置の内部空間6内に設ける構成とした。これにより、1つの装置で全身(主に体幹)だけでなく、甲状腺の放射線量も測定することができる。この結果、装置の導入コストを抑えるだけでなく、装置の据付スペースをホールボディカウンタ単体のスペースで収めることができる。その他、全身の放射線量測定と甲状腺の放射線量測定を同時に行うことにより、測定に要する時間を短縮することができ、被検者の負担を軽減することができる。
【0040】
以下、甲状腺モニタ7の構成について説明する。図1から図3に示すように、甲状腺モニタ7は、連結機構70を介して装置に取り付けられている。甲状腺モニタ7は、例えば、NaI(Tl)等の放射線検出素子(不図示)を有するシンチレーション検出器で構成され、測定対象は主にγ線とする。甲状腺モニタ7の測定原理は上記した放射線検出器3と同様である。なお、甲状腺モニタ7は、上記した構成に限定されず、他のタイプの検出器で構成されてもよい。
【0041】
連結機構70は、複数のリンクで構成されるアーム71を有している。アーム71の一端(基端)は第2遮蔽壁51(正面部56内側の右端)に連結され、他端が移動可能に構成されている。また、アーム71の他端には、ブラケット72を介して甲状腺モニタ7が取り付けられる。これにより、甲状腺モニタ7は、測定位置と収納位置との間で移動可能に構成される。すなわち、甲状腺モニタ7は、装置の内部空間6に進入可能に構成される。
【0042】
例えば測定の際には、甲状腺モニタ7を被検者Hの甲状腺(喉元)付近(測定位置)に位置付けることが可能になっている。測定位置においては、甲状腺モニタ7の放射線検出素子が、内部空間6のうち、外部からの放射線(直接線)が2つの出入口60を通じ直接入射することのない位置に設置される。具体的には、放射線検出素子が、図3A中に図示した最も厳しい角度で外部から直接入射する放射線Rよりも内側に位置する。このため、外部の影響を受けることなく、甲状腺の放射線量を測定することができる。
【0043】
また、甲状腺モニタ7を使用しない場合には、複数のリンクで構成されるアーム71が折り畳まれ、甲状腺モニタ7が第2遮蔽壁51(正面部56)の内側面に沿う位置(収納位置)に位置づけられる(図3A一点鎖線部参照)。これにより、例えば被検者Hが入退出する際に被検者Hの通路が確保される。この結果、甲状腺モニタ7によって被検者Hの移動経路が妨げられることがない。
【0044】
また、一般の甲状腺モニタにおいては、外部からの放射線が検出器内に入射するのを防止するため、検出器の周囲には、鉛を含んだ金属製の遮蔽物が設けられていた。この点、本実施の形態では、ホールボディカウンタ1内、すなわち、第1遮蔽壁50によって形成される内部空間6内、とりわけ内部空間6のうち外部放射線が直接入射しない位置に甲状腺モニタ7を設置する構成としているため、甲状腺モニタ7(甲状腺モニタ7)に専用の遮蔽壁を設ける必要がない。この結果、甲状腺モニタ7の重量が抑えられると共に、甲状腺モニタ7を支持する連結機構70の構成も簡略化することができる。よって、甲状腺モニタ7全体として構成の簡略化及びコストダウンを図ることができる。また、甲状腺モニタ7の重量が抑えられることで、例えば、オペレータが被検者に対して甲状腺モニタ7を接近及び退避させる動作において、負担を軽減することができる。
【0045】
次に、図1から図4を参照して、本実施の形態に係るホールボディカウンタを用いて全身及び甲状腺の放射線量を測定する際の動作について説明する。図4は、本実施の形態に係るホールボディカウンタの測定フローの説明図である。なお、以下の説明において、ホールボディカウンタの操作は、オペレータが行うものとする。
【0046】
図1から図4に示すように、先ず、被検者Hは、一方の出入口60(例えば、右側)から装置内に入室する(ステップS1)。そして、被検者Hは、椅子2(着座部20)に着座し、背もたれ部21に背中を密着させる(ステップS2)。次に、全身及び甲状腺の放射線量のいずれか一方を測定するか、それとも両方の放射線量を測定するかを選択する(ステップS3)。オペレータは、ディスプレイ40(図1参照)上で測定内容を適宜選択する。
【0047】
全身のみを測定する場合(ステップS3:Yes)、オペレータの操作により、ホールボディカウンタ1は、放射線検出器3(図3参照)を用いて全身の放射線量の測定を開始する(ステップS4)。測定には例えば1分〜5分を要する。所定時間経過すると、測定結果として例えば、γ線スペクトルがディスプレイ40上に表示され(ステップS5)、測定が終了する。被検者は他方の出入口60から退室し(ステップS6)、次の被検者が一方の出入口60から装置内に入室する。
【0048】
一方、全身に加えて甲状腺の放射線量も測定する場合、又は、甲状腺の放射線量のみを測定する場合には(ステップS3:No)、オペレータによって、甲状腺モニタ7が被検者の喉元に位置付けられる(ステップS7)。そして、オペレータの操作により、ホールボディカウンタ1は、全身及び甲状腺の放射線量を測定する場合には放射線検出器3及び甲状腺モニタ7を用い、甲状腺の放射線量のみを測定する場合には甲状腺モニタ7のみを用いて測定を開始する(ステップS8)。
【0049】
甲状腺においても同様に、測定には例えば1分〜5分を要する。所定時間経過すると、測定結果としてγ線スペクトルがディスプレイ40上に表示され(ステップS9)、測定が終了する。測定結果は、全身と甲状腺で別々に表示される。なお、全身と甲状腺では測定時間が異なる場合があるが、この場合、いずれか遅い方の測定時間が経過したときに測定終了となる。測定が終了したら、オペレータによって、甲状腺モニタ7が被検者の喉元から退避され(ステップS10)、被検者は他方の出入口60から退室する(ステップS6)。
【0050】
このように、本実施の形態では、全身の放射線量測定と甲状腺の放射線量測定を同時に行うことにより、測定に要する時間を短縮することができ、被検者の負担を軽減することができる。また、被検者が装置に出入りするための出入口60(図3A参照)が、装置の左右両側に2つ形成されたことにより、測定後の被検者と次に測定される被検者の動線を別々にすることができる。よって、複数の被検者を連続的に測定する場合であっても、スムーズな測定が可能になる。
【0051】
以上のように、本実施の形態に係るホールボディカウンタ1によれば、被検者H及び放射線検出器3の周囲が第1遮蔽壁50及び第2遮蔽壁51によって囲われることで、外部からの放射線が椅子2の周辺に入射することを抑制することができる。このため、外部の放射線の影響を受けることなく、測定対象の放射線量を簡便かつ高精度に測定することができる。また、装置の左右両側に2つの出入口60が形成されることより、例えば、測定対象が介助の必要な被検者Hである場合、一方の出入口60から被検者Hが装置内に入る際に他方の出入口60から介助者が被検者Hを介助することができる。このため、介助の必要な被検者Hであっても容易に装置内に出入りすることができる。
【0052】
また、第1遮蔽壁50によって形成される内部空間6内に甲状腺モニタ7が設置されることで、外部からの直接放射線が甲状腺モニタ7に直接入射することを抑制することができる。このため、甲状腺モニタ7に専用の遮蔽壁を設ける必要がない。よって、甲状腺モニタ7の構成が簡略化され、甲状腺モニタ7の重量を抑えることができる。
【0053】
次に、図5を参照して、第2の実施の形態に係るホールボディカウンタについて説明する。図5は、第2の実施の形態に係るホールボディカウンタの説明図である。第2の実施の形態では、出入口が1つのホールボディカウンタ内に甲状腺モニタが設けられる点で、本実施の形態と相違する。
【0054】
図5に示すように、ホールボディカウンタ101は、椅子102の背もたれ部103の後方と着座部104の下方にそれぞれ放射線検出器105、106を備え、放射線検出器105、106によって全身の放射線量を測定することができる。椅子102及び放射線検出器105、106の周囲には、遮蔽壁107が設けられている。遮蔽壁107の一部分は開放され、被検者Hの出入口108を構成する。また、遮蔽壁107によって形成される内部空間109内に、甲状腺の放射線量を測定する甲状腺モニタ110が設けられている。甲状腺モニタ110は、上述の甲状腺モニタ7と同様に、例えばNaI(Tl)等の放射線検出素子(不図示)を有するシンチレーション検出器で構成される。
【0055】
このような構成によれば、外部からの放射線が出入口108を通じ放射線検出器105、106および甲状腺モニタ110の放射線検出素子に直接入射しないように、遮蔽壁107により放射線検出器105、106および甲状腺モニタ110の放射線検出素子の周囲が囲繞され、被験者Hが進入可能な内部空間109が形成される。そして、内部空間109内に設置された椅子102に着座し、1つの装置で全身(主に体幹)だけでなく、甲状腺の放射線量も測定することができる。この結果、装置の導入コストを抑えるだけでなく、装置の据付スペースをホールボディカウンタ101単体のスペースで収めることができる。また、全身の放射線量測定と甲状腺の放射線量測定を同時に行うことにより、測定に要する時間を短縮することができ、被検者Hの負担を軽減することができる。
【0056】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0057】
例えば、上記実施の形態において、第1検出器30が背もたれ部21の後方に設けられ、第2検出器31が着座部20の下方に設けられる構成としたが、この構成に限定されない。放射線検出器3は、着座した被検者Hの放射線量を測定できれば、どこに設けられてもよい。
【0058】
また、上記実施の形態において、据付け式のホールボディカウンタ1を例として説明したが、この構成に限定されない。例えば、図6に示す構成としてもよい。図6は、第1の変形例に係るホールボディカウンタの説明図である。図6は、車載式のホールボディカウンタ201であり、第3遮蔽壁202と第2後壁部203との間に光取入構造がない点で本実施の形態と相違する。このような構成にも適用可能である。
【0059】
また、上記実施の形態において、椅子2の上方を第3遮蔽壁59で覆う構成としたが、この構成に限定されない。第3遮蔽壁59は必ずしも設けられなくてよい。例えば、据付け場所の耐荷重を越えてしまうような場合であっても、第3遮蔽壁59を無くすことで遮蔽壁5全体の重量を削減することができるため、ホールボディカウンタ1を設置することが可能になる。
【0060】
また、上記実施の形態において、全身と甲状腺とを同時に測定する構成としたが、この構成に限定されない。全身と甲状腺を別々に測定してもよい。
【0061】
また、本実施の形態において、ホールボディカウンタ1の操作をオペレータが実施する構成としたが、この構成に限定されない。ホールボディカウンタ1の操作は、被検者自身が実施してもよい。この場合、被検者の近傍、例えば、肘掛部23に被検者用の操作パネルを設けてもよい。
【0062】
また、上記実施の形態において、ディスプレイ40を装置の内側に設ける構成としたが、この構成に限定されない。ディスプレイ40は、装置の外側(例えば、第2遮蔽壁51の外側)に設けられてもよい。また、ディスプレイ40の機能を「操作」と「表示」の2つに分割して、装置の外側に操作用のディスプレイを設け、装置の内側に表示用のディスプレイを設けてもよい。これらの場合、オペレータは、外側のディスプレイで操作することができる。また、被検者が外側のディスプレイを操作した後、椅子に着座したら自動的に測定が開始されるように構成してもよい。これにより、オペレータレスな測定が可能になる。
【0063】
また、上記実施の形態において、甲状腺モニタ7は、第2遮蔽壁51に連結機構70を介して取り付けられる構成としたが、この構成に限定されない。第1遮蔽壁50に連結機構70を介して甲状腺モニタ7が取り付けられてもよい。また、図7に示す構成としてもよい。図7は、第2の変形例に係るホールボディカウンタの説明図である。図7に示すホールボディカウンタ301では、甲状腺モニタ302の取付箇所が本実施の形態と相違する。以下、相違点を重点的に説明する。
【0064】
図7に示すように、第2の変形例に係るホールボディカウンタ301では、甲状腺モニタ302が椅子303の左側に設けられている。甲状腺モニタ302は、上述の甲状腺モニタ7、110と同様に、例えばNaI(Tl)等の放射線検出素子(不図示)を有するシンチレーション検出器で構成される。甲状腺モニタ302は、連結機構304を介して装置に取り付けられている。連結機構304は、複数のリンクで構成されるアーム305を有している。アーム305の一端(基端)は、椅子303の左側に設けられた基台306に取り付けられ、他端が移動可能に構成されている。また、アーム305の他端には、ブラケット307を介して甲状腺モニタ302が取り付けられる。また、アーム305は、一端側を支点に水平方向に旋回可能とすると共に、昇降機構308によって昇降可能に構成される。
【0065】
甲状腺モニタ302を使用する場合には、アーム305を旋回させて甲状腺モニタ302の先端を被検者側に向けると共に、アーム305を昇降させることで被検者の喉元に甲状腺モニタ302の先端を位置付ける。また、甲状腺モニタ302を退避させる場合には、複数のリンクで構成されるアーム305を旋回させながら折り畳み、アーム305の高さを調整して甲状腺モニタ302を基台306の上方に位置づける(図7の一点鎖線部参照)。これにより、被検者の前方が開放され、被検者の退室が可能になる。このような構成にすることもできる。
【0066】
また、上記実施の形態においては、チェア式のホールボディカウンタについて説明したが、この構成に限定されない。ホールボディカウンタは、チェア式に限らず、例えば、立位式等、他のタイプにも適用可能である。
【0067】
また、上記実施の形態において、2つの側壁部52は、放射線検出器3よりも第2遮蔽壁51側まで延びている構成としたが、この構成に限定されない。例えば、図8に示す構成としてもよい。図8は、第3の変形例に係るホールボディカウンタの説明図である。図8に示すホールボディカウンタ401では、側壁部403(第1遮蔽壁402)の前端部分に対して第2検出器31の先端が、装置の前後方向において略面一となるように配置されている。また、第2遮蔽壁404の側面部405が、側壁部403の前端部分より後方まで延びており、側壁部403と側面部405とが装置の前後方向において重なっている。このような構成においても、放射線検出器3(特に第2検出器31)に対する外部からの直接線の入射を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上説明したように、本発明は、測定対象の放射線量を簡便かつ高精度に測定することができるという効果を有し、特に、外部からの直接放射線を遮蔽し測定対象の放射線量を測定する放射線検出装置に有用である。
【符号の説明】
【0069】
1、101、201、301、401 ホールボディカウンタ(放射線検出装置)
2、102、303 椅子
20 着座部
21 背もたれ部
3 放射線検出器
30 第1検出器
31 第2検出器
41 柱部(光取入構造)
50、402 第1遮蔽壁
51、404 第2遮蔽壁
52、403 側壁部
53 後壁部
6、109 内部空間
60、108 出入口
7、110、302 甲状腺モニタ
70、304 連結機構
H 被検者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8